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(1)

令和

2

年 度

後 期 日 程 入 学 試 験 問 題

総合問題

A

注意事項 1 試験開始の合図があるまで,この冊子を開いてはいけません。 2 問題冊子 (21 ページ)には,解答用紙(地域創生学部 3 枚• 生物資源 科学部2枚)及び下書き用紙(両面印刷)が挟み込んであります。試験 開始の合図があったら,直ちに中を確かめ,印刷や枚数の不備などがあっ た場合監督者に申し出なさい。 3 受験する学部によって指定された箇所の問題に解答しなさい。 地域創生学部 3-13ページ 生物資源科学部 15-21ページ 4 問題冊子の間に挟み込んである解答用紙を取り出し,受験する学部の すべての解答用紙の所定欄に受験番号を記人しなさい。 5 解答はすべて,受験する学部が指定する解答用紙の所定欄に横書きで 記入しなさい。間違って他の学部用の解答用紙に記入しても,回収しま せん。 6 旬読点は,一字と数えなさい。 7 試験室で配付された問題冊子等は,提出する解答用紙をのぞいて退出 時に持ち帰りなさい。

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【英語の課題文を含まない】

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【英語の課題文を含まない】 地域創生学部地域創生学科 課題文①は『日本の若者は不幸じゃない』、課題文②の〈A〉〈B〉及び〈図〉は 『宿命を生きる若者たち』の一節です。これらを読み、以下の問いに答えなさい。 問l 課題文①において、若者の努力と上の世代の努力には、どのような違いが あると述べられていますか。 150字以内で説明しなさい。 問2 課題文② 〈B〉下線部 (1)に「高原期の時代」とありますが、これはどの ような時代だと考えられますか。課題文② 〈A〉の語句を用いて、 40字以 内で説明しなさい。 問3 課題文② 〈B〉下線部 (2)に「たとえ劣悪な環境にあったとしても、その 状況に対して不満を抱かなくなります」とありますが、それはなぜですか。 筆者の考えを 200字以内で説明しなさい。 問4 12 13ページの〈図〉は、生括に対する満足度の2018年までの調査結 果をグラフ化したものです。あなたはこのグラフが今後10年間でどのよう に変化すると考えますか(変化せず横ばいというケースを想定してもよい)。 課題文① ・②を踏まえて、 300字以内であなたの考えを述べなさい。

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課題文① 若者とひと言で括ってみても、言うまでもなく時代によって若者像は変化して いきます。そして、今の若者が不幸だと見なされる理由の最大のものは、従来の 価値観で見ると不幸としか感じられないような状況下に若者が置かれているから ではないでしょうか。景気は悪く、社会制度においては上の世代のツケを回され、 そしてかつては多くの人がそこを歩んだような、いい大学からいい会社、そして いい家庭というルートにもなかなか乗れない……。それゆえに年長者を中心に、 若者は不幸と捉えられている面が大きいでしょう。 しかし、現在の若者の多くはすでに好景気を知らないような世代なのです。だ から、かつては当たり前だった人生設計のあり方も今は異なる形へと変容してい ます。経済的には生まれたときから不屎気だけれども、そんな状況だからといっ て若者の大半がそれで傷ついて不幸になっていると考えるのは早計です。もちろ ん景気が良くなることは大歓迎ですが、それを待っていても仕方がありませんし、 経済状況が良くなくても幸せを感じている若者は無数にいるわけです。(中略) いい大学に進学するために受験勉強をする。いい会社に就職するために就職活 動 を す る ― こ の よ う な 人 た ち は ち ょ っ と 怠 け て い る よ う な と き 、 親 や 教 師 か ら「そんなことではダメ、将来どうするつもりだ?」と叱られた経験があると思 います。「将来どうするつもりだ?」は、「10年後、 20年後のことを考えなさい」 と読み替えることができます。これは、「10年後、 20年後のことが不安なのは不 幸なこと」という考え方に裏打ちされた言葉です。 しかし、“失われた 10年"を経て、上の世代は「あなたは将来どうするの?」 と言えなくなってしまいました。この時期、経済の成長に下支えされていた、そ もろ れまで自分たちが確実だと思っていたものが脆くも崩れてしまったのです。「山 つぶ 一證券に入れば生活も将来も安心」と思っていたら、その山ーが潰れてしまった わけですから。金融業界はある時期まで多くの人が憧れる職種であり、生活の安 定も保証されていましたが、“失われた 10年"からさらに 10年ほど経ち、いま や金融業界に就職することは非常にギャンブル性が高いことになってしまってい るような気がします。そして、それは金融業界に限ったことではありません。 今は、さらに不景気な時代に突入しており、大手企業だから潰れないとはとて

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も言えない状況にあります。 JALや武富士が経営危機を迎えるなんて、 20年前 の人に話してもけっして信じてもらえないでしょう。つまり、今の時代、 10年後、 20年後の不安を完全に取り除くことは不可能です。若者だけではなく、大半の 人々が10年後、 20年後の確実な未来を想像することができなくなってしまった のです。(中略) 不況の時期に当たり前のように育った若者たちは身の丈にあった人生設計、す なわちイメージしやすい 1年後、 2年後のことを考えて動くようになっていると 思います。 不透明な 10年後のことを考えても意味がない、ならば確実な1年後のことを 考えていたほうがいい。それが今の若者たちの考え方なのです。 戦後、終身雇用制度が確かなものとしてあった時代は、新卒で就職さえすれば、 一生会社が面倒を見てくれていました。一方で、就職というレールを踏み外して しまったらお先真っ暗。もう明るい人生を歩むことはできないのではないだろう か。日本人の多くがそう考えていたと思います。 しかし、今は会社に就職していようが何をしていようが、 10年後はわからな い時代です。いつ会社をクビになるかもしれないですし、会社そのものがなくな ってしまうかもしれません。 昨今、就職した若者の離職率が高いと言われています。新卒で就職しても、 3 年もしないうちに会社を辞めてしまう人が大卒の場合は全体の 3割にも及んでい るのです。しかし、これは当たり前のこと。これだけ社会が不安定になれば、 10 年、 20年も同じ会社で働き続けようと考える若者が減っていくのは当然だと思 います。 「一生、同じ会社で働くなんて可哀想」。今、多くの若者たちがそう思っている でしょう。こういう考え方をしているから、「だから今の若い連中はダメなんだ」 と言われてしまうのかもしれません。私は両方の気持ちがわかります。若者とし ては、「なんで同じ会社にずっといなければいけないの?飽きるし、つまらない し、他の仕事もしてみたい」という気持ちがある。それが正匝な感想でしょう。 3年も働けば、仕事のノウハウも一通り学ぶこともできるし、次の仕事へのステ ップにすることもできる。 3年で仕事を辞めることをネガティブに考えるのでは なく、ポジティブに捉えているのです。

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そう考える若者たちは、社会の厳しさをよくわかっていないのかもしれません。 「俺、もうこの会社で学ぶことはないっす。これだけやれば十分っす。もっとや りたいことが他にあるんでこれで新天地へ旅立ちます」。本当にそんなことを思 っているのです。「会社に就職して、一生会社のために働き続ける」ことを最初 から馬鹿にしている部分があります。会社で取引先にペコペコしている上の世代 を馬鹿にしている。「なんで俺たちが会社の歯車にならなきゃいけないの?」と も考えています。だから簡単に会社を辞めて、つい旅に出てしまったり、カフェ を開業したりしようとする。今よりも自分は、もっといい場所に行くことができ ると信じているのです。 せ つ な ただし、それは決して不透明な未来を悲観し、刹那的に遊んでいるだけという わけでもないでしょう。近い将来に向けて身近な目標を立て、それに向かって努 力している若者は大勢います。言うまでもなく、その努力が実を結ぶかどうかは わかりません。ただひとつ言えるのは、遠い将来をイメージして行動する若者よ り、近くて具体的な未来を意識して行動する若者のほうが多いということです。 課題文② 〈A〉 福嶋麻衣子・いしたにまさき 「日本の若者は不幸じゃない』 (ソフトバンク新書, 2011)による。出題の都合上、一部改変した。 皆さんは、「宿命」という言葉から何をイメージされるでしょうか。どんな人 生を思い描かれるでしょうか。おそらく現在40代から上の人たちにとって、そ しつ→< れは自分の人生を縛り、不自由なものにする栢桔*と捉えられている場合が多い のではないでしょうか。しかし、現在30代から下の人たちにとって、それはむ しろ自分の人生の基盤となり、そこに安定感を与えてくれるものと捉えられるよ うになっている場合が多いように見受けられます。 では、「努力」という言葉についてはどうでしょうか。おそらく、現在40代か ら上の人たちにとって、それは自分の能力や資質の不足分を補うための営みと捉 えられていることが多いでしょう。しかし、現在30代から下の人たちにとって、

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それはむしろ自分の能力や資質の一部を成すものと捉えられるようになっている 場合が多いように見受けられます。努力できるか否かもまた、自分の素質の一部 と見なされるようになっているのです。 内閣府が2018年に実施した「国民生活に関する世論調壺」では、現在の生活 に満足していると答えた人とまあ満足していると答えた人が併せて74.7%を占め て、過去最高の数値となりました。18歳から 29歳までに限定すると、その数値 はさらに 83.2%まで上昇します。現在の日本では、人びとの格差化が進んでいる といわれるのに、生活に満足していると答える人が増えているのはなぜでしょう か。とりわけ若者たちは厳しい社会状況に置かれているはずなのに、生活に満足 と答える人がさらに増えるのはなぜでしょうか。 この謎を解く鍵は、 上に示した二つの言葉をめぐる世代の相違から透けて見え てくるように思われます。そして、その背景にあるのは、現在の日本社会がすで に成長期の段階を終え、いまや成熟期へ移行しているという事実です。また、そ の時代の変化を反映して、自分が後天的に獲得した地位や能力ではなく、自分に 先天的に備わっている属性や能力こそが、自分の人生を規定する最大の要因であ り、また自分の人生に安定感と安心感をもたらしてくれると考える人びとが、現 在の日本に増えているという事実でもあるように思われます。 注 栢 桔 … … 自 由 を 束 縛 す る も の 、 の 意。 〈B〉 2018年7月、西日本は記録的な豪雨災害に見舞われました。その被害がも っ そうじゃ とも大きかった地域の一つが岡山県総社市です。大量の雨によって住宅地の広範 囲で土砂流人が発生し、また水分を吸収した薬品で化学工場が燥発するなど、甚 大な損害を被りました。 そんな大災害に見舞われた翌日、同市のある高校生が、ツィッターで市長にこ んなメッセージを送りました。「突然、失礼します。これを見る暇はないかもし れませんけど……。私たち高校生に何かできることはありませんか? 配給の手 伝いなどはできませんか? 何かできるかもしれないのに家で待機しているだけ つら というのはとても辛いです。子どもだから、できることは少ないかもしれないで す。でも、ほんの少しでもできることはないですか?」と。同市長はこのメッセ

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ージに対してすぐさま反応し、「総社市役所に手伝いに来てください」と、やは りツイッターでつぶやきました。すると翌日の朝には、千人を超える高校生のボ ランティアが市役所に集結したのです。(中略) このエピソードが物語っているのは、現在の若者たちは、人間関係の内閉化や 生活圏の分断化を、その気になれば軽々と乗り越える力をじつは備えもっている ということです。そして、その力を引き出せる環境を作っていくのは、ほかなら ぬ私たち大人自身の役目だということです。総社市では、その前々年に九州で熊 本地霞が発生した際に、いち早く支援職員を同地へ派遣するなど、地域の垣根を 越えたつながりの構築に取り組んでいました。その光景を日頃から

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にしていた 若者たちが、ここぞとばかりに立ち上がり、その潜在力を発揮してくれたのです。 ある問題に匝面したとき、自分自身の能力でその解決が不可能なら、その能力 に長けた人をインターネットで探してきて事態に対処する。自分に足りないピー スがあったとき、わざわざ時間と手間をかけてそのピースを自分で作り出すより は、そのピースを外部から探してきてさっと手早く埋め合わせてしまう。現在の 若者たちは、そんな能力に長けています。そして、社会が平坦化している現在だ からこそ、このような人的交流も可能になっているのだとすれば、それはまさに

m

高原期の時代にふさわしい努力のかたちともいえます。 そもそも努力とは何でしょうか。昨今の若者たちが考えるように、努力できる か否かも生得的な属性の一部なのでしょうか。生まれついた資質や才能に差があ ることを否定はしませんが、しかし本来は、その能力の足りない部分を補う営み こそ、努力という言葉の意味するところだったはずです。だとすれば、個人の能 力不足を自己完結的に補うのではなく、他者とのつながりによって補おうとする 営みも、また努力の一つのかたちといえるのかもしれません。このように考え方 を改めてみると、そして現在の若者たちのふるまい方を見てみれば、けっして努 カヘの信頼感が失われているわけではないのかもしれません。 しかし、それでもなお、いま努力への侶頼感に削がれている面があるとすれば、 それは今日の社会の高原化によって、かつてのように超越的な目標を胸に抱きに くくなったからだと考えられます。だとしたら、内実のよく分からない異次元の 目標のためになどではなく、その営みの過程それ自体を楽しむことで、努力を続 けられるようにしてみるのも一つの手ではないでしょうか。それは、なにか別の

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目標を実現するための人間関係ではなく、関係そのものを楽しむ自己充足的な人 間関係を紡いでいくことでもあるはずです。そう考えれば、それはもうすでに多 くの若者たちが営んでいるものだともいえます。 現在の若者たちは、シェアの世代ともいわれます。たとえば、クルマが必要に なったらお金を稼いで買うのではなく、いま使っていない人から借りればよいと 考えます。もちろん、ギブ&テイクですから、いま自分に使う必要のないものは、 逆に誰かに貸してあげればよいと考えます。そうやって世界を広げ、分断墜を軽々 と乗り越えていける力を持っているのも現在の若者たちです。彼らは、自分の能 力不足に自身の内部を改良することで対応するのではなく、人間関係を新たに構 築することで対応することのできる枇代なのです。 今日のように流動性の増した社会で、 一つのものごとに対してあまりにも強く こだわりすぎると、せっかく新しいチャンスが到来しているかもしれないときに、 その兆しを見逃してしまうこともありえます。インターネットを活用し、全世界 から絶えず新しい情報を摂取している若者たちは、そのリスクをよく心得ていま す。そのため、なにか特定のことに没頭することは、むしろ積極的に回避しよう とします。だとすれば、ひたすら一つのことに集中することではなく、もっと臨 機応変に人間関係を構染していけるように工夫を重ねることこそ、今日の努力の あり方なのだと考えを改めねばならないのかもしれません。それが、高原期の社 会に見合った努力のかたちなのかもしれません。 このように既成の概念を疑ってみることの意義は、宿命論的人生観についても 同様に当てはまるものです。今日のそれが前近代的なそれと根本的に異なってい るのは、理不尽な身分制度によって抑圧され、やむなく希望を諦めているわけで はないという点にあります。しかし、前近代的な身分制度を理不尽だと考えるの は、そもそも私たちが近代人だからです。その時代を生きた人びとにはそれこそ が自明の現実であって、たとえば、農民も努力次第で武士になれるなどとは夢に も思わなかったはずです。そして、現在の時代精神の落とし穴もじつはここにあ ります。 今日、生まれ持っていると考えられている素質や才能の多くも、じつは与えら れた社会環境のなかで、かつての身分制度と同じくらい格差をともないながら、 再生産されてきたものです。たとえば、いくら天才的なピアニストであろうと、

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そもそも日常的にピアノに触れさせてくれ、定期的にレッスンに通わせてくれる ような恵まれた成育環境になければ、その才能に

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貨めることは難しかったはず です。その点から見れば、それらの素質や才能もけっして生得的属性とはいいき れません。もちろん、生まれ落ちる環境を自分では選べませんから、その点につ いては個人にとっての宿命であり、生得的属性であるかのように感じられます。 しかしその環境も、社会制度の設計いかんでいかようにも変えていけるものです。 そう考えれば、社会的に見るとそれも宿命などではありません。 このことは、現在の若者たちに見られる人間関係のマネジメントカの高さにも 当てはまります。それは、彼らに生まれ備わった能力というよりも、むしろこの 高原地帯を歩むなかで育まれてきたものです。生得的な素質などではなく、社会 化による産物なのです。もちろん、彼らがこの時代に生まれ落ちたのは、自己選 択の結果ではありません。したがって、その部分については宿命論が成り立つよ うにも見えます。しかし、ここでもピアニストの例と同じことがいえます。この 高原期の社会をどのようなかたちにしていくかは、まさに私たちの自由選択に託 されているからです。社会的に見れば、それもまた環境の産物なのです。 このように見てくると、今日の宿命論的人生観も、じつは前近代的なそれと本 質的には違っていないといえます。作られた素質にもとづく社会的な境遇の違い を、あたかも生来的なものと思い込んでいるだけなのです。このように、本来は 社会構造的な背景から生まれた格差でありながら、それをあたかも個人的な理由 にもとづいたものであるかのように錯覚している状態を、イギリスの社会学者、 こ・ぴゆう アンデイ・ファーロングとフレッド・カートメルは認識論的誤謬と呼んでいます。 “ 私たちの生活満足度は、自分の置かれている環境をどのように判断するかによ って異なってきます。ここで視野が狭いと、その環境を客観的に見つめることが 難しくなります。その結果、 (2)たとえ劣悪な環境にあったとしても、その状況に 対して不満を抱かなくなります。それは、疎外された状況に置かれているという 認識それ自体からも疎外されていることを意味します。今日の若者たちの幸福感 の強さは、社会的に排除されていることの認爵&からも排除された結果といえるの です。いわば二重化された社会的排除の産物なのです。 宿命論的人生観の下では、排除されていることを当事者に意識させないような はくだっかん 排除が、したがって剥奪感さえ抱かせないような排除が、人知れず進行していき ます。反発や絶望を覚えることもなく、「それが自分の宿命なのだ」と、納得を

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もって淡々と迎え入れていってしまいます。だから今日の若年層では深刻な社会 的な格差があるにもかかわらず、生活満足度も上昇しつづけているのです。だと したら、それはけっして望ましい現象とはいえません。それもまた認識論的誤謬 の一側面にほかならないからです。 〈図〉 (%) 80~ 67,5 64.2 60.. 50... --if

,.,.,o"'-- ← 64.3 62.6 63.9 64,8 65,4

訂_

I I 1 I I I I I 1 I I I I I I I I I I I 1 I 1 I 1 I I I l瑯6465 66 67 68 69 70 71 72 73 74 74 75 75 76 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 8687: 図 現在の生活に対する満足度 (内閣府「国民生活に関する世論調査」 2018年6月調査) (注1)平成3 (1991)年以前の調査 満足→ 「十分満足している」+「一応満足している」 平成4 (1992)年以降の調査 満足→ 「満足している」+「まあ満足している」 (注2)平成27(2015)年調査までは、 20歳以上の者を対象として実施 平成28 (2016)年調査からは18歳以上の者を対象として実施

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73,9 7 1 . 0 ~ 1 ~7 70.3 70.l 65.3 63.1 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 99 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 111213 14 15 16 17⑳ 18(年) 土井隆義『「宿命」を生きる若者たち—格差と幸福をつなぐもの一ーJ (岩波プックレット, 2019)による。出題の都合上、一部改変した。

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【英語の課題文を含む】

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【英語の課題文を含む】 生物資源科学部 生命環境学科 課題文① ・ ②を読み、以下の問いに日本語で答えなさい。 間1 課題文①において、若者の努力と上の世代の努力には、どのような違いが あると述べられていますか。 150字以内で説明しなさい。 問2 課題文②では、アメリカの "millennial"世代の特徴について述べられてい ます。彼らに対する否定的な評価と肯定的な評価について、それぞれ100字 以内で説明しなさい。 間3 課題文②で述べられているアメリカの"millennial"世代の特徴は、日本の 若者世代にも当てはまりますか。課題文①を踏まえて、あなたの考えを 400 字以内で述べなさい。

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課題文① 若者とひと言で括ってみても、言うまでもなく時代によって若者像は変化して いきます。そして、今の若者が不幸だと見なされる理由の最大のものは、従来の 価値観で見ると不幸としか感じられないような状況下に若者が置かれているから ではないでしょうか。景気は悪く、社会制度においては上の世代のツケを回され、 そしてかつては多くの人がそこを歩んだような、いい大学からいい会社、そして いい家庭というルートにもなかなか乗れない……。それゆえに年長者を中心に、 若者は不幸と捉えられている面が大きいでしょう。 しかし、現在の若者の多くはすでに好景気を知らないような世代なのです。だ から、かつては当たり前だった人生設計のあり方も今は異なる形へと変容してい ます。経済的には生まれたときから不景気だけれども、そんな状況だからといっ て若者の大半がそれで傷ついて不幸になっていると考えるのは早計です。もちろ ん景気が良くなることは大歓迎ですが、それを待っていても仕方がありませんし、 経済状況が良くなくても幸せを感じている若者は無数にいるわけです。(中略) いい大学に進学するために受験勉強をする。いい会社に就職するために就職活 動 を す る ― こ の よ う な 人 た ち は ち ょ っ と 怠 け て い る よ う な と き 、 親 や 教 師 か ら「そんなことではダメ、将来どうするつもりだ?」と叱られた経験があると思 います。「将来どうするつもりだ?」は、「10年後、 20年後のことを考えなさい」 と読み替えることができます。これは、「10年後、 20年後のことが不安なのは不 幸なこと」という考え方に裏打ちされた言葉です。 しかし、"失われた 10年"を経て、上の世代は「あなたは将来どうするの?」 と言えなくなってしまいました。この時期、経済の成長に下支えされていた、そ もろ れまで自分たちが確実だと思っていたものが脆くも崩れてしまったのです。「山 つぶ 一證券に入れば生活も将来も安心」と思っていたら、その山ーが潰れてしまった わけですから。金融業界はある時期まで多くの人が憧れる職種であり、生活の安 定も保証されていましたが、“失われた 10年”からさらに 10年ほど経ち、いま や金融業界に就職することは非常にギャンブル性が高いことになってしまってい るような気がします。そして、それは金融業界に限ったことではありません。 今は、さらに不景気な時代に突人しており、大手企業だから潰れないとはとて

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も言えない状況にあります。 JALや武富士が経営危機を迎えるなんて、 20年前 の人に話してもけっして信じてもらえないでしょう。つまり、今の時代、10年後、 20年後の不安を完全に取り除くことは不可能です。若者だけではなく、大半の 人々が10年後、 20年後の確実な未来を想像することができなくなってしまった のです。(中略) 不況の時期に当たり前のように育った若者たちは身の丈にあった人生設計、す なわちイメージしやすい 1年後、 2年後のことを考えて動くようになっていると 思います。 不透明な 10年後のことを考えても意味がない、ならば確実な 1年後のことを 考えていたほうがいい。それが今の若者たちの考え方なのです。 戦後、終身扉用制度が確かなものとしてあった時代は、新卒で就職さえすれば、 一生会社が面倒を見てくれていました。一方で、就職というレールを踏み外して しまったらお先真っ暗。もう明るい人生を歩むことはできないのではないだろう か。日本人の多くがそう考えていたと思います。 しかし、今は会社に就職していようが何をしていようが、 10年後はわからな い時代です。いつ会社をクビになるかもしれないですし、会社そのものがなくな ってしまうかもしれません。 昨今、就職した若者の離職率が高いと言われています。新卒で就職しても、 3 年もしないうちに会社を辞めてしまう人が大卒の場合は全体の 3割にも及んでい るのです。しかし、これは当たり前のこと。これだけ社会が不安定になれば、 10 年、 20年も同じ会社で働き続けようと考える若者が減っていくのは当然だと思 います。 「一生、同じ会社で働くなんて可哀想」。今、多くの若者たちがそう思っている でしょう。こういう考え方をしているから、「だから今の若い連中はダメなんだ」 と言われてしまうのかもしれません。私は両方の気持ちがわかります。若者とし ては、「なんで同じ会社にずっといなければいけないの?飽きるし、つまらない し、他の仕事もしてみたい」という気持ちがある。それが正直な感想でしょう。 3年も働けば、仕事のノウハウも一通り学ぶこともできるし、次の仕事へのステ ップにすることもできる。3年で仕事を辞めることをネガティブに考えるのでは なく、ポジティブに捉えているのです。

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そう考える若者たちは、社会の厳しさをよくわかっていないのかもしれません。 「俺、もうこの会社で学ぶことはないっす。これだけやれば十分っす。もっとや りたいことが他にあるんでこれで新天地へ旅立ちます」。本当にそんなことを思 っているのです。「会社に就職して、一生会社のために働き続ける」ことを最初 から馬鹿にしている部分があります。会社で取引先にペコペコしている上の世代 を馬鹿にしている。「なんで俺たちが会社の歯車にならなきゃいけないの?」と も考えています。だから簡単に会社を辞めて、つい旅に出てしまったり、カフェ を開業したりしようとする。今よりも自分は、もっといい場所に行くことができ ると{言じているのです。 せ つ な ただし、それは決して不透明な未来を悲観し、刹那的に遊んでいるだけという わけでもないでしょう。近い将来に向けて身近な目標を立て、それに向かって努 力している若者は大勢います。言うまでもなく、その努力が実を結ぶかどうかは わかりません。ただひとつ言えるのは、遠い将来をイメージして行動する若者よ り、近くて具体的な未来を意識して行動する若者のほうが多いということです。 課題文② 福嶋麻衣子・いしたにまさき『日本の若者は不幸じゃないj (ソフトバンク新書, 20ll)による。出題の都合上、一部改変した。 (*のある語旬には注をつけています。) For quite a while now, "millennial* bashing" has been the thing to do. For example, a 2012 study in the Journal of Personality and Social Psychology concluded that millennials are more focused on material goals like fame, fortune, and image than on broader community-oriented aspirations*. Then, in 2013, a Time magazine cover story began, "They're narcissistic. They're lazy. They're coddled*. They're even a bit delusional*." In 2014, an essayist named William Deresiewicz called millennials "privileged and incurious," with no interest in exploring larger, more intellectual questions about the meaning of life. And New York Times op-ed * writer David Brooks

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recently described them as "morally inarticulate*."

Other criticisms abound*. Millennials lack patience, "grit*," and job loyalty. They are immature and have a tiny attention span. They tend to put off marriage and responsibility and to "boomerang" back to their parents. They are obsessed with all things online and digital. They lack a passionate political philosophy and social commitment. Most of these critics do admit that there is also, of course, a positive side to the Gen Xers *—they are said

to be less racist and sexist and by and large less prejudiced. But these same critics are also quick to disparage these positive traits—to put them down

not to a bigger capacity for empathy, but to increased individualism and self-concern.

But Scott Behson, author of The Working Dad's Survival Guide, says it's time to"takea break from bashing the next generation to highlightsome

things we can all learn from them," especially when it comes to balancing work and life. First ofall,Behson says, more than any generation, "Millennials believe that men should be involved parents and that women's careers are just as important as men's." Second, because millennials feel less tied to their job or company, they are more open to making career moves as the world and their lives change around them. So we could all, says Behson, "learn from their willingness to be forward thinking, flexible, creative, and risk

taking." Third, millennials aren't meek*. They don't believe in the corporate "work first" culture. Instead, they demand what they want from their employers. If they don't get it, they find another company that will give it to them. Finally, says Behson, millennials are putting pressure on corporations to put long-overdue policy changes into practice. "As a result, we are finally seeing progress on employment issues like paid time off, parental leave*, and workplace flexibility,"accordingto Behson.

Fareed Zakaria, writing recently in The Atlantic, sums the millennial situation up like this: "This age is defined by capitalism, globalization, and technology. The icons of the age are entrepreneurs*, technologists, and businesspeople. Young people reflect today's realities. Their lives are more

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involved with these economic and technological forces than with ideology and geopolitics*. It's a new world, and the young know it."

From Reader's Forum 2

Everyday English by Jim Knudsen (NAN'UN-DO, 2016)

注 millennial: the generation born between 1980-1994 aspiration: a hope or ambition of achieving something coddled: treated in an indulgent or overprotective way delusional: tending to be possessed by wild fantasies op-ed: an opinion piece in a newspaper inarticulate: unable to clearly express one's ideas or feelings abound: exist in large numbers or amounts grit: courage or strength of character the Gen Xers: the generation born between 1965-1979 meek: quiet, gentle, and easily imposed on

parental leave: time that a parent is allowed to spend away from work to take care of his or her child

entrepreneur: a person who sets up a business or businesses

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