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A. 生物多様性に関する取組みの定量化を目的とした評価ツールの開発 ( 例 : 図 - 1) B. 市街地や郊外の開発予定地を対象とした生態系ネットワーク評価システムの開発 ( 例 : 図 - 2) C. 環境不動産における市場価値 知的生産性向上に関する検討 ( 例 : 図 - 3) これらを比較

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1.はじめに

2010 年に名古屋で COP10(第 10 回生物多様性条約締約 国会議)が開催され,「愛知目標(ポスト 2010 年目標)」 と「遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)に関する名 古屋議定書」が採択された。国連では 2011 年から 2020 年 を「生物多様性の 10 年」と位置付け,COP10 の各種決議 事項実施のための「生物多様性戦略計画」を国際社会が協 力して実現する期間であるとしている。その様な流れの 中で,環境意識の高い顧客においては,建築事業で生物多 様性に関する提案が要求されることも想定される。 また,顧客サイドでも,事業所敷地内で希少種の保護を 行うなど,独自の取組みを進めているケースもあり,建設 事業者としてもより高い対応力が求められている。 さらに,各自治体でも生物多様性地域戦略策定が進行 しており,生態系ネットワークの保全/再生,自然環境と 都市型生活の共存のための土地利用計画,自然共生型の まちづくりなどの取組が実施されつつある。また公共事 業や民間の都市再開発事業等においても,より生物多様 性への配慮と積極的提案が求められている。 そこで,CASBEE の生物多様性関連評価項目に着目し,設 計時に生物多様性への取組みを評価する簡易評価ツール (以下本ツール)を開発した。以下にその概要について報 告する。

2.事前調査

2.

1 技術動向の把握

共研フォーラム(建設会社による共同研究の立ち上げ を支援する任意団体)を通して,安藤ハザマを幹事会社と した建設 7 社(㈱浅沼組,㈱鴻池組,西武建設㈱,㈱錢高 組,東亜建設工業㈱,西松建設㈱,三井住友建設㈱)と研 究会を立ち上げ,文献調査や意見交換を行った。 その結果,先行する同業他社の技術動向として,お もに以下の 3 点を重視した取組みを行っていることがわ かった。 1 . は じ め に 2010 年に名古屋で COP10(第 10 回生物多様性条約締約 国会議)が開催され, 「愛知目標(ポスト 2010 年目標)」 と「遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)に関する名 古屋議定書」が採択された。国連では 2011 年から 2020 年を「生物多様性の 10 年」と位置付け, COP10 の各種決 議事項実施のための「生物多様性戦略計画」を国際社会 が協力して実現する期間であるとしている。その様な流 れの中で, 環境意識の高い顧客においては, 建築事業で 生物多様性に関する提案が要求されることも想定される。 また, 顧客サイドでも, 事業所敷地内で希少種の保護 を行うなど, 独自の取組みを進めているケースもあり, 建設事業者としてもより高い対応力が求められている。 さらに, 各自治体でも生物多様性地域戦略策定が進行 しており, 生態系ネットワークの保全/再生, 自然環境 と都市型生活の共存のための土地利用計画, 自然共生型 のまちづくりなどの取組が実施されつつある。また公共 事業や民間の都市再開発事業等においても, より生物多 様性への配慮と積極的提案が求められている。 そこで, CASBEE の生物多様性関連評価項目に着目し, 設計時に生物多様性への取組みを評価する簡易評価ツー ル(以下本ツール)を開発した。以下にその概要につい て報告する。 2.事前調査 2.1 技術動向の把握 共研フォーラム(建設会社による共同研究の立ち上げ を支援する任意団体)を通して, 安藤ハザマを幹事会社 とした建設 7 社(㈱浅沼組, ㈱鴻池組, 西武建設㈱, ㈱ 錢高組, 東亜建設工業㈱, 西松建設㈱, 三井住友建設㈱) と研究会を立ち上げ, 文献調査や意見交換を行った。 その結果, 先行する同業他社の技術動向として, おも に以下の 3 点を重視した取組みを行っていることがわか った。

CASBEE 対応型生物多様性簡易評価ツール「いきものプラ

ス」の開発

青 木 貴 均

*

池 田 穣

* 生物多様性に関する国の基本的方針「生物多様性国家戦略 2012-2020」では, 生物多様性に関する客観 的な評価を可能にする科学的基盤の強化が求められており, 一 部 の 建設会社においては, 建築計画・設計 を支援し, かつ顧客への提案を目的として, 独自の生物多様性評価手法を開発な ら び に 展 開 を 進 め て い る 。当 社 で も , 建 築 物 の 設 計 案 に お け る 生 物 多 様 性 の 定 量 評 価 な ら び に 設 計 支 援 を 行 う こ と を 目 的 と し て , CASBEE( 建 築 環 境 総 合 性 能 評 価 シ ス テ ム ) 対 応 型 生 物 多 様 性 簡 易 評 価 ツ ー ル 「 い き も の プ ラ ス 」を 開 発 し た 。本 論 文 で は 開 発 内 容 か ら 評 価 機 能 の 概 要 お よ び 設 計 支 援 を 行 う た め の 付 加 機 能 ( 生 物 間 ネ ッ ト ワ ー ク 等 ) に つ い て 述 べ る 。 キ ー ワ ー ド : C AS BEE , 生 物 多 様 性 , 評 価 シ ス テ ム , 緑 化 計 画 , 潜 在 自 然 植 生 * 環 境 開 発 部

論 文

図-2 都市域生態系ネットワーク定量評価・予測 シミュレーションシステム(UE-Net:清水建設) 図-1 生物多様性簡易評価ツール(BSET:東急建設) 1 . は じ め に 2010 年に名古屋で COP10(第 10 回生物多様性条約締約 国会議)が開催され, 「愛知目標(ポスト 2010 年目標)」 と「遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)に関する名 古屋議定書」が採択された。国連では 2011 年から 2020 年を「生物多様性の 10 年」と位置付け, COP10 の各種決 議事項実施のための「生物多様性戦略計画」を国際社会 が協力して実現する期間であるとしている。その様な流 れの中で, 環境意識の高い顧客においては, 建築事業で 生物多様性に関する提案が要求されることも想定される。 また, 顧客サイドでも, 事業所敷地内で希少種の保護 を行うなど, 独自の取組みを進めているケースもあり, 建設事業者としてもより高い対応力が求められている。 さらに, 各自治体でも生物多様性地域戦略策定が進行 しており, 生態系ネットワークの保全/再生, 自然環境 と都市型生活の共存のための土地利用計画, 自然共生型 のまちづくりなどの取組が実施されつつある。また公共 事業や民間の都市再開発事業等においても, より生物多 様性への配慮と積極的提案が求められている。 そこで, CASBEE の生物多様性関連評価項目に着目し, 設計時に生物多様性への取組みを評価する簡易評価ツー ル(以下本ツール)を開発した。以下にその概要につい て報告する。 2.事前調査 2.1 技術動向の把握 共研フォーラム(建設会社による共同研究の立ち上げ を支援する任意団体)を通して, 安藤ハザマを幹事会社 とした建設 7 社(㈱浅沼組, ㈱鴻池組, 西武建設㈱, ㈱ 錢高組, 東亜建設工業㈱, 西松建設㈱, 三井住友建設㈱) と研究会を立ち上げ, 文献調査や意見交換を行った。 その結果, 先行する同業他社の技術動向として, おも に以下の 3 点を重視した取組みを行っていることがわか った。

CASBEE 対応型生物多様性簡易評価ツール「いきものプラ

ス」の開発

青 木 貴 均

*

池 田 穣

* 生物多様性に関する国の基本的方針「生物多様性国家戦略 2012-2020」では, 生物多様性に関する客観 的な評価を可能にする科学的基盤の強化が求められており, 一 部 の 建設会社においては, 建築計画・設計 を支援し, かつ顧客への提案を目的として, 独自の生物多様性評価手法を開発な ら び に 展 開 を 進 め て い る 。当 社 で も , 建 築 物 の 設 計 案 に お け る 生 物 多 様 性 の 定 量 評 価 な ら び に 設 計 支 援 を 行 う こ と を 目 的 と し て , CASBEE( 建 築 環 境 総 合 性 能 評 価 シ ス テ ム ) 対 応 型 生 物 多 様 性 簡 易 評 価 ツ ー ル 「 い き も の プ ラ ス 」を 開 発 し た 。本 論 文 で は 開 発 内 容 か ら 評 価 機 能 の 概 要 お よ び 設 計 支 援 を 行 う た め の 付 加 機 能 ( 生 物 間 ネ ッ ト ワ ー ク 等 ) に つ い て 述 べ る 。 キ ー ワ ー ド : C AS BEE , 生 物 多 様 性 , 評 価 シ ス テ ム , 緑 化 計 画 , 潜 在 自 然 植 生 * 環 境 開 発 部 安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 (2013.12 )

論 文

図-2 都市域生態系ネットワーク定量評価・予測 シミュレーションシステム(UE-Net:清水建設) 図-1 生物多様性簡易評価ツール(BSET:東急建設) 図- 1 生物多様性簡易評価ツール(BSET: 東急建設) 図- 2 都市域生態系ネットワーク定量評価・予測シミュ レーションシステム(UE-Net: 清水建設) 論 文  *1 環境開発部

CASBEE 対応型生物多様性簡易評価ツール

「いきものプラス」の開発

青木貴均

*1

・池田 穣

*1 生物多様性に関する国の基本的方針「生物多様性国家戦略 2012-2020」では , 生物多様性に関する客観 的な評価を可能にする科学的基盤の強化が求められており , 一部の建設会社においては , 建築計画・設 計を支援し , かつ顧客への提案を目的として , 独自の生物多様性評価手法を開発ならびに展開を進めて いる。当社でも , 建築物の設計案における生物多様性の定量評価ならびに設計支援を行うことを目的とし て , CASBEE(建築環境総合性能評価システム)対応型生物多様性簡易評価ツール「いきものプラス」を開 発した。本論文では開発内容から評価機能の概要および設計支援を行うための付加機能(生物間ネットワー ク等)について述べる。 キーワード:CASBEE, 生物多様性 , 評価システム , 緑化計画 , 潜在自然植生

(2)

2

A. 生物多様性に関する取組みの定量化を目的とした評 価ツールの開発(例:図- 1) B. 市街地や郊外の開発予定地を対象とした生態系ネッ トワーク評価システムの開発(例:図- 2) C. 環境不動産における市場価値・知的生産性向上に関す る検討(例:図- 3) これらを比較検討した結果,建物単体でも適用が可能 であり,かつ設計案に反映させることが容易であるなど の利点を考慮して,生物多様性に関する取組みの定量化 ツールの開発に着手した。

2.

2 モデル認定・認証制度の選定

2.1 の調査により,生物多様性の認定・認証制度として, 以下の 4 つがあることがわかった。 A. ハビタット評価認証制度(JHEP) B. 社会・環境貢献緑地システム(SEGES) C. 土地利用通信簿 D. 建築環境総合性能評価システム(CASBEE) それぞれの制度について,主な特徴をまとめた比較を 表- 1 に示す。JHEP,SEGES はそれぞれの評価内容や手法 は公開されているが,第三者評価となるため,評価項目に ついては非公開であることから,本ツールに適用するこ とは困難と考えた。 一方,土地利用通信簿は事業所敷地の管理者向け, CASBEE は建築物の設計者向けなど,生物多様性の専門家 以外の担当者が用いることを想定しているため,評価項 目や配点が公開されている。さらに,どちらも Excel ベー スで評価に用いるデータが提供されているため , 本ツー ルへの反映が可能であると考えた。 特に,CASBEE は生物多様性保全分野以外にも省エネ・ 景観保全・資源循環など,建築物の環境における取組み 全般を包括した評価システムであり,設計者や発注者へ の認知度も高く,CASBEE 評価点を高くすることで受注 に結びつく可能性も高いと思われた。これらの点から, CASBEE を本ツールの定量評価用のベースモデルとした。

3.評価手法について

3.

1 ツール評価項目

CASBEE の評価項目は,Q:建築物の環境品質と LR:建築 物の環境負荷低減性の 2 つに分かれており,その中でも, 生物多様性保全に関連する項目は,「Q3- 室外環境(敷地 内) 1.生物環境の保全と創出」に示されたものとなって いる。 一方,建築物における生物多様性保全手法は,自生種 を含めた様々な樹種による緑化により,生物の生息域を 確保する方法が一般的である。CASBEE では緑化を行うこ とによる景観配慮や断熱・ヒートアイランド抑制などを 評価する項目も含まれていることから,緑化による影響 を他項目にも反映できる。そのため,本ツールでは緑化に より評価点が上昇する項目が含まれている「Q3- 室外環境 (敷地内) 2.まちなみ・景観への配慮」と「Q3- 室外環 境(敷地内) 3-2.敷地内温熱環境の向上」も評価項目と して加えた。  また,LR:建築物の環境負荷低減性においても,FSC(森 林管理協議会)の認証を受けた木材などを活用すること により,森林の適切な管理が進むことで,森林伐採現場 の生物多様性保全につながる。そこで,「LR2- 資源・マテ リアル 2-4. 躯体材料以外におけるリサイクル材料の使 用」と「LR2- 資源・マテリアル 2-5.持続可能な森林か ら産出された木材」も項目の一部として加えた。 これらにより,「Q3- 室外環境(敷地内) 1.生物環境の 保全と創出」の評価のみでは,CASBEE 全体における影響 の割合が 5% 程度であったものの,他の項目を加える事に より 12% まで向上させることができた。 さらに,2.2 で示した認証制度を調査する中で,JHEP・ SEGES・土地利用通信簿には,評価項目として加えられて いるが,CASBEE には含まれていない評価項目も見られた ため,それらも本ツールの独自評価の項目として加えた。

3.

2 評価点の設定

本ツールの評価点は,CASBEE 対応型評価点といきもの A.生物多様性に関する取組みの定量化を目的とした評価 ツールの開発(例:図-1) B.市街地や郊外の開発予定地を対象とした生態系ネット ワーク評価システムの開発(例:図-2) C.環境不動産における市場価値・知的生産性向上に関す る検討(例:図-3) これらを比較検討した結果, 建物単体でも適用が可能 であり, かつ設計案に反映させることが容易であるなど の利点を考慮して, 生物多様性に関する取組みの定量化 ツールの開発に着手した。 2.2 モデル認定・認証制度の選定 2.1 の調査により, 生物多様性の認定・認証制度とし て, 以下の 4 つがあることがわかった。 A. ハビタット評価認証制度(JHEP) B. 社会・環境貢献緑地システム(SEGES) C. 土地利用通信簿 D. 建築環境総合性能評価システム(CASBEE) それぞれの制度について, 主な特徴をまとめた比較 を表-1 に示す。JHEP, SEGES はそれぞれの評価内容や手 法は公開されているが, 第三者評価となるため, 評価項 目については非公開であることから, 本ツールに適用 することは困難と考えた。 一 方 , 土 地 利 用 通信 簿 は 事業 所 敷 地 の管 理 者 向 け , CASBEE は建築物の設計者向けなど, 生物多様性の専門 家以外の担当者が用いることを想定しているため, 評 価 項 目 や 配 点が 公 開 さ れてい る 。 さ ら に , ど ち ら も Excel ベースで評価に用いるデータが提供されている ため, 本ツールへの反映が可能であると考えた。 特に, CASBEE は生物多様性保全分野以外にも省エネ・ 景観保全・資源循環など, 建築物の環境における取組み 全般を包括した評価システムであり, 設計者や発注者へ の認知度も高く, CASBEE 評価点を高くすることで受注に 結 び つ く 可 能 性 も 高 い と 思 わ れ た 。 こ れ ら の 点 か ら , CASBEE を本ツールの定量評価用のベースモデルとした。 3.評価手法について 3.1 ツール評価項目 CASBEE の評価項目は, Q:建築物の環境品質と LR:建 築物の環境負荷低減性の 2 つに分かれており, その中で も, 生物多様性保全に関連する項目は, 「Q3-室外環境(敷 地内) 1.生物環境の保全と創出」に示されたものとな っている。 一方, 建築物における生物多様性保全手法は, 自生種 を含めた様々な樹種による緑化により, 生物の生息域を 確保する方法が一般的である。CASBEE では緑化を行うこ とによる景観配慮や断熱・ヒートアイランド抑制などを 評価する項目も含まれていることから, 緑化による影響 を他項目にも反映できる。そのため, 本ツールでは緑化 により評価点が上昇する項目が含まれている「Q3-室外環 境(敷地内) 2.まちなみ・景観への配慮」と「Q3-室外 環境(敷地内) 3-2.敷地内温熱環境の向上」も評価項 目として加えた。 また, LR:建築物の環境負荷低減性においても, FSC (森林管理協議会)の認証を受けた木材などを活用する ことにより, 森林の適切な管理が進むことで, 森林伐採 現場の生物多様性保全につながる。そこで, 「LR2-資源・ マテリアル 2-4. 躯体材料以外におけるリサイクル材料 の使用」と「LR2-資源・マテリアル 2-5.持続可能な森 林から産出された木材」も項目の一部として加えた。 これらにより, 「Q3-室外環境(敷地内) 1.生物環境 の保全と創出」の評価のみでは, CASBEE 全体における影 響の割合が 5%程度であったものの, 他の項目を加える事 により 12%まで向上させることができた。 さ ら に , 2.2 で 示 し た 認 証 制 度 を 調 査 す る 中 で , JHEP・SEGES・土地利用通信簿には, 評価項目として加え られているが, CASBEE には含まれていない評価項目も見 られたため, それらも本ツールの独自評価の項目として 加えた。 3.2 評価点の設定

安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 ( 2013.12) 図-3 環境不動産における付加価値について (三井住友信託銀行) 表-1 生物多様性 認定・認証制度 比較表 A.生物多様性に関する取組みの定量化を目的とした評価 ツールの開発(例:図-1) B.市街地や郊外の開発予定地を対象とした生態系ネット ワーク評価システムの開発(例:図-2) C.環境不動産における市場価値・知的生産性向上に関す る検討(例:図-3) これらを比較検討した結果, 建物単体でも適用が可能 であり, かつ設計案に反映させることが容易であるなど の利点を考慮して, 生物多様性に関する取組みの定量化 ツールの開発に着手した。 2.2 モデル認定・認証制度の選定 2.1 の調査により, 生物多様性の認定・認証制度とし て, 以下の 4 つがあることがわかった。 A. ハビタット評価認証制度(JHEP) B. 社会・環境貢献緑地システム(SEGES) C. 土地利用通信簿 D. 建築環境総合性能評価システム(CASBEE) それぞれの制度について, 主な特徴をまとめた比較 を表-1 に示す。JHEP, SEGES はそれぞれの評価内容や手 法は公開されているが, 第三者評価となるため, 評価項 目については非公開であることから, 本ツールに適用 することは困難と考えた。 一 方 , 土 地 利 用 通信 簿 は 事業 所 敷 地 の管 理 者 向 け , CASBEE は建築物の設計者向けなど, 生物多様性の専門 家以外の担当者が用いることを想定しているため, 評 価 項 目 や 配 点が 公 開 さ れてい る 。 さ ら に , ど ち ら も Excel ベースで評価に用いるデータが提供されている ため, 本ツールへの反映が可能であると考えた。 特に, CASBEE は生物多様性保全分野以外にも省エネ・ 景観保全・資源循環など, 建築物の環境における取組み 全般を包括した評価システムであり, 設計者や発注者へ の認知度も高く, CASBEE 評価点を高くすることで受注に 結 び つ く 可 能 性 も 高 い と 思 わ れ た 。 こ れ ら の 点 か ら , CASBEE を本ツールの定量評価用のベースモデルとした。 3.評価手法について 3.1 ツール評価項目 CASBEE の評価項目は, Q:建築物の環境品質と LR:建 築物の環境負荷低減性の 2 つに分かれており, その中で も, 生物多様性保全に関連する項目は, 「Q3-室外環境(敷 地内) 1.生物環境の保全と創出」に示されたものとな っている。 一方, 建築物における生物多様性保全手法は, 自生種 を含めた様々な樹種による緑化により, 生物の生息域を 確保する方法が一般的である。CASBEE では緑化を行うこ とによる景観配慮や断熱・ヒートアイランド抑制などを 評価する項目も含まれていることから, 緑化による影響 を他項目にも反映できる。そのため, 本ツールでは緑化 により評価点が上昇する項目が含まれている「Q3-室外環 境(敷地内) 2.まちなみ・景観への配慮」と「Q3-室外 環境(敷地内) 3-2.敷地内温熱環境の向上」も評価項 目として加えた。 また, LR:建築物の環境負荷低減性においても, FSC (森林管理協議会)の認証を受けた木材などを活用する ことにより, 森林の適切な管理が進むことで, 森林伐採 現場の生物多様性保全につながる。そこで, 「LR2-資源・ マテリアル 2-4. 躯体材料以外におけるリサイクル材料 の使用」と「LR2-資源・マテリアル 2-5.持続可能な森 林から産出された木材」も項目の一部として加えた。 これらにより, 「Q3-室外環境(敷地内) 1.生物環境 の保全と創出」の評価のみでは, CASBEE 全体における影 響の割合が 5%程度であったものの, 他の項目を加える事 により 12%まで向上させることができた。 さ ら に , 2.2 で 示 し た 認 証 制 度 を 調 査 す る 中 で , JHEP・SEGES・土地利用通信簿には, 評価項目として加え られているが, CASBEE には含まれていない評価項目も見 られたため, それらも本ツールの独自評価の項目として 加えた。 3.2 評価点の設定

安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 ( 2013.12) 図-3 環境不動産における付加価値について (三井住友信託銀行) 表-1 生物多様性 認定・認証制度 比較表 図- 3 環境不動産における付加価値について (三井住友信託銀行) 表- 1 生物多様性 認定・認証制度 比較表

(3)

プラス評価点の 2 種類の点数がある。2 つの評価点に分け た理由は,従来の CASBEE のみによる評価を行うニーズに 加え,生物多様性に関心の高い顧客による独自のニーズ を考慮したことによる。 CASBEE 対応型評価点は,CASBEE の評価基準に合わせ て点数評価したものである。3.1 で示した評価項目を, CASBEE で設定されている点数の重み付けにより,各項目 に配点し,その総和を 100 点とした。一方,いきものプラ ス評価点は,生物多様性に関する独自の観点から,同じ評 価項目に関して,CASBEE 対応型評価点とは異なる重み付 けで点数化した。これは,3.1 で示した CASBEE に基づい た評価項目以外の項目への重み付けも含まれている。

4.本ツールについて

4.

1 ツール名

本ツールの名称は「いきものプラス」として,CASBEE 商標使用許諾ならびに商標登録を行った。

4.

2 評価機能について

本ツールの利用法及び原設計案評価機能の流れを図- 4 に示す。本ツールはクラウド管理を行っているため,指 定された URL にアクセスし,ユーザー ID /パスワードを 入力することで本ツールのサイトにアクセスできる。 トップページ(図- 5)には,原設計案評価機能と 3 つの付加機能のリンクがあり,付加機能は評価機能をサ ポートする役割を果たしている。 評価機能を利用する場 合は,「設計案評価システム」をクリックして,原設計案 の内容の入力を行う。内容は数値入力(図- 6)と語句選 択型入力(図- 7)の 2 種類があり,数値入力では敷地面 積・建築面積・緑化面積など,計 10 項目を入力する。語 句選択型入力では,CASBEE の各評価項目の内容を 4 つの 選択肢に分けて,原設計案で取り組んでいる内容につい てチェックを入れる形式で計 14 問を入力する。この内 2 本ツールの評価点は, CASBEE 対応型評価点といきもの プラス評価点の 2 種類の点数がある。2 つの評価点に分 けた理由は, 従来の CASBEE のみによる評価を行うニーズ に加え, 生物多様性に関心の高い顧客による独自のニー ズを考慮したことによる。 CASBEE 対応型評価点は, CASBEE の評価基準に合わせて 点 数 評 価 し た も の で あ る 。 3.1 で 示 し た 評 価 項 目 を , CASBEE で設定されている点数の重み付けにより, 各項目 に配点し, その総和を 100 点とした。一方, いきものプ ラス評価点は, 生物多様性に関する独自の観点から, 同 じ評価項目に関して, CASBEE 対応型評価点とは異なる重 み付けで点数化した。これは, 3.1 で示した CASBEE に基 づいた評価項目以外の項目への重み付けも含まれている。

4.本ツールについて

4.1 ツール名

本ツールの名称は「いきものプラス」として, CASBEE 商標使用許諾ならびに商標登録を行った。

4.2 評価機能について

本ツールの利用法及び原設計案評価機能の流れを図-4 に示す。本ツールはクラウド管理を行っているため, 指 定された URL にアクセスし, ユーザーID/パスワードを 入力することで本ツールのサイトにアクセスできる。 トップページ(図-5)には, 原設計案評価機能と 3 つ の付加機能のリンクがあり, 付加機能は評価機能をサポ ートする役割を果たしている。 評価機能を利用する場合 は, 「設計案評価システム」をクリックして, 原設計案 の内容の入力を行う。内容は数値入力(図-6)と語句選 択型入力(図-7)の 2 種類があり, 数値入力では敷地面 積・建築面積・緑化面積など, 計 10 項目を入力する。語 句選択型入力では, CASBEE の各評価項目の内容を 4 つの 選択肢に分けて, 原設計案で取り組んでいる内容につい てチェックを入れる形式で計 14 問を入力する。この内 2

評価機能 付加機能 図-5 トップページ画面 図-8 設計案採点結果表示画面 図-7 語句選択型設計案入力画面(一部) 図-6 設計案数値入力画面(一部) 1.指定 URL にアクセス(認証あり) 3.原設計案内容をツールに入力 2.トップページから「設計案評価システム」を選択 4.原設計案の採点結果を表示 5.「設計変更案作成」ページに移動 7.推奨植栽植物/植栽本数/誘引種(鳥類)を確認 6.施工場所(東京 23 区内)を選択 8.設計変更の採点結果を確認後, 原設計案へ反映 図-4 ツール利用・原設計案評価機能の流れ 図- 4 ツール利用・原設計案評価機能の流れ 本ツールの評価点は, CASBEE 対応型評価点といきもの プラス評価点の 2 種類の点数がある。2 つの評価点に分 けた理由は, 従来の CASBEE のみによる評価を行うニーズ に加え, 生物多様性に関心の高い顧客による独自のニー ズを考慮したことによる。 CASBEE 対応型評価点は, CASBEE の評価基準に合わせて 点 数 評 価 し た も の で あ る 。 3.1 で 示 し た 評 価 項 目 を , CASBEE で設定されている点数の重み付けにより, 各項目 に配点し, その総和を 100 点とした。一方, いきものプ ラス評価点は, 生物多様性に関する独自の観点から, 同 じ評価項目に関して, CASBEE 対応型評価点とは異なる重 み付けで点数化した。これは, 3.1 で示した CASBEE に基 づいた評価項目以外の項目への重み付けも含まれている。

4.本ツールについて

4.1 ツール名

本ツールの名称は「いきものプラス」として, CASBEE 商標使用許諾ならびに商標登録を行った。

4.2 評価機能について

本ツールの利用法及び原設計案評価機能の流れを図-4 に示す。本ツールはクラウド管理を行っているため, 指 定された URL にアクセスし, ユーザーID/パスワードを 入力することで本ツールのサイトにアクセスできる。 トップページ(図-5)には, 原設計案評価機能と 3 つ の付加機能のリンクがあり, 付加機能は評価機能をサポ ートする役割を果たしている。 評価機能を利用する場合 は, 「設計案評価システム」をクリックして, 原設計案 の内容の入力を行う。内容は数値入力(図-6)と語句選 択型入力(図-7)の 2 種類があり, 数値入力では敷地面 積・建築面積・緑化面積など, 計 10 項目を入力する。語 句選択型入力では, CASBEE の各評価項目の内容を 4 つの 選択肢に分けて, 原設計案で取り組んでいる内容につい てチェックを入れる形式で計 14 問を入力する。この内 2 安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 (2013 .12)

評価機能 付加機能 図-5 トップページ画面 図-8 設計案採点結果表示画面 図-7 語句選択型設計案入力画面(一部) 図-6 設計案数値入力画面(一部) 1.指定 URL にアクセス(認証あり) 3.原設計案内容をツールに入力 2.トップページから「設計案評価システム」を選択 4.原設計案の採点結果を表示 5.「設計変更案作成」ページに移動 7.推奨植栽植物/植栽本数/誘引種(鳥類)を確認 6.施工場所(東京 23 区内)を選択 8.設計変更の採点結果を確認後, 原設計案へ反映 図-4 ツール利用・原設計案評価機能の流れ 図- 5 トップページ画面 本ツールの評価点は, CASBEE 対応型評価点といきもの プラス評価点の 2 種類の点数がある。2 つの評価点に分 けた理由は, 従来の CASBEE のみによる評価を行うニーズ に加え, 生物多様性に関心の高い顧客による独自のニー ズを考慮したことによる。 CASBEE 対応型評価点は, CASBEE の評価基準に合わせて 点 数 評 価 し た も の で あ る 。 3.1 で 示 し た 評 価 項 目 を , CASBEE で設定されている点数の重み付けにより, 各項目 に配点し, その総和を 100 点とした。一方, いきものプ ラス評価点は, 生物多様性に関する独自の観点から, 同 じ評価項目に関して, CASBEE 対応型評価点とは異なる重 み付けで点数化した。これは, 3.1 で示した CASBEE に基 づいた評価項目以外の項目への重み付けも含まれている。

4.本ツールについて

4.1 ツール名

本ツールの名称は「いきものプラス」として, CASBEE 商標使用許諾ならびに商標登録を行った。

4.2 評価機能について

本ツールの利用法及び原設計案評価機能の流れを図-4 に示す。本ツールはクラウド管理を行っているため, 指 定された URL にアクセスし, ユーザーID/パスワードを 入力することで本ツールのサイトにアクセスできる。 トップページ(図-5)には, 原設計案評価機能と 3 つ の付加機能のリンクがあり, 付加機能は評価機能をサポ ートする役割を果たしている。 評価機能を利用する場合 は, 「設計案評価システム」をクリックして, 原設計案 の内容の入力を行う。内容は数値入力(図-6)と語句選 択型入力(図-7)の 2 種類があり, 数値入力では敷地面 積・建築面積・緑化面積など, 計 10 項目を入力する。語 句選択型入力では, CASBEE の各評価項目の内容を 4 つの 選択肢に分けて, 原設計案で取り組んでいる内容につい てチェックを入れる形式で計 14 問を入力する。この内 2 安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 (2013 .12)

評価機能 付加機能 図-5 トップページ画面 図-8 設計案採点結果表示画面 図-7 語句選択型設計案入力画面(一部) 図-6 設計案数値入力画面(一部) 1.指定 URL にアクセス(認証あり) 3.原設計案内容をツールに入力 2.トップページから「設計案評価システム」を選択 4.原設計案の採点結果を表示 5.「設計変更案作成」ページに移動 7.推奨植栽植物/植栽本数/誘引種(鳥類)を確認 6.施工場所(東京 23 区内)を選択 8.設計変更の採点結果を確認後, 原設計案へ反映 図-4 ツール利用・原設計案評価機能の流れ 図- 6 設計案数値入力画面(一部) 本ツールの評価点は, CASBEE 対応型評価点といきもの プラス評価点の 2 種類の点数がある。2 つの評価点に分 けた理由は, 従来の CASBEE のみによる評価を行うニーズ に加え, 生物多様性に関心の高い顧客による独自のニー ズを考慮したことによる。 CASBEE 対応型評価点は, CASBEE の評価基準に合わせて 点 数 評 価 し た も の で あ る 。 3.1 で 示 し た 評 価 項 目 を , CASBEE で設定されている点数の重み付けにより, 各項目 に配点し, その総和を 100 点とした。一方, いきものプ ラス評価点は, 生物多様性に関する独自の観点から, 同 じ評価項目に関して, CASBEE 対応型評価点とは異なる重 み付けで点数化した。これは, 3.1 で示した CASBEE に基 づいた評価項目以外の項目への重み付けも含まれている。

4.本ツールについて

4.1 ツール名

本ツールの名称は「いきものプラス」として, CASBEE 商標使用許諾ならびに商標登録を行った。

4.2 評価機能について

本ツールの利用法及び原設計案評価機能の流れを図-4 に示す。本ツールはクラウド管理を行っているため, 指 定された URL にアクセスし, ユーザーID/パスワードを 入力することで本ツールのサイトにアクセスできる。 トップページ(図-5)には, 原設計案評価機能と 3 つ の付加機能のリンクがあり, 付加機能は評価機能をサポ ートする役割を果たしている。 評価機能を利用する場合 は, 「設計案評価システム」をクリックして, 原設計案 の内容の入力を行う。内容は数値入力(図-6)と語句選 択型入力(図-7)の 2 種類があり, 数値入力では敷地面 積・建築面積・緑化面積など, 計 10 項目を入力する。語 句選択型入力では, CASBEE の各評価項目の内容を 4 つの 選択肢に分けて, 原設計案で取り組んでいる内容につい てチェックを入れる形式で計 14 問を入力する。この内 2 安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 (2013 .12)

評価機能 付加機能 図-5 トップページ画面 図-8 設計案採点結果表示画面 図-7 語句選択型設計案入力画面(一部) 図-6 設計案数値入力画面(一部) 1.指定 URL にアクセス(認証あり) 3.原設計案内容をツールに入力 2.トップページから「設計案評価システム」を選択 4.原設計案の採点結果を表示 5.「設計変更案作成」ページに移動 7.推奨植栽植物/植栽本数/誘引種(鳥類)を確認 6.施工場所(東京 23 区内)を選択 8.設計変更の採点結果を確認後, 原設計案へ反映 図-4 ツール利用・原設計案評価機能の流れ 図- 7 語句選択型設計案入力画面(一部) 本ツールの評価点は, CASBEE 対応型評価点といきもの プラス評価点の 2 種類の点数がある。2 つの評価点に分 けた理由は, 従来の CASBEE のみによる評価を行うニーズ に加え, 生物多様性に関心の高い顧客による独自のニー ズを考慮したことによる。 CASBEE 対応型評価点は, CASBEE の評価基準に合わせて 点 数 評 価 し た も の で あ る 。 3.1 で 示 し た 評 価 項 目 を , CASBEE で設定されている点数の重み付けにより, 各項目 に配点し, その総和を 100 点とした。一方, いきものプ ラス評価点は, 生物多様性に関する独自の観点から, 同 じ評価項目に関して, CASBEE 対応型評価点とは異なる重 み付けで点数化した。これは, 3.1 で示した CASBEE に基 づいた評価項目以外の項目への重み付けも含まれている。

4.本ツールについて

4.1 ツール名

本ツールの名称は「いきものプラス」として, CASBEE 商標使用許諾ならびに商標登録を行った。

4.2 評価機能について

本ツールの利用法及び原設計案評価機能の流れを図-4 に示す。本ツールはクラウド管理を行っているため, 指 定された URL にアクセスし, ユーザーID/パスワードを 入力することで本ツールのサイトにアクセスできる。 トップページ(図-5)には, 原設計案評価機能と 3 つ の付加機能のリンクがあり, 付加機能は評価機能をサポ ートする役割を果たしている。 評価機能を利用する場合 は, 「設計案評価システム」をクリックして, 原設計案 の内容の入力を行う。内容は数値入力(図-6)と語句選 択型入力(図-7)の 2 種類があり, 数値入力では敷地面 積・建築面積・緑化面積など, 計 10 項目を入力する。語 句選択型入力では, CASBEE の各評価項目の内容を 4 つの 選択肢に分けて, 原設計案で取り組んでいる内容につい てチェックを入れる形式で計 14 問を入力する。この内 2 評価機能 付加機能 図-5 トップページ画面 図-8 設計案採点結果表示画面 図-7 語句選択型設計案入力画面(一部) 図-6 設計案数値入力画面(一部) 1.指定 URL にアクセス(認証あり) 3.原設計案内容をツールに入力 2.トップページから「設計案評価システム」を選択 4.原設計案の採点結果を表示 5.「設計変更案作成」ページに移動 7.推奨植栽植物/植栽本数/誘引種(鳥類)を確認 6.施工場所(東京 23 区内)を選択 8.設計変更の採点結果を確認後, 原設計案へ反映 図-4 ツール利用・原設計案評価機能の流れ 図- 8 設計案採点結果表示画面

(4)

4

問については,3.1 で示した CASBEE の評価項目以外の独 自の設問となっている。 原設計案の入力後に,CASBEE 対応型評価点といきもの プラス評価点(独自評価点)の 2 種類の採点結果が表示さ れる(図- 8)。また,取組基準を示すものとして,採点 結果に基づく評価結果が表示される。この結果は,CASBEE のレベル表記を基にして,本ツール上のランクを 4 段階に 分けて,各評価点の基準値を設定したものである。内訳を 図- 9 に示す。 その後,より生物多様性に配慮した設計案への変更を 行う場合,「設計変更案の作成」をクリックし,東京 23 区 内の計画地域(図- 10)を選択する。選択後は画面が移 動し,各区の潜在自然植生群集を構成する樹種を示した 「推奨植栽植物種」が表示される(図- 11)。 また,潜在自然植生種による緑化を行うことにより, CASBEE による評価で高得点が得られる緑化量を示した 「植栽植物ガイド」が表示される(図- 12)。この 2 つの 機能により,生物多様性への配慮を行う場合に,植栽の提 案に必要な樹種と緑化量が確認できる。 さらに,本ツール内で示した緑化を行うことにより,計 画地内への誘致が期待できる「誘致種」も表示される(図 問については, 3.1 で示した CASBEE の評価項目以外の独 自の設問となっている。 原 設 計 案 の 入 力 後 に , CASB EE 対 応 型 評 価 点 と い きものプラス評価点(独自評価点)の 2 種類の採点結果 が表示される(図-8)。また, 取組基準を示すものとし て, 採点結果に基づく評価結果が表示される。この結果 は, CASBEE のレベル表記を基にして, 本ツール上のラン クを 4 段階に分けて, 各評価点の基準値を設定したもの である。内訳を図-9 に示す。 その後, より生物多様性に配慮した設計案への変更を 行う場合, 「設計変更案の作成」をクリックし, 東京 23 区内の計画地域(図-10)を選択する。選択後は画面が移 動し, 各区の潜在自然植生群集を構成する樹種を示した 「推奨植栽植物種」が表示される(図-11)。 ま た , 潜 在 自 然 植 生 種 に よ る 緑 化 を 行 う こ と に よ り,CASBEE による評価で高得点が得られる緑化量を示し た「植栽植物ガイド」が表示される(図-12)。この 2 つの機能により,生物多様性への配慮を行う場合に, 植 栽の提案に必要な樹種と緑化量が確認できる。 さらに, 本ツール内で示した緑化を行うことにより, 計画地内への誘致が期待できる「誘致種」も表示される

安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 ( 2013.12) 図-10 東京 23 区-計画地域選択画面 図-9 採点結果に基づく評価結果の内訳 図-12 植栽植物ガイド表示画面 図-13 誘致種表示画面 図-11 推奨植栽植物種表示画面 図-14 設計変更案採点結果表示画面 問については, 3.1 で示した CASBEE の評価項目以外の独 自の設問となっている。 原 設 計 案 の 入 力 後 に , CASB EE 対 応 型 評 価 点 と い きものプラス評価点(独自評価点)の 2 種類の採点結果 が表示される(図-8)。また, 取組基準を示すものとし て, 採点結果に基づく評価結果が表示される。この結果 は, CASBEE のレベル表記を基にして, 本ツール上のラン クを 4 段階に分けて, 各評価点の基準値を設定したもの である。内訳を図-9 に示す。 その後, より生物多様性に配慮した設計案への変更を 行う場合, 「設計変更案の作成」をクリックし, 東京 23 区内の計画地域(図-10)を選択する。選択後は画面が移 動し, 各区の潜在自然植生群集を構成する樹種を示した 「推奨植栽植物種」が表示される(図-11)。 ま た , 潜 在 自 然 植 生 種 に よ る 緑 化 を 行 う こ と に よ り,CASBEE による評価で高得点が得られる緑化量を示し た「植栽植物ガイド」が表示される(図-12)。この 2 つの機能により,生物多様性への配慮を行う場合に, 植 栽の提案に必要な樹種と緑化量が確認できる。 さらに, 本ツール内で示した緑化を行うことにより, 計画地内への誘致が期待できる「誘致種」も表示される

安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 ( 2013.12) 図-10 東京 23 区-計画地域選択画面 図-9 採点結果に基づく評価結果の内訳 図-12 植栽植物ガイド表示画面 図-13 誘致種表示画面 図-11 推奨植栽植物種表示画面 図-14 設計変更案採点結果表示画面 問については, 3.1 で示した CASBEE の評価項目以外の独 自の設問となっている。 原 設 計 案 の 入 力 後 に , CASB EE 対 応 型 評 価 点 と い きものプラス評価点(独自評価点)の 2 種類の採点結果 が表示される(図-8)。また, 取組基準を示すものとし て, 採点結果に基づく評価結果が表示される。この結果 は, CASBEE のレベル表記を基にして, 本ツール上のラン クを 4 段階に分けて, 各評価点の基準値を設定したもの である。内訳を図-9 に示す。 その後, より生物多様性に配慮した設計案への変更を 行う場合, 「設計変更案の作成」をクリックし, 東京 23 区内の計画地域(図-10)を選択する。選択後は画面が移 動し, 各区の潜在自然植生群集を構成する樹種を示した 「推奨植栽植物種」が表示される(図-11)。 ま た , 潜 在 自 然 植 生 種 に よ る 緑 化 を 行 う こ と に よ り,CASBEE による評価で高得点が得られる緑化量を示し た「植栽植物ガイド」が表示される(図-12)。この 2 つの機能により,生物多様性への配慮を行う場合に, 植 栽の提案に必要な樹種と緑化量が確認できる。 さらに, 本ツール内で示した緑化を行うことにより, 計画地内への誘致が期待できる「誘致種」も表示される

安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 ( 2013.12) 図-10 東京 23 区-計画地域選択画面 図-9 採点結果に基づく評価結果の内訳 図-12 植栽植物ガイド表示画面 図-13 誘致種表示画面 図-11 推奨植栽植物種表示画面 図-14 設計変更案採点結果表示画面 問については, 3.1 で示した CASBEE の評価項目以外の独 自の設問となっている。 原 設 計 案 の 入 力 後 に , CASB EE 対 応 型 評 価 点 と い きものプラス評価点(独自評価点)の 2 種類の採点結果 が表示される(図-8)。また, 取組基準を示すものとし て, 採点結果に基づく評価結果が表示される。この結果 は, CASBEE のレベル表記を基にして, 本ツール上のラン クを 4 段階に分けて, 各評価点の基準値を設定したもの である。内訳を図-9 に示す。 その後, より生物多様性に配慮した設計案への変更を 行う場合, 「設計変更案の作成」をクリックし, 東京 23 区内の計画地域(図-10)を選択する。選択後は画面が移 動し, 各区の潜在自然植生群集を構成する樹種を示した 「推奨植栽植物種」が表示される(図-11)。 ま た , 潜 在 自 然 植 生 種 に よ る 緑 化 を 行 う こ と に よ り,CASBEE による評価で高得点が得られる緑化量を示し た「植栽植物ガイド」が表示される(図-12)。この 2 つの機能により,生物多様性への配慮を行う場合に, 植 栽の提案に必要な樹種と緑化量が確認できる。 さらに, 本ツール内で示した緑化を行うことにより, 計画地内への誘致が期待できる「誘致種」も表示される

安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 ( 2013.12) 図-10 東京 23 区-計画地域選択画面 図-9 採点結果に基づく評価結果の内訳 図-12 植栽植物ガイド表示画面 図-13 誘致種表示画面 図-11 推奨植栽植物種表示画面 図-14 設計変更案採点結果表示画面 問については, 3.1 で示した CASBEE の評価項目以外の独 自の設問となっている。 原 設 計 案 の 入 力 後 に , CASB EE 対 応 型 評 価 点 と い きものプラス評価点(独自評価点)の 2 種類の採点結果 が表示される(図-8)。また, 取組基準を示すものとし て, 採点結果に基づく評価結果が表示される。この結果 は, CASBEE のレベル表記を基にして, 本ツール上のラン クを 4 段階に分けて, 各評価点の基準値を設定したもの である。内訳を図-9 に示す。 その後, より生物多様性に配慮した設計案への変更を 行う場合, 「設計変更案の作成」をクリックし, 東京 23 区内の計画地域(図-10)を選択する。選択後は画面が移 動し, 各区の潜在自然植生群集を構成する樹種を示した 「推奨植栽植物種」が表示される(図-11)。 ま た , 潜 在 自 然 植 生 種 に よ る 緑 化 を 行 う こ と に よ り,CASBEE による評価で高得点が得られる緑化量を示し た「植栽植物ガイド」が表示される(図-12)。この 2 つの機能により,生物多様性への配慮を行う場合に, 植 栽の提案に必要な樹種と緑化量が確認できる。 さらに, 本ツール内で示した緑化を行うことにより, 計画地内への誘致が期待できる「誘致種」も表示される

安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 ( 2013.12) 図-10 東京 23 区-計画地域選択画面 図-9 採点結果に基づく評価結果の内訳 図-12 植栽植物ガイド表示画面 図-13 誘致種表示画面 図-11 推奨植栽植物種表示画面 図-14 設計変更案採点結果表示画面 問については, 3.1 で示した CASBEE の評価項目以外の独 自の設問となっている。 原 設 計 案 の 入 力 後 に , CASB EE 対 応 型 評 価 点 と い きものプラス評価点(独自評価点)の 2 種類の採点結果 が表示される(図-8)。また, 取組基準を示すものとし て, 採点結果に基づく評価結果が表示される。この結果 は, CASBEE のレベル表記を基にして, 本ツール上のラン クを 4 段階に分けて, 各評価点の基準値を設定したもの である。内訳を図-9 に示す。 その後, より生物多様性に配慮した設計案への変更を 行う場合, 「設計変更案の作成」をクリックし, 東京 23 区内の計画地域(図-10)を選択する。選択後は画面が移 動し, 各区の潜在自然植生群集を構成する樹種を示した 「推奨植栽植物種」が表示される(図-11)。 ま た , 潜 在 自 然 植 生 種 に よ る 緑 化 を 行 う こ と に よ り,CASBEE による評価で高得点が得られる緑化量を示し た「植栽植物ガイド」が表示される(図-12)。この 2 つの機能により,生物多様性への配慮を行う場合に, 植 栽の提案に必要な樹種と緑化量が確認できる。 さらに, 本ツール内で示した緑化を行うことにより, 計画地内への誘致が期待できる「誘致種」も表示される

安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 ( 2013.12) 図-10 東京 23 区-計画地域選択画面 図-9 採点結果に基づく評価結果の内訳 図-12 植栽植物ガイド表示画面 図-13 誘致種表示画面 図-11 推奨植栽植物種表示画面 図-14 設計変更案採点結果表示画面 図- 9 採点結果に基づく評価結果の内訳 図- 10 東京 23 区-計画地域選択画面 図- 11 推奨植栽植物種表示画面 図- 12 植栽植物ガイド表示画面 図- 13 誘致種表示画面 図- 14 設計変更案採点結果表示画面

(5)

- 13)。 最後に,本ツールで示した植栽を行うと仮定した「設計 変更案」を行った場合の採点結果が表示される(図- 14)。 また,実際の CASBEE による評価を行った際の結果を示 した CASBEE 詳細版シート(図- 15)も表示することがで きる。この結果を原設計案に反映して,CASBEE 評価点を 上昇させることで,環境不動産としての価値が向上する。

4.

3 付加機能について

付加機能は「生物間ネットワーク検索システム」,「東京 23 区 - 推奨植栽植物種 MAP」,「CASBEE 関連資料リンク集」 の 3 つで構成されている。「生物間ネットワーク検索シス テム」は,動物と植物のつながりを可視化したシステムで あり,トップページのリンクをクリックすると,植物・ 動物のどちらを基準として調べるか,選択する画面(図 - 16)に移動する。仮に植物について調べた場合,どの 植物種について調べるか選択する画面(図- 17)に移動 する。そこで常緑樹を選んだ場合,どの樹種を中心として 調べるか選択する(図- 18)ことで,常緑樹と鳥類のつ ながりを示した画面が表示される(図- 19)。 また , 鳥類以外にも蝶類と食草の関係を示した画面(図 - 20)も表示できる。この機能を利用することで,顧客 への生物多様性保全のアピールや,計画地に飛来させた (図-13)。 最後に, 本ツールで示した植栽を行うと仮定した「設 計変更案」を行った場合の採点結果が表示される(図-14)。 また, 実際の CASBEE による評価を行った際の結果を示 した CASBEE 詳細版シート(図-15)も表示することがで きる。この結果を原設計案に反映して, CASBEE 評価点を 上昇させることで, 環境不動産としての価値が向上する。

4.3 付加機能について

付加機能は「生物間ネットワーク検索システム」, 「東 京 23 区-推奨植栽植物種 MAP」, 「CASBEE 関連資料リン ク集」の 3 つで構成されている。「生物間ネットワーク 検索システム」は, 動物と植物のつながりを可視化した システムであり, トップページのリンクをクリックする と, 植物・動物のどちらを基準として調べるか, 選択す る画面(図-16)に移動する。仮に植物について調べた場 合, どの植物種について調べるか選択する画面(図-17) に移動する。そこで常緑樹を選んだ場合, どの樹種を中 心として調べるか選択する(図-18)ことで, 常緑樹と鳥 類のつながりを示した画面が表示される(図-19)。 また,鳥類以外にも蝶類と食草の関係を示した画面(図 -20)も表示できる。この機能を利用することで, 顧客へ の生物多様性保全のアピールや, 計画地に飛来させたい 図-15 CASBEE 詳細版シート表示画面 図-18 生物間ネットワーク選択画面(常緑樹) 図-19 生物間ネットワーク表示画面(鳥類-常緑樹) 図-20 生物間ネットワーク表示画面(蝶類-食草) 図-16 生物間ネットワーク選択画面(植物/動物) 図-17 生物間ネットワーク選択画面(植物種) (図-13)。 最後に, 本ツールで示した植栽を行うと仮定した「設 計変更案」を行った場合の採点結果が表示される(図-14)。 また, 実際の CASBEE による評価を行った際の結果を示 した CASBEE 詳細版シート(図-15)も表示することがで きる。この結果を原設計案に反映して, CASBEE 評価点を 上昇させることで, 環境不動産としての価値が向上する。

4.3 付加機能について

付加機能は「生物間ネットワーク検索システム」, 「東 京 23 区-推奨植栽植物種 MAP」, 「CASBEE 関連資料リン ク集」の 3 つで構成されている。「生物間ネットワーク 検索システム」は, 動物と植物のつながりを可視化した システムであり, トップページのリンクをクリックする と, 植物・動物のどちらを基準として調べるか, 選択す る画面(図-16)に移動する。仮に植物について調べた場 合, どの植物種について調べるか選択する画面(図-17) に移動する。そこで常緑樹を選んだ場合, どの樹種を中 心として調べるか選択する(図-18)ことで, 常緑樹と鳥 類のつながりを示した画面が表示される(図-19)。 また,鳥類以外にも蝶類と食草の関係を示した画面(図 -20)も表示できる。この機能を利用することで, 顧客へ の生物多様性保全のアピールや, 計画地に飛来させたい 安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 (2013.12 )

図-15 CASBEE 詳細版シート表示画面 図-18 生物間ネットワーク選択画面(常緑樹) 図-19 生物間ネットワーク表示画面(鳥類-常緑樹) 図-20 生物間ネットワーク表示画面(蝶類-食草) 図-16 生物間ネットワーク選択画面(植物/動物) 図-17 生物間ネットワーク選択画面(植物種) (図-13)。 最後に, 本ツールで示した植栽を行うと仮定した「設 計変更案」を行った場合の採点結果が表示される(図-14)。 また, 実際の CASBEE による評価を行った際の結果を示 した CASBEE 詳細版シート(図-15)も表示することがで きる。この結果を原設計案に反映して, CASBEE 評価点を 上昇させることで, 環境不動産としての価値が向上する。

4.3 付加機能について

付加機能は「生物間ネットワーク検索システム」, 「東 京 23 区-推奨植栽植物種 MAP」, 「CASBEE 関連資料リン ク集」の 3 つで構成されている。「生物間ネットワーク 検索システム」は, 動物と植物のつながりを可視化した システムであり, トップページのリンクをクリックする と, 植物・動物のどちらを基準として調べるか, 選択す る画面(図-16)に移動する。仮に植物について調べた場 合, どの植物種について調べるか選択する画面(図-17) に移動する。そこで常緑樹を選んだ場合, どの樹種を中 心として調べるか選択する(図-18)ことで, 常緑樹と鳥 類のつながりを示した画面が表示される(図-19)。 また,鳥類以外にも蝶類と食草の関係を示した画面(図 -20)も表示できる。この機能を利用することで, 顧客へ の生物多様性保全のアピールや, 計画地に飛来させたい 安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 (2013.12 )

図-15 CASBEE 詳細版シート表示画面 図-18 生物間ネットワーク選択画面(常緑樹) 図-19 生物間ネットワーク表示画面(鳥類-常緑樹) 図-20 生物間ネットワーク表示画面(蝶類-食草) 図-16 生物間ネットワーク選択画面(植物/動物) 図-17 生物間ネットワーク選択画面(植物種) (図-13)。 最後に, 本ツールで示した植栽を行うと仮定した「設 計変更案」を行った場合の採点結果が表示される(図-14)。 また, 実際の CASBEE による評価を行った際の結果を示 した CASBEE 詳細版シート(図-15)も表示することがで きる。この結果を原設計案に反映して, CASBEE 評価点を 上昇させることで, 環境不動産としての価値が向上する。

4.3 付加機能について

付加機能は「生物間ネットワーク検索システム」, 「東 京 23 区-推奨植栽植物種 MAP」, 「CASBEE 関連資料リン ク集」の 3 つで構成されている。「生物間ネットワーク 検索システム」は, 動物と植物のつながりを可視化した システムであり, トップページのリンクをクリックする と, 植物・動物のどちらを基準として調べるか, 選択す る画面(図-16)に移動する。仮に植物について調べた場 合, どの植物種について調べるか選択する画面(図-17) に移動する。そこで常緑樹を選んだ場合, どの樹種を中 心として調べるか選択する(図-18)ことで, 常緑樹と鳥 類のつながりを示した画面が表示される(図-19)。 また,鳥類以外にも蝶類と食草の関係を示した画面(図 -20)も表示できる。この機能を利用することで, 顧客へ の生物多様性保全のアピールや, 計画地に飛来させたい 図-15 CASBEE 詳細版シート表示画面 図-18 生物間ネットワーク選択画面(常緑樹) 図-19 生物間ネットワーク表示画面(鳥類-常緑樹) 図-20 生物間ネットワーク表示画面(蝶類-食草) 図-16 生物間ネットワーク選択画面(植物/動物) 図-17 生物間ネットワーク選択画面(植物種) (図-13)。 最後に, 本ツールで示した植栽を行うと仮定した「設 計変更案」を行った場合の採点結果が表示される(図-14)。 また, 実際の CASBEE による評価を行った際の結果を示 した CASBEE 詳細版シート(図-15)も表示することがで きる。この結果を原設計案に反映して, CASBEE 評価点を 上昇させることで, 環境不動産としての価値が向上する。

4.3 付加機能について

付加機能は「生物間ネットワーク検索システム」, 「東 京 23 区-推奨植栽植物種 MAP」, 「CASBEE 関連資料リン ク集」の 3 つで構成されている。「生物間ネットワーク 検索システム」は, 動物と植物のつながりを可視化した システムであり, トップページのリンクをクリックする と, 植物・動物のどちらを基準として調べるか, 選択す る画面(図-16)に移動する。仮に植物について調べた場 合, どの植物種について調べるか選択する画面(図-17) に移動する。そこで常緑樹を選んだ場合, どの樹種を中 心として調べるか選択する(図-18)ことで, 常緑樹と鳥 類のつながりを示した画面が表示される(図-19)。 また,鳥類以外にも蝶類と食草の関係を示した画面(図 -20)も表示できる。この機能を利用することで, 顧客へ の生物多様性保全のアピールや, 計画地に飛来させたい

図-15 CASBEE 詳細版シート表示画面 図-18 生物間ネットワーク選択画面(常緑樹) 図-19 生物間ネットワーク表示画面(鳥類-常緑樹) 図-20 生物間ネットワーク表示画面(蝶類-食草) 図-16 生物間ネットワーク選択画面(植物/動物) 図-17 生物間ネットワーク選択画面(植物種) (図-13)。 最後に, 本ツールで示した植栽を行うと仮定した「設 計変更案」を行った場合の採点結果が表示される(図-14)。 また, 実際の CASBEE による評価を行った際の結果を示 した CASBEE 詳細版シート(図-15)も表示することがで きる。この結果を原設計案に反映して, CASBEE 評価点を 上昇させることで, 環境不動産としての価値が向上する。

4.3 付加機能について

付加機能は「生物間ネットワーク検索システム」, 「東 京 23 区-推奨植栽植物種 MAP」, 「CASBEE 関連資料リン ク集」の 3 つで構成されている。「生物間ネットワーク 検索システム」は, 動物と植物のつながりを可視化した システムであり, トップページのリンクをクリックする と, 植物・動物のどちらを基準として調べるか, 選択す る画面(図-16)に移動する。仮に植物について調べた場 合, どの植物種について調べるか選択する画面(図-17) に移動する。そこで常緑樹を選んだ場合, どの樹種を中 心として調べるか選択する(図-18)ことで, 常緑樹と鳥 類のつながりを示した画面が表示される(図-19)。 また,鳥類以外にも蝶類と食草の関係を示した画面(図 -20)も表示できる。この機能を利用することで, 顧客へ の生物多様性保全のアピールや, 計画地に飛来させたい 安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 (2013.12 )

図-15 CASBEE 詳細版シート表示画面 図-18 生物間ネットワーク選択画面(常緑樹) 図-19 生物間ネットワーク表示画面(鳥類-常緑樹) 図-20 生物間ネットワーク表示画面(蝶類-食草) 図-16 生物間ネットワーク選択画面(植物/動物) 図-17 生物間ネットワーク選択画面(植物種) 図- 15 CASBEE 詳細版シート表示画面 図- 16 生物間ネットワーク選択画面(植物 / 動物) 図- 17 生物間ネットワーク選択画面(植物種) 図- 18 生物間ネットワーク選択画面(常緑樹) 図- 19 生物間ネットワーク表示画面(鳥類 - 常緑樹) 図- 20 生物間ネットワーク表示画面(蝶類 - 食草)

(6)

6

い動物(鳥類・蝶類)とつながりのある植物を植栽し,目 的の生物を呼び込む提案などの活用も考えられる。「東京 23 区-推奨植栽植物種 MAP」は 4.2 で示した推奨植栽植物 種の表示機能を,設計案評価機能とは独立した形で利用 するものである。 「CASBEE 関連資料リンク集」は,生物多様性に関する基 礎知識や緑化補助金の調査,CASBEE 外部評価を行う際の 参照資料出力に役立つリンク集となっている。(図- 21)

5.今後の予定

今後はツールの適用範囲を拡げるため,東京 23 区以外 でも推奨植栽植物種 MAP が利用できるようにするなどの バージョンアップを行う。同時に,生物多様性に関心の 高い顧客を中心に,本ツールを活用した提案活動を行っ ていく。そして,設計施工案件への適用実績を積み上げ, 「いきものプラス」のさらなる展開を図っていく。 参 考 文 献 1) 青木貴均,池田穣:CASBEE 対応型生物多様性簡易評価 ツールの開発 ,2014 年度 日本建築学会大会,環境工学 Ⅰ,40540,pp.1121-1122 2) 「都市の新鉱脈は「生物」」,日経アーキテクチャー, 18‐33,10/11,2010 3) 庭に鳥を呼ぶ本,藤本和典,文一総合出版,1995, http://homepage3.nifty.com/sapporo-wbsj/hannbai/ h204.html,2014 4) 「原色日本植物図鑑」木本編Ⅰ,Ⅱ,北村四郎,村田源 , 保育社,1957, http://hoikusha-shop.jp/SHOP/9784-586-30015-0. html,2014

Development of the Simple Biodiversity Evaluation Tool “IKIMONO-PLUS” for CASBEE-Support

Takahiro AOKI, Yutaka IKEDA

Scientific basis was required for the evaluation of biodiversity in the fundamental plan “Biodiversity National Strategy 2012-2020” of Japan.

Some leading construction companies have developed original biodiversity evaluation techniques to support the architectural planning and designing of their clients’ proposals.

Here, the simple biodiversity assessment tool “IKIMONO-PLUS” corresponding to CASBEE (tool for assessing and rating the environmental performance of buildings) is proposed to evaluate biodiversity measures and offer support in the design proposal of buildings.

This paper explains the outline of the evaluation function and the additional functions (Relationship network between animals and plants, etc.)

動物(鳥類・蝶類)とつながりのある植物を植栽し , 目 的の生物を呼び込む提案などの活用も考えられる。「東 京 23 区-推奨植栽植物種 MAP」は 4.2 で示した推奨植栽 植物種の表示機能を, 設計案評価機能とは独立した形で 利用するものである。 「CASBEE 関連資料リンク集」は, 生物多様性に関する 基礎知識や緑化補助金の調査, CASBEE 外部評価を行う際 の 参 照資 料出 力 に役 立つ リン ク 集と なっ て いる 。( 図 -21) 5.今後の予定 今後はツールの適用範囲を拡げるため, 東京 23 区以外 でも推奨植栽植物種 MAP が利用できるようにするなどの バージョンアップを行う。同時に, 生物多様性に関心の 高い顧客を中心に, 本ツールを活用した提案活動を行っ ていく。そして, 設計施工案件への適用実績を積み上げ, 「いきものプラス」のさらなる展開を図っていく。 参 考 文 献 1 ) 青 木 貴 均 , 池 田 穣 : C A S B E E 対 応 型 生 物 多 様 性 簡 易 評 価 ツ ー ル の 開 発 , 2 0 1 4 年 度 日 本 建 築 学 会 大 会 , 環 境 工 学 Ⅰ , 4 0 5 4 0 , p p . 1 1 2 1 - 1 1 2 2 2 ) 「都市の新鉱脈は「生物」」, 日経アーキテクチャー, 18‐33, 10/11, 2010 3 ) 庭 に 鳥 を 呼 ぶ 本 , 藤 本 和 典 , 文 一 総 合 出 版 , 1 9 9 5 , h t t p : / / h o m e p a g e 3 . n i f t y . c o m / s a p p o r o - w b s j / h a n n b a i / h 2 0 4 . h t m l , 2 0 1 4 4 ) 「 原 色 日 本 植 物 図 鑑 」 木 本 編 Ⅰ , Ⅱ , 北 村 四 郎 , 村 田 源 , 保 育 社 , 1 9 5 7 , h t t p : / / h o i k u s h a - s h o p . j p / S H O P / 9 7 8 4 - 5 8 6 - 3 0 0 1 5 - 0 . h t m l , 2 0 1 4

Development of the biodiversity simpje evaluation tool “IKIMONO-PLUS”for CASBEE-Sapport

T a k a h i r o A O K I , Y u t a k a I K E D A

The scientific base was needed for the evaluation about biodiversity in the fundamental plan "biodiversity national strategy 2012-2020" of Japan.

Some leading construction companies have developed the original biodiversity evaluation techniques for supporting architectural planning and designing of the proposals their customers.

Here, the biodiversity simple assessment tool "IKIMONO-PLUS" corresponding to CASBEE (tool for assessing and rating the environmental performance of buildings) is proposed for the purpose of offering the evaluation of biodiversity measure and support in the design proposal of buildings.

This paper explains the outline of the evaluation function and the additional functions (Relationship network between animals and plants, etc.).

安 藤 ハ ザ マ 研 究 年 報 ( 2013.12)

図-21 CASBEE 関連資料リンク集-表示画面 図- 21 CASBEE 関連資料リンク集 - 表示画面

参照

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