医療被ばくの適正管理のあり方について
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第 4 回 医 療 放 射 線 の 適正管理に関する検討会 平 成 30 年 1 月 19 日 資料 1医療被ばくに関する前回の主な意見
○ 国連科学委員会(UNSCEAR)によると、日本の医療被ばくは他の医療先進国と比較して多い。 ○ 放射線防護の原則は「正当化」「防護の最適化」「線量限度の適用」である。日本には、医療被ばくの正 当化や最適化を推進する法令は明確に存在していない。 ○ 国際原子力機関(IAEA)の国際基本安全基準(BSS)では「医療被ばくに関する記録を、規制当局が指定 した期間、保管し、利用可能にしなければいけない」としている。 ○ 国際放射線防護委員会(ICRP)及びIAEAのBSSでは、放射線防護の最適化の有効な方策として、診断参 考レベルの利用を推奨している。 ○ 医療被ばく防護に関する方策の効果を確かめるためには、まず医療被ばくの実態を把握するべきである。 ○ 日本では、医療被ばく防護の取組の前提として、まず、患者の個人線量の記録と保管を義務化するべきで はないか。 ○ 国が実態を把握することが第一の出発点ではないか。医療被ばくの実態データが必要なのではないかと感 じている。 ○ 照射線量ではなく、実際に患者が被ばくした線量を記録して、データを収集することが重要ではないか。 また、照会ガイドラインの一環として、日本医学放射線学会では画像診断ガイドラインをエビデンスベー スで作成中である。 ○ 診断参考レベルに採用されている値の記録を義務づけることができれば、日本の診断参考レベルの改定に 役立てられるのではないか。 ○ 医療被ばくを評価できるソフトウェアの開発が進んでいるが、患者の被ばく線量を記録する際に使用でき るかについては社会的な議論が必要ではないか。 ○ マイナンバー制度を個人の医療被ばく線量の管理に利用することはどうか。 ○ 医療現場で患者の被ばく線量を記録する際は、現場の負担削減も考慮するべきではないか。神田構成員の説明の概要
構成員の意見
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日本の放射線診療について
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医療被ばくの防護の考え方について
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正当化と最適化の確保について
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国内の放射線診療の実態①
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○ 国内の放射線診療の実施数はいずれの検査も増加傾向にある。
0 1000000 2000000 3000000 H14 H17 H20 H23 H26 CT検査 0 50000 100000 H14 H17 H20 H23 H26 血管造影 0 200000 400000 600000 H14 H17 H20 H23 H26 マンモグラフィ 0 50000 100000 150000 H14 H17 H20 H23 H26 RI検査およびPET検査 PET検査 RI検査 出典:医療施設調査(平成14年~平成26年)各検査の実施件数
※ ※各年の9月中(30日間)の件数 (件) (件) (件) (件) N.D. N.D.国内の放射線診療の実態②
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○ CT検査については、検査総数、患者当たりの検査件数いずれも増加している。
出典:医療施設調査および患者調査(平成14年~平成26年)CT検査の検査件数の推移
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000 H14 H17 H20 H23 H26 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 H14 H17 H20 H23 H26病院
診療所
1ヵ月(30日間)の検査件数÷30 (調査日の外来患者数+調査日の在院患者数)×1,000 1ヵ月(9月)の検査件数 患者千人当たりの検査件数 = (件) (件/千人) (件) (件/千人)医療放射線防護の国際的枠組み(1)
UNSCEAR
原子放射線の影響に 関する国連科学委員会ICRP
国際放射線 防護委員会各国
IAEA
国際原子力機関放射線影響
勧告
原則、要件、指針
実行
放射線防護全般の枠組み
医療放射線防護の推進
グローバルサ―ベイ
・国際基本安全基準(BSS)
・スマートカードプロジェクト
(患者の医療被ばくの履歴追跡シス
テムを構築するプロジェクト)
・患者の放射線防護に関する
国際行動計画
保健医療での放射線安
全に関するグローバル
イニシアティブ
小児の安全確保を重視
世界各国
への
勧告、報告
WHO
世界保健機関協
調
Bonn Call for Action (WHO-IAEA, 2013)
次の10年において医療放射線防護を向上させ
る10の行動
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第 3 回 医 療 放 射 線 の 適正管理に関する検討会 平 成 29 年 9 月 4 日 資料 1日本の医療被ばくの現状
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自然放射線
診断被ばく
世界平均
2.4 mSv/年
0.6 mSv/年
日本平均
2.1 mSv/年
3.87 mSv/年
出典:国連科学委員会(UNSCEAR) 2008年報告書、原子力安全研究協会 新版 生活環境放射線 0 2 4 6 8 日本 世界平均 外部被ばく・宇宙線 外部被ばく・大地放射線 吸入・ラドン(222Rn) 吸入・トロン(220Rn) 喫煙(210Pb、210Poなど) 吸入・その他(ウランなど) 経口・210Pb、210Po、3H、14C、40Kなど 医療被ばく 0 1 2 3 4 被ばく線量 一般エックス線診断 エックス線CT検査 集団検診(胃) 集団検診(胸部) 核医学診断 歯科エックス線診断 1.47 2.3 0.038 0.0097 0.034 0.023○ 日本の医療被ばくの線量は、世界的に見て高い。
自然放射線 2.4 mSv 自然放射線 2.1 mSv [mSv] 診断被ばく 3.87mSv各国の放射線診療の比較(検査件数)①
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○ 日本は単純エックス線撮影の件数が多い。
出典:国連科学委員会(UNSCEAR) 2008年報告書 0.0 100.0 200.0 300.0 400.0 500.0 600.0 700.0 オーストラリア オーストリア ベルギー ブルガリア クロアチア チェコ フィンランド フランス ドイツ ギリシャ ハンガリー アイスランド 日本 韓国 ラトビア リトアニア ルクセンブルグ マルタ オランダ ノルウェー ルーマニア ロシア スロベニア スペイン スウェーデン スイス マケドニア 英国 胸部エックス線撮影 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 オーストラリア オーストリア ベルギー ブルガリア クロアチア チェコ フィンランド フランス ドイツ ギリシャ ハンガリー アイスランド 日本 韓国 ラトビア リトアニア ルクセンブルグ マルタ オランダ ノルウェー ルーマニア ロシア スロベニア スペイン スウェーデン スイス マケドニア 英国 血管造影人口1,000人あたりの検査実施件数
N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D.各国の放射線診療の比較(検査件数) ②
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○ 日本はCT検査数がいずれの撮像部位でも最多となっている。
出典:国連科学委員会(UNSCEAR) 2008年報告書人口1,000人あたりのCT検査実施件数
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 オーストラリア オーストリア ベルギー ブルガリア クロアチア チェコ フィンランド フランス ドイツ ギリシャ ハンガリー アイスランド 日本 韓国 ラトビア リトアニア ルクセンブルグ マルタ オランダ ノルウェー ルーマニア ロシア スロベニア スペイン スウェーデン スイス マケドニア 英国 胸部 腹部 椎体 骨盤部 血管内治療 その他 N.D. N.D. N.D. N.D.各国の放射線診療の比較(検査件数) ③
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○ 日本は、医科・歯科いずれも検査数が多く、特に医科の検査数が多い。
0.0 500.0 1000.0 1500.0 2000.0 オーストラリア オーストリア ベルギー ブルガリア クロアチア チェコ フィンランド フランス ドイツ ギリシャ ハンガリー アイスランド 日本 韓国 ラトビア リトアニア ルクセンブルグ マルタ オランダ ノルウェー ルーマニア ロシア スロベニア スペイン スウェーデン スイス マケドニア 英国 全検査(医科) 0.0 200.0 400.0 600.0 800.0 1000.0 オーストラリア オーストリア ベルギー ブルガリア クロアチア チェコ フィンランド フランス ドイツ ギリシャ ハンガリー アイスランド 日本 韓国 ラトビア リトアニア ルクセンブルグ マルタ オランダ ノルウェー ルーマニア ロシア スロベニア スペイン スウェーデン スイス マケドニア 英国 全検査(歯科) 出典:国連科学委員会(UNSCEAR) 2008年報告書人口1,000人あたりの検査実施件数
N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D. N.D.各国の放射線診療の比較(被ばく線量)①
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○ 日本は、諸外国と比較して胸部エックス線検査の被ばく線量が多い。
出典:国連科学委員会(UNSCEAR) 2008年報告書 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 オーストラリア オーストリア ベルギー チェコ フランス ドイツ 日本 韓国 オランダ ノルウェー スペイン スウェーデン スイス 英国 平均胸部エックス線検査の実効線量(ミリシーベルト)
各国の放射線診療の比較(被ばく線量)②
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○ 日本のCT検査における被ばく線量は、いずれも世界平均より高い。
出典:国連科学委員会(UNSCEAR) 2008年報告書 0 5 10 15 20 25 オーストラリア オーストリア ベルギー チェコ フランス ドイツ ギリシャ ハンガリー 日本 韓国 オランダ ノルウェー スペイン スウェーデン スイス 英国 平均CT検査の実効線量(ミリシーベルト)
頭部 胸部 腹部•
日本の放射線診療について
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医療被ばくの防護の考え方について
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正当化と最適化の確保について
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被ばくの3区分と放射線防護の3原則
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○ 被ばくは、被ばく対象者によって3種類に区分される。
線量限度
正当化
最適化
放射線に関係する計画された活動 が,総合的に見て有益であるかどう か,すなわち,その活動の導入又は 継続が,活動の結果生じる害(放射 線による損害を含む)よりも大きな 便益を個人と社会にもたらすかどう かを決定するプロセス。 いかなるレベルの防護と安全が, 被ばく及び潜在被ばくの確率と大き さを,経済的・社会的要因を考慮の 上,合理的に達成可能な限り低くで きるかを決めるプロセス。 個人が受ける,超えてはならない 実効線量又は等価線量の値。 出典:国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告○ 放射線防護の3原則とは、正当化、最適化、線量限度である。
公衆被ばく
職業被ばく
医療被ばく
次の3 項目を除く,作業者がその作 業の過程で受けるすべての被ばく。 1)除外された被ばく,及び,放射 線を含む免除1された活動による又 は免除された線源による被ばく 2)すべての医療被ばく 3)通常の地域の自然バックグラウ ンド放射線 1)ある線源又は放射線を伴う業務上の活動は,規制管理の一部又はすべての面に従う必要がないとする,規制機関による決定。 患者が自らの医学又は歯学の診断あ るいは治療の一部として受ける被ば く;職業上被ばくする者以外の人 が,患者の支援や介助に自発的に役 立つ間に承知して受ける被ばく;及 び,自らの被ばくを伴う生物医学的 研究プログラムにおける志願者の被 ばく。 職業被ばく又は医療被ばく,及び通 常の局地的な自然バックグラウンド 放射線のいずれをも除いた,放射線 源から公衆構成員が被る被ばく。医療被ばくにおける放射線防護の3原則
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○ 放射線防護の3原則のうち、医療被ばくでは、正当化と最適化を考慮する必要
があり、かつ正当化された上で最適化される必要がある。
線量限度
正当化
最適化
正当化と最適化が達成 されているならば、医 療被ばくでは線量限度 は設定されない。検査の必要性
管電流
管電圧
フィルタ
検査回数
照射時間
撮影部位
照射野サイズ
投与量
個々の患者等に対する、医師・歯科医師等の 判断(診断)及び当該患者等との同意に基づ く放射線診療の是非の判断プロセス • 照会ガイドライン注1等が参考となる • 患者の検査履歴や被ばく線量が必要となる 個々の患者等に対する、放射線診療従事者 等による当該患者等への医療目的に適した 必要最小限の放射線量の決定プロセス • 診断参考レベル注2が推奨される • 放射線科医師、診療放射線技師等の関与が必 要となり得る 注2 特定の医療画像手法のための患者線量が確率的 影響に関して著しく高いかあるいは低いかを評価 するための指標 注1 特定の臨床的状況において、医師、歯科医師及び患 者が適切な放射線診療を決定する際の一助となる指標 この患者さんには、 この検査が必要だ この患者さんのこ の検査には、この 線量で十分だ•
日本の放射線診療について
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医療被ばくの防護の考え方について
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正当化と最適化の指標について
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正当化の指標について
○ ICRP勧告では、医療被ばくの正当化は次の3つの段階それぞれについて考慮している。
第1レベル:医学における放射線利用の正当化
医学における放射線利用は、患者に害よりも便益を多く与えるか
(ただし、自明とされ、議論されない。)
第2レベル:定義された放射線医学的手法の正当化
一般論として、特定の放射線医学的手法が、特定の条件にある患
者の診断あるいは治療において、有益性が有害性を上回るか
(例;咳嗽を主訴とする患者に対して、胸部レントゲン写真を撮影することによる患者利益は被ばく リスクを上回るか)•
国の保健・放射線防護当局と、関連する国際機関と連携して、
国の職業団体及び国際職業団体が扱う問題である。
•
医療被ばくの正当化は医師・歯科医師の裁量であることを前提
としつつ、利用可能な定量的な意思決定ツールがあるならば利
用すべきである。
海外における例 (関係学会によるガイドライン作成)第3レベル:個々の患者への手法の正当化
個々の患者に対し、有益性は有害性を上回るか
•
提案された手法と代替の手法の詳細,個々の患者の特徴,予想
される患者への線量,及び,過去のあるいは今後予想される検
査又は治療の情報の利用可能性が含まれる。
Appropriateness Criteria (米国放射線専門医会) (英国王立放射線専門医会)iRefer その検査はすでに実施されていないか? その検査は今、必要か?17
最適化の指標について
○ ICRP勧告では、医療被ばくの最適化のために「診断参考レベル」の使用を推奨している。
通常の条件において,ある特定の手法による患者の線量又は投与放射能(放射性物質
の量)がその手法にしては異常に高いか又は低いかを示すもの。電離放射線を用いた
医学画像診断における参考として使用される。
診断参考レベル(Diagnostic Reference Level: DRL)
施設数 線量 75% 25% 診断参考レベル
検査種別に、予め標準化された方法により線
量測定を実施し、多くの場合は線量の分布の
75パーセンタイル値として設定する。
• 標準化が進んだモダリティについては、異なる パーセンタイル値に設定されることもある。 • 線量限度ではない。 • 優れた診療と劣った診療の境界ではなく、臨床 的な必要性があれば超過してもよい。 • 容易に測定され再現性の高い線量尺度を用いて 設定されるものであり、実効線量を用いて設定 するべきではない。○ 診断参考レベルを設けることにより、是正措置を必要とする医療機関や検査の種類を特
定することができ、これにより、全国規模で患者が被ばくする平均線量を容易かつ大幅
に低減できる。
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CT検査の診断参考レベル
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○ 日本の診断参考レベルは各国よりも高く、適正な管理を進める必要がある。
頭部CT
胸部CT
上腹部~骨盤CT
DRL
CTDI
vol(mGy) (mGy・cm)