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-1- 江口俊男(数学教室)

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Academic year: 2021

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(1)

準群に於けるN‑potencyについて

On the notion of N‑potency in simple semigroups

江口俊男(数学教室)

(昭和30年12月23日受理)

緒言口

前回に於て,核をもっ兜準群の単純イヂヤ,L,を研究し, Suschkewitsch, Rees, Clifford等 により見出された結果を一般化することにつとめた。こゝでは更にN‑potencyの概念を導入 して準群の構造を更vz:究めるが,途中いくつかの新しい条件を附加して行かねば理論の展開に 限界を生するので,こゝでa,, Bjなる条件を加えて新しい定理を導いた。以下二節に分けて研

究する。

蛋 1. n‑potencyの概念

Sを核Nをもつ準群とするO次の数列を考えるO

S=∋S雪⊇S3⊇

(I)のSiはSの両面イヂヤルであり, NはSiの部分集合であるから次の二つの性質が存在 する。

a)任意のp≧1に対してSp⊃N

b) S?‑Nなるp≧1が少くとも存在するO (この場合vz:於ては叉N‑Se+1 ‑Sp+2 ‑‑‑‑)

二、 ・蝣cr),二汗二

定義1,1

Sを核をもつ準群とし, Sの任意の部分集合をS′とする。 S!⊆S

任意の整数p≧1 IfC対してS'p⊆NなるときS'の位数はNであるというOそしてpを位数N の指数とV、う。

特にα∈Sなるαに対して, αP∈N,なる時αの位数はNであるという。叉LP⊆Nなる左 イヂヤルL・並, M‑‑Nなる両面イヂヤルMは何れも位数Nであるという。後の場合に於で 等号のみなのは, N⊆MP,から当然である。

準群Sは,或るp≧1なるpに対してS"‑Nならば,それ自体が位数Nであ.る。

さて,先づ次の簡単なる定理を導く。

‑1‑

(2)

定理1,1

位数Nなる左(右)イデヤルの有限個の和は,位数Nの左(右)イヂヤルである。

証  明

 二つのイデヤルについて証明すれば十分である。

 L1,L2を位数Nの左イデヤルとする。

      L曾1⊆N,        L呈2⊆≡N,

 然るとき(L1,L2)ρ1+ρ2⊆N,を示せばよいが之は明らかである。

定 理1,2

位数Nのすべての左(右)イデヤルは,或る位数Nなる両面イデヤルに含まれる・

証  明        LをSの位数Nの左イデヤルとする。Lρ⊆N

 イヂャル(L,LS)はSの両面イデヤルである。そこでLSが位数Nなることを証明すれば  定理1から本定理は証明される。

      (LS)ρ謡LSLS……一・…LS⊆≡LρS⊆NS=N  故にLSの位数はNである。

 こ」で更に後に使う定義を設ける。

 定義1,2

  Sのすべての位数Nなる両面イデヤルの和をSの基と定義する。

基rは常に,N⊆r⊆S,を満足する両面イデヤルである。更に境一罵=N,:鴎一NなるN。,

NJ,N7に対してN⊆N⊆r⊆iS,i=o,4,r

以後主として一つの基を有する準群を考察の対象とする。この際単純左(右)イデヤルの存 在を必要とするので,次の様な条件a1,B2を置く。

条件al

  Sは核をもつ準群で,且少くとも一つの位数Nなる単純左イデヤル左もつとする。

条件B、

  Sは核をもつ準群で,且少くとも一つの位数Nなる単純左イヂヤルと,少くとも一つの位  数Nなる単純右イデヤルをもつ。

§2.条件左満足する単純準群

 この節では単純準群をしらべる。そのために改めて「単純」ということを定義する。これは CliffordやReesの定義と異る。

定義2,l

 Sを核Nをもつ準群とする。Sが,NとS自身以外に両面イデヤルを含まない時,Sを単純

と呼ぶ。

       _ 2_

(3)

注 意

 若しSが0元を有つならばこの定義はCliffordやReesと一致する。

 単純準群と一般準群の単純両面イデヤルとの関係は次の機会に述べたい。

 N⊆S2の関係については,単純準群の場合は次の二つの可能性のみが考えられる。

  a)S2』S 或は   b)S2=N

 而してこ」では,・S2−Sの場合のみ研究したい。何故ならば,S2ザNを満足する準群に於て はあらゆるNを含む部分集合が,明らかにSの両面イデヤルであるから,S2躍Nの場合は興味 がうすい。

定 理2,1

 Sを・それ自身Nを含む所のSの位数Nなる左イヂヤルを少くとも一つ含む単純準群とする。

その時

 a)S2躍S

 b)すべての左イデャルL⊃Nは位数Nである。

証 明

 a)ぴ⊃NをSの位数Nなる左イデヤルとする。

  関係S2−NはL曇三S2−Nを伴う。即ち   L愚三N これ仮定に反す。

 b)Sの或る左イデャルL⊃Nが位数Nなりと仮定する。即ち或るρ>0なるρに対しLρ⊂N・

  集合(L,LS)はSの両面イデヤルで且,⊃Nである。故にSに等しい。二つのイデヤル   LとLSは位数Nである(定理1,2)二つの位数Nなるイデヤルの和たるSは・位数:Nで   ある・即ち,S2−N これはa)に矛盾する。

定理2,1の逆は次の通りである。

 定 理2,2

  Sを単純準群とする。Sが少くとも一つの位数Nなる左イデヤルL⊃Nをもつならば・S   は位数Nであり,従ってSのすべての左イデヤルは位数Nである。

証 明

 定理],2に於ける如く,我々の条件の下ではLとLSは位数Nのイデヤルである。更に

(L・LS)⊃Nは両面イデヤルである。故に二つの位数Nのイデャルの和として,S謂(LLS)

は位数Nである。

注 意

 定理2,]と定理2,2には単純左イデャルの考えはない。

定理2,3

 Sを条件a1を満足する単純準群とする。

_3

(4)

  a) Sはその単純左イヂヤルの階和である。

  b)若しぴがSの一定の単純左イデヤルとすると,Sのすべての単純左イデヤルは,

   L=N+FC,C∈Lの形である。

証 明

 L鱈はSの両面イヂヤルである。L馨三L稽寓N,なる故に,L棺=Nなることはできない。こ れは定理2,1に反する。故にL総置S,S=ΣCκ  Cκ∈S

  S=L馨3=L弾ΣCムr=Σ (L鱒C餌) =N十SΣ:(L馨C亙) =・Σ (N十L柴Cムr) ………… (1)

(1)の右辺の各和は何れもNである。故にはその単純左イデヤルの階和である。

 この考えは一意的であるから,Sのすべての単純左イデヤルは,L=N+睡C亙,%∈S,の  形である。%については次の様にして証明できる。%∈:恥(恥は単純左イデヤル)とする

 と,

      L=N十L涛qv⊆N十L幹L亙⊆N十L亙=L麗     故に    L亙胃L

定 理2,4

 Sを条件a・を満足する単純準群とする。Sの任意の二つの単純左イデヤル』,1βにつ〉・宅 常にL誘β=Lβ

証 明

 定理2,3の証明からSはその単純左イデヤルの階和としてか」れる。S一ΣL亙今,任意の L擢,L熈(N、,≒N2)に対して,L亙1∩L画一Nとする。定理2,3の証明により,任意のLωに 対して,LαS=Sシ即ち,LωΣL亙=ΣL亙

      ΣLωLムr ==ΣL母………g一……… (2)

 さて,LωL亙はL亙かNである。若しN=βなるβに対してL β=:Nならば,Lβ一Nの元は  (2)の左辺の集合に含まれない。そしてΣLωL亙⊂Σ亙これは(2)に反する。故に       LωL亙=Lπ

定 理2,5

 Sを条件a1を満足する単純準群とする。任意のa∈S−Nに対して,a−eaなるe∈S−Nが 存在する。更に

        a=劣b→あa=b (a,b,κ∈S−N,房∈S−N)

証 明

 定理2,3から明らかである(定理2,2の意味を考慮して)

結    語

 定理2,3一定理2,5は或る意味に於て,条件a・の参を満足する単純準群について言いう る最大のものを与えている。従って更に正確なる結果を得るためにぽ,我汝は他の条件を導入

       一4一

(5)

せねばならぬ。これが条件Blである。これにつv^‑cは後日究明の結果を発表し挺い。(統)

参考文献

〔1〕 A system ari等ing from a weakened set of [group Postulates, Ann, of Math, 34.

1933), 865‑871.

〔2⊃ Semigroups admitting relative inverses, Ann of Math, 42 (1941), 1037‑1049.

〔Sつ Semigroups containing minimal ideals, Amer, J. Math, 70 (1948), 521‑526.

〔A〕 Semigroups without nilpotent ideals, Amer, J. Math, 71 (19V9) 837‑844.

〔5〕 Extention of semigroups, Trans, Amer, Math, Soc, 68 (1950), 195‑173.

〔6〕 Matrix represention of completely simple semigroups, Amer, J. Math 64 (1942),

237‑342.

Abstract

Let S be a semigroup with the Kerner N. Let S′ be any subset of S, S′⊆S. We shall say

that S′ is N‑potent if for some integer ρ≧1, S1ρ⊆N. hold. We prove first two simple theo‑

rems.

1. The sum of a finite number of N‑potent left (right) ideals is a N‑potent left (right) ideal.

2. Every N‑potent left (right) ideal is contained in some two‑sided N‑potent ideal.

Now, we introduce in the sdudy of semigroups two conditions, which we shall use in the following formulation.

Conditions a1 : S is a semigroup with the kernel N, having at least one N‑potent simple left ideal.

Conditions B1 : S is a semigroup with the kerner N having at least one N‑potent simple left and at least one N‑potent simple right ideal.

Then, we can prove five important theorems.

1. Let s be a simple semigroup having at least one N‑potent left ideal of s which itself contains N. Then,

a) S2=S

b) every left ideal L⊃N is N‑potent

2. If s has at least one N‑potent left ideal L⊃N, then S is N‑potent and hense all left ideals of S are N‑potent.

3. Let S be a simple semigroup satisfying Condition a1. Then, a) S is the class sum of its simple left ideals

b) If L* is one fixed simple left ideal of S, then every simple left ideal of S is L=N+L*c with c∈L.

‑5‑

(6)

4. On S satisfying condition a1 , for every two simple left ideals Lα, Lβ of S there hold always; LαLβ=Lβ

5. Let S be a simple semigroup satisfying condition a1. Then to every a∈S‑N there exists an element e∈S‑N with a=ea. Moreover the following implication holds :

a=αb→αa=b (a,b,α∈S‑N and α∈S‑N)

‑6‑

参照

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