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いずれも確率過程として把握することができょう

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(1)OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. 不規則入カを受ける系の Markov 近似に関する研究 石川. J 止※ tロ. 鶴井. 明※米. 1 . はじめに 我々の日常遭遇する種々の現象は,自然現象にしろ在会現象にしろ,偶然性 に左右されたものが極めて多い。このような偶然事象の系列を数学的に守モデ、ル 化したものが確率過程といわれるものである。例えば,人の生死は確定的に予 知できるものではなく,偶然に作用された要素を多分に含んでいるわけである から,ある社会における人口の変動は確率過程として捉えることができる。ま た,あるサービス工場への客の到着,企業の在庫変動,消費者の購買行動など, ( 1 ). いずれも確率過程として把握することができょう。さらに,工学の分野では, 運行中の航空機が受ける地上荷重や突風荷重,高層建築物に作用する風荷重や. 2 ;. 地震荷重などは確率過程の典型例と考えることがで きる. 〉. さて,確率過程として表すことのできる不規則な入力を受ける系(システム〉 について考えよう。不規則入力の作用によって,一般には系の応答もまた不規 則となるものと考えられる同,このような系応答の確率特性を知ることによっ て様々な問題解決への糸口が与えられることが多し、。しかしながら一般にはこ れは非常に難解なものとなるであろう。ところが,不規則入力の相関時間に比. 事. H. 香川大学経済学部管理科学科 ( 〒7 6 0 高訟市幸町 2‑1) 京都大学工学部数理工学科 ( 〒. 6 0 6 京都市左京区 吉田本町〉 i.

(2) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 7巻 第 l号. ‑178‑. 1 7 8. べて十分長い時点闘での系応答の変化のみに興味があるものとすれば,問題を. Markov化して取り扱うことができ,多くの場合解決は非常に容易となる。 以上の観点から,本論文では,不規則入力を受ける系の Markov近似の手法 について詳細に検討し,ある有限の時間でサンプノレ・パスが無限大に飛躍し, 以後は永久にその状態が持続されるような特別の場合でも. r 死点」という概念. を導入することによって一般化した取り扱いが可能であることを示すととも に,工学的に有用な応用例について考究した。なお,一般化 Markov近似の展 開に当たっては,種々の問題への汎用性を考慮して,多成分系を対象とするこ ととした。. 2 . 確率過程の基礎概念 本論に立ち入るに先だっ て,本研究で取り扱う確率過程の基礎的な諸概念に l. ( 3 ) .( 4 ). ついて,必ずしも数学的に厳密で、はないが,簡単に触れておくことにしよう。 さて. 1つの試行の結果,時間 [ T l,T2 ]上の m成分を有する 1つの関数. x(t)=(Xl( t ) ,. X2(t ),… ,X" μ)). ( 2 . 1 ). が得られるものとする。このような関数 x( t )を標本関数とよび,これらの標本. T l,T 2 ]上の m成分関数の族の中から選び出されたものとみな 関数は適当な [ される。ある無作為な試行を行えばその族の中から得られるであろうものを. X(t)と書き , [ T l,T2 ]上の m成分の確率過程 ( r a n d o mv e c t o rp r o c e s s )とい う。すなわち,. X(t )=( X1( t ) , X 2(t ) , …,Xm (t ) ). ( 2 2 ). ここに tは [ T l,T 2 ]上で変わるパラメータであり,ここでは時聞を表すものと 考えている。 tをある値に固定すれば,X(t )は通常の m成分をもっ確率変数に. T l,T 2 ]から任意の自然数 rに対して任意に t , t l 2, 帰着される。換言すれば,[ れを選べば, X( tl ), X( t2 ), ' ". X( tγ )は確率変数の族を構成する。. T l,T2 ]中のすべての有限集合 { t l,t 2,…,t r }(r も任意〉に対して確 逆に, [ 率変数の集合. { X l=X( tl ),X2=X( t2 ),…,Xr=X( tr ) }.

(3) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 7 9. 不規則入力を受ける系の. M a r k o v近似に関する研究. ‑179ー. が対応し,それらが r次元結合分布関数. Fr(X1,t 1 ;X 2,t 2;… ,X円九). =P[{X1話. n{X2孟 X2}n…ハ. xd. {Xr壬 X r } ]( r=1 ,2 ,…) ( 23 ) 内. をもつならば,これら結合分布関数の族は 1つの確率過程. X (t )( tε [ T 1,T 2 ] ). を定義する。ただし,式 (23)において,例えば事象 {X k }とは,各成分 k孟 X. Xk/>. . ' Xk J U. =1,2,… ,m)に関する積事象. {Xk 1孟 . ' Xk . }n{Xk k 2 }n… n{Xk ' Xk m } 2孟 X m孟 . を略記したものである。. olmogorovの適合条件 ここで,上述の結合分布 Frは K ( i ). s>rに対して. Fs ( X 1,t 1 ;X 2,t 2;…. Xr,t r ∞,t r + 1; 川;∞, t S). =F r(X1,t 1 ; X2,t 2 ;…. Xr,t r ). ( 2,4 ). が成立す ること。 M. および対称条件 ( i i ) 式( 2, 3 )は 1 ,2 ,…. rの任意の置換に対して不変であること。. を満足する必要があることを断っておこう。また,もしも. f r ( X 1,t 2;… ,Xr,t γ ) 1;X2,t. 3rmFr(X1,t 2;… Xr,t r ' ) 1;X2,t. 一aXllax12・ aXlmax21・"aX2m…aXrl・ aXrm が存在するならば,それを X(t)の. (25). 7 次元確率密度関数という。. 次に条件付き確率密度関数 f(X2,t 2 1X1,t l )を. l f(X2,t 2 1X I,t )=jJう(;;われ~. ~"ID. で定義する。式 ( 2, 6 )の /(X2,t 2 1X I,t )は t 2>t 1 l のときには遷移確率密度と もよばれることがある。 さて,ここで本論で取り扱う定常性および局所定常性の概念について簡単に 触れておこう。(一∞,∞)上の確率過程 X( t)(tE (ー∞,∞))を考え,すべての.

(4) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑180‑. 1 8 0. 第5 7巻 第 1号. 7 および任意の t に対して. FT(X1,t 1 ; X2,t 2;…. X1,t 1 . ). =FT(X1,t 1+r; X2,t 2十 r; … ;X1,t1+Z). ( 2 . . 7 ). が成立するとき,確率過程 X(t)は強定常であるといわれる。しかしながら,現 実問題として式 ( 2 . . 7 )がすべての rに対して成立しているかどうかを確かめる ことは極めて困難であることが多い。そこで実用的な目的からは, Vk EN ,IE[Xk ( t ) ]1< ∞. 1. (28). E[r( t1)X ( t2 ) ]=RXX ( t2‑t 1 ) ). が成立する過程を扱うことが多い。ただし,上式において ,N は lから m まで の自然数の集合. N ={ 1,2 ,… ,m}. ( 2 . . 9 ). を表しており,また E は期待値の演算子であって. E[g(X ( t) ) ]=f:g(x)f1(x, t )dx. ( 21 0 ). で定義されるものである。ここに,f1(X,t)は X(t)の 1次元確率密度関数であ る。式 (28)を満足する確率過程 X(t)は弱定常であるといわれる。一般に強定 常ならば弱定常であるが,弱定常は必ずしも強定常を意味しない。ただしガウ ス過程はその例外であることを注意しておこう。式 (28)の第 2番目の式で定義 ( t2‑t 1 )は相関関数行列と呼ばれ,弱定常過程ではこれが時間差 1t 2 された RXX. ‑ t 1 1だけの関数となるのである。 ここで,今後の便宜のため,相関時間の概念について述べておこう。定常な. randomv e c t o r戸 o c e s s(m成分の確率過程) X(t )の第 h成分 Xk( t )と X( t 成分 Xt( t十 r )の共分散関数 +r)の第 J. Cx.x , ( r )=E[{Xk(t)‑E[Xk( t) ] } { X t(t+r)‑E[Xt(t+r ) ] } ]. =E[Xk(t)Xl(t+r)]‑E[Xk(t)]E[Xl(t+r)]. ( 2,. 1 1 ). は,もし Xk( t )と X ι (t+r)とが互いに独立ならば Oとなるような関数である。. rが大きくなって ,Xk(t )と Xl( t十r)は互いに独立とみなせるようになれば, CXkX , (r )はほぼ Oになると考えられる。このように,共分散関数が実質的に O.

(5) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 8 1. 不規則入力を受ける系の. Markov近似に関する研究. ‑181‑. になるまでの時間の自安をれzと表し,成分 Xk(t )とXl( t )の相関時間とよ ぶ。通常しばしば 九 ,. 1 :Cx.x r)dr=2 1 " "Cx•x. =. , (. ,( r) d t. が用いられる。 さらに確率過程 X(t)の相関時間. r. r c o rが. Max[ f k ] ,. ( 2,1 2 ). 捌 =. 1~玉. k.. 1: 玉m. で定義されるものとしよう。 現実問題では,局所的には定常とみなせても,大局的には定常とみなし難い (すなわち非定常である〉確率過程を取り扱う必要のある場合がしばしば起こ る。このような過程を局所定常であるといい,この場合には相関関数行列. E[XT( tl ) X ( t2 ) ]は時間差 t2‑t 1 のみの関数にはならず,局所的に統計的性質 を与える時点にもわずかに依存することを許容すると考えればよい。 。. 3 . Markov過程 確率過程のすべての統計的情報が完全にその 2次の確率分布関数に含まれる. ような過程を Markov過程という。次節以降では,状態空聞が実数全体からさ らに拡張され, どのような場合に,厳密には Markov過程にはならないような 過程を Markov過程として取り扱い得るかについて議論するが,ここでは次節 の参考に資するため,状態空間が実数全体であるような連続な 1成分の Mar‑ ( 4 ) .( 5 ). kov過程の性質について簡単に触れておくこととしたい。 さて,確率過程. X( t ) ,. t E印,∞). は,任意の自然数 n をとったとき, [ 0,∞)中の任意の時点 れくら<… < t n. に対して,その分布関数の聞に. F(Xn,t nI X n ‑ l,t ‑1 ; X n ‑ 2,t ‑ 2;… X l,t l ) n n. =F(xn,t nI X n ‑ l,t n ‑ l ). ( 3, 1 ).

(6) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 7巻 第. ‑182‑. が成立するとき,. l号. 1 8 2. Markov過程とよばれる。もしも確率密度をもっ過程ならば,. 式( 31)はその密度関数に対する関係式. … X1,t1). f(Xn,t nI X n ‑ 1,t 1;X n ‑ 2,t n ‑ 2; n‑. =f(xn,tnIXn‑1,tn‑1). ( 32 ). と同値となる。. Markov過程が 1次および 2次の分布関数で完全に特徴づけられるのを見る ためには,まず. ん( X 1,t 1 ;X 2,t 2;… ;Xn,t n ). =f(xn,tnIXn‑1,tn‑1;Xn‑2,tn‑2;…. X 1,t 1 ). … X1,tl). Xf n ‑ 1( X n ‑ 1,t n ‑ 1 X n ‑ 2,t ‑2; n. …;X1,t1). f n ‑ 1( X n ‑ 1,t n ‑ 1 ;X n ‑ 2,t n ‑ 2;. =f(Xn‑1,tn‑1I X n ‑ 2,t ‑ 2 ;X n ‑ 3,t n ‑ 3;… n. X 1,t 1 ). … X1,tl). Xf n ‑ 2 ( . X n ‑ 2,t n ‑ 2 ;X n ‑ 3,t n ‑ 3;. 2 1 x 1,t 1 ) . f 1 ( X 1,t 1 ) f 2 ( . X 2,t 2 ;X 1,t 1 )=/(X2,t から. ん( X 1,t 1 ;X 2,t 2;… Xn,t n ). =f(xn,tnI X n ‑ 1,t n ‑ 1;… Xf(Xn‑1,t ト. 1. X 1,t 1 ). I X n ‑ 2,t 2 ;… n‑. X 1,t 1 ). ×… Xf(X2,t 2 1X 1,t 1 ) f 1 ( X 1,t 1 ) となることに注意し,上式に式 ( 3,2 )を適用して. ん( X 1,t 1 ;X 2,t 2;… Xn,t n ) n ‑ 1. =f1(Xl,t1H lf(九 + 1,t k + 1I Xk,t k ) k = 1. = E :. ん ( 川 ;xh+I,th+1)/EA(九 九 ). が成立することを見ればよし、。この式から. ( 3,3 ). Smoluchowski‑Chapman‑K o l ‑. mogoI'O vの方程式として知られている重要な方程式が得られる。まず,. 1 : / 仏. ω:X2=f仏. t 2 ;X 3, 1;Xぉ t. t 1 ;X 3, t 3 ).

(7) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 8 3. 不規則入力を受ける系の Markov近似に関する研究. ‑183‑. 1 くんくんとして上式の左辺を式 ( を考え, t 3ので書き換えると,. i シ(X3,t31X2,t2)/(九 山 ,れ )f1(X1,ωX2 1. となり,右辺は. f(x3 ,t 3 1X 1,t ) f 1 ( X 1,td 1 となる。 カかミくして. x ωx ω. ω. t . i : パ f( 川 X 3 μ 3 お, 山 t μ 山 2 ) ν f(X 2 丸刈 ,t ら 2 パ 2 川 μ │ 山X 1刈 ,ム l ) 批 d 仇 均可 f(ね X 3 お, t 1 ら山 3. を得るが,これが Smoluchowski‑Chapman‑ Kolmogorovの方程式である。 この式は時刻れからんへの確率密度の流れあるいは遷移を記述している。 従って,この式中の条件付き確率密度は遷移確率密度と解釈され, Markov過 程の議論では重要な役割を担うのである。 さて,ここで 1次の確率密度関数の時間依存性を調べよう。式 ( 3 . 3 )の最初の 等式を利用し , n=2と置いて. X 1に関して積分すれば. にf(X2,t21X1,t1)f(x1,川 批. f ( X 2,t 2 )=. l. ( 35 ). が得られる。式 ( 35 )を徴分方程式の形に変換するために、んを t 1の近くに選び. 1=t t ,t 2=t+r,X 2=x ',X 1=X と置くと. f(心 +r)=!l(x',t+rlx, t ) f(x,t)dx. ( 3 . 6 ). が得られる。ここで時刻Jtと t+rの聞の増分 X'ー X の特性関数. c p (u; X'‑ x)=E[exp{ iu(X'ー X)}]. 1 :. 同 "t+r1x,t )此 '. eiU(X‑X. ( 3 . . 7 ). を導入するのが便利である。この逆変換. 去れ 。. f( , ' x t+r1x,t )=. … ) 仰 ;x'‑x)du. ‑iU. ~JL. ( 3 . . 8 ). e/‑ O. を式 ( 3 . 6 )に代入すれば,. と 2 "l : l 〉. f ( x ',t+r )=. ‑au…. ) 仰 ; 十x ) d u f ( . x,t ) d x. ( 3 . 9 ).

(8) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 7巻 第. ‑184ー. を得る。特性関数. 1 8 4. 1号. q : >( u;x'‑x)を展開した. UU)i 忍7 「mj(x'‑x). ψ(u; イ‑x)=. ∞. ただし , m;(x'‑x)=E[(X'ー X)i]. ( 3 . . 1 0 ) ( 3 . . 1 1 ). を式 ( 39 )に代入すれば, ∞ 1 1 r ∞f ∞ f 、 / ( x ',t+r )=2 : .~.I., " . 1 . ̲I Ie‑iU(X 吋 iU)idu. l= oJ! ZJ[.J‑∞.J‑∞. ( 31 2 ). Xm ; ( x '‑x) f ( x,t )d x. となる。ここで. 会 ル‑i. 仰. ニ ( ー すy 去1 :e‑iU(X‑X>du = ( ー すY d ( x '‑x). ‑ X >( iu)idu. ( 3 . . 1 3 ). なる関係を用いれば(付録 I参照),式 ( 3 . . 1 2 )は. 1( aV t)+Z Jー す){m;(x'. f ( x ',t+r )ニ / (i,. ∞. となる。そこで両辺を rで割った後に. r→ Oの極限をとれば. af(x,t ) ∞ 1( aV 丘 設4=Z7T(一万){K;(x)f(x,t)}. (315). を得る。ただし , K ;(x)は. 三. K1(Z)=1izqmJ( ‑x. ( 3 . . 1 6 ). を意味し,ここではこの極限が存在するものと仮定されている。この K i(X)は. i n t e n s i t yc o e f f i c i e n tとよばれている。連続な Markov過程では 3次以上の i n ‑ t e n s i t yc o e f f i c i e n tは Oとなるので,式 (315)は. 組a 以 ι K ( x ) f ( x, t }+2 ~ a ~~2{K2(t )fCx , t ) } 1 t L=一一a x{ , . . " " , 1 . 1 ¥ " ' , .) x IJ '. (317). となる。なお,局所定常過程に対しては,式 ( 317)中の K1( x ),K 2 ( X )は時刻 t に依存してもよいことを注意しておく。式 (31 7 ) は Fokker‑ P l a n c kの方程式 または K olmogorovの前進方程式とよばれ,種々の分野で利用されている著名 な方程式である。.

(9) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 8 5. ‑185‑. 不規則入力を受ける系の Markov近似に関する研究. もしも初期分布 f(x,t o )がデルタ関数形,すなわち. /(x, to)=δ( x ‑ ‑ X o ) であれば, F okker‑Planck方程式の解はそのまま遷移確率 /(x,tI X o,t o )を. o, t oの関数と考えたものは他の微分方程式 与える。この遷移確率を X. a . I j(x,tI X o,t o ) 批 。 z...!:..Q.LK1(XO). 3 I f ( x,tI X o,t o)̲ 一一. 。 a t. 1a2f(x,tI X o ,t o )2 ~ uJ \''''''"\~_ 1 / , 0, .0/K ( X O ) 2 a x o. (318). を満足することが示せる。式 ( 31 8 )は式 (317)の a d j o i n te q u a t i o nであって,. olmogorovの第 1方程式あるいは後退方程式とよばれている。 通常 K 4 . Markov近似 現実にわれわれが出会う過程は厳密な意味では Markov性をもたないこと がしばしばである。にもかかわらず,実際上それをあたかも記憶をもたない過 程であるかの如くみなした取り扱いを行うことによって解決し得る問題も多 い。例えば,厳密には Markov性をもたない過程でも,ごく近接した 2時点で の系の応答には関心をもたず,適当に離れた時点聞の系の変化のみに着目する のであれば,近似的にその確率過程を Markov過程として扱うことができ,取 り扱いがきわめて容易になる。そこで本節ではどのような手法によって,また どのような条件下で,どのような取り扱いが許されるかについて考察を加える ことにする。 さて,一般的な議論を行うため,ここでは状態が m 成分を有する系を考え, その状態を X. =(X1,X2,. ・. Xm) のように表すことにする。ところで,実際問題にお. いては m個の状態変数のうちのいくつかの成長が極めて速く,有限時間でその 値が無限大に遷移してしまう可能性を無視し得ないことも起こり得るので,こ のような場合をも含めて考える必要がある。それゆえ,状態変数の第 k成分 h (k= 1 ,2 ,… ,m)の取り得る状態空間. R として,実数全体c1次元 E u c l i d空.

(10) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑186‑. 第. 5 7巻 第 1号. 1 8 6. 間) R~,こ死点 (death p o i n t )Dとよばれる孤立した点をつけ加えた. R '= R U D を考えよう。そして第 k成分は一度この死点に到達すると,以後は永久にその 点に留まるものと考えることにする。次に,今後の便宜のため,各成分ごとに 定義された状態空間から以下のような状態の集合を定義しよう。まず,どの成 分も死点にないような状態の集まり. R,すなわち. R={xIVkEN,xkER}. を考える。ここに ,N は 1から m までの整数の集合である。当然のこととして これは m 次元 E u c l i d空間に他ならなし、。次に少なくとも 1つの成分が死点に あるような状態の集まり. D,すなわち. D = {xl3k EN ,XkED}. 最後に,すべての成分がそれぞれの死点にあるような状態. Dp として. Dp ={xlVkEN ,XkED}. を考える。 さて. R と D の和集合が全状態空間となることは言うまでもない。. m成分の確率過程 X(t). t )= (X, ( t ) , X2( t ) , X(. …,Xm(t)). が時刻 t= 0において状態 XoER にあったとし、う条件の下で,時刻 t= tで. D にある確率を p[X ( t)ε D I X(O)=x o ]=P(D, tI xo). ( 41 ). と表すことにしよう。同様に,その過程 X(t)が時刻 t=0で状態 XoER に あったという条件の下で,時刻 t=tにおいて て. n{X2(t)孟 X2}什 … 内. {X, ( t )孟 xd. ( X " X 2,…,Xm)E R~,こ対し {Xm( t )豆 Xm}. となる事象(簡単のため今後はこれを {X(t)孟 x}と略記する〉の確率を p[X ( t)孟 xlx(o)=xo]=W(x, tIXo). ( 42 ). と表せば,明らかに. l i mW(x,tI xo)+P(D,tI xo)=1 VkeN. ( 43 ) ゎ.

(11) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 8 7. 不規則入力を受ける系の. M a r k o v近似に関する研究. ‑187‑. が成立する。 Xo)が xの各成分について徴分可 いま,式 (42)で定義された関数 W(x,tI. 能,換言すれば xに関する密度をもつものと仮定し,それを対応する小文字で w(x,t I Xo)のように表すものとしよう。. ここで, S t r a t o n o v i c hの用いた Markov化の方法を拡張し,式 ( 42)で定義 れ. された W(x,tI xo)の密度 w(x,t I xo)の時間変化を記述する広義の F okker. ‑Planck方程式の誘導を試みよう。注意すべき点は,われわれの扱っている問 題では,必ずしも. l i mW(x,tI x o )=1 VkEN X k→∞. なる関係が成立する訳ではないという点である。このために以下の誘導にはか なりの工夫を要するのである。 さて,任意時点 tにおける系の状態 X(t)は他のランダムな外部入力 S( t )の. S y s t e me q u a t i o n ) 作用を受けて,一階連立の系方程式 ( dX ( t ). (ft ーニ e F(S(t ) , X( t ) ). ( 44 ) リ. に従 って変化するものとしよう。時としてこれは揺動方程式 ( f l u c t u a t i o ne q u a ‑. t i o n )ともよばれることがある。上式において F は randomv e c t o rp r o c e s s S( t )と系の状態 X(t)を引数にもつ与えられた m 成分関数であり,. e は徴小正. 定数である。なお,式 ( 4 ι〉の意味は,X( t )と F(S( t ) , X( t ) )の各成分 Xk(t ) , Fk(S(t ) , X( t ) )( kE N)に関して,一階連立方程式. dXl(t ) 一一一一 =eFl(S(t ) , X( t ) ). d t. dXz( t ). (ft 一 =ε九 (S(t ) , X( t ) ). dXm( t ) 一 一 一 =εFm(S( t ) , X(t ) ). d t. が成り立つことを表している。. ( 4,5 ).

(12) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 7巻 第 1号. ‑188‑. 1 8 8. 摂動論的考え方に沿って t時間の状態量の増分 X(t )‑Xo=Y(Xo,t ). ( 4 6 ). が徴小パラメータ εで次式 ( 47 )のように展開されるものと仮定する。なお,簡 ) , X( t ) ) , w(x,tI X O )をそれぞれ Ft(X)あ 単のため,以下ではしばしば F(S(t るいは単に F(X),w(xI XO)のように略記し,また Y(Xo,t )を Y(Xo)あるい は単に Y と表したりすることにする。. Y(Xo)=εYl(XO)+ε2Y2(XO)+…. ( 47 ) リ. 上の展開式を揺動方程式 ( 44 )に代入し, εの同じ幕の項の係数を等置すると, Yl(XO)=F(Xo). 、 目. ̲ aF( YE(xo)--3五~. Y 1(XO) aF(xo) Y3(xo)‑‑3z‑‑れ (XO). 1a2 F(xo). 十一一一寸一・. 2. が得られる。ただし. ax. ( 48 ) ゅ. Y1(XO)Yl(XO). 一. 。. aF 凶は行列(旦. I̲ ‑ J. x ¥ OX} I. x = . x o Jを意味し,また. 。. 2Fk I はテンソル ( t e n s o r ) τ一 一 │ dX}XI. 24 戸. を意味するものとする。従って例えば. I .<=.xo. aF(xo) "'<T 1 ̲ ̲¥~_ ‑ '. . . . ' ' ' " , . . .~ 0 民( X O ) 一 反 一 ・ れ( X O )の創成分は「務JU...Y z ; ( x o )となることを注意してお. これまた変数の上に打った・(ド. y. ト〉は時間. nこ関する徴分を表す。式 ( 4 山. 8 )から直ちに Yl(XO)=[tFt(xo)d t ' (t aFt( X o) t'F "( 1O) ¥ J''''''~ Y2(XO)=I 一 寸: : " 0 1( 1 d t "dt ' f tX JO. OX. ( 4,9 ). JO. 等が成立することが導かれる。. 2までの精度の範囲内で Y(Xo)の統計 さて,摂動の精神に沿って,以下では ε.

(13) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 8 9. 不規則入カを受ける系の M arkov近似に関する研究. ‑189‑. 叫ん(t)Y(Xo,t)dt}]. 的性質を調べよう。それには Y(Xo)の特性汎関数 E[e. を計算する必要があるが,Y(Xo,t )の分布にのみ興味がある場合には単に特性. i uY(xo)}]を求めればよい。しかしながら,われわれは状態空間 関数 E[exp{. R. における Y(Xo,t )の分布およびその密度を求めようとしていること,および後 に使用する Y のモーメントの存在を保障するために収束因子を導入すること にしよう。いま,その成分がすべ!て徴小正定数であるような任意の定ベクトノレ αを導入し,ここでは一応その成分のうちの最大のものでも O(ε3)となってい るものと仮定しておこう。このような αを用いて E[exp{ i(u+問 )Y(Xo)}]を. X o )の特性関数に一致す 作れば,これは αが零ベクトル Oのときは7度 w(XI るような. U. の関数である。後に示すように, αのすべての成分を十分徴小にと. れば,いくらでも特性関数に近づくことに注意されたし、。それを. U で展開して. E[exp{ i (u+i α)Y(Xo)}] j個 ? 出 f一一ー~~ーーー一ー一、. 2( i u )… ( iu) 戸一一一一一「. 一 忍. j !. . 1 1 1=1. 一. 一. E[Y(xo) Y(X o) exp{ αY(Xo)}]. +o(ぷ). (410). を考えよう。ここで例えば,. ( iu)( i u)E[Y(xo)Y(xo)exp{一 αY(Xo)}] t ま. 21(tuh)(tut)E[Yh(xo)Yt(xo)exp{一αY (Xo)}] を意味することを断っておく。以後においては簡単のため j個. E[ Y ( x o ) . .. ,Y(xo) exp{一αY(Xo)}] を単に y個. Eα[ Y(xo)…Y(Xo) ] のように略記することにする。しかしながら,ここで注意する必要があるのは,.

(14) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑190ー. 第. 5 7巻 第 1号. 1 9 0. αの成分をいかに小さく選んでも,一般には必ずしも E )l]=1が成立しない ということである。 ここで, wa<xlxo)を形式的に. 首F兵xp{‑iu(x‑xo)}. 九 (x1 xo)=. j個. j個. [ t o ' 可「I ( i u); ;. …. Y(xo) Y(Xo). Xexp{一 αY(Xo)}1 +O(ε3)1du. J. J. ̲ '1̲̲ ( ̲ ̲ ̲ ̲r ,. =万万万l 閃. ,̲. ¥ 1. .7個. r, 1 . iu)… l 忍 y. {‑iu(x‑xo)}. f{ 固. α [ Y(XO)" xE. 日;了]+O(e. 3 )]. du. ( 41 1 ). で定義しよう。これは容易に次式のように書き換えられる。なお詳しくは付録. 1 (デルタ関数〉を参照されたい。 j個. [ 急 対‑a~)"'( ‑a~). %は 1xo)=. j個. ι [Y(XO)'"''五日 +O(ε3)]. ×. ×ポ戸兵xp{一 iU(x‑xo)}du j個. =. [計(‑a~}'{ ‑a~) j個. 、 xE α [ Y(XO) Y(Xo) ]+O(e3) I δ (x‑xo) ‑‑"‑‑ーーーー一司噂『、. …. ( 4,1 2 ).

(15) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 9 1. ‑191‑. 不規則入力を受ける系の Markov近似に関する研究. ただし , a '(X‑Xo)は m 次元の D i r a cのデルタ関数である。この式は超関数の 意味で成立す るものと解釈しなければならない。詳細については付録 Iを参照 h. して欲しいが,適当なクラスの関数 c p ( X o )に対して. ん は IXo)ψ(Xo)dxo j個 r a ‑ ‑ ' E ・L. 一 一. j個. 針 ( オ } " , (‑a:)~α[百二). .五日 +O(ε3)]向) j個. 京万五日. が成立するということである。すなわち,まず c p ( X )と E α[. の積をとり,その後微分が実行されるということに注意する必要がある。 さてここで演算子 y個. 1個. ,e 1/ a¥ / a¥. L=忍 ポ一万)""" ¥ 一 百 五) ι [ y(X)…y(沈) ]+O(ε3). (414). ,. を導入する。このとき,式 ( 41 2 )は. Wa(XI X o )=Lδ(X‑Xo). ( 41 5 ) ゎ. のように表される。ただし,積をとる操作が徴分操作に先立つものと約束して おくものとする。式 ( 41 5 )を時間 tで徴分すると ド. U J a ( XI X o )=Lo(x‑xo). ( 41 6 ) ゎ. が得られるので,式 ( 41 5 ), ( 4,1 6 )から直ちに. U J a ( xI xo)=L L‑IWa(XI x o ). ( 41 7 ) ゎ. 2のオーダーまで正しく求めよう。 L‑1 の展開は tの増加と共 を得る。 LL‑ を ε 1. に収束が悪くなるけれども LL‑1 の収束は悪くならないことを注意しておく。. Lは εのオーダーから始まるので,Lは ε 2まで,L‑1は εのオーダーまで正し. ,. く求めればよし、から,式 ( 47 ), ( 41 4 )から ゎ. ー が ( ー がι[yy]+O(ε3). L=( ‑a:)E)y]+(.

(16) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑192ー. 第5 7巻 第. 1 9 2. l号. 1吋 = ( ← 一£ 3 会 ) 片E ι α」 μ レ M eY ε [ +ε ♂ 2. 2 +べ(一 éJ~)片(←一 éJ~)片Eια[êバ Ý1 れ]+0附. 川‑éJ~)ι [Y]+ 0(e =ω1])‑1[ 川. L‑ = [E) 1. 2 )] ‑1. = ω1]) → 一1[レ1 一叫[山 1リ]山υ)→べ十(←一. éJ~)片 λ )ιUα) E)げY計 O仰(作E. =(E)l])→ー ε(ι[1])‑2(‑éJ~)E(JY1]+0(ε2) が得られるので,LL‑1 を作ると. 4 ‑ J. LL‑1= ‑e Ea ,[ Y1+εLlt 一一 ε友 Eα~J. t. +e2~éJ θ J Ea~~1_ ~1] ι 否正友l 一 五ITJf. i 1 (EjY1] i1̲.̲̲.) 一 ε2~ーL; 有ホ~ ~~.EjY1H+ e J xl (ι[1 ]) 2批 α j. O ( ε 3 ). (418). が得られる。さらに ε 2までの精度の範囲内で成立する関係式. e J (E)Yd e J~. i. h r1. 一一i74官官す一一EJY1]~ e J xl(E)1])2 éJx~aL~1JJ. ̲ e J e J fE,~[Ý1]Eα [Y1 ] 1 e J x冗 . al ( E α [ 1 ] ) 2 J 1] i e J (~r e JYlEα[Y I (-;官官~~十 0(ê 3 ) e J xl~aL e J xJ ( ι [ 1 ] ) 2J. 一,,~_ ~EJ ~~_. および式 (48)を用いると,式 (417)を次のように書き表すことができる。. £. 九州 xo)=‑E {r[F切 削 e J. rf. r .H. 一ε百 五 I~E*[ 2. e J F ( x )v ‑ (̲̲¥1 m re J F ( x ) ず巴 (x)]- E ト友一].

(17) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 9 3. 不規則入力を受ける系の Markov近似に関する研究. ‑193‑. 恥 (XI恥)]. XE*[Yl(X 2. O O. 百五百五. r{E*[F(x)Y(X)]‑E*[F(x)] I. x伽 XE*[Y 1(. 1. μIXO)] +0的. ( 41 9 ) ド. ただし,上式で記号 E*[f(Y)]は. = ι[f(Y)]/Eα[1]. E*[f(Y)]. =E[f(Y)exp(一αY)]/E[exp(一αY)]. (420). 4 . 1 9 )の係数にはすべて E*[f(Y)]の形のものが現 を意味するものとする。式 ( れることに注目しよう。このことは αのすべての成分を十分小さくとれば. ω α(XI XO)の変化を支配する式の係数は状態が R にあるという条件の下で計 算してよいことを意味している。 ここで,式 ( 4 1 9 )中の右辺の. 1つの項,例えば. * [ 号lYYl((Xx))]1 1. を例にとって, これを変形しよう。式 ( 4 . 9 )を用いれば,この項は. E*[~号;x)f] 一~ IFt'(x)d t 'I (tmroFt(x) I ̲ ̲ J =) 0 E*I 一夜~Ft'(x)ldt . " ,. となる。いま, t=t+r なる変数変換を施せば,上式を 一 ~Yl(X) E*[~す). (OmroFt(X)n I ̲ J ーム E*I 一石~FtH(x)Jdr のように書くことができる。他の項も全く同様にすれば,式 ( 4 1 9 )に現れる係 数は.

(18) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 9 4. 第5 7巻 第 l号. ‑194ー. 佐川)]‑E*[ザ. E*[l. ]E*[山 ) ]. r. (0(" ' * oFt(x)D 1̲̲¥1 =ム ~E ト万一F川 (x) J. * r. m r. oFt(x) l v 1̲̲J l ‑E*I一 誠 一 IE*IFt+川 ) JJdr. (421‑a). E [F(x)Yl(X)]‑E*[F(x)]E*[Y1( x ) ] ホ. = 広 {E*[Ft(x)ι (x)] (421‑b). ‑ Eホ[Ft(x) ] E *[F t+τ( x ) ] } d r のように書き換えられることがわかる。. 。 。. ' F t ( x ) 式 (421)の右辺の被積分関数はそれぞれ一一一ーと Ft+τ(x),および Ft(x) x と Ft+τ( x )の相関を表しており,それらが互いに独立とみなせれば Oに近づ く。われわれの興味ある tが実質的にこの相闘が消滅する程度の時間間踊(相 関時間)rCOI に比べて十分に大きいものとすれば,式 (421)の右辺の積分区間は (一∞, 0 )で置き換えてもよい。 一方,. E[exp{( iuー α)y ' ( x o ) } ] = E[exp{( i uー α)(X(t)‑x o ) } ] の計算には死点の存在は何等の影響をも与えないから,式 (411)によって. (xlxo)一 一 ょ すmJlexp{‑iu(x‑xo)} ( 2; r). xE[exp{( iu一α)(X(t)‑xo)}]du す / e x p { ‑iu(x‑x } / e x p {( iu ( 21 r ) m J " ‑ ' l ‑o V) / Jj ぷ. . . l l . ! ,. "",¥‑'". ‑ α) ( x '‑x o )}w(x'I xo) d x 'du が成立し,積分順序を交換すれば. 長xp{一α(x'‑xo)}w(x'Ixo)dx. 九 (xlxo)=. 1す / e x p {‑iu(x‑x')}du. ( 2 λ) mJ.

(19) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 9 5. ‑195‑. 不規則入力を受ける系の Markov近似に関する研究. =}閃{一 α(x'‑Xo)}W(x'I xo)δ(x'‑x)dx. =w(xI xo)exp{一α(x‑Xo)). (422). 41 1 )で定義された九 (xI xo)は が得られる。従って,式 (. │ α 一 (x‑xo)1孟 │α│・Ix‑xol<ε 3 すなわち. I x‑xo1 < ε3 1I α │ の領域では少なくとも ε 2のオーダーの精度で式 ( 4 . 2 )で定義された W(x,tI X o )の密度 w(x,tI xo)に一致することがわかる。 │ α│は任意に小さく選び得る. ので,最終的に次式が成立することを知る。 伽 (x,tI xo)一. θ. 一一 ε万 {M(x,t )w(x,tI x o ) }. θ t. θθ. +15否x友E{D(x,t ) ω (x,tlxo)}. (423). ただし ,M(x,t ) , D(x,t)はそれぞれ. M(i,t )=E*[F(S(t ) ,x ) ]. : 1 {. X ) l. xl P( SU +r ) ,│ E*[訓告), ‑F(S ( t + r 川. ‑E*[訓告), xL l E * [ F(SU+r ) ,x ) ]} ~ dr I E * [. : 1 {. D(x,t )=2 e. ( 42 4 ) リ. E*[F附), x)F(S(t+山)]. ‑E*[Fぼ ( t ) , x)]E*[F附 + 川 ) ]}dr. ( 4 . 2 5 ). t )の局所定常性 で定義されるものである。ランダムな外部入力(確率過程)S( )は tに対してはゆっくり変化する関数 を仮定すれば,M(x,t)および D(x,t. とみなせる。式 ( 423)は前節の式 (317)と類似的であり,いわゆる広義の F o k ‑. ker‑Planck方程式に他ならず,わかり易く書き換えると. 。. 伽 (x,tI xo). 間. t = ‑ E E 1高 {Mk(X,t )ω(x,tlxo)}. 寸恕品石{D1.(X,t)w(x,tIxo)}. ( 42 3 ) ' ゎ.

(20) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑196ー. 第. 1 9 6. 5 7巻 第 1号. ただし,. Mk(x,t )=E*[Fk(S( t ) ,x ) ]. I ! . (0r* raIFk(批S(t ) , x)r.Icvl ~ ¥ 1 z Ft(S(t+r),x ) l. +ε~ jjE*1 T"'. 1. * r. I. ¥. ̲̲. * r. I F k ( S (t ) ,,.Å x) " , , "I fcvf,,̲ ¥x ̲ ̲ ¥ 1 1 ‑E*¥ a Un'~~bJ Jl ¥E*¥ F (S( t + r ) , ) Hdr L. UAI. J. ( 42 4 ) '. L. DI.(X,t )=ε 2に{町民 (S( t ) , x)れ (S( t ) ,x ) ]. ‑ Eホ [FI(S( t ) , x)]E [Fk(S(t+r ),x)]}dr 本. ( 42 5 ) '. となる。. 5 . 応用例 前節の簡単な応用例として,不規則 λ力 S(t )によってパラメトリックにエ キサイトされる(係数励振形の〉単成分成長モデ、ルを考えよう。簡単のため成 長速度がその時の状態量 X(t )のある幕に比例するものと仮定する。このとき, 式 (4ι)の揺動方程式は簡単となり,. dX(t). 一一 一 一 =εF(S( t ) , X(t ) ) d t. ( 51 ). ただし,. F(S(t ) , X( t ) )=S( t){X( t ) }ν. ( 5 . . 2 ). と表すことができる。式 ( 5 .1 ) , ( 5 のから. dX( t ) 一一一 =εS( t){X( t ) }ν d t. ここで,不規則入力. ( 53 ) ゎ. S(t)はその平均値が常に正の局所定常確率過程である. と仮定し,また νは正の定数とする。 さて,前節の結果によれば,単成分の場合には,時刻 t=0において値 X oで あったという条件の下で,時刻 t= tにおいて. { X(t)壬 x }であるという事象. の確率を. P[X( t )壬 xI X(O)=X o ]=W(x, tI x o ) と表したときの密度. (5.4‑a).

(21) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 1 9 7. 不規則入力を受ける系の Markov近似に関する研究. aW(x,tI x o ) δ~. (x , tlxo) 一. ‑197‑. (54‑b). を支配する広義の Fokker‑ P l a n c kの方程式は次式に帰着される。. 。. a V(x,tI x o)̲ a t 一一ε 否Z{M(z,t)ul(z,t│ z o ) }. +すかD(x,t)ω仏 tIxo)}. ( 5 . 5 ). ただし, ) ,x ) ] M(x,t )=E*[F(S(t. x ) l. i E * 1 v,\>..J~':" " 'LF(SU+ I F(SU+ r r), ) , x)I 1:{ E * r~F(SU)z * faIF(S(t ) , x)1 T"*r , , . ¥) ‑Ei o z │ E[F(S(t+r), x)]}dr T ¥I I " " ' !1 .. : 1. e D(x,t )=2. 本. ( 5 . 6 ). {E*[F(S( t ) , x)F(S(t+山)]. ‑E*[F(S(t ) , x)]E*[F(SU+r ),x) ] } d r. ( 57 ). である。そこで式 ( 5, 3 )を用いて具体的に M(x,t )を計算すると以下のように なる。 t )=E*[S( t) xν ] M(x,. 乙{E*[νs(t lI‑ S(t+. + ε. ) X 1・. dXI l ]. S(t )xνー l]E*[S( t+r)xν] } d r ‑E*[ν. =E*[S(t)].xIl+εイ;css(r,t)dr‑P1. ( 5 . 8 ). D(υ )=ε l ] 2 1:{E*[S( x人 S(t+r t) )XI ‑E*[S( xν]E*[S(t+r t) } d r ) xν]. : 1. =2e. ( r Css ,t)dげ. ν. ( 5,9 ). ただし,ここで C )は局所定常不規則外部入力 S( s s ( r,t t )の共分散関数であっ て ,. Css(r,t )=E*[S(t )S(t+r)]‑E*[S( t)]E*[SU+r)]. ( 5, 1 0 ).

(22) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 7巻 第. ‑198‑. l号. 1 9 8. で定義されるものである。第 2節でも述べたように,. : 1. C s s (r ,t )d r. は局所定常確率過程の相関時間 r c o, ( t )と関係づけられる量であって,. 2 1 : =1 : =. Cs s(υ )dr !C釘 (0,t ). れo , ( t ). Css(υ )dr !Css(O,t ). (511). のように定義されるのが普通である。式 ( 58 ), ( 59 ), (511)を用いて,広義 ,. P l a n c k方程式 (55)を具体的に書き直せば, の Fokker‑. 。. 伽 (x,t I X o) θ r( t 一 tE*[S( t) ] . xν. ε a x ‑ l. + 守 口o,(t)Cω(0,t). 叶. ω(x,tI. 2Z 1 1 ‑ }. X. 4t レ ユ. c o, ( t) C s s ( O,t山 仏 tI x o ) }. (512). となる。ここで簡単のため β( t)=ε E*[S( t) ]. =ε2rco,(t)CSS(0,t)). y(t). ( 51 3 ) ,,. とおけば,式 ( 5,1 2 )は最終的に. I. みv (x,t x o ). θ = 一β ( [ ) 否Z { x ν ω( x, t l x o ) }. 一 歩(t)jfv‑IW(x,tlh)} 1 .1, ¥ a2 2 ) 友吉 [ XZ1W(X, tI X o ) } +すy(t. 4 ) ( 5,1. に帰着される。 さて,ここで式 ( 51 4 )の解を求めることにしよう。 νキ lのとき, L io u v i 1 1 eの リ. 方程式. 与 = ーβ(t)jf{fa} の解が. ( 51 5 ) ゎ.

(23) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑199‑. 不規則入カを受ける系の Markov近似に関する研究. 1 9 9. 似x ,n=f[{x‑( ν1)+(ν ‑1 )[ t s (川 } /ν ( ‑1 )JX‑v. (516). ただし ,f ( x )は任意の関数. Iを見よ)して, νキ lのとき,式 (514)に次の変 となることを参照(巻末付録 I 数変換を施す。 w(x,t I X O )=v(y,tI Yo)x‑ ν 1. ={ X ‑ ( V ‑l)十 ν ( ‑1 ). f s (t ' )dt ' } /( ν‑l ]f. (517). . Y. Y 一. 一. 一. U. べ U. ザ''. 九 一 砂. 川町=. O 一. Lぺ ぴ. 2 が 1一. 5. ι t. 式. ω. 果 結め一 の そ. (518). に帰着されることは容易に確かめ得るので ,t → Oのときデノレタ関数 δ(X‑Xo) に帰着する領域 ( 0,∞)における式 ( 51 6 )の解が, νキ 1のときには. =. w(x,t I X O ). げ v j 吋シ d 州 川 仰 ( υ ν ω ハ t ' ,) ty. Zν. ﹁EEEEBEESEEEBEEEL. 由し. nur. x. ×. ρ [ t t 〉 川2 1. J. (ね χ が 「 o 汁 川 ‑ い ベ ←山山 ( 引 ω ν ト 山 ‑ → 叫 1 υ )一 χ f 一 ベ 引 + 叫 ν ト … ( 山 作 ‑ 川 炉 1 山 ‑ ) 川 → υ )一( ν 一1 ). β( t. 2 [ tγ(t')dt '. 2 ( ν ̲1 ). ( 51 9 ). J. れ. で与えられることを知る。 ν=1に対応する解は,式 (519)で ν→ lの極限を とることによって得られ,その結果は. J t. 山 ,tI X O )=ー ナ. x, / 21iIγ(t ' )d t '. 位。. r ̲ 1 州 ね ) ̲[ t(t刈]. V l であり,. β. 2[t〆 ( t ' )dt '. ( 5 . 2 0 ). J. これはよく知られた対数正規分布に他ならない。式 ( 51 9 ), ( 5 . . 2 0 )の ぃ. 5 . . 1 4 )に代入することによっても容易に確かめ得ること 結果はこの解を直接式 ( を申し添えておく。 x o )を求めれ 次に,式 (519), (520)から式 (54‑a)で定義された W(x,tI.

(24) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 7巻 第 l号. ‑200‑. 2 0 0. … )=φid();二出企. ば,それぞれ. νキ 1の場合. ( { ) d t ]. ( 5. ν=1の場合. I1nCx/xo)‑Iβ(t ' )d t,I 庁戸L一一 │ Iy(t ' )dt '. W(x,tI x o )=φ│. ( 5,2 2 ). となる。ここに,関数 φ(U )は標準正規分布関数であって (u t 1¥ ム e 叫I‑ i ‑ ) d u. φ(U)=万 7. ( 52 3 ). で定義されるものである。なお,式 ( 5,. 21)は ν>0 ,νキ 1であれば ν‑1の正 負にかかわらず成立することを注意しておく。. t=0にねを出発した状態量が時刻 t. ところで,前節の式 ( 4 3 )を用いると. P(D,tI x o )を求めることができる。すな. において死点に落ちこんでいる確率 わち, ν>1のときには. P(D,tI x o )=1‑! i mW(x,tI x o ). l d ( ) ; ; ; F S ( t ) d l ー に : 川V l げ. 〈 524 〉. h. AU. 一 一. 一. 司EEE'﹄EEEEEEEEE ﹃ ﹂. ︐. z ' ' 一 ‑. E. ︐#﹄ ‑ ︑ 一 ︐ 一 ! 'u一. Jv=. 4 ' ν 一 JU. fi. UV. A. 川. H=d t ‑ 7 v ‑ : f!100= ︐ ︐ ︐ γ ︑ ︑ 一 ア︐ ︐. FI‑‑. Z‑4. 叫に. ω庁. ( n l. rEE‑‑EEEE'aaa‑‑EL. φ. ‑L. ti. m ι z. 川川. ヴ=の F1. 付︑︐. bc. ω. に恥<. り. l':. lp'. =た. ν. (525). は. き. ν. ト. ま. ﹂.

(25) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 0 1. 不規則入カを受ける系の. P(D,tI x o )=1‑1imol. M a r k o v近似に関する研究. C. I fγ(/)drj‑U. ‑ ‑ ‑ ‑ ̲ 一 一 XO(V‑I)‑. 201‑. x‑(ν 1 )ー ν ( ‑1 ) β(t ' )dt '. lν‑1)、. A. , J0. ‑l‑n. I. ( 52 6 ) 1ならば有限時間で死点に到達する確率は Oである ゎ. となる。すなわち, 0< ν が ,. 三 五. ν>1の場合には有限の時間内に死点まで到達してしまう確率は Oではな. いことがわかる。 さてここで,より具体的な応用例として工学的な問題の 1つをとり上げよう。 すなわち,不規則外力ならびに不規則き裂進展抵抗に基因する材料の疲労き裂 進展問題への適用例である。 ( 6 )いま,工学的に最も広く受け入れられている. P a r i s ‑E r d o g a nのき裂進展法. 則を不規則外力および不規則き裂進展抵抗の場合に一般化すると. ラ 子 = はc tいr)XA+l. となることがわかる。ここに,Xは時刻. ( 5 . 2 7 ). tにおける適当に規準化されたき裂長. t ) , Z( t )はそれぞれ適当に規準化された局所定常不規則き裂進展抵 であり, AC . 1 >1で 抗ならびに負荷応力振幅である。また ε,λは材料定数であって,通常 ,. あること,および E は徴小であることが知られている。過程 A(t){Z( t ) } 2 (λ+ 1 ) が 局所定常の場合には,その相関時間に比べて充分大きな時間長に対するき裂長 の変化のみに注目するならば,問題を M arkov化して取り扱い得るので,式 ( 5. 2 7 )を式 (53)と比較すれば, S(t )として S(t )=A(t){ZC t ) } 2 (川 ). (528‑a). ととり, νとして. ν=, . 1+1. (528‑b). を考えればよいことがわかる J 孟 Oは ν主 1を意味するから,本問題の場合に. 5 21 ) , は必然的に死点のことを考慮に入れなければならなし、。すなわち,式 ( れ. ( 5 . 2 2 ), ( 52 4 ), ( 52 5 )の諸結果が使えるのである。 次に,き裂が初めて予め定められた長されに達するまで. の寿命分布につい.

(26) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 0 2. 第5 7巻 第 1号. ‑202. て議論しよう。. P [ X ( O )=X o ]=1 なる確率過程(き裂長)X( t )が初めて. X cに達する初到達時刻を T なる確率変. 数で表し,その分布を. H( tX o,X c )=P[T孟 t ]. ( 52 9 ). 1. のように表すものとしよう。このとき再生過程の考え方を用いれば, H(tl z o,. X c )は積分方程式 W(Xc,tX o )=,[WCXc,t‑t 'x o ) d H (t 'X o,X c ) 1. 1. 1. ( 5 3 0 ). を満たすことがわかる。ただし,百1 ( X c . t l x o )は時刻 tにおいてき裂長がれよ り大か,もしくは死点にある確率であって,式 ( 5 21)によれば れ. 日1 ( X c,t1x o )=1‑W (Xc,t1X o ). r. ‑1)‑xf川 ν‑1)ρ(t ' )dt '1. Xo(V. A:. ‑wlν‑ l ) l f y(t')dt'. J. (531 ). で与えられることがわかる。ここで,O(u)は. 方 1e x p (一 千)du. 面(u)=. ( 53 2 ) ゎ. 0>. で与えられる標準正規分布関数の余関数である。このとき,積分方程式 ( 530) は. 二日ア. 否 [x . ' " ‑ '. 1. )d t '. 日 二1. dH(t " IX ' ,x, ). となる。ところが,われわれの近似の下では. イ 一 日 二l. ( 53 3 ).

(27) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 0 3. 不規則入力を受ける系の Markov近似に関する研究. ‑203‑. は ( ' が tのごく近傍にある場合を除いて,近似的に lと置いてよい。 このと きには次式. イ. ) l印 1 ( 一川炉百五 j. fl)‑xfl)ー. H(tl x . o ,x .c ). ( ν. (ν‑1. t. β(. (534). が成立することを知る。. 6 . 結言 本論文では,不規則入力の相関時間に比べて十分に長い時点間での系応答の 変化に着目する場合には, Markov近似手法を用いて,し、かなる場合でも,系 応答の確率特性を容易に把握しうることを示した。さらに,ここで述べた手法 によってのみ初めて確率特性の把握が可能となるような例として疲労き裂進展 問題を取り上げ,その解決策を与えることによって本手法の有用性を実証した。. 参考文献. rマノレコフ過程とその周辺 j,( 19 7 1 ),p . . 4 7,東洋経済新報社. ( 2 ) 石川浩,鶴井明 r 材 料 j,第 5 8巻,第 3 2 1号 (982),p . . 7 3 6 ( 3 ) Kannan,D .,"An I n t r o d u c t i o nt oS t o c h a s t i cP r o c e s s e s ぺ( 1 9 7 9 ),No r t hH o l l a n d, ( 1 ) 小山昭雄. NewYo r k,Oxford ( 4 )S t r a t o n o v i c h,R L, T o p i c si nt h eTheoryo fRandomN o i s eVo. l1 ぺ(1963),Gor‑ donandB r e a c h,NewYork,London ( 5 ) Soong,R A, S t o c h a s t i cD if f e v e n t i a lE n q u a t i o n si nE n g i n e e r i n gA p p l i c a t i o n s ぺ ( 1 9 8 0 ),PergamonP r e s s ( 6 )P a r i s,P C,andErdogan,F,T r a n s .ASME,S e r i e sD,Vol .8 5,N O . . 4( 1 9 6 3 ),p . . 5 2 8. 付録1.デルタ関数. m 次元 E u c l i d空間 R で定義された複素数値関数 s v ( x ),x = ( X l, X2, , Xm)に対して ,( x ド. I s v ( x )= o }の閉包を s v ( x )の台 ( s u p p o r t )という。 コンパクトな台をもっ C∞級複素数値関数の全体を D とかく。 連続関数空間 Cから実数への写像,すなわち svECに対して T [ s v lE R (Rは 1次 元. E u c l i d空間〉を汎関数とよぶ。 αを定数とするとき, T [ s v lが特に.

(28) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 0 4. 第5 7巻 第 1号. ‑204‑. T[伊1 +仇]=T[似 ]+T[仇] T [仰 1 ]= σ T[q>] を満たすとき , T[q > ]を線形汎関数という。そのうち,特に,D 上 で、定義された線形汎関数が l. 連続性,すなわち. q >m→ Oならば,必ず. T [q >m ]→ O. をもっとき , T を超関数 ( d i s t r i b u t i o n )という。超関数の全体を D'で表す。. S, TED'に対して (S+T ) [ q > ]= S [q >]+T[ q > ] ( α T)[q > ]=αT[ 伊 ] で S+T ,αTを定めれば D'は線形空間となる。 さて , m個の非負の整数の順序づけられた組 P l, ρ 2,帥' ,Pm) P=( に対して. │ρ1=ρ I +P2十肺 +ρm とかき, 1 ρ │豆 K のような ρと CK 級の ψ とに対して l P ' ψ( ( 7 ) ヤ) ( x )=a x)jaxf'axf'axCr. とかく。また, Xρ== X f lX f 2 .. "X~m. と表すとき,. C∞級関数 q >(x)であって,任意の ρ , qi こ対して. s u p1xP(7 )qq >) ( x )1く ∞ となるものを急減少 C∞級関数といい,このような関数¢の全体を G とかく。 超関数 TED'が G上の連続な線形汎関数に拡張されるとき,その拡張は一意に定まる。 拡張可能であるための条件は. Tの任意の正則化. T本 ψ =f が緩増加速続関数となることである。ここに,正則化とは, T E D' ,q >E D に対して T と. ψ とのたたみ込み. T*伊が C∞級関数/となることを意味し,この/を Tの正則化という。. また,緩増加連続関数/とは,多項式 P(x)が存在し, 1j (x)1壬 IP(x)1. となることを意味している。 T の任意の正則化が緩増加連続関数となるとき,この Tを緩増 加超関数という。このような超関数の全体は ¢ε. Gの双対空間 ( d u a l s p a c e )G 'と一致する。. Cならば, q >( x )の F o u r i e r変換. 内 ( . x )= ( 局. ) ‑ m L : ω. 田. p (ー 仰 ) ゆ. が収束する。ここに. +X2Y2+ +XmYm. x, y =X 1 Y l. 引. である。. o u r i e r変換 'JTを 一方 , TεG'に対して , Tの F.

(29) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 0 5. 不規則入力を受ける系の Markov近似に関する研究. ‑205ー. 7T[伊]=T[ア' < p ] , < pε G によって定義する。 さて,. ~. 表]. S[< P]=‑T[. で定義される汎関数 S は明らかに D 上の線形汎関数であって,かっ連続であるから, 1つの 新しい超関数である。そこでこれを与と定義する。従って, Uル. a T, , ̲ r{lo 1 て ァ[ < p]=‑TIー さ と │ U, ~k. k. 日XkJ. である。いかなる超関数も無限回微分可能であり,また微分する順序を交換できる。そし て , J)P T [< p ]=( 一l ) I P IT [ J)匂] l. となる。 いま,. =f 向. U[< p ]. )dx. で定義される超関数 U (これは H e a v y s i d eの u n i ts t e pf u n c t i o nとよばれている〉を考え, これを微分した超関数を D i r a cのデノレタ関数とよび,d ( x )と表す。従って,. 1 lO . X m 'θ X lJ. 3 [¢]=‑fZL[ 伊 ]=(̲l)mUr~ am <p~ ax叶 hδX2a~1. =(̲l)mん(. ∞. 一般に. LYJ ‑. ¥. J . .I. V. am< p dx=州 ) aXm O X l" " " ‑ ' "‑ 't' ゎ. T [伊]をしばしば. L :. T [< p ]= T (的. [x]dx. のように表す。このとき,上述した δ(x)は. . i :(x) (x)dx=. d [< p ]=. δ. < p. < p( O ). < p ]の F o u r i e r変換を考える。 のように書ける。ここで, d[. タδ [ ψ ]= δ [ 7 ‑ ψ ]. ・ ー ユ‑f. =人 r d(y)d . (x)e‑zmdx ∞ Y'( 27 1 ') m人∞¢ V. か. コ. =π l ( 271')m,人 ∞ (x)dx =( {,,27~\m . l [ < p ] 1 ') ゆえに, l [ < p ]の F o u r i e r逆変換 7‑11は ( 27 1 ') mδ(y)になるはずであるから, 夕刊[伊]= l [ ヲ ー, < p ]. = にldx.i:ω] e 勺. y.

(30) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 0 6. 第5 7巻 第 1号. じ). mvy. 伐の. MP/t. dmuks Jftu. パリ︑. )yrt y 引い= d﹁ 2 ' r E o. em'. f11l. J ∞(∞て何 M h a る ∞ ↑っ=問!か ∞︐ t∞ わ 一一一一ょ X o y f 1 ムが る悶一円と 一 一こ す ω 6∞ ち 1Z. 成なな. Y. 立 flh わ 一 じ る. がすと. ∞ ︑l l f∞h y︑ ︑. 206ー. 付 録I I .L i o u v i l l e方程式の解. 初めに,. L a g r a n g e形の偏微分方程式. ,y,z). 可ノ. ま = 的. z). /tt. 川. ム ー I I ︑. 安+Q(. P(x,y,z). の一般解を求めよう。周知のように,連立常微分方程式. =P: Q: R. dx: dy: dz. C I I‑2). の解を. U(x,y,z)=a,v(x,y,z)=b. ( I I‑ 3 ). とすれば,方程式(II‑1)の一般解は. F(u,v )=0. ( I I‑4). で与えられる。ここに, Fは任意、関数である。 さて,. L i o u v i l l e方程式. みV : i ) y. O. 一一{xA+lu i } o x. ( I I‑ 5 ). の一般解を求めよう。式 C I Iーのにおいて変数変換 λ + 1 ̲ ' " : ' :=z x . . . . w. とおくと,. 与 +X‑(H. l )OZ 仰 のF. ( I I‑ 6 ). 。. 7 ) ( I I‑. となる。従って,式(II‑1)と比較して. P= 1 ,Q = x ‑ (λ+1) R= 0 であるから,連立常微分. dx:, dy: dz=1 :X‑(Hl): 0 の解は. Ay+x‑^=a,z = b であり,方程式(II‑ 7 )の一般解は. F(Ay+x‑^,z)= 0(Fは任意関数〉. 8 ) ( I I‑.

(31) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 0 7. 不規則入力を受ける系の Markov近似に関する研究. ‑207‑. で与えられることを知る。上式を z について解くと z = f(Ay+x‑A ). C I I‑ 9 ). ただし .j は任意関数 従って,. u i= x一(λ +l)j(Ay+X→) がL i o u v i l l e方程式 ( I I‑ 5 )の 般 解 と な る 。. ( I I‑ 1 0 ).

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参照

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