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7. 曲面の第 1 基本形式と第 2 基本形式の関係 これまで, 曲面 f(u,v) があたえらえたとき, 第 1 基本形式 Ⅰ=Edu +2Fdudv+Gdv 2 2 Ⅱ=Ldu +2Mdudv+Ndv が定義でき, いろいろな量を計算してきました. すなわち, 曲面 f(u,v)

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Academic year: 2021

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(1)

7.曲面の第1基本形式と

第2基本形式の関係

これまで,曲面f(u,v)があたえらえたとき,第1基本形式 Ⅰ=Edu +2Fdudv+Gdv2 2 ・・・① Ⅱ=Ldu +2Mdudv+Ndv2 2 ・・・② が定義でき,いろいろな量を計算してきました. すなわち, 曲面f(u,v)からE,F,G,L,M,N が決まり,実際の計算は,2次元ユークリッド平面(u,v)の各点にE,F,G,L, M,Nが定義されたものとして扱っているのです. 当然逆が成り立つかは興味ある問題です.すなわち 問題 ( , ) , , , , , , 2次元ユークリッド空間 u v に6つの関数E F G L M Nを定義したとき 第1,第2基本形式が①,②で与えられる曲面f(u,v)が唯一つ存在するか です.この問題を曲面の基本定理といいます.結論を先に言ってしまうと,この定理はあ る条件のもとで正しいのです.証明は偏微分方程式を解く問題に帰着され,ここでは偏微 分方程式の理論には触れず,偏微分方程式が解けるための条件を証明することだけをきち んと示します. 偏微分方程式は後で触れるとして,問題を眺めてみましょう. 曲面 (u,v)=(f (u,v ,f (u,v ,f (u,v ) f 1 を求めるとは,3つの関数 f (u,v ,f (u,v ,f (u,v)を求めること1 3 . ( , ), ( , ), ( , ), ( , ), ( , です 一方条件を見るとE u v F u v G u v L u v M u v ,N(u,v)と6つあります.たとえて言えば,3元連立方程式なのに,条件が6) つもあるようなものです.方程式でも微分方程式でもこれはおかしいことです. そこで,まずE(u,v ,F(u,v ,G(u,v ,L(u,v ,M(u,v ,N) ) ) ) ) (u,v)の関係式を調べます.なお,そこから出てくる関係式が,偏微分方程式の解を 持つための条件と一致することが分かります.うまくいっているものなのです. さて,本論に入りましょう. まず,これからの計算のために,記号を少し変えます. 今まで,曲面を (u,v)=(f (u,v ,f (u,v ,f (u,v ) f 1 のように表しましたが,これからは座標変数はu ,u1 2 を用い (u ,u )=(f (u ,u ,f (u ,u ,f (u ,u ) f 1 2 1 1 2 2 1 2 3 1 2 のように異なる文字を表す数字は上に書きます.右下に使う数字はすべて偏微分に用いま す.当然2乗や3乗を用いるときもありますが,そのときはたとえば

(2)

(f (u ,u1 1 2 ) のように必ず括弧を使います.2 ) つぎに和についてですが,指標の1と2の和をとることが非常に多いので,式の上下に重 複して同じ文字があるとき,その文字の1と2の和をとることにします.この規則をアイ ンシュタインの規約といいます. たとえば,a b +a b1 1 2 2 はa bi i と表します.最初はびっくりしますがすぐなれ とても便利です. 第1基本量E,F,G,第2基本量L,M,Nは 11 12 21 22 E=g , =gF =g , =gG 11 12 21 22 L=h ,M=h =h , =hN とします.すなわち第1基本形式Ⅰ,第2基本形式Ⅱは次のようになります. i j Ⅰ=gijdu du i j Ⅱ=hijdu du 2 2 さらに,g=g11g -g22 12 ,h=h11h -h22 12 とします. また,2行2列の行列(g )の逆行列を(gij ij)で表します. すなわち が成り立ちます. これからの内容は次の通りです.まず,fの偏導関数fi ,fij ,fijk は =( , , ) fi =( , , ) fij =( , , ) fijk のことです.このとき, f1 , f2 ,n f= 1 × f2 /│f1 × f2│ は1次独立 ですから,それらで任意のベクトルが表せます.そこで,fij ,fijk を f1 , , で表すことを通じて g ,h の関係を求めます. f2 n ij ij それでははじめます. は , , で表せますから fij f1 f2 n fij =Γijk fk+Hijn とおきます.ここで,fij・n=hij ですから(定義 ,) ij ij ij H =f ・n=h が成り立ちます.

∂ f

1

∂ u

i

∂ f

2

∂ u

i

∂ f

3

∂ u

i

∂ u

i

∂ u

j

2

f

1

∂ u

i

∂ u

j

∂ u

k

3

f

1

∂ u

i

∂ u

j

2

f

2

∂ u

i

∂ u

j

2

f

3

∂ u

i

∂ u

j

∂ u

k

3

f

2

∂ u

i

∂ u

j

∂ u

k

3

f

3

g

11

g

12

g

21

g

22

g

11

g

12

g

21

g

22

=

1 0

0 1

(3)

f f n ∴ ij =Γijk k+hij = ですからΓ =Γ が成り立ちます. fij fji ijk jik 次にΓijkを求めます. 求める方針は,gij=fi・fjの両辺をu で偏微分することです.k ik j i jk =f ・f +f ・f =Γikmfm・fj+fi・Γjkmfm (∵ fi・n=0) m m =gmjΓik +gimΓjk ここで km ij ij k g Γ m=Γ , と書けば ik,j jk,i =Γ +Γ となる. ここでΓik,j=Γki,jより =Γjk,i+Γki,j ・・・① とすると見やすい. i,j,kを入れ替えて =Γkj,i+Γji,k ・・・② =Γki,j+Γij,k ・・・③ ②+③-①より Γij,k= を得る.したがって ij ij,m Γ k=gkmΓ = を得る.このΓijkをクリストッフェルの3添字記号という.なお,式から分かるように Γijkは第1基本形式gijだけで決まる.このことは重要なことです. 次に法線ベクトルnについて同じことを行います. ・ =1より ・ =0. n n ni n

∂ g

ij

∂ u

k

∂ g

ij

∂ u

k

∂ g

ik

∂ u

j

∂ g

jk

∂ u

i

1

2

(

g

jk

u

i

g

ki

u

j

g

ij

u

k

)

1

2

g

km

(

g

jm

u

i

g

mi

u

j

u

m

g

ij

)

(4)

ここで, i i k n =A kf とおきます. 一方fi・n=0よりfij・n f+ i・nj=0 ij ij ji j i i jk ∴ h =f ・n f= ・n=-f ・n =-A gk j kj ∴ Ai =-hikg したがって i ik j n =-h gkjf を得る. 以上で =Γ +h ・・・① fij ijk fk ijn =-h g ・・・② ni ik kjfj を得ました.①をガウスの誘導方程式,②をワインガルデンの誘導方程式といいます. 各点で {, f1,f2,n}で表せるので,①,②の関係式さえ分かればどんな微分でも出 来るわけです.曲線論で言えばフレネの公式です. 次に,さらに微分します.その中でgijとhijの関係が求まります. ijk ij k ij m ij k f =(f ) =(Γ mf +h n) ij k m ij mk ij k ij k =(Γ m) +Γ m +(h ) +h =(Γijm)kfm+Γijm(Γmknfn+hmkn) ij k ij km n +(h ) n-h h gmnf ij k ij nk ij kn m ={ Γ( m) + Γ nΓ m-h h gnm } n + {Γijmh +(hmk ij) }k jとkを交換すれば ikj ik i n i jn m f ={ Γ( m) + Γ nΓ m-h h gnm }f j k j k n + {Γikmh +(hmj ik) }j = より fijk fikj m m n m n m (Γij )k -(Γik ) +Γj ij Γnk -Γik Γnj -h hij kngnm +hikhjngnm =0 ・・・③ (h )ij k -(hik)j +Γijmhmk-Γikmhmj =0 ・・・④ ③をガウスの積分可能条件,④をコダッチの積分可能条件といいます. 積分可能条件という理由は,後で第1,2基本形式より偏微分方程式を解くことにより曲 面を求めるのですが,偏微分が解けるための条件が③,④であることが示されます.偏微 分方程式が解けるための条件を積分可能条件といいます. ③,④の中で独立な式がいくつあるかを調べましょう. j=kの時は恒等式ですからj=1,k=2だけ調べればよい. ④のコダッチの積分可能条件を調べると i=1,j=1,k=2のときが (h ) -(h11 2 12) +Γ1 11mhm2-Γ12mh =0m1 でi=2,j=1,k=2のときが

(5)

(h ) -(h21 2 22) +Γ1 21mhm2-Γ22mh =0m1 である.この2つの条件がコダッチの積分可能条件です. 次のガウスの積分可能条件を調べます. m m n m n m (Γij ) -(Γk ik ) +Γj ij Γnk -Γik Γnj -h hij kngnm +hikhjngnm =0 ・・・③ クリストッフェル記号は第一基本形式gijだけで決まる量です.したがって,最初の4項 は第1基本形式だけで決まり,あとの2項は第1,第2基本形式両方関係しています. ③より少なくとも第1基本量と第2基本量に関係があることが分かります.これが,思わ ぬ結果に発展し,ガウスをして「最もすばらしい定理(Theorem egregium)」と言わしめた 定理に到達します.計算は少し面倒ですがもう少しです. ③を計算するために,③の前半の4項を Rm =(Γ m) -(Γ m) +Γ nΓ m -Γ nΓ m ・・・⑤ ijk ij k ik j ij nk ik nj とおき,さらに Rnijk=gnm Rmijk ・・・⑥ と定義します.⑤を第2曲率テンソルといい,⑥を第1曲率テンソルといいます. ⑤,⑥は共に曲面の第1基本形式より決まります. nm ij k mn k ij mn ij k (g Γ m) =(g ) Γ m+g (Γ m) より m m m gmn(Γij ) =(gk nmΓij ) -(gk mn) Γk ij =(Γij,n) -Γk ijm(Γnk,m+Γkm,n) (∵ この節の最初のほうのΓnk,m の定義を参照) したがって, nijk nm ijk R =g Rm = (Γij,n) -Γk ijm(Γnk,m+Γkm,n) -( Γik,n) +Γj ikm(Γnj,m+Γjm,n) +( ΓijrΓrk,n -ΓikrΓrj,n ) ij,n k ik,n j ij nk,m ik nj,m =(Γ ) -( Γ ) -Γ mΓ +Γ mΓ jn ik ni jk ij nk ={ g( ) +(g ) -(g ) -(gkn)ij-(g )ni kj+(gik)nj}/2 ij nk,m ik nj,m -Γ mΓ +Γ mΓ したがって, Rnijk ={ g )( jn ik-(gij) -(g )nk kn ij+(g )ik nj}/2 -gpm(Γ Γ -Γ Γ ) ij,p nk,m ik,p nj,m = { - - + } -gpm(Γ Γ -Γ Γ ) ij,p nk,m ik,p nj,m となる. 式から分かるように,第1曲率テンソルRnijk は前の2つn,iを交換すると符号が変

1

2

∂ u

i

∂ u

k

2

g

jn

∂ u

n

∂ u

k

2

g

ij

∂ u

i

∂ u

j

2

g

kn

∂ u

n

∂ u

j

2

g

ik

(6)

るし,後の2つj,kを交換しても符号が変る.すなわち nijk injk nijk nikj R =-R , R =-R したがって,n=i,j=kのときは Rnijk =0. 0でない第一曲率テンソルは 1212 2121 1221 2112 R =R =-R =-R だけである. 以上の計算のもとで,ガウスの可積分条件 m m n m n m (Γij )k -(Γik ) +Γj ij Γnk -Γik Γnj -h hij kngnm +hikhjngnm =0 を見直すと Rm -h h gnm +h h gnm =0 ijk ij kn ik jn gmpをかけて gmp( Rmijk-hijhkngnm +hikh gjn nm )=0 Rpijk-h hij kn δnp+hikhjnδnp =0 ∴ Rpijk-h hij kp+hikhjp =0 したがって,ガウスの可積分条件はただ一つの式で 2 R1221=h h22 11-(h )12 となることが分かりました. 以上のことからコダッチの方程式が2個,ガウスの方程式が1個,合わせて3個がわかり ました.この章の最初で,条件が6つ E,F,G,L,M,N に対して3つの関数f ,f ,f を1 2 3 求めると書きましたが,3つの関係式があり釣り合いがとれています. 後はまとめです.曲面の全曲率をKとすると K= = ・・・⑦ となりました. この等式⑦がガウスをしてもっともすばらしい定理(Theorem egregium)と言わしめた式で す. 簡単に説明します. 左辺の全曲率とは,その点の法曲率の最大値と最小値の積です.円柱面と平面を第1基本 形式が保たれる対応させるとき,円柱上の円や円柱螺旋が平面では直線にうつります.こ のことから分かるように,曲線の曲率や捩率は第1基本形式が同じでも保たれません.こ こで,第1基本形式より決まる量を内在量というと曲率や捩率は内在量ではありません. その曲率を用いて定義した全曲率がなんと第1基本形式だけから決まる量すなわち内在量 である. という意味です.なお,平均曲率Hは内在量ではありません. この節の最後で曲率テンソルR1221を便利な座標である曲率線座標および測地線座標の

g

11

g

22

- g

122

h

11

h

22

-h

122

g

11

g

22

- g

122

R

12 21

(7)

とき計算しておく.これはあとで,負の定曲率曲面の全曲率を計算するときやガウス-ボ ンネの定理の証明のとき用います, 1221 R = { - - + } -(Γ22,pΓ11p -Γ21,pΓ12p ) です. 曲率線座標は 2 2 Ⅰ=Edu +Gdv よりg11=E,g12=g21=0,g =G22 Γ111=E /(2E),Γ1 112=-E /(2G)2 ,Γ121=E /(2E),2 Γ122=G /(2G),1 Γ221=-G /(2E)1 ,Γ222 =G /(2G)2 Γ11,1=E /2,Γ1 11,2=-E /2,Γ2 12,1=E /22 Γ12,2=G /2,Γ1 22,1=-G /2,Γ1 22,2=G /22 R1221=(-Evv-Guu)/2 -(-G /2)・(E /(2E))- (G /2)・(-E /(2G))1 1 2 2 +(E /2 ・(E /(2E))+(G /2 ・(G /(2G))2 ) 2 1 ) 1 = (-Evv-Guu)/2 +(G /2)・(E /(2E))+ (G /2)・(E /(2G))1 1 2 2 +(E /2 ・(E /(2E))+(G /2 ・(G /(2G))2 ) 2 1 ) 1 となります. さらに,Ⅰ=du +Gdv2 2 のときは R1221=-G /211 +(G /2 ・ G /2G)1 )( 1 = 一方 より R1221= を得る. 全曲率Kは K=R1221/g より g=Gであるから

1

2

∂ u

2

∂ u

1

2

g

21

∂ u

1

∂ u

1

2

g

22

∂ u

2

∂ u

2

2

g

11

∂ u

1

∂ u

2

2

g

21

1 1

4 G

1 2

( G )

11

=

2 G

G

11

4G

G

(G

1

)

2

- (

G )

11

G

(8)

K= この式は,ガウスーボンネの定理で用いられる. 例 E,F,G,L,M,Nは任意でないことの例を挙げましょう. E=G=1,F=0,L=1,M =0として,N を調べてみよう.ガウスの可積分条件 より m m n m n m (Γij )k -(Γik ) +Γj ij Γnk -Γik Γnj -h hij kngnm +hikhjngnm =0 でΓijk はすべて0より,i,j=1,m=k=2で確かめると -h11h22+h12h12=0 より h22=0 を得る.したがって,h22≠0のとき曲面が存在しないことが分かる. (曲面の第1基本形式と第2基本形式の関係の項目終わり)

G

11

G

参照

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