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環境資源学専攻

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Academic year: 2021

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図 1. 各セパレータを組み込んだ EDLC のサイ クリックボルタモグラム(掃引速度:0.05 V/s)

北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2016 年 2 月 4 日

リグニンを原料とする電気二重層キャパシタ用セパレータの開発

環境資源学専攻 森林資源科学講座 森林化学 久保田惇

1. 緒言

紙パルプ産業において、木材の主要成分セルロースはパルプとして取り出される一方、もう一つ の主要成分リグニンは、焼却されエネルギーとして利用されている。しかし、木質バイオマスの有 効活用を促進するためには、リグニンのより高付加価値な利用が重要である。当研究室では特に電 気二重層キャパシタ(EDLC)用部材の開発に取り組んでおり、近年では高分子材料であるセパレー タとして利用可能な、リグニン由来のポリエステルフィルムを調製した。しかし、市販のセパレー タと比較して静電容量が小さく、抵抗値が大きいという課題が残っていた。そこで本研究ではこの 問題点を克服した、高性能なセパレータ用フィルムの開発を行った。

2. 方法

ポリエチレングリコール (以下、PEG) 400 を用いたスギチップの加溶媒分解で得た PEG リグニン

(PEGL)と無水マレイン酸(MA)を、[-OHPEGL/-COOHMA = 1/2]の比で混合した。更に、分子量 20,000

~2,000,000 の PEG を 10 又は 30 %加え、200 oC、5 MPa、4 h の条件でホットプレスし、フィルム を得た。また、PEGL/MA/PEG の混合時に 5 %の NaCl を加えてフィルムを調製した後、水洗して NaCl を除くことで多孔質フィルムを調製した。アセトンで洗浄した後、活性炭電極と共に有機系電解液 に浸漬後 EDLC セルを作製し、電気化学性能評価を行った。

3. 結果と考察

当研究室で報告された、PEGL と MA のみから成るフィルムは硬くて脆かった。このため電極と密 着出来ず、セパレータとして十分に機能出来なかったと考えられた。そこで、フィルムに高分子量 の PEG を加えて柔軟性を与えることで、セパレータ性能の改善を試みた。特に分子量 500,000 の PEG を 30 %加えると、外部から力を与えても破断しない、

しなやかで丈夫なフィルムが得られた。その柔軟性 は、94.1 %の引張歪みとしても確認された。このフ ィルムをセパレータとして EDLC を作製すると、静電 容量を示すボルタモグラムの面積は、PEGL/MA のみ のフィルムと比較して大きく増大し(図 1)、28.7 Ω であった電荷移動抵抗値は 2.0 Ωまで大きく減少し た。電極との接着性の向上に加え、フィルム洗浄で 生じた多数の微細孔が電解液中で拡大した結果、電 解質イオンの透過性が向上され静電容量値と抵抗値 が改善されたと考えられた。更に多孔質化を施すと 静電容量は再び増加し、市販のセルロースを用いた 値(74.8 F/g)を上回った(84.2 F/g)。同時に電荷 移動抵抗値も 1.6 Ωまで減少した。以上、リグニン を原料とした高性能セパレータの開発に成功した。

図 1. 各セパレータを組み込んだ EDLC のサイ クリックボルタモグラム(掃引速度:0.05 V/s) 北海道大学  大学院農学院  修士論文発表会,2016 年 2 月 4 日 リグニンを原料とする電気二重層キャパシタ用セパレータの開発 環境資源学専攻  森林資源科学講座  森林化学  久保田惇 1. 緒言 紙パルプ産業において、木材の主要成分セルロースはパルプとして取り出される一方、もう一つの主要成分リグニンは、焼却されエネルギーとして利用されている。しかし、木質バイオマスの有効活用を促進するために

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