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アメリカ人は、夢を抱いて新天地に移り住んできた移民の子孫であることを誇りとして国を 築いてきたが、今日、アメリカ第一主義を唱え、移民の流入を阻もうとするトランプ大統領の 出現によって、その姿は少しずつ変わってきているようにも思える。しかし、ヨーロッパから 海を渡りアメリカの大地に足を踏み入れてから、人々は夢を求めて、自国の拡大と共に新天地 を探して移動し開拓を行った。徒歩、幌馬車、鉄道、自動車とその手段を変えながらも、アメ リカ人は現状に常に疑問を持ち、その不利益や不平等に矛盾を抱き、過去はすべて現在の改革 の為に存在したかのように行動してきたと言っても過言ではない。マニフェストデスティニー の旗印のもと、西部開拓へと道をすすめたアメリカは、西へと広がり、国土を拡張していった。
夢の道はすなわち自由の追求であった。 “the sense or pursuit of an unanchored self who refused‘a fixed place’”
1)という人々の想いが、アメリカの国民性と文化を作り上げたとも いえる。海路を進みアメリカ大陸にたどり着いた先祖の意志は、未開の土地にむかって道を作 り広げていく子孫へと受け継がれていく。「道」を作りたどっていくことは、 “the route to finding oneself” であり、同時に “national identity”
2)ともなっていた。アメリカ全土に巡ら された「道」は、人々の自由の実現という夢を乗せて広がっていった。そして同時に道がたど り着いたところで、アメリカは世界でその活躍の場を広げていったのである。
20世紀に入り、第一次大戦前後の好景気により、アメリカは世界の強国として君臨しその力 を行使しはじめた。そして、大恐慌時代に突入する。先の見えないこの社会状況の中、人々の 生活は疲弊していった。さらに干ばつ・砂嵐の被害により住み慣れた土地を捨てなくてはなら なくなった。こうした人々の姿を、John Steinbeck は The Grapes of Wrath (1939)で描い ている。ルート66を一家で進んでいくジョード一家は、新天地を求めて西へと進んでいくアメ リカ移民の姿と同じである。Steinbeck は、 『チャーリーとの旅』において、 「人間が旅をする のではなく、旅が人間を連れ出すのだと悟る」
3)と語っているが、オンボロ車でルート66を進
痕跡と境界の物語:
E. Welty と The Natchez Trace
A Story of The Natchez Trace : E. Welty and the South
太 田 直 子