繰 り返 し水平力を受けるL型擁壁の低サイクル疲労実験
王
海軍*,長谷 川
明料,塩井
幸武*料,庄谷
征美****
Experirnent on lo、
v cychc fatigue of L type retaining、vall subjected to the horizontal cychc load
HalJun WVANG*,Akira IIASEGAWVA**,Yukitake SHIoI半
**
andふ Iasami SHoYA**キ
*
AbstractL type retaining、 ,,an is usua■ y used to control collapse settlement of stitt soil ln cold area, the freeze― thaw cycle of soil produces horizontal cychng earth pressure The number of iteration of the hori2ontal pressure is smaller than the number Of cyclic load in the case of noor system of rail、 ,,ay or road Therefore,an experilnent was carried out to evaluate the effect of the horizontal cychc ioad According to the experirnent and analysis,it is sho都 ァ
n thati(1)Theretaining Mァ all、 ',as destroyed at lo、 ver cycling ioad than the horizontal ultilnate load even if the number of iteration of the horizontal pressure is very small,(2)The cychc load destroying the retaining郡 〆 all was reduced ttrith the increasing of iteration number
Keywords: L type retaining Ⅵrall,horizontal cyclic load,fatigue
1.は
じ め に
擁壁 は,盛土 または切上の勾配が 自然の状態 では上の崩壊の可能性があるときに土留 め壁 と して使用 され るものである。
L型
擁壁 は,鉛
直壁 と底盤の2平板か ら成 る擁壁で,壁高の小 さい 擁壁 として土地造成等の建設現場で広 く使用 さ れてい る。逆T型擁壁 の底盤 のつ ま先部 が な く,かか と部 のみで構成 されている構造である ため,土地造成では効率的な土地の利用が可能 とな り,経済性 に優れている。特 に,プレキャス トコンク リー トとして製作 され る場合 には, その形状 か ら製作上 も優 れた経済 的特性 を持 つ。
平成 10年 10月 16日 受理
キ大学院工学研究科土木工学専攻博 士後期課 程・ 2年
ホ ・ 土木工学科・ 教授 ホ
**構造工学研究所・ 教授 布帯
+土木工学科・ 教授
この擁壁 に作用す る荷重の主た るものは土圧 と自重である。寒冷地では,外気温 と地中温度 の変化 に伴 って,擁壁壁面 に作用する土圧 は変 化 している。図‑1は現地で観測 された擁壁壁面 に作用す る土圧の 日変化 曲線の一例である。外 気温 と地中温度が低下 して,地盤が凍結 し,膨
脹 しよ う とす る こ とによって土圧 が大 き くな り,気温のサイクルに類似 して土圧 は繰 り返 し て擁壁 に作用 している。 したがって,寒冷地 に おいては地盤の凍結 。融解現象 による繰 り返 し 水平荷重 を発生す る可能性がある。
しか し
,こ
の繰 り返 し回数 は地域・地盤 によっ て異なるものの,橋梁 に加わ る列車荷重や 自動 車荷重の繰 り返 し回数 に比べて,極めて小 さい ものである。 このような繰 り返 し回数が少ない 荷重 による疲労実験の報告 は少ない。写真 1は,寒冷地 においてプレキャス ト擁壁 を建設後数年経過 した
L型
プ レキャス ト擁壁 の破壊状況である。鉛直壁下部 に水平 にひび害」筵︹ 服 覇 慧
7川
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擁壁 5
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19
1月
202122232425262720
経過時間
(日)
図■ 土圧の 日変化 曲線
れが発生 してお り,この位置 で鉛直壁 はわずか に傾 いてい る。 また,写真
2は
破壊 した擁 壁 を 取 り出 した もので,鉛直壁 と底盤 の取 り付 け部 に大 きな亀裂 が見 られた。 この ような破壊状況 か ら,この擁壁 には設計 時 に想定 していない水 平荷重が作 用 し破壊 した と考 え られた。水平荷 重 として は,次の よ うな要 因が考 え られた。(1)設計 で考慮 され て い な い上 載荷 重 に よ る水平力
(2)背面 上 砂 の凍結 融解 作 用 に よ る繰 り返 し水平力
(3)その他
(1)について は,設計 において上載荷重が1
tf/cm2で
ぁるとして計算 されているが,周
辺の 上載荷重 は低層の住宅であって,この値 を越 え る荷重が載荷 された状況 は考 えられない。一方,(2)の繰 り返 し機構 としては,① 背面土砂の 凍結による水平力増大によって擁壁が全面に傾 く,② 背面上砂の融解によって水平力が減少 し,背面上砂 と擁壁背面に間隙が生まれる,③
その間隙 に新 た に上部 か ら土砂 が供給 され,背
面上砂 と擁 壁 背面 の間隙が消失す る, とい う繰 り返 し作用が推定 された。
そ こで本 実験 で は,実物 試験 体 を使 用 して プ レキ ャス トL型擁 壁 の水 平 繰 り返 し実 験 を行 い,上記 の よ うな破壊 が発生 す る可能性 が あ る か調査 した。
本論文 で は,その実験概 要,実験 結果 お よび 得 られた知 見 につ いて述 べ る。
2
,・ ■デ
繰 り返 し水平力 を受 ける
L型擁壁 の低サイクル疲労実験
―
il l iや
写真
1現地 の擁壁 の破壊状況
2.実 験 概 要 (1)試
験体
試 験 体 は
1,200 mm× 1,500 mm× 2,000 mmの プ レキ ャス ト実物試験体
4体で あ る。使用 さ
れ て い る鉄 筋 の許 容 引 張 応 力 度 は 1,600 kgf/
cm2で
ぁ り
,コン ク リー トの設 計 基 準 強 度 は
300 kgf/cm2でぁ る。実験 は,コ ンク リー ト打設 後
28日以 降 に行 った。試験体 寸 法 及 び配 筋 を 図
2に示 す。鉛直壁壁 厚 は上部 で 8cm,下 部 で
10 cmの単鉄筋 断面 とな って お り
,主鉄 筋 とし て下 部 で
D13が 178 mm間隔 で使 用 され て い る。底盤部 も同様 に
,かか と部 で
8cm,鉛直壁 と の 接 合 部 で
10 cmとな った 単 鉄 筋 断 面 と な ってお り
,主鉄筋 として
D13が 178 mm間隔 で使用 されてい る。
(2)実
験 装置 と載荷 方法
実 験 装 置 は写 真
3に示 す水 平 載 荷 装 置 を使 用 した。試験体 は
,主に鉛直壁 の水平力 に よる 破壊 を調 査 す る こ とか ら
,底盤 を実験室床面 に
45 mmボ
ル トを
8本使 用 して固定 した。水平 力 を受 けて鉛直壁 が傾 くことによって金面下部 に ゴム シー トを敷設 す る ことも検討 されたが
,破壊状 況 を見 なが ら対 応 す る こ ととし
,最終 的 に は使 用 されなか った。
鉛 直 壁 載 荷 点 は鉛 直 壁 上 端 か ら
15 cmの位 置 に載荷 面 (幅 150 cm× 高 さ
10 cm)とな る三 角形 治具 に よ り載荷 した。載荷 試験 は一 方 向載 荷 試験
1体(試 験体
Ll),繰り返 し載荷試験
3体(試 験 体
L2〜L4)で行 った。三角形治具先端 に はゴム シー トを張 り付 け
,載荷 面 (幅 150 cm×
高 さ
10 cm)に均 ― に荷重が伝達 され るよ うに
配 慮 した。 また
,載荷 面 が水 平 か ら傾 か ない よ
う鉄管 を使 用 して三 角形治具が水平 に移動 す る
よ う支保 した。載荷 は
,ロー ドセルの荷重値 を
フイー ドバ ック して制御 す る荷重制御型載荷 方
法 と
,鉛直壁上部 中央 に取 り付 けた変位計 (図 ―
3の d2)の値 をフイー ドバ ック して制御 す る変
位制 御 型載荷 方法 を とった。破壊荷 重 に至 る ま
で の過程 で は荷重制御型載荷方法が ,そ れ以 降
写真 2 取 り出 した擁壁 の破壊状況
の載荷 については破壊 の進行 を注意深 く観察 し なが ら変位制御型載荷方法が採 られた。載荷速 度 については,荷重制御型載荷方法の時 は0.02 tf/sec,変 位制御型載荷方法の時 は0.lmm/sec
を基準 とした。
(3)計測
計測項 目は,変位9点,正面,裏お よび側面 の上,中 ,下段のひずみ
36点
である。取 り付 け 位置 を図3に
示す。計測ダイヤグラムを図‑4に 示す。擁壁のひび害」れはひび割れゲージを使用し目視 によって観察 した。
3.実験結果及び考察
3。1 荷重 と変位
(1)一方向載荷 (試験体Ll)
図‑5に 一方向載荷 した試験体Llの荷重変位
曲線 を示す。縦軸 は水平荷重,横軸 は鉛直壁左 右(観測位置 は上端か ら5cmの位置)の 変位の
平均値である。
荷重が約
1.4 tfま
で は,荷重 と変位 は線形 な 関係 を保 ってい るが,1.4 tfで3mmの大 きな 変位が発生 した。 この時,鉛直壁下部 のハ ンチ 取 り付 け部 (底盤 か ら250 mm:以下鉛直壁取 り付 け部)背面で擁壁全幅 にわたってひび割れ が 目視 された。平均 ひび割 れ幅 は0.23 mmで あった。 この ことか ら,この荷重約1.4 tfまで は,鉛直壁全断面が圧縮引張両側で有効 に作用 してお り,この荷重で引張側 コンクリー トが破 壊 し,引っ張 り力が主鉄筋 に移動 した もの と考 えられる。 また,この とき大 きな変位が発生 し た理 由は,主鉄筋 の位置が中立軸 に近 い ことが 影響 していると考 えられ る。4
繰 り返 し水平力 を受 ける
L型擁壁 の低 サイクル疲労実験
OD19‑8
8
④ D6‑11
̲IFJL
30250=750 8
図
2試験体寸法及び配筋
さ らに荷重 を増大 させ る と
,1.95 tfで降伏 し た。 この とき鉛直壁取 り付 け部 に作 用す る曲 げ モー メ ン トは 2.44 tfem(載 荷 1 95 tf× うで 1.25
m)で
,こ れが発 生 した最大抵 抗 曲 げモー メ ン ト で あ る。その後
,変位 制御 で先端 変位 が
120 mmとな る まで載荷 した。
(2)繰り返 し載荷
(試
験体L2からL4)
はじめに,繰り返 しを行 う荷重の設定 につい てつ ぎのような検討 をした。① Ll試験体 の一方向載荷実験 による破壊 荷重 は
1.95 tfで
あるこ とか ら上 限値 几 は1.95 tf以
下 とす る。一方,Ll試
験体 の 一方向載荷実験 によるひび割れ発生荷重Pl 2000
十 十
」
十
ギ 5(φ 05)
十写真 3 実験載荷装置
80 d3
ら下
d9
d6
変位計 (ストローク
5(lllllll)
歪み計 (1軸塑性ゲージ)※壁面の歪みゲージは表裏両面に付ける 80
00
図3 変位計及び歪みゲージの設置
‑ 6 ‑
〇
〇 い 引
ンクリー ト
l口
」面に等間隔で り付け位置は外緑かロガー
ンピユータ イッチボック
繰 り返 し水平力 を受 ける
L型擁壁 の低サイクル疲労実験
図
4計測 ダイヤグラム
2
︲6 M 柁 i 0 8 0 0
∝
︒ 2 0 令 そ ヨ 8
︵︺︶一匈oJ
c12 電
120 40 60 80 D sp acemontlmm)
図
6 L2の荷重変位曲線
DispIBcomant(mm) Disp ECemen《 mm)
図
5 Llの荷重変位 曲線
は 1.4 tfで あ
る こ とか ら
,上限値 ん は 1.4 tf以 上 とす る。
② Ll試験体の一方向載荷実験による残留
耐 力 は 0.6 tf程 度 で あ る こ とか ら
,下限 値 Pと は これ を目安 とす る。
③ 繰 り返す荷重 の上限値ん と下限値
Pと
の 差(以
下,荷重振 り幅 とい う)は
一定 と す る。④ 実験 を実施 し,破壊 に至 る繰 り返 し回数 を検討 しなが ら次の設定値 を検討する。
この結果,試 験体L2からL4の繰 り返 し載荷 の上限値ん はそれぞれ
1.7 tf,1.8 tf,1.9 tf,下
限 値島 はそれぞれ0.5 tf,0.6 tf,0.7 tfと
した。荷 重振 り幅 はいずれ も1 2 tfで
ある。図 6の L2試験体 の荷重変位 曲線 である。上 限値几
1.7 tf,下
限値Pと 0.5 tfで
繰 り返 し載荷 した ものである。82回の繰 り返 し載荷 によって 降伏 した。鉛直壁取 り付 け部 には,Llと 同 じ く1 4tf載
荷時 に擁壁全幅 にわたってひび割 れが 発生 した。図 7の L3試験体 は,上限値 為
1.8 tf,下
限 値Pと 0.6 tfで
繰 り返 し載荷 した ものである。22
図
7 L3の荷重変位 曲線
回の繰 り返 し載荷 によって降伏 した。鉛直壁取 り付 け音
[に
は, 1.5 tf載
荷 時 に子充壁 全 幅 にか たってひぴ割れが発生 した。図‑8のL4試験体 は,上限値 島
1.9 tf,下
限 値Pと 0.7 tfで
繰 り返 し載荷 した ものである。12
回の繰 り返 し載荷 によって降伏 した。鉛直壁取 り付 け部 には,1.37 tf載 荷 時 に擁 壁全 幅 にわ たってひび割れが発生 した。図 9は L2からL4まで3試験体 の繰 り返 し 試験体 の荷重変位 曲線 を重 ね描 いた もので あ
D百 測 ncamOnt(mm)
︵■
︶コ ロo ヨ
図
8 L4の荷重変位曲線
2 綽 い 14
︲2
︐
∞ 06
﹈ 02
0
ザ│
Disp aconent(mm)
図
9 L2,L3,L4の
荷重変位 曲線線り返 し回数N
︵﹂
︶︶ っ個o ョ
︵ E E
︶ 理 ミ 雨 る 0
荷ユ
(tf)図 11 荷重 とひび害」れ幅 (Ll)
図
10
荷童 の繰 り返 し回数 と上限値 の関係る。小 さい荷 重 で荷重 と変位 が線形 な関係 を 保 っているときの
3つ
の曲線 は,ほぼ一致 したもの となってお り,ほぼ同一の岡中l生を有 してい ることが示 されている。 また,降伏後の挙動 に ついて も同様 な結果 を示 している。
図 10は,破壊 す るまでの荷重 の繰 り返 し回 数 を横軸 に,荷重上限値 を縦軸 に描いた もので ある。この図によると,荷重上限値の増大 に伴 っ て繰 り返 し回数 は低下 す る こ とが示 されてい る。繰 り返 し回数 と荷重上限値 には対数な関係 があるとして近似式 を求 めると図中のように得 られた。 この関数 によると,年間の凍結 。融解 繰 り返 し回数 を
30回
とし,50年の耐用 を至 る 荷重上限値 は1 55 tfとなる。したが って,本擁 壁 の水平荷重が この値以下 となるような対策が 必要である。3,2 荷重 とひび害Jれ幅
図 11は Ll試験 体 の荷 重 の増 加 に伴 って鉛 直壁 取 り付 け部 にお ける点Aと C(図 3)のひ
繰 り返 し回数
図
12
荷重繰 り返 し回数 とひび割れ幅平均値び割れ幅の変化 を示 した曲線 で ある。0.9 tfか ら点Aで,引 き張 り力 によると思われ るひび割 れが見 られ,約1.4 tfか ら壁体 の左端 か ら右端 までひび割れが見 られた。荷重の増加 に伴 って ひび割れ幅の増加現象が見 られ,降伏 した
195
tfで 急激 にひび害」れ幅の増大が見 られた。図
‑12は
,L2,L3,L4各試験体 の鉛直壁取 り 付 け部6点 (AからF)のひび割れ幅平均値 を縦軸 に,横軸 は繰 り返 し回数 によって示 した も のである。荷重上限値 は増大すると,破壊時の ひび割れ幅 は小 さい。 また,いずれの曲線か ら も,繰り返 し回数の増大 に伴 ってわずかなが ら ひび割れ幅が増大 している。
3.3 鉛 直壁面及び鉛直側面のひずみ状況 図 13の A,B,C,Dは,それぞれ
Ll,L2,L3,
L4試験体 の鉛直壁前面 と背面 の鉛直方向のひ ずみが,荷重の増加 に伴 って どのように変化 し たかを示 した ものである。中心か ら左側が前面 の圧縮 ひずみ,右側が背面の引張 りひずみを表 している。そのひずみは同 じ高 さの3枚の平均 値 (図‑3参
照)である。荷重が小 さい範囲では│
LOGiO(Pu)=―
O Oa02LOGiO(N)+02964p4■→、」J
r■:FI
│
8
身 IⅢ
繰 り返 し水平力 を受 ける
L型擁壁 の低サイクル疲労実験
図
13B L2の鉛直壁前面 と背面のひずみ状況
図
13C L3の鉛直壁前面 と背面 のひずみ状況
加 に伴 って中立軸 は徐々 に引張側 に移動 してい る。中段では,約
1 2tfま
で中立軸 は断面中央付 近 にあるが,この荷重 を超 えると中立軸 は圧縮 側 に移動 していることがわかる。下段では,約1.4 tfま
で を見 る と中立軸 は断面 中央付近 にあ るが, この荷重 を超 えると中立軸 は急激 に圧縮 側 に移動 していることがわかる。 これ は, この 荷重 によって引 き張 り側 に発生 したひび割れが 大 き く進展 し,深く進行 していることが していることが理解で きる。
3.4
破壊 状 況
この試験体 の崩壊 は
,鉛直壁 取 り付 け部 での 破 壊 に よって発生 した。 図
15,16,17は鉛 直 壁 取 り付 け部 の破壊 につ いて調 べ た もので ,そ れ
ぞれ試験体 L2,L3,L4の 繰 り返 し回数 に伴 う ひび害」 れ の進展状況 を示 した もので あ る。また ,
4試
験体 の破壊状 況 を写真
4に示 す。
破 壊 の進 展 過 程 を考 察 す る と次 の よ う に な る。
①
鉛直壁取 り付け部背面において約
1 4tf
時にひび害」れが発生した。②
このひび割れは
,擁
壁背面に直角をなし,
主鉄筋 まで進展 した。
③
主鉄筋近傍から下向きに方向を変え,主 鉄筋湾曲部まで主鉄筋に沿ってひび害」れ が進展 した。
④ その後,主鉄筋の曲線 に沿 って,向きを 変 え最終的 に水平 に対 し約25度の角 を な して下部底面 まで進展 した。
⑤ それぞれの破壊面 は,鉛直壁前面 と底盤 下面 まで到達 し崩壊 に至 った。
この破壊状況 は4試験体 とも繰 り返 し回数 に こそ違 いはあるものの,大きな相違 は見 られな かった。この試験体 の破壊状況 と写真 1に 示 し た現地の実物擁壁の破壊状況がほぼ似通 ってい ることか ら,写真‑1の擁壁 も本実験 と同 じよう な荷重 を受 けていた可能性がある。
図
13A Llの鉛直壁前面 と背面のひずみ状況
3 日Jルーヽ ︲
《
ひすみ (x10‑6)
図
13D L4の鉛直壁前面 と背面のひずみ状況
上部 か ら下部 にか けて,ひず みの分布 は曲 げ モーメン ト分布 と同 じく直線状 にあるが,荷重 が大 きくなるに連れて線形性 は崩れている。
図 14は試験体Llの鉛直壁右側面 のひず み 状況である。荷重の増加 に伴 つて側面のひずみ と中立軸 は変化 している。上段で は,荷重の増
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̲̲̲̲̲―――― 右 1出
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14 Llの鉛 直壁右 側面 の ひず み状 況
∂ 広 ェ も К 挙 わ
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0ゆ 帯0呵 ヾ
―‑ 10 ‑―
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´ベ 滋
へ
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\\\\
\
キ
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よ
\
\
ヽ \
主 ヾ
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韻 ぶ
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\ \
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―キー山
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繰 り返 し水平力 を受 ける
L型擁壁 の低サイクル疲労実験
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図
17 L4のひび割れの進展状況 図
15 L2のひび割れの進展状況
笛
0 こ お 一
全 ユ 一
● d
ε と ヽ 一
図
16 L3のひび割 れの進展状況 写真
4全部試験体 の破壊状況
4.結
論
本実験 は,寒冷地 に建設 され るL型擁壁 が背 面上の凍結融解作用 を受 ける とき, どの ような 疲労破壊 を起 こすか を実験的に調査 した もので ある。 この結果,次の ような結論 を得た。
①
鉛直壁上部 に水平荷重が加わ ると,約
0,9
tfから局部的に,ひび害」れが見 られ,約1.4 tfで鉛直壁取 り付 け部全域 でひび割 れが発生す る。一方向載荷実験 の降伏荷 重 は約1.95 tfである。
② 荷重 を繰 り返 して載荷す ると,擁壁 の破 壊する荷重 は低下する。
③
その荷重 は,繰り返 し回数が多 くなると 小 さい値 となる。
④
寒冷地においては,背面上の凍結融解作
用 を受 けるとき設計荷重 より小 さい荷重 で擁壁が破壊す る可合を陛があるため,背
面 に道切 な対策 をとることが望 まれる。
今後,実際に擁壁 に加わ る凍結融解作用 によ る土圧 を測定 し,擁壁本体 の設計時 にどの よう な考慮が必要であるか,背面への対策 として ど のような方法が適切であるか を検討す る必要が あると考 えている。
参 考 文 献
(1)岩手県における農業用排水路 の凍上対策工法 標幸設計マニアル,岩手県農政部農地開発課
,
昭和 51年 3月
(2)鉄道構造物等設計標準 。同解説 コンクリー ト 構造物,鉄道総合技術研究所,平成 4年10月
(3)渡辺博志,河 野広隆 :L tt RC隅 角部の設計方 法に関する検討,土木技術資料,Vo1 40‑10,pp̲
36‑41, 1998.10,
―‑ 12 ‑―