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無人岩と石英デイサイトのマグマの混合

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(1)

小笠原諸島′父島北部の石英含有無人岩 無人岩と石英デイサイトのマグマの混合

渡遵綾香1・黒田一直1

Quartz−bearlng boninite from northern Chichi−jima,Boninlslands:

Magma mlXlng Of boninjte with quartz dacite

●    ■

AyakoWATANABElandNaoshiKURODAl

Abstract SubmarineboniniteseriesvoIcanicrockswithquartzdaciteandsubordinatesubma−

rinesedimentaryrocks,belonglngtOmiddleEocenetolateOligoceneinage,areWidespread OnChichi−jima.Quartz−bearingboniniteisfoundtooccurasthe chilledrimsofdikes,eaSt OfKiyoseandsouthwestofTsuri−hama.OnMiyano−hamanearKiyose,boninitepillowsare intrudedbyamultipledikeofdaciteandboninite.Themultipledikesuggeststhe existence

Ofa density−Stratified chambercappedbydacite.

The quartz−bearlng boniniteincludes about4mmaCrOSS COrrOded quartz up to several moda1%,Withreverselyzonedorthopyroxenes.carr*ngpalebrownroundedcoresandsieved Orthopyroxenes・Basedonthetextures,theselnCluslOnSareXenOCryStS,derivedfromquartz dacite・ThechemiCalcompositionofthedikerimsfromKiyoseisnearlyconstantaccording tothewholerockanalyses・Glassesinthesamedikerims,WithrelatedonesoftheMiyano−

hamamultipledike,Wereanalysedbyelectronprobetocompareingenesisthecompositions.

In the oxides(e.g.,MgO)−SiO2relationship for the boninite series voIcanic rocks of Chichi−jimチ,thelinearrelationshipofMgOtoSiO2isobviousinaquartz−bearingboniniteas thedikerlmSfromKiyose,inamoremagnesianboniniteasthechilledrimoftheMiyano−

hamamultipledikeanda quartz dacitelava.Inferrlng from the field and the petrologlCal

evidence,quartZ−bearlng boninite was formed by rapidmiⅩlng Of boninitic magma and a

Smallamountofquartzdacitemagmainasimilarchambertothepossiblestratifiedcham−

ber beneathMiyano−hama.

Key words:quartZ−bearlng boninite,boninite,quartZ dacite,ⅩenOCryStS,miⅩlng,Stratified

Chamber,Chichi−jima,BoninIslands

は じ め に

石英含有無人岩は1982年にはじめて,父島から報告 された(栗原,1982MS).父島北部の海岸,釣浜南西 の道路沿いで,この火山岩は岩脈の急冷縁として見ら れた.無人岩は本来,石英の結晶を含まないから,石 英の由来を知ることは有意義である,と思われた.岩 石記載,鉱物の光学解析,全岩化学分析をとおして,

石英含有無人岩は無人岩質マグマと石英デイサイト質

マグマの混合物である,と見なされた(黒田ほか,1984).

今回,産状がこれと非常によく似た石英含有無人岩 の露出が,先の釣浜南西の地にほど近い清瀬東の小笠 原高等学校付近で新たに見つかった.そこで,この新 たな石英含有無人岩の成因について報告する.

愛知教育大学の大学院学生,坂元健太郎兄には未公 表の全岩化学分析億を提供していただいた.静岡大学 の森 英樹技官には,全岩化学分析のための岩石試料 の調整に尽力していただいた.合わせて感謝する.

1静岡大学理学部地球科学教室,422−8529 静岡市大谷836

1Insititute ofGeosciences,Shizuoka Universlty,8360ya,Shizuoka,422−8529Japan E−mail:rO935022@ipc.shizuoka.ac.jp(A.W.),Snkuroda@ipc.shizuoka.ac.jp(N.K.)

(2)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 1

国国電田園団臼陶\・

0    1     2 km

図1.8 父島の地質囲(KURODA eとα仁1988).1:石灰岩.

2:凝灰岩,砂岩と泥岩.3:安山岩とデイサイト.4:デイ サイト(角礫岩と溶岩層).5:デイサイト(枕状溶岩と角礫 岩).6:無人岩(ハイアロクラスタイト).7:無人岩(枕状 溶岩と角礫岩).8:岩脈.9:推定断層.10:鉄ピジョン輝 石含有デイサイトの採集地点.

Fig.1a Geologicalmap of Chichi−jima(KURODA el al.,1988).1:1imestone. 2:tuff,Sandstone and mudstom.3:andecite and dacite.4:dacite(breccia

andlava)・5:dacite(pillowlavチandbreccia)・6‥

boninite(hyaloclastite).7:boninlte(pillowlavaand breccia).8:dike.9:SuSPeCted fault.10:SamPling Sites of ferroplgeOnite−dacites.

父島は,始新世中期から漸新世晩期の無人岩,古銅 輝石安山岩,デイサイト,石英デイサイトの枕状溶岩,

火山角礫岩,岩脈と少量の海成堆積岩から成る.一般 に,無人岩と古銅輝石安山岩はデイサイトと石英デイ サイトによって覆われる.これらは西にゆるく傾斜し,

無人岩は主に島の東側で露出している.島の北部から 東部には,これら無人岩系の火山岩のマグマを供給し たと思われる平行岩脈群が存在する(白木ほか,1995).

島の北部,清瀬東の小笠原高等学校付近の道路の崖 で露出する,石英を含む無人岩質の岩脈(清瀬岩脈1)

は先の平行岩脈群に属する,と見られる.岩脈1は幅約 2.6m,走向ほぼEW,傾斜650 Sで,南に300 傾斜する 無人岩の枕状溶岩と角礫岩を貫ぬく(図1・2).この 岩脈の支脈と思われる幅約1.5m,走向EW,傾斜750 S の岩脈(清瀬岩脈2)が,約25m南に存在する.さらに この約80m南では,デイサイトの角礫岩が無人岩の枕 状溶岩と角礫岩の上にのっている.デイサイトの角礫

岩の傾斜は300 Sである..

岩脈1の周縁部では幅約10cm以上の厚いガラス質の 暗色急冷部分があるほか,岩脈の内部にもガラス質殻 をもつ枕状塊や長さ約1.5mに達し,幅約2〜3cmの細か い縞をもつガラス質の岩塊が含まれている(坂元ほか,

1999).岩脈2も幅約5cmのガラス質,暗色急冷縁をも

TSurトhama

Futamト畑

図1.b 清瀬東,二見港一釣浜道路沿いの地質図.

Fig.lb Geological sketch map near Kiyose along the road to Tsuri−hama from Futami,kb.

つ.一方,幅約5mの道路を隔てた反対側の露頭では岩 脈1の延長は見られない.そこでは,枕状塊や細かいガ ラス質集合体,さらには岩脈1の内部にあったのと同様 の細かい縞が入ったガラス質岩塊が見られた.このよ

うな産状から,岩脈1の露頭は岩脈の末端に近い,と考 えられる.

また,近くの釣浜南西で石英含有無人岩が,幅約3m の岩脈の急冷縁として産する.宮の浜では幅5m,走向 EW,傾斜800 Sのデイサイトー無人岩重複岩脈(図3)

が無人岩枕状溶岩に貫入し,宮の浜の南では石英デイ サイトの溶岩が見られる(黒田ほか,1984).

図2 清瀬東,石英含有無人岩質岩脈(清瀬岩脈1).

Fig.2 Quartz−bearingboninitic dike(Dikel,Fig.1b)

about2・6m wide,eaSt Of Kiyose,intrudinginto

boninite pillows.

(3)

岩石記載 清瀬岩脈の急冷縁

岩脈1の急冷縁は暗色,ガラス質で,硬く,多孔質 である.孔隙はフツ石または変質物で時どき埋められ ている.

カンラン石斑晶(長さ0.9mm)は丸みをおび,変質 物で完全に交代された仮像をつくる.時どきクロム・ス ピネルを包有し,斜方輝石で縁取られる.斜方輝石斑 晶(長さ1.3mm,Wo3En88Fs9)は柱状自形で,多い.

時にクロム・スピネルを包有する.骸晶としても見られ る.単斜輝石と連晶する.

石基は斜方・単斜輝石と,割れ目が入ったガラスから

≡三ニラl ̄: ̄ ̄ ̄− ̄ここ 三十二二三三三

表1父島北部の無人岩とデイサイトの化学組成.清瀬岩脈1針右側頂部縁C‥右側縁D‥左側縁E‥右側縁(坂元による未 発表ⅩRF試料)Z‥内部の急冷縁 清瀬岩脈2A:左側縁 岩脈1内部の石英含有高MgOデイサイト.F:Dの60cm内側G:

Eの70cm内側(坂元による未発表ⅩRF試料)T釣浜南西,石英含有無人岩岩脈の急冷縁.Mb宮の浜重複岩脈無人岩急冷縁(図 3)Md同じ重複岩脈のデイサイト急冷縁 Mqd官の浜南の石英デイサイト溶岩 これら4つは黒田他(1984)から引用.

TabJel Chemicalcompositions ofboninites and decites from northern ChichiTjima.QuartzTbearing boninite

Chilledrimsofdikes,eaStOfKiyose(Figs・lband2)・ Dikel.B:right−tOprim.C‥rightrim.D‥leftrim.

E:rightrim・Unpublished XRF datum bySAKAMOTO.Z:Chilled rim oftheinside. Dike2.A:1eft rim.

QuartzTbearinghigh−MgOdacitesoftheinsideofDikel・F:60cIyinsidefrorpD・G:70cminsidefromE・

Unpublished XRF datum by SAKAMCyIY).T Quartz−bearing boninlte Chilled rlm Of dike,SOuthwest of Tsuri_

hama・MbBoninitechilledrimoftheMiyano−hamamultipledike(Fig.3).MdDacitechilledrimofthesame multipledike・MqdQuartz dacitelava,SOuthofMiyano−hama.These4analyses were cited from KURODA et

al.(1984).n.d.:nOt determined.

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(4)

おびた淡褐色核と自形縁から成る逆累帯斜方輝石,自 形縁をもったり,欠いたりする丸みをおびたふるい状 斜方輝石が見られる.石英はモードで3%まで含まれる.

これらの石英と斜方輝石は,部分溶融・吸収・反応の非 平衡組織を示すから,外来結晶と見るのが妥当である

(黒田ほか,1984).

岩脈1の急冷縁とその支脈,岩脈2の,丸み・湾入・

ガラス包有物を伴う石英を含む急冷縁は,岩石記載の うえでよく似ている.しかし岩脈2の急冷縁では,ま れに単斜輝石(Wo42En49Fs9)の徴斑晶が見られる.

また,岩脈1の急冷縁で目立った石基の不均質は,そ れほどはっきりしない.

岩脈1の内部岩石

緑褐色をおびる内部岩石は多孔質で,風化変質して いて,いくらか軟らかい.急冷縁から内部の中心に向 かうほど,結晶の量は増す.

0

SO P

カンラン石斑晶(長さ0.6mm)は,褐色変質物で完 全に交代され,斜方輝石で縁取られる.斜方輝石斑晶

(長さ0.6mm)は石基斜方輝石とともに,ほとんど変質 している.単斜輝石(Wo35En51Fs14)は,微斑晶と してまれに産し,斜方輝石と連晶する.

石基は単斜・斜方輝石,短冊状斜長石,鉄鉱,ガラス から成る.単斜輝石は新鮮なままで残っている.斜長 石は,骸晶としても見られ,十字または放射状構造を 示す.斜長石はまた,石英や鉄鉱とともに球粒状集合 物をつくる.ガラスは褐色変質物で完全に交代されて いる.

加えて,丸みと湾入をもち,ガラスを包有する石英

(径0.9mm)や鉄に富むピジョン輝石核(Wo5En38Fs57)

と普通輝石縁(Wo40En42Fs18)から成る連累帯石基 単斜輝石が見られる.急冷縁の場合と同様に,その組 織から,両鉱物は外来結晶と見られる.

70

SiO2

80 %

A,B,C,D,E, ▲:Af203 ●:tota==eO J:MgO +:CaO X:Na20+K20 F,G     △:A1203         口:MgO

T A:AJ203 (}:totalfeO [コ:MgO ◆:CaO ⇔:Na20・K20 Mb,Md   ▲:AJ203      ■:MgO

Mqd    ▲:Al203         ■:MgO

図4 父島の無人岩系火山岩の酸化物一SiO2変化乳 MgOとA1203については,KURODA(1989)の図1中の曲線を多少改変し た.記号は表1に同じ.

Fig.4 0Ⅹides−SiO2relationshipfortheboniniteseriesofvoIcanicrocksfromChichi−jima・The curvesofMgO

and A1203inFig,lofKURODA(1989)havebeensomewhatimproved・ThesymboIs(e・g・,Mqd)arethesame as Tablel.

(5)

全岩化学組成

清瀬岩脈1・2の急冷縁6つと岩脈1の内部岩石2つ,

ほかに清瀬近傍,釣浜南西の石英含有無人岩岩脈の急 冷縁1つ,宮の浜重複岩脈の急冷縁2つ及び宮の浜南 の石英デイサイト溶岩1つの分析倍を表1に示す.清 瀬岩脈1・2の6つの急冷縁試料は,約3モード%包有 される石英外来結晶と,孔隙を時どき埋めるフツ石や 変質物を見分けられるかぎり除いて分析された.

岩脈1・2の急冷縁の化学組成は,無水でおよそSiO2 63−64%,MgO7−8%,A120312−13%,全Fe2038%,

CaO6−7%,全アルカリ1.8−2.8%である.これらの成分 はほぼ一定している.TiO2,MnO,P205は少ない.

H20+は4−5%で,主に石基ガラスに含まれる.H20−は 約≦1%で少ない.

岩脈1・2の急冷縁と釣浜南西の石英含有無人岩岩脈 の急冷縁Tの化学組成は全体としてよく似ている.Tは ややMgOに乏しく,Si02に富む.岩脈1の内部岩石は 急冷縁に比べて,たとえばSi02とA1203に富み,MgO と全Fe203に乏しい.内部岩石の高Fe203・H20−は,風化 変質に由来する.

成  因

清瀬岩脈,全岩の酸化物−SiO2関係

父島の無人岩系火山岩の酸化物一SiO2変化図で(図 4),清瀬岩脈の急冷縁(A〜E)の酸化物はそれぞれ,

狭い範囲に収まっていて,均質に見える.しかし,無 人岩系火山岩の結晶分別作用による平均的な変化曲線 から,はずれている.そのはずれはMgOとA1203で著

しい.急冷縁の各酸化物が占める領域は,釣浜南西の 石英含有無人岩岩脈の急冷縁Tの位置に近接している.

この釣浜の岩脈は,無人岩質と石英デイサイト質のマ グマの混合で生じた,と見なされている(黒田ほか,

1984).したがって清瀬岩脈も同様に,2つのマグマの 混合に由来する,と予測される.

石英外来結晶を包有する清瀬岩脈の急冷縁は,無水 でSiO2 63−64%とMgO>7%を示すから(表1),石英 含有無人岩である.岩脈1の,石英外来結晶を包有す る内部岩石(F・G)は急冷縁(D・E)より低MgO,高SiO2・

A1203である(図4).SiO2含有量の割りには,MgO含 有量がかなり高い.内部岩石は,急冷縁の石英含有無 人岩からMgOに富む斜方輝石の分別結晶作用で生成し た分化物,石英含有高MgOデイサイトである.

清瀬岩脈.急冷縁石基ガラスのMgO−SiO2関係

岩石記載で述べた,輝石微晶に乏しい部分のガラス と,富む部分のガラスがマイクロプローブで分析され た(渡連,1999MS).そのガラスの酸化物−SiO2関係 は図5と付図1のとおりである.岩脈1では,点のば らつきが著しいアルカリーSiO2関係を除いて,変化の傾 向をたどることができる.岩脈2では,どの関係でも 変化は見られない.

岩脈1のMgO−SiO2関係では(図5a),点は負の相 関を示して散在する.輝石微晶に乏しい部分のガラス はより高MgO・低Si02で,輝石微晶に富む部分のガラ スはより低MgO・高Si02である.このガラスの不均質 は,輝石微晶の晶出の程度に調和した,残液の連続的 な組成変化を示すように見える(付図1の,低SiO2側 での全FeOの挙動も調和している).父島産無人岩の石

5      3

3

64    66    68    70    72 siO2(Mt)74

図5 清瀬岩脈1(a)と2(b)の急冷縁石基ガラスのMgO−SiO2 関係. ◆:輝石微晶に乏しい部分 ×:輝石微晶に富む 部分

Fig.5 MgO−SiO2relationship for the matrix glasses,

analysed by electron probe,in chilled rims of Dike l(a)and Dike2(b),eaSt Of Kiyose. ◆:pyrOXene

microlite−POOr pOrtion.×:PyrOXene microlite−rich portion.

基ガラスでも,>70%のSi02を含むものがある(黒田 ほか,1992).

一方,岩脈1の支脈で,小さな岩脈2では,組織の 相違がそれほどはっきりしない両部分のガラス間の組 成差はほとんどない(図5b).岩脈2急冷縁の残液は,

化学組成が均質で,岩脈1急冷縁の残液の,かなり高 MgOで低Si02の狭い領域に収まる.岩脈2の急冷縁は 清瀬岩脈を形成した混合マグマを代表する(図4のA),

と考えてよいかもしれない.

MgO−SiO2関係から見た,清瀬岩脈と宮の浜重複岩脈の 急冷繰

言の浜重複岩脈の無人岩とデイサイトの急冷縁(表 1と図4のMbとMd)の石基ガラスの,マイクロプロー ブ分析による酸化物−SiO2関係は図6と付図2のとお りである(渡連,1999MS).2つのガラスの化学組成の 相違は一目瞭然である.すなわち無人岩急冷縁のガラ スは高MgO・低Si02を,デイサイト急冷縁のガラスは 低MgO・高Si02を示す.

ここで,図6に図5bを重ねると,清瀬岩脈2の急冷 縁の均質なガラスは,2つのガラスの間に入る(しか し,付図2によると全FeOとCaOは,いく分はずれる).

3つのガラスはほぼ直線関係にあるから,岩脈2の急冷 縁ガラスは,両端にあるガラスの混合物のように見え る.

次に,図5a・5b・6を重ねる.清瀬岩脈1の急冷縁 ガラスの一部は,岩脈2の均質な急冷縁ガラスより高 MgO・低Si02を示す.そして岩脈1のこの高MgOガラ スは,宮の浜重複岩脈の無人岩急冷縁Mbのガラスにほ

(6)

3.5

3

2.5

■!

5 2

1,5

1

0.5

64    郎    68    70    72 siO2(W班)74

図6 宮の浜重複岩脈の無人岩とデイサイトの急冷縁(Mb,Md)

石基ガラスのMgO−SiO2関係.◆:無人岩 ×.:デイサイト Fig.6 MgO−SiO2relationship for the matrix glasses,

analysed by electron probe,in chilled rims of boninite(Mb)anddacite(Md)ofthe Miyano−hama multiple dike(Fig.3and4,Tablel). ◆:boninite.

×:dacite.

ぼ調和している.Mbは清瀬岩脈の形成に寄与してい る,と見てよさそうである.しかし,図4のMgO−SiO2 関係で,清瀬岩脈の急冷線(A〜E)は,宮の浜重複岩 脈の急冷縁MbとMdを結んだ線から,大きくはずれる

(これはA1203−SiO2関係でも同様である).そのうえMd は石英の結晶を含まない.Mdは清瀬岩脈の形成に関わっ ていない,と言える.

同じMgO−SiO2関係で,Mbも変化曲線から,はずれ ている.無人岩Mbは,化学組成が相違する無人岩質マ グマどうしの混合物,と考えられる.UMINO(1986)

は父島産の無人岩について,無人岩質の,分化したマ グマと未分化マグマの,同じマグマ溜りでの混合に注

目している.

マグマの混合

清瀬岩脈の形成に関わったように見える,宮の浜重 複岩脈の無人岩質のマグマと混合したもう1つのマグ マは,どんなものなのだろうか?図4のMgO−SiO2関 係で,宮の浜の無人岩Mbと清瀬岩脈急冷縁を直線で結 んで延長する.線は73%を越えるSi02の辺りで,MgO の変化曲線と交わる(これはA1203−SiO2関係でも変わら ない).交点は,無人岩Mbと混合した高SiO2デイサイ

ト と予測される.この高SiO2デイサイトは,石英と鉄 ピジョン輝石の斑晶を含む,宮の浜南の石英デイサイ ト溶岩Mqd(表1)に化学組成のうえでよく似ている.

したがって清瀬東の石英含有無人岩質岩腺は,宮の 浜重複岩脈の無人岩Mbに似たマグマと宮の浜南の石英 デイサイト溶岩Mqdを生成したようなマグマの混合で 形成された,と考えられる.無人岩質と石英デイサイ

ト質マグマの混合の割合は,精ぜい4対1と見積もら れる(図4).

宮の浜重複岩脈は(図3),BLAKE&IvEY(1986)

が説いたような成層マグマ溜りの存在につながる.マ グマ溜りは,デイサイト質マグマが上位に,無人岩質 マグマが下位にあって成層していた.中心部の無人岩 と外側のデイサイトから成る重複岩脈はおそらく,2つ のマグマがたがいに混合しない上昇速度で形成された.

一方,清瀬岩脈の場合,鉄に富んだピジョン輝石を 含む石英デイサイト質マグマと無人岩質マグマが上下 に成層するマグマ溜りが存在していた.やがて2つの マグマは急速に混合し,上昇して,岩脈を形成した.

岩脈1の露頭で見られるガラス質殻をもつ枕状塊は,

かなりの温度差をもつ2つのマグマがマグマ溜りの上 部で混合したことを示す,と考えられる.輝石温度計 による見積もりでは,父島でのマグマの温度は無人岩 で>1200℃,デイサイトで1050℃,石英デイサイトで 900℃である(KURODA et al.,1988).EI Capitanの North America Wallでは,玄武岩質の枕が珪長質岩 石の中に存在する(REID eとαZ.,1983).

ところで,父島産のデイサイトと石英デイサイトは 常に,斜長石の斑晶を含む.宮の浜南の石英デイサイ トMqdの,斜長石斑晶(長さ>0.6mm)の量は約4モード

%である(全斑晶量約7.7モード%)(黒田ほか,1984).

しかし,Mqdに似たマグマが混合したはずの清瀬岩脈 の急冷縁では,斜長石は包有されていない.清瀬岩脈 の場合,混合したと見られる無人岩質と石英デイサイ

ト質のマグマはどちらも,含水量に富む(表1のMbと Mqd).さらに前者は,後者より高温で,多量である.

両者が混合したとき,少量の石英デイサイト質マグマ は多量の無人岩質マグマによってあたためられて,斜 長石は溶融したもの,と考えられる.VENEZKY&

RUTHERFORD(1997)も,含水量に変化がなければ,

高温マグマと低温マグマの混合で同様のことが起こる,

と述べている.

引用文献

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 ̄ ̄ ̄ ̄▲ ̄▲▲ ̄D  ▲▲ ̄ ⊂〉 ̄ ̄〜▲▲ ̄〉▲〉  ̄ )、一一一いノ 、ノ▲  V▲ ̄、/ ハノ▲▲V▲、■●▲  、′▲、ノ▲▲ し「レ ▲1、ノ

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±β 0

4320    91

J

蔓 曳 貰 − _

X X x X

X X

X X

×

X  X X

X

耳 瞥  ̄り‥ ̄ X

X X

X X

64    66    68    70    72    74

SiO2(W鴎)

ON Z

64    66    68    70    72    74 SiO2(wt%)

(8)

′′

0 0

■◆43201

0

AV

64    66    68    70    72    74 SiO2(W拐)

64    66    68    70    72    74 SiO2(wtも)

付図1清瀬岩脈1(a)と2(b)の急冷縁石基ガラスの酸化物−SiO2関係(図5参照).

◆:輝石微晶に乏しい部分  ×:輝石微晶に富む部分

Appendix fig・10Xides−SiO2relationship for the matrix glasses,analysed by electron probe,in chilled rims ofDikel(a)and Dike2(b),eaSt OfKiyose(See fig.5).

◆:pyrOXene microlite−pOOrpOrtion.×:pyrOXene microlite−rich portion.

(9)

1817

O 0 1

43

64    66    68    70    72    74 SiO2(W蛸)

25

Z

0

84    66    88    70    72    74

SiO2(W鴎)

付図2 宮の浜重複岩脈の無人岩とデイサイトの急冷縁(Mb,Md)石基ガラスの酸化物−SiO2関係(図6参照).

◆:無人岩  ×:デイサイト

Appendix fig.2 0Ⅹides−SiO2relationship for the matrix glasses,analysed by electron probe,in chilled

rims of boninite and dacite ofthe Miyano−hama multiple dike(See fig.6).

◆:boninite.×:dacite.

参照

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