最 大エネル ギ解放率 クライテ リオ ンを用 いた界 面き裂 の進展 特性
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(2) (3). こ こ で,K1+iK2は. 界 面 き裂 の複 素 応 力 拡 大 係 数,Lは. 振 動 項 を 無 次 元 化 す るた め の基 準 長 さで,き 裂 全 長 を と る も の とす る.式(3)か. ら応 力 は 三 角 関数 に 艇 協)が 含 ま. れ て い る こ とか ら振 動 特 異 性 を 有 し,き 裂 先 端 の極 近傍 で 振 動 しつ つ,r‑1/2の ,一方,界. 相 対 変位 δX,δyと. 図‑1界. 特 異 性 を 呈 す る こ とが わ か る.. 面 き裂 先 端 近 傍 の 変位 分 布 は,き 裂 上 下 面 の して,次 式 で 与 え られ る.. (4). 面 き裂 先端の座標 系. 界面方 向か ら大 き く異な って折れ 曲がる場 合,き 裂 両面 の変位 のオーバー ラップ が生 じるた め,こ のオーバ ー ラ. こ こで,X1,. ップが生 じない よ うな非接触 条件 を考慮 した解析 を行 っ た.ま た,き 裂先端 部 には特異要素 を用 い,よ り精度 の. で 平 面 応 力 と平 面 ひ ず み で 異 な る.こ の よ うに,変 位 分 布 に も,(r/L)iε. 良い解析 を行 った.. 位 も正 負 の振 動 が 生 じ,き 裂 面 が オ ー バ ー ラ ップ す る物. X2は ボ ア ソン 比v1,. v2に 関 連 した係 数. の振 動 項 が含 ま れ て い るた め,相 対 変. 理 的 に不 合 理 な 現 象 を 呈 す る.し か しなが ら,応 力 な い 2.. し変 位 が 著 し く振 動 す る振 動 域 は き 裂 先 端 の極 近 傍 に 限 界 面 き裂 の 線 形 破 壊 力 学 パ ラ メ ー タ. られ,ま. た 実 際 現 象 は塑 性変 形 が 生 じる こ と を考 慮 す れ. ば,き 裂 先 端 近 傍 の応 力 場,変 位 場 を規 定 す るパ ラ メ ー 2.1. 応 力拡 大 係 数. タ と して式(3),(4)で 定 義 され る応 力 拡 大 係 数 が 有 効 と考. 二 つ の 弾 性係 数 の 異 な る線 形 等 方 弾 性材 料 が接 合 され た 直 線 界 面 上 の き 裂 を考 え る.図 一1に,そ れ ぞれ の 材 料 を1,2と. し,そ の ヤ ン グ係 数,せ ん 断 弾 性係 数. ン 比 を そ れ ぞ れE1, 小 変 形2次. E2,. え られ る.ま た,界 面 き裂 の応 力 拡 大係 数 は他 に もRice とSih3)が提 案 した 式(5),. ボア ソ. (5). μ1, μ2, γ1, v2で 示 す.微. 元 等 方 弾 性論 に 基 づ き,こ の 界 面 き裂 先 端 近. 傍 の応 力 場 に着 目 して,漸 近 展 開す る と,き 裂 先 端 近 傍. Sun4)が 提 案 し た 式(6). の応 力 σijは,き 裂 先 端 か らの 距 離rの 関 数 と して,次 式 で表 す こ とが で き る.. (6) (1). な どがあ る.し か しなが ら,図‑1の よ うな直線 界面 に対. の 指 数 λを 求. し,垂 直に荷重 を与 えた最 も簡 単 な場 合で も,界 面 き裂. め る方 程 式 を 解 く と,一 般 に 次 式 の根 が 得 られ る こ とが,. 先端近 傍で は,両 側 の物質 定数 が異 な るた め第I,第II の混合 モー ド状態 とな り,応 力や相 対変位 が振 動す る不. き 裂 面 上 の表 面 応 力 自由 条 件 を課 して,こ. Williamsに よ り明 らか に され た2).. 合 理 な現 象 に加 え,不 安 定破 壊進 展 が 生 じる条 件 も, KIC,KIIC両 方 を用いた複雑 な混合 モー ド破壊 クライ テ (2) こ こ で,. εは 二 つ の 材 料 の 組 み 合 わせ に よ り決 ま る材. 料 定 数 で あ る.式(1),. (2)か らき 裂 先 端 近 傍 の応 力 場 は,. リオ ンを必要 とす る.破 壊進 展方 向 も,例 えば,し ば し ば用い られ る最 大周応力説 を用い よ うとして も,き 裂先 端 近傍 の応力 が振 動特異 性を持 ってい るため使 用不 可能 であ る.一 方,後 述す る よ うに界 面 き裂 の場 合,エ ネル. λ=‑1/2±iεの 特 異 性 を有 す る こ とが わ か る.こ の特 異 性. ギ解 放率Gは,応. を有 す る第 一 項 の み に着 目 し,θ=0°. 混合 モー ドの場 合で も不 安定破壊進 展条件 と して,そ の. の 界 面 上 の応 力 分. 破壊 靭 性値Gcの. 布 を記 す と,次 式 で 与 え られ る.. ― 20―. 力や変位 の よ うな振 動特 性を持 たず, み が決 まれ ば よく,破 壊進 展方 向はそ.
(3) の最大方 向 となる とす る,い わ ゆるエネ ルギ解放率 ク ラ イテ リオンが非常 に有用 と考 え られ る.し か しなが ら, このエネル ギ解放 率 クライ テ リオ ンが非 常に有用 であ る とわかっていて も,界 面上 にあ るき裂 の任 意方 向のき裂 進展瞬 間時のエネル ギ解放 率 を求 める ことは,理 論 的に は もちろんの事,数 値 解析 的に も既存 の手法で精度 良 く 求 めるこ とは不可能 で あった.そ こで次節 におい て,界 面上 にあ るき裂 の任 意方 向の き裂進展 瞬間時のエネル ギ. 図‑2エ. ネル ギ解放率 を用 い る際の注意. 解 放率 を求 める方 法 に関 して詳述 す る. 2.2. (10). エ ネ ル ギ解 放 率. 図‑1の よ うな微小変形 論 による2次 元線 形等方 弾 性体 直線界 面き裂 につ いて応力 拡大係 数 とエネル ギ解放 率G との関係 を導 くと,き 裂 が接 合界面 を進 展す る際 のエネ ル ギ解放 率Gは,式(3)の 界 面 き裂 の応 力拡大係数 と次式 の 関係 が成 立す る.. ここで,応力 は き裂進展 前の応力 であ り,相対 変位 はΔl の き裂折れ 曲が り時 の値 で あ る. また,Δlの き裂折 れ曲が り時の全物 体内ひず みエネ ル ギUzと き裂進 展前 の全物 体 内ひずみエ ネル ギUを 考 え るこ とに よ り,次 式 の よ うな公 式 も可能で あ る6).. (11) ただ し,上 式 は,境 界 で与 え られた表 面力が一定 の場 合 のみ有効 である.こ の方 法 は 「 全 エネル ギ法」 と呼 ばれ. (7) した が っ て,こ. のGは. 振 動 性 を有 せ ず, K1×K2の. な ク ロ ス項 も生 じな い こ とに 注 意 す る必 要 が あ る.. よう Jは. てい る. しか しこれ らの公 式 によ り,エ ネ ル ギ解放 率 を求 めよ うとす る場合,界面き裂 近傍の応力や変位を正確に求める必要. Riceの 積 分 で,次 式 の よ うな 片側 き裂 先 端 の み を含 む 限. があ り,数1直 解析的に精度の良い解を求めることは非常に困難. り任 意 な経 路 ∂に 沿 った 線 積 分 と して 与 え られ る.. になる.ま た,式(11)は経路積分でな く,面積 分を必要 とし面 倒である.門 方,き 裂が任意方向に準静的に進展 している瞬間. こ こで,Wは. (8). 時のエネルキ解 放率を,き 裂の一端を囲む基準形に固定された. 次 式 で 定 義 され るひ ず み エ ネ ル ギ密 度 で. 正則な閉領 或A内 のエネルキ変 化量の不釣合い量 として,次式 のように定義 する.. あ り,. (12). (9) Γは き裂先端 を含 む 閉領域 の境界 で ある.上 式 は次式 の tは表 面カベ ク トル で ある.. よ うに変形 され. J積 分 は,界 面 き裂 の場 合におい て も,そ の値 がエネ ル ギ解 放率 を求 め よ うとす る片側 き裂先端 のみ を含 む限. (13). り積 分経路 ∂の採 り方 に依存 しない経 路独立積分 となっ てお り,他 の き裂先 端 を含 ま ない 限 り,き 裂先端 か ら離. この式 を共役型E積 分公 式 力と言 う. E積 分 は積分 経路. れ た応 力場 か らエネ ル ギ解放 率 の値 が求ま る.こ こで,. 上 の表 面力ベ ク トルsお よび変位ベ ク トルuの み で評価. 式(8)のJ積 分 の値 は図‑1の 場 合,き 裂 が直線 界面上 に沿 って進展す る瞬 間時のエネ ル ギ解放 率 を与 えるだけであ. はJ積 分 と異 な り,任 意 方向折れ 曲が り瞬間時 のエネル. り, J積 分 では,任 意 方 向折 れ曲が り瞬間時 のエ ネル ギ. ギ解 放率 を与 え,そ の経 路内 にエネル ギ解 放率 を求 め よ. され るので有 限要素法 に よる解析 上有利 で ある. E積 分. 解 放率 を得 るこ とはで きない こ とに注意 したい.き 裂 折. うとす る片側 き裂先端 のみで な く,他 のき裂先端や他 の. れ 曲が り瞬 間時 のエネル ギ解 放率 の公 式 はい くつ か紹介. 介在 物な どを含 んでい て も,経 路独立 な積 分 であ る.. されてい る.エ ネル ギ解放 率 は基本 的 には,き 裂 分離 エ ネ ルギで あ るとい う物理 的理 由か ら,次 式で折れ 曲が り. そ こで本研 究におい ては,式(13)のE積 分 法 力によ り エネル ギ解放率 を求 め,ク ライ テ リオ ン として最大エネ. 瞬 間時のエ ネル ギ解 放率 を正 しく評価 で きる5).. ル ギ解放 率 クライテ リオ ン5),6),8)を 用 いて界 面き裂 にお ける進 展特 性を検 討す る.こ こで注意す る ことは,線 形 弾 性体 の場 合はエネル ギ解 放率 は き裂先端 の応力特異 性. ― 21―.
(4) 図‑3解. 析 モデ ル. の オ ー ダ ー が‑1/2の とき の み0で の で,図‑2の. な い有 限 な解 を持 つ も. よ うに,き 裂 面 が 界 面 上 で な く一 つ の材 料. 間 に あ り,そ の き 裂 先 端 の み が 界 面 上 に あ る場 合 は,他 の 物 質 内 に 進 展 す る瞬 間 時 の エ ネ ル ギ解 放 率 の値 は0あ るい は∞ の 値 に な り,き 裂 の 進 展 特 性 を 議 論 す る パ ラ メ ー タ と して そ の ま ま で は 扱 え な くな る .. 3.. 界 面 き 裂 に 対 す るE積. 分 法 を用 い た エ ネ ル ギ. 図‑4有. 限要素分 割 と積 分経路. (上図は下 図の 中央部 分 の拡 大) 解放 率の算 出. 3.2 3.1. 解析モデル. 解析 手 法. 式(13)を数値 解析 して 計算す る場 合,き 裂長 さlの モ. 解 析 した モ デ ル は 図‑3に. 示 す よ うな 無 限遠 一 方 向 に. 引 張応 力 σ0を 受 け る材 料 界 面 上 に長 さ24の. き裂 を有 す. デル(以 下,基 本モデル と呼ぶ)と,き 裂 が微 小長 さΔl 伸び たモデル(以 下,き 裂進展 モデル と呼ぶ)の2つ. の. る2種 類 の 線 形 等 方 弾 性 体 か らな る モ デ ル で あ る.式(13). モデル の解 析 を行 い,き 裂長 さに よ る偏微 分項 は2点 差. のE積. 分近似 す るこ とに よ り,ま た経 路積分 は表面力 と変位 を. 分 公 式 に よ り,き 裂 右 側 先 端 が 直 進 ま た は 折 れ 曲. が り瞬 間 時 の エ ネ ル ギ解 放 率 を 求 め る.エ ネ ル ギ解 放 率 に影 響 を与 え るパ ラ メ ー タ と して は 弾 性係 数E1, E2の 他 に き 裂 長 さ2l,無. 限遠 応 力 の 大 き さ σ0お よび そ の荷 重. それ ぞれ 離散化 した等 価節 点表 面力5,と 節 点変位uiを 用 い,積分 経路上 の全節 点で和 を とるこ とに よ り求めた. す なわ ち次式 を解 析 に用いた.. 角 度 θL (Loading angle)き 裂 折 れ 曲 が り角 θK (Kinking angle)で あ る 魁 こ こで 荷 重 角 度 θL及 び き裂 折 れ 曲 が り 角 θKは と もに 反 時 計 回 りを正 と して い る.も. しE1=E2. で あ る均 一 物 体 の 場 合 で,荷. 重 角 度 お よび き裂 の 折 れ 曲. が り角 が零 の 場 合(θL=0,. θK=0)は よ く知 られ た 応 力. 拡 大 係 数 の 厳 密 解(KI=σ0(πl)1/2)に ギ解 放 率 の 厳 密 解(G=KI2/E)が. (14). よ り容 易 に エ ネ ル 求 め られ る.ま た,. こ こでnは 積分経 路上 の節 点数 で あ り,(の お よび(l. 均 一 物 体 の 場 合 の 荷 重 角 度 θLお よび き裂 の 折 れ 曲 が り. +溜)は それぞれ基本 モデル,き 裂 進展モ デル の物 理量. 角 θKを 考 慮 した エ ネ ル ギ解 放 率 はWu6)やHayashi. で ある ことを示 してい る,. and. Nasser10)によ り,半 理 論 的 に得 られ て い る.. 無 限板 を近似 した有限要 素モデル は 中央 き裂長 さ2l に対 して一辺 が20倍 の寸法 の正方形 と してい る.有 限. ― 22―.
(5) 図‑5. き 裂 先 端 折 れ 曲 が り方 向 メ ッシ ュ図. 図‑7. 均 一材 の場 合の正規化 エネル ギ解放 率 と き裂折れ 曲が り角度 の 関係. オーバ ー ラ ップが生 じない よ うな非接 触条件 を考慮 した 解析 を行 った. 解析 に あた っては,ま ず,引 張荷 重下で の等 方線 形弾 性体 内にお けるき裂進 展 に関す るエネル ギ解放 率 につ い て解 析手法の有効性 を検討 し,次 に,界 面 き裂 にお ける 進展 特性 を考察す る.. 4.結. 果 と考 察. 4.1等. 方線 形 弾 性体 に及 ぼす 引張 荷重 角 度 の影 響. ま ず,均. 一 な 等 方 線 形 弾 性 体(E1/E2=1)が. モ ー ド1. (θL=0)の 載 荷 を受 け,き 裂 が 直 進 す る場 合(θk=0)の 解 析 を 行 った 後,引 張 荷 重 の荷 重 角 度 θLが0.1π,02π,. 図‑6. 03π,04π,0.5π. 載 荷状態. 方 向(θKを‑0.9π 要 素 モ デ ル は,き. た 図 で あ る.2つ. す よ うに一 軸 一様 斜 向 引 張 荷 重 を,多 軸 混 合 一 様 分 布 荷 重 と してモ デ ル 境 界 に 与 え る こ とで 実 現 して い る.以 後,. 上 の 図 は 下 の 図 の 中央 部 分 を 拡 大 し. 正 規 化 に用 い た エ ネ ル ギ解 放 率Gは 均 一 物 体 の 場 合 の モ ー ドIの 載 荷 状 態 の厳 密 解 で あ る.ま た,図‑4に 示 した. の 解 析 モ デ ル の うち き裂 が進 展 す る前. の基 本 モ デ ル に つ い て は節 点 数 が920,要. 素 数 が332で. よ うに7つ の積 分 経 路 に よ り解 析 を行 っ た 結 果,経. あ り,き 裂 進 展 モ デ ル に つ い て は,要 素 数 は 同 じで,節 点 数 は922で. あ る.積 分 経 路 は7本(図‑4参. き裂 の 折 れ 曲 が り角 は19方 は,式(11)の. よ る値 に は ほ とん ど違 い は 無 く,E積. け,. こで は,種. Wuに. 行 錯 誤 的 に決 め る. 使 用 した.ま. た,界. 面 に 沿 うき 裂 が,界. 解 析 結 果 を用 い る.こ の 図. よ り,最 大 エ ネ ル ギ解 放 率 ク ライ テ リオ ン に従 うな らば,. 値 計 算 を試 み 理 論 解 の あ る場 合 で最 も精 度 の 良 か った △ 4‑0.0784を. 側 に行 くほ ど. よ る解 との 違 い が少 な くな る こ とか ら,以 後 モ デ. ル 境 界 上 の経 路(PATH7)の. 々 の 長 さの △4に 関 し,数. 路に. 分 の経路独 立性が. 立 証 で き た.し か し,若 干 で は あ るが,外. 向(図‑5参 照)を 考 え た.△ 乏. 全 エ ネ ル ギ 法 同様 に,試. 必 要 が あ るが,こ. 照)設. 異 要 素 及 び 非 接 触 条 件 の効 果 を. 検 討 した.そ の結 果 を 図‑7に 示 す.載 荷 状 態 は 図‑6に 示. 点三角形 アイ ソ. パ ラ メ トリ ック ス 要 素 を 用 い て い る.そ の 概 要 を 図‑4に 示 す.ま た,図‑4の. き裂 折 れ 曲 が り. か ら0.9π ま で,0.1π 刻 み で 与 え て. い る)の 解 析 を行 い,特. 裂 先 端 近 傍 に特 異 要 素 を,き 裂 先 端 か. ら離 れ た 部 分 は8節 点 四角 形 お よび6節. の 場 合の 解 析 を19の. 荷 重 角 度 θLが0の. 面. 展)し,荷. 方 向 か ら大 き く異 な っ て 折 れ 曲 が る場 合,折 れ 曲 が り部. 時,き 裂 は 直 進(き 裂 面 の方 向 に 進. 重 角 度 が正 の 方 向 に傾 くほ ど,き 裂 進 展 も正. の 方 向 に折 れ 曲 が っ て進 展 す る(図‑3参. 分 に お い て,変 位 の オ ー バ ー ラ ップ が 生 じ るた め,こ の. 照)と 考 え られ. る.当 然 の こ とな が ら,荷 重 角 度0.5π で は エ ネ ル ギ解 放. ―23―.
(6) 図‑8. き 裂 両 面 の 変 位 の オ ー バ ー ラ ップ. 率 は0に な った.ま た今 回の解 析では,特 異要素 を考慮 してい るが,特 異要素 を考 えて いない解 析9)と 比較す る と最 大エネル ギ解 放率 を示 す付近 では大 きな改善が得 ら れ なかった.こ の こ とは,E積. 分 の経路 をき裂 先端か ら. 十分離 れて とれ ば,き裂先端近傍 の解の精度 の違い には, E積 分 の値 にほ とん ど影響 しない こ とを示 す.一 方, Wuの. 解 析結果 で は,エ ネル ギ解 放率 の値 が‑π<θK<π. の全 ての折れ 曲が り角 に対 して0で ない のに対 して本研. (a). θL=‑0.1π. 〜‑0.4π. 究 の非接 触 性を考慮 した場 合で は値 が0に なる領 域が あ るこ とがわか る.これ は,Wuの 解 肝では き裂 面のオーバ ー ラ ップ を考慮 に入れ てい ない のに対 し,今 回の解 析 で は非接 触 性を考慮 した こ とによ り,よ り厳密 な解 析 にな ってい るとい え る.こ こで注意 したいの は,界 面 き裂 の 場 合,前 述 のよ うに応力や 相対変位 の振動特 性(す な わ ち,き裂面 のオーバー ラ ップ)が生 じるこ とを述 べたが, これ らの振動特 性は,き 裂 先端 の極 近傍 にお いてのみ理 論上存在 す る もので あって,図‑4程 度 の分割 に よる有限 要素解析 で は,そ れ らの振 動現象 はみ られ ない.本 論文 で,非 接 触条件 を考慮 したの は,上 記 の ミク ロな振動特 性 を考慮 す るためで はな く,き 裂 の折れ 曲が り角 度が大 き くな る場合 に生 じる非 現実的 なマ クロな変位(図‑8参 照)の オーバ ー ラ ップを避 ける 目的に ある.仮 に き裂先 端近傍 の要素 を非常 に小 さ くとって,上 記 の振動 特 性が. (b). 図‑9. 生 じ得 た と して も,前 述 した よ うに,そ の結果 も物理的. θL=0π. 〜0.5π. 界面 き裂材 にお け る解析結 果. に不合 理 なもの となって しま う. き裂 進 展 の 煩 雑 性 を避 け る た め 前 述 の3つ. 4.2. の破 壊 靭 性値. が 全 て 等 しい と して 議 論 す る.等 方 線 形 弾 性 体 で 異 な る. 界 面 き裂 に 及 ぼ す 引張 荷 重 角 度 の影 響. 弾 性係 数(El/E2=10:前. 界面 き裂 の進 展 を議論 す る場 合,最 大エ ネルギ解放率. 記 の解 析 にお い てE2を1/10倍. クライテ リオ ンを用 い る と,厳 密 には2つ の材 料の破壊. に した)を もつ 材 料 に対 して,引 張 荷 重 角 度 θLが0,0.1. 靭 性値 と界面 の破 壊靭 性値,す なわ ち3つ の破 壊靭性値. π,0.2π,03π,04π,0.5π. が必要 となる.こ れ らの破 壊靭性値 の評価 は2つ の材料. 折 れ 曲 が り方 向(θKを‑0.9π. の場 合,目 安 と してはJ積 分 に よる評価11)で求 め られ る. み で 与 えて い る)の 解 析 を行 い,図‑9(a),(b)に. が,界面 が弱面 にな って界 面の破壊靭性 値が必 要な場合,. た.こ. き裂長 さの異な る界 面材 の3点 曲げ試験 等でエネル ギ解. 示 して お り,横 軸 は き裂 の 折 れ 曲 が り角 度 θKを 示 して. 放 率 の破壊靭 性値 を求 める必要が 出て くる12),13).ま た均 一材 にお いて もき裂の進展 条件 に用 い る破 壊靭性値 を評. い る.解 析 モデ ル 中 の 下 半分 の 要 素 で は弾 性係 数 が1/10. 価す る場合,こ の よ うなき裂長 さの異な る2つ の供試 体 に よ り評価 され るエネル ギ解 放率 の破壊 靭 性値Gcの 評. す く,全 体 的 に 大 き なエ ネ ル ギ解 放 率 を与 え る.図‑9(b). 価が必要 に なって くる.こ こで,高 張力鋼や フ ァイ ンセ. モ ー ド1で あ るが,き 裂 は 直進 せ ず,θK<0す. ラ ミックスの よ うに弾 性係 数が大 きい,す なわち変形 し. 性 係 数 の 小 さい ほ うへ 進 展 して い く挙 動 を もつ 混 合 モ ー. に くい材料 で あって も,Gcが 小 さい,す なわちき裂の不. ドと な っ て い る.荷 重 角 度 が0.5π の 時 は,均 一 材 に お い. の 場 合 の解 析 を19の. き裂. か ら0.9π ま で,0.1π 刻 ま とめ. こで も縦 軸 は 前 述 の 正 規 化 した エ ネ ル ギ 解 放 率 を. に な っ て い るた め,前 節 の 均 一 材 よ りモ デ ル は変 形 しや の θL‑0の グ ラ フ よ り荷 重 角 度 θLが0の. て はエ ネ ル ギ解 放 率 が0で. 安定進展 に対 して弱い材料 が数 多 く存在す る ことに注意 したい.以 下,本 研 究 では とりあえず破 壊靭 性値 に よる. な わ ち弾. あ っ た の に対 し,界 面 き裂 を. 有 す る こ とに よ り若 干 の 値 を もつ.こ. ―24―. 時,載 荷 状 態 は. こで,図‑9で. は界.
(7) こ で 注 意 した い の は,仮. に 主 き裂 面 が接 触 して い て もエ. ネ ル ギ 解 放 率 は必 ず しも0で 図‑10で 用 い たWuに. は な い.図‑11に. おいて も. よ る結 果6)を参 考 と して 付 記 して い. る.こ の 図 よ り,均 一 材 に お い て は,荷 重 角 度 の 正 と負 に お い て,左 右 対 称 の 結 果 を示 す が,界 面 き裂 材 にお い て は 弾 性 係 数 が異 な るた め左 右 対 称 に は な らな い.ま た, 均 一材 に お い て は ±0.15π 付 近 で エ ネ ル ギ解 放 率 の ピー ク が み られ る こ とか ら,荷 重 角 度 ±0.15π 付 近 が 最 も き 裂 が 進 展 しや す い と考 え られ る.こ れ に 対 し,界 面 き裂 材 に お い て は,荷 重 角 度0.15π 付 近 で 最 も エ ネ ル ギ解 放 率 が 大 き くな る が,荷 重 角 度 が 大 き くな る に つ れ,均 一 材 の よ うな正 負 の ピー ク は 見 られ ず,エ. ネル ギ解放率 は. 低 下 して い く.こ の こ とか ら,界 面 き裂 材 に お い て は荷. 図‑10. き裂折れ 曲が り角度 と荷重角度 の関係. 重 角 度 が 大 き くな れ ば,き 裂 は 進 展 しに く くな る と考 え られ る.. 5.ま. とめ. 様 々な方 向か ら引張荷重 を受 ける二つ の異 な る弾性係 数 を持つ等方 弾性体の界面 に き裂 が存在す る場 合の破壊 き裂 の進展特 性を考 え,2つ. の材料及 び界 面の破 壊靭性. 値 を一定 として,き 裂の折れ 曲が り瞬間時 のエネル ギ解 放率 を経路独 立積 分で与 え るE積 分 を用い て,最 大エネ ル ギ解 放率 クライ テ リオンに基づ き,界 面 き裂 に対 する 進展 挙動 を検討 した結果,以下 の こ とが 明 らか になった. (1)載荷 が き裂面 に対 して垂 直で載 荷的 に はモー ドIで も界面 き裂の き裂進展 は折れ 曲が りを起 こす.ま た, 図‑11. 正規化 最大 エネル ギ解 放率 と荷 重角度 の関係. 均一材 において は荷 重角度 が大 き くな るにつれ,き裂 折れ 曲が り角度 は正 の方 向に進 展す るが,界面 き裂材. 面 き裂 の進 展 挙 動 を うま く表 現 しに くい の で,荷 重 角 度. にお いては,荷重角度 がい くら大 きくなって も弾 性係. θLと き裂 折 れ 曲 が り角 θKの 関 係 を ま とめ た もの が 図 ‑10で ,各 荷 重 角 度 にお け る曲線 の頂 点 を 正 規 化 最 大 エ. (2)界面 き裂 に及 ぼす 引張荷 重角度 の影 響 を検討 した結. ネ ル ギ 解 放 率 と して 荷 重 角 度 と関 係 づ け た もの が 図‑11. 果,荷 重角度 が‑0.15π付 近 でエネ ル ギ解 放 率の最 大. で あ る.図. よ る結 果6)も. 値 が存在 す る こ とか ら,今 回行 った界 面 き裂材 のモ. 付 記 して あ る.こ の 図 よ り,界 面 き裂 材 及 び 均 一 材 と も. デル にで は,荷 重 角度‑0.15π付近 が,最 もき裂 が進. 中 に は 均 一 材 の 例 と してWuに. 数の大 きい正側へ の き裂進 展 は見 られ ない.. 展 しやす い と考 え られ る.. に荷 重 角度 が 負 の 方 向 に 作 用 して い る場 合,き 裂 折 れ 曲. (3)本解析 で使用 したエネル ギ解 放率 を用 い た解 析 手法. が り角 も負 の 方 向 に 進 展 す る(図‑3参 照).こ の こ とは, 向へ折れ. は,応 力拡 大係数 を用 い る と複雑 にな りが ちな界 面. 曲 が っ て き裂 は進 展 す る と考 え られ る.ま た,荷 重 角 度. き裂 の混合 モー ド下 の進 展 挙動 を比較 的容 易 に行 う こ とがで きた.. 界 面 き裂 材 に お い て は 弾 性係 数 の 小 さいE2方 が正 の 方 向 へ 大 き く な るに つ れ,均. 一 材 で は正 の 方 向 に. 大 き く折 れ 曲 が るの に対 し,界 面 き 裂 材 にお い て は,荷 重 角 度 が0〜0.2π の 間 で は,そ. 裂 折 れ 曲 が り角 度 は‑0.24π 〜0の 範 囲 で,E2方 曲 が り,荷 重 角 度 が02π. 今 回の報告 は,エ ネル ギ解 放率 を用い て界面 き裂の進. の角度が正 であって もき. 展特 性に対 し有効 であ るか ど うか の検討 で あるた めE1/ E2=10で あ る一つ の仮 想的 な材 料 定数比 を用 い たが,解. 向に折れ. よ り大 き く な る と,そ の値 が い. く ら大 き く な っ て も,図‑8の. 析結果 よ り,界 面 き裂 の進展 特 性に対 しエネル ギ解 放率. よ うな 変 位 オー バ ー ラ ップ. が 生 じな い よ うに非 接 触 条 件 が 考 慮 され て い る た め,き. が十分扱 える と考 え られ る こ とか ら,今 後 は現実 に存在. 裂 進 展 部 分 が 閉 じて しま い,最. す る よ うな材料 定数 比 を用 いて,エ ネル ギ解放率 に よる. 折 れ 曲 が り角 度 が0方 は進 展 し,El方. 大 エ ネ ル ギ解 放 率 は き裂. 界面 き裂の進展特性 を検討 して い く.. 向 と な る.つ ま り,直 線 的 に き裂. 向 に は 決 して 進 展 しな い こ とに な る.こ. ―25―.
(8) 参考文献. 8) Hussain, M. A., Pu, S. L. and Underwood, J. : Strain energy. 1)結 城 良治: 界 面 の 力 学, 倍 風 館, 1993.. release rate for a crack under combined mode I and mode. 2) Williams, M.L. : The Stress around a Fault or Crack in. II , ASTM STP 560, pp.2-28, 1974.. Dissimilar. 9)橋 本 堅 一, 櫨 洋 一, 矢 富盟 祥: 混 合 モ ー ド荷 重 下 に あ. Media, Bull. Seism. Soc. Am., 49, pp.199-208,. る異 方 性 弾 性 体 内 の き 裂 の エ ネ ル ギ解 放 率 の 数 値 解. 1959.. 析, 材 料, 46, pp.976‑980. 3) Rice, J. R. and Sih, G. C. : Plane Problems of Cracks in. Interfacial Cracks in Bi-material Media, Engng. Fract.. 10)Hayashi,K. andNemat-Nasser,S. : Energy-releaserate and crack kinking under combined loading,J. Appl. Mech, Vol.48,pp.520-524,1981.. Mech., 28, pp.13-21, 1987.. 11)た とえ ば 日本 機 械 学 会 基 準: 弾 塑 性破 壊 靭 性JIc試. Dissimilar Media, J. Appl. Mech., 32, pp.418-423, 1965. 4) Sun, C. T. and Jih, C. J. : On Strain Energy Release Rate for. 法, JSMES. 5)影 山 和 郎, 岡 村 弘 之: 引 張 り と面 内 せ ん 断 を受 け る無. 001,. 験. 1981.. 件, 日本 機 械 学 会 論 文集, Vol.48, No.430, A, pp.783‑790,. 12) Begley,J. A. and Landes,J. D. : The J integralas a fracture criterion,ASTM STP 514, pp.1-20, 1972.. 1982.. 13)橋 本 堅 一, 工 藤 洋 三, 矢 冨 盟 祥, 中川 浩 二: 花 崗 岩 の. 限 小 屈 折 き裂 の 弾 性 解 析 と最 大 エ ネ ル ギ解 放 率破 壊 条. 破 壊 靭 陛 評価 に関 す る検 討, 岩 盤 力学 に 関 す る シ ンポ. 6) C. H. Wu : Fracture under combined loads by Maximum energy. ジ ウム論 文集, Vol.20, pp.81‑85,. release - rate criterion, I Appl. Mech., Vol.45,. 1988.. (2002年4月19日. pp.553 - 558, 1978. 7) Yatomi, C. : The energy release rate and the work done by the surface traction in quasi-static elastic crack growth, Int. J. Solids structures, Vol.19, No.2, pp.183-187, 1983.. ―26―. 受 付).
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