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雑誌名 鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要

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(1)

鳥取看護大学・鳥取短期大学

二足歩行ロボットの設計と実装 : ―二足歩行のハ ードウェアとアルゴリズムの学習体系の開発―

著者 野津 伸治

雑誌名 鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要

号 81

ページ 11‑20

発行年 2020‑07‑01

出版者 鳥取看護大学・鳥取短期大学

ISSN 2189‑8332

URL http://doi.org/10.24793/00000130

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止

(2)

鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 第81号 抜刷

2 0 2 0 年 7月

―二足歩行のハードウェアとアルゴリズムの学習体系の開発―

野 津 伸 治 

Shinji N

otsu

:A Design and Implementation of a Humanoid Robot

(3)

はじめに

 ロボットは,先進国において,産業界では工場に おける製造ラインの組み立て用途や,警備用途など 様々な分野で用いられて久しい.また一般家庭向け でも,愛玩用や癒し用途,清掃用途など様々な製品 が浸透している.また近年の介護現場で,人型ロボッ トと介護者が協調しながら介護にあたる可能性も出 てきた.人型ロボットの移動の要である二足歩行は 車輪型歩行と比較して自由度が大きく,重心の不安 定さを考慮して実装していくことが求められる.本 研究では人型ロボットの二足歩行の一つである,静 的歩行のロボットへ実装を行う.

1 .ロボットの基本設計

 人型ロボットのプロトタイプを実装するにあたっ て,歩行の安定度とメカニズムの簡素化から二足歩

行で 4 自由度のロボットの設計を目標とする.1 本 の脚を 2 自由度とすると,で 3 次元空間(側面から 見て前後に回転するピッチ軸,正面から見て左右に 回転するロール軸,上から見て地面と平行に回転す るヨー軸)では 2 平面の自由度が確保されることに なる.ロボットは前後左右の移動を可能にするが,

移動するときに重心の移動を注意しないと転倒につ ながる.

 ヒトはあえてバランスを崩すことで二足歩行を 行っているが,その自然な動き(動歩行)の制御の ためにセンサーやアルゴリズムの精緻化が必須であ る.一方歩行動作のどの時点を捉えても重心のバラ ンスが取れる歩行(静歩行)はぎこちないが,アル ゴリズムの実装が簡便にできる.

2 .ロボットの電子回路

 基本的な構成は複数のサーボモーターをマイクロ コンピュータから制御するものとする.様々な歩行 のパターンをプログラムで変更できるものとする.

将来の脚の自由度の増加にも対応できるものとす

二足歩行ロボットの設計と実装

―二足歩行のハードウェアとアルゴリズムの学習体系の開発―

野 津 伸 治

1

Shinji Notsu : A Design and Implementation of a Humanoid Robot

 本研究の目的は,二足歩行のアルゴリズムの学習ツールの設計と実装である.二足歩行を行うた めのフレームの設計と歩行アルゴリズムの検証に焦点をあてたものである.成果としては,第 1 に はサーボブラケットの加工のしやすさと精度と強度を考慮してアクリル板の L 字アングルの利用 を前提に加工工具ルータを導入したこと.第 2 には,片軸サーボモーターの回転精度を安定させる ための両軸化を行ったこと.第 3 には,プログラミング初心者でもアルゴリズムを実装しやすいブ ロック組み合わせ型言語を利用したことである.

キーワード:二足歩行ロボット micro:bit ブロック・プログラミング 鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要第 81 号(2020)

       1 鳥取短期大学生活学科情報・経営専攻

(4)

る.従って,マイクロコンピュータとサーボモーター は直接接続するのではなく,中間に制御ボードを介 在して行う.

(1) マイクロコンピュータ

 この度設計した二足歩行ロボットでは最大 4 個の サーボモーターを制御するために 32 ビットARM Cortex-M0 ベースのプロセッサーを搭載したマイ コンボード micro:bit を用いた.マイクロコンピュー タと制御ボードの間でI2C通信を行える機能を有し ている.初心者がプログラミングするときに利用で きるブロック型プログラミング言語のライブラリの 充実もマイコン選択の決め手である.

(2) サーボモーター

 二足歩行プログラムの開発において本体重量の軽 量化を最大限に図るためとコスト削減,最小限のト ルクの観点からアナログサーボモーターSG90 互換 機を利用した.

 表 1 はSG90 の物理的及び電気特性の仕様である.

 SG90 サーボモーターのブラケットを自作するた めにこの形状の寸法の詳細をノギスで計測してまと めたものが図 1 のとおりである.

 試作の段階で片軸サーボモーターの動作の精度の 問題が生じたので,SG90 を分解して,軸の反対側 のフレームにドリルで穴を開けて,半径Φ =2mm で長さ L=10mm のネジを通して図 2 のように両軸 化することで回転精度の著しい向上が確認できたの でこれを生かすブラケットを製作することにした.

(3) サーボ制御コントローラー

 1 個の制御コントローラーで最大 16 個のサーボ モーターを 12bit の分解能で扱うことができれば十 分であるのでPCA9685 を用いることにする.

表 1.SG90 サーボモーターの仕様 PWMサイクル 20mS

制御パルス 0.5ms~2.4ms 制御角 ±約 90°(180°)

配線 茶=GND,赤=電源[+],

橙=制御信号 [JR タイプ]

トルク 1.8kgf・cm 動作速度 0.1 秒/60 度 動作電圧 4.8V (~5V)

温度範囲 0℃~55℃

外形寸法 22.2 × 11.8 × 31mm

重量 9g

図 2.SG90 サーボモーターの両軸化

④② 右

③上①下

左 左下①

左上③ 右下② 1 右上④

4箇所のネジを抜く

電動ドリルで穴を 開ける

分離する 2つのサーボモータを+のドライバーで 分解

サーボを区別する 足の位置

図 1. SG90 サーボモーターの詳細な寸法(単位:

mm)

5 22.2 5 32.2

4 2 43 2216

6 6

3 4 16 22 11.8

表 2.マイコンボードとPCA9685 の結線 AE-PCA9685 側 micro:bit 側

+5V 別電源よりサーボへ給電

OE NC

SCL P19

SDA P20

GND GND

VCC +3V3

(5)

二足歩行ロボットの設計と実装

 Micro:bit とPCA9685 の結線は表 2 のとおりである.

(4) 回路の実態配線図

 マイコンボード micro:bit にマイコン制御ボード PCA9685 を経由して配線した.サーボモーター SG90 を 4 個制御するマイコンボード用とサーボ モーター用のそれぞれの電源も含めた全体の回路図 を図 3 に示す.

3 .ロボットのフレーム設計

 二足歩行を実現するためには,例えば前進なら左 右の脚のうち,まず右下脚を右側に傾け,次に右上 脚(腰に相当)を時計回りに回転させる.右下脚を 元の位置に戻す.続いて左下脚を左側に傾け,続い て左上脚(腰に相当)を反時計回りに回転する.左 下脚を元へ戻す.フレーム加工と想定した歩行アル ゴリズムの試行の推移を以下で説明する.

(1) L 字アクリル板による 3 次元フレーム

 個々の脚の構造と形成用の素材が課題である.素 材アクリル板にすることで,一定の重量で強度が確 保できる.また平面を垂直に貼り合わせるもしくは融 着する場合の精度が問題になると考え,L字のアング ル状態のアクリル板を切り出して加工することで問 題の解決を図った.加工上の問題は,サーボブラケッ

トを組み合わせる場合に,ブラケットの形状が複雑 になると組み立ての難易度が上がることである.

(2) 順運動

 2 自由度の脚の先端を座標(x, y)へ移動するた めに 2 つのサーボモーターに与える角度θ1とθ2 関係を考察する.前提として上側の脚の長さを L1,下側の足の長さを L2とする.L1を座標(u, v)

へ移動するために角度θ1動かし,さらに L2を座標

(x, y)へ移動するために角度θ2動かす.これを図 示したものが図 4 である.(式 1)は角度θ1とθ2 および長さ L1と L2から座標(x, y)を表す.

 x =

L

1cos

θ

1

L

2cos(

θ

1

θ

2) 

 y =

L

1sin

θ

1

L

2sin(

θ

1

θ

2~(式1)

~角度

θ

1

θ

2を入力→アーム先端の座標(x, y)

L

1,L2を二つのアームの長さ

θ

1

θ

2を二つの関節の角度

(0, 0)を根元の関節の位置

(x, y)をアームの先端部分の座標

 マイコンから各サーボモーターへ与える命令は角 度θ1とθ2になるので,図 4 の逆関数を求めなけれ ばならない.上記の順運動の逆運動に相当する(式 2)と(式 3)である.

θ

2

=±atan2 √((L

1

+L

2

2

- (x

2

+y

2

))/ ((x

2

+y

2

) - (L

1

-L

2

2

~(式2)

 θ

1

=atan2(y/x) +atan2(L

2

sinθ

2

)/ (L

1

+L

2

sinθ

2

)  θ

1

=atan2(y/x) -atan2(L

2

sinθ

2

)/ (L

1

+L

2

sinθ

2

) ~(式3)

~アーム先端の座標(x, y)を入力→関節θ1とθ2 角度が出力

図 3.二足歩行ロボットの電子回路実態配線図

図 4. 順運動:2 自由度の脚の長さ,角度と位置の 関係

(u, v)

(0, 0)

L1

(x, y)

L2

θ1

θ2

(6)

 これに基づき 2 自由度の 1 本の脚の動かし方を図 示したものが図 5 である.

 この原理を考慮してサーボブラケットの加工とフ レームとしての組立を考慮した.

(3) ロボットのフレーム加工 0

 3 次元空間で 1 平面(ピッチ軸)の移動精度にサー ボモーター2 個を利用するのではなく,2 平面(ピッ チ軸とヨー軸)に 1 サーボモーターずつを用いるこ とで前後左右の移動の精度と速度を確保する形に歩 行アルゴリズムと対応するサーボブラケットの接合 の仕方を変更した.表 3 がこの設計に基づく利用 パーツの一覧である.

 アクリル製の L 字アングルからサーボブラケッ トを切り出して加工する際の寸法と穴の位置は図 6 のように行った.

 図 7 は図 6 で加工したブラケットにサーボモー ターSG90 を組み込み回転させるイメージである.

 図 8 はサーボに二本の脚を取り付けるフレーム加 工を示している.

図 5.2 自由度の 1 本脚の運び

1.初期状態 2.前状態 3.上状態 4.後状態

図 6.L 字アングルからサーボブラケットの加工

30㎜

7.0㎜

2.0㎜

5.5㎜

14㎜

4㎜10㎜

26㎜

30㎜

10㎜ 9㎜

28㎜

32㎜

9㎜ 10㎜

図 8.両脚のパーツの加工

ネジ

ビス

テープで絶縁

4A 4B

15㎜

15㎜15㎜

15㎜

15㎜

3A 3B

幅=15㎜

32㎜ 32㎜

右 左

2A 1A

2B 1B

5 5

12 12

22

1A,2Aはさらにカット

22

32 幅=32㎜

下 L字アングルカット

穴を開けが終わったサーボは+ドライバーで 元のように緩める

図 7.サーボモーターの回転

26㎜

30㎜

30㎜

φ=2.0 φ=7.0

φ=2.0

表 3.二足歩行ロボットのパーツ一覧

種類 品名 備考

マイコン micro:bit 1 firmware=0254 ブレークアウト兼

サーボコントローラー kitronik-5612 1 PCA-9685

サーボモータ SG90 4

アルカリ乾電池 単 3 アルカリ乾電池

DC1.5V 5

電池ボックス #1 単 3 乾電池× 2 1 リード線・スイッチ付き 電池ボックス #1 単 3 乾電池× 3 1 リード線・スイッチ付き

L 字アングル 1 厚さ= 2mm

40 × 40 × 1,000mm

アクリル板 1 厚さ= 2mm

200 × 200mm

ピス 9 φ =2mm L=6mm

ビス 3 φ =2mm L=8mm

ナット 12 φ =2mm

(7)

二足歩行ロボットの設計と実装

図 9.ボディと足裏のパーツの加工

40㎜

28㎜

22㎜ 22㎜

28㎜

23㎜12㎜ 12㎜23㎜

40㎜

右 前 左

足裏 アクリルカッター,金属定規で割る

88

12㎜

22㎜

5 5

12 22 22 32

10 7 15 22

22

22 ネジ

ビス

1A 1B

ボディ

48㎜ 48㎜

88㎜

90㎜

90㎜ 32

足裏(左) 48 2.5㎜

〇=2㎜L=10㎜

左足裏 右足裏 ボディ 1A

1B

直径3㎜の穴を4つあける ものさしで測りルーターで 正確に四角形に加工

図 10.脚と足裏の接合部の加工(1)

1B 1A

31 26

31 32

16 48

88 左足裏

2B 1B

2A 1A

31 31

31 31 右足裏 対称になるよう加工する

26 26

3B

3A 脚(左)加工

38㎜

34㎜

28㎜

2㎜

3A 3B

32㎜

ネジビス

〇=2㎜,

L=10㎜

サーボの軸用

〇=6.5㎜

〇=2㎜

15㎜ 3B

6㎜

32㎜

15㎜

7.5㎜

7.5㎜ 7.5㎜7.5㎜

2A サーボの軸用

〇=6.5㎜

30㎜

6㎜

図 11.脚と足裏の接合部の加工(2)

×2

×2

足裏

48

88 40

40 32

足下

×2 ×4

90 90 ボディ

足上

40

40 15

×4

×1

(8)

図 12.ボディへの脚の取付け加工

40

40

40

28 31

31 26

31

31 26

22 22

12 22

7 15 12

15

23

32

10 22 φ=22 22 48

48

12

足裏 上足×2

40

40 32 下足×2

ボディ

横面 90

88 88

90

図 13.足裏とサーボの回転の位置

28 34 38

32

2 2

φ=2㎜L=6-8㎜

φ=2㎜L=6-8㎜ φ=5

6 φ=2㎜ 6 φ=2㎜

7.5 7.5 横面

サーボ

足裏 下足サーボ取り付け図

図 14.ボディ側サーボと脚の回転

ボディ

サーボ

(9)

二足歩行ロボットの設計と実装

 図 9 は二本の脚を取り付けるボディ側と足裏側の フレーム加工を示している.

 図 10 と図 11 は脚と足裏の接合部の加工を示して いる.

 図 12 は脚とボディの接合部の加工を示している.

 図 13 は足裏とサーボの回転を示している.

 図 14 はボディ側サーボで脚の回転の関係を示し ている.

 図 15 は加工してきたボディ,脚と足裏を組み立 てを示した図である,

 以上の過程を経て組み上げた二足歩行ロボットの 全景が図 16 と図 17 である.

 当初の設計通りに前後左右の動作の精度と速度が 確保できた.

4 .ロボットの歩行アルゴリズム

 二本脚で歩行する動物が前進する場合の脚の運び を観察すると,例えば,まず右脚を前に動かして重 心を移動し,次に左脚を前に動かし重心を移動する.

動物は敢えて安定状態を乱すことで自然な動きをし ており,このことは動的歩行と呼ばれている.一方 同じ二本脚で動くロボットの動作はぎこちない.こ れは,二本脚のうち地面に接している脚(接地脚)

裏で定義される四角形の内側に重心が常にあるよう に非接地脚を動かしているからである.この歩行は 静的歩行(図 18)と呼ばれている.

 今回は二足歩行の学習のため後者の静的歩行で実 装していくことにする.

図 15.ボディ,脚と足裏の組み立て

足裏 足裏

ボディ

サーボ

サーボ micro-bit kitronik-5612

図 16.二足歩行ロボットの全景(正面から) 図 17.二足歩行ロボットの全景(側面から)

(10)

(1) アルゴリズム

 二足歩行ロボットの 2 つの脚の上部と下部にそれ ぞれ割り当ててあるサーボモーターに,1 番から 4 番までの番号を割り当てて制御の時の識別子にする

(図 19).

 静的歩行の脚の運びをロボットの真上から見た図

(ヨー軸)と,その時にサーボモーターが動作させ るべき角度を決定していくことにする.

 ロボットが通電されたときのホームポジション

(すべてのサーボモーターが 90 度(稼働角度の範 囲は 0 度~180 度)を示している)を表している.

 前進するときの開始状態を考える.ステップⅠと

して右下脚をθ1 だけ右側に傾ける.次のステップ

Ⅱとして右上足(腰に相当)を時計回りにθ2 だけ 動す.ステップⅢで右下脚を元の位置に戻す(-θ1).

ステップⅣで,左下脚を左側へθ3 だけ傾ける.ス テップⅤで左上脚(腰に相当)を反時計回りにθ4 だけ回転させる.ステップⅥで左下脚を元へ戻す

(-θ3).これを繰り返すことでボディを前進させ 続けていくことが可能である.

 ロボットの後退は,前進運動の逆で実現できる.

左右への歩行は向きの方向の脚の腰に相当するそれ ぞれの上脚の回転する角度を前進以上にすることで

図 18.静的歩行

重心の動き

静歩行 足裏

図 19. 二本 4 自由度の脚とサーボモーターの対応 番号

前進

3 4

1 左上

左下

右上

右下 2

図 20.前進の流れ図 開始

全てのサーボをホームポジション状態にする

左下足(サーボ#01)を120°傾ける

その状態で0.5秒間静止 左上足(サーボ#03)を135°ひねる

左足下(サーボ#01)を-120°傾ける

その状態で0.5秒間静止

左下足モータを-120°傾ける

その状態で0.5秒間静止 右下足(サーボ#02)を120°傾ける

その状態で0.5秒間静止

右上足(サーボ#04)を135°ひねる

その状態で0.5秒間静止 右下足(サーボ#02)を-120°傾ける

その状態で0.5秒間静止

(11)

二足歩行ロボットの設計と実装

実現できる.

 この一連の処理の流れを流れ図で表すと図 20 の ようになる.

 図 20 は歩行の基本アルゴリズムであるので,対 象とするマイコンボードやサーボモーターをより高 性能なものに交換して量産タイプで実装する場合 も,このアルゴリズムを適用することができる.

(2) JavaScript のブロック・プログラミング言 語による実装

 Micro:bit のプログラム開発環境は Web ブラウザ で https://makecode.microbit.org/ にアクセスする 形 で 利 用 す る こ と が 可 能 で あ る. 開 発 言 語 は JavaScript なのでそのままコーディングも可能であ るが,プログラミング初心者のためブロックを組み 合わせるスタイルで開発することも可能である.

 Micro:bit の JavaScript 開発向けにPCA9685用 サーボモーター・ライブラリー3)が提供されている ので利用した.

 また,各サーボモーターの位置出しを行うことで,

サーボモーターの初期状態の角度を定義しておくこ とがその後の歩行の出発点となる.

 更に注意が必要な点は,サーボブラケットの組み 合わせによって位置出しされた角度からプラスマイ ナスの移動量が逆転する場合があるので,フレーム として組立後,四本の脚の上下で記録しておくこと である.

 4 個のサーボモーターが動作することを確認した JavaScript のブロック型プログラミング開発環境で のコードが図 21 である.

 以上を踏まえて当初の設計通りの前後左右の移動 が行える二足歩行ロボットの稼働部に特化した実装 を確認することができた.

おわりに

 前後左右に移動する 4 自由度二足歩行ロボットの 躯体と制御アルゴリズムの設計と実装ができた.本 研究の成果としては,第 1 にはサーボブラケットの 加工のしやすさと精度と強度を考慮してアクリル板 の L 字アングルの利用を前提に加工工具ルータを 導入したこと.第 2 には,片軸サーボモーターの回 転精度を安定させるための両軸化を行ったこと.第 3 には,プログラミング初心者に学習しやすいブ 図 21. 二本脚 4 自由度の動作確認のための MakeCode エディタでのコード

(12)

ロック型プログラミング環境を利用して前後左右の 二足歩行アルゴリズムの実装ができたことである.

一連の設計と実装は鳥取短期大学生活学科情報・経 営専攻 1 年生のグループワーク(1 グループ 5 名で 10 グループ)によるPBL(課題解決型学習)の演習(9 回分)としても確認できた.

 動歩行の実装に向けては,逆運動で脚の運びを計 算してプログラミングすることが考えられる.ロ ボット自体に歩行を学習して習得させるために ROS2(Robotics Operating System, Version 2)の

利用や,学習も実機ではなくシミュレーションを高 速PCで行わせることが考えられる.

引用・参考文献

1 )micro:bit 統 合 開 発 環 境 https://makecode.

microbit.org/

2 )野津伸治「四足歩行ロボットの設計と実装」,

『鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要』,第 79 号(2019), pp. 39-47.

参照

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