地 域 型 ベ ンチ ャー支 援 シ ス テ ム の研 究(中)
一 第2段 階 地 域 型 ベ ンチ ャ ー ・イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン の 設 計 一
瀬 戸 篤
1研 究 課 題
1‑1前 号 で の 結 論 1‑2本 号 の 研 究 課 題
2函 館 高 専OBア ンケ ー ト調 査 結 果
■ ー ワ 自 3 4
一 一 一 一
9 白 9 自 9 自 9 白
高等 専 門学校(高 専)
なぜ 函館 高専 を調 査対 象 と したか ア ンケ ー ト設計
ア ンケ ー ト結 果
3地 域 型 ベ ンチ ャ ー ・イ ンキ ュ ベ ー シ ョ ンの 新 概 念 一企 業 誘 致 か ら人 材 誘 致 へ 一
‑ ⊥ 9 臼 q O 4
一 一 } {
り0333
企業 誘致 か ら人材 誘 致へ
なぜ,道 外 マー ケ テ ィン グなのか?
なぜ,製 造系 コア技術 なのか?
北海 道 の地域優 位 性 4イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ンの 設 計
一人 材 誘 致 に求 め られ る ハ ー ドと ソ フ トー
哨 ⊥ 9 臼 3 4 F O
一 一 一 一 一
﹄44444海 外 参 考 事 例:台 湾 「新 竹 サ イエ ン ス パ ー ク」
高 専 卒 業 生 が 求 め る 支 援 内 容 立 地
ハ ー ドウ ェ ア の 設 計 ソ フ トウ ェ ア の 設 計 5結 び:研 究第3段 階の 課題
〔29〕
1研 究 課 題
1‑1前 号 で の 結 論
研 究 第1段 階 で,わ れ わ れ小 樽 商 大=開 銀 の 共 同研 究 プ ロ ジ ェ ク トチ ー ム は,
「 ベ ンチ ャ ー創 出 面 で 地 域 は不 利 で あ る?」 と の仮 説 を も とに ,同 仮 説 を 反 証 す る べ く実 証 デ ー タ の入 手 とフ ィー ル ドサ ー ベ イ お よび 比 較 分 析 に着 手 した 。 フ ィー ル ドサ ー ベ イ で は,パ イ ロ ッ トサ ー ベ イ と経 営 者 ヒ ア リ ン グ を経 て,平 成9年7月 か ら平 成10年2月 に か け て道 内 製 造 系 ベ ンチ ャ ー企 業 を フ ィ ー ル ド サ ー ベ イ した 結 果,(1)現 経 営 者 が創 業 者 で あ る こ と,(2)創 業 場 所 が 北 海 道 で あ る こ と,(3)道外 マ ー ケ テ ィ ン グ に積 極 的 で あ る こ と,の3条 件 を満 た す7社(金 属 加 工 ・半 導 体 製 造 装 置 ・食 品 機 械 ・バ イ オ ・住 宅 ・エ ン ジ ニ ア リ ン グ ・ソ フ
トウ ェ ア)が 浮 上 し,創 業 者 と創 業 プ ロ セ ス に 関 す る7社 の 比 較 分 析 を行 っ た 。
以 上 の研 究 結 果 か ら,わ れ わ れ は 「 ベ ン チ ャー 創 出面 で 地 域(=北 海 道)は 有
利 で あ る」 との 結 論 を得 た 。 そ の理 由 は,4つ の 経 営 資 源(人 材 ・技 術 ・マ ー
ケ テ ィ ン グ ・資 金)か ら見 て,(1)地 元 国 立 工 業 高 専 を 卒 業 して 首 都 圏 メ ー カ ー
に勤 務 したUタ ー ン技 術 者 の 活 用,(2>非 札 幌 圏 中 核 都 市 に お け る低 コス ト高 付
加 価 値 経 営,(3)自 前 設 計 ・部 品 内製 化 に よ る独 自製 品,(4)イ ンタ ー ネ ッ トの積
極 的 活 用,の4条 件 が 満 た され た場 合,製 造 系 の 地 域 型 ベ ンチ ャ ー が 創 業 に 成
功 す る 可 能 性 が北 海 道 で は か な り高 い こ とが確 認 で きた か らで あ る 。そ れ ゆ え,
ベ ンチ ャー 企 業 の 設 立 に あ た っ て一 般 的 に は不 利 と考 え られ て きた 地域 の ハ ン
デ ィ を,か え っ て ア ドバ ンテ ー ジ と して 見 事 な 成 長 を遂 げ て い る一 群 の 製 造 系
モ デ ル ベ ンチ ャー 企 業 の存 在 を確 認 で き た。 す な わ ち,北 海 道 に は サ クセ ニ ア
ン博 士 の い う 「RegionalAdvantage(地 域 の優 位 性)」 が,少 な く と も く 技 術
の あ る 人 材 の獲 得 〉 面 で は 存 在 す る こ と を分 析 過 程 で 発 見 した 。 そ れ ゆ え,北
海 道 出 身,ま た は 北 海 道 に 強 い 思 い入 れ の あ る技 術 者 のU・1タ ー ン に対 す る
何 らか の 支 援 シス テ ム が 形 成 さ れ れ ば,北 海 道 に 〈 第2・ 第3のHP社 〉 の 創
造 も決 して 夢 で は な い こ とが わ か る。 問 題 は,彼 ら を どの よ う に発 掘 し開 業 ま
地 域 型 ベ ンチ ャ ー 支 援 シス テ ム の研 究(中) 3‑Z で 支 援 す る か で あ る 。
1‑2本 号 の 研 究 課 題
平 成10年 度 に 実 施 さ れ た研 究 第2段 階 で あ る 「 地 域 型 ベ ンチ ャー 支 援 シ ス テ ム の研 究(中)」 で は,〈U・1タ ー ン と新 規 創 業 を 有 機 的 に結 合 した 地 域 型 べ ンチ ャ ー創 造 に対 す る 支 援 シ ス テ ム の あ り方 〉 の 有 効 性 を検 証 し,北 海 道 の 製 造 系 ベ ンチ ャー を生 み 出 す た め に 必 要 か つ 有 効 と考 え られ る イ ンキ ュベ ー シ ョ
ンの 設 計 を試 み る こ とに あ る。
初 め に 共 同研 究 チ ー ム で は,(a)前 号 で 得 られ た 製 造 系 ベ ンチ ャ ー と し て有 望 と 考 え られ る高 専 卒 業 生 に よ る 〈Uタ ー ン&ベ ンチ ャ ー 〉 の 可 能 性 に 着 目 し,道
内 国 立 高 専 卒 業 生 に対 して 起 業 意 識 調 査 を行 っ た。 次 に,(b)既 存 の 道 内 イ ンキ ュ ベ ー シ ョ ン施 設 に対 す る詳 細 な イ ン タ ビ ュー 調 査 を 実 施 した。 そ の 結 果,起 業 意 識 ア ン ケ ー トか ら導 き出 さ れ た イ ンキ ュベ ー シ ョ ン に対 す る 〈 ニ ー ズ 〉と, 実 際 に 提 供 さ れ て い る施 設 の 〈 シ ー ズ 〉 の 間 に は,大 き なギ ャ ップ が 存 在 す る こ とが確 認 さ れ た 。 そ して,(c)従 来 か ら別 個 に行 わ れ て きた 〈 市 町村 に よ る企 業 立 地 〉,〈道 に よ るUタ ー ン促 進 事 業 や 中小 企 業 支 援 策 〉,〈通 産 省(局)に よ
るベ ンチ ャ ー支 援 事 業 〉,〈公 的 金 融 機 関 に よ る制 度 金 融 〉,くそ の ほ か 経 済 団体 や 産 学 官 に よ る地 域 産 業 支 援 策 〉 の観 察 と検 証 を行 っ た。 最 後 に,UIタ ー ン
&ベ ンチ ャ ー=地 域 型 ベ ンチ ャ ー創 業 を成 功 させ る シ ス テ ム の 設 計 を行 っ た。
2函 館 高専OBア ン ケ ー ト調 査 結 果
本 章 で は,地 域 型 ベ ンチ ャ ー ・イ ンキ ュベ ー シ ョン の設 計 の 前 段 と して,わ れ わ れ が 仮 説 と して 焦 点 を あ て た道 内 国 立 高 専OBを 対 象 とす る 〈Uタ ー ン&ベ ンチ ャー 〉 に お け る イ ンキ ュ ベ ー シ ョ ン ・シ ス テ ム の あ る べ き姿 を検 証 す る。
と くに,北 海 道 に は 地 場 産 業 振 興 を 目的 とす る 数 多 くの イ ンキ ュベ ー シ ョン施
設 が 点 在 す るが,そ れ らがUタ ー ン技 術 者 の新 規 創 業 に対 して イ ンキ ュ ベ ー シ
ヨ ンた り得 る か とい う問 題 に 答 え る必 要 が あ る 。
そ こ で,イ ンキ ュ ベ ー シ ョ ン に対 す る 具 体 的 な ニ ー ズ を探 るた め,地 元 高 専 の 協 力 を得 て,卒 後10年 以 上 の 道 外 勤 務 者 に対 す る 起 業 意 識 ア ン ケ ー ト調 査 を実 施 し た 。 本 章 の 具 体 的 な デ ー タ と 詳 細 に つ い て は,『CBCDiscussionPaper SeriesNo.54』 の 第3章 に詳 しい 。 また,下 の 各 表 は 同 報 告 書 の た め に作 成 さ れ た もの を転 載 した 。
2・‑1高 等 専 門 学 校(高 専)
高 等 専 門 学 校(高 専)は,中 学 校 卒 業 程 度 を入 学 資 格 とす る5年 制 の 高 等 教 育 機 関 で あ る(す な わ ち,学 生 は お お か た16〜20歳 の5年 間 を 過 ごす)。 日本 の 経 済 ・社 会 の 発 展 を 支 え る科 学 技 術 の著 しい 進 歩 に対 応 で き る優 秀 で 実 践 的 な 技 術 者 を養 成 し,科 学 技 術 の振 興 を 図 る こ と を 目的 と して,昭 和36年 の 学 校 教 育 法 一 部 改 正 に よ っ て37年 度 に 創 設 さ れ た 。 『 文 部 統 計 要 覧(平 成10年 版)』(文
表1高 専,大 学 の学校 数,学 生数,教 職員 数,就 職 者数 就職者数 学校数 学 生 数 教 員 数 職員 数
製造業 技術者
高専 国立 54 49,203 3,823 3,009
公 立 5 4,511 391 169
私 立 3 2,580 170 28
合計 62 56,294 4,384 3,206 7,121 3,287 6,406
道内 5 4,190 331 N.A. N.A. N.A. N.A.
大学 国立 98 614,669 58,855 58,486
公立 57 91,642 8,880 11,474
私 立 431 1,927,479 74,047 101,767
合計 586 2,633,790 14L782 171,727 349,271 71,155 73,291 理 工 N.A. 552,384 N,A. N.A. 79,951 5,760 62,007 道内 26 85,306 5,460 N.A. 10,388 N.A. N.A.
(注)1.大 学 に は,短 期 大 学,大 学 院 を 含 ま な い 。
2.理 工 は,大 学 合 計 の 内 数 で,専 攻 分 野 が 理 学 お よ び 工 学 の 者 の 数 。
3.道 内 は,そ れ ぞ れ 高 専 合 計,大 学 合 計 の 内 数 で,道 内 の 数 。
地域 型ベ ンチ ャー支援 シス テム の研 究(中)33
部省 編;平 成10年4月)お よ び 『 平 成9年 度 学 校 基 本 調 査 報 告 書(高 等 教 育 機i関編)』(文 部 省;平 成10年3月)に よる と,平 成9年 の 高 専 の 学 生 数,教 職 員 数,就 職 者 数 な どは 表1の とお りで あ る 。
道 内 に は,4校 の 国立 高 専 と1校 の 公 立 高 専(イ ン ダス トリア ル ・デ ザ イ ン学 科 を 有 す る札 幌 市 立 高 等 専 門学 校)が 存 在 す るが,こ こで は,国 立 高 専 に対 象 を絞 る。 平 成10年 度 の 各 校 の 『 学 校 要 覧 』 に よ る と,道 内4国 立 高 専 の 概 要 は 表3‑2の とお りで あ る 。
表2道 内4国 立高 専
旭 川 釧 路 苫 小 牧 函 館
開校 年 月 昭和37年4月 昭和40年4月 昭和39年4月 昭和37年4月
教 員 数 63 75 78 78
事務系職員数 53 54 53 54
専 門 学 科 機械工学科 電気工学科 制御情報工学科 物質化学工学科
機械工学科 電気工学科 電子工学科 情報工学科 建築学科
機械 工学 科 電気 工学 科 情報 工学 科 物 質 工学科 環境 都市 工学 科
機械工学科 電気工学科 情報工学科 物質工学科 環境都市工学科 学 生 数 機 械204
電 気195 制 御196 物 質190
機 械190 電 気196 電 子197 情 報200 建 築202
機 械202 電 気192 情 報183 物 質194 環 境206
機 械199 電 気209 情 報200 物 質209 環 境204
合計785 合計985 合 計977 合 計1,021
出身地
「
道内 道外 国外
775 3 7
1,027 4 11
967 3 107
970 41 10
H9年 卒業 者数 139 180 175 180
進学者数 39 21 46 36
就職者数 91 151 129 137
障 内
i道 外
48 43
85 66
63 66
56
81
(注)釧 路 高 専 の 学 生 出 身 地 は,平 成6〜10年 度 の 入 学 者 数1,042名 に 対 す る 内 訳 。
2・一 一2な ぜ 函 館 高 専 を調 査 対 象 と し た か
ア ンケ ー トを実 施 す る に あ た っ て 共 同研 究 プ ロ ジ ェ ク トチ ー ム で は,次 の2段 階 を経 る必 要 性 を確 認 した 。 す な わ ち,第1に,仮 説 に あ げ られ た狙 い に焦 点
を絞 っ た 小 規 模 な ア ンケ ー ト(千 人 規 模)を 実 施 す る 。 第2に,そ こで 得 られ た 結 果 を も とに,道 内4国 立 高 専 の 卒 後10年 以 上 を経 過 した 全 卒 業 生 に対 す る 大 規 模 な ア ンケ ー ト(万 人 規 模)を 実 施 す る こ と で あ る 。
は じめ に,第1の 小 規 模 ア ン ケ ー トの 実 施 で あ るが,平 成9年 度 研 究 にお け る フ ィー 。ル ドサ ー ベ イ対 象 企 業 の 中 で,地 元 高 専 卒 業 者 が創 業 者 で あ り,か つ, 母 校 で あ る地 元 高 専 か らの 人 材 獲 得 を 「RegionalAdvantage(地 域 の優 位 性)」
と して活 用 して い る企 業 の所 在 地 と して,共 同研 究 プ ロ ジ ェ ク トチ ー ム は 〈 函 館 〉 に注 目 した 。 函 館 は,旧 テ ク ノ ポ リス(高 度 技 術 集積 都 市)法 の 指 定 地 域 (昭和59年7月 に 全 国 で12番 目 の指 定 を受 け る)で あ り,以 下 の5点 が 特 筆 さ れ る。 す な わ ち,
(1)試 験 研 究 機i関で あ る 「 道 立 工 業 技 術 セ ン ター 」(昭 和61年10月 開業)が 存 在
(2)イ ンキ ュベ ー シ ョ ン(新 規 産 業 創 出 ・育 成 支 援 施 設)で あ る 「 函 館 市 産 業 支 援 セ ン タ ー」(平 成10年4月 開 業)が 存 在
(3)「 テ ク ノ ポ リス 函 館 」 構 想 の推 進 母 体 と して,道 立 工 業 技 術 セ ン タ ー お よ び函 館 市 産 業 支 援 セ ン ター の 運 営 主 体 とな る と と もに,様 々 な助 成 ・低 利 融 資 ・債 務 保 証 制 度 を運 用 し て い る 「(財)テク ノ ポ リス 函 館 技 術 振 興 協 会 」(昭 和59年4月 設 立)が 存 在
(4)工 業 団 地 や ジ ェ ッ ト空 港,港 湾 な ど新 規 産 業 創 出 ・育 成 を支 え るハ ー ドウ ェ ァ がi整っ て い る
(5)造 船,漁 業 資 材,水 産 食 品 加 工 な ど海 洋 関 連 分 野 に お い て製 造 業 の 集 積 が
比 較 的 厚 い
地域 型ベ ンチ ャー支援 システ ムの研 究(中)35
そ こで,函 館 高 専,函 館 市(商 工 観 光 部 テ ク ノ ポ リス 推 進 室)お よ び(財)テ ク ノ ポ リス 函 館 技 術 振 興 協 会 に対 して,数 次 に わ た り平 成9年 度研 究 成 果 の 説 明 会 を 実 施 した。 そ の 結 果,函 館 高 専 校 長 よ り当研 究 の 趣 旨 と意 義 に 関 して 理 解 を得 た の で,同 校 地 域 交 流 委 員 会 の協 力 の 下 で 平 成11年1月 に 「 函 館 高 専 卒 業 者 対 象 企 業 意 識 調 査 ア ンケ ー ト」 が 実 現 した。
2‑3ア ンケ ー ト設 計
函 館 高専 は,昭 和37年4月,機i械 工 学 科,電 気 工 学 科,土 木工 学 科(平 成7年 度 よ り環 境 都 市 工 学 科 へ 改 組)の3学 科 で 開 校 し,昭 和41年 度 に工 業 化 学 科(平 成8年 度 よ り物 質 工 学 科 へ 改 組),平 成3年 度 に情 報 工 学 科 を増 設 し,現 在,
5学 科 体 制 とな っ て い る。 昭和42年3月 卒 業 の 第1期 生 か ら平 成9年3月 卒 業 の 第31期 生 ま で で,合 計4,053名 の 卒 業 生(機i械工 学 科1,033名,電 気 工 学 科1,033 名,情 報 工 学 科78名,工 業 化 学 科 ・物 質 化 学 科867名,土 木 工 学 科 ・環 境 都 市 工 学 科1,042名)を 輩 出 して い る 。
ア ン ケ ー ト設 問 は,次 の6項 目 を設 定 した 。 項 目1:プ ロ フ ィー ル
高 専 卒 業 年 次 ・学 科,現 住 所,家 族 構 成,持 ち家 な どに つ い て 質 問 項 目2:職 歴
現 勤 務 先,職 種,E‑mailの 利 用 な どに つ い て 質 問 項 目3:Uタ ー ン意 識 調 査
Uタ ー ン希 望,理 由,障 害 な どに つ い て 質 問 項 目4:起 業 意 識 調 査
起 業 希 望,ビ ジ ネ ス プ ラ ン,起 業 場 所,支 援 策,相 談 先 な ど につ い て 質 問
項 目5:当 研 究 へ の興 味
項 目6:自 由 コ メ ン ト
共 同研 究 プ ロ ジ ェ ク トチ ー ム は函 館 高専 と事 前 調 整 を行 っ た 結 果,こ の4053名 の 卒 業 生 の デ ー タベ ー ス を作 成 した 。 次 に(a)卒業 後 既 に10年 以 上 が 経 過 して い る,第1期 生 か ら昭 和62年3月 卒 業 の 第21期 生,か つ(b)最新 の 卒 業 者 名 簿 にお い て,道 外 勤 務 か つ 自宅 住 所 が 判 明 して い る者,と い う2つ 条 件 の も とで デ ー タベ ー ス か ら抽 出 され た計841名 に 対 して ア ンケ ー ト調 査 用 紙 を送 付 し た。
2‑4ア ンケ ー ト結 果
ア ンケ ー トの 回答 者 総 数 は151名 で あ っ た の で,回 収 率 は18.0%と な っ た。 そ こで,回 答 者151名 を母 数 と して,〈Uタ ー ン希 望 者 〉 お よ び 〈 起 業 希 望 者 〉 と い う2つ の グ ル ー プ 分 類 を行 っ た の が 表3で あ る 。
表32つ の グ ル ー プ 分 類 有 効 回 答 者 数151名:100%
起業 希望 な し15名10%
起業希 望 不 明12名8%
Uタ ー ン&
起 業 希 望 16名11%
Uタ ー ン ・起 業 と も に 希 望 せ ず97名:64%
そ の 結 果,全 体 を100と す る と起 業 希 望 者 は全 体 の18%に 達 し,そ の う ちUタ ー
ン も併 せ て希 望 す る者 は全 体 の11%に 達 した 。 す な わ ち,ア ン ケ ー ト対 象 の お
よ そ2割 が 回 答 した な か で,そ の2割 が 起 業 希 望 者 で あ り,か つ1割 が 研 究 第
1段 階 で わ れ わ れ が 想 定 した 〈Uタ ー ン&ベ ンチ ャ ー〉 の 潜 在 的 候 補 者 で あ る
との結 論 を得 た 。 も し も,こ の 結 果 を道 内 国 立 高 専 の卒 業 生 全 体 に あ て は め る
と,卒 後10年 以 上 の 卒 業 生 お よ そ1万 人 の うち2000千 人 近 くが 起 業 希 望 者 で あ
る との推 測 を得 られ る。 だ とす れ ば,そ の うち3%の 起 業 成 功 率 を か け て も,
お よそ600の 製 造 系 ベ ン チ ャー 候 補 者 を 道 内 国 立 高 専 は潜 在 的 に 輩 出 して い る
地域型 ベ ンチ ャー 支援 シス テ ムの研 究(中) こ と とな る。 北 海 道 の 未 来 に 希 望 の もて る推 測 とい え よ う。
37
次 に,〈 起 業 希 望+Uタ ー ン希 望 〉,〈起 業 希 望 〉,〈Uタ ー ン希 望 〉,〈希 望 な し〉
の4分 類 にお け る 各 種 の個 人 属 性 との ク ロス 集 計 を と っ て,ア ン ケ ー ト結 果 を 分 析 した 結 果 が 表4で あ る。 特 に起 業 を希 望 す る2つ の 部 門 は 強 調 の た め 編 掛 け処 理 を 行 っ た。
表4卒 業 学科 趨 叢 灘 夕
一 ン藷 灘 巷
1趨 難 のみ錆 墜 者
Uタ ー ンの み 希 望 者
どち らの希
望 もない 者 合 計
機械工学科 5 2 9 39 55
電気工学科 $ 唱 4 20 30
工業化学科 壽
一 茎
6 7 19
土木工学科 § 藩 8 31 47
合 計 16
『慧 27 97 151
卒 業 学 科 で は,起 業 を希 望 す る2部 門 の 計 で 各 卒 業 学 科 と もに ま んべ ん な く存 在 す る もの の,機 械 工 学 科 と土 木 工 学 科 が く 起 業+Uタ ー ン〉 で や や 多 くな っ て い る こ とが 観 察 され る。
表5年 齢
卒年基準年齢 趨 叢 ・慧 タ ー ン希 璽 餐 趨叢のみ希 藻蓉
Uタ ー ンの み 希 望 者
どち らの希
望 もな い者 合 計
52歳/昭 和42卒 o な 3 8 11
51歳/昭 和43卒 心 1 2 10 13
50歳/昭 和44卒 1 慧 1 3 7
49歳/昭 和45卒 o o 1 7 8
48歳/昭 和46卒 孟 o 1 9 11
47歳/昭 和47卒 o 慧 0 7 9
46歳/昭 和48卒 o ま 2 8 11
45歳/昭 和49卒 ま ¢ 3 1 5
44歳/昭 和50卒 ま 1 1 6 9
43歳/昭 和51卒 ま 写 0 3 4
42歳/昭 和52卒 o ◎ 0 8 8
41歳/昭 和53卒 ◎ ◎ 1 5 6
40歳/昭 和54卒 荏 ジ 2 1 8
39歳/昭 和55卒 1 倉 0 6 7
38歳/昭 和56卒 1 倉 2 1 4
37歳/昭 和57卒 ◎ ◎ 1 1 2
36歳/昭 和58卒 0 籍 2 6 10
35歳/昭 和59卒 荏 o 1 3 8
34歳/昭 和60卒 o 倉 1 2 3
33歳/昭 和61卒 三 ま 2 1 5
32歳/昭 和62卒 0 o 1 1 2
合 計 欝 ま圭 27 97 151
年 齢(基 準 卒 業 年 次)で は,興 味深 い こ とに35歳,40歳,45歳,50歳 に起 業 希 望 者 の 分 布 が 大 きい こ とが 観 察 さ れ る。 特 に35歳 が 最 も高 い こ とは,就 職 ・結 婚 ・出 産 ・マ イ ホ ー ム取 得 とい っ た ラ イ フサ イ ク ル を考 え あ わ せ る と,子 供 の 小 学 校 へ の 就 学 年 齢 に達 す る 直 前 で マ イ ホ ー ム の 取 得 を 考 え 出 す 時 と一 致 す る 。 ま た,彼 らの 親 が 仮 に平 均 出 産 年 齢 で あ る28歳 を加 え る と63歳=年 金 受 給 開始 年 齢 に一 致 す る こ とか ら,故 郷 へ のUタ ー ン適 齢 期 で あ る との仮 説 が,ア
ンケ ー ト結 果 か ら確 認 され た 。 そ れ ゆ え,わ れ わ れ の イ ンキ ュベ ー シ ョ ン対 象
者 を 〈30歳代 半 ば 〉 と想 定 す る こ と に よ っ て,よ り絞 り込 まれ た イ ンキ ュベ ー
シ ョ ンの 設 計 が 可 能 とな る 。
地 域 型 ベ ンチ ャ ー 支 援 シ ス テ ム の研 究(中) 39 表6勤 務 先(従 業員数)
趙 業 ・Uタ ー ン庸 盤 麿
趨業のみ矯 盤蓉
Uタ ー ンの み 希 望 者
どち らの希
望 もない 者 合 計
50名 以 下 4 1 4 22 31
500名 以 下 1 3 5 9 18
5000名 以 下 7 3 12 33 54
5000名 超 4 5 6 33 48
合 計 16 11 27 97 151
勤 務 先 で は,起 業 希 望 者 は500名 未 満 の 中小 企 業 に極 端 に少 な く5000以 上 の 大 企 業 に偏 在 して い る こ とが 確 認 され る 。 特 に 〈 希 望+Uタ ー ン〉 の う ち500名
以 上5000名 未 満 の 中 堅 企 業 に特 に 多 い こ とが わ か る 。
表7現 住 所
起 叢 ・Uタ ー ン庸 藍 者
趨叢 のみ希 墾者
Uタ ー ンの み 希 望 者
どち らの希
望 もない者 合 計
東北 箆 1 1 14 18
北 関 東 e 1 5 7 13
首都 圏 欝 ¢ 19 59 94
甲 信 越 ・北 陸 参 ¢ 0 5 5
東海 3 愈 1 7 11
関西 奪 諸 0 4 6
その他 1 1 1 1 4
合 計 驚 ユ1 27 97 151
現 住 所 で は,起 業 を希 望 す る しな い にか か わ らず 首 都 圏 に圧 倒 的 に居 住 す る こ
とが わ か る。 こ こ で注 意 を要 す る 点 は,本 ア ン ケ ー トが 〈 道 外 居 住 者 〉 に 限 定
して い る点 で あ る。 そ れ ゆ え,道 内 居 住 者 は 調 査 対 象 か ら除 か れ て い る。
表8家 族 構 成 起 叢 ・uタ
ー ン鵜 蕪 餐
起難のみ潔 欝 叢
Uタ ー ンの み 希 望 者
どち らの希
望 もない者 合 計
配 偶 者 ・子 供 あ り 13 7 19 84 123
配偶者 の みあ り 工 ・ 窯' 5 8 16
独 身 勲 諸 3 5 12
合 計 猫 1工 27 97 151
起 業 希 望 者 の う ち,圧 倒 的 に 〈 配 偶 者+子 供 〉 の 区 分 が 多 く しめ る の は,同 世 代 の 結 婚 比 率 か らみ て 自然 で あ る。
表9持 ち 家
趨 藁 ・奪 タ ー ン嚢 塑 者
趨繋のみ庸 塑麿
Uタ ー ンの み 希 望 者
どち らの 希
望 もな い者 合 計
持 ち家 あ り 護 7 14 84 110
持 ち家 な し $ 釜 13 13 38
不 明 $ o 0 0 3
合 計 1s 1ユ 27 97 151
こ こで 注 意 深 い 点 は,起 業 希 望 者 に 関 して い え ば 〈 持 ち 家 〉 の有 無 は,起 業希 望 と無 関 係 で あ る 点 だ 。 た だ し,〈 起 業+Uタ ー ン〉 は持 ち家 な しの 方 に多 い の に 対 し,〈 起 業 〉 の み の場 合 は持 ち家 あ りの 方 に 多 い の は 自然 で あ る 。
表10Uタ ー ン の 障 害(複 数 回 答 可)
無 業 ・毒 タ ー ン灘 蟹餐
趨業のみ籍 盤麿
Uタ ー ン の み 希 望 者
どち らの希
望 もない者 合 計
独 立 の メ ド立 たず 善 o 4 13 21
生活不安 7
l
a 9 14 30
地 域 型 ベ ンチ ャ ー 支 援 シ ス テ ム の 研 究(中) 4ヱ
勤 め先 が ない 11 王 21 30 63
情報不足 9 倉 11 16 36
収 入低 下 11 奪 14 24 49
家 族 の反対 1 倉 7 11 19
現 勤務 先 の反対 彗 a 2 8 15
そ の他 倉 奪 3 3 6
Uタ ー ンの 障 害 に つ い て の 設 問 で は,起 業 希 望 者 の う ち 〈 起 業+Uタ ー ン〉 で は,勤 め 先 が な い とい う消 極 的 理 由 を 除 く と,収 入 低 下 と情 報 不 足 が圧 倒 的 な 理 由 に挙 げ られ て い る。 こ れ は次 の設 問 で もあ る公 的 支 援 制 度 で も顕 著 に表 れ て い る。 こ こか ら推 測 で きる こ と は,イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ンの 設 計 に あ た っ て,
表11公 的支 援制 度 は必 要 か 起 巣 ・uタ
ー ン蒲 蜷 者
漣藁のみ鶉 墾奢
Uタ ー ンの み 希 望 者
どち らの希
望 もない者 合 計
必要 15 警 17 50 91
不 要 ・不 明 1 譲 6 47 60
合 計 1§ 11 27 97 151
表12起 業 期間 起 業 ・uタ
ー ン薦i塞者
煙業 のみ嚢 難緒
Uタ ー ンの み 希 望 者
どち らの希
望 もない者 合 計
1年 ¢ 1 1 4 6
3年 12
撃H撃 摯1撃1
蔓 9 24 49
5年 § 姦 2 9 15
7年 以上 1 倉 1 2 4
不 明
撃 「1