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福島県立医科大学 学術機関リポジトリ

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Academic year: 2021

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Fukushima Medical University

福島県立医科大学 学術機関リポジトリ

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Title Inhibitory effect of lidocaine on colonic spasm during colonoscopy: A multicenter double-blind, randomized controlled trial( 内容・審査結果要旨 )

Author(s) 根本, 大樹

Citation

Issue Date 2020-03-24

URL http://ir.fmu.ac.jp/dspace/handle/123456789/1086

Rights

© 2018 Japan Gastroenterological Endoscopy Society. This is the peer reviewed version of the following article: [Dig Endosc.

2019 Mar;31(2):173-179], which has been published in final form at [https://doi.org/10.1111/den.13272]. This article may be used for non-commercial purposes in accordance with Wiley Terms and Conditions for Use of Self-Archived Versions.

DOI

Text Version ETD

(2)

論 文 内 容 要 旨

氏名

し め い

ねもと だいき 根 本 大 樹

学位論文題名

Inhibitory effect of lidocaine on colonic spasm during colonoscopy:

A multicenter double-blind, randomized controlled trial

(大腸内視鏡検査におけるリドカインの腸管蠕動抑制効果:多施設、二重盲検、ランダ ム化比較試験)

【研究背景】大腸の腸管蠕動は重要な生理的役割を果たしているが、大腸内視鏡検査および内視鏡治療の 妨げになることがある。腸管蠕動抑制薬は、盲腸到達時間や検査中の苦痛、ポリープ検出率、腺腫検出率 の改善のために補助的に用いられてきた。一般的な腸管蠕動抑制薬(ブチルスコポラミンやグルカゴン)

の全身投与では、頻脈、散瞳、反応性低血糖といった随伴症状を生じうるため、併存疾患の多い高齢者で は注意を要する。一方、ペパーミントオイルは局所投与により腸管蠕動を抑制し、随伴症状を生じないが、

ペパーミントオイルの効果持続時間は短く、しばしば投与後のリバウンド収縮を引き起こし、一般的には 使用されない。局所麻酔薬のリドカインは、局所投与により腸粘膜内の神経細胞膜の

Na

チャネルをブロ ックすることで腸管蠕動を抑制し、薬理学的には血中リドカイン濃度が上昇しないとされる。本研究では、

リドカインの局所投与による腸管蠕動抑制効果を評価するために、生理食塩水をプラセボ対照としたラン ダム化比較試験を行った。同時に、リドカイン局所投与の安全性を確認するために、投与後の血中リドカ イン濃度を測定した。

【方法】全国

5

つの消化器内視鏡専門医療機関で、大腸腫瘍に対する内視鏡治療を要する患者

128

名を対 象とした。大腸内視鏡検査中に

2%リドカイン溶液20ml

を局所投与する群 (LID 群

64

名) または生理食 塩水

20ml

を局所投与する群(NS 群

64

名)にランダム化割り付け(1:1)を行った。第三者の薬剤師が 各溶液を同様の容器に封入することにより、二重盲検化した。大腸内視鏡検査中、検査施行医は割り付け られた溶液を散布チューブにより病変近傍に撒布し、

3

分間観察した。 主要評価項目は、 溶液投与後

1, 2, 3

分後の蠕動抑制効果とし、3段階(excellent, fair, poor)で評価した。副次評価項目は、リバウンド収 縮と有害事象とした。血清リドカイン濃度は、32 名で内視鏡検査直後に測定した。

【結果】 2群間で患者背景に有意差はなかった。すべての時点において、

excellent

の割合は

NS

群よりも

LID

群で多く、2 分後(p=0.02) 、3 分後(p=0.02)で有意差を認めた。LID 群では、excellent の割合は

2

分後で

12.5%増加し、3

分後に維持されていた。リバウンド収縮は

LID

群では発生しなかったが、NS

群では

15.6%に生じた(p=0.001)

。LID 群で有害事象は生じなかった。血中リドカイン濃度は、いずれも

検出限界値以下であった。

【考察】本試験において、リドカインの局所投与(腸管内撒布)により、大腸内視鏡検査中の腸管蠕動を

抑制し、リドカインが腸管よりほとんど吸収されないことが確認された。リドカイン撒布による蠕動抑制

(3)

効果は、全消化管において発揮されると考えられるので、今後は、大腸以外の消化管内視鏡検査における 活用も期待される。

※日本語で記載すること。1200字以内にまとめること。

(4)

学位論文審査結果報告書

令和元年 12 月 18 日 大学院医学研究科長 様

下記の通り学位論文の審査を終了したので報告いたします。

【審査結果要旨】

氏名 根本大樹

学位論文名 Inhibitory effect of lidocaine on colonic spasm during colonoscopy:

A multicenter double-blind, randomized controlled trial

本申請論文は、大腸内視鏡検査および内視鏡治療時に、腸管蠕動抑制を目的とし たリドカインの局所散布効果を、多施設 RCT にて検証した内容である。全国 5 か所の消化器内視鏡専門医療機関で、大腸腫瘍に対する内視鏡治療を要する患 者 128 名を対象とし、 2% リドカイン溶液 20ml を局所投与する群( LID 群 64 名)と、生理食塩水 20ml を局所投与する群( NS 群 64 名)にランダム化割り 付けし、投与後 1 , 2, 3 分後の蠕動抑制効果として、 3 段階( excellent , fair , poor) の肉眼的評価で検討した。その結果、すべての時点において、 excellent の 割合は NS 群よりも LID 群で多く、 2 分後( p=0.02) 、 3 分後( p=0.02) で有意 差を認めた。 LID 群で有害事象はなく、血中リドカイン濃度は、いずれも検出限 界値以下であった。この結果は、リドカイン局所散布の有効性を示しており、今 後のさらなる臨床応用に大きく貢献するものである。

2019 年 12 月 18 日に実施した審査会において、申請者が内容の要旨を適切に 発表の後、リドカインの最長効果時間、反復投与による効果、 Primary

Endpoint の妥当性、対象群の妥当性、リドカイン血中濃度の測定法の記載不

足、腸管の存在部位による抑制効果の違い、リバウンド効果の定義とその病態 など、複数の質問をもとに議論が行われた。申請者はこれらの質問に対して適 切に回答し、本研究の貢献度と理解度は極めて高いことが示されました。

本論文は、 RCT でリドカイン局所散布の有効性を示した、質の高い、新規性の ある論文と評価できる。以上より、福島県立医科大学大学院の学位論文として 妥当であると判断いたします。

論文審査委員 主査 河野浩二

副査 村川雅洋

副査 引地拓人

参照

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