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熊本大学生命資源研究・支援センター

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Academic year: 2021

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(1)

アイソトープ アイソトープ アイソトープ

アイソトープ施設 施設 施設 施設の の の の安全評価 安全評価 安全評価 安全評価および および および空気中放射性物質 および 空気中放射性物質 空気中放射性物質 空気中放射性物質の の の測定 の 測定 測定 測定

礒部 靖博

熊本大学生命資源研究・支援センター

1.

総論

熊本大学生命資源研究・支援センターアイソトープ総合施設黒髪地区アイソトープ施設(以下「黒髪

RI」とする)は、主としてトレーサー実験等の生物系の実験に用いられている施設であるが、放射性同

位元素(ラジオアイソトープ)を使用するため、通常の実験室において守るべき法令(労働安全衛生法 等)の他、放射線障害防止法等の法令についても遵守が義務付けられている。放射線障害防止法におい ては施設の使用にあたって公共の安全を確保する観点から施設の安全評価を提出し、許可(承認)を得 なければならない。そこで黒髪

RI

の安全評価について紹介する。

また、工学部物質生命化学科3年生対象の学生実験において、収集した空気に含まれる放射性物質の 定量を行っているが、定性的な裏付けが十分でなかったためガンマ線スペクトロメトリーを用いて追加 実験を行い放射性物質の同定を行ったので報告する。

2.

黒髪

RI

の安全評価について

黒髪

RI

は右図のように管理区域境界(実際には フェンスが設置されている)および事業所境界(黒 髪南地区キャンパス)を設定している。安全評価 は運用において外部に放射線・放射性物質が放出 されるプロセスとなる排気・排水・しゃへいの

3

項目において行い、それらの項目で得られた被ば く線量(実行線量)を合算することで行っている。

なお安全側に評価するため、貯蔵能力(施設に おいて保管が認められる最大数量)での保管、お よび最大使用数量における使用を想定して計算を行

っている。事業所境界の計算は黒髪

RI

から最も近い事業所境界(右図○で表示)において行っている。

3.

黒髪

RI

の安全評価について 被ばく線量の評価の一つである確定的 影響において、人体への影響が認められる

のは

250mSv

以上の被ばくがあった場合で

ある。

ここで、貯蔵室・使用室の配置で管理区 域境界における計算値に若干の差はある ものの、多い場合であっても約

50μSv

程 度であり、公衆被ばく(数十μSv)と大き

く異なることはなく、人体への影響が認められる程の被ばく線量となることはないと考えられる。

被ばく線量(Sv/週)

保管等 使用 合計 管理区域境界・北側 3.05x10

-5 5.83x10-8 3.04x10-5

管理区域境界・南側 4.70x10

-5 7.58x10-9 4.70x10-5

管理区域境界・東側 3.14x10

-6 4.14x10-8 3.14x10-6

管理区域境界・西側 5.81x10

-6 3.92x10-9 5.81x10-6

事業所境界

1.56x10-6 2.15x10-9 1.57x10-5

図1.黒髪

RI

における管理区域境界(実線)

事業所境界(点線)最も近い事業所境界(○) )

表1.周囲の被ばく線量計算結果

(2)

232Th

224Ra

220Rn

228Po

212Pb

212Po

212Bi

212Pb

208Tl

図3.鉛でしゃへいした検出器

4.

空気中放射性物質の測定について

住宅用建材には岩石が含まれ、トリウム(Th)が多く含まれている。

トリウムは壊変(放射線を放出し元素を変える)を繰り返し、最終的に は鉛(Pb)となって安定する。ここで、ラドン(Rn)は希ガスであり、

希ガスは常温気体の元素であるのでそれまで岩石において固体として留 まっていた物質が空気中に漏出する。よってラドン以降の核種はすべて 空気中においても存在し得ることとなる(図2) 。

学生実験においては、放射能測定についての理解を目的とすることか ら、GM 計数管を用いた放射能絶対測定法を採用している。GM 計数管 は原則としてエネルギー測定ができないため、放射性物質の同定は壊変 曲線の近似式より壊変定数を定めることで行っているが、壊変定数の精 度が十分でないことから、同定結果について十分な検討ができなかった。

そこで、NaI シンチレーション検出器を用いたガンマ線スペクトロメト リーにおいてガンマ線のエネルギーを測定し空気中放射性物質の同定を 行った。

5.

ガンマ線スペクトロメトリーによる空気中放射性物質の同定 ダストサンプラーで24時間収集した空気中放射性物質について、

NaI

シンチレーション検出器で1時間測定を行った。測定に際しては周 囲を鉛で囲み外部からの放射線をしゃへいした(図3) 。

ガンマ線スペクトロメトリーにおいては、608keV(

214Bi)、294keV

および

351keV(214Pb)

、238keV(

212Pb)において光電効果によるピー

クが検出された。ちなみに、80~90keV 辺りにあるピークは鉛しゃへ い材による特性

X

線(KX)である(図4) 。

6.

今後の予定

今回同定された放射性物質は、ピ ーク強度が強いものばかりであるた め、より多くの空気中放射性物質に ついて同定するべく分解能の高い放 射線検出器(ゲルマニウム検出器等)

を用いることを検討している。ただ し検出感度等について工夫が必要に なるものと考えられる。

また、計数値より放射能を求める ことが可能であることを利用し、学 生実験で用いられている放射能絶対 測定法との比較を行う予定である。

図2.放射性壊変系列(トリウム系列)

(点線枠は空気中放射性物質)

(略)

図4.空気中放射性物質のガンマ線スペクトロメトリー

214Pb 214Bi

212Pb

KX

参照

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