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アミノ酸代謝異常症の発症頻度に関する研究

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業) 

総合研究報告書   

アミノ酸代謝異常症の発症頻度に関する研究   

アミノ酸および糖代謝異常の臨床像と管理に関する研究   

分担研究者:  呉  繁夫(東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野) 

 

 

研究協力者氏名(所属・職名) 

坂本修(東北大学大学院医学系研究科小児病態 学分野・准教授) 

菊池敦生(東北大学大学院医学系研究科小児病 態学分野・助教) 

和田陽一(東北大学大学院医学系研究科小児病 態学分野・助教) 

松橋 徹郎  (東北大学大学院医学系研究科小 児病態学分野・医員) 

 

A.研究目的       

①  アミノ酸代謝異常症 4 疾患(メープルシロ ップ尿症、非ケトーシス型高グリシン血症、ホ モシスチン尿症、シスチン尿症)の患者登録状 況を調査 

②  新たな遺伝性ガラクトース血症として見出 したガラクトース血症 IV 型の診断基準や診療 ガイドラインの作成に必要な臨床データを収集 を目的とした。 

③  非ケトーシス型高グリシン血症の療ガイド ラインを作成し、臨床像把握とマネジメントの 向上を目指した。 

 

B.研究方法 

①  メープルシロップ尿症、非ケトーシス型高 グリシン血症、ホモシスチン尿症、シスチン尿症 の患者登録状況を、医学中雑誌の検索および先 天代謝異常症患者登録制度、難病のこども支援 全国ネットワーク HP などから検索した。 

②  高ガラクトース血症を呈する新生児は、血 中ガラクトース濃度のスクリーニングにより発 見される。陽性者の精査時に、1)一過性高ガラ クトース血症が否定されること、2)ボイトラー 法で I 型が否定されること、3)遺伝子検査で II, III 型が否定されること、4)二次性高ガラ クトース血症が否定されること、の基準で症例 を収集した。収集した症例の GALM 遺伝子の変異 をサンガー法にて検索することで、確定診断を 行なった。計 10 症例を収集し、臨床所見の検討 を行なった。 

③  論文検索を実施し、自験症例における経験 を考慮して、現時点での診断、治療、予後の面に 関する知見を集約した。 

 

(倫理面への配慮) 

・メープルシロップ尿症、非ケトーシス型高グ リシン血症、ホモシスチン尿症、シスチン尿症  の  研究には、遺伝子検索結果や診療録などの 個人情報は含まれておらず、症例報告などの臨 床研究にも該当しない。   

・VI 型ガラクトース血症の研究は、東北大学病 研究要旨 

アミノ酸代謝異常症及び糖代謝異常症の臨床像把握と管理改善の目的で、3 年間で次 のテーマついて調査研究を行った。平成 29 年度は、アミノ酸代謝異常症 4 疾患(メ ープルシロップ尿症、非ケトーシス型高グリシン血症、ホモシスチン尿症、シスチン 尿症)の患者登録状況を調査した。平成 30 年度は、新しい遺伝性ガラクトース血症 IV 型を見出し、診療ガイドライン作成のために必要な臨床経過、検査データの収集を 行った。令和元年度は、非ケトーシス型高グリシン血症の論文検索を実施し、診療ガ イドラインを作成した。 

(2)

院倫理委員会により承認されている(「希少未診 断疾患に対する診断プログラムの開発に関する 研究」承認番号 2018‑2‑139、「ガラクトース異性 体代謝産物の測定」承認番号 2017‑1‑108)。           

C.研究結果       

①  メープルシロップ尿症、非ケトーシス型高 グリシン血症、ホモシスチン尿症、シスチン尿症 の JaSmin 登録数は、それぞれ、19、0、11、1 名 であった。 

②非ケトーシス型高グリシン血症の、疾患概要、

疫学、臨床病型、症状および検査所見、特殊検査

、鑑別診断、診断基準、急性期および慢性期の管 理、成人期の問題、の各項目について調査結果を 記述した。 

②  10 例中 1 例で白内障を認めた。臨床検査所 見では、血中ガラクトース1リン酸/ガラクトー ス濃度比が低値という特徴があり、この点で II 型や門脈体循環シャント症例に類似していた。 

 

D.考察     

①  発症頻度の推定に加え自然歴の把握などに は患者登録と追跡調査が必要になってくる。現 時点で先天代謝異常症での患者登録システムは 日本先天代謝異常学会の先天代謝異常症患者登 録制度(JasMIn)のみであり、JasMIn は患者自 身が登録するシステムであるため、積極的な周 知が重要である。 

②  現在のところ、ガラクトース血症 IV 型の 診断として、末梢血を用いた酵素診断や血漿を 用いた化学診断は確立していないため、GALM の 遺伝子変異を検索する遺伝子検査を実施する必 要がある。今回の検討により、ガラクトース血 症 IV 型では、血中ガラクトース1リン酸/ガラ クトース濃度比が低値であることが明らかにな り、今後の本症の診断に有用と考えられた。 

③  非ケトーシス型抗グリシン血症の多くの症 例は新生児発症型である。集中治療の進歩によ り新生児期の死亡は減ったが、その後重度の精 神運動発達遅滞や難治性てんかんなどを認める ため、成人期を含めた長期の管理が重要にな る。     

 

E.結論       

①  発症頻度の推定に加え自然歴の把握など のためには、患者登録と追跡調査が必要であ

り、現行ではJasMIn登録のために、学会を挙 げた取り組みがより必要と思われる。 

②  ガラクトース血症IV型の化学診断には、

血中ガラクトース1リン酸/ガラクトース濃度 比の低値が有用であることを見出した。 

③  新生児集中治療により生命予後は大きく 改善したが、神経学的な長期予後は依然とし て厳しく、生涯に渡る医療的ケア支援が重要 になる。     

        F.研究発表 

 1.  論文発表 

1) Kimura M‚ Kawai E‚ Yaoita H‚ Ichinoi  N‚  Sakamoto  O‚  Kure  S.  Central  venous  catheter‑related  bloodstream  infection  with  Kocuria  kristinae  in  a  patient  with  propionic  academia.  Case  Reports  in  Infectious  Diseases.  Article  ID  1254175‚ 

2017 

2)Numata‑Uematsu Y‚ Sakamoto O‚ Kakisaka Y‚ 

Okubo Y Oikawa Y Arai‑Ichinoi N Kure S  Uematsu  M.  Reversible  brain  atrophy  in  glutaric  aciduria  type  1.  Brain  Dev. 

39:532‑535‚ 2017 

3) 市野井那津子、坂本修、佐藤亮、二瓶真人、

曽木千純、内田奈生、上村美季、菊池敦生、熊 谷直憲、菅野潤子、呉繁夫 フェニル酪酸ナトリ ウム投与により蛋白耐容量が増加したカルバ ミルリン酸合成酵素Ⅰ欠損症の新生児例    小 児科臨床  70:533‑538‚ 2017 

4) 坂本修、市野井那津子、呉繁夫 

新生児マススクリーニングで診断されたシト ルリン血症Ⅰ型の 3 例 日本マススクリーニン グ学会雑誌 27:283‑287‚ 2017 

5)  Wada  Y,  Kikuchi  A,  Arai‑Ichinoi  N,  Sakamoto O, Takezawa Y, Iwasawa S, Niihori  T, Nyuzuki H, Nakajima Y, Ogawa E, Ishige  M, Hirai H, Sasai H, Fujiki R, Shirota M,  Funayama  R,  Yamamoto  M,  Ito  T,  Ohara  O,  Nakayama  K,  Aoki  Y,  Koshiba  S,  Fukao  T,  Kure S. Biallelic GALM pathogenic variants  cause a novel type of galactosemia. Genet  Med.  2018  Oct  19.  [Epub  ahead  of  print] 

PubMed PMID: 30451973. 

 

2.  学会発表 

(3)

1)市野井那津子、坂本修、村山圭 、呉繁夫  BH4 投与し出産に至ったフェニルケトン尿症の1 例  第 59 回日本先天代謝異常学会総会  2017 年 10 月 12 日〜14 日  埼玉 

        G.知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む。)     1. 特許取得    なし     

2. 実用新案登録    なし 

    3.その他    なし   

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