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辺縁の結節状濃染 (72%) 早期全体濃染 (17%) AP シャント (14%) 肝動脈相門脈相平衡相 急速な内部への濃染の広がり 高信号完全濃染 等信号完全濃染 Bright dot 濃染 (6%) 軽微辺縁濃染 (6%) うであろうか? われわれはEOB プリモビスト造影 MRI の初期経験の

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はじめに

 肝血管腫は最も一般的な良性肝結節である。一般的に は境界明瞭な結節で、血管内皮に裏打ちされた薄い線維 性隔壁による血洞腔から成る1)。しばしば内部に血栓形 成、石灰化、線維性瘢痕化を有し、これらの組織学的変 化が血管腫の画像所見を複雑にする原因となってい る2-4)。それゆえに肝細胞癌や転移性肝癌の診断の際に 血管腫との鑑別が問題となることがしばしば経験され る。EOB・プリモビストは細胞外液性造影剤としての性 質と、肝細胞に特異的に取り込まれる肝特異性造影剤と しての性質を併せもつ造影剤であり、わが国では発売開 始より広く用いられている造影剤である。高い病変検出 能および鑑別能を有すると考えられているが、肝細胞相 では他の悪性腫瘍と同様に血管腫も低信号を示すこと が、時折、診断に苦慮する要素となっている。  本稿では従来までに確立されてきた血管腫の画像所見 と新たに加わったEOB・プリモビスト造影MRIでの所見 の違いに注目しつつ、診断のポイントについて解説する。

ガドリニウム造影MRI         

 当院にて過去に行った従来のガドリニウム造影剤を用 いた血管腫の濃染パターンの内訳を図1に示す。血管腫 の多くは肝動脈優位相にて辺縁部の結節状濃染や結節全 体の早期濃染を示し、門脈相から平衡相にかけて内部へ 濃染が広がる、もしくは濃染が持続する。濃染部は、す べての時相にて大血管とほぼ同等の濃染を示す。これら 典型的な濃染パターンのほかに、平衡相のみで点状の濃 染(bright dot sign)を認めたり、結節辺縁部にごく軽微 な濃染を示すものが含まれる。このような非典型的な遅 延性濃染パターンを示す血管腫は、血流が遅いことによ る以外に、結節内部に線維瘢痕や嚢胞変性を生じている ことが報告されている4)。濃染パターンの違いは、主に

5.EOB・プリモビスト造影MRI

−肝血管腫の診断−

五島  聡

1)

,近藤 浩史

1)

,渡邊 春夫

1)

,兼松 雅之

1,2) 岐阜大学医学部附属病院 放射線科1), 同 高次画像診断センター2) 

Diagnosis of Hepatic Hemangioma on Gd-EOB-DTPA-Enhanced

MRI

Satoshi Goshima, M.D., PH.D.1), Hiroshi Kondo, M.D.1), Haruo Watanabe, M.D. 1),

Masayuki Kanematsu, M.D. 1, 2)

Summary

 This chapter is intended to provide a state-of-the-art overview of the diagnosis of hepatic hemangiomas using Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI with emphasis on its differentiation from hepatic metastases.Imaging features useful in distinguishing between hepatic hemangiomas and metastases,the most common benign and malignant hepatic tumors are discussed.

1) Department of Radiology, Gifu University Hospital

2) High-Level Imaging Diagnosis Center, Gifu University Hospital NICHIDOKU-IHO

Vol.55 No.2 63-70 (2010)

(2)

血管腫を構成する血洞腔のサイズによるとされており、 小さな血洞腔を有する血管腫はより早期に全体が濃染す るのに対し、大きな血洞腔を有する血管腫は全体が濃染 するまでにかなりの時間を要する。Urhahnらは2秒の時 間分解能を有する造影シネMRIを撮像し、血管腫の濃 染パターンを検討した。すべての血管腫は結節の一部か ら濃染が始まり、全体が同時に濃染される血管腫はない と結論している。また、10%程度の血管腫は、造影剤到 達から10秒程度で結節全体が濃染するのに対して、13% では、45秒後にようやく結節全体の濃染が得られたとし ている5)。われわれが日々読影する、ダイナミック撮像 による時相ごとの静止画を解釈するにあたり、このよう な濃染速度の違いを整理し、理解する必要がある。

EOB・プリモビスト造影MRI

 EOB・プリモビストの登場によりわれわれ放射線科 医は肝細胞への造影剤uptakeを考慮するようになった。 EOB・プリモビスト造影MRIにて描出される肝細胞相で のEOB取り込み低下・欠損は、より高い感度をもって悪 性腫瘍の検出に貢献していることはいうまでもない。従 来のphase-shift T1強調像、T2強調像、ガドリニウム造 影ダイナミック像という一連のプロトコールでは描出が 得られない肝細胞性結節が、20分後の肝細胞相のみに おいて描出されることがあり、大きな関心が寄せられて いる。最近の日本磁気共鳴医学会や日本医学放射線学会 でも腹部のセッションにはこのEOB・プリモビストに関 する演題が多くみられることも、その注目の高さを物 語っている。  しかしながら、本稿の主題である血管腫についてはど うであろうか?われわれはEOB・プリモビスト造影MRI の初期経験の段階で、肝転移のスクリーニングMRIに てしばしば描出される小結節において、肝血管腫と肝転 移の鑑別診断に苦慮することがあった。肝転移の正確な 部位と数を診断することは、その後の治療方針に影響 を及ぼすことも少なくない。以下に、われわれが行った EOB・プリモビスト造影MRIにおける肝血管腫と転移性 肝癌の鑑別に関する検討を概説する6) 1.検討方法  対象は手術、生検、経過観察により確定診断がなさ れた血管腫25症例32結節、転移性肝癌20症例29結節で ある。転移性肝癌の原発巣は大腸癌11例、胃癌3例、肺 癌2例、乳癌2例、子宮頸癌1例、卵巣癌1例であった。 Philips社製3T MRI装置(Intera Achieva Quasar Dual)を 用いた。EOB・プリモビスト 0.1 mL/kgを静注後、生理 食塩水20 mLを1〜3 mL/秒にて後押しした。20 mm厚冠 状断MR像によるボーラストラッキング法を用いて、造 影剤の腹部大動脈到達から10秒、50秒、160 秒に中心 k-spaceを充填するように、肝動脈優位相、門脈相、後 期相の撮像を行った。肝細胞相は当院では15〜20分後 に撮像している。なお、撮像タイミングの名称について は、従来の「平衡相」の代わりに、EOB・プリモビスト造 影MRIではlate dynamic phase(後期相)と呼ぶ動きがあ る。従来のガドリニウム造影MRIでの経験から血管腫 の画像所見を以下のごとく分類し、検討した。

 ・肝動脈優位相〜門脈相 ①Early entire enhancement

②Peripheral nodular enhancement and progressive fill-in ③Arterio-portal shunting

④Ring enhancement  ・後期相

⑤Progressive but incomplete fill-in ⑥Hyperintense complete fill-in ⑦Isointense complete fill-in ⑧Bright dot sign

⑨Minimal enhancement  ・肝細胞相

⑩Homogeneous hypointense ⑪Heterogeneous hypointense ⑫Isointense complete fill-in ⑬Minimal peripheral enhancement

辺縁の結節状濃染 (72%) 辺縁の結節状濃染 (72%) 急速な内部への 濃染の広がり 急速な内部への 濃染の広がり 高信号完全濃染 高信号完全濃染 等信号完全濃染 等信号完全濃染 “Bright dot”濃染 (6%) “Bright dot”濃染 (6%) 軽微辺縁濃染 (6%) 軽微辺縁濃染 (6%) 早期全体濃染 (17%) 早期全体濃染 (17%) AP シャント (14%) AP シャント (14%) 肝動脈相 門脈相 平衡相 肝動脈相 門脈相 平衡相 図1 従来のガドリニウム造影MRIにおける海綿状血 管腫の濃染パターン

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2.結果

1)肝動脈優位相〜門脈相(hepatic arterial to portal venous phase)

 血管腫32結節および転移性肝癌29結節のEOB・プリ モビスト造影MRI所見を表1に示す。まず、肝動脈優位 相から門脈相にかけては、血管腫の34%がearly entire enhancement、28% がperipheral nodular enhancement and progressive fill-inという典型的な所見を呈したのに 対して、転移性肝癌では79%がring enhancementを示し た(P<0.001)。これらの典型的な血管腫の濃染パター ンは結節径10mm以上の比較的大きなものでよく観察さ れた。

2)後期相(late dynamic phase)

  次 に 後 期 相 で は 血 管 腫 に お い て、progressive but incomplete fill-in(19%)、hyperintense complete fill-in (19%)、isointense complete fill-in(28%)の所見を認め たのに対し、転移性肝癌ではこのような濃染は認めな かった(P<0.05)。Bright dot signは血管腫のみにおい て6%に、minimal enhancementは血管腫と転移性肝癌 においてそれぞれ28%、21%で認められたが、有意差 を認めなかった。これらの所見は特に結節径10mm以下 の比較的小さなものでよく観察された。この濃染パター ンを示す小結節は、血管腫と転移性肝癌との鑑別に難渋 することがある。 3)肝細胞相(hepatobiliary phase)  肝細胞相ではほとんどの血管腫(91%)とすべての転移 性肝癌(100%)は均質、もしくは不均質ながらも周囲肝 実質よりも低信号を示し、大部分の結節で鑑別点になら なかった。さらに、図2に示すように、血管腫を肝動脈 優位相から門脈相にかけて何らかの濃染を認める早期濃 染型と、後期相のみで淡い濃染がみられる遅延濃染型に 分類し、肝細胞相での肝-結節信号比を比較しても、転 移性肝癌との鑑別は困難であった。すなわち、肝細胞相 のみでは転移性肝癌と血管腫を鑑別するには至らず、ダ イナミック像や非造影シーケンスの所見とのすり合わせ が重要と考えられる。 3.症例  次にこれらの検討結果を実際の症例と対比してみる。 図3に示すのは肝右葉後区域を占拠する巨大な血管腫の 症例である。このような大きなサイズの血管腫は脂肪 抑制T2強調像にて典型的な高信号域のなかにさまざま な程度の不均質な信号が混在する。これらは内部の線維 瘢痕や嚢胞性変化、出血などを反映していると推測され ・肝動脈優位相〜門脈相 Early entire enhancement

Peripheral nodular enhancement and progressive fill-in Arterio-portal shunting

Ring enhancement ・後期相

Progressive but incomplete fill-in Hyperintense complete fill-in Isointense complete fill-in Bright dot sign

Minimal enhancement ・肝細胞相

Homogeneous hypointense Heterogeneous hypointense Isointense complete fill-in Minimal peripheral enhancement

7 (37) 2 (11) 2 (11) 0 (0) 2 (11) 2 (11) 4 (21) 2 (11) 8 (42)* 11 (58) 6 (32) 2 (11) 1 (5) 4 (31) 7 (54)* 3 (23) 0 (0) 4 (30) 4 (30) 5 (38) 0 (0) 1 (7) 11 (85) 1 (7) 0 (0) 0 (0) 11 (34)** 9 (28)** 5 (16)** 0 (0) 6 (19)** 6 (19)** 9 (28)** 2 (6) 9 (28) 22 (69) 7 (22) 2 (6) 1 (3) 0 (0) 0 (0) 0 (0) 23 (79)** 0 (0) 0 (0) 0 (0) 0 (0) 6 (21) 19 (66) 10 (34) 0 (0) 0 (0)  10mm (n =19) (n =13)>10mm (n =32)Overall (n =29)Overall Hepatic hemangiomas (n =32) Metastasis (n =29)

表1 肝血管腫と肝転移におけるEOB・プリモビスト造影MRI所見

Data are the number of lesions.Numbers of parentheses are the frequency expressed as percentage.

*Difference between small( 10mm) and large hemangioma(>10mm) was statistically significant.(P<0.05) **Difference between hemangioma and metastasis was statistically significant.(P<0.05)

(4)

肝-結節 信 号 比 -1.00 早期濃染型血管腫 遅延濃染型血管腫 肝転移 -.50 .00 図2 肝細胞相における肝-結節信号比 血管腫と転移性肝癌はいずれも肝細胞相にて周囲肝実質よりも低信号を 示し,肝-結節信号比にも差は認めない. 早期濃染型血管腫:肝動脈相から門脈相において何らかの濃染があるもの 遅延濃染型血管腫:後期相のみで淡い濃染がみられるもの 図3 60歳代 男性 血管腫症例 A 脂肪抑制T2強調像 B EOB造影肝動脈相 C EOB造影門脈相 D EOB造影後期相(3分後) E EOB造影肝細胞相(15分後) 脂肪抑制T2強調像(A)では肝右葉後区域に巨大な分葉状結節を認める(矢頭).肝動脈相では腫瘤辺縁部に結節状濃染を認め(B;矢印),門脈相 (C),後期相(D)と濃染は内部へ拡大している.肝細胞相(E)でも結節全体は周囲肝実質よりも低信号であるが,濃染はさらに内部へ拡大している. D E A B C

(5)

る。さらにEOB・プリモビストにてダイナミックMRIを 施行すると、従来のガドリニウム造影やヨード性造影に て確認されるように、腫瘤の辺縁部から結節状濃染が始 まり、門脈相、後期相と内部へ濃染が拡大してゆく。造 影剤投与から15分後に撮像された肝細胞相では、肝実 質との相対的信号が低下しつつも、血管腫内部への濃染 の拡大が持続しており、いまだ結節全体が濃染されるに は至っていないのがわかる(図3E)。こういった巨大な 血管腫については内部変性の存在と典型的な濃染パター ンを知っていれば診断は容易と思われる。  図4も典型的な濃染パターンを示す血管腫症例である。 左葉外側域にみられる血管腫は、図3症例と同様に、肝 動脈優位相から後期相にかけて辺縁部から始まる濃染が 徐々に内部へと拡大してゆく。肝細胞相では結節全体が 周囲肝実質と比較して均質な低信号を示しており、この 画像のみ観察すれば悪性腫瘍との鑑別は困難であるが、 ダイナミック像の所見やT2強調像での強い均質な高信 号を確認することで診断は可能である。  図5には転移性肝癌症例に併存した早期濃染型血管 腫を示す。すでに右後区域に粗大な肝転移が描出さ れており、転移巣は肝動脈優位相にて、わずかなring enhancementを示している。さらにその肝門部側には 1cm大の小結節が描出されており、T2強調像では転移 性肝癌と同等の信号強度、ダイナミック造影では肝動 脈優位相から結節全体が強く濃染し、後期相まで持続 している。肝細胞相では、淡い低信号域として不明瞭 に描出される。転移性肝癌は肝細胞相にて明瞭な低信 号を示すため、本症例においては鑑別の一助となる。 さらに、血管腫全体の3割程度がこのような結節全体の 強い早期濃染を示すことを理解していれば、診断に苦 慮することは少ないと思われる。  図6は血管腫としての診断が非常に難しい症例である。 図6では背側肺底区および肝ドーム直下に転移巣を認め る。さらに肝S8に1cm弱の小結節が描出されている。 EOB・プリモビスト造影MRIの肝動脈優位相から後期相 にかけて、この結節は明らかな濃染を示していない。肝 細胞相でも結節全体が周囲肝実質よりも明瞭な低信号 を示している。明らかな肝転移巣も存在するため、この 小結節も転移巣と考える放射線科医は少なくないであ ろう。しかし、全身のスクリーニングのため撮像された 図4 60歳代 女性 肝血管腫症例 A EOB造影肝動脈相 B EOB造影後期相(3分後) C EOB造影肝細胞相(15分後) D 脂肪抑制T2強調像 左葉外側域に4cm大の腫瘤を認める.肝動脈相 では腫瘤辺縁部に結節状濃染を認め(A;矢印), 後期相(B)までに濃染は内部へ拡大している. 肝細胞相(C)では結節全体は周囲肝実質よりも 均質な低信号を示す.脂肪抑制T2強調像で(D) は典型的な高信号を示している. C D A B

(6)

造影CTの門脈相像では、この小結節は全体が均質に濃 染し、半年以上にわたり経過観察されたが、増大傾向や 所見の変化は全くみられず、血管腫と診断された。今回 の検討ではEOB・プリモビスト造影MRIの各相にて明か な濃染を示さない小さな血管腫が存在し、診断を困難な ものにし得ることが明らかとなった。このような血管腫 は多くは存在しないが、手術適応の決定など、肝転移診 断が臨床上重要な局面では、複数シーケンスによる総合 MRI診断が重要であることに加え、従来のガドリニウム 造影MRIやヨード造影CTを追加することもためらうべ きではないと考えられた。 4.考察  血管腫の診断にあたり、まず念頭に置くことは先に述 べたように、辺縁部から内部に向かって徐々に濃染する 血管腫の造影所見を理解することである。血洞のサイズ により、その濃染速度が結節ごとに異なるものの、ダイ ナミック造影像での経時的変化を詳細に観察する必要が ある。われわれはどこか一瞬の静止画像をみていること を忘れてはならない。  しかしながら、図6症例のように、EOB・プリモビス ト造影MRIでは血流動態の把握が困難な血管腫も散見 された。この原因は以下のように考察される。まずは、 肝動脈優位相から門脈相までの比較的早い造影相でみら れる結節辺縁部の濃染が、従来のガドリニウム造影MRI と比較して目立たないことである。これは肝細胞癌の早 期濃染においてもしばしば議論されるが、EOB・プリモ ビストのガドリニウム投与量は0.025 mmol/kgであり、 従来のガドリニウム造影剤の0.1 mmol/kgと比較し4分 の1程度である。EOB・プリモビストのT1短縮効果が従 来のガドリニウム造影剤の約1.8倍であることを鑑みて も7)、単純に造影増強効果が約2分の1程度に減じること になり、血管腫の辺縁に出現する淡い早期濃染が目立ち にくくなっている可能性がある。次に、これまで平衡相 像にてみられた辺縁部の淡い濃染やbright dot signなど の微小な濃染所見は、EOB造影ではより不明瞭となり、 視覚的に捉えにくくなることである。EOB・プリモビス ト造影MRIでは、門脈相程度の時間帯から、肝細胞への 造影剤の取り込みが始まり、3分後の後期相では、すで に肝実質はかなりの高信号を呈してくる。血管腫の辺縁 部にわずかな濃染を示していたとしても、コントラスト が減弱し、視覚的に認識しづらくなると考えられる。ま 図5 60歳代 男性 転移性肝癌と肝血管腫 A 脂肪抑制T2強調像 B EOB造影肝動脈相 C EOB造影門脈相 D EOB造影後期相(3分後) E EOB造影肝細胞相(15分後) 脂肪抑制T2強調像(A)では肝右葉後区域に5cm大の転移性肝癌と(矢頭),近傍の1cm大結節を認める(矢 印).肝動脈相では結節全体に均質な早期濃染を認め(B;矢印),門脈相(C),後期相(D)と濃染は持続し ている.肝細胞相(E)では結節全体がごく淡く低信号を示している. E A B C D

(7)

図6 50歳代 男性 転移性肝癌と肝血管腫 A 脂肪抑制T2強調像 B 脂肪抑制T2強調像 C EOB造影肝動脈相 D EOB造影門脈相 E EOB造影後期相(3分後) F EOB造影肝細胞相(15分後) G 造影CT門脈相 脂肪抑制T2強調像(A)では右下肺および肝S8ドーム直下に転移性肝癌を認める.さらに肝S8 には1cm未満の小型結節が描出されている(B;矢印).肝動脈優位相(C),門脈相(D),後期相 (E)と結節の濃染は明らかではなく,肝細胞相(F)では結節全体が低信号を示している.造影 CT門脈相(G)では結節全体が周囲肝実質よりも高吸収を呈している. D E A B C G F

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た、従来のガドリニウム造影剤やヨード性造影剤は腎排 泄であり、平衡相においてもある程度の造影剤が血管内 に存在するため、造影剤は再循環を繰り返し、血管腫の 血洞腔へのプーリングは増強されていたことが推測され る。一方、EOB・プリモビストは腎排泄(41.6〜51.2%) に加え、肝細胞への取込みに引き続き胆道系からも排泄 (43.1〜53.2%)されるため8)、造影剤の再循環による血管 腫へのプーリング効果はより弱いものとなり、結果とし て後期相以降での濃染所見は認識しづらいものとなる。

おわりに

EOB・プリモビスト造影MRIにおける肝血管腫と転移 性肝癌の鑑別を中心に解説した。血管腫は日々遭遇する 頻度の高い良性結節であるが、時として転移性肝癌と鑑 別が困難なものがある。血管腫の血行動態、濃染パター ンの整理と、EOB・プリモビストと従来のガドリニウム 造影剤の違いを理解することが重要である。多くの結節 はEOB・プリモビストにて診断可能であるが、少数なが ら診断に苦慮する小結節も存在するため、必要に応じて 従来のガドリニウム造影剤や造影CTを併用するべきで あることも忘れてはならない。 【参考文献】

1) Karhunen PJ,Penttila A,Liesto K,et al:Occurrence of benign hepatocellular tumors in alcoholic men.Acta Pathol

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8) Zech CJ,Vos B,Nordell A,et al:Vascular enhancement in early dynamic liver MR imaging in an animal model; comparison of two injection regimen and two different doses Gd-EOB-DTPA (gadoxetic acid) with standard Gd-DTPA. Invest Radiol 44:305-310,2009

参照

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