• 検索結果がありません。

エコロジカル・フットプリントによる住宅の環境負荷評価 [ PDF

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "エコロジカル・フットプリントによる住宅の環境負荷評価 [ PDF"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)エコロジカル・フットプリントによる住宅の環境負荷評価. 萩原 1. はじめに. 表-1 土地 カテゴリー. 1972 年の「成長の限界」1)を契機とし、1987 年の国. 智子. 土地カテゴリーの分類 説明. 農産物及び加工品を生産するのに必要とされる土地. 連ブルントランド委員会報告、1992 年の地球環境サミ. 農地. 農地EF[ha]=農産物の消費量[kg/年]/農作物の土地生産性[kg/ha・年]. ットを経て、地球環境問題の深刻さ、持続可能な社会. 畜産物及び加工品を生産するのに必要とされる土地 牧草地 牧草地EF[ha]=(牧草の消費量[kg/年]/牧草の土地生産性[kg/ha・ 年])+(畜産物の消費量[kg/年]/畜産物の土地生産性[kg/ha・年]). への転換の重要性が広く認識されるようになった。こ のような社会の動向を背景に、1995 年カナダのブリテ. 林産物及び加工品を生産するのに必要とされる土地 森林地. ィッシュ・コロンビア大学のマーティス・ワケナゲル、. 3. 3. 森林地EF[ha]=林産物の消費量[m /年]/林産物の成長量[m /ha・年] 水産物及び加工品を生産するのに必要とされる土地. 海洋 淡水域 水域EF[ha]=水産物の捕獲量[kg/年]/水域の生産性[kg/ha・年]. ウィリアム・リースらによってエコロジカル・フットプ リント:Ecological Footprint(以下 EF)と呼ばれる環. 化石燃料燃焼により排出されるCO2を吸収するために必要とされる CO2 CO2吸収地EF[ha]=CO2排出量[t-C/年]/森林のCO2吸収率(世界平 吸収地 均値1.42)[t-C/ha・年] 生産能力 道路、建物、廃棄物処理場等により生物生産可能地の生産性が阻害 阻害地 されている土地. 境影響評価指標が発表された2)。本研究では、本来国 家レベルの指標である EF を、住宅分野に適用する手 2.0. 下、住宅分野における EF を EFr とする。. 1.5 [ha/人]. 法を検討し、その有用性と問題点を明らかにする。以. 2. EF の概要. 1.76. 1.0. EF は、ある地域での経済活動を、それを支えるため. 0.5. に必要な土地の面積[ha]で表す指標である。その面積. 0.0. は、地域の活動の自然への依存度の強さを表し、また. 0.28 CO2 吸収地. 図-1. 地球上で利用可能な土地は有限であることから、その. 森林地. 0.03 生産能力 阻害地. 計算対象土地カテゴリーの EF 【資料】文献 4). 地域に許容される環境容量:Bio Capacity(以下 BC) 4.. を面積という視覚的な指標を通じ、直感的に比較する. EFr の算出方法. ことができる。BC を明確に示した点で EF は地域の持. 我が国では、住生活分野での環境負荷の伸張が著し. 続可能性評価指標として世界的に注目を集めている。. く、その対応が強く求められている。本来、持続可能. 現在の国家や都市は、そのほとんどが他地域からの財. な社会への転換という観点から客観的目標を設定し、. やサービスの輸入・移入によって成り立っているため、. 対策の立案や研究が行われるべきであるが、実際は現. EF で示される土地面積は、対象地域の土地面積に限ら. 実的対応として1割削減や半減といった目標が掲げら. ず世界中の土地を含み、BC も地球上の生産能力のあ. れ対策の立案、研究が進められている。このような個. る土地や海洋面積を世界人口で割って求められる。世. 別分野における持続可能性評価の手法として EF を採. 3). 界自然保護基金(WWF)による EF 分析 によると、. 用することを検討する。持続可能性評価指標である EF. 2002 年の世界の EF は、BC1.8[ha/人]に対して 2.2 [ha/. 分析は、国家単位での計算方法はある程度確立されて. 人]とされ、既に地球が支えられる容量を超過している。. いるものの、特定の消費物に特化した EF や国家レベ. 日本では、国土交通省による都道府県別の EF 分析. 4). ル未満の地域レベルでの EF については、現時点では. が行われており、2000 年の日本の EF は、3.9 [ha/人]、. 十分な研究がなされていない。ここで計算の対象とす. BC は 0.2 [ha/人]と算出されている。. る住宅は、木造、非木造の構造でのみ区別し、土地カ テゴリーに関しては、食に関するカテゴリーを除いた. 3. EF 算出方法. 「森林地」、「CO2 吸収地」、「生産能力阻害地」を対象. 表-1 に EF 分析で分類される 6 つの土地カテゴリー. とした。図-1 に国土交通省の EF 分析によるこの 3 つ. と基本的な算定式を示す。. の土地カテゴリーの EF を示す。従来の EF 分析では、 41-1.

(2) 土地カテゴリー以外の分類はされていないため、EFr. を対象としている図-2 では、非木造住宅の CO2 吸収地. 分析では住宅の構造、ライフサイクルの段階、使用資. EFr は木造住宅の約 58%であるのに対し、1 戸当たりの. 材の違い等に合わせて計算方法や使用データを用意し、. CO2 吸収地 EFr では、非木造住宅が木造住宅を 0.17[ha/. より詳細な分析を可能とした。表-2 に計算に用いた住. 戸]上回っている。また、1 戸当たりの CO2 吸収地 EFr. 宅戸数、平均延べ床面積のデータを示す。. の約 88%を資材製造が占めていることからも、非木造 住宅の建設が木造住宅に比べて環境面では非効率的で. 住宅データ. 住宅全体 1,176,593 新設 戸数 住宅 平均延べ床面積 91.75 45,392,500 ストック 戸数 住宅 平均延べ床面積 93.64. (単位:戸、㎡) 木造住宅 非木造住宅 538,642 634,567 118.91 64.99 28,516,850 16,804,350. 112.54. あることがわかる。 50 [百万ha]. 表-2. 60.95. ※ 新設住宅:住宅着工統計(国土交通省,2005)より、ストック住宅 については住宅・土地統計調査(総務省,1998・2003)より、1998 ∼2003 年の平均値を用いた。. 4-1. 40 30 20 10 0. CO2 吸収地 EFr. 資材製造. 図-2. では廃棄時の CO2 排出量については考慮していない。 資材製造 EFr は、産業連関表 5)より住宅分野へ投入さ. [ha/戸]. を吸収するために必要な森林地の面積である。現段階. れる建材関係の分野を選択し、単位生産額当たりの. 6. 0.08. 12.38 8.41 0.18. 2.97 木造住宅. 3.79 非木造住宅. 26.36. 0.26 6.76. 「CO2 吸収地 EFr」は、1 年間に住宅の新築、増改築、 8. 運用. 29.41. 34.91. 住宅全体. 補修時の資材製造、建設及び運用時に排出される CO2. 建設. 41.93. CO2 吸収地 EFr 資材製造. 6.74 0.77. 6.59 0.92 0.16. 0.22. 建設 6.76 0.50. 運用. 0.28. 4 2. 5.75. 5.51. 5.98. 木造住宅. 非木造住宅. 0. CO2 排出原単位データ 6)を用いて住宅分野へ投入され. 住宅全体. た製品の製造にかかる CO2 排出量を求める。建設 EFr. 図-3. 1 戸当たりの CO2 吸収地 EFr. は、建設過程での原燃料種別消費量を産業連関表の物 量表から求め、運用 EFr は、総合エネルギー統計 7)の. 4-2. 森林地 EFr と CF. エネルギー・バランス表より家庭での原燃料種別消費. 「森林地 EFr」は、1 年間に住宅の新築、増改築、補. 量を求め、単位物量当たりの発熱量、炭素排出係数を. 修等のために消費される林産物を生産するのに必要な. 乗じて CO2 排出量を求めた。最後に CO2 排出量を森林. 森林地面積を表す。国内で消費された林産物のうち、. の CO2 吸収効率で除し、CO2 吸収地 EFr を求める。CO2. 住宅分野に投入された量は、産業連関表を用いて、素. 吸収効率には、WWF により示されている世界平均値. 材については物量表より、加工品については住宅分野. 1.42[t-C/ha・年]ではなく、政府機関「地球環境保全と森. への投入率(加工品の住宅分野への販売額[円]/加工品. 林に関する懇談会」によって公表されている日本の森. の生産額又は輸入額[円])を全生産量に掛けて算出し. 林の CO2 吸収効率 1.77[t-C/ha・年]を用いた。. た。更に、産地気候区分別に木材の住宅分野への投入 量[m3]を求め、木材の産地別割合及び産地気候区分別. 図-2 に CO2 吸収地 EFr、図-3 に 1 戸当たりの CO2 吸 収地 EFr の算出結果を示す。現時点での住宅生産及び. 森林蓄積成長率(温帯:3.08、熱帯 10.50、寒帯:2.26). そこでの生活を支えるには、約7[ha]の面積が必要と. [m3/ha]で除して森林地 EFr を算出する。. いうことが分かる。図-2 においては、構造に関係なく. EF 分析では、再生可能な資源の搾取量として木材の. 建設 EFr の占める割合は小さく、CO2 吸収地 EFr のおよ. 使用量を取り上げているが、EFr 分析においてこの分. そ 8 割を運用 EFr が占めている。非木造住宅の CO2 吸. 析方法は化石・鉱物資源の使用量の多い非木造住宅に. 収地 EFr が木造住宅に比べて小さいのは、総延べ床面. とって有利に働く。また、輸入材使用量の増大から国. 積が小さく、また非木造住宅に多い集合住宅は一般的. 内林業が衰退し、森林の再整備が必要とされているこ. に木造住宅に多い戸建住宅より断熱性が良く空調負荷. と、海外での森林伐採が環境問題を引き起こしている. が抑えられるためであると考えられる。1 戸当たりの. ことを考慮し、国産材に固定された CO2 量を評価する. CO2 吸収地 EFr は、全対の EFr を資材製造・建設 EFr は. 指標 CF(carbon fix)を考案した。CF は、住宅に使用. 新設住宅戸数、運用 EFr はストック住宅戸数で除して. された国産材に固定されている CO2 量を、同量の CO2. 求めており、これは当該年に建てられた新設住宅の年. を固定するのに必要な森林地面積に置き換えた指標で. 間平均 CO2 吸収地 EFr とみなすことができる。全住戸. ある。CF は、住宅単位面積当たりの木材使用原単位(1 41-2.

(3) 年間の住宅分野における国産木材使用量[m3]/1 年間の. 4-3. 3. 新設住宅総延べ床面積[m /㎡])を炭素換算原単位(単. 生産能力阻害地 EFr. 「生産能力阻害地 EFr」は、住宅によって土地が持. 3. 位体積当たりの木材が含有する CO2 量[t-C/ m ])と炭. つ本来の生産性が阻害されている土地である。日本の. 素貯留密度(森林が一年間に固定する CO2 量[t-C/ha・. 国土面積は、約 3,778 万[ha]で、その約 20%が道路や建. 年]で除して算出した。表-3 に木材使用原単位、炭素換. 物等で占められる生産能力阻害地である。そのうち住. 算原単位、炭素貯留密度を示す。. 宅地は全体の 2.8%、107 万[ha]を占める。表-4 に日本. 図-4 に森林地 EFr 及び CF、図-5 に 1 戸当たりの森. の生物生産可能地及び生産能力阻害地を示す。生物生. 林地 EFr 及び CF を示す。図-4 より、木造住宅の森林. 産可能地の面積はその国や地域の持つ環境容量と言い. 地 EFr が住宅全体の約 80%を占めていることがわかる。. 換えることができる。. CF は住宅全体で 572 万[ha]であるのに対し、木造住宅. 表-4. 日本の土地利用状況(2000 年) 地目. が 510 万[ha]と全体の約 89% を占めており、住宅にお ける CO2 固定量の大半が木造住宅によるものであるこ. 生物生産 可能地. とがわかる。非木造住宅の CF は木造住宅の約 12%に 止まっている。また、木造住宅において CF は森林地 EFr の約 55%を占め、国産材使用による EFr 削減に貢献 している。一方、1 戸当たりの CF は、森林地 EFr に対. 生産能力 阻害地. して値が小さく、その EFr 削減効果は見られない。木 造住宅の森林地 EFr が、非木造住宅の 5.3 倍にも上る のは、木造住宅の 1 戸当たりの平均延べ床面積が、非 木造住宅に比べ約 1.8 倍と大きいことも要因として考. 農用地 森林 原野 計 水面・河川・水路 道路 宅地 住宅地 工業用地 その他の宅地 その他 計 計. 面積[万ha] 491 2,511 27 3,028 135 127 179 107 17 55 309 750 3,778. 割合[%] 13.0 66.5 0.7 80.1 3.6 3.4 4.7 2.8 0.4 1.5 8.2 19.9 100.0. 【資料】国土交通省:土地白書,2002. えられる。また、輸入材による森林地 EFr は、いずれ 5.EFr による住宅の環境負荷評価. の構造においても 7 割以上を占める。 表-3. 木材使用原単位、炭素量換算原単位及び炭素貯留密度 3. 以上の結果を合計した総合 EFr 及び住宅分野に許容. 0.19 0.26 0.10 0.25 40.22. される環境容量(以下 BCr)を図-6 に、1 戸当たりの. ※1)杜の会:杜の会からの提言書 ※2)国内森林の年間 CO2 固定量[t-C]/国内森林面積[ha] 国内森林の年間 CO2 固定量[t-C]=国内森林の年間蓄積量[m3] ×炭素量換算原単位[t-C/ m3] 林野庁:森林・林業統計,2005. BCr を 43%超過していることになる。住宅全体では、. CF. 10%の削減効果を持つ。構造別には、木造住宅 EFr が. 木材使用原単位. 住宅全体 木造住宅 非木造住宅. [m /㎡]. 炭素量換算原単位※1)[t-C/m3] [t-C/ha・年] 炭素貯留密度※2). [百万ha]. 15. 国産材. 5. 3.19. 2.59. -5.72. -5.10. 住宅全体. 木造住宅. 非木造住宅 EFr の 2.2 倍となった。図-7 を図-6 と比較. 6.44. 0. -10. 図-4. すると、住宅全体で資材製造 EFr、国産・輸入材 EFr. 2.97 3.00 0.59. 等の建材関係の割合が高くなり、運用 EFr が小さくな. -0.62. っている。木造住宅では、輸入材 EFr が全体に占める 割合が高く(52%)、非木造住宅では資材製造 EFr の割. 非木造住宅. 合がと高くなる(48%)。また、図-6 に示した BCr を. 森林地 EFr 及び CF 国産材. 20. 輸入材. ストック住宅戸数で序した 1 戸当たりの BCr は、. CF. 0.63[ha/戸]となり、1 戸当たりの EFr17.33[ha/戸]はその. 16.57. [ha/戸]. 15 10 5 0 -5. 10.56 7.98. 2.71 -0.13 住宅全体. 図-5. は除く)。その結果、BCr は 2,858 万[ha]となり、EFr は. が 19%、資材製造 EFr が 14%と続く。CF は全体の約. 3.93. 9.39. EF と総合 EFr の比で按分して求めた(海洋・淡水域 EF. 運用 EFr が最も大きく全体の約 70%を占め、輸入材 EFr. 6.86. 10. -5. 輸入材. 総合 EFr を図-7 に示す。BCr は、世界平均 BC を日本の. 28 倍となる。これは、ここで示す 1 戸当たりの EFr は、. 11.95 4.80. 5.61 4.72 0.93. -0.18 木造住宅. -0.04 非木造住宅. 住宅を新設した年の EFr を表すためであり、総合 EFr を単純にストック住宅戸数で除すと EFr は、1.1[ha/戸] となり、1 戸当たりの BCr の 1.7 倍となる。結果より、 住宅のサスティナビリティの向上には、運用、建設に 関わる負荷の削減が重要であるといえる。. 1 戸当たりの森林地 EFr 及び CF. 41-3.

(4) [ 百万ha]. 40. 28.58. 材の使用を現在の半分に抑え、国産木材で代替した場 合の EF 削減効果について検討を行った。. 森林地. 20. BCr. 建設 資材製造 CF. 住宅全体EFr. 図-6. 以上 4 つの対策についての EFr 分析の結果を図-8 に. 15.43. 農地・ 牧草地. 0. -20. 果からもその EFr 削減効果が期待できるため、輸入木. 生産能力阻害地 輸入材 国産材 運用 34.32. 49.85. 60. 示す。現状から BCr2,858 万[ha]を満たすためには、43% の EFr 削減が必要であるが、いずれの対策も 20% 削減. 木造EFr. 以内に止まっている。このことから、現在設定されて. 非木造EFr. いる省エネ対策が EF 分析においては不十分であり更. 総合 EFr 及び BCr. 50. なる対策が必要であることが示された。そこで、対策. 40. 5 として対策 1~4 を同時に行った場合について今後の. 20. 23.20. 17.33. 国産材 運用 資材製造. 建設. 10. CF. 0 -10. 生産能力阻害地 輸入材. 住宅全体EFr. 図-7. 木造EFr. 新築・改修工事の動向も予測して計算すると、住宅の長 寿命化による新築工事数の減少等の影響により 2015. 12.38. 年には 43%削減を達成する結果が得られた(図-9)。 60. 非木造EFr. 1 戸当たりの総合 EFr 及び BCr. 6.EFr による省エネ対策評価 EF 分析が従来の環境評価指標と異なるのは、BC と. −20%. −11%. 30 20. 建設 資材製造 CF. 10 0. 性を評価できる点である。ここでは現在政府により推. -10. 現状. 対策1. 60 50. 価を行う。評価対象省エネ手法としては、運用、建設. 40 [ 百万ha]. EFr 分析を行い、BCr との比較よりその効果について評. 対策2. 対策3. ※パーセンテージは、現状(対策前)との比較を示す。 −24% −25%. −33% −45% −48% −53%. 30 20. 0 -10. 家電機器については、省エネ機器の普及を目指し、 省エネラベリング制度が 2000 年に制定され、主要家電. 生産能力阻害地 輸入材 国産材 運用 建設 資材製造 CF. 10. 対策 1)機器の効率改善対策. 対策4. 省エネ対策の EFr 評価. 図-8. 進されている省エネ対策のうち以下の項目について. から、これらの負荷削減に関与するものを選択した。. −15%. 生産能力阻害地 輸入材 国産材 運用. 40. いう具体的な基準値と EF を比較することで持続可能. による EFr が総合 EFr に対して高い割合を占めること. −3%. 50 [ 百万ha]. [ha/ 戸]. 30. 2000 2000 ( 対策前). 2005. 図-9. 2010. 2015. 2020. 2025 [年]. 対策 5 の EFr 評価. 7.おわりに. 機器に対して目標年度における省エネ基準(目標値) が設定されている。ここでは、冷蔵庫、エアコン、テ. 以上、国家レベルの環境評価指標である EF から住. レビ、照明機器、温水洗浄便座が、それぞれ目標値を. 宅レベルでの分析を可能とする EFr の算出方法を考案. 達成した場合の省エネ効果について検討を行った。. し、国内の住宅の現状及び現行の省エネ対策の効果に. 対策 2)住宅の省エネ性能向上. ついて EFr による分析を行った。その結果、住宅分野. 1999 年改正された次世代省エネルギー基準は、住宅. からの負荷は、BCr の 1.7 倍に上り、現在採られている. の質の向上により、空調負荷を従来の基準から 20%削. 省エネ対策では、BCr 内に EFr を収めるには不十分であ. 減することを目標として設定されている。ここでは、. ることが示された。今後の課題として、計算対象範囲. 現在のストック住宅が全てこの基準を満たした場合の. の拡大や使用データの捕捉により計算結果の精度と明. 省エネ効果について検討を行った。 対策 3)住宅の長寿命化 日本建築学会では、京都議定書による目標達成のた めの建築分野における対策の一つとして、建築物の耐 用年数を 3 倍延伸(100 年)を目指すべきとしている。 この効果について検討を行った。 対策 4)輸入材使用量の削減 公的な目標値は設定されていないが、総合 EFr の結. 瞭性の向上が挙げられる。 【参考文献】 1) ドネラ・H・メドウズ, 他 3 名:成長の限界−ローマ・クラブ「人類の危 機」レポート−, ダイヤモンド社, 1972 2) Mathis Wackernagel, William Rees:OUR ECOLOGICAL FOOTPRINT –Reducing Human Impact on the Earth, New Society Publishers, 1995 3) 世界自然保護基金(WWF):Living Planet Report 2004, http://assets.panda.org/downloads/lpr2004.pdf 4) 国土交通省 国土計画局:自然界の物質循環への負荷の少ない社会を 目指した資源消費水準のあり方検討調査報告書, 2004 5) 総務省:平成 12 年産業連関表, (財)全国統計協会連合会, 2004 6) 日本建築学会:建物の LCA 指針,丸善,1999.11 7) 資源エネルギー庁:2000 年度総合エネルギー統計, http://www-gio.nies.go.jp/download/LULUCF-NIR-J_ver1.0.pdf, 2005.8. 41-4.

(5)

参照

関連したドキュメント

シートの入力方法について シート内の【入力例】に基づいて以下の項目について、入力してください。 ・住宅の名称 ・住宅の所在地

注文住宅の受注販売を行っており、顧客との建物請負工事契約に基づき、顧客の土地に住宅を建設し引渡し

居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について 介護保険における居宅介護住宅改修費及び居宅支援住宅改修費の支給に関しては、介護保険法

台地 洪積層、赤土が厚く堆積、一 戸建て住宅と住宅団地が多 く公園緑地にも恵まれている 低地

令和元年11月16日 区政モニター会議 北区

太陽光発電設備 ○○社製△△ 品番:×× 太陽光モジュール定格出力

・太陽光発電設備 BEI ZE に算入しない BEIに算入 ・太陽熱利用設備 BEI ZE に算入しない BEIに算入 ・コージェネレーション BEI ZE に算入

日本貿易振興会(JETRO)が 契約しているWorld Tariffを使え ば、日本に居住している方は、我