金 剛 項 経 の 漢 藏 鋤 照 上 に 於 け ろ 一 考 察 二 〇
金
醐
頂
経
の
漢
藏
野
照
上
に
於
げ
る
一
考
察(
績)
行
縄
榮
範
一 金 剛 頂 経 の 本 交 解 説 に 於 て は 從 來 慈 畳 の ﹁ 疏 ﹂ ( 七 巻 ) を 唯 一 の 根 本 疏 繹 と し て 依 用 し 曇 寂 の ﹁ 私 記 ﹂ ( + 九 巻 ) 及 び ﹁ 追 撫 ﹂ ( 五 巻 ) の 如 き は 殆 ん ご 顧 ら れ ぬ や う で あ る。 彼 の 大 正 藏 経 の 法 寳 総 目 録 一 ( 三 〇 九 頁) の 如 き は 本 経 の 疏 繹 墾 考 書 を 列 記 せ る 中 に ﹁ 私 認 ﹂ 等 を 載 録 せ 組 程 で あ る。 謂 ふ ま で も な く ﹁ 私 記 ﹂ は ﹁ 畳 疏 し の 分 科 繹 義 を 基 底 と し て ゐ る が、 其 の 鐸 相 を 槍 照 す る に 寧 ろ ﹁ 畳 疏 ﹂ の 未 了 義 を 補 修 し 密 敷 不 共 の 深 趣 を 高 潮 せ る 所 が 多 い の で あ る。 智 山 の 隆 喩 が そ の 著 ﹁ 私 記 傍 観 ﹂ に 此 れ を 批 評 し て、 疏 (畳 疏 ) は 多 く 大 日 経 疏 の 文 を 引 き て 此 れ を 繹 し、 記 主 ( 私 記 ) は 當 界 ( 金 剛 界 ) の 経 軌 を 引 き て 義 を 解 す。 と 謂 へ る 如 く ﹁ 疏 ﹂ ﹁ 記 ﹂ の 繹 相 宗 趣 大 い に 異 な る 班 が あ る。 東 密 一 家 の 敷 理 的 機 構 の 上 よ り す れ ば、 曇 寂 の ﹁ 私 記 ﹂ は 本 経 の 疏 繹 と し て 全 く 看 過 し 得 な い も の と 思 は れ る。 然 も 加 ふ る に ﹁ 畳 疏 ﹂ は 本 経 の 三 憲 の 中 に 於 て 入 坦 儀 則 を 説 け る 下 巻 は 繹 義 を 出 さ ず し て、 ﹁ 傳 法 聖 者 心 裏 記 録 是 故 且 止 也 ﹂ と 説 く に 封 して、 私 記 ( 一 六・ 初 丁 ) は 此 れ を 難 じ て、 吾 が 大 師 三 業 を 建 立 し 以 つ て 學 す べ き を 示 す、 云 何 ん が 遮 せ ん や。 ( 申 署 ) 是 を 以 つ て 一 行 疏 圭 は 三 藏 の 口 訣 を 受 け て 眞 言 の 句 義 及 び 深 秘 の 意 趣 を 述 ぶ。 若 し 夫 れ 疏 主 に し て 此 の 暴 有 る こ と な く ん ば、 千 歳 の 末 徒 何 に 線 つ て か 秘 密 甚 深 の 奥 旨 を 了 知 す る こ と を 得 ん 乎。 余 不 敏 な り と 錐 も 且 ら く 句 讃 を 分 ち 以 つ て 同 門 に 示 す。 誰 れ か 穿 器 せ ん 乎。 と 遽 懐 し て 縷 々 騨 義 を 試 み 陀 る 黙 等 は 特 に 留 意 す べ く、 恐 ら く ﹁ 三 懇 敷 王 維 ﹂ の 完 全 な る 疏 繹 と し て 此 の ﹁ 私 記 ﹂ を 第 一 に 爆 げ な け れ ば な ら な い。 然 し 此 等 の 疏 騨 は 唐 宋 爾 繹 若 く は 同 本 異 謬 等 を、 詳 細 に 封 照 検 索 し て ゐ る が、 凡 て が 漢 課 纏 典 の み を 底 本 と し て の 立 傷 で あ る か ら、 此 の 上 に 西 藏 課 を 封 照 し 更 に 鐸 友 (Qudkfete) の﹁ 疏 ﹂ ・ 慶 喜 藏 (Adythgsf) の ﹁ 繹﹂ 等 を 検 討 す る 學 的 嚴 密 さ を 要 請 さ れ る の で あ る。 私 は 本 経 の 本 文 解 説 に 於 い て そ の 繹 相 配 繹 に 封 す る 二 三 の 疑 義 の 中 特 に 序 説 段 に 於 け る 別 序 に 就 て 少 し く 考 察 し て み や う。 實 の 所 別 序 は 甚 し く 難 解 に し て 殆 ん ざ 密 號 名 字 の 秘 趣 で あ る。 濁 り 敢 へ て 圓 珍 の ﹁ 些 々 疑 文 ﹂ に 甚 難 會 の 歎 聲 を 登 せ し む る の み で は な か ら う。 就 中 そ の 無 始 無 終 寂 以 下 の 入 偶 に 五 佛 ・ 四 波 ・ 入 供。 四 揚 ・ 賢 劫 十 六 奪 等 を 配 繹 せ る 玄 義 秘 奥 の 如 き に 至 つ て は 全 く 領 解 に 苦 し む 所 で あ る。 以 下 溺 序 の 中 特 に 偶 頚 を 中 心 と し て 漢 藏 勤 照 上 に 於 て 各 疏 繹 を 墾 酌 し つ ゝ 本 経 の 原 本 的 意 圖 を 窺 知 せ 金 剛 頂 経 の 漢 藏 勤 照 上 に 於 け ろ 一 考 察 一二
金 剛 頂 経 の 漢 藏 勤 照 上 に 於 け る 一 考 察 二 二 ん と 試 み 陀 の で あ る。 二 さ て ﹁ 豊 疏 ﹂ ( 一 末。 九 ) ﹁ 私 記 ﹂ (四。 二 八 ) 等 に よ れ ば 本 経 の 序 分 を 逓 別 二 序 に 分 科 す。 経 の 初 め 如 是 我 聞 よ り 如 是 等 菩 薩 摩 詞 薩 而 爲 上 首 ま で の 一 段 を 通 序 と な し、 次 下 諸 勝 宮 自 在 ま で を 別 序 と な す の で あ る 一 龍 此 の 序 分 に 於 け る 通 別 二 序 の 分 科 的 繹 相 は 何 人 に 依 つ て 創 説 さ れ 陀 か は 明 瞭 で は な い が、 僧 肇 ( 三 八 四-四 一 四 ) の 註 維 摩 詰 維 (大 正 藏・ 三 八・ 三 八 五 ) 等 に は 未 だ 此 の 繹 相 を 見 出 し 得 な い。 然 し 梁 の 寳 亮 ( 五 〇 九 頃 ) 等 の 十 大 法 師 の 撰 集 せ る ﹁ 大 般 浬 繋 経 集 解 第 二 ﹂ (大 正 藏. 三 七。 三 八 三 ) に は 既 に 二 序 有 り 一 に 現 序 と 日 ふ。 亦 別 序 と 日 ふ。 二 に 未 來 序 亦 淀 通 序 と 日 ふ。 放 光 等 の 瑞 の。 如 く 時 に 當 り て 由 致 と な る が 故 に 名 づ け て 現 序 と な す。 余 経 に 不 同 の 故 に 別 序 と 名 つ く、 経 に 皆 な 此 有 る が 故 に 通 序 と 名 つ く る な り。 と 明 騨 さ れ て ゐ る。 慧 遠 (五 一 丁 五 九 二 ) の ﹁ 無 量 壽 経 義 疏 し (大 正 藏。 三 七. 九 二 ) ﹁ 大 般 浬 繋 経 義 記 第 一 ﹂ (大・ 三 七 六 嚇 四 ) 等 に は 謹 信 ・ 登 起 の 二 序 に 分 別 し 當 相 ・ 就 人 ・ 就 時 ・ 封 経 の 四 封 舜 別 を 具 繹 し て ゐ る が、 更 に 智 顎 ( 五 三 八一 五 九 七 ) の ﹁ 法 華 文 句 ﹂ 尖。 三 四。 三 ) ﹁ 維 摩 経 略 疏 第 一 ﹂ (大 ・三 八 ・五 六 三 )等 に 至 れ ば 此 等 の 繹 相 は 一 層 明 瞭 と な つ て ゐ る。 特 に 吉 藏 ( 五 四 九一六 二 三 ) の ﹁ 金 光 明 経 疏 ﹂ (大 ・ 三 九 二 六 〇 )﹁ 勝 髭 寳 窟 巻 上 本 ﹂ ( 大 ・ 三 七 ・六 ) 等 に 於 て は、 整 然 と 燈 系 づ け ら る ゝ に 至 つ 陀 や う で あ る。 今 吉 藏 の 勝 髭 寳 窟 憲 上 本 (大 ・ 三 七 ・七 ) に よ れ ば
一 從 義 立 名、 謂 通 序 別 序。 衆 経 大 同 故 名 通 序。 襲 起 事 別 構 爲 別 序。 二 從 時 作 名、 謂 経 前 序 経 後 序。 別 序 謂 経 前 序。 通 序 謂 経 後 序。 三 從 人 作 名、 即 如 來 序 阿 難 序。 如 來 説 純 阿 難 傳 経。 四 從 義 意 作 名、 謂 謹 信 序 登 起 序。 と 委 繹 し て ゐ る の で あ る。 蓋 し ﹁ 畳 疏 ﹂ ( 一 末・ 九 ) に 於 け る 金 剛 頂 経 の 通 別 二 序 の 繹 相 は 智 者 大 師 の 法 華 文 句 ( 大・ 三 四・ 三 ) 湛 然 の 交 句 記 (大・ 三 四 ・ 二 五 二 )等 を 依 用 し て、 諸 経 に 遍 す る が 故 に 通 序 と な し、 一 維 に 於 て 別 な る が 故 に 別 序 と な す。 と 逓 繹 し 更 に 文。 義 の 通 局 を 説 き て 通 別 封 ・ 謹 登 樹 ・ 前 後 封 ・師 資 封 ・ 現 未 封 の 五 封 分 別 を 非 難 し て あ る。 然 る に ﹁ 私 記 ﹂ (四・ 二 八 ) は 却 つ て 吉 藏 の 勝 髭 寳 窟 懇 上 本 に 説 け る 四 封 分 別 を 引 用 し て ゐ る の で あ る。 然 し 第 二 の 從 人 作 名 の 一 樹 を 修 正 し て ﹁ 大 日 序 金 剛 手 序。 大 日 説 経 金 剛 手 傳 経 ﹂ と 密 典 不 共 の 相 承 義 を 繹 し て あ る。 此 の ﹁ 私 記 ﹂ の 意 趣 に よ れ ば 通 序 は 人 ・ 時 ・義 等 の 義 邊より 夫 々 金 剛 手 序・ 経 後 序・ 謹 信 序と 呼 ば れ る。 別 序 は 又 大 口 序 ・ 経 前 序 ・ 登 起 序 と も 稽 さ れ る の で あ る。 此 の 中 特 に 金 剛 手 序 (通 序 ) と 大 口 序 (別 序 ) と の 繹 相 は 彼 の 慶 喜 藏 の ﹁ 繹 ﹂ (北・ 五 二 國 ・上 三 六 葉 以 下 )等 に 於 て、 麺 序 を 色 身 毘 盧 遮 那 の 所 説 と な し 刎 序 を 智 身 大 毘 盧 遮 那 の 所 談 と 分 別 せ る 意 趣 と 封 比 し て 興 味 あ る 關 係 が 潜 ん で ゐ る と 思 は れ る。 命 剛 頂 経 の 漢 藏 封 照 上 に 於 け る 一 考 察 二 三
金 剛 頂 維 の 漢 藏 欝 照 上 に 於 げ る 一 馨 察 二 四 上 來 通 別 二 序 の 繹 相 に 就 い て 一 瞥 し 陀 が、 要 す る に 本 維 の 逓 序 は 諸 経 の 一 般 的 序 説 形 式 と し て の 傳 緯 謹 信 を 述 べ 陀 る 五 成 就 で あ る。 勿 論 ﹁ 畳 疏 ﹂ ( 一・ 末・ 一 〇 ) に 説 け る 如 く 如 是 我 聞 等 の 文 は 諸 維 に 通 す る も 難 趣 は 刷 で あ る。 此 の 通 序 は 不 塞 繹 の ﹁ 理 趣 経 ﹂ と 殆 ん ざ 同 形 式 で あ る が、 此 爾 者 の 成 立 的 關 係 は 栂 尾 敢 授 の ﹁ 理 趣 経 の 研 究 ﹂ (七 八 ) に 考 謹 さ れ た る 如 く、 ﹁ 般 若 理 趣 分 ﹂ 等 の 登 展 形 式 と 見 る べ き で あ ら う 然 し 別 序 に 至 り て は 諸 大 乗 経 典 濁 自 の 現 瑞 を 示 現 せ る こ と 彼 の 放 光 動 地 微 笑 入 灘 遣 書 乞 食 献 蓋 殺 父 等 の 如 く 各 維 不 同 の 故 に 別 序 の 稽 あ る べ く、 本 経 の 別 序 は 正 し く 大 毘 盧 遮 那 自 謹 内 景 の 紳 愛 現 瑞 の 種 々 相 を 宣 説 せ る に 外 な ら な い。 さ て 本 経 に 於 け る 別 序 の 舜 科 的 繹 義 を 見 る に、 ﹁ 畳 疏 ﹂ ﹁ 私 記 ﹂ 等 は 前 蓮 の 如 く 輿 恒 河 沙 等 数 如 來 等 よ り 偶 碩 の 終 り 諸 勝 宮 自 在 ま で を 別 序 と な し、 初 め に 化 佛 現 瑞 相 を 説 き 次 に 時 婆 伽 梵 以 下 は 大 毘 盧 遮 那 の 現 瑞 相 を 説 く、 此 の 中 内 謹 徳 よ り 法 界 用 を 起 す 現 瑞 を 明 す に 長 行 と 掲 頚 と が あ る。 此 の 一 切 如 來 互 相 渉 入 以 下 一 切 如 來 身 口 心 金 剛 印 智 の 長 行 の 中 に 於 い て 四 波 羅 蜜、 十 六 大 薯 薩 出 生 の 二 段 を 労 科 し、 普 賢 妙 不 塞 以 下 の 偶 を 十 六 大 菩 薩 ・ 五 佛 ・ 四 波 羅 蜜 ・ 入 供 養 ・ 四 撮・ 賢 劫 十 六 愈。 不 退 衆 ・ 諸 佛 頂 ・ 諸 執 金 剛・ 小 聖 衆 ・ 諸 明 王 ・ 諸 世 天 衆 ・ の 十 一 分 科 を 出 し、 ﹁ 壁 疏 ﹂ ( 二・ 二 ) ﹁ 私 記 ﹂ ( 六・ 初 ) は 夫 々 其 繹 し て ゐ る が そ の 間 に 多 少 繹 義 配 繹 を 異 に し て ゐ る。 更 に 又 繹 友 の ﹁ 疏 ﹂ 及 び 慶 喜 藏 の ﹁ 繹 ﹂ に 封 比 す れ ば、 そ の 分 科 的 繹 義 は 甚 だ 相 異 し て ゐ る や う で あ る 先 づ そ の 舜 科 に 於 て ﹁ 唐 諜 ﹂ の 時 婆 伽 梵 大 毘 盧 遮 那 如 來 常 佳 よ り 婆 伽 梵 大 菩 提 心 普 賢 大 菩 薩 佳 一 切 如 京
に 至 る ま で に 相 當 せ る 一 段 を 別 序 と な す の で あ る。 慶 喜 藏 の ﹁ 繹 ﹂ ( 北・ 五 二 國・ 上 三 六 葉 以 下 ) に よ れ ば、 先 づ 大 昆 盧 遮 那 と 毘 盧 遮 那 と の 匠 別 を 説 き て 智 法 身 大 毘 盧 遮 那 の 自 性 を 明 す。 次 に 一 切 如 來 互 相 渉 入 以 下 に 相 當 す る 一 段 (デ・ 多・ 二 下 ) は 大 毘 盧 遮 那 如 來 が 金 剛 部 ・ 寳 部 ・ 蓮 花 部 ・ 錫 磨 部 の 四 部 四 波 羅 蜜 の 能 生 根 源 な る こ と、 又 四 佛 の 自 性 に 於 い て 各 々 の 四 親 近 を 出 生 す る こ と を 明 す。 此 の 中 に 於 て ﹁ 一 切 如 來 大 菩 提 薩 唾 ﹂ 以 下 の 一 段 は 心 眞 言 の 上 よ り 十 六 大 菩 薩 の 自 性 を 明 し、 ﹁ 普 賢 妙 不 塞 ﹂ 以 下 の 一 段 は 心 眞 言 を 本 と し て 示 現 せ る 曾 形 の 開 展 を 朋 し、 ﹁ 金 剛 鉤 箭 喜 ﹂ 以 下 は 三 瞭 耶 に よ る 十 六 大 菩 薩 の 身 秘 密 を 明 す の で あ る Q 次 に 無 始 無 終 寂 以 下 は 法 界 の 良 性 と し て の 大 毘 盧 遮 那 を 説 く の で あ る と 繹 さ れ て ゐ る。 此 等 各 疏 繹 の 異 義 を 一 々 封 照 考 察 す る の 煩 を 省 く こ と に す る が、 極 め て 概 括 的 に 謂 へ ば ﹁ 畳 疏 ﹂ と ﹁ 私 説 ﹂ と の 別 序 に 於 け る 分 科 配 繹 は 四 波 出 生 ・掲 碩 の 繹 相 等 の 問 に 多 少 の 墾 差 を 認 め 得 る も、 西 藏 謬 の 羅 友。 慶 喜 藏 の 疏 繹 に 封 比 す る に 至 り て は、 そ の 間 又 甚 だ 相 異 せ る 所 が 見 出 さ れ る。 特 に 偶 頗 の 無 始 無 終 寂 蹴 下 の 繹 相 の 如 き は 全 然 趣 を 異 に し て ゐ る の で あ る、 實 の 所 ﹁ 畳 疏 ﹂ ( 二 ・ 二 八 ) も 此 の 掲 頚 に 樹 し て 此 等 の 掲 頬 の 文 略 に し て 意 幽 か な り、 聖 旨 多 含 な り 一 階 の 解 繹 を 用 ふ る 能 は す、 今 一 端 を 以 つ て 且 ら く 文 を 解 繹 す 庶 く ば 後 賢 之 れ を 照 せ。 と 逓 懐 せ ら れ て あ る 如 く、 此 の ﹁ 唐 謬 ﹂ の 偶 頗 は 極 め て 簡 潔 難 解 で あ る。 ﹁ 私 記 ﹂ は 幸 に ﹁ 宋 諜 ﹂ を 封 照 し て 蔓 疏 ﹂ の 未 艦 義 を 聯 か 補 修 し 得 た る 親 が あ る け れ こ も、 更 に ﹁ 西 藏 諜 ﹂ と そ の ﹁ 疏 繹 ﹂ と の 槍 索 封 照 に 金 剛 頂 経 の 漢 藏 劉 照 上 に 於 け ろ 一 考 察 二 五
金 剛 頂 経 の 漢 藏 封 照 上 に 於 け ろ 一 考 察 二 六 於 て 尚 幾 多 の 疑 義 が 見 出 さ れ の も 又 止 を 得 な い 所 で あ る。 三 先 づ 普 賢 妙 不 塞 以 下 蓮 劔 妙 輪 語 ま で の 三 頚 に 就 て ﹁ 唐 謬 ﹂ ﹁ 宋 課 ﹂ ﹁ 西 藏 謬 ﹂ の 三 課 を 封 照 し て 見 や う。 (西 藏 鐸 ) ( 唐 鐸 ) (宋 諜 )
1.
普
賢
妙
不
塞
金
剛
薩
唾
普
賢
奪
妙
不
塞
王
金
剛
王
摩
羅
極
喜
王
摩
羅
謂
即
金
剛
愛
金
剛
善
哉
極
喜
王
虚
藏
大
妙
光
聖
虚
塞
藏
金
剛
寳
大
妙
光
日
金
剛
光
寳
瞳
大
微
笑
妙
寳
瞳
郎
金
剛
瞳
大
喜
笑
謂
金
剛
笑
2.
能
観
大
自
在
能
観
自
在
金
剛
法
曼
殊
一
切
壇
妙
吉
鮮
智
金
剛
利
諸
曼
茶
羅
金
剛
因
無
鋤言
種
々
業
無
鋤言
即
是
金
剛
翫
陶
種
々
事
策
金
剛
業
精
進
怒
堅
持
精
進
甲
冑
金
剛
護
猛
悪
呑
畷
金
剛
牙
堅
固
執
持
金
剛
拳
3.
金
剛
鉤
箭
喜
標
幟
金
剛
鉤
箭
喜
寳
日
瞳
旛
笑
寳
日
瞳
旗
及
大
笑
Pad m。 ral gri hkh。r l。 蓮 劔 妙 輪 語 蓮 花 劔 井 妙 輪 語
Las darn g。 cha hji gs bueyd
掲 磨 甲 怖 持 錫 磨 甲 冑 怖 堅 持 ( デ ・版 ・三 下 ・北 ・版 ・ 三 上 ) ( 大 正 藏 写 一 八 ・ 二 〇 七 ) ( 大 正 藏 ・ 一 八 ・ 三 四 一 ) 此 の 如 く 三 繹 饗 照 に 於 て ﹁ 西 藏 澤 ﹂ と ﹁ 唐 繹 ﹂ と は 大 同 で あ る。 ﹁ 宋 繹 ﹂ は そ の 句 歎 に 於 て 甚 し く 多 く な り そ の 句 義 も 冗 長 註 繹 的 で 藏 唐 爾 繹 と そ め 趣 を 異 に し て ゐ る。 然 し そ の 表 現 せ る 全 禮 的 意 義 は 同 巧 異 曲 で あ る。 ﹁ 畳 疏 ﹂( 二・ 二 九 ) ﹁ 私 記 ﹂( 六・一 七) 等 に よ れ ば、 普 賢 妙 不 塞 以 下 の 入 句 二 頚 は 錫 磨 の 十 六 大 菩 薩 に 配 鐸 さ れ、 金 剛 鉤 箭 喜 以 下 の 一 頭 は 三 昧 耶 の 十 六 大 菩 薩 若 く は そ の 異 名 に 配 繹 さ れ る。 繹 友 の ﹁ 疏 ﹂ ( 北・ 五 〇・ 一 四 上 ) も 亦 此 の 繹 義 と 大 同 に し て、 先 づ 初 め の 八 句 二 頚 を 繹 し て 次 に 心 眞 言 が 形 像 を 示 現 す る こ と の ゝ み に 於 て は 不 充 分 な れ ば、 薩 堰 の 形 像 を 示 現 し て 諸 多 の 経 文 に 由 つ て 敢 示 せ ん が 爲 に、 普 賢 妙 不 塞 等 を 以 て 説 く の で あ る。 と 解 説 し、 金 剛 箭 以 下 の 一 頚 は 三 昧 耶 に 由 つ て 十 六 大 菩 薩 の 身 秘 密 を 説 く の で あ る と 繹 さ れ て あ る。 要 す ろ に 此 の 一 段 は 十 六 大 菩 薩 の 曾 形 を 説 き 或 は 三 昧 耶 を 或 は 錫 磨 事 業 を 結 頚 し て ゐ る の で あ る。 ﹁ 私 記 ﹂ ( 六・ 一 七 ) が 大 三 法 錫 の 四 曼 を 具 す る 秘 義 に 繹 せ る 如 き は 確 に 肯 首 に 値 す る で あ ら う。 さ も あ れ 此 等 の 掲 頚 に 於 け る 配 繹 の 要 義 は 各 疏 繹 の 大 途 一 致 す る 所 禽 且 つ ﹁ 宋 澤 ﹂ を 仔 細 に 劉 照 せ ば 一 暦 明 瞭 に し て 敢 へ て 穿 墾 の 要 を 持 陀 ぬ が、 唯 だ 普 賢 を 以 つ て 金 剛 薩 唾 に 配 鐸 せ る 理 趣 に 就 て は、 本 維 金 剛 頂 経 の 漢 藏 到 照 上 に 於 け る 一 考 察 二 七
金 鰯 頂 纏 の 漢 藏 劉 照 上 に 於 け ろ 一 考 察 二 八 の 敷 理。 禮 系 と し て 一 瞥 の 要 が あ る。 繹 友 の ﹁ 疏 し ( 北・ 五 〇・ 一 四 上 ) に よ れ ば、 ﹁ 普 賢 は 諸 薩 睡 の 第 一 に し て 貧 瞑 痴 を 行 す る 諸 有 情 に 貧 瞑 痴 を 行 す る こ と を 敷 示 し な が ら も、 そ の 性 は 全 く 清 浮 に し て 遍 く 善 性 な る が 故 に 妙 善 と 云 ふ の で あ る ﹂ と 説 開 さ れ る。 勿 論 普 賢 菩 薩 が 役 の 華 嚴 経 ﹁ 普 賢 行 願 品 し 等 に 至 る ま で の 敷 理 思 想 史 的 開 展 に 於 て は 既 に 加 藤 精 紳 氏 が 大 正 大 學 々 報 ・ (六・ 七 號・ 一 七 七 ) 中 外 日 報 等 に 論 謹 せ ら れ し 如 く 目 蓮 の 理 想 化 で あ る や 否 や は 暫 く 措 く も、 本 纒 に 於 け る 普 賢 菩 薩 は 懸 化 繹 蓬 佛 の 化 幻 で あ る 〇 一 切 義 成 就 菩 薩 の 形 相 と な り て 衆 生 本 具 の 五 智 の 光 明 を 自 謹 せ ん が 淀 め に、 密 佛 の 驚 畳 を 蒙 り て 入 密 修 行 し、 普 賢 の 心 相 に 住 し 五 相 喩 伽 五 部 の 秘 密 灌 頂 を 受 け 本 法 身 よ り 五 智 杵 を 得 て 此 露 に 金 剛 手 ・ 金 剛 薩 唾 ・ 金 剛 界 如 來 等 と 繕 せ ら る ゝ の で あ る。 此 に 從 へ ば 同 一 膿 の 上 に 於 け る 始 終 因 果 の 別 が あ る。 更 に ﹁ 三 十 七 尊 心 要 ﹂ (大 正 藏 ・ 一 八 ・ 二 九 二 ) に よ れ ば 想 五 智 金 剛 杵 光 明 照 徹、 即 易 杵 爲 金 剛 薩 唾、 即 普 賢 菩 薩 之 異 名 也 と 説 き、 又 ﹁ 三 十 憲 敷 王 経 第 九 巻 (大・ 一 八・ 三 七 一 ) に は、 其 徳 普 賢 金 剛 手 菩 薩 塵 訂 薩 と 重 名 に 出 す。 ﹁ 綾 宗 義 決 澤 集 第 十 懇 ﹂ ( 七 丁 ) に は 普 賢 金 剛 薩 唾 同 盤 異 名 之 事 の 論 題 が あ る が、 私 に 披 讃 す る に 決 繹 を 見 出 し 得 な い。 蓋 し ﹁ 大 日 経 ﹂ は 普 賢 金 剛 薩 唾 を 内 大 二 春 屍 の 上 首 と し て 各 別 で あ る。 本 纒 は 始 終 の 上 の 同 禮 で あ る。 此 の 論 期 を 按 す る に 三 昧 耶 に 観 察 黙 を 置 け ば 各 別 と な す べ く、 人 膿 の 上 に 就 か ば 一 禮 の 秘
趣 と 分 別 す べ き で あ ら う。 へ も 次 に 妙 不 塞 を 金 剛 王 に 摩 羅 を 金 剛 愛 に 以 下 夫 々 配 繹 す る 一 々 の 繹 義 は 省 略 す る。 但 し ﹁ 宋 澤 ﹂ に 標 幟 金 剛 鉤 箭 喜 と 澤 出 せ る 標 幟 の 二 字 は 藏 唐 爾 澤 に は な い が、 此 の 一 頚 は 正 し く 標 幟 を 説 け る 説 段 で あ る こ と が 知 ら れ る。 又 唐 宋 爾 繹 の ﹁ 喜 ﹂ に 當 る 藏 課 はgshu( 弓) と な つ て ゐ る が 繹 友 の ﹁ 疏 ﹂ (北。 五 〇・ 下 一 五 ) に よ れ ばmgu ( 喜 ) の 誤 り で あ ら う。 次 に 無 始 無 終 寂 以 下 の 十 一 頚 の 吟 昧 が 本 論 文 の 主 題 な の で あ る。 大 毘 盧 遮 那 の 自 性 宇 宙 に 遍 満 し 法 界 に 森 羅 陀 る 理 趣 を 象 徴 的 に 表 現 結 頚 せ る が 故 に、 配 繹 の 料 簡 も 亦 多 端 で あ る。 ﹁ 畳 疏 ﹂ ﹁ 私 記 ﹂ の 配 繹 は 精 微 を 極 め て ゐ る が、 果 し て 本 経 の 原 本 的 意 匠 を 開 顯 し 得 陀 る か、 結 論 的 に 謂 ふ な ら ば そ の 配 繹 は 強 て 曼 茶 羅 聖 衆 の 騰 系 的 構 想 を 豫 期 し た る 鐸 意 を 強 牽 附 會 し た る 観 な き か、 ﹁ 畳 疏 ﹂ ( 二。 二 八 ) に よ れ ば 明 二 互 相 渉 入 諸 聖 尊 衆 一者 君 以 二 塵 貼 一名 二 不 可 知 一恒 沙 海 諦 焉 可 レ 得 レ 救。 故 畢 二 切 要 一以 示 二 其 名 一要 亦 数 繁 Q 故 結 集 家 作 レ 頗 結 レ 名 訳 云 と 説 明 し て ゐ る が、 此 の 八 頬 を 以 つ て 勝 謂 金 剛 界 三 十 七 尊 を 始 め 賢 劫 十 六 尊 に 配 騨 し、 更 に 諸 佛 頂 ・ 諸 執 金 剛・ 諸 小 聖 ・ 諸 明 王・ 諸 世 天 等 各 部 の 代 表 者 二 三 聖 を 列 次 配 繹 し て 互 相 渉 入 の 深 趣 を 説 示 す と な す が 如 き、 更 に 四 句 一 頚 淀 る べ き 結 頚 構 文 の 意 匠 を 全 然 顧 慮 す る こ と な く 一 字 一 句 随 意 随 所 に 分 科 し 配 繹 せ る 如 き 然 も 此 の 密 號 名 字 の 如 き 配 繹 が 何 れ の 経 軌 に 依 る や 全 く 不 明 に し て 恐 ら く 濁 断 的 繹 相 に 金 剛 頂 経 の 漢 藏 封 照 上 に 於 け る 一 考 察 二 九
金 剛 頂 経 の 漢 藏 勤 照 上 に 於 け る 一 馨 察 三 〇 似 陀 る が 如 き、 幾 多 の 疑 義 を 見 出 す の で あ る。 此 等 具 禮 的 一 々 の 當 否 を 吟 味 す る 陀 め に 先 づ 藏 唐 宋 三 鐸 を 封 照 し て 見 や う。 (西 藏 課 ) (唐 澤 ) ( 宋 課 )
1.
無
始
無
終
寂
無
始
無
終
常
寂
静
暴
怒
大
安
忍
暴
悪
葱
怒
大
安
忽
藥
叉
羅
刹
勇
夜
又
羅
刹
善
無
畏
威
猛
大
富
貴
威
勢
猛
悪
大
富
盛
2.
郁
摩
天
世
圭
烏
摩
天
圭
挿
世
主
既
紐
勝
大
寂
堅
固
勝
根
大
寂
獣
世
護
虚
塞
地
護
世
室
居
與
地
居
三
世
及
三
界
三
世
及
彼
三
界
等
3.
大
種
善
入
盆
大
種
善
作
衆
生
盆
諸
設
囎
租
父
一
切
設
聴
宗
租
等
流
轄
浬
薬
常
生
死
浬
葉
常
如
是
正
流
韓
大
大
正
所
流
轄
大
復
大
4.
昼
清
浮
大
乗
畳
性
清
浮
大
乗
法
三
有
常
恒
者
於
三
有
中
常
利
盆
降
三
世
食
樂
彼
降
三
世
寂
静
生
圭
宰
諸
能
調
寂
静
生
圭
能
調
伏
5.
堅
圭
妙
地
勝
堅
固
主
宰
妙
勝
地
智
彼
岸
理
趣
大
智
波
羅
蜜
多
法
解
脱
畳
有
情
一
切
菩
薩
解
脱
門
行
一
切
如
來
一
切
如
來
諸
勝
行
6.
畳
利
盆
佛
心
正
畳
善
利
諸
佛
心
諸
菩
提
無
上
一
切
菩
提
無
有
上
偏
照
最
勝
王
既
盧
遮
那
最
勝
尊
自
然
総
持
念
自
然
総
持
諸
正
念
7.
大
薩
唾
大
印
摩
訂
薩
唾
大
智
印
等
持
佛
作
業
三
摩
地
生
佛
事
業
一
切
佛
爲
身
成
就
一
切
諸
佛
身
金
剛
頂
経
の
漢
藏
封
照
上
に
於
け
る
一
考
察
三
一
金 剛 頂 経 の 漢 藏 封 照 上 に 於 け る 一 考 察 三 二 薩 唾 常 益 畳 畳 悟 衆 生 常 利 釜 8. 大 根 本 大 黒 役 大 根 本 即 大 黒 大 染 欲 大 樂 而 大 貧 染 爲 大 樂 大 方 便 大 勝 諸 大 方 便 大 勝 上 諸 勝 宮 自 在 一 切 勝 宮 大 自 在 (デ ・版 ・三 上 一 三 下 ・北 ・版 ・ 三 上 一 三 下 ) (大 正 藏 ・ 一 八 ・ 二 〇 七 ) ( 大 ・ 一 八・ 三 四 一 ) 是 の 如 く 三 謬 を 封 照 す る に 西 藏 諜 と 唐 課 と は 全 膿 的 に 偶 頚 の 字 数 ・ 句 調 な ご 殆 ん ざ 一 致 し て ゐ る。 宋 課 は 七 字 一 句 に 課 出 さ れ て 冗 長 の 概 め る も 表 現 の 句 義 は 一 層 朋 瞭 に し て 爾 諜 と 大 同 で あ る。 二 三 そ の 特 異 黙 を 指 摘 す れ ば、 唐 課 の 既 紐 勝 大 寂 に 相 當 す る 藏 課 は ﹁ 既 紐 と 王 欲 と 大 寂 ﹂ と 謬 出 さ れ る が、 宋 澤 は 堅 固 勝 根 大 寂 獣 と な つ て 眺 紐 (Ving) の 語 の 代 り に 堅 固 と 謬 出 さ れ て ゐ る。 又 唐 澤 に 郎 摩 天 世 主 と 出 し 宋 謬 に 烏 摩 天 主 鉾 世 主 と な つ て ゐ る が、 藏 課 で は ﹁ 郎 摩 (Urada) の 主 と 九 生 の 尊 と ﹂ と 鐸 出 さ れ て あ る。 又 唐 謬 に 降 三 世 食 樂、 主 宰 諸 能 調 と な す に 封 し て 藏 繹 は つ 降 三 世 と 食 樂 者 (Qdnifsse) 食 樂 主 と 能 調 伏 者 ﹂ と 繹 出 き れ て ゐ る か ら 唐 諜 の 食 樂 ・ 圭 宰 は 食 樂 者 と 食 樂 主 宰 と の 義 を 省 略 し 陀 と 見 な け れ ば な ら 沁。 宋 誰 は 食 樂 に 當 る 句 を ﹁ 寂 静 生 ﹂ と 鐸 出 し 主 宰 に 當 る 句 を ﹁ 寂 静 生 主 ﹂ と な せ る 例 示 に よ つ て 明 か で あ る。
又 唐 繹 の 編 照 最 勝 王 は 宋 澤 に 眺 盧 遮 那 最 勝 奪 と な つ て ゐ る が 藏 繹 に よ れ ば 明 か に ﹁ 眺 盧 遮 那 最 勝 の 圭 ﹂ と 課 出 さ れ る か ら、 唐 澤 の 編 照 はViningdsr の 繹 な る こ と は 謂 ふ ま で も な い。 此 の 外 個 々 の 小 異 は 暫 く 省 く こ と に す る も、 三 謬 封 照 の 結 果 よ り 一 語 若 く は 一 句 の 句 黙 に 於 て 多 少 の 相 異 を 認 む る の で あ る。 ﹁ 豊 疏 ﹂ と 私 記 と の 間 に 於 て さ へ 既 に 墾 差 が あ る。 更 に 繹 友 ・慶 喜 藏 の ﹁ 疏 繹 ﹂ と 封 比 す る に 至 つ て 甚 し き 句 義 の 相 異 を 見 出 す の で あ る。 以 下 具 腱 的 に 考 謹 を 試 み や う。 四 ﹁ 畳 疏 ﹂ ( 二・ 二 八 ) ﹁ 私 記 ﹂ (六・ 一 九 ) に よ れ ば ﹁ 無 始 無 終 寂 ・ 暴 怒 大 安 忍 ・藥 叉 ﹂ の 二 句 二 字 を 五 分 科 し て 家 の 如 く 大 口 ・ 阿 閤 ・寳 生 ・ 彌 陀 ・ 不 塞 の 五 佛 に 配 繹 し な が ら も、 既 に 畳 疏 ( 二・ 二 八 ) は 疑 問 を 提 出 し て 問 先 置 二諸 佛 一後 列 二 菩 薩 一楚 常 取 レ 宜 何 故 今 不 レ 爾 耶 と、 前 に 十 六 大 菩 薩 の 三 昧 耶 等 に 住 せ る を 説 き 此 腱 に 至 り て 又 五 佛 を 説 く は 如 何 な る 理 趣 な る や の 問 に 封 し て 答 爲 レ 欲 レ 顯 二 示 互 相 渉 入 無 有 次 第 一故 爲 レ 爾 也 と 互 相 渉 入 の 秘 趣 を 以 て 會 鐸 し て あ る。 然 る に ﹁ 私 記 ﹂ (六・ 一 六 ) は 此 疑 問 に 封 し て 別 解 を 試 み て 説 か く 今 按 上 長 行 中 明 二 十 六 聖 故 随 二 其 文 便一 先 明 二十 六 尊 一其 余 五 佛 以 下 皆 有 次 第、 何 云 二 不 次 一疏 繹 難 レ 依。 と 難 じ て 十 六 大 菩 薩 の 次 に 五 佛 等 を 出 す は 互 相 渉 入 の 義 に 非 す し て、 此 れ は 十 六 大 菩 薩 が 大 三 法 朔 の 金 剛 頂 経 の 漢 藏 封 照 上 に 於 け る 一 考 察 三 三
金 剛 頂 経 の 漢 藏 封 照 上 に 於 け る 一 考 察 三 四 四 曼 に 就 て 具 説 せ る が 爲 の 文 便 随 繹 で あ る か ら、 此 威 に 五 佛 等 を 配 次 せ る 理 趣 に 於 て 何 等 不 次 の 失 は な い と 主 張 さ れ る。 慶 喜 藏 の ﹁ 繹 ﹂ ( 北・ 版・ 五 二・ 下 一 四 ) に よ れ ば、
Hhog ma chos la nfefe ba soges psa ston to
( 無 始 無 絡 寂 と 謂 ふ 等 々 以 つ て 指 示 す る こ と は ( 大 毘 慮 遮 那 が ) 法 界 等 の 自 性
De nopas eque she pni cose shen nare poles gsnis to
な 説 く の で あ る ) と 説 か れ 敢 へ て 限 定 的 に 五 佛 に 配 繹 し て ゐ な い の で あ る o 更 に 繹 友 の ﹁ 疏 ﹂ ( 北・ 五 〇 ・ 上 一 六 ) を 槍 す る に、 大 毘 盧 遮 那 の 身 口 意 三 密 妙 用 を 説 き て 次 に
Gninl thso ningh bsed find to the askesjing some to gyi aa
dehi thgo ni the to des yin
( 若 し 世 尊 が か く 説 く 所 の 理 趣 に 由 て 有 情 の 義 利 を な す と ぜ ば、 最 初 は 何 時 で あ る か )
Dis taken along a curve of the family jing to ning de
( そ の 絡 は 何 時 で あ る か と 分 別 で ろ 者 に 樹 し て、 此
Dhe terms and notations used are those of....
の 雀 無 始 舞 と 撃 て ) と 明 繹 し て、 大 毘 盧 遮 那 の 紳 愛 現 瑞 の 妙 趣 を 以 つ て 有 情 界 の 義 利 を 施 作 し 給 ふ こ と 無 始 無 終 常 佳 法 爾 な る 秘 趣 を 開 顯 せ る 義 に 解 し て ゐ る。 然 ら ば ﹁ 豊 疏 ﹂ ﹁ 私 記 ﹂ 等 の 五 佛 配 繹 は 配 繹 せ ん が た め の 配 繹 に 堕 す の で は な か ら う か。 今 ﹁ 壁 疏 ﹂ に 依 つ て そ の 配 繹 の 要 義 を 表 記 せ ぱ、
無 始 無 終 -大 口-無 生 滅 故 寂-附 閑-菩 提 心 恵 性 堅 固 寂 齢 故 暴 怒-賓 生-第 七 無 漏 末 那 雑 二 能 取 所 取 一如 二 意 恋 怒 人 一不 レ可 二囑 春 一故、 ( 滅 無 智 怨 故 )
大
安
怨-彌
陀
-清
浮
意
識
與
妙
観
察
智
相
癒
謹
二
得
諸
法
本
性
清
浮
一故、
(
大
慈
悲
故
)
藥
又
不
塞
-無
漏
五
戒
興
二
成
所
作
智
一
相
鷹
於
二
諸
國
土
一成
辮
佛
事
一
(降
難
伏
故
)
無 始 無 終 の 句 は 大 毘 盧 遮 那 の 特 性 と し て 敢 て 不 審 の な い 所 で あ る。 ﹁ 壁 疏 ﹂ ( 二・ 二 九 ) は 大 日 纒 等 を 引 謹 し て 法 身 の 三 業 は 一 切 廃 に 於 て 起 滅 邊 際 不 可 得 常 住 な る 理 趣 を 具 繹 し ﹁、 私 記 ﹂ ハ六・ 二 一 ) も 亦 更 に 諸 佛 境 界 経 第 一・ 心 要 ・ 即 身 義 ・ 起 信 論 ・ 秘 密 経 ・ 路 出 経 等 を 引 謹 し て 途 に、 一隔, 慮 知 無 始 無 絡 者 即 是 毘 盧 遮 那 法 界 本 性 不 生 不 滅 金 剛 身 也 ﹂ と 結 論 し て あ る。 慶 喜 藏 の ﹁ 繹 ﹂ ( 北・ 四 二 上 ) も 聲 聞 や 縁 畳 の 如 く 有 始 有 終 で は な く 心 王 自 性 法 界 の 義 で あ る と 説 き、 又 繹 友 の ﹁ 疏 ﹂ (北・ 一 六 上 ) は 有 情 生 死 流 韓 に 於 て 無 始 な る が 故 に 大 毘 盧 遮 那 の 自 性 も 亦 無 始 で あ る。 然 も そ の 自 性 は 等 流 礎 現 の 生 死 界 に 住 し て 業 用 無 窮 の 故 に 無 終 で あ る と 説 明 さ れ て ゐ る。 要 す る に 此 の ﹁ 無 始 無 終 ﹂ に 封 す る 各 疏 繹 の 理 趣 は 一 致 し て ゐ る。 但 し ﹁ 豊 疏 ﹂ ﹁ 私 記 ﹂ は 大 毘 盧 遮 那 の ﹁ 膿 ﹂ に 就 て 實 相 論 的 な 繹 相 を 試 み 繹 友 の ﹁ 疏 ﹂ 等 は ﹁ 用 ﹂ の 方 面 よ り 縁 起 論 的 な 現 瑞 救 濟 の 上 か ら 解 説 さ れ て ゐ る が 等 し く 大 毘 盧 遮 那 の 法 門 を 開 顯 せ る 理 趣 な る こ と は 謂 ふ ま で も な い の で あ る。 金 剛 頂 経 の 漢 藏 勤 照 上 に 於 け る 一 考 察 三 五金 剛 頂 ﹁﹂経 の 漢 藏 鵯劃 昭 上 に 於 け ろ 一 考 察 三 六 次 に ﹁ 寂 ﹂ の 一 字 を 阿 閤 佛 に 配 繹 せ る ﹁ 私 記 ﹂ ( 六・ 一二 ) は 畳 疏 と 別 解 を 試 み て 今 云 二 息 災 一亦 云 二寂 静一 寂 静 者 恐 是 東 方 帝 繹 天、 此 天 居 二 東 方 一即 表 二 大 菩 提 心 寂 災 義 一也。 と 考 謹 し て ﹁ 大 日 輕 疏 ﹂ の 眞 言 種 字 の 秘 趣 を 以 つ て 會 繹 し て あ る。 更 に 此 尊 ( 帝 繹 天 )居 二 須 彌 頂 一表 二 菩 提 心 金 剛 不 動 義 一即 與 二 不 動 尊 一坐 二 大 盤 石 上 一同、 故 知 阿 閤 帝 繹 同 是 大 菩 提 心 金 鋤 不 動 三 昧 也 と 説 け る 貼 は 肯 首 し 難 い 所 で あ る。 勿 論 阿 閑(Aksobhya) に は 金 剛 堅 固 不 動 の 理 趣 を 持 つ て ゐ る。 羅 友 の ﹁ 疏 ﹂ (北。 二 九 上 ) に も ﹁ 阿 閤 と は 三 界 が 悉 く 破 壊 し 蓋 く さ る と も、 此 は 又 少 し く 勤 揺 せ ざ る が 故 に 不 動 (Aksobhya) で あ る ﹂ と 説 明 し て あ る が、 本 経 の 寂 君 く は 寂 艀 で 阿 閑 佛 の み に 配 繹 さ る べ き 特 質 を 有 す る や。 又 此 の 一 頚 に 於 て 上 下 へ の 相 關 的 句 義 は 醤 當 な り や は 疑 な き を 得 な い の で あ る。 繹 友 の ﹁ 疏 ﹂ (北・ 一 六 上 ) に は 大 毘 盧 遮 那 の 妙 用 有 情 の 生 死 界 に 随 順 し て 無 始 無 終 な る 義 を 説 き て 次 に
Gal te hkor jian lafgp ba tone diansd and to bar rtog pa la shi
Hond bay nigrt Nan to zen neot mostosr pardeot golr shi ba jon
( 若 し 生 死 に 薩 順 し て 佳 す と ぜ ば、 寂 静 な ら ざ る べ し と 親 察 す ろ も の に 樹 し て 寂 静 と 説 き て 煩 醤 の 陪 得 よ 吻 解 脱 す る が 故 に 寂 静 (shi) で あ る。 と 説 明 し て ゐ る。 謂 ふ ま で も な く 大 毘 盧 遮 那 の 自 性 た る 法 界 の 内 謹 智 が 寂 静 の 相 に 佳 せ る 象 徴 化 と し て 阿 閑 佛 に 配 繹 せ る 秘 趣 を 領 解 し 得 る も、 實 は 次 の 句 陀 る 暴 怒 若 く は 暴 悪 葱 怒 に 相 關 せ し め 寂 趨 の 相
を 示 現 し て 衆 生 の 利 を な し 又 暴 悪 葱 怒 の 相 を 示 現 し て 強 剛 難 化 を 調 伏 す る 大 毘 盧 遮 那 の 紳 礎 秘 密 三 昧 相 と 解 す べ き で は な か ら う か。 更 に 後 章 に 槍 討 し や う。 次 に 暴 怒 を 寳 生 如 來 に 配 繹 せ る ﹁ 豊 疏 ﹂ の 委 繹 に よ る も 暴 怒 と 寳 生 佛 と の 相 關 的 契 機 と し て 三 味 耶 本 誓 の 内 面 的 理 趣 を 見 出 し 得 な い。 ﹁ 私 記 ﹂ ( 六・ 二 二 ) は 此 を 指 摘 し て 南 方 寳 生 奪 主 二 増 盆 法 一故 云 二 諸 編 徳 荘 嚴 身一 然 云 二 暴 怒 一者 是 相 反 義。 暴 怒 恐 是 閻 魔 天 閻 魔 居 南 方 南 方 稻 二 下 方 一即 降 伏 三 昧 也 と 別 解 を 試 み て あ る が、 更 に ﹁ 私 記 ﹂ は 閻 魔 天 と 暴 怒 と の 相 關 ・ 閻 魔 天 と 寳 生 佛 と の 相 關 よ り し て 暴 怒 と 寳 生 佛 と の 三 重 相 關 配 羅 を 論 謹 委 繹 さ れ て あ る。 密 號 名 字 の 羅 列 に あ ら ざ れ ば 煩 蹟 哲 學 へ の 深 淵 に 溺 る ゝ 磯 を 免 れ 得 な い。 慶 喜 藏 の ﹁ 繹 ﹂ ( 四 〇 下一 四 一 上 ) に は ( 難 調 に し て 暴 患 な る 有 情 な 調 伏 せ ん が た め に 念 怒 の 舅 々 示 現 し て、 施 作 し 給 ふ が 故 に 暴 怒 に し て、 又 雌 等 は 三 界 な 降 伏 す る 最 勝 嫁 る 事 業 で あ ろ 所 以 た 敢 示 し 鷲 の で あ る ) と 説 か れ る。 又 繹 友 の ﹁ 疏 ﹂ 二 六 上 ) に よ れ ば ﹁ 若 し 寂 静 に あ る な ら ば 寂 静 の 形 像 を 以 つ て、 難 調 暴 悪 な る 者 を 如 何 に し て 調 伏 し 給 ふ か と な ら ば、 難 調 と 説 く の で あ る ﹂ と 明 繹 さ れ て ゐ る 義 邊 よ り 考 ふ れ ば 金 岡 頂 経 の 漢 藏 封 照 上 に 於 け る 一 考 察 三 七
金 剛 頂 経 の 漢 藏 勤 照 上 に 於 け る 一 考 察 三 八 前 の 寂 静 相 と 相 樹 的 に 難 調 (暴 悪 ) 相 と 解 す べ き で は な か ら う か。 然 も 本 維 に 於 け る 金 剛 牙 菩 薩 の 出 生 説 段 ( 大 正 藏・ 一 八・ 二 一 三 ) に 於 け る 囁 陀 南 を 見 る に 奇 哉 大 方 便 諸 佛 之 悲 懲 由 有 形 寂 静 示 作 暴 怒 形 と 説 明 さ れ て あ る。 此 の ﹁ 由 有 形 寂 静、 示 作 暴 怒 形 ﹂ に 相 當 す る 宋 繹 は ﹁ 由 衆 生 利 寂 静 故、 乃 現 暴 怒、 諸 所 作 ﹂ と 澤 出 し 略 潟 経 (大 正 藏 ・ 一 八 二 三三 ) は ﹁ 若 爲 寂 静 利 衆 生、 催 滅 魔 故 作 暴 悪 ﹂ と な つ て ゐ る。 藏 繹 に は
Slli yand a dian rubbish lao yang mo hgyur
と 出 す が 故 に ﹁ 由 有 形 寂 静 ﹂ の 有 形 と は 正 し く 有 情 君 く は 衆 生 の 義 で あ る 然 る に 國 澤 密 敷 第 二 ( 三一 ) の 頭 註 に 此 の 句 を 繹 し て ﹁ 有 形 に 即 し て 無 相 な る 故 に 寂 静 と い ふ ﹂ と な す は 要 當 を 敏 く と 思 は れ る。 要 す る に ﹁ 寂 静 ﹂ と ﹁ 暴 怒 ﹂ と は 相 謝 し て 一 切 有 情 を 悉 く 利 盆 し 安 樂 な ら し む る 大 毘 慮 遮 那 の 大 悲 慈 敗 心 の 大 方 便 を 説 け る 義 趣 な る べ く 強 ひ て 此 の 内 誰 を 象 徴 的 に 表 現 し 得 れ ば 寳 生 如 來 よ り 寧 ろ 金 剛 牙 菩 薩 に 配 羅 さ る べ き 標 相 を 持 つ て ゐ る が、 斯 る 限 定 的 配 繹 は 本 経 の 眞 相 を 覆 ふ も の で は な か ら う か。 次 に 大 安 怨 の 無 量 壽 如 來 に 配 繹 し て ﹁ 壁 疏 ﹂ ( 二・ 三 〇 ) は 大 安 忍 是 無 量 壽 也、 清 浄 意 識 與 二 妙 観 察 智 鱒相 慮 誰 二 得 諸 法 本 性 清 浄 一以 二 大 慈 忍 一 能 輻 二 法 輪 一 利 二 樂 衆 生 一故 云 二 安 忍一 也
と 説 き、 私 記 (六・ 二 二 ) は ﹁ 新 解 ﹂ を 試 み て 安 忍 謂 無 生 法 忍、 無 生 怨 菩 薩 得 二 現 法 樂 一故 云 二安 忍一、 今 此 奪 終 極 無 生 忍 故 云 二 大 安 烈 と 繹 し て 更 に 大 口 経 疏 等 を 引 謹 し て 大 と 安 忍 と の 義 を 委 繹 し て あ る。 今 繹 友 の ﹁ 疏 ﹂ ( 一 六 下 ) に よ れ ば、
Gin to nkji de lta na ni Ba dsofs buy bys sdfs
Dain dad kni thers and to
( 若 し 念 怒 の み に 怯 す う な ら ば 途 に 怨 な き に 至 る べ し と な ら ば 此 の 答 と し て 大 忍 と 説 て ) と 説 き 又 慶 喜 藏 の ﹁ 繹 ﹂ ハ四 二 上 ) に は
Bzod par smes sends ba la and to are sogs paho
(忍 と 説 く 等 は 麺 現 栖 以 つ て 有 情 々 救 護 す る が 故 に. 大 安 忍 と い ふ ) と 繹 し 此 の 大 怨 以 下 の 藥 叉 羅 刹 等 を 以 つ て 大 毘 盧 遮 那 の 愛 現 (spanl pa) の 理 趣 に 解 説 し て ゐ る。 此 等 の 各 疏 繹 を 封 照 す る に ﹁ 大 安 怨 ﹂ は 前 の 暴 怒 に 封 す る 大 悲 感 の 妙 用 を 表 現 し 陀 に 外 な ら ぬ。 ﹁ 畳 疏 ﹂ ( 二・ 三 〇 ) に 於 い て 云 二 安 忍 一異 號 中 聡 爲 二 大 慈 一者 即 是 也 と 別 説 せ る 如 く、 妙 観 察 智 の 妙 用 を 時 察 永 遠 の 相 に 於 け る 大 慈 三 昧 を 象 徴 し て 無 量 壽 如 來 と な せ る 不 共 の 秘 趣 は 領 解 し 得 る も、 繹 友 の 疏 等 の 如 く 暴 悪 葱 怒 に 相 樹 し て 大 怨 辱 の 慈 悲 相 を 示 現 し て 衆 生 に 随 命 剛 項 経 の 漢 藏 職劃 照 上 に 於 け る 一 弩 察 三 九
命 剛 贋 経 の 漢 藏 封 照 上 に 於 げ ろ 一 考 察 四 〇 順 し て 化 盆 を 施 作 し 給 ふ 義 に 解 す べ き で は な か ら う か。 大 安 忽 の 理 趣 が 必 然 的 に 無 量 壽 如 來 の 内 謹 三 昧 耶 の み に 配 繹 さ る べ き 要 請 が な い と 思 は れ る。 彼 の 三 十 憲 敷 王 維 第 七 巻 (大・ 天・ 三 六 一 ) に 四 種 秘 密 親 親 印 智 を 説 く 中 に
又
復
餐
眉
破
壌
相
刹
那
能
現
愈
怒
勢
此
名
遍
持
葱
怒
観
乃
至
三
世
省
降
伏
又 作 堅 固 慈 愛 眼 猶 如 須 彌 諸 山 石 此 説 名 爲 慈 愛 親 能 破 病 毒 及 執 魅 ご 云 へ る 如 く、 大 毘 麓 遮 那 の 紳 憂 妙 用 相 に 於 て 葱 怒 硯 と 慈 愛 親 と の 相 封 は 實 に 暴 怒 と 大 安 忽 と の 理 趣 を 宣 説 せ る に 外 な ら ぬ の で あ る。 次 に 藥 叉 を 不 塞 戒 就 佛 に 配 繹 し て ﹁ 畳 疏 ﹂ ( 二・ 三 〇 ) は 不 塞 戒 就 佛 の 本 質 陀 る 成 所 作 智 の 妙 用 能 く 難 調 を 降 伏 す る 義 邊 に 於 で 藥 又 と 説 く の で あ る。 ﹁ 私 記 ﹂ ( 六・ 二 四 ) は 更 に 藥 叉 は 即 ち 繹 迦 の 大 悲 で あ る 理 趣 を ﹁ 心 要 ﹂ (大・ 一 八・ 二 九 三 )及 び 理 趣 経 第 三 章 調 伏 難 調 繹 迎 牟 尼 如 來 の 句 を 引 讃 し て 大 悲 方 便 の 業 用 を 繹 し て ゐ る。 鐸 友 の ﹁ 疏 ﹂。 慶 喜 藏 の ﹁ 繹 ﹂ に よ れ ば 藥 又(gokogs) 毘 盧 遮 那 の 攣 現 と し て 名 詞 的 に 解 繹 さ れ 衆 生 を 守 護 す る 義 に 説 明 し て あ る か ら 藥 又 と 不 塞 成 就 佛 と の 業 用 標 相 は 密 接 で あ る。 然 し 此 の 藥 叉 の 語 を 偶 頚 の 全 鰹 的 相 關 の 上 か ら 檜 す る 時 に、 藥 又 の 難 調 降 伏 三 昧 耶 と ﹁ 暴 怒 ﹂ 若 く は ﹁ 羅 刹 ﹂ 等 の 各 々 の 難 調 伏 の 本 誓 と が 如 何 に 分 別 さ る べ き か。 勿 論 ﹁ 畳 疏 ﹂ 等 は 暴 怒 を 寳 生 に 羅 刹 勇 を 金 剛 波 羅 蜜 に 夫 々 配鐸 し て あ る が、 何 れ の 尊 と 錐 も 封 立 的 に 分 別 す る 時 は 三 十 七 奪 各 々 の 四 曼 を 具 有 す る が 故 に、 寳 生 ・ 不 室 成 就 金 剛 波 羅 蜜 の 内 謹 三 昧 耶 は 各 別 で な け れ ば な ら の。 然 る に 暴 怒 ・ 藥 叉 ・ 羅 刹 勇 の 特 質 的 標 相 は 共 に 難 調 降 伏 に 外 な ら 澱。 ﹁ 三 十 窓 敷 王 経 ﹂ 第 五 (大・ 一 八・ 三 五 二 ) に 於 け る 百 入 名 讃 の 中 金 剛 牙 菩 薩 を 讃 す る 七 名 の 中 に 金 剛 藥 叉 大 方 便 金 剛 利 牙 大 恐 怖 擢 伏 魔 力 勝 金 剛 金 剛 暴 怒 我 頂 禮 ご 説 く 此 の 金 剛 藥 又 と 金 剛 暴 怒 と は 金 剛 牙 菩 薩 の 妙 用 を 讃 歎 せ る 所 で あ る か ら、 撮 す れ ば 北 方 不 塞 成 就 佛 の 業 用 更 に 蹄 本 す れ ば 大 毘 盧 遮 那 の 帥 愛 秘 密 三 昧 相 な る こ と 言 を 俊 陀 ぬ。 果 し て 然 ら ば ﹁ 藥 又 ﹂ と ﹁ 暴 怒 ﹂ と は 共 に 金 剛 牙 菩 薩 君 く は 不 塞 成 就 佛 の 内 誰 三 昧 耶 に 外 な ら 澱 の で あ る。 然 る に 藥 叉 を 不 塞 成 就 に 配 繹 す る は 肯 首 し 得 る と す る も、 暴 怒 の み を 分 離 し て 寳 生 如 來 に 配 繹 せ る 如 き は、 本 経 の 説 相 の 上 に 於 て 既 に 矛 盾 混 働 の 失 で は な か ら う か。 又 ﹁ 三 十 巻 敷 王 経 第 八 ﹂ (大 二 八 ・ 三 六 九 )に、 金 剛 牙 菩 薩 の 一 名 に 暴 怒 藥 叉 と な せ る 如 き は 更 に 此 を 讃 明 す る に 役 立 つ の で あ る。 上 來 私 は ﹁ 畳 疏 ﹂ 等 の 分 科 配 繹 を 基 調 と し て 所 謂 五 佛 配 繹 の 一 段 を 考 察 し 陀 が、 稽 も す れ ば 五 智 五 伽 の 性 徳 内 謹 は 各 具 無 際 渉 入 の 故 を 以 つ て、 或 は 句 義 を 曲 解 し て 各 尊 内 讃 三 昧 耶 の 一 部 分 と 相 關 せ し め て、 そ の 尊 の 特 性 を 覆 ひ 或 は 字 義 的 に 種 字 眞 言 の 相 似 を 以 つ て 會 通 し 去 ら ん と す る 如 き 苦 繹 は、 そ の 繹 義 的 立 蕩 に 於 て 配 繹 せ ん が 陀 め の 配 繹 の 強 要 が あ る の で あ る。 勿 論 霧 敷 々 理 曼 茶 羅 盤 系 の 立 場 よ り 金 剛 頂 経 の 藏 漢 封 照 上 に 於 け ろ 一 考 察 四 一
金 剛 項 経 の 藏 漢 勤 照 上 に 於 け る 一 考 察 四 二 密 號 名 字 的 の 深 秘 鐸 を な し 得 る こ と は 輕 々 に 看 過 し 得 な い 所 で あ る が、 経 典 の 原 本 的 意 趣 に 於 て 限 定 的 に 此 等 の 諸 尊 聖 衆 に 配 鐸 せ ら る ゝ 前 に 経 典 の 成 立 的 契 機 と し て 當 時 の 諸 天 紳 た る 郎 摩 (Uma) 既 紐 (Visau) 設 嚇(Qdfhs) 組 父 (Brnifdsf) 大 黒 (Makda kala) 等 を 擾 取 し て 此 等 も 亦 大 毘 盧 遮 那 の 愛 現 に 外 な ら 鍛 と い ふ 密 敷 の 該 撫 統 一 的 立 瘍 を 更 に 見 直 さ な け れ ば な ら な い。 敢 て 句 義 を 苦 繹 し て ま で 事 更 ら 起 五 佛 等 に 配 繹 す べ き 必 要 が な い と 思 は れ る。 寧 ろ 総 括 的 に 大 毘 盧 遮 那 の 自 性 法 界 に 遍 満 し 無 始 無 終 常 佳 法 爾 に し て 寂 静 相 に 佳 し て 能 く 衆 生 の 義 利 を な す の で あ る。 又 難 調 の 者 に は 暴 怒 の 相 を 示 現 し 或 は 大 慈 懲 の 行 を な し て 神 憂 秘 密 三 昧 耶 の 妙 用 を 成 辮 す る の で あ る。 又 藥 又 羅 刹 等 に 等 流 愛 現 し て 有 情 を 敷 護 ず る 等 の 秘 趣 を 宣 説 す る に 外 な ら な い で あ ら う。 (未 完 )