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羊肉の理化学的特性等に関する調査報告書?

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(1)

平成 7 年度 めん羊振興対策事業

羊肉の理化学的特性等に関する調査報告書Ⅱ

ラム肉の理化学的・官能的特性並びに体型・枝肉 測 定 値と 枝 肉 規 格 と の相 互 関 係に 関す る調 査

平成 8 年 3 月

日 本 緬 羊 協 会

法 人社 団

(2)

ま え が き

(社)日本緬羊協会では、平成 3 年度から農林水産省が推進しているめん羊振興対策事業 を本年度も実施することになりました。

この事業は、めん羊からの生産物である国産ラム肉及び羊毛の評価の高まり、めん羊の 多面的活用による地域の活性化事業等の増大に対応して、めん羊に対する国民のニーズの 把握、振興方策の検討、生産・利用技術の高度化と指導力の向上、めん羊産品の普及啓蒙 等を推進しようとするものであります。

そこで、平成 7 年度においても二つのテーマを調査事業の対象に取り上げ、その調査結 果を報告書に取りまとめることといたしました。そのうちの一つのテーマとして、めん羊 生産拡大に重要なポイントである羊肉(ラム肉)消費の促進を図るため、生産物の規格や 特性を関係者はもとより、一般の方々にも広く知っていただくことが大切なことから、

「羊肉の理化学的特性等」を再び取り上げ、生産と消費の両面からラム肉の理化学的・官 能的特性並びに体型・枝肉測定値と枝肉規格(案)との関係について資料収集と実態調査 を実施し、その結果を基に報告書を作成いたしました。この報告書がめん羊振興のため、

全国のめん羊関係者に広く活用されることを期待してやみません。

事業の実施に当たりまして、ご指導ご協力を賜りました畜産局の担当官並びに関係各位 に深く感謝申し上げます。

平成8年3月

社団法人 日本緬羊協会

豊 田 晋

会 長

(3)

目 次

ラム肉理化学特性の月齢変化に関する調査

Ⅰ.調査の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 . 1

Ⅱ.調査の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ⅲ.調査の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 1.増体成績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2.枝肉成績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3.赤肉の理化学性状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 4.皮下脂肪の理化学性状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 5.腎臓周囲脂肪の理化学性状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

ラム肉の官能特性に関する調査

Ⅰ.調査の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

Ⅱ.調査の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 1.供試ラム肉の生産と由来 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 2.供試ラム肉の調製 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 3.官能検査の手順および方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

Ⅲ.調査の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 1.ロース肉 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 2.モモ肉 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

Ⅳ.ま と め ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

舎飼仕上げと放牧仕上げのラム枝肉構成並びに理化学特性に関する調査

Ⅰ.調査の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

Ⅱ.調査の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

Ⅲ.調査の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 1.増体成績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 2.飼料摂取状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 3.屠殺前の体尺測定値 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 4.屠殺解体成績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

(4)

5.枝肉成績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 6.赤肉の理化学性状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 7.脂肪の理化学性状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

体型・枝肉測定値と枝肉規格との総合関係に関する調査

Ⅰ.調査の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

Ⅱ.調査の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

Ⅲ.調査の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 1.枝肉の規格分布・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 2.体型および枝肉測定値と枝肉規格との関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 3.枝肉重量および背脂肪厚の予測 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30

(5)

ラム肉理化学特性の月齢変化に関する調査

Ⅰ.調査の目的

本調査は、平均的な発育状態にあるサフォーク雄子羊について、ラム肉の理化学特性が 月齢の進むにつれてどのように変化するのかを検討した。

Ⅱ.調査の方法

、 調査には道立滝川畜産試験場で平成7年2〜3月に生産されたサフォーク雄子羊を用い 飼養管理はすべて種畜候補の雄育成羊に対する当場の慣行法に従った。すなわち、生後約

週齢からクリープ・フィーディングを行い、 月の連休開けから 月末までの カ月間

2 5 10 6

は昼夜放牧のみで管理し、この間、 月末には母羊から離乳させた。6 11月からは舎飼に移 行し、グラスサイレージ、乾草および濃厚飼料を給与した。

4 12 6 8

屠殺調査は、離乳時の カ月齢で 頭、さらに放牧中期の カ月齢、放牧終了時の カ月齢、舎飼期の12カ月齢でそれぞれ4頭ずつ、計24頭について行った。

調査羊はいずれも24時間の絶食後に屠殺した。枝肉は−1〜−3 ℃の冷蔵庫で1昼夜放 冷後重量を測定し、第12〜13胸椎間で前・後躯に分け、ロース芯断面積および脂肪厚を測 定した。肉量の調査には左半丸を用い、赤肉、脂肪(皮下脂肪および腎臓周囲脂肪 、骨) に分離しそれぞれの重量を測定した。

赤肉の一般成分の測定には、胸最長筋(ロース芯)の第 6 〜9 胸椎部位を用いた。赤肉 の理化学性状の測定のうち、pHはガラス電極pHメーターにより、加圧保水力および伸展率 は 35kg /c ㎡加圧ろ紙法により、肉色は色差計(日本電色、SZ −∑80)により行った。

赤肉中脂肪の脂肪酸組成およびエイコサペンタエン 酸(EPA)の測定には、同じ部位を 凍結保存(−20℃)した後分析に供した。

、 テクスチャー特性の測定は、胸最長筋(ロース芯)の第10〜12胸椎部位を5分間煮沸後 時間冷蔵庫で冷却し、 厚にスライスした肉片を用い、テクスチェロメーター(全研

1 1cm

− )により行った。

GTX 2

脂肪の理化学性状の測定には、第6〜12胸椎部位のロース上の皮下脂肪と腎臓周巨朋旨肪 を用いた。融点は上昇融点法により、脂肪色は肉色測定と同様の色差計により測定した。

それぞれの脂肪試料についても同一部位を凍結保存(−20℃)した後、脂肪酸組成の分析 に供した。

赤肉および脂肪中の脂肪酸組成の分析は以下の方法により行った。細切りした各試料 (250mg)にクロロホルム・メタノール( : ,2 1 V/V)溶液を10ml加え、10分間激しく震盪した 後、密栓し40cで一晩放置した。ろ過後、窒素ガス下でクロロホルム・メタノールを除去

(6)

し、脂肪酸分析用の脂質とした。基準油脂分析法に従ってメチルエステル化を行った後、

ガスクロマトグラフ (GC15A、島津製作所)を用いて分析した。ガスクロマトグラフィ ーの条件は、オーブン温度:150〜220℃(昇温速度3℃/分 、キャリアーガス:ヘリウ) ム(60ml/分)、スプリット比: /1 50であり、キャピラリーかラムはHS−10、直径

、 (島津製作所)を用いた。

0.25mm 30m

赤肉中のエイコサペンタエン酸(EPA)の分析は以下の方法により行った。細切りし た赤肉1gを精秤し、脂肪酸組成の分析と同様の方法で脂質を抽出し、メチルエステル化 後、ガスクロマトグラフを用いて分析した。ガスクロマトグラフィーのオーブン温度:

℃(恒温)以外の条件設定およびキャピラリーカラム は、脂肪酸分析の場合と同様 200

である。

Ⅲ.調査の結果

.増体成績 1

調査羊の内訳を表1に示した。

調査月齢は、12 カ月齢の屠殺がやや早かったほかは、ほぼ計画どおりであった。屠殺体 重は4カ月齢45.2kg、 カ月齢6 50.5kg、 カ月齢8 57.7kg、12カ月齢 62.4kgと、各月齢間に ほぼ5〜6kgの体重差があった。

生時から調査時までの日増体量を比較すると、哺乳期に当たる 4カ月齢は0.32kgと最も 高かった。その後、離乳によるストレスに加え、放牧草からのみの栄養摂取に適応してい かなければならない時期と重なった 6カ月齢の日増体量は0.24kgに低下した。放牧草から の栄養摂取にも順応した 8 カ月齢の日増体量は0.23kgであり、 カ月齢の値をはば維持し6 た。12カ月齢の日増体量は0.17kgと最も低かったが、舎飼開始に伴う飼料の変化が増体に 影響を与えたものと思われる。

.枝肉成績 2

調査羊の屠殺解体および枝肉成績を表2に示した。

絶食後体重および枝肉重量は、月齢とともに増加した。月齢ごとの枝肉重量を比較する

、 、 、

と 6カ月齢では カ月齢の値に比べわずか4 4%の増加に留まったが 8カ月齢では18% カ月齢では %増加した。枝肉歩留は カ月齢で高かった。

12 32 4

ロース芯断面積および背脂肪厚は、8 カ月齢まではそれほど大きな違いはなかったが、

カ月齢ではやや大きかった。肋上脂肪厚および肋上組織厚は月齢とともに若干増加の傾 12

(7)

向にあった。

枝肉構成重量において赤肉および骨重量は月齢とともに増加したが、脂肪重量のうち、

特に皮下脂肪重量は 6 カ月齢が低かった。6 カ月齢での脂肪重量が少ないことは離乳など 栄養面でのストレスとの関連が考えられ、前述の日増体量の低下や枝肉増加の少ないこと

。 、 。

とも連動した現象と考えられる また 部位別構成重量はいずれも月齢とともに増加した

枝肉構成の枝肉重量に占める比率を表3に示した。

赤肉および骨の割合は、脂肪の付着の少なかった 6 カ月齢で相対的に高かった。脂肪の 割合のうち、皮下脂肪は 6 カ月齢を除けば月齢とともに増加する傾向がみられた。一方、

腎臓周囲脂肪は12カ月齢で低下したが原因は不明である。

部位別構成比は、バラの割合が月齢とともに増加したが、他の部位には一定の傾向はみ られなかった。

部位ごとの赤肉割合を示す部位別赤肉比では、月齢とともにバラは増加したが、ショル

(8)

ダー、ロース、モモでは一定の傾向はみられなかった。

.赤肉の理化学性状 3

赤肉の理化学性状を表4に示した。

一般成分の脂肪含量は、6 カ月齢でやや低く、12 カ月齢で高い値を示すが、他の成分に は差はなかった。

、加圧保水力並びに伸展率には、月齢間に一定の傾向はみられなかった。肉色は、明 pH

るさを示す L値が月齢とともに低下し、赤味を示す a値が増加する傾向にあり、全体とし ては月齢とともに淡紅色から暗赤色に変化していく傾向が示された。

テクスチャー特性のうち、硬さおよび凝集性には、月齢間に一定の傾向はみられなかっ た。一方、飲み込むまで岨囁するエネルギーの大きさを示すガム性は、12 カ月齢が高い値 を示し、他の月齢の肉よりも硬いと感じる要因となり得るものと考えられた。

赤肉中脂肪の脂肪酸組成を表5および図1に示 した。

割合の最も高かった脂肪酸は、各月齢ともオレ

C18 1 C16

イン酸( : )で、次いでパルミチン酸(

:0)、ステアリン酸(C18: )の順であったが、0 カ月齢ではパルミチン酸とステアリン酸の順位 12

が逆転した。いずれの月齢においても、これら3 種類の脂肪酸の合計が全脂肪酸の 90 %近くを占め た。オレイン酸およびステアリン酸は月齢ととも にわずかに増える傾向にあった。パルミチン酸は

赤肉中脂肪の脂肪酸組成 4カ月齢から8カ月齢までほとんど変化しなかっ 1

たが、12カ月齢で若干減少した。

(9)

ル酸(C18: )は月齢とともに減少する傾向にあ2 った。パルミトオレイン酸(C16: )は1 12カ月齢 でやや増加する傾向が認められた。また、リノレ イン酸(C18: )は本調査の抽出条件下では検出3 されなかった。

赤肉中脂肪における飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸 の割合を図2に示した。飽和脂肪酸は血清中の総 コレステロールを増加させる性質があり、不飽和 脂肪酸には逆の働きがある半面酸化されやすく変 質につながる要因ともなり得る。

赤肉中脂肪における飽和脂肪酸 不飽和脂肪酸の割合は12カ月齢でやや増加する 2

と不飽和脂肪酸の割合 傾向が認められた。

赤肉中のエイコサペンタエン酸(EPA)含量 を表6および図3に示した。EPAは魚類脂質に 多く含まれる多価不飽和脂肪酸の1群で、血清中 の総コレステロールを低下させる機能性物質とし て注目されている。12カ月齢の赤肉中EPA含量 が4〜 カ月齢に比べて少ない傾向がみられたが、8 有意な差ではなかった。

.皮下脂肪の理化学性状 4

皮下脂肪の理化学性状を表7に示した。

赤肉中のエイコサペンタエン酸含量 脂肪中の水分含量は6カ月齢で上昇したが、8 2

4 3 6 0

カ月齢以降は低くなった。融点は カ月齢が .

(10)

℃とやや低かったが、 カ月齢以降は6 40℃前後の値で一定していた。

脂肪色の L 値(明度)は月齢とともに上昇する傾向がみられ、 値(赤味)は逆に下降a する傾向にあった。 値(黄味)はb 4カ月齢がやや低かったが 6 カ月齢以降はほとんど変 化がなかった。全体として脂肪色は、月齢とともに赤味がほとんどなくなり、より白くな る傾向が示された。

皮下脂肪の脂肪酸組成を表8および図4に示した。

割合の最も高かった脂肪酸は、各月齢ともオレイン酸(C18: )で、 カ月齢では次い1 4 でパルミチン 酸(C16: )、ステアリン酸(0 C18: )の順であったが、 カ月齢以降では0 6 パルミチン酸とステアリン酸の順位が逆転した。オレイン酸はほぼ同じ値で推移した。パ ルミチン酸は月齢が進むにつれ減少した。ステアリン酸は 4 カ月齢から6 カ月齢にかけて 顕著に増加し、その後も緩やかに増加した。これ

ら 3 種類の脂肪酸の合計が全脂肪酸に占める割合 は 4カ月齢の86%から 12カ月齢の91%まで月齢 と

ともに漸増した。

、 割合が低い脂肪酸における月齢間の変化のうち ミリスチン酸(C14: )は月齢とともに 減少し、0 パルミトオレイン 酸(C16: )も若干減少する傾1 向が認められた。リノール酸(C18: )はほぼ一2

。 、 ( )

定の値で推移した また リノレイン酸 C18:3

皮下脂肪の脂肪酸組成 は1%前後の割合で検出されたが、月齢間の変化 4

はみられなかった。

(11)

皮下脂肪における飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の 割合を図5に示した。

皮下脂肪の不飽和脂肪酸 の割合は、赤肉中脂肪 の場合よりも若干高く、飽和脂肪酸割合 とほぼ同 量であったが、月齢間の変化はほとんどみられな かった。

.腎臓周囲脂肪の理化学性状 5

腎臓周囲脂肪の理化学性状を表9に示した。

腎臓周囲脂肪中の水分含量は、いずれの月齢に おいても 皮下脂肪中の水分含量よりも少なく、月

皮下脂肪における飽和脂肪酸 齢とともに低くなる傾向にあった。また、腎臓周 5

と不飽和脂肪酸の割合 囲脂肪の融点は、いずれの月齢においても皮下脂

肪の融点よりも高く、月齢間の変化では、4 カ月齢が 42.7 ℃とやや低かったが、 カ月齢6 以降は48℃前後となった。

腎臓周囲脂肪の脂肪色は、皮下脂肪に比べ、L 値および a 値は高く、 値はほぼ同程度b の数値を示した。月齢間の変化では、L 値は4 カ月齢から 6カ月齢にかけて上昇し、その 後はば一定の値で推移した。 値については月齢間に一定の傾向はみられなかった。 値a b は月齢とともにわずかに上昇した。

腎臓周囲脂肪の脂肪酸組成を表10および図6に示した。

割合の最も高かった脂肪酸は、各月齢ともステアリン酸(C18: )で、次いでオレイン0 酸(C18: )、パルミチン酸(1 C16: )の順であり、赤肉中および皮下脂肪の脂肪酸組成0 とは大きく異なる特徴と考えられた。ステアリン酸は 4カ月齢から 6カ月齢にかけて若干 増加した。オレイン酸ははば一定の値で推移した。パルミチン酸には月齢間の変化はみら れなかった。これら3種類の脂肪酸の合計が全脂肪酸に占める割合は4カ月齢では90%で あったが、 カ月齢以降は6 93%前後とほぼ一定で推移した。

(12)

6 腎臓周囲脂肪の脂肪酸組成 7 腎臓周囲脂肪における飽和脂肪酸 と不飽和脂肪酸の割合

割合が低い脂肪酸における月齢間の変化のうち、ミリスチン酸(C14: )は月齢ととも0 に減少した。パルミトオレイン酸(C16: )、リノール酸(1 C18: )では月齢間に一定の2 傾向がみられなかった。また、リノレイン酸(C18: )は月齢とともに漸増した。3

腎臓周囲脂肪における飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合を図7に示した。

腎臓周囲脂肪の不飽和脂肪酸の割合は、赤肉中脂肪や皮下脂肪に比べて低く、全体の約 分の 程度であったが、月齢間の変化ははとんどみられなかった。

3 1

(13)

ラム肉の官能的特性に関する調査

Ⅰ.調査の目的

平均的な発育状態にあるサフォーク雄子羊について、ラム肉の噂好性が月齢によってど のように異なるかについて、パネルを用いた官能検査により検討した。

Ⅱ.調査の方法

.供試ラム肉の生塵と由来 1

供試したラム肉は、平成 7年2〜 3月に道立滝川畜産試験場で生産されたサフォーク雄

。 。 ( ) 、

子羊を用いた 飼養方法は同場の慣行法に従った 羊は4カ月齢 離乳時 のものを12頭 また、 カ月齢(放牧中期)、 カ月齢(放牧終了時)、6 8 12カ月齢(舎飼期)のものをそ れぞれ4頭ずつ、計24頭を供試月齢に達した時点で、順次24時間絶食後屠殺解体して枝肉 とした。

枝肉を−20 〜30℃の状態で密封保存し、すべての月齢のものを同時に官能検査に供する こととした。実際の供試材料としては、技肉重量の近似したものをそれぞれの月齢より抽 出した。

.供試ラム肉の調製 2

保存されたラム肉は、官能検査を行う前日に室温で約12時間かけて半解凍し、成型後、

胸最長筋(ロース芯=以下ロース肉という)とモモ肉を半解凍の状態でスライスした。ス ライスの厚さは約2.5〜3.0mmで、 切れ当たりの重量は約1 6〜8gとした。

また、スライスしたラム肉はそれぞれの区分ごとに、10 枚ずつパール皿に並べ、ラップ を掛けて、 ℃にて官能検査の直前まで保存した。4

.官能検査の手順および方法 3

官能検査の手順を図lに示す。

料 :ラム(ロース肉、モモ肉)

調理方法 :しゃぶしゃぶ 沸騰水中に1015秒程度くぐらす パ ネ ル :平均年齢19.1歳の女子学生40名(2020

試食方法 : 色合いを見てから、しゃぶしゃぶを作る。口に含み、検査を行い、必ず吐き出し、水で口 を ゆすぐ(同様の操作を6回行う:前半)

憩 :約5分間、ウーロン茶を飲ませる。休憩後、後半( 試料)について、同じ手順で行う。6 ただし、20名はロース肉、20名はモモ肉

1 官能検査の実施

(14)

パネルは味覚の認識力が完成し、肉噂好に富む年齢といわれる平均年齢 19.1歳の女子学 生40名を用いた。検査は水曜日の午前10時からロース肉について20名、午後 時からモモ3

。 ( ) 、

肉について20名を対象に行った 前半の3試料の比較 試料数は6点 が終わった時点で パネルの疲労を考えて休憩を設定し後半の試験へと移った。

食品の官能検査を行う場合、一般的な方法として一対比較法があるが、この代表的な方 法としてシェッフェ(Scheffe)の方法とブラッドレー(Bradley)の方法があるが、今回は 評価が多次元にわたるので、シェッフェの一対比較法を用い、統計処理を行った。

シェッフェの方法で統計処理を行うため、表 1 に示すように、便宜的な呼称をつけた。

1枚の皿に、 切れの肉を載せ、図1 2に示すような組み合わせにより、 枚のトレーに1 6 枚の皿を並べた。

調査票(図 3)はロース肉、モモ肉ともに、「色あい」、「におい」、「軟かさ」、

「美味」、「総合」の5項目のそれぞれ−3から+3までの7段階にわたって評価し数値

。 、 、

化させた 実際の試食に当たっては調査票でパネルごとに指示し 20名中10名はA→B

→ 、Ⅰ→ 、休憩、 → 、 → 、 → の順に、残りの 名は → 、 → 、

E C D F G J H K L 10 B A C E

D→Ⅰ、休憩、G→ 、F H→ 、 →J L Kの順にテストした。つまり、 番目のパネルは1 A

B E C D F G J

→ 、 → 、Ⅰ→ 、休憩、 → 、

H K L 2 B

→ 、 → の順に、 番目のパネルは

A C E D G F H

→ 、 → 、 →Ⅰ、休憩、 → 、

J L K 3 A

→ 、 → の順に、 番目のパネルは

B E C D F G J

→ 、 → 、I→ 、休憩、 → 、

→ 、 →H K Lの順に、といった具合で20番 目のパネルまで繰り返して順序を指示した。

調理の方法はロース肉、モモ肉ともに、

個々のテーブル上にセットされたガスバー ナーを熱源とするアルミ製鍋に水を7分目

サンプルの組合せと試食順序 程度入れて沸騰させ、それぞれのラム肉を 2

その中に10〜15秒入れ 「しゃぶしゃぶ」、 状態とし、味をつけずに試食を行った。前 半と後半の間に約5分間休憩をとり、口な

1 試食用ラム肉の区分と呼称

3 官能検査調査票(部分)

(15)

おしとしてウーロン茶を飲ませた。

官能検査の実施に当たり、官能検査の説明を行った後質問を受け付けた。実際の試食は 指定された肉をとって、まず「色あい」を調べる。次にそれを鍋の中に入れ、「しゃぶし ゃぶ」とし、すくい揚げ 「におい」を調べ、口に含み「軟かさ」と「美味」を評価する。、 そして最後に「総合評価」をする。試食といっても、噛んで味わうだけで、決して飲み込 ませない。一つのサンプルが終ったら、必ず口をゆすがせる。順次 3 組の検査が終ったら

。 、 、 。

休憩する そして休憩の後に 後半のサンプルについても 同じような手順で検査させる

Ⅲ.調査の結果

、 ( ) 。

データを整理する場合 シュッフ工法のフローチャート 図4 に従って作業を進める

.ロース肉 1

集計結果をロースの「色あい」を例にとって 述べる。 個、つまり、ここでは7 4個の試料

(組み合わせは4×3=12、12÷2= 、つま6 り6対の試料)を比較する。試食順序(調査票 によりパネルごとに指示)を考慮した各組み合 わせを20回比較する。その結果を表2のように 作成する。次に、主効果あるいは平均噂好度、

組み合わせ効果、順序効果からなる要因の平方 和を求める。主効果は月齢による噂好程度の差 を示し、組み合わせ効果は2種類の試料を組み 合わせることによって生ずる各種の効果(例え

シェッフェ法のフローチャート ばAと 、 カ月齢とB 4 8カ月齢などといった組 4

み合わせで生ずるもの 、順序効果は試食順序)

による影響の度合い(例えば A →B の指示で A を先に試食したことによる影響)をそれぞ れ示す。そして、要因分析表を表 3 のように作成する。次に、それぞれの不遍分散を誤差 で除し、それぞれに分散比を求めF検定をする。

もしも主効果のみが有意となれば、試料によって噂好度合いに差があるといえるわけで ある。さらに組み合わせ効果や順序効果が有意だとしたら、組み合わせによって試料は実 質以上に大きく、または小さく評価される傾向があるということになり、順序の効果が正 の値を持っていたならば、先に試食したものの方が良く評価されやすいというような判断

。 、 。

が出来る F検定で各効果の有意性を検討し 有意であればその信頼区間も併せて求める ここでは、危険率 1 %でも主効果、組み合わせ効果、順序効果それぞれに有意差は認め られなかった。このことから、ラムのロース肉の「色あい」は月齢による好ましさの程度 に差はなく同等であると判断出来た。

(16)

以下、同様に「におい 「軟かさ 「美味 「総合」についても検討を行った」、 」、 」、

(表4〜11)。その結果、ロース肉の「におい」は4カ月齢と12カ月齢などのような組み 合わせでは、ある時は、最初に試食した試料(4 カ月齢)が実質以上に良く、ある時は最 初に試食した試料(12 カ月齢)が実質以上に悪く評価される傾向が認められた。しかし、

この場合でも、主効果に有意性が認められなかったことから、月齢による好みの程度に差 はないと判断された。

その他の項目については、月齢の違いによる好ましさの程度に差はなく、同等と判断さ れた。

(17)

2.モモ肉

モモ肉についてもロース肉と同様に官能検査を行いその結果を解析した。その結果を評 点分布表と要因分析表として表12〜21に示す。

このうち、「色あい」と「におい」以外については月齢の違いによる好ましさの程度に 差はみられなかった。しかし、「色あい」については カ月齢のものが最も好まれ、つい4 で、12カ月齢、 カ月齢のものが好まれた。 カ月齢と6 4 12カ月齢、 カ月齢と4 6カ月齢、

カ月齢と カ月齢の間にはそれぞれ有意差が認められたが、 カ月齢と カ月齢の間に

4 8 12 6

は有意差ほ認められなかった。

好ましさの程度を直線的にみると 、より好ましい側からは 、4 12、 、 カ月齢と並べ6 8 られるが、淡い肉色が好ましいとするパネルのグループと、濃い肉色が好ましいとするパ ネルのグループが存在することが推察される。8 カ月齢の肉色については、好ましくない とする理由は不明であり、月齢進行と「色あい」の好ましさの程度が必ずしもパラレルに 移行しなかった。

(18)

「におい」についても月齢の違いによる好ましさの程度に差がみられた。 カ月齢のも4 のが最も好まれ、ついで、 カ月齢、 カ月齢のものが好まれた。各月齢間に有意差はす8 6 べて認められず 、好ましさの程度を直線的にみると 、より好ましい側からは 、 、 、4 8 6 カ月齢と並べられる。このうち、 カ月齢と カ月齢はプラス側の近い点に、 カ月齢

12 4 8 6

と 12カ月齢はマイナス側の近い点にそれぞれ位置していた。つまり、 カ月齢や4 8カ月齢 のモモ肉の「におい」が他の月齢のものよりもより好まれる傾向にあることが伺えた。一 般的に、家畜は成長することによってその体臭が強くなり、肉の臭いもそれに連動して増 強するとされるが、 カ月齢のものが6 4カ月齢や 8カ月齢のものとは離れた点に位置する 理由は不明である。

(19)

Ⅳ.まとめ

ラム肉の噂好性が月齢によってどのように異なるかについて、平均年齢 19.1歳の女子学 生40名のパネルを用いた官能検査により検討した。

通常、肉質の理化学的検査には胸最長筋(ロース芯)の芯部を用いて行うが、ロース以 上にその重量比率が多く、赤肉量が多いモモ肉についても検査を行った。

、 。

その結果 ロース肉についての好ましさの程度は月齢の違いによる影響を受けなかった しかし、モモ肉については「色あい」と「におい」について、月齢による違いがあること が分かった。つまり、「色あい」については4カ月齢のような淡い肉色を好むグループと カ月齢のような濃い肉色を好むグループが存在した 「におい」については、より若齢

12 。

のものが好まれる傾向にあることが示された。

食用に供する羊肉のうち、生後 1 年未満のめん羊の肉をラム(lamb)、生後 12カ月以上 の成熟しためん羊の肉をマトン(mutton)という。ラムはマトンにくらべ肉色が淡く、肉

(20)

質も軟らかく、羊肉特有の臭気も少ないため、羊肉の中では高価であり、ステーキなどの 料理用として用いられている。羊肉は筋繊維が軟らかくて消化しやすいので、老人や子供 に適しているとされるが、脂肪酸のうちステアリン酸が多くオレイン酸が少ないため、融 点が高く(45〜55℃)、固化点も32〜45℃で畜肉中で最も融けにくい。すき焼とともに日 本人に好まれる牛肉のしゃぶしゃぶは、本来は宗教上の理由により羊肉しか食べることの 出来ない回教徒の料理にルーツを見出すことが出来る。

今回の官能検査は「しゃぶしゃぶ」に調理したものについて実施したが、ラム肉の調理 法として、むしろラムチョップなどの料理が一般的な方法とも考えられる。機会があれば 他の調理方法についても検討する必要があろう。

また、月齢の異なるものを同一時期に官能検査するので、ラム肉の保存については細心 の注意を払う必要がある。例えば、パーツごとに成型・真空密封し、また、より超低温で 保存し、屠殺直後のラム肉の特性を再現で出来るようにするべきであろう。

(21)

舎飼仕上げと放牧仕上げのラム枝肉構成 並 び に 理 化 学 特 性 に 関 す る 調 査

Ⅰ.調査の目的

本調査は、離乳後のサフォーク雄子羊を用いて、濃厚飼料多給による舎飼仕上げと放牧 草のみによる放牧仕上げした場合の、それぞれ生体重50kg時における枝肉構成並びに理化 学特性の違いについて検討した。

Ⅱ.調査の方法

調査には道立滝川畜産試験場で平成7年2〜3月に生産されたサフォーク雄子羊12頭を 用い、離乳まではすべて「ラム肉理化学特性の月齢変化」の調査と同様の飼養管理を行っ た。 月未の離乳後も、調査開始までの間は昼夜放牧を継続した。6

調査雄子羊12頭は約5カ月齢で2群に分け、舎飼および放牧の仕上げを開始した。屠殺 目標体重はいずれも50kgとし、かつ屠殺時の月齢がほぼ同じになるように、高増体が期待 される舎飼仕上げには体重の小さい 6 頭を、増体がやや劣ると予想される放牧仕上げには 体重の大きい6頭を配した。

舎飼仕上げは、3 頭 2 群で管理し、濃厚飼料としてラム肥育用配合飼料(市販品、原物 中TDN76%、DCP8%)を体重比2.5%量給与し、乾草(チモシー主体1番草、原物中 TDN43%、DCP3%)および水を自由摂取出来る条件下で飼養した。体重は毎週1回 測定し、これに基づいて 1 週間の濃厚飼料の日給与量を群ごとに決定した。飼料の給与は 朝夕 2 回に分けて行い、朝の給与直前に残食を回収し、乾物摂取量を測定した。また、舎 飼開始時には、内部寄生虫の駆除を行った。

放牧仕上げは、 頭を6 1群で管理し、 日1 1 頭当たり20㎡のべレニアルライグラス主体 草地を準備し、 週間に1 2牧区転牧、 週間で4 1巡の輪換放牧を行った。放牧開始時およ び開始後5週目の2回、内部寄生虫の駆除を行った。

屠殺は舎飼仕上げ、放牧仕上げいずれも毎週1回の体重測定時に50kgに到達した個体か ら順次実施した。いずれの個体も体尺測定後、24時間絶食し屠殺解体を行った。

屠殺解体調査は、仕上げ方法による差を想定し、通常の重量測定項目に加え、消化管内 容物重量、ゴミ皮重量、内臓組織重量、小腸の長さなどを測定した。

枝肉調査、赤肉の一般成分およびテクスチャー特性並びに脂肪の理化学性状の測定の部 位および方法は、前述の「ラム肉理化学特性の月齢変化」の調査と同様である。

(22)

Ⅲ.調査の結果

.増体成績 1

調査羊の内訳を表1に示した。

開始月齢は、舎飼、放牧とも約 5 カ月齢、終了月齢は約7カ月齢で、仕上げ期間はいず れも2カ月弱であった。

開始体重は、終了月齢を揃えるための措置として、舎飼には体重の小さい個体を配した ことから、舎飼は41kg、放牧は45kgと差は4kgであった。終了体重はいずれも約51kgであ った。仕上げ期間の日増体量は舎飼が0.22kg、放牧が0.14kgであった。

なお、仕上げにはいるまでの日増体量では、放牧仕上げに配した子羊が 0.25kgと舎飼仕 上げに配した子羊の 0.22kgを上回っていたため、結果として生時から屠殺までの日増体量 はいずれも0.22kgで差がないことになる。

.飼料摂取状況 2

舎飼仕上げの飼料摂取は、日平均の乾物摂取量で乾草0.73kg、配合飼料0.93kgの合計 であった。併給した乾草が刈り遅れで栄養価が低かったために、乾物摂取量の割に 1.66kg

栄養摂取量は低く、TDN日摂取量が1.16kg、DCP日摂取量は0.11kgであった。

、 、 、

放牧仕上げでは 期間を通して十分な草量を確保出来 期間平均の入牧時草丈は35.4cm 坪刈りから推定された1 日1頭当たりの乾物摂取量は1.66kgと舎飼仕上げの摂取量とほぼ 同じであった。

.屠殺前の体尺測定値 3

屠殺前の体尺測定値を表2に示した。

舎飼仕上げと放牧仕上げの間に、体格的には大きな違いは認められなかったが、幅に関 しては舎飼仕上げが、長さに関しては放牧仕上げがやや優る傾向にあった。また、毛長は いずれの部位も放牧仕上げの方が長かった。

(23)

.屠殺解体成績 4

屠殺解体成績を表3に示した。

、 。 、

絶食前体重は舎飼仕上げ51.5kg 放牧仕上げ51.1kgであった 消化管内容物重量のうち 絶食時の糞および腸内容物重量はほとんど差がなかったが、胃内容物重量は放牧仕上げで

大きく、消化管内容物の総重量も放牧仕上げが大きかった。このため、絶食前体重か 0.5kg

ら消化管内容物重量を差し引いた空体重量は舎飼仕上げが1kg程大きかった。

一方、ここから除去されるゴミ皮重量のうち、頭および四肢、生殖器並びに血液の重量 は放牧仕上げでやや大きかったが、生毛皮重量は舎飼仕上げで0.8kg大きく、ゴミ皮の総重 量も舎飼仕上げが若干大きかった。生毛皮については、毛長では放牧仕上げの方が長いな がらも乾いた状態にあり、舎飼仕上げでは常にべ夕べタと湿った状態であったことから、

両者の差は羊毛および皮に含まれる油脂分に起因する重量差であると思われる。

さらに、開腹後に除去される内臓の組織重量のうち、胃、腸およびその他の臓器の重量 はいずれも放牧仕上げで大きかったが、脂肪(大網膜および腸間膜)の重量は舎飼仕上げ の方が大きく、内臓周辺の脂肪蓄積が良好である傾向を伺わせた。小腸の長さは内臓の組 織重量の結果を反映し、放牧仕上げで3m余り長かった。

枝肉重量は温屠体並びに冷屠体いずれも舎飼仕上げで 1kg 程大きかった。また、絶食後 体重に占める枝肉重量(冷屠体)の割合で示される枝肉歩留は、舎飼仕上げで 2%程高か った。

屠殺解体構成の絶食前体重に対する割合を表4に示した。

(24)

、 。 、 消化管内容物が絶食前体重の約 分の を占め 空体重量が約 分の を占めた また4 1 4 3 ゴミ皮重量が約 20%、内臓組織重量が 10%強を占め、枝肉重量(温屠体)は42 〜 43%であ った。これら絶食時体重に対する屠殺解体項目の割合の仕上げ方法による差は、いずれも

%前後の範囲に留まった。

1

一方、各項目ごとに舎飼と放牧の仕上げ方法を比較すると、消化管内容物、胃内容物、

腸内容物、頭および四肢、生殖器、血液、胃組織重、心肺肝臓その他の臓器重量は、舎飼 仕上げが放牧仕上げに比べ 5 %以上小さく、生毛皮および内臓周囲の脂肪(大網膜および 腸間膜)重量は逆に5%以上大きかった。

.枝肉成績 5

写真1〜 3に舎飼仕上げラム、写真4〜6に放牧仕上げラムの枝肉背面、側面並びに断 面をそれぞれ示した。枝肉外観は、舎飼仕上げでは全体に丸々として脂肪の付着が良好な 様子が伺われ、特にモモの脂肪の乗りには大きな違いが認められたほか、枝肉断面におい ても脂肪厚の違いは顕著であった。

1 2

写真 写真

(25)

4 5

写真 写真

写真6

枝 肉 成 績 調査雄子羊の枝肉成績を表5に示した。 5

枝肉重量は舎飼仕上げが大きく、背脂肪厚、

肋上脂肪厚並びに肋上組織厚も舎飼仕上げが放 牧仕上げを上回った。枝肉重量および背脂肪厚 の平均値をラム枝肉規格(案)に照らし合わせ

M1 20 25

てみると、いずれも 規格(枝肉重量 〜

、背脂肪厚 〜 )にはいるが、放牧仕上

kg 0 4mm

げではサイズの点でぎりぎりのM規格であった。

一方、舎飼仕上げはサイズ面では申し分なく、

M 2 4 7

背脂肪厚 の面からも 規格(背脂肪厚 〜

)にはいるものが 頭中 頭いたことから、

mm 6 3

配合飼料給与による2カ月弱の仕上げで開始体 重の差を量的に挽回出来るものと考えられた。

(26)

枝肉構成重量のうち赤肉並びに脂肪重量は舎飼仕上げで大きかったが、骨重量は放牧仕 上げで大きかった。部位別構成重量では、ショルダー、ロース、バラはいずれも舎飼仕上 げで大きかったが、モモは放牧仕上げが大きかった。

枝肉構成比を表6に示した。

赤肉および骨の割合は放牧仕上げが舎飼仕上げより高かったが、脂肪割合は舎飼仕上げ の方が高かった。

部位別の割合は、ロースが舎飼仕上げで、モモが放牧仕上げで高かったが、ショルダー およびバラには差はみられなかった。

部位別の赤肉割合は、舎飼仕上げでショルダーが、放牧仕上げでモモが高かったが、ロ ースおよびバラには差はなかった。

.赤肉の理化学性状 6

赤肉の理化学性状を表7に示した。

一般成分については、舎飼仕上げで水分含量が低く、脂肪含量は高かった。

、加圧保水力および伸展率にはほとんど差は認められなかった。また、肉色も 値

pH L

(明度 、 値(赤味 、 値(黄味)いずれもはとんど 差がなかった。) a ) b

テクスチャー特性のうち、凝集性には差がなかった。しかし、硬さは放牧仕上げの数値 が大きく、これに伴って飲み込むまで咀嚼するエネルギーの大きさを示すガム性において も放牧仕上げの数値が高くなり、舎飼仕上げの肉よりも硬いと感じる要因となり得るもの と考えられた。

(27)

.脂肪の理化学性状 7

脂肪の理化学性状を表8に示した。

皮下脂肪の水分含量は放牧仕上げで高く、融点 も放牧仕上げで高い傾向にあった。脂肪色ではL 値が放牧仕上げで高かったが、 値およびa b値は 舎飼仕上げとはとんど差がなく、放牧仕上げで懸 念される皮下脂肪の黄色化はみられなかった。

一方、腎臓周囲脂肪の水分含量には仕上げによ る差はみられず、融点、脂肪色についても大きな 差は認められなかった。

(28)

体型・枝肉測定値と枝肉規格との相互関係に関する調査

Ⅰ.調査の目的

屠畜場に出荷されたラムは、一定時間(12 〜 24 時間)絶食、休養させられた後、放血・

屠殺され、頭、蹄、皮、内臓などが除去され枝肉になる。枝肉は、牛や豚と同じように背 割りされ左右二つに分割されるが、イギリス、ニュージーランド、オーストラリアなどの ラム輸出国では背割りしないのが普通である。

平成 5 年度に作成されたラム枝肉規格(案)をみると、枝肉重量が 5段階(SS、S、

M、LおよびLL)、背脂肪厚が3段階( 、 および )として1 2 3 15ランクに区分され、

需要者が生産者に対して、必要な規格と品質を要求出来るよう表示されている。ここでい う枝肉重量は屠殺から丸 1 日放冷後計量した値(左右半丸の合計)であり、背脂肪厚は第

肋骨と第 肋骨間で切開したロース上の皮下脂肪の厚さを指す( 。

12 13 図1)

ラムを出荷する際、生産現場では検量施設を保有して いないため、実際には体のサイズと仕上がり状態をみて 屠畜場に搬入するケースが多い。また、枝肉は屠畜場で

12 13

も計量が可能と思われるが、背脂肪厚は第 肋骨と第 肋骨間を切開しないかぎり測定出来ないために、生産者 にとってラム流通上非常に重要な情報を収集することは 困難である。

の測定 そこで本調査では、出荷時における体格部位と放冷後 1 GR の枝肉形状を測定してラム枝肉規格との相互関係を調べ

るとともに、それらの測定値により規格判定に必要な枝 肉重量および背脂肪厚を予測することが出来ないかを検 討した。

Ⅱ.調査の方法

材料としては道立滝川畜産試 験場で生産されたサフォーク雄

。 子羊136頭の枝肉成績を用いた

体各部位の測定は、屠殺前日 に行った。測定部位は、 2 に 示すように、緬羊登録関係規定 集「緬半休尺測定要領 (日本」

図2 体各部の測定 図3 枝肉の測定

(29)

綿羊協会)に従った。

)体 高:き甲頂点から地上までの垂直距離( )

1 cm

)体 長:肩端から座骨端までの直線距離( )

2 cm

)胸前幅:左右肩端間の直線距離( )

3 cm

)胸 幅:左右肩甲骨の後端を通る垂直面上の左右肋間最広部の水平距離( )

4 cm

)胸 深:左右肩甲骨の後端を通る垂直面上の背線と胸底との垂直距離( )

5 cm

)腰角幅:左右腰角外縁間の直線距離( )

6 cm

)尻 長:腰角前端から座骨端までの直線距離( )

7 cm

枝肉は屠殺後1 日間冷蔵庫で放冷し、図 ・ に示した1 3 10部位について、技肉を分割せ ず丸のまま、その形状を測定した。また、背脂肪厚は、枝肉の第12と13肋骨間を切断した 横断面について、ロース上の皮下脂肪の厚みとして測定した。

なお、GRは第12肋骨上の背線から11cmの組織の厚みであり、ニュージーランドの枝肉 規格に採用されている部位である。次に、記述中に使用する記号を以下に示す。

)N :首の長さ( )

1 cm

)K :首根から尾根までの長さ( )

2 cm

)G :腰の幅( )

3 cm

)I :腰の周りの長さ( )

4 cm

)F :股の長さ( )

5 cm

)T :脚骨の長さ( )

6 1 cm

)T :股骨下端までの長さ( )

7 2 cm

)T :胸の深さ( )

8 nW cm

)T :胸の幅( )

9 nD cm

)GR :第 肋骨上の背線から

10 12

の組織の厚み( )

11cm cm

Ⅲ.調査の結果

調査に用いた136頭の枝肉成績並びに体 型、枝肉測定値の平均および最小一最大を 示すと、表1のとおりである。

.枝肉の規格分布 1

枝肉の規格分布およびその割合は、図4

・ のとおりである。5

枝肉重量は平均23.6kgで、最小が16.2kg、

33.1kg 3.6mm 0.9mm

最大が であった また 背脂肪厚は平均。 、 で 最小および最大はそれぞれ、 および8.7mmであった。これら枝肉を規格分布割合で示すと、M−1が42.7%(58頭)で最

(30)

4 枝肉の規格分布 5 枝肉規格分布割合

M 2 17.7 24 S 1 12.5 17 L 1 10.3 14

も多く、次いで − が %( 頭 、 −) が %( 頭 、 −) が %(

頭)であり、他の規格割合は1〜5%( 〜1 7頭)台といった内訳になった。

.体型および枝肉測定値と枝肉規格との関係 2

)体型測定値と枝肉規格との関係 1

枝肉重量と背脂肪厚ごとに規格別の体型測定値をまとめると、表 ・ のとおりである。2 3 枝肉重量にみると、いずれの部位も規格が「S」から「M」、「L」、「LL」へと移 行するにつれて測定値の値が大きくなる。特に、増加割合では、胸幅および胸前幅の 2 部 位が著しい。

背脂肪厚別の体型測定値もまた腰角幅と尻長を除き、同様の形態的変化がみられるが、

規格「 」の例数が3 7頭と少なかったことから、枝肉重量ほど増加の幅は大きくなかった。

枝肉重量および背脂肪厚と体型測定値との相関を求めると、表4のとおりである。

枝肉重量との間には、いずれの部位も 1 %水準で有意な正の相関が認められた。部位別 の相関係数では、体長0.67が最も高く、次いで胸深 0.63、腰角幅0.61、胸前幅0.59、尻長

の順となり、胸幅と体高はそれらの値に比べて低かった。

0.52

一方、背脂肪厚において 1 %水準で有意な正の相関がみられたのは、体高および体長を

5 0.49 0.44 0.41 0.34 0.26

除く 部位であり、相関係数は胸幅 、胸前幅 、尻長 、腰角幅 、胸深 であった。

ところで、枝肉重量と最も密接な関係を有する屠殺体重の影響( =r 0.89)を除外した 場合について検討するために、各部位と枝肉重量との間で体重を一定にした偏相関係数を 求めたところ、胸前幅の間に 1%水準で有意な正の相関がみられた(表4)。同様にして、

背脂肪厚との関係( =r 0.41)を調べた結果、胸幅と胸前幅の 2 部位に 1 %水準で有意な 正の相関が示された(表4)。すなわち、屠殺体重が同等の場合、胸の幅に富むほど枝肉 重量が重くなり、背脂肪厚の厚みも増すことを示している。

次に、体格部位との相関係数をもとに、枝肉重量および背脂肪厚を予測するのに適した

(31)

測定部位として、枝肉重量で体長、胸深、腰角幅、胸前幅、尻長の5部位(相関係数0.5以 上)を、背脂肪厚で胸幅、胸前幅、尻長、腰角幅、胸深の 5 部位(相関係数 1%水準で有 意)を選び、これら部位に対する標準偏回帰および垂相関を算出すると、 5 のとおりで ある。

(32)

まず、枝肉重量をみると、体長および胸前幅での値が高く、枝肉重量の予測に際しては これら2部位が重要な役割を示している。

また、背脂肪厚については胸幅が大きく関与しており、他の 4 部位はほぼ同程度の係わ りを持つようである。

重相関係数は、枝肉重量 0.5487および背脂肪厚 0.5309で、いずれも 1%水準で有意であ った。

)枝肉測定値と枝肉規格との関係 2

枝肉重量と背脂肪厚ごとに規格別の枝肉測定値を示すと、表 ・6 7のとおりである。

枝肉重量の規格別では、N、K、Gを除けば、いずれも規格「LL」の測定値が最も大 きい。特に、規格「LL」のGRは、規格「S」に比べ約 2 倍以上の増加割合を示してい る。

背脂肪厚の規格別では、前述したように規格「 」の例数が少ないものの、Nの測定値3 は、規格が「 」から「 」、「 」へ移行するつれて小さな値を示す。これに対して増1 2 3 加する部位は、GRを始め、TnW、I、TnDの4部位であった。

(33)

枝肉重量および背脂肪厚と枝肉測定値との 相関は、表8のとおりである。

枝肉重量との間では、N以外、いずれにお いても1%水準で有意な正の相関が認められ た。これらの部位のうち相関係数が最も高い のはⅠの0.82で、次いでTnWおよびTnl)、G Rと続く。

背脂肪厚は、Ⅰ、T1、TnW、TnDおよび GRとの間に1%水準で有意な正の相関が、

またNとの間に1%水準で有意な負の相関が みられ、なかでもGRとの相関係数は0.76と 最も高かった。

体型測定値 の場合と同様に、屠殺体重の影

響を除外した偏相関係数を求めた結果、枝肉重量では、G、I、TnWおよびGRの 部位4 に 1%水準で有意な正の相関が、Fとの間に1 %水準で有意な負の相関が認められた。背

nW 2 1 N 2

脂肪厚では、T とGRの 部位に %水準で有意な正の相関を示し、 、FおよびT の 3部位には 1%水準で有意な負の相関を示した。つまり、屠殺体重が同程度であれば、

胸の深みがあり腰が充実し、股の長さがやや短いものほど重い枝肉となり、さらに胸の深

(34)

さがあるものほど背脂肪厚の厚い枝肉になることを示唆するものといえよう。

枝肉測定値に対する枝肉重量と背脂肪厚の標準偏回帰および垂相関は、表 9 のとおりで ある。

枝肉重量 においては、I、GRおよびT2が関連の 深い部位で、背脂肪厚はGRとTnWの2部位が大きく 関与しているものと推察された。

0.8785 0.78

垂相関係数は、枝肉重量 および背脂肪厚 であり、ともに %水準で有意であった。

92 1

.枝肉重量および背脂肪厚の予測 3

表 ・ をもとに、体型測定値および枝肉測定値か5 9 ら枝肉重量と背脂肪厚の垂回帰式を求めた。

)枝肉重量を予測する重回帰式 1

体型測定値(表5):式①

0.3659 1 0.7627 2 0.4773 4 0.5316 5 0.0696 6 38.0160

y= Ⅹ + Ⅹ + Ⅹ + Ⅹ − Ⅹ −

R=0.5487 y:枝肉重量(kg)

( ) ( ) ( ) ( ) ( )

Ⅹ:体長 cm Ⅹ :胸前幅2 cm Ⅹ :胸深4 cm Ⅹ :腰角幅5 cm Ⅹ :尻長6 cm 枝肉測定値(表9):式②

0.4383 2 0.3330 6 0.5751 7 0.4205 8

y= Ⅹ − Ⅹ + Ⅹ + Ⅹ

0.4265 9 0.1848 10 40.5570

+ Ⅹ + Ⅹ −

R=0.8785 y:枝肉重量(kg)

Ⅹ :Ⅰ2 X :T6 1 X7:T2 X :T8 nW X :T9 nD X10:GR

に、得られた垂回帰式(①および②から求めた枝肉重量と実測の値との関係を示 図 ・6 7

6 体型測定値による測定枝肉重量と 7 枝肉測定値による推定枝肉重量と

実測枝肉重量との関係 実測枝肉重量との関係

(35)

したが、図に明らかに示されているように、枝肉測定値を用いた式②の方が枝肉重量をよ り高い精度で予測し得るといえる(体型測定値 =r 0.79、枝肉測定値 =r 0.88)。しかし ながら、冒頭で述べたように、屠畜場において枝肉重量の計量は比較的容易に出来る。む しろ生産現場では、前もって出荷するラムがどの位の枝肉重量になり、どの位置に規格ラ ンクされるかを知る方が重要であって、その意味において、式①から枝肉重量を予測する ことは実用価値が高いと思われる。枝肉測定値を用いて予測する場合、枝肉を左右分割し ては各部位の形状を測定することが出来ないため、現在のところ、式①からの予測によら ざる得ないと考えられる。

なお、出荷時或いは屠殺体重と枝肉重量とは密接な関係にあることから、生産現場でそ れらの体重を計量出来るならば、下記の回帰式③および④が適用され、その精度の面でよ り改善されることになろう。

出荷体重を計量している場合:式③

= Ⅹ十 ( = ) y 0.4375 1.1074 r 0.89 屠殺体重を計量している場合:式④

= Ⅹ+ ( = )

y 0.4669 1.4602 r 0.89

:枝肉重量( ) Ⅹ:出荷或いは屠殺体重( )

y kg kg

)背脂肪厚を予測する重回帰式 2

体型測定値(表5):式⑤

y= ,0 1492Ⅹ2十0.2732Ⅹ3−0.1338Ⅹ4十0.2235Ⅹ5+0.2029Ⅹ6−9.5782 R=0.5309

:背脂肪厚( )

y mm

Ⅹ :胸前幅(2 cm) Ⅹ :胸幅(3 cm) Ⅹ :胸深(4 cm) Ⅹ :腰角幅(5 cm) Ⅹ :尻長(6 cm) 枝肉測定値(表9):式⑥

y=0.0746Ⅹ1−0.0979Ⅹ2−0.0234Ⅹ6+0.3366Ⅹ8

0.0558 9 0.2265 10 0.6956

+ Ⅹ 十 Ⅹ −

R=0.7892

:背脂肪厚( )

y m

X :N X :I X :T1 2 6 1 X :T8 nW X :T9 nD X10:GR

得られた垂回帰式③および④から求めた背脂肪厚と実測の値との関係を示すと、 8 のとおりである。両者の図を比較すると、枝肉測定値を用いて背脂肪厚を予測した式⑥ 9

の方が精度が高い(体型測定値 =r 0.55、枝肉測定値 =r 0.79)。しかし、枝肉重量の予 測式でも述べたように、分割した半丸の枝肉からは予測でないといった制約を受ける。そ こで先に、枝肉測定値に対する背脂肪厚の棲準偏回帰をみた 9 において、GR の役割が かなり大きいことが明らかにされたことから、それらの関係を検討したところ、図10にみ られるような回帰式⑦が得られた。

(36)

8 体型測定値による測定背脂肪厚と 9 枝肉測定値による測定背脂肪厚と 実測背脂肪厚との関係 実測背脂肪厚との関係

10 GRと背脂肪厚との関係 11 GRによる推定背脂肪厚と 実測推定背脂肪厚との関係 GR:式⑦

= Ⅹ− ( = ) y 0.2613 0.3692 r 0.76 y:背脂肪厚( )m Ⅹ:GR 式⑦により求めた値と実測の値の 関係を図11に示したが、両者間の相 関係数は0.76になり、式⑥の実測値 との相関係数0.79とそれはど大きな 違いはなかった。これらのことから、

枝肉の分割にかかわらず、第12肋骨

13 G

と第 肋骨間を切開しなくとも、

を測定するだけで背脂肪厚を容易 R

に予測することが可能であって、今

付図 ラム枝肉規格(案)

後の枝肉規格改訂の際には検討すべ き部位になるものと思われる。

なお、参考までにGR値を併記し たラム枝肉規格(案)を付図として

図 6 腎臓周囲脂肪の脂肪酸組成 図 7 腎臓周囲脂肪における飽和脂肪酸 と不飽和脂肪酸の割合 割合が低い脂肪酸における月齢間の変化のうち、ミリスチン酸( C14 : )は月齢ととも0 に減少した。パルミトオレイン酸( C16 : )、リノール酸(1 C18 : )では月齢間に一定の2 傾向がみられなかった。また、リノレイン酸( C18 : )は月齢とともに漸増した。3 腎臓周囲脂肪における飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合を 図 7 に示した。 腎臓周囲脂肪の不飽和脂肪酸の割合は、赤肉中脂肪や皮下脂肪に比べて
図 4 枝肉の規格分布 図 5 枝肉規格分布割合 M 2 17.7 24 S 1 12.5 17 L 1 10.3 14も多く、次いで−が%(頭 、 −)が%(頭 、 −)が%( 頭)であり、他の規格割合は 1 〜 5 %( 〜1 7 頭)台といった内訳になった。 .体型および枝肉測定値と枝肉規格との関係 2 )体型測定値と枝肉規格との関係 1 枝肉重量と背脂肪厚ごとに規格別の体型測定値をまとめると、表 ・ のとおりである。 2 3 枝肉重量にみると、いずれの部位も規格が「S」から「M」、「L」、「LL」へ
図 8 体型測定値による測定背脂肪厚と 図 9 枝肉測定値による測定背脂肪厚と 実測背脂肪厚との関係 実測背脂肪厚との関係 図 10 GR と背脂肪厚との関係 図 11 GR による推定背脂肪厚と 実測推定背脂肪厚との関係 GR :式⑦ = Ⅹ− ( = )y0.26130.3692r0.76 y :背脂肪厚( )m Ⅹ: GR 式⑦により求めた値と実測の値の 関係を図 11 に示したが、両者間の相 関係数は 0.76 になり、式⑥の実測値 との相関係数 0.79 とそれはど大きな 違いはなかった。これらの

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