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日本小児循環器学会第 15 回教育セミナー特集にあたって

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Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 35(4): 207 (2019)

© 2019 Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 特 集

日本小児循環器学会第 15 回教育セミナー特集にあたって

高橋 健

順天堂大学小児科

小児循環器学会の第15回教育セミナーは〈胎児心エコー検査〉と〈術後合併症を起こさないために,また発生 時いかに対処するか〉の二つの内容を扱いました.

セミナーの視聴者の先生方は,この分野に入ったばかりの研修医の先生,実戦の場の中隔となる中堅の先生,指 導者の先生と,それぞれ立場は大きく異なります.しかし各お立場の先生方に共通する教育セミナーの重要な役割 の一つとして,ある専門分野ついて,効率的に,必要とされる内容を,偏りなく学べることにあります.

現在医療の分野は増々細分化されつつあり,各分野において学ぶべき情報量は膨大なものとなり,全てを独学で 学ぶのは困難を極めます.その問題を解決する方法の一つとして教育セミナーが存在します.教育セミナーにおい てはエキスパートの先生方が,その分野の歴史・背景から現状,そして未来への展開まで熟知したうえで重要な点 を取捨選択し,必要事項について漏れのないように内容を教えてくれます.このような教育セミナーの役割を理解 したうえで,第15回教育セミナーの復習として,今回発行される特集号を読んでいただければ,医療知識の学び に役立てることが可能と考えられます.

前半は,胎児心エコー検査がテーマとして扱われました.出生後の心エコーは,小児循環器学の中心を占める分 野の一つで,小児循環器医の誰もが馴染みのあるものです.しかしながら,胎児心エコーは出生後の心エコーと多 くの共通点はあるものの,小児循環器学とは独立した胎児心臓病学の中心をなす専門的技術です.胎児心臓病学は 胎児期のみならず,生後の治療法や予後を含めた学問となります.今回は〈胎児期に先天性心疾患出生後の重症度 をどう評価する?〉と,〈胎児の心不全:不整脈の重症度をどう評価する?〉の二つのテーマについて,セミナー の内容を解説していただきました.単純な胎児診断や胎児の治療にとどまらず,出生後の治療法や予後も含めた内 容となっております.医療の現場では,自分の専門分野以外についても系統的な知識を持つことは重要であり,ご 自分で胎児超音波を行わない先生方におきましても,是非把握しておくべき重要な内容となっております.

後半は,術後合併症をテーマに,乳糜胸および手術部位感染症の予防について,セミナーの解説をしていただき ました.小児循環器医の多くは自分で手術を行うわけではありません.しかし手術前後の管理においては,内科医 と外科医がお互いの分野を熟知して,共同作業で医療にあたるべき領域となります.今回術後の合併症の,原因・

発生機序,リスク,症状,診断法など,早期発見と適切な治療法に必要な基礎知識が,整理され凝縮して書かれて おり,研修医から指導的立場の小児循環器関連の先生方にとって,大変役立つ内容となっております.

このセミナーの内容が,より良い医療のために役立つことを願っています.

doi: 10.9794/jspccs.35.207

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