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2014年7月号 (47)401

日本 OR 学会賞

2013年度学会賞のうち,実施賞,普及賞,業績賞について,表彰委員会で選考のうえ,理事会 にて以下のとおり決定されました.

各賞は2014年3月6日の春季研究発表会(大阪大学)にて贈呈されました.

第38回実施賞

●キヤノンITソリューションズ株式会社

[選考理由]

キヤノンITソリューションズ株式会社は,1983年 に一度,前身の住友金属工業株式会社が第7回実施賞 を受賞している.今回は,前回の受賞以降研究領域を 鉄鋼以外の分野に拡大し,多くの成果を収めているこ とが評価された.最近の際立った成果を以下に記す.

1.製品配送計画

需要家,工場,物流拠点間に配送オーダーがある場 合の配送計画において,問題固有の制約条件を加味し,

配送オーダーをトラックの積載単位に集約するステッ プと走行ルートを生成するステップからなる解法を開 発した.その結果,トラック台数を14%削減する効 果を得た.

2.需要予測

100万種類にも及ぶサービスパーツについて,さま ざまなモデルを用いた予測方式を開発・採用した.実 際の稼働状況をもとに大規模に適用した結果,高精度 の予測に成功した.

3.造船スケジューリング

船殻ブロックの組み立て作業効率化に関して,分枝 限定法を利用した近似アルゴリズムを考案し,現場適 用のためのシミュレータを開発した.これにより作業 負荷が見えるようになり,大組立工程での作業の効率 化を実現した.

これらの活動は本学会実施賞にふさわしいと判断さ れ,実施賞を授与することに決定した.

●JFEスチール株式会社

[選考理由]

薄板(うすいた)生産管理システムリフレッシュプ ロジェクトにおいて最適化・シミュレーション技術を 適用してさまざまなシナリオを比較検討し,システム

開発の方向性を提示,課題解決に結びつけて顕著な成 果を挙げた.具体的な解決課題は以下の4点であり,

これらを総合して在庫率の縮小およびリードタイム半 減を実現し,経営に寄与した.

1.生産同期化の効果の可視化

多段直列工程において,なりゆき生産と同期化生産 での在庫変動およびスループットの格差を可視化した.

プロジェクトメンバーに対してシミュレーション結果 を提示し,納得感を与えることにより,プロジェクト の目指すべき方向を決定づけた.

2.素材設計シミュレータによる設計方針決定スラブ の設計に関して,従来の枠組みにとらわれず,異厚,

異幅,通過工程違いなどの異属性の組合せまで考慮し たシミュレータを作成し,歩留まりを向上させた.

3.出鋼成分のグルーピング

製鋼工程で,随時ダイナミックに出鋼ロットを形成 することによりロットサイズを大きくすることが可能 であることを示し,実運用に結びつけた.

4.対話型スケジューラの開発

複数プロセス間の同期化を推進し,属人性を排除し て計画の品質を安定向上させるため,対話型のスケ ジューラを開発した.スケジューリングの品質に関し ては従来と同様,総作業時間については10倍以上の 高速化を実現した.

これらの活動は本学会実施賞にふさわしいと判断さ れ,実施賞を授与することに決定した.

第39回普及賞

●久志本茂 氏

[選考理由]

久志本氏は福井大学・金沢大学教授を歴任され,北 陸地区のOR学会活動のリーダー的役割を果たされた.

1988年に金沢女子大学にて開催された第63回研究 発表会では実行委員長を務め,その後1991年に北陸 学会ニュース

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オペレーションズ・リサーチ 402(48)

地区在住のOR学会会員を中心とした研究部会「最適 化モデルとその周辺」を初めて組織して,3年間にわ たり主査としてその運営にあたった.この研究部会は 北陸地区のみならず,関東や関西などから研究者また は実務家が講演に訪れ,北陸地区でのORの啓蒙・普 及・発展に多大な影響を与えた.さらにその後,2000 年に再度主査として研究部会「システムの最適化と OR」を運営している.

また,福井大学,金沢大学時代を通じて多くの後進 の育成にあたり,OR学会で活躍する人材の育成に尽 力した.

これらの活動は本学会普及賞にふさわしいと判断さ れ,普及賞を授与することに決定した.

●大山達雄 氏(政策研究大学院大学)

[選考理由]

大山氏は埼玉大学・政策研究大学院大学を通じて数 多くの学生を指導してきた.その数は博士課程学生 10名を含めて60名以上であり,そのうち20名以上が 海外からの留学生である.学生の研究指導の中で作成 した論文によって,修士論文の学生論文賞,博士論文 の学会論文賞などの受賞者も数多く輩出している.

書籍においても「最適化モデル分析」「グラフ・ネッ トワーク・マトロイド」「公共政策のOR」など,さ まざまな分野できわめて重要な文献を出版している.

OR学会における活動も活発に行われている.主な

ものでもIAOR委員長,国際理事,機関誌編集長,

広報委員長などを歴任し,国際的にもAPORS副会 長,IFORS副会長として,両組織を通じて海外学会 との関係を強化した.また2007年に行われた本学会 の50周年記念式典では,実行委員長としてIFORS,

INFORMS,ORSC,KORMSから首脳を招き,盛大 な式典を挙行し成功を収めた.

これらの活動は本学会普及賞にふさわしいと判断さ れ,普及賞を授与することに決定した.

第15回業績賞

●室田一雄 氏(東京大学)

[選考理由]

室田氏は工学に現れるさまざまなシステムを対象と して,それらの数理的構造を明らかにし,効率的な解 法を見いだすための数学的基礎理論の研究を進め,顕 著な業績を挙げてきた.それらは,

・ 離散凸解析,混合行列,ネットワーク,マトロイド などの理論と工学的応用,

・群論的分岐理論の構造工学,空間経済学への応用,

・数値線形代数,数値積分法,分解原理

の諸分野に及んでいる.1994年には第22回文献賞を 受賞している.

どの分野にも重要な成果を残されているが,ここで は離散凸解析一つに絞って説明する.離散凸解析は,

それ自体が非常に明快で美しい理論体系であり,現在 研究されている問題のクラスに対して極めて有用であ る.それに加えて,新しい分野の問題が現れたとき,

対象の数理的構造を離散凸解析の理論に基づいて考察 することによって,優れた定式化を導くことができる 基礎理論である.離散凸解析に対する世界的な評価は 非常に高く,日本が誇る数理工学分野の大きな業績で あるといえる.

また東京大学,京都大学,筑波大学において長年教 育に携わり,企業・教育機関等に多くの優秀な人材を 送り出している.

これらの活動は本学会業績賞にふさわしいと判断さ れ,業績賞を授与することに決定した.

〔2013年度表彰委員〕

加藤直樹(委員長・京都大学),村松正和(電気通 信大学),池上敦子(成蹊大学),栗田 治(慶應大 学),関谷和之(静岡大学),滝根哲哉(大阪大学),中 森眞理雄(東京農工大学),西川武一朗((株)東芝), 山下英明(首都大学東京),吉瀬章子(筑波大学).

参照

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〔略歴〕 昭和 30年 4 月 10 日生 昭和 53年 東京大学工学部計数工学科卒業 昭和 55年

 首都大学東京教授  首都大学東京教授  首都大学東京教授  首都大学東京教授  首都大学東京准教授

7 )現在の東京大学の前身である。明治 10 年( 1877 年)官立大学として創立する時は東京大学と称し、明 治 19 年(

委 員 肥田 剛典 東京大学 委 員 平井  敬 名古屋大学 委 員 福谷  陽 関東学院大学 委 員 古川 洋子 日本女子大学 委 員

選手名 所属名 都道府県 平野 太陽 TEAM YONEZAWA 東京都 平野 孔基 岡山理科大学附属高等学校 愛媛県 平林 瑞貴 YSC 神奈川県 平山 尚暉

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