18先端-3 調査・研究報告書の要約
書 名 平成18年度マルチバンドレーザプロファイラに関する調査研究報告書
発行機関名 社団法人 日本機械工業連合会 ・財団法人 資源探査用観測システム・宇宙 環境利用研究開発機構
発 行 年 月 平成19年3月 頁 数 120頁 判 型 A4
[目次]
本 編
序 章 調査研究の概要 1.背景と目的 2.調査研究体制
3.調査研究項目・スケジュール
第1章 マルチバンドレーザプロファイラの利用用途調査 第2章 レーザ発信器の可能性調査
第3章 マルチバンドレーザプロファイラのシステム検討 第4章 課題抽出および産業化への方策
[要約]
マルチバンドレーザプロファイラは、2波長のレーザを使用することにより、水深測定 を可能にする等多様な利用が可能になる。
本調査研究報告書はマルチバンドレーザプロファイラの航空機搭載型での実施例につい て利用用途、効果、実施機関の調査を行うとともに、衛星搭載への可能性調査として、衛 星搭載型レーザプロファイラの実施例調査、レーザ発信器の調査をもとにマルチバンドレ ーザプロファイラの衛星搭載への可能性に関するシステム検討を行い、今後の実用化に向 けての開発課題の検討、産業化への方策検討を行った結果をまとめたものである。
[本編]
序章
1.背景と目的
石油資源・鉱物資源等の探査、温暖化ガス排出等の環境観測、災害監視、農林水産等の 分野において利用されている地球観測データとして、環境保全および水資源の有効利用の 観点から、河川部、海域等における水深、地質等のデータのニーズも高まってきており、
高さ方向の情報を高精度に得ることができる光学系能動型リモートセンサが着目されつつ ある。既に実用化されている能動型レーザプロファイラの多くは、He-Ne ガスレーザ光
(633nm)、半導体レーザ光(約800nm)あるいはYAG固体レーザ光(1,060nm)を用いており、
いずれも水中での透過率が悪く、海底、河川等の帯水土壌域の地形把握等が不十分である。
河川、海域等の情報を高精度かつ定量的に取得するため、対象物の特性に応じた波長を持 つ「マルチバンドレーザプロファイラ」を開発が必要となっている。
本調査研究では水中での減衰の少ない海底測定用青色系レーザ(530nm-YAG2倍高調波) および海表面測定用の2バンドを有するレーザプロファイラを中心とした調査研究を行い、
需要があるにもかかわらず参入が困難であった沿岸域での水深の測定への新規リモートセ ンシング技術適用の方向性を示すことを目的として実施した。
2.調査研究体制
本調査研究は図1の体制で実施した。
調査研究の経緯、内容に関しては、外部有識者による委員会を組織し、その助言を成果に反 映した。委員会の委員名簿を表1に示す。
図1 調査研究体制
(財)資源探査用観測システム・宇宙環境利用研究開発機構(JAROS)
マルチバンドレーザプロファイラに関 する調査研究委員会
NEC東芝スペースシステム(株)
(株)地球科学総合研究所 (社)日本機械工業連合会
表1 マルチバンドレーザプロファイラに関する調査研究委員会 委員名簿
氏名 所属
委員長 浅井 和弘 東北工業大学 工学部
委員 松本 良浩 海上保安庁 海洋情報部 技術・国際課 海洋研究室 委員 瀬戸島 政博 国際航業(株) 技術センター 瀬戸島研究室
委員 羽藤 正実 資源・環境観測解析センター 技術一部
3.調査研究項目・スケジュール 3-1調査研究項目
(1) 技術動向調査
国内外におけるマルチバンドレーザプロファイラの研究開発に関して、その技術動向調 査を実施する。具体的には、現在検討されているレーザ光の波長の選択、実用化技術、シ ステム構成についての調査および使用用途についての調査を実施した。
1-1) マルチバンドレーザプロファイラ使用用途調査
2波長レーザプロファイラを用いた海底調査用を主とし、蛍光利用等他の可能 性のあるレーザプロファイラの使用用途についての調査を行った。
1-2) レーザ発信機の可能性調査
前項で調査を行った用途に使用可能性のあるレーザの技術開発動向について調 査を行った(YAG2倍高調波、XeClレーザ等)。
1-3) レーザプロファイラシステム検討
光学系、信号処理も含めた、マルチバンドレーザプロファイラのシステムの概 略検討を行い、航空機搭載用、衛星搭載用としての可能性、性能緒元をまとめ、実 現の可能性を検討した。
(2) 技術課題の抽出・評価
(1)項の調査をもとに、衛星リモートセンサに適用していくための技術課題の抽出・
評価を行った。
現在航空機搭載用としては、(1)1-1)項での調査対象等複数のプロジェクトが実行され ているが、さらに衛星搭載するには、発信機光電力、繰り返し周波数、アイセーフ等の問 題が存在すると想定される。衛星搭載用のレーザプロファイラを実現するに必要な、発信 器等基本要素に要求される性能を検討し、技術動向の調査結果を基に衛星搭載用マルチバ ンドレーザプロファイラの課題を抽出し、その実現可能性の評価を行った。
(3) 産業化への方策検討
前(1)、(2)項を踏まえ、今後の我が国宇宙産業の技術力強化、商業市場への参入に 必要不可欠となる産業競争力の強化に向けた方策について検討を行った。
3-2 スケジュール
上半期 下半期
半期別・月別 項目
H18
7 8 9 10 11 12
H19
1 2 3 1.技術動向調査
1)使用用途調査 2)レーザ発信機調査 3)システム検討
2.技術課題抽出・評価
3.産業化への方策検討
4.委員会開催 ○ ○
⑤報告書作成、公表
第1章 マルチバンドレーザプロファイラの利用用途調査
マルチバンドレーザプロファイラの主な用途としては、水中での減衰の少ないNd:YAG レーザの2倍高調波(532nm、緑色)を用いた水深計測用途および蛍光を利用して対象物の 識別を行うものとが多く行われている。
1-1) 水深測定 ・原理
図2は,様々な海水における可視~近赤外の電磁波の減衰係数(海水面から10mまで)を 示したものである(Northam et al., 1969)。この図から,水をある程度透過できる波長帯は 主に可視域で,図からも分かるように赤外域に入ると減衰係数が非常に大きくなりほとん ど海水中に入り込むことはなくなる。したがって,海水の中や海底(浅海)からの情報を得 るために利用できる波長帯は可視域に限られることになる。したがって,水深計測を行う ためのシステムは, Nd:YAGによるIRレーザを用いて,1064nm(Infrared)とその2倍高調 波の532nm(Green)を利用し,IRとGreenのレーザによりそれぞれ海表面と海底までの時 間を計測し,その時間差から水深を算定する(図3)。
図2 海水の可視~近赤外光の減衰特性 図3 レーザプロファイラによる水深計測概念
図4は,Greenレーザの観測波形を示したものである。Greenレーザの観測波形は,表面 からの散乱波・体積散乱波・底面からの散乱波が含まれる。
図4 緑光の水面および推定からの反射光の波形
・レーザプロファイラによる水深測定の特徴
浅海域では,従来からの船舶搭載のソナーによる測深調査に替わって,航空機レーザプ ロファイラによる測深調査の需要が増しつつある。
航空機レーザプロファイラの有効な点
広範囲を短期間に調査、調査費用の低減(従来調査の15-30%)
陸域の含めた水深・標高調査、船舶調査に危険が伴う地域における調査
航空機レーザプロファイラの限界
測深可能な深度が水の透明度に依存(最大50m)、海底面上の小さなものの検知が困難
・2波長レーザプロファイラによる水深計測実施例 表2 主な水深測定用のレーザプロファイラ
System Fullname Wavelength
(nm) Organization (Operation) Organization (Manifacture) Year
LARSEN-500 Laser Airborne Remote Sensor 532 1064
1) Terra Surveys
Canada Centre for Remote Sensing (CCRS) Canadian Hydrographic Service
Optech Incorporated 1985
SHOALS
Scanning Hydrographic Operational Airborne Lidar Survey
532 1064
1) United States Army Corps of Engineers (USACE)
2) Japan Coast Guard Optech Incorporated 1994
HAWKEYE 532
1064 1) Swedish Hydrographic Department / Swedish Navy Optech Incorporated
SAAB Dynamics 1994
LADAS Mk II Laser Airborne Depth Sounder 532 1064
1) Australian Hydrographic Service
2) Tenix LADS Corporation Tenix LADS Corporation 1998
EAARL Experimental Advanced Airborne Research Lidar
532 1064
1) Natinal Aeronautics and Space Administration (NASA)
U. S. Geological Survey (USGS)
NASA Wallops Flight Facility 2001
水域での調査を目的とした航空機搭載用レーザシステムの開発は, 1960年代後半から 始まった。1970年代から1980年代には,米国,スウェーデン,オーストラリア,カナダな どで,特に軍事的な機関が中心となり,米国,スウェーデン,カナダの開発にはOpotech 社(カナダ)が,オースストラリアにおける開発では,同国のTexnix社が関わり,実験的 な研究開発が進められた。1990年代には,それぞれ実用機の段階に入っており、 AOLで の経験に基づき開発されたExperimental Advanced Airborne Research Lidar (EAARL)
により研究的な運用がなされている。
現在では, Opotech社のSHOALS とTexnix社のLADS MK IIが商用機として運用さ れて,世界各地における浅海域での海図の更新,沿岸環境のモニタリングに利用されてい る。それらのシステムは, Nd:YAGによるIRレーザを用いて,1064nm(Infrared)とそ の2倍高調波の532nm(Green)により,浅海域における水深測定を行うセンサである。
図5 EAARLにによるヴァージニア州の海岸線のモニタリング (Wikel and Wright, 2005)。
1-2) 蛍光利用
1960年代の終わり頃,流出油による環境汚染が問題視され、流出油検知手段の研究が始ま った。航空機リモートセンシング分野の技術開発として,流出油の検知を目的とした新し いセンサが注目され始めた。蛍光レーザセンサ“laser fluorosensor”と呼ばれるシステム である。図6は,蛍光レーザによる観測の概念を示したものである。蛍光レーザによる流 出油の分布域把握、油種類の識別の可能性が示され、油濁防除の観点からは,夜間での観 測が可能な蛍光レーザは,24時間体制の緊急観測が可能な技術として期待されている。
図6 蛍光レーザ観測の概念 (Measure, 1984)
現在では,Laser Diagnostic Instruments Ltd.により商用に開発された Fluorescent Lidar System (FLS)シリーズなど、海域だけでなく陸域の油汚染の調査にも利用されてい る。日本においても,(独)海洋技術安全研究所がヘリコプタイー搭載型の蛍光ライダーを 開発し,実験を行っている(篠野他,2005)。表3に蛍光プロファイラの実施例をまとめ た。
表3 蛍光プロファイラ実施例
System Fullname Lsaer
Transmitter Wavelength (nm)
Receiver Spectral range
(nm) Number of
channels Organization Reference
LS Laser Flourosensor N2 337 386 - 690 20 CCRS O'Neil et al. (1980)
AOL FL Airborne Oceanographic
Lidar Flourosensor N2 337.1 350 - 800 40 NASA Hoge et al. (1980)
FLS AU Fluorescent Lidar
System AU XeCl Excimer 308 300 - 550 500 Laser Diagnostic
Instruments Ltd Babichenko et al. (2006)
FLS AM Fluorescent Lidar System AM
XeCl Excimer Dye
308 360, 460
tunable 250nm
window 500 Laser Diagnostic Instruments Ltd
Babichenko et al. (2006) Samberg et al. (2005)
OLS Oceanographic Lidar System
XeCl Excimer Dye
308 450/533
344, 366, 380, 450, 500, 533, 650, 685
8 Universiy of Oldenburg Hangstermann and Reuter (1990)
LFS IAFLS
Laser Flourosensor Imaging Airborne Laser Flourosensor
XeCl Excimer Dye
308 382
344, 330, 365, 380, 440, 470, 500, 550, 600, 650, 685
12 DRL / Universiy of Oldenburg
Reuter et al. (1995) Gruner et al. (1996)
LEAF Laser Environment
Airborne Fluorosensor XeCl Excimer 308 320 - 635
or 525 - 696
32 or 64
US / Canada Karmar (2002)
SLEAF Scanning Laser Environment Airborne Fluorosensor
XeCl Excimer 308 330 - 610 64 US / Canada Brown et al. (1996)
Brown et al. (2001)
蛍光ライダー ヘリコプター搭載型 Nd:YAG(THG) 355 405, 436, 442,
486 4 (独)海洋技術安全研究所 篠野他 (2005)
第3章 レーザ発信機の可能性調査
1960年メイマン博士がルビーレーザの発振に成功して以来、種々のレーザ媒質を用 いたレーザが開発されてきた。
ライダー(レーザレーダ)に用いる光源として必要な性能を下記に示す。
(1) 測定に必要とされる波長を発振できること。
(2) 10n秒程度より短い短パルス発振が可能であること
(3) ピークパワーが高く、数10~数J程度の1パルスあたりのエネルギーが得られ ること。
(4) 発振プロファイルが安定していて、シングルモードに近いこと(Far Field Patternが安定していること)
(5) 放熱が容易であること
衛星搭載実績のあるレーザレーダを表4に示すが、すべてがNd:YAGレーザが使用され ている。固体レーザは、宇宙用として最も実績のあるレーザで、これまでライダーに用い られてきたものの殆どが、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)にネオジウム をドープした結晶を用いている。 発振波長は、1064nmであり、非線形結晶を用い2倍 高調波(SHG,532nm、緑)、3倍高調波(THG, 355nm、紫外)を発生させ使用する。 地上装 置では熱光学特性が小さいYLF(イットリウム・フッ化リチウム)にネオジウムをドープし
た結晶Nd:YLFもNd:YAGほどではないが比較的多く使用されている。 レーザ媒質は
ドープしているNdであるため、発振波長はNd:YAGとほぼ同じ1047nmであり、SHG やTHGも同様に利用されている。 宇宙用としては、MDS-2搭載を目指して開発が進め られたレーザに採用されていたが、計画は中止された。 米国でも研究は進められている という報告はあるが、実際に宇宙用として使用された例は不明である。半導体レーザは発 振波長が比較的自由に選べることと、電流を流せば高効率で発振させることができ、応用 分野によっては非常に優れたデバイスであるが、ライダーの様に、ピークエネルギーが高 い短パルスの出力を得ることができない。
表4 衛星搭載レーザレーダ例
システム STS/LITE IceSAT
/GLAS
CARIPSO /CALIOP
MARS Clobal
Servayer STS/SLA MESSENGE R/MLA
Clementine/
LIDAR NEAR/NLR HAYABUSA /LIDAR
SELENE /LALT
AEOLUS /ALADIN
EarthCARE /ATLID
用途 Cloud/Aero
sol Atom./altim
eter Atom. altimeter altimeter altimeter altimeter/Im
aging Altimeter Altimeter Altimeter Doppler Atom.
使用レーザ Nd:YAG Nd:YAG
Nd:YAG 1st, SHG,
THG Nd:YAG Nd:YAG Nd:YAG Nd:YAG
1st, SHG Nd:YAG Nd:YAG Nd:YAG Nd:YAG
THG Nd:YAG
THG
1064 1064 1064 1064 1064 1064 1064 1064 1064 1064 355 355
532 532 532 532
356
445 74 110 48 40 20 180 15 8 100 120 19
557 30 9
162
計測周波数 (Hz) 10 40 20.16 10 10 8 1/8~8 1 1 100 100
受信光学系口径 (m) 0.985 1 1 0.5 0.38 0.48 ~0.1 ~0.1 0.13 0.1 1.5 0.6
高度 (km) 200~300 600 705 350~405 200~300 0.05~50 50~150 400 555
15 0.15 30~60 0.375 0.75 0.15 40 0.5 1 @ 50 5 100
75 10 @ 50k
質量 (kg) 2000 300 172 25.85 2.37 5 3.7 19 470 230
電力 (W) 3000 350 197 34.2 6.8 20.7 17 830 308
レンジサンプリング /レンジ分解能 使用波長 (nm)
出力(mJ)
第3章 マルチバンドレーザプロファイラのシステム検討
ライダーで観測される信号は以下に示すライダー方程式に従う。
大気を計測する場合にはパラメータには、通常下記の意味づけがされる。
P(r)は受信信号強度 r は計測距離
P0は送信レーザーのパワー(従って、P0tpはパルスあたりのレーザエネルギー) η0はライダーシステムの光学的な効率
Y(r) はライダーの送受信系の重なりを現す関数。Y(r)はある距離から1となるよう
な関数である。そこで、以下の取扱では、Y(r) = 1とする。
ctpは送信レーザーパルスの空間的な長さ(cは光速) AR は受信望遠鏡の有効受信面積
β(r)は距離rでの大気の体積後方散乱係数。
τは大気の光学的厚さ(Optical Depth)であり次式で表される。
β(r)及びτを下記の様に意味づけすると水中を含めたものにそのまま拡張することがで きる。
b(r)は距離rでの大気及び水の体積後方散乱係数。
τは大気と水の光学的厚さであり次式で表される。
大気中では、大気分子によるRayleigh散乱やエアロゾルによるMie散乱によってレーザ 光は減衰する。 特に、雲を含むエアロゾルは、気候・天候の影響を強く受けるため正確な 見積もりは難しい。
Rayleigh 散乱は比較的安定であり、エアロゾルの影響の無い場合にも生じる。 これによ
る大気損失(消散係数)は
と波長の4乗に反比例し、短波長の方の損失が大きく、地表面で下記の程度の損失になる。
水中からのライダの反射光強度を見積もるために下記の仮定を置く。
地表面での減衰を 50%(Optical Depth: 0.639) 水深を d (r=h+d, h は衛星高度)とする。
減衰係数をσ(m-1) 後方散乱係数をβ(m-1) 衛星高度 500km
ライダシステム効率 η0=0.5 レーザエネルギー E0= P0×tp 使用波長 532nm
送信光エネルギ 100mJ
その結果、ライダ方程式を水深の関数として下記の様に表すことができる。
) 2
exp(
5 . ) 0 10 500 ( 5 2
. 0 )
(
0c A
2 2d
E d
P
R× × − × ×
× ×
×
×
×
= β σ
3
上記の仮定で期待できるレーザ反射光のレベルを図7に示す。混濁のない場合には10m あるいは20mの水深が測定できる可能性がある。
1 10 100 1000
0 5 10 15 20 25 30
水深
検 出 信 号 (pho to ns /1 ns )
水深 10mの場
合の検出信号
水深 20mの場
合の検出信号
図7 期待されるレーザ反射光レベル
第4章 課題抽出および産業化への方策
マルチバンドレーザプロファイラの衛星搭載への課題として以下の項目がある。
地表サンプリング間隔
レーザ繰り返し周波数で制限され、40Hzの場合約180mとなる アイセーフ(レーザ光の目視に対する危険防止規定)
レーザ光のエネルギを100mJの場合、ビーム径を約300mとする必要がある。
以上の課題を考慮し実用化に向けては以下の方策を検討する必要がある。
・航空機あるいはヘリコプター搭載による利用面の技術開発を進め、技術の蓄積を 図る。
・衛星搭載する場合、高分解能イメージャ等、観測位置の特定が可能な手段を併用 する方式の検討を行う。また、サンプリング間隔の制約があり、広い範囲の詳細な データ取得が困難なことから、ビーム径を大きくして平均的な情報を取得するか、
あるいはサンプリング的な情報から全体の情報を類推する等の解析手法の検討が 必要である。
・レーザ発信器の高効率化、発信波長の多様化の開発研究を継続し、衛星搭載レー ザプロファイラの性能向上を目指す。
マルチバンドレーザプロファイラの多様な用途への可能性は、既に商業ベースでプロジ ェクトが進められている水深測定をはじめとして今後も海域の環境監視、安全確保への適 用が進められるとともに、レーザ発信器の効率向上、発振波長の多様化要求への対応が求 められることによるレーザ発信器産業への波及効果も期待できる。