日本小児外科学会秋季シンポジウム
#8000(小児救急電話相談事業)の現状と小児外科医のかかわり
吉澤穣治
東京慈恵会医科大学 外科学講座 小児外科
桑島成央・黒部 仁・田中圭一朗・大橋伸介・平松友雅・馬場優治・梶 沙友里 東京慈恵会医科大学 外科学講座 小児外科
【はじめに】
平成16年に開始された小児救急電話相談事業は都道府県が主体となっておこなわれて いる電話相談事業である。こどものけがや病気で今病院を受診した方がいいのか、しばら く様子をみていてよいのかを迷った際に、全国どこでも#8000 に電話をすると看護師が 緊急度を判断する事業である。しかし、その知名度は低く、小児救急に携わる小児外科医 でもその制度を知っているものは少ない。そこで、本制度についての実態を調査し、その 現状を小児外科医の立場から報告する。
【#8000事業】
#8000事業は平成16 年に厚生労働省の補助事業として開始され、平成22 年には全国
の都道府県で行われるようになった。知名度は30%と低いものの、年間50万件の相談が 寄せられ、年々増加している。しかし、24 時間体制でない自治体があること、単回線で 話し中が多いことなどの問題がある。また、対応が看護師の経験に頼るところが大きく、
対応レベルがまちまちであることも問題である。喫緊の対策として、24 時間体制で事業 を展開することと、準夜帯の複数回線化することが必要であることや、相談回答の標準化 とさまざまな救急対応情報との整合性を兼ね備えたプロトコールが必要であること、相談 対応の質の向上のための教育テキストの作成と講習会の開催をおこない相談回答の質の 向上をはかることも必要である。この中で、急な腹痛・下血・鼠径部の膨隆・異物誤飲な どは小児外科疾患として頻度が高いものあり、プロトコール作成においては、小児外科医 の役割は大きい。
【結語】
#8000 は患児、その家族ばかりでなく、医療者側にとっても有益な事業であり、小児 外科医もその制度をよく理解し、事業の発展に協力していくことが重要である。