通信工学概論
Fundamentals of Electrical Communication
山田 博仁
光ファイバー通信入門
2019 年 10/4, 10/11, 10/19 講義資料
講義資料のダウンロード http://www5a.biglobe.ne.jp/~babe
講義内容
1. 講義の目的 : 光ファイバー通信のしくみを理解する 2. 講義内容
1 回目
・ インターネットを支える光ネットワークと、適用範囲が広がりつつ ある光通信
・ 光通信とは ? 、光通信の歴史、光通信の特長、光通信の要素デバイ ス ・ レーザーとコヒーレント光、何故コヒーレント光が望ましいのか ? 2 回目
・ 光ファイバーにおける光伝搬、導波モード、分散、伝送帯域 ・ 光ファイバー伝送における信号波形歪の発生と補償技術
・ 光変調方式、光伝送方式、デジタルコヒーレント光伝送システム 3 回目
・ 光通信における信号多重化方式
・ 光ネットワークとフォトニックネットワーク ・ 光通信の将来展望
3. 成績評価
毎回の講義に関するレポート点の合計 (20 点満点 ) 4. 参考書
伊藤弘昌 編著、フォトニクス基礎、朝倉書店
末松安晴、伊賀健一共著、光ファイバ通信入門、オーム社
5. 質問等 E-mail: [email protected] 、電気系 2 号館 202 号室
講義スケジュー ル
日時 教員 内容
10 月 4 日(金) 1 講時 山田 博仁 光ファイバー通信入門 10 月 11 日(金) 1 講時 山田 博仁 光ファイバー通信入門 10 月 19 日(土) 1 講時 山田 博仁 光ファイバー通信入門 10 月 25 日(金) 1 講時 大町教授
11 月 1 日(金) 1 講時 大町教授
11 月 8 日(金) 1 講時 大町教授
11 月 15 日(金) 1 講時 伊藤教授 11 月 22 日(金) 1 講時 伊藤教授 11 月 29 日(金) 1 講時 伊藤教授
12 月 6 日(金) 1 講時 陳教授
12 月 13 日(金) 1 講時 陳教授 12 月 20 日(金) 1 講時 陳教授
1 月 10 日(金) 1 講時 末松教授
1 月 17 日(金) 1 講時 末松教授
1 月 24 日(金) 1 講時 末松教授
1 月 31 日(金) 1 講時 予備日
以下の課題について、 A4 レポート用紙 1 枚以内 ( 両面記載可 ) で述べよ。
提出期限 : 来週 (11 日 )
1. スマートフォンなどの携帯情報端末の普及により、今国内の ネットワークにどんな問題が起きているのか ? 定量的に述べ よ。
2. 近年、光通信の適用範囲はどのように変貌しているのか述べ よ。
3. 電気通信と光 ( ファイバー ) 通信との構成上の違いについて述 べよ。また、近年光通信の役割はどのように変化してきたか ? 4. 光ファイバー通信用の光源としては、発光ダイオード (LED)
よりもレーザーを用いる方が望ましい。それは何故か ?
本日 (10/4) のレポート問
題
海底光ケーブル 網
出展 http://www1.alcatel-lucent.com/submarine/refs/index.htm
出展: http://premium.nikkeibp.co.jp/ftth/part2/top_f.html
身近になった光ファイバー通 信
FTTH(Fiber To The Home): フレッツ光 (NTT), au ひかり (KDDI) などがサービスを
光回線終端装置 (左 )
とルーター (右)
AV 機器のデジタル入出力ケーブル
AV機器のデジタル入出力ケーブルとコネクタ
身近になった光ファイバー
マンションなどの集合住宅では、共有部分まで光ファイバーを敷設し、
通信
ONU で光から電気信号に変換した後、その先の各住戸までは電話回線を利用する VDSL 方式が用いられている集合住宅などの VDSL(Very high speed Digital Subscriber Line) 方式
NTT 東日本 フレッツ光HP より
国内におけるブロードバンド契約者数の
2017 年度末の固定系ブロードバンド・インターネット回線の契約数は
推移
3,935 万契約
そのうち FTTH( 光回線加入者 ) は 3,030 万契約で、全体の約 77%
FWA(Fixed Wireless Access): 固定無線アクセスまたは加入者系無線アクセスシステム BWA(Broadband Wireless Access): 広帯域移動無線アクセスシステム、WiMAX など
3.9G( 第3.9 世代移動通信システム): LTE 、 UMBなど
出典: H30 年度版情報通信白書
※) VDSL はFTTH の分類に含まれる
国内のネットワーク トラフィック
国内のインターネット トラフィックの総量は、
の推移
2017 年 11 月時点で 約 12Tbps 現在もなお、年率約 40% で増加出典: H30 年度版情報通信白書
ネットワーク機器の電力消費の予
国内のインターネット トラフィックは年率
測
40% で増加 ネットワーク機器の消費電力もそれに伴い増加すると仮定す ると、 2020 年頃には、 2007 年の年間総発電量を超える見通 しhttp://www.aist-victories.org/jp/about/outline.html
1 本の光ファイバーの信号伝送容量 は ?
Question:
How much information can be transmitted by a thin piece of optical fiber ?
- Apple Next Gen. Thunderbolt: 20G bps Hint:
- FTTH (NTT FLETS ・光 Premium, KDDI au 光 ): 1G bps A. 100G bps (1G = 109)
B. 10T bps (1T = 1012) C. 1P bps (1P = 1015)
通信用光ファイバー
D. 1E bps (1E = 1018)
適用範囲が広がりつつある光通 信
Active Optical Cable(AOC) によ るStorage Area Network(SAN)
光通信は今や、サーバーの筺体間データ通信から、パソコンにまで
AOC とサーバーの Backplane
Light Peak による Universal Bus Interface
SONY VAIO Z に搭載された Light Peak
ボード間光伝送用パラレル光モジュ ール
10Gbps, 12ch(120Gbps) パラレル光モジュール Avago 製 MicroPODTM
IBM Power775 スパコンに搭載
Power775 のシステムボード
スーパーコンピューターのボード間データ通信にも光通信が
リボン光ファイバー
車載光ネットワー
ク
LSI チップ内光配 線
グローバル 電気配線層
ローカル配線 Tr層層
・ 高速データ通信
・ 電磁ノイズの低減
・ 消費電力の低減 光配線層
LSI チップの断面 ( 出展 : 米 Intel 社 ) 130nm 6 層銅配線
・ クロック周波数高速化の限界
- バッファ導入による回路複雑化、
消費電力 増大
- クロック高速化によるノイズ問題顕 在化
LSI の性能限界が近年顕在化
電気配線の限界 マルチコア化の流れ
・ コア間、プロセッサ -メモリ間 データ伝送
の高速化限界、多層配線の限界
光配線のメリット
適用分野が広がりつつある光通 信
筐体 ( ラック ) 間 → ボード間 → チップ間 → チップ内 ( 素子間 )
出典: C. Gunn, “CMOS Photonics™ Technology Enabling Optical Interconnects” Luxtera, Inc.
Light Peak Infiniband
DDR(20Gbps)AWG24 20mまで
Active optical cable (AOC) 100mまで
MicroPOD
光インターポーザ
通信と は
情報を送り手から受け手に伝えること
情報の送り手 情報の受け手
Alice Bob
情報の搬送媒体
便箋、はがき 電流、電波
手紙を書く 手紙を読む
情報を搬送媒体に載せる 搬送媒体を送る 搬送媒体から情報を取り出す 郵便システム
電話 搬送媒体 送る手段
マイクロフォン イヤフォン、スピーカ
各種波動を用いる通信方 式
有線
無線
情報搬送媒体 (carrier)
重力波
電波 ( 電磁波 ) 音波
音波
電流 ( 電磁波 ) 光 ( 電磁波 )
光 ( 電磁波 ) 機械振動
光ファイバー通信
電話、インターフォン 糸電話
伝声管
会話
携帯電話
光通信
重力波通信
衛星間光通信 腕木通信
狼煙 手旗信号
アマチュア無線航空・船舶無線 デジタル AV 機器 FTTH
海底光ケーブル
衛星通信 導波機構の有無
( 導波機構無、
自由空間伝搬 )
用途
( 導波機構有 )
通信方式
船内、潜水艦内通信
電気通信
無線通信
腕木通信塔
教材
自由空間伝搬による光通
ビル間光通信
信
http://www.icsa.gr.jp/system/index_03.htm大学キャンパス内 レーザ光通信システム (Canon)
衛星間光通信
NICT 小金井本部の光地上局
実験衛星「きらり」による衛星間光通信実験に成功 (H18 年 3 月 )
衛星間光通 信
Ex.) 波長 1μm のレーザー光を、直径 1m のビームにして月に
送った 場合、月面でのビーム径はどのくらいになるか ?
ただし、月までの距離は約 38 万 km である答 直径約 484m )
/ exp(
) 0 ( )
(r I r2 w02
I
ガウスビーム波
r 強度分布
w0: ビームウエストサイズ
ガウスビーム波のレイリー長 2w0
2w(z) λ: 光の波長
z
電気通信のしく み
発振器 変調 復調
同軸ケーブル電線 伝送路
電気信号
搬送波に情 報を載せる
搬送波を作る 搬送波から情
報を取り出す
搬送波 : 情報搬送の担い手
情報の送り手
情報の受け手
光ファイバー通信の構 成
光源 レーザー LED 、電球
光検出器 復調 光変調 光ファイバー
LN 変調器 伝送路
EA 変調器 フォトダイオード (PD) APD
光信号 電気信号
電子回路 搬送波は
光
情報の送り手 情報の受け手
xxxx
xxxx 電子デバイス / 回路
光デバイス
電磁波の波
光ファイバー通信には、波長
長
1μm 前後の近赤外域を使用可視光域
1 .広帯域 ( 高速、大容量通信が可能 )
1 本の石英光ファイバーで、 1Pbps(Pbps は 1015bit/sec のこ と ) 以上の
高速伝送が可能。近年、 1.01Pbps の光伝送に成功 (NTT, Fujikura,
北大 , デンマーク工科大の共同 )
参考 ) 同軸ケーブルの帯域:最大でも 10GHz 程度 2 .長距離伝送が可能
中継間隔
同軸ケーブル:数 km ~ 10km
光ファイバー: 2,000km 以上の無中継伝送も可能 3 .漏話が少ない、電磁誘導の影響を受けない
光ファイバーは非導電性であるため、外部からの電磁誘導ノ イズ の影響を受けない。また、光ファイバー自体からの電磁波の 放射も 無いので、近接光ファイバー間の信号干渉が少ない。
4 .多重化が容易
光ファイバーが細く軽量のため、多芯化、長尺化が可能
光ファイバー通信の特
長
光ファイバー通信の歴
年 代 人または機関
史
事 項1962 年 IBM, GE, MIT( 米 ) 半導体レーザの発振
ルビーレーザ , He-Ne の発振 1960 年 Maiman( 米 ), Javan( 米 )
川上 , 西澤 ( 東北大 ) Graded-index 型光ファイバーの発明 1955 年 Townes( 米 ), Schawlow ( 米 ), 光メーザーの着想
Basov( ソ ) ら
1976 ~ 79 年
1970 年 林 , Panish ら( 米 ) AlGaAs 半導体レーザ室温連続発振
電電公社 , 藤倉電線 ( 日 ) 1968 年
シリカ光ファイバー伝送損失が 0.2dB/km に
光ファイバー増幅器の発明と実用化 1980 年代NEC, 富士通 , 日立 , 東工大他 通信用半導体レーザの開発と高性能化
1957 年 渡辺 , 西澤 ( 東北大 ) 半導体による超短波増幅・発振のアイデア 1930 年代 Lamb( 独 ) 、関 ( 日本 ) 石英ファイバー ( ロッド ) による光伝送
1970 年代 NEC, 電電公社 , 日立 , 半導体レーザの長寿命化、発振安定化
三菱 ( 日 ), Bell 研 ( 米 ), STL( 英 )
1990 年代Southampton 大 ( 英 ), NTT( 日 )
Kao, Hockham( 英 ) 低損失シリカ光ファイバーの可能性示唆
1966 年
光ファイバー通信の要素デバイ ス
光検出器 (PD, APD)
デバイス 役 割
半導体レーザー 光ファイバー
光合分波器
光スイッチなど
搬送波としてのコヒーレン トな光を発生させる。さら に、搬送波に情報を載せる ための光変調も可能
光信号を導く伝送路
光増幅器 伝送中に減衰などで弱く なった光信号を光のまま増 幅する
搬送波に載っている情報 を電気信号として取り出 す
光信号を分配したり、光の 経路を切り換えたりするも の
イメージ
光ファイ バー
住友電工http://www.sei.co.jp/news/press/02/prs221_s.html
光ファイバーの伝送損失
通信用シリカ光ファイバー
伝搬損失 < 0.2dB/km @ λ=1.55 μm
光ファイバー低損失化の歴史
光ファイバーの構 造
光ファイバー 屈折率分布
n2 n1
n1 >n2 コア クラッド
3000 心光ケーブル 石英ガラス
or プラス
チック シリコン樹脂で被覆
コア
クラッド
光ファイバー素線
光ファイバー芯線
ナイロン繊維で被覆 1 本
光ファイバー
レーザーとコヒーレン
光搬送波になるべく多くの情報を乗せるためには、コヒーレントな光が望ましい
ト光
コヒーレントな光を人工的に発生させる装置がレーザー
コヒーレントとは、波の位相が揃った状態。高スペクトル純度、良好な収束性を有する
自然界に存在する光は全てインコヒーレント光
例 : 太陽光、炎から出る光、蛍の光、白熱電球、蛍光灯、 LED コヒーレント光
t 光
の 電 界
f 又は λ
光 の 強 度
インコヒーレント光 ( コヒーレントでない )
t 光
の 電 界
f 又は λ
光 の 強 度
時間的コヒーレンス空間的コヒーレンス
何故コヒーレント光が望ましい のか
インコヒーレントな電磁波を用いた初期の通信
1887 年ヘルツは誘導コイルによる火花放電式電磁波発生器を発明
1896 年マルコーニ( Marconi )は、ヘルツの電磁波発生器にアンテナと アースを付けて 2.5km の無線電信に成功
出展: http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/intercomp/wireless/transatrananticexp.htm
その後真空管が発明されて、コヒーレントで強力な電磁波が発生できるよう になり、通信距離が比較的に延びることとなる
1905 年日本海海戦において、ロシア・バルチック艦隊の発見が「敵艦見 ユ」と無線電信で通報され、日露戦争の勝利を導く糸口となった
軍艦三笠に搭載の三六式無線電信機は、明治 36 年 (1903) 旧制二高の木村駿 吉教授が開発。送信機は火花放電、受信機はコヒラー検波器を使ってコイル 駆動で記録紙に出力するもので、 80 海里 ( 約 150km) 以上の通信到達距離
を達成 出展: http://blog.zaq.ne.jp/rootakashi/article/163/
電磁ノイズによる通信
コヒーレントな電磁波を用いる利点
コヒーレントな電磁波はスペクトル純度が高い ( つまり、単一周波数 ) の で、受信機において、周波数同調 ( 選択 ) を行い、狭帯域に高利得の信号 増幅を行うことにより、微弱な信号でも受信できる。 ( 長距離伝送が可 能 )
スペクトル純度が高く、占有スペクトル幅が不必要に広がらないので、同 一周波数帯を多くのチャンネルで共用できる。 ( 周波数利用効率が高い ) スペクトル純度が高く搬送波の位相が揃っている ( 位相雑音が少ない ) の で、より速い速度での変調が可能。また、位相や周波数を変調することも 可能となり、高い伝送レートでの信号伝送が可能。 ( 送れる情報量が多 い)
スペクトル純度が高い ( 単一周波数 ) ので、狭帯域の指向性アンテナなど を用いることができ、特定の方向にのみ強く信号を送ることができる。つ まり、伝送の指向性が高い。 ( 長距離伝送が可能 )
何故コヒーレント光が望ましい のか
このように、コヒーレントな電磁波を用いる通信は、インコヒーレントな電 磁波を用いる場合に比べて多くの利点を有している。従って、白熱電球や LED のようなインコヒーレント光を用いるよりも、レーザーのようにコヒー レント光を用いる方が望ましい。
レー ザー
レーザーとは、光の発振器
光増幅媒体 光の正帰還回路
鏡 レーザー 光増幅媒体とはどのようなものか ?
Amp.
電気の発振器 正帰還回路 +
二準位系 ( 原子など ) E1
E2
電子など
光の吸収 誘導放出 自然放出
減衰 増幅
入射光 出射光 入射光 出射光
発光 物質 ( 原子系 ) と光との相互作用以下の 3 つの課程が同時に起きている
熱平衡状 態
熱平衡状態では、吸収の確率 > 誘導放出の確率となり、入射光は減衰して出てくる 正味では減衰
吸収
誘導放出
吸収 吸収
n2: 励起状態の原子数
n1: 基底状態の原子数 E1
E2
Maxwell-Boltzmann 分布
kT E
e E
P( )
P(E) E
熱平衡状態では、励起準位の原子 数は基底準位の原子数よりも少な い
k: ボルツマン定数 T: 媒質の温度
n1> n2
誘導放出の起きる確率 = Bn2 I 吸収の起きる確率 = Bn1 I
I: 入射光の強度
B: アインシュタインの B 係数 自然放出の起きる確率 = An2 A: アインシュタインの A 係数
Bn1 I > Bn2 I
反転分 布
レーザーとは、何らかの方法で反転分布を作り出し、放射の誘導放出 (Stimulated emission) を用いて光を増幅する装置
反転分布では、誘導放出の確率 > 吸収の確率となり、入射光は増幅されて出てくる 正味では増幅
誘導放出 吸収
誘導放出 誘導放出
n2: 励起状態の原子数
n1: 基底状態の原子数 反転分布
E1 E2
kT E
e E
P( )
P(E) E
励起準位の原子数が基底準位の原 子数よりも多い状態を反転分布と いう
T が負 ( 負温度状態 )
n1< n2
Bn1 I < Bn2 I
電子
ホール p型 n型
半導体レー
半導体レーザー (Laser Diode: LD)
ザー
光を増幅する媒体が半導体からなり、pn 接合への電流注入により、電子の反転分布状態を作り出せる 特徴 : ・ コンパクト ( チップ本体は 0.3mm 角程度 )
・ 取り扱い容易 ( 乾電池 2 本程度で動作可能 ) ・ 直接変調で数 Gbps の高速変調が可能
・ 高信頼性 ( 通信用の InGaAsP レーザは 100 万時間以上の寿命に ) ・ 安価 (FTTH 用 LD はチップコストで数百円、 CD 用 LD は数十円に )
出展: www.phlab.ecl.ntt.co.jp/master/04_module/002.html へき開面(鏡面)
チップの構造
半導体レーザの発振特 性
縦多モード発振 Fabry-Perot (FP) 共振器レーザー
発振スペクトル 2 枚の平行に向き合った鏡による FP 型光共 振器によって正帰還が得られ発振するレー ザー
へき開面(鏡面)
FP レーザーの構造 発振波長間隔
L neff 2
2
0
λ0 : 発振波長の中心値 neff : 実効屈折率
L : 素子長
λ0 Δλ
単一縦モード発振
分布帰還 (DFB) 型レーザー
出展: www.matsuoka-lab.imr.tohoku.ac.jp/purposes.html
回折格子による Bragg 反射により、光の分布 帰還が得られ、 Bragg 波長近傍の単一波長 で発振
発振スペクトル DFB レーザーの構造 発振波長
Λ : 回折格子の周期 neff : 実効屈折率
2neff
回折格子
光変調
半導体レーザの直接変調 光変調器
電界吸収 (EA) 型光変調器
LiNbO 3 (LN) による MZI 型光変調器
半導体レーザの電流 - 光出力 (I-L) 特性 光信号
変調信号 (電気 ) 電流
光 出 力
40GbpsEA変調器(沖電気 )
化合物半導体などの pn 接合に逆バイア スを印加すると、印 加電界によって光吸 収特性が変化し、こ れを利用して光の強 度変調を行うもの
LiNbO 3(LN)光変調器 (住友大阪セメント )
LNは、電圧を印加すると屈折率が変化 する電気光学 (E-O) 効果を有している。
LNによる光導波路によって Mach- Zehnder(MZ) 型
の光干渉計を構成 し、屈折率変化に よる光の位相変化 を強度変化に変換 して光変調を行う もの
光検出 器
PIN フォトダイオード (PIN-PD)
アバランシェ フォトダイオード (APD)
ホール 電子
p+
n+
i 逆バイアスされた pn 接合に光が照射され
ると強度に比例した光電流が取り出せる
逆バイアス状態の半導体 pin 接合
基本的には PIN フォトダイオードと同じであるが、アバランシェ効 果により、光電流を増倍するしくみを有している ( 高感度 )
n+
i p+
光電流 光
電極 電極
光
光増幅 器
半導体光増幅器
光ファイバー増幅器
半導体レーザーの両端面に無反射 膜を形成するなどして、光共振器 をなくしたもの ( 光の正帰還がか からなくなるのでレーザー発振は
しない ) 半導体レーザーチップ
無反射加工
無反射加工
ラマン増幅器
光ファイバに非常に強い励起光を入射すると、石英ガラスの分子振動エネ ルギーに対応して、励起光波長より 100 nm 程度長い波長域に光利得が得ら れる
Er 添加光ファイバー増幅器コアに、エルビウム( Er3+ )などの希土類を添加
Er3+ の準位 光増幅器の構成
波長 980nm などの光で励起すると
波長 1.54 μm 付近に光増幅利得発
生
光合分波 器
50 mm
Arrayed Waveguide Grating (AWG)
Arrayed Waveguide Grating
AWG の動作原理
12 N スラブ導波路
光を波長によって分ける ( 分光器あるいは分波器 )/異なる波長の光を束ねる ( 合波器 )
コア クラッド
Si 基板
0.5 m 0.5 m
石英光導波路
この一本一本が このような光導 波路からなる
光スイッ チ
電気制御 - 光スイッチ ( 光の経路を切り換えるが、 ON-OFF の制御は電気で行う )
光制御 - 光スイッチ ( 光 - 光スイッチ or All 光スイッチ )
ON-OFF 制御も光でやる
現在研究開発中 将来の全光信号処理システムに使われるかも ?
スイッチング機構 特 徴
メカニカル (MEMS)
熱光学 (T-O) 効果
その他に、磁気光学 (M-O) 型、音響光学 (A-O) 型などもある
電気光学 (E-O) 効果 nS オーダーの高速切換え
高価
mS オーダーの遅い切換え速度 安価
mS ~ S オーダーの切換え速 度比較的安価
Port1 Port2
入力ファイバー
出力ファイバー
入力 1
入力 2 出力2 出力1 ヒーター
+
電界印加-
光導波路の構 造
光ファイバー 屈折率分布
n2 n1
n1> n2
コアクラッド
スラブ導波路 屈折率分布
n1
n2 n1> n2
コア クラッド
光導波路が光を導くメカニ ズム
Snell の法則
1 2 2
1
sin sin
n
n
n2
n1
φ1 φ1
2 入射波
屈折波 反射波 n1< n2 の場合
全反射
全反射
全反射 n1
n2
n2 n1> n2
φ1 φ1
φ2 入射波
屈折波 反射波
n2 n1
n1> n2 の場合
全反射
1 1 2
cos n n
c
臨界角
c
2θmax
開口数 : NA= sin(θmax) 光が伝搬可能な入射角度の範囲
放射モード
c
全反射 角
従って、 n1 と n2 との差が小さい時、全反射角 θc は以下の式で与えられる コアとクラッド界面での全反射角 θc は、前スライドの臨界角より
1 cos 1 2
sin 2
1 2 2 2 1 2
1 2 2
n n n n
n
c
c
1 1 2
cos n n
c
で与えられるが、
ここで、 と置いたが、2 Δ は比屈折率差と呼ばれている
1 2 2 2 1
2n n n
] rad [ 2
2
sin 1
c
さらに、導波路が受け入れることのできる受光角 (2θmax) は、
1
max 2
sin
NA n
2sin ( sin ) 2sin 2 2 2
2max 1 n1 c 1n1 n1
また特に、 を開口数 (Numerical Aperture) という
導波路内での光伝 搬
n1 n2
n2 n1> n2 ϕ
ϕ
ϕ
ϕ: Goos-Hänchen Shift
k0n1 θ
k0n1cosθ k0n1sinθ
真空中での波数 : k0=2π / λ (λ: 波長 ) 、媒質中での波数 ( 伝搬定数 ) は k0n1 コア
N an
k
4 0 1sin 2 2
a
-a
N: モード番号 (0, 1, 2 ‥‥)
クラッドへの光の浸み出し
光の伝搬と垂直方向の伝搬定数成分 (k0n1sinθ) に対して、以下の式が 成り立つ時、光伝搬と垂直方向に定在波ができる
光の伝搬方向の伝搬定数成分 β は、 β = k0n1cosθ
光が伝搬方向に伝わる速度は、 であり、 vg を 群速度 (Group Velocity) という (c は光速度 )
cos n1
vg c
導波モードと定在
N = 0
波
Δϕ = 0
N = 1
2π
N = 2
4π
E
E
E
モード番号 N は、横方向の強度分布における節の数を表す
入射角 度
モード番号がある値よりも大きくなると、全反射条件が満たされなくなり
、伝搬できなくなる。つまり、伝搬可能なモードは、以下の条件を満たす
。
c
N
] rad [ ) , 2 , 1 , 0 (
) 1 2 (
sin
0 1
N N
a k
N n
N
従って、モード番号 N に対する入射角度 θN は、
N an
k sinN 2N 2
4 0 1
光伝搬と垂直方向での定在波条件の式
で、 Goos-Hänchen Shift の値 ϕN は一般的には入射角度 θN の関数にな るが、 θN が全反射角 θc よりも十分に小さい場合には、 と 近似できる。
N
従って、導波路内を伝搬可能なモード番号の最大値 Nmax が存在し、以下の 条件を満たす。
c
N
max
モードの 数
導波路内を伝搬可能なモード番号の最大値 Nmax は以下の式で与えられる。
) 1 ) (
2 1 (
max
N V
ここで V は、 V パラメータ或いは規格化周波数と呼ばれている
k0a n12 n22 k0an1 2 V
Nmax よりも大きなモード番号のモードは伝搬できないので、カットオフにあると言う
導波路の分散関係
vg
群速度
曲線の傾きは vg /c で 、群速度に対応 モードによって群速度の値は異なる β
ω/c (k0)
1/n1 1/n2
カットオフ領域 ( 放射モード )
N=0
N=1 N=2
N=3
単一モード条件 : V < π /2
光ファイバーにおける導波 モード
Step Index 型多モード光ファイバー
k0an1 2
V 2
1 2 2 2 1
2n n n
V パラメータ
n1 n2 2a
2 2
8 V M
導波モードの数 V≦2.4 単一モード条件
ファイバー内の基本モード (HE11) パターン
出典: 末松安晴、伊賀健一共著、光ファイバ通信入門、オーム社
光ファイバーの種 類
単一モード モード数
多モード
屈折率分布 材 料 特 徴、用 途
コア : 石英ガラス
クラッド : 石英ガラス
コア : 石英ガラス
クラッド : 石英ガラス コア : プラスチック
クラッド : プラスチック
コア : 石英ガラス
クラッド : 石英ガラス
光ファイバー通信網に幅広く使 用
( 海底、幹線、メトロ、加入者 系 )
様々な光部品 ( 光スイッチ、光 合分波器、光増幅器など ) に加 工されて使用
接続や取り扱いが容易なので 系 AV 機器用データ通信に利 用
短距離の光伝送、光インターコ ネクション ( コンピュータ、ス トレージ筐体間データ通信 ) 、 接続容易
一部の光ファイバー通信網で使用 ( 接続が容易なので主に LAN 系 ) 比較的高価
コア : 屈折率 n1 5 系 10μm
コア : 屈折率 n1 系 50μm
n2
n2
コア径約 50μm
屈折率分布
Graded Index 型 Step Index型 Step Index型
光ファイバーの分 散
モード分散 (Mode Dispersion) 多モード光ファイバーにおける分散
伝搬モードによって群速度 vg が異なる
光パルスの幅が広がるため、符号間干渉が起こり、符号識別誤りが起こる モード 1: vg1 vg1 > vg2 > vg3
モード 3: vg3 モード 2: vg2
入射光パルスは複数のモードに分配されて伝搬していく
モード 1 を伝搬 してきた光パル ス モード 2
モード 3
伝搬モードによって群速度が異なるため、光パルスの出射時刻が異なる
波長分散 Chromatic Dispersion
偏波モード分散 Polarization Mode Dispersion 単一モード光ファイバーにも存在する分散
石英ガラスの材料分散 母材の石英ガラスの屈折率が波長に依存 導波路の構造分散 導波路の伝搬定数が波長に依存
光ファイバーの分 散
1: vg1 2: vg2 3: vg3 vg1 < vg2 < vg3
波長によって群速度が異なるため、出射光パルスの時間幅が広がる 入射光パルスが多波長成分を有すると
ファイバーにねじれなどがあると、直交する 2 つの偏波モードの縮退が解け、
2 つのモード間で群速度に違いが生じるようになる
光ファイバーの波長分 散
単一モード光ファイバー(SMF) の波長分散
出典: 末松安晴、伊賀健一共著、光ファイバ通信入門、オーム社
光ファイバーの伝搬損失と分散特性
通常の SMF では、波長約 1.31μm において、
材料分散と構造分散が打ち消し合いゼロ分散 となる
通常の SMF は、波長約 1.31μm においてゼロ分散とな るが、伝搬損失は波長 1.55μm 付近で最小となる
分散補償技 術
電気的分散補償 (Electronic Dispersion Compensation) 光学的分散補償
・分散補償光ファイバー ( Dispersion Compensation Fiber )
・分散補償素子
単一モード光ファイバー (SMF) とは逆符号の大きな分散を有する光ファイ バーで、 ( 長さに応じて ) 大きな分散でも広帯域に補償できる。補償可能 分散量は光ファイバーの長さで決まり、固定。波長分散の補償のみに対し て有効。 ( 偏波モード分散には効果無し )
様々なタイプのものが有るが、比較的小さな分散を補償可能。補償す る分散量を可変できるものも有る。ただし、応答速度は比較的遅い。
経路の切り替えなどによって伝送路の分散量が変化しても、電気的信号処理に より伝送路の分散量をリアルタイムに推定し、伝送路の逆伝達関数を受信信号 に乗じて分散を補償する方法。偏波モード分散にも効果が有り、近年ではこの 方法が主流となってきている。 ( デジタル技術 )
原理 : 伝送路としての光ファイバーとは逆の分散特性を有するデバイスを接続 することにより、伝送路である光ファイバーの分散を打ち消すもの。 ( ア ナログ技術 )
分散補償デバイスとしては、以下のものがある