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■現状と課題
1970年代から下降し始めたわが国の出生数は、現在も回復することなく、少子化の時代 といわれて久しくなりました。平成16年の全国の合計特殊出生率(ひとりの女性が生涯に 産む子どもの数の平均)は1.29ですが、豊島区では0.75と、はるかに下回っています。少 子化が進行すると社会保障制度を始めとする既存の社会システムが成り立たなくなる他、 子どもの成育にもさまざまな影響を与えます。国は平成15年に「次世代育成支援対策推進 法」「少子化社会対策基本法」を制定しました。この法に基づき、区では平成17年3月「豊 島区子どもプラン―次世代育成支援行動計画―」を策定し、子どもを取り巻く施策を体系 化し、計画の推進を図っています。
子どもプランでは、計画の理念のひとつに「権利の主体としての子どもの視点に立った 施策の展開」を掲げています。平成元年、国際連合総会において「児童の権利に関する条 約」が採択され、わが国は平成6年に国会で批准しました。本条約は、子どもの最善の利 益を保障し、生存権と発達権、意見表明権などを認めています。
区では、「子どもの権利」を具体化し、自治体として「子どもの権利」をより豊かに保 障するための政策の方向を明らかにするため、平成18年3月、「豊島区子どもの権利に関す る条例」を制定しました。これに基づき、「子どもの権利擁護センター(仮称)」を設置す る予定です。
少子化の影響で地域の子どもの数が少なく、友だち同士のふれあいや集団遊びの機会の 減少が見られます。幼児期は、異年齢児もまじえた友だちと、戸外で群れて遊ぶことが大 事な時期ですが、治安の悪化や遊び方の変化等もあり、家の中で遊ぶ子どもも増えていま す。このような状況により、子どもの社会性が育ちにくくなるなど、健やかな成長への影 響が懸念されます。子どもの発達を保障し、生きる力を育てるためにも、いろいろな友だ ちと関わり、自分の意見を表明する機会や子ども同士の遊びと交流の場が保障される必要 があります。
平成16年4月には、南池袋小学校を活用した小学生のための放課後対策事業「子どもス キップ南池袋」が開設され、学童クラブ機能は継続したまま全学年の子どもが交流できる 場として活用されています。平成17年度からは、南池袋を含めた6小学校区で実施されま した。学校の教室や思い切り体を動かして遊べる校庭、体育館などを活用し、遊びをとお して子どもたちの交流の輪が拡がっています。今後は、段階的に区立小学校全校で「子ど もスキップ」開設を予定しており、地域・学校・PTA等と連携のもと各小学校区の特色 を活かした事業展開が求められています。
この他、乳幼児とその親のための「子育てひろば」、中高生のための居場所を整備して いきます。
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平成15年8月に開設した「プレーパーク」は子どものための冒険遊び場であり、自然を 生かした自主的な遊びが拡がっています。今後は地域住民主体の事業運営を推進しながら、 子どもたちが遊びの楽しさや多様性、創造性を学ぶ場として発展させる必要があります。
また、子どもの権利侵害のひとつとして「虐待」が大きな問題になっています。豊島区 のマルトリートメント(大人からの不適切な関わり)の相談件数は、区民や関係機関に対 する児童虐待に関する知識の普及啓発活動もあって増加傾向にあります。平成12年6月に は「子ども虐待防止連絡会議」を設置し、関係機関と連携して児童虐待の早期発見、迅速 な対応ならびに発生防止を図っています。平成17年4月施行の改正児童福祉法では、区市 町村が児童相談の窓口として位置付けられ、児童虐待について今まで以上の対応が求めら れています。
■施策の方向
「児童の権利に関する条約」に基づく子どもの権利保障の視点に立ち、子ども施策を総 合的に展開していきます。
❶子どもの権利の確立
平成6年、我が国においても「児童の権利に関する条約」が批准されました。この条約 では、子どもを権利の主体とすることが、子どもの健やかな発達・成長を保障する前提と されています。
条約に関する理解の促進を図りながら、子どもの意見を十分に反映させ、「豊島区子ど もの権利に関する条例」に基づき、施策を推進します。
❷安全な生活の保障
いじめや虐待が大きな社会問題となっています。
悩みをもつ子どもが気軽に相談できる体制を整備するとともに、いじめや虐待から子ど もを守るサポートシステムを構築します。
❸遊びと交流の保障 重点施策
少子化に加え、塾や習い事通いにより友だちと遊んだり、交流する機会が少なくなるな ど、子どもをとりまく環境が様変わりしています。
そのような中で、子どもの発達や成長に応じた居場所、遊び場、遊ぶ仲間を確保するた め、放課後や学校休業日等に、保護者の就労に関わりなく全児童を対象とする、子ども同 士の遊びと交流の場を整備します。
※重点施策の選定理由
子どもは、「遊び」によって「生きる力」「人と関わる力」等を身につけていく。自主的な遊びの充実は「学び」に 発展し、生涯学習へと繋がっていく。
少子化や治安の悪化等で、室内でのメディアの「遊び」が多くなっているが、子どもの心身の発達を保障する健全 な「遊び」が展開できる環境づくりが必要であるため、「遊びと交流の場の保障」を重点施策に選定した。
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指 標 名 現 状 (平成前期目標22年度)(平成後期目標27年度)
1 いじめや虐待がなく、家庭や学校、地域の中で子ど
もの人間性が尊重されていると考える区民の割合
区民13.0%
団体29.3%
2 子どもスキップ開設数 6か所
(平成17年度) 23か所 23か所
※特に表記がない限り、現状値は平成16年度末のものである。
【説明】
1 「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成17年3月実施)」の割合
2 「子どもスキップ」開設数。
*「子どもスキップ」…学校施設を活用し、届出をして参加する、学童クラブ機能も維持した小学生のための放課後対策
事業。平成17年度6校でモデル実施。段階的に区立小学校全校で開設予定である。
■計画事業
◎ 既存重要AA事業 ○ 既存重要A事業 施設建設事業 新規重要事業
施策の方向
事 業 名
1 子どもの権利の確立 1 ◎ 子どもの権利推進事業
2 子どもの権利擁護センター(仮称)の設置 2 安全な生活の保障 1 ◎ 子ども虐待防止ネットワーク事業 3 遊びと交流の保障 重点施策 1 ◎ 子どもスキップ事業
2 ◎ 子どもの自由な遊び場「プレーパーク」の確保 3 中高生の居場所の設置
4 子どもスキップの施設改修 5 児童館・学童クラブの再構築
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
事 業 名
1 子どもの権利の確立 1 「子どもプラン」の推進経費 2 青少年問題協議会運営 2 安全な生活の保障 1
3 遊びと交流の保障 1 児童育成室管理運営 2 児童館・児童育成室運営
3 児童館非常勤・臨時職員関係経費
4 障害のある中高生の放課後等活動支援事業経費
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子どもの権利の確立
2-1-1-1 ◎子どもの権利推進事業
【事業内容】「子どもの権利に関する条例」に基づく計画や施策の検証を行う「子どもの権利委員会」の 設置、「子どもの権利ガイド(仮称)」の配布、「としま子ども月間」による条例の普及・啓発及び「とし ま子ども会議」を開催する。
【今後の方向性】子どもの社会参加・参画を促進し、子どもの権利侵害に関する救済と回復に努め、「子 どもの権利」を尊重した社会の実現を目指す。
前 期(平成18∼22年度)
事業量
・子どもの権利委員会の運営 ・としま子ども会議の開催 ・子どもの権利条例普及啓発(としま子ども月間・子ども
の権利ガイドの配布等)
事業費(百万円) 6
2-1-1-2 子どもの権利擁護センター(仮称)の設置
【事業内容】子どもの権利擁護委員や権利相談員を配置し、虐待やいじめなどに悩んでいる子どもが安心 して相談や救済を求めることができる施設を1か所設置し、子どもへの権利侵害を予防・救済する。
2
安全な生活の保障
2-1-2-1 ◎子ども虐待防止ネットワーク事業
【事業内容】児童虐待に関する関係機関相互の連携を進め、早期発見及び発生防止のために、児童福祉法 に基づく「要保護児童対策協議会」として位置付けた「豊島区子ども虐待防止連絡会議」を開催し、対 応を協議する。また、児童虐待に関し区民への普及啓発活動を行う。
【今後の方向性】児童虐待の予防・防止に関する関係機関のネットワークの強化を図るとともに、児童虐 待防止に関する普及啓発活動をさらに推進する。
前 期(平成18∼22年度)
事業量 ・連絡会議開催 5回 ・専門部会 25回
・個別ケース検討会議 60回 事業費(百万円) 2
3
遊びと交流の保障
重点施策2-1-3-1 ◎子どもスキップ事業
【事業内容】小学校の教室や校庭、体育館を活用し、学童クラブの機能を維持した全児童(小学生)のた めの放課後対策として、安全で安心な「子ども同士の遊び場」を提供する。
【今後の方向性】概ね平成22年度までに全小学校区23か所に開設する。また、子どもスキップ開設にあわ
せて、地域で子どもを見守る拠点として、「子ども部会」を設置していく。
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2-1-3-2 ◎子どもの自由な遊び場「プレーパーク」の確保
【事業内容】集団遊びなど様々な実体験ができる広場で、子どもたちが主体的に自由に遊び、遊びの楽し さ、多様性、創造性を学ぶことにより、子どもたちの心身の健全な発達を図る。
【今後の方向性】地域住民主体の事業運営を推進する。
前 期(平成18∼22年度)
事業量 ・定例会年 12回・機関紙年 4回以上発行・イベント年 4回
以上開催・プレーリーダー研修実施 事業費(百万円) 14
2-1-3-3 中高生の居場所の設置
【事業内容】児童館跡施設を活用し、中高生が音楽・演劇などの文化・芸術活動を行う場として、またボ ランティア活動の拠点や友だちとの語らいや情報交換の場として、居場所、活動・交流の場を区内2か所
に設置する。
2-1-3-4 子どもスキップの施設改修
【事業内容】子どもスキップで使用する小学校の教室等や近隣施設の改修を行い、必要となる物品等を整 備する。
2-1-3-5 児童館・学童クラブの再構築
【事業内容】児童館施設は、地域区民ひろば施設及び中高生の居場所施設として再編する。地域区民ひろ ばの施設が他の施設に確保できる場合は、資産活用を図る。学童クラブは子どもスキップへ、乳幼児対 応機能は地域区民ひろばの子育てひろばへ移行する。
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