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六地

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Academic year: 2021

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(1)

─ 259 ─

るゝ所 ところなり佛 ぶつじやうてう一刀 とう三禮 らいして地gの尊 そんざうを彫 てうこくしし奉 たてまつり一千日をI へてせい

ようしゆつしやうは𫝶 さうの尊 そんがんげん 成 じやうじゆすといへども持 もつの錫 しやくじやうもちたまふ事 ことしやうじゆ

せざることを哀 かなしミ三宝 ぼうに祈 したまふ所 ところに或 ある日の辰 たつの一K てんより午 むまのこく。に至 いたりて本 ほんぞんの前 セんに霧 きりふかく降 ふりてD きやうに薫 くんじ音 おんがくかすかなり聖 しやうじゆの歌 ゑい

とぞ覚 おほへるところに午 むまの中 ちうぶんに霧 きりたちまちにはれて地gを拜 はいしたてまつれば持 もつの錫 しやくじやうをもち給ふなりぼさつの尊 そんがんを見 たてまつるに生 しやうじんの地 さうのごとくなる

32ウ

このそんざうを今 いままた江 のB かんおふにおゐて洛 らくやうの壬 の本 ほんたいとすぐに拜 はいしたてまつる

しやくじやうほうしゆもそのとほりにうつセる故 ゆへなり    第廾七  さう さつ あれ たまふ こと

あさくさに夢 ちうとてすこしは禅 ゼんばうをY きいて禅 セんじやうの出 しゆつと出 いであいて問 もん

などしけるものなり此 このない〳〵れいげんの貴 たつとき地藏を安 あんセんと心 こゝろがくるところに那 に其 その姿 すがたも地 ざうそんと拜 おがまれさせたまふことは云 いひつたふるばかりなり。此 この

地gを童 わらんへども馬 むまの踏 くつに乗 のセて毎 まいにちとうづきして通 とをり道 ミちに捨 すておくをその夜 にぬすミとりて江 に持 もちかへりけるに旅 りよ宿 しゆくにて毎 まいざうそんを入たる荷 もつを小 ものまくらにいたすに夢 ゆめに僧 さうきたて小 ものの枕 まくらをJ かへしけるよし語 かたりければ夢 ちう

おゝいに悦 よろこびて江

33オ燈夢にる奉仕敬尊へなそをo朙に皈香へすに蕐A佛 かへりたてまつそんぶつきやうだんミやうかう□う

ちうをも毎 まいばんまくらをかへしたまふゆへにA たんてらにO しんいたしけるに爰 こゝにても住 ぢうそうの枕 まくらをかへし佛 ぶつたんにて荒 あれさせ給ふゆへに夢 ちうかたへ皈 かへしたてまつるゆへに是 なく本 もとの那 にかへしおくるなり此 このしゆを夢 ちうあるそうにかたりて地 g尊 そんは道 ミちつぢに在 ましますを悦 よろこびたまふと見 へたり御 そんたいを再 さいこうしたてまつり朝 ちやうせき

さうの供 やうは嫌 きらひたまひて人をなやまし荒 あれさせたまふや地gの御 おんこゝろいかゞ𣴎 うけたまはりたきと申 もうすそうこたへていはく野 そうも地 ざうそんを信 しんじんはすれども佛 ぶつさつ

の御 をんこゝろは下 しもとして上 かミははかりがたし其 そのうへしやだにも地gぼさつの利 やくハ無 りやうこうにも不 セつにして

33ウり説もがなりさらあぬれさくつと とき 花して朝夕香物燈明珎を備に再興を結に語搆一説一理を其方尊gバ尤地 こうせつぶつちんはうミやうとうかたらさいかうせきちやうそんけつこうそなへ

て礼拜 はいそんきやうを嘸 さそなんぢは地gのa まんぞくとおもはんが地藏尊 そんハさらにもつて本 ほん

にはあるまじきことなり元 もと地g尊 そんハ三界の衆 しゆじやうこと〳〵くほとけにならば後にぼさつの姿 すかたになりたまはんとのことなりZ また一切 さいしゆじやうを一人も漏 もらさずたすけんとなれば汝 なんぢは猶 なをもつてたいせつなるべし其 その上無 ぶつかい無緣 ゑんの衆 しゆしやうまでの利 やくなれば道 ミちつしを住 ちうとなし那 は奥州の通 とおりミちなれば人 にんの徃 わうらい昼夜 たへず其中に多 おふくは佛の貴 たつときも法のありがたきこともしらさる人行 ゆきに手

あしの塵 ちりほこりをけわけ不 ゼんの輩 ともから万人の結 けちゑん

人万れあをとるく一すたころして人汝ふ徃にとこりなまたしまやなをば まんおふなんぢ ふべし自生のぼさつの慈悲だにも千人の衆生を助がために一人の衆餘を じやうじやうしゆたすけん へゆすめしぼ羪供aにて尊の敬ハ味百g人一ま足汝なきゆへに荒にた地 あれまんざうきやうそんようなんちそく 34オと大の善根廣地gはお ごんせんたいくわうざう

らいの上 じやうばんミんを助 たすけ給ふハ地gの大慈 大悲 にあらずやとかたりければ此 このとき

ちうぶんの供羪K まんの簱 はたざををおるとなり    第廾八  □□ いそ ばけ ざう きやく もの がたり こと

さて丗間 けんのとり沙 には大礒 いその石地 ざうは化 ばけさせたまふと世間 けんの人申なりこれは誠 まことに地 ざうの化させ候や地g尊 そんハ一切の善 ぜん人C あく人を二世ともに助 たすけ給ふことなりその地gの化て

するこをしらず見来法身自體暜々の化種すそのうへに人間は自化の變身 らいほつへんしんしんたいあまねくしゆ〴〵ばけけん 形三界に有所四生五はなしとあれば天地の間變ぜずとの一切本といふ所 あらぎやうがいあいだゆるところしやうへん て化隨にきしろよ六變て分に道を身流有りとてをBも地するgなにさI きやうだうさうわけへんしたがひ 神せ足具を變録Mもにん鏡りすなばなにをもつて摂化せんとりとな宗る べんせつきやうそくろくもし にどI摩維また神りなと在自化變すもな通衆癡生愚てをつのもを化慧ハ へんしんさいゆいきやうづう 心たとしたが得別はに分の家俗ねはづ計こ攵義のはもがたしさればにI そくへつきやうはかり D對治あるゆへにその名をかきつけ札守さへ化は物をなすことなり此義を おそれものこのばけたい 34ウを佛をなやまさせ給ふやぼ物さつハ丗界人の化 ばけかい

(2)

─ 260 ─

とを自 しんと見 ずしらぬことは我 わがに生 むまれつきの目

35オもつて我目を見ず餓 わが

の目には水 ミずミへず人の目 にハかぜを見 ぬに鬼 神は目 に風 かぜを見 ミるとなり此 このごとくに顯 けんけんおふミやうミやうわうなれば人々の機 けんに隨 したがふものなり地gは閻 ゑんわうに化 ばけ

たまふ惣 さうじて本 ほんらいよりの化 ばけものをミな人見 ミることもおそるゝこともなくて中 ちうへん

よりの狐 きつねたぬきのばけ物 ものばかりを見 ミるゆへに大礒 いその地 ざうも化 ばけたまふと見 ミるなり惣 さう

じて地gの化 ばけたまふとは丗界 かいしゆじやうの所 しよけんなり此 とのゆへに飛 きやくの見 ミるには地藏全 まつたくばけたまふべし此 このきやくのものには化 ばけものと見 ミへさせたまはねば地藏の結 けちゑん

はなきゆへに御 おん姿 すがたを飛 きやくの目 には化 ばけて見 ミへさせたまふことなり是 これぎやくそく是

じゆんといふ事 ことなり    第廾九  だう ざう りう こと

35ウ

さてじやうくわうに五 の如 によらいの造 ざうりうは寺 しやしんぎやうに窺 うかゞひ五智 の庵 あんを結 むすびをくものなり五智に圡 ぶつの地g千躰 たいをたつることは地gの身 を千百億 おくに分 わけて娑 しや丗界 かいの衆 しゆじやうの如 によらいと地gの授 じゆはう便 べんに遇 あふてながく苦 をはなれんことを誓 せいぐわんせしものなり此 この堂の地 ハ諏 ミやうじんの前に山屋 しき百二十坪 つぼ

の余 淨光寺にO進して社 しやの有までは此五智堂も退 たいてんなきやうに定 さだむることハ末 まつたいまての利 やくの為 ためなり地g堂にも圡 ぶつの阿弥陁千躰 たいくわんおん千体㔟 せい千躰 たいしや千躰の造 ざうりうは男 なんによ地g巡 めぐりに結 けちゑんのためなり此五智 堂のまへに六地 g五智の願 ぐわんしゆの石 せきとうもあるなり    第三十  ぶつ ざう ざう りう しん でら乃事

36オ

六地g第四番此寺は空 くうきよぢうの所にて廾五のぼさつ十三佛 ぶつしゆつさんの釈 しや

によらいしやうとく太子の尊 そんざう二尺五寸□ 観音皆 ミな〳〵おんたけ一尺八寸宛 づゝに造 ざうりうせしとなりしかりといへども未 ひつじの十一月の累 るいくわにのこらず燒 しやうしつせり誠 まことに有 の法 はうはミなもつて此ごとくなり唯 たゞの法 はうを心 こゝろに知 しるべきことなりZ東 とうゑいざんげんりうゐん如来W佛堂に銅 どうざうの千体佛O しんセし所に寅の九⺼是も累 るい

しやうせりまた銅像の一尺八寸の観世音八躰 たいとうゑいざんせんじゆ観音堂にO進したてまつりてあるものなりZ護 持院には慧 しんの御作木 もくざうたけ五尺の正 しやうくわんおんまた三尺三寸の正観音二躰 たいこれもO進し奉右の一躰 たいをば弥 ろくへ護 ゐん大僧 さう

じやう 36ウ性U神Q通の金院のに御O進のよ御內しと二の右たまO躰Y進 たいしんいんきゝこんミぎしやう

きゝおよびしに是 これも未 ひつじの年に燒 しやうしつせしとなりZ豆 しうあたじやうせいごんの閑 かんきよは増 ざう

上寺大僧 そうじやうていしやうにんの法 はうゑんあるゆへに銅 どうざうの御長 たけ八寸宛の百躰 たいくわんおん

とまた一尺八寸木 もくざうの阿 を契 けいやくせしがいまは在 ざいにあるとなりまた元 げん

ろくぐわんねんより長 たけ一寸の銅 どうざう宝永三 ねんまて二萬 まんの餘 これを施 ほどこしぶつも一万 まんたい

の餘 けいやくせしとなり夫谷 なかかんおふてんだいしうたい四世蓮 れんたいゐんの代 たいに延 ゑんしゆたうねんぶつほん

そん三尺の阿 によらいを空 くうしんせしものなり    六地 さうさうりうの比 ころさきの大納 ごん入道 たうふぢはらもとかたきやうの歌 うた

37オ

  おもひあまり曉 あかつきごとになへて世の覚 さめぬ眠 ねむりをあはれとやミる   道引とY きくぞうれしき杖 つえのわのむつのちまたの塵 ちりのまよひも   かしこしな十のちかひも世を守 まもるにくちせめやのりのことのは   恵 めぐミなをわが藤原のとをつそのもとのすかたときくもたのもし   淺ましく罪 つミふかき身も身にかへて苦 をすくふてうそれぞ妙 たへなる   わけて世にほとこすめくミあふげとやひとつ心を六 むつのすがたに     誓 ちかひをくむつのすがたもあらかねの       つちゆたかなる御 の守に       空無

 

めぐり

六地

ざう

やく

  おわり

       

三四郎板行 

37ウ  (白丁)」裏表紙見返   」裏表紙

(せきぐち  しずお   本学名誉教授)

参照

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