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地方行政官僚制における組織変革の社会学的研究

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(1)

地方行政官僚制における組織変革の社会学的研究

著者 田中 豊治

学位授与大学 東洋大学

取得学位 博士

学位の分野 社会学

報告番号 乙第72号

学位授与年月日 1993‑10‑18

URL http://id.nii.ac.jp/1060/00004035/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止

http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

n

; y

ふ 一 一

地方 行政官僚制における組織変革の社 会学的研究

゛  ( 副 論 文 )

(3)

【  副 論 文 】

一一参考論文集および参考資料集 一一

第1 部 参考論文集

「 第1 部 参考論文集|は、「 主論文 」の作成にあたり、本文中に何等かの形で直接・

間接的に引用した著書や論文以 外の、自分の論文の中から、とくにテーマに関連があると 思われるものを編集したものである。とりわけいくっかの共同研究への参加体験は、「 行 政縦織と職員意識の現状と課題 りこついて知る上で、私にとって極めて有難く、ここに是 非その成果の一部を挙げておかねばならない。こうした共同研究への大変貴重な参加機会 が与えられなかったら、おそらく本文の問題意識もまた醸成されてはいなかったからであ る。本論文では直接触れていないが、このような実践的・体験的・事例的な参加( 参与観 察)過程で、極めて有難い有意義な知見や情報や意欲を得ることができたと確信している。

それゆえ、本論文の理解を深めるために、傍証的な参考論文集として編纂したものである。

1

目  次  構  成

問題意識の形成

d)「 権威ヒエラルヒーと存在証明 」「東洋大学大学院紀要」1  1 、1974.

1

⑦「 組 織 ・ 集 団 と 社 会 」坂 田 義 教 編「 現 代 へ の 社 会 学 的 視 点 」法 律 文 化 社、

2  参 加 的 事 例 研 究

1 )埼 玉 県 宮 代 町 役 場 の 事 例

③「 組 織 変 革 の ため の 一 実 証 的 研 究 一 職 階 制 な き 宮 代 町 役 場 の 事 例 − 」

『東洋大学大学院紀要』1 2 、1975o

④「 地方自治体における中間管理職なき組織の試み一宮代町役場の実態 調 査 に 基 づ く 社 会 学 的 考 察 − 」『 自 治 研 究 』52−9、1976 .

⑤「 課長なき組織と係長の職位一埼玉県宮代町役場− 」『地方自治職員 研修』10−5、1977o

1

… ‥32

53

62

(4)

⑥ 「 行政集団におけるり ーグーシップの事例研究 」r 東洋大学大学院紀 要 』1

2

9

1

2^ 新潟県弥彦村役場の事例

⑦「 地方自治体における行政課題の変化と行政組織の変革一新潟県西蒲 原郡弥彦村役場におけるアクション・リサーチ 」( 上)『東洋大学社 会 学 研 究 所 年 報J  XI、1979 .

⑧「  同 ( 中 」前掲年報Ⅶ、1981.

⑨(  同 i  ( 下 ) 前 掲 年 報X Ⅲ、1982 。3 数 量 的 調 査 研 究

⑩「 行政職員の意識分析|田村健二他「 昭和5  8 年度・新潟県東頚城郡 における老人自殺の調査研究( その1 )」に所収『東洋大学社会学部 紀 要J  22−7 、

8

10 13

冊[ 地 方 自 治 体 組 織 に 関 す る 調 査 研 究 ]『 職 場 集 団 と 労 働意 識 』 昭和5  9 年度・科学研究費補助金( 総合研究A )研究成果報告書、1985。

惚『自治体における行政官僚制組織の実証的研究』昭和6  3 ・6  4 年度 科 学 研 究 費 補 助 金( 一 般 研 究C ) 研 究 成 果 報 告 書、1990 .4

職 員 研 修 の 成 果

⑩「 地域社会と開かれた行政組織 」『昭和5  9 年度管理職候補者研修(I )

「 行 政 課 題 研 究 」論 文 集 』特 別 区 職 員 研 修 所、5 コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 組 織 づ くり へ の 参 加

第n 部 参考資料集

207

266

倆「 コミュニティ活動と行政を つなげるもの 」『 コミュニティ活動推進

調査−<東京都板橋区>− 』( 財 )日本地域開発センター、1988o ………39905

) 「 出張所・職員の対応と今後のあり方」『板橋区コミュニティ推進調

査報告書 』( 財)日本地域開発センター、1989.………492

⑩『 コ ミ ュニ テ ィ 活 動 の 推 進 に 向 け て 』東 京 都 板 橋 区 区 民 部 、1988 。

551

「 第n 部 参考資料集 」は、「 主論文 」の作成にあたり、本文中に引用・参考にして き

た地方行政組織変革に関する歴史的・実践的・事例的な諸文献を編集したものである。と

(5)

くに、「国家レベ ルにおける行政改革( 臨m 答申)」「 自治体レベルにおける組織活性化 施策1 「まちづくり・コミュニティ組織づくりの先進的事例 」「 これからの自治体職員像 」 などを中心に掲載している。その一部は本文中にも引用しているが、なおもう少し全文を 載せておいたほうがよいのではないかと思われるものをここに集めている。

1

目  次  構  成

国家レベルにおける行政改革

0 ) 「 まちづくり・地方自治制度年表 」『地方自治職員研修』2  2 −1 、 公 務 職 員研 修 協 会 、1989

②「 行政改革の推進についてI     (19  7 7 年1  2 月2  3 日 閣議決定)

『 ジ ュ リ ス トJ  No.   661、 有 斐 閣 、1978 .

585

591

③r 行政改革に関する第三次答申( 全文 )基本答申 」(19  8 2 年7 月3  0 日)

『臨調・『 行革1 問題 資料集< 基本答申全文収録 〉』学習の友社、1982。……639

④「 行政改革に関する第一次答申( 全文 )」(19  8 1 年7 月10 日)同上雑誌。 606

⑤「 行政改革に関する第二次答申( 全文 )許認可提言 」(19  8 2 年2 月10 日)、

同 上

⑥ 緒 方 勇 一 郎「 省 庁 組 織 の 整 理 ・ 再 編 合 理 化 」磯 村 英 一 = 監 修 坂 田 期 雄 = 編 集

『 臨 調 答 申 と 自 治 体 − ど う 読 み、 ど う 取 り 組 む か ー 』地 方 の時 代 / 実 践 シ リ ー ズ9 、 ぎ ょ う せ い、1983 .

⑦「 地方行革大綱関連資料( 自治省)」宮本憲一・室井力監修「地方行革の底流 を 読 む 』自 治 体 研 究 社 、

651

2  自 治 体 レベ ル に お け る 組 織 活 性 化 施 策

⑧「 間 接 民 主 制 と 住民 の 直 接 参 加 制 度 」坂 田 期 雄 著「 地 方 自 治 ・ そ の 実 態 と 進 路 」 明 日 の地 方 自 治1 、 ぎ ょ う せ い 、

東支部、昭和6  0年10 月1 日。

⑨「 神奈川県における組織活性化の課題と方策一組織活性化に関する研究報告書 ぐ抄録 )− ]神奈川県公務研修所、 昭和54 年S 月。

686

⑩「 習志野市地域担当制について 」習志野市総務部広報課。………706 冊「 習志野市の地域担当制と地域会議」『新しいまちづくり考 』日本建築学会関

… … … …709

3

(6)

励Ill 端幸雄「 市民参加による予算編成一習志野市の実際一地域担当制の上に立つ て−i 磯村英一=監修 坂田期雄=編集『自治体の経営診断一効率化・減量経

営のm 極策− 』地方の時代 /実践 シリ ーズ8 、ぎょうせい、1983.

746

擲古農文雄「 組織の活性化と組織機構改革の進め方 」前掲書。………740

卯 吉 田民 雄「 行 政 組 織 の 病 理 と 組 織 革 新 」 調 査 か ら ー |

1987 .

(J5) 伊 東 良 成「 組 織 の 相 互 応 援 体 制 と 流 動 体 制 」 前 掲 書 。 …・」 ・… … … …728

冊 湾 辺 耕 造 「 課 相 互 間 で 応援 体 制 、 流 動 体 制を 一 太 田 市 の 試 み ー 」前 掲 書 。 … … …725

命 丸 山 高 満「 マ ト リ ヅ クス 組 織 の 導 入 一 岡 山 県 の 試 み ー 」 前 掲 書 。 … … … …7203 

ま ち づ く り ・ コ ミ ュニ テ ィ 組 織 づ く り の 先 進 的 事 例 冊 寄 本 勝 美「 コ ミ ュニ テ ィ の 開 発 と市 民 参 加 − ア メ リ カ ・ ピ ヅツ バ ー グ市 の 場 合 −I 『季刊行政管理研究j No  . 3 4 、1986.

748

徊奥田道大「 コミュニティ施策の新展開・序一東京都l 区の事例を中心として ー |『地域開発』2  8 6 号、( 財)日本地域開発センター、1988。………760

⑩和田清美「東京におけるコミュニティ施策−コミュニティ施策に関する自治体 @ 黒 沢 功F 千 代 田 区( 東 京 都 ): 拓L ヽ 型 複 合 公 共 施 設 の 新 し い 試 み 」前 掲 雑 誌。  ・ ・ ・787 @ 中 山 慶 三「 台 東 区( 東 京 都 ):  コ ミ ュ ニ テ ィ づ く り と 委 員 会 活 動 ]前 掲 雑 誌。・‥791 ⑩山 岸 隆 一( 中 野 区( 親京 都 ) : 新 し い コ ミ ュニ テ ィ 施 策 の あ り 方 一 世 代 間 交 流 施 設 の 試 み ー| ⑩坂上順夫「 東久留米市( 東京都): コミュニティ行政の財団化 」前掲雑誌。……802

⑥中島信一「府中市( 東京都):  コミュニティ協議会の事例」前掲雑誌。…………8070

竹中文博「川西市( 兵庫県` ):コミュニティ委員会づくり」前掲雑誌。…………809

⑥堀内秀雄「 岸和田市( 大阪府): 地区市民協議会づくりと関わって 」前掲雑誌。815 @三宅稜威夫「 市民文化センター( 浦和市) ]前掲雑誌。………822

⑥木原勝彬「 奈良まちづくりセンター」前掲雑誌。・…… … ……… …825

⑩吉原直樹「 大阪市地域振興会|前掲雑誌。………830

⑨宮西悠司「神戸市真野地区 哺 掲雑誌。・………837

⑥「 住民によるまちづくりシステムを求めて 」( 社)奈良まちづくりセンター、

… … … …842

面木原勝彬「 まちづくり市民法人の課題一自立のための資金づくりー」『 地方 自 治 通 信J  No.    19  6 、 地 方 自 治 セ ン タ ー、

4

(7)

4  これからの自治体職員像

⑥塩原恒文「「 専門家集団|としての職員の役割一地方自治の担い手として ー」

r ジュリスト増刊総合特集一地方自治の可能性 −J No.    19 、有斐閣、1980o 872

※ なお頁数は、タテ組みの場合に限り、論文の最初の頁を記している。

ICZ

(8)

第1 部  参 考 論 文 集

(9)

東 洋大 学 大 学 院 紀 要 第n 集 抜刷 19 74 年

「権 威 ヒ エ ラル ヒ ー と 存 在 証 明」

田   中 豊   治

(10)

「権 威 ヒ エ ラノ レヒ ー と 存 在 証 明 」

田   中

目   次 1. はじ めに

2. 権威ヒエ ラルヒーの存立構造

一 権威 の発生契機 とその 展開 過程‑

3. 人間におけ る権威 への志向性

一 内的契 機とし ての存 在証明 への渇望‑

は じ め に

(97)  308

豊   治

〈 権 威 とは 何 か>iC つい て 問 う と き, わ たし は 一 般 的 な 人 間 に と って とし て よI) も, む し ろ 自 己 の 中 に 絶 え ざ る再 生 とし て 表 出し て く る< 櫓 威 な る もの へ の 志向 性 > に つ い て 考察 を す す め て きた。 こ の 問い か け は, わ れ わ れが 社会 槃 団 に 属 し , そ の巨 大 組 織 に 組し て い る以 上 , 人 間関 係 の 絶 対 性 とし て , 人 間 の 内 部に あ る もの が 投 射 さ れ た もの とし て 把 え ら れね ぱ な ら な い とい う 問 題 意 識 か ら起 発し てい る。 従 来 は集 団 や 組 織 を 有 機 体 とし て 擬 人 化 し , 主 に 近 代 化 ・ 能 率 化・ 合 理 化 とい う面 か ら 官 僚 制 と ヒ エ ラル ヒ ー の 研 究 が な さ れて きて い る。

その結 果, 集 団 の 機 能 や 構 造 の 一 般 的 特 性 に つ い て は 多 く の 業 績 が 残 さ れ つ つ あ る が , そ の 構成 員 であ る一 人 一 人 の 人 間 の 内 面 的 様 相 と 密着 ・ 関 連 づ け て論 究 さ れ てい る ものは 極 め て 少 な い よ う に思 われ るし , 体 系 化 さ れ た「 権 威 論 」 は ま だな い よ うに 思 わ れ る。 そ れ 故 こ こ で は, 社 会集 団 の 担い 手 とし て ま ぎ れ もな く 生 きて い る 個 々 の人 間 の 相 剋 性 を 剔 出し,   もろ もろ の 意志 や感 情を 伴 っ て 組 織 や 集 団 に 関 わ っ て い く人 間 性 にう い て 論 述し てい きた い 。 こ れ は ま た, 人 間 が< 何 故 , 他 者 に 権 威 を 認 め,  こ れ に 追 従 す るか > とい う 問い に 連 関し て お り, こ の権 威 を 認 め てし ま う とい う 内 在 的 契 磯を 解 明し ない 限 り, われ わ れ は 権 力 や 権 威 に よ る上 下 の 人 間 関 係 を 対 等 な 人 間 関 係 に 転 化 ・ 確 立 す る こ と は で きない 。 わ れ わ れは こ れ ま で に 幾 度 とな く既 成 の 権 威 を 否 定 し , 抵 抗し な が ら, 次 々に ま タこ新し い 権 威 の 虜 に な っ て き すこ。 い わ ゆ る近 代( 人 ) は , 神 を 人 間 の 心 か ら 追 放し , 凡 ゆ る 伝統 的 外 在 的 権威 を 拒 否し て , 良 識 と理 性 を もつ もの とし て の < 個人 > に ,至 上 の 権 威 を 期待 し た。 そし て 民 主 化 ・ 自 由 化

・ 合 理 化 とい う理 念 の 下 で, 市 民 の 内的 権威 に よ る 自 由 な 秩 序 が達 成 さ れ る もの と信 じ ら れ た。 し かし な が ら, そ うは な らな か っ た。 そ れ は 権 威 を 単 に アプ リ オ リ な ゛悪 な る も の , と

1

(11)

307 (98)

し て の み 把 え,     き わ め て非 論 理 的 情 緒 的 に 反 発し てy こ故 で あ りに 轍 威 な る もの を 希 求 す る 人 間 の 非 合 理 性 に つ い て 過 小 評 価 し てい た た めで あ る 。 つ ま り, 一 班 か ら の み窺 って , 人 間(1 ) 存 在 の もつ もろ もろ の 可 能 性 を 含 め て 問 われ な か っ た か ら で あ る。 剰 え , そ れは 打 ち 倒 そ う と す る対 象 の 桁 威 ば か り で な く, 同 時 に わ れ れ 自 身 の 内 部に あ る 椛 城 主 義 的 な もの , そのt の の 超 克 で な け れ ば な らな か っ た の で あ る。

以 上 の 問 題 意 識 の 下 に , この 小 論 の 概 要を 呈 示 す れ ば,  第2  章 では , 拙 誠 の 帛 立 構造 に つ い て , ま ず そ の 図 式 化 を 試 み, 拙 威 の 現 象形 態 と 分 類 , 木 質,  機 能 な どに つ い て一 応の 定 沁 づ け を 仮 没し て 置 き, 次い で, 拙威 の 発 生 契 閲 とし て の 人 格 の 拙 威 か ら 地 位の 権 威 へ , さ ら に そ の 倫 理 化 理 念 化 へ とい った 権 威 原 理 のダ イ ナ ミズ ムを , 幾 つ か の 例証 を 挙 げ な が ら, 史 的 変 遷 の 迦 程 で破 行 的 に 辿 って い く。 さ らに 第3  章 で は, こ れ らの 楡威 現 吼 に 不 可避 的 に 絡 み合 っ てい る , 人 川 の < 存 在証 明 へ の 希求 性 > と い う 内 在 的 契 圈の 究 明 に 主 力 を 注 ぎ, この

< 拙 威 な る もの > へ の 渇 望 と 相 侯 っ て 作出 さ れ て く る < 権 威 ヒ エ ラル ヒ ー> の 構 造 分 析 に 努 め た い 。 一 方 そ れ は まiz, 現 代 的 社 会 状 況 の 特 質 とし て あ る「 父 な き 社 会 」 「 権 威 の崩 壊 バ

「 ア イ デ ン テ ィ テ ィー の 喪 失 」 な ど との 問題 領域 に も跨 っ てい る もの と思 わ れる 。 2. 権 威 ヒ エ ラ ル ヒ ー の 存 立 構 造

一 拍 誠 の 発 生 契 磯 と そ の 回 川過 程‑

「 権 威 は そ れぞ れの 種 類 に 従 っ て あ ら ゆ る領 域に , あ ら ゆ る 集団 に お い て存 在 す る」 とい(2 ) わ れ る。 政 党・ 国 家 , 会 社 , 組 合 , 学 校 な ど の 社 会 集団 に お い て , あ るい は 社 長 , 先 生 , 医 者 , 裁 判 官な ど の 個人 に お い て, わ れ わ れは そ れ ら に 社 会 的 価値 の 高 い もの とし て , あ る 一 定 の 評 価 を与 え て い る 。 こ の評 価は , わ れ わ れ が 直接 自己 の 内 的fffi値 判 断 を 経 て , そ の 優 位 性を 認 め た もの で は な く, 単 に そ の もの の マ ー ク や, 品 名, 肩 書 きな ど を 見 , 間しり こだ け で 認 め た も の で あ る。 そ こ に は , その もの の 事実 や 実 力 を 知 る 前に,   た だ そ の 名 前 や 地 位 を 間 い た だ け で , そ の 実 際 以 上 に恐 れ , す ぐ に 承 認し 服 従し て し ま う とい う心 理 構 造 が 序 在し て い る。 そ の と き, わ れ わ れが その もの の 価 値を 認 め る とい う こ とは , 既 に 啼黙m に 最高 の も の とし て , あ る い は 上fi 昔・ 優越 者 とし て , あ る一 定 の力 を そ れ に 賦y し て い る の で あ る。

ま さに こ の よ うな 心 理 的 威 圧 感 に よ り , 無 意 識 の内 に 一 定 の 社 会的 価 値 を 承 騏 さ せ てし ま ■1 とい う \出 こ見 え ぬ 彫 響力 」 こ そ,    < 拙 誠 > とい わ れ る もの で あ る。

こ の 楡 威 の 概 念 は , 自己 の 判 断 を 他 人 に 任 せ る こ と, ま た は 自 己 の 批 判 機 能を 停 止し て 他 者 の 判 断 に よっ て 自 己 の 行 動 の 基 礎 と す る と ころ に そ の 特 徴 が あ り , 「 命 令 そ の もの が 価 値 を もつ か ど うか を み ず か ら詮 索 す る こ とな く, 自 己 の 行 動 の 標 準 とし てし ま っ た かの ご と く

一一 一 一 一 一‑       一 一 一一 一一

註:川 J.   Dewey, "Authority and Social Change" 1936, in Modern Political Thought ed., byW.

   Ebenstein,   1954,   pp. 546‑7.

(2) マ ッキ イバー『 政府論』上巻・ 秋永訳( 勁草書房)97頁。

(12)

(99)306 服 従 者 の 行為 が 本 質的 に 経 過 す る」 とい うM ・ ウ ェ ー バ ー の 服 従 の 定 義 と 一 致 す る の で あ る。

そ れ ゆえ に ま た, 権 威 へ の 服 従は , 不 承 不 承 嫌 々な が ら とい う強 制 意 識 も 伴 わ ず , ま た. 脅 迫 や 説 得, 命令 とい う 感 悄 も生 起 せ ず, 従 っ て 何 等 の 抵 抗 や反 発 もな く合 意・ 納 得し てい く とい う特 性 を もっ てい る。 い か にし てそ の 権 威 が 造 ら れ た か も知 ら ぬ し , ま た あ え て そ れ を 問 わな い だ ろ うし , 且 つ ま?こそ の反 問 も許 さな い ほ どに 権威 とは 峻 厳 な もの で あ る と もい え

(JI そ れは 権 威 が 常 に よI) 商 き もの で あI), 自 己 以 上 の もの で あ る か ら で あ る 。 こ うし た 権 威 の もつ 自 律 的 機 能 は 人 閥 関 係 の 秩 序 に 見 え ざ る 作 用 効 力 を もっ てい る。 こ の < 人 間 を 動 か す もの > とし て の 権 威 が.  強 制 力 を 伴 っ た 権 力 と と もに , 社 会 組 織 の 統 制 原P1!とし て 人 きな 支 配力 の 役 割 を 果 たし てい る こ とは 自明 の こ とで あ る 。 こ こ で 権 威 に つい て 一 応 定 義 づ け て 置 くな ら ば ,「 被 支 配 者 の 一 般 的 址 認・ 同 意 を 獲 得 す る 彫 響 力 」 とい え る で あ ろ う 。 こ れ は(4 ) つ ま り, 相 手 方 の 心 理 的 な 服 従 心 を 克 ち 得,  義 務 を 要 求 し う る 能力 とい う こ と で あ る 。 そし(5)

て あ る人 の 行為 が あ る 権 威 で 他 人 の 行 動 を 限 定し た と き, そ の 人 は 他人 に 対し , あ る 彫 響 力(6) を 与 え る関 係, すな わ ち権 威 関 係に 立 っ て い る と い え る。 こ の よ うに 権 威 の 本 質 は , 被 支 配 者 自 身 の 精 神 的 承 認 ・ 信頼 ・ 尊 重 を 得て , 権 威 者 の 要 求 を 被 支 配 者 の 希 求 , 利 害, 正 義 感 な ど と即 応 一致 さ せ て , 無 自 覚 的 に そ の 支 配 を 実 現 し て い く こ と が で き る もの で あ る。 そ れは 謂 わ ば, 支 配 者 とし て の < 正 当 性 根 拠 > の 信 念 の 裏 付 け を与 え る 源 泉 とな る もの で あ る 。 こ の よ うな 権威 を 獲 得 す る こ とに よ り, あ る 人 間 や集 団 は 権 威 者 とし て , そ の 支 配 権 力 を 当 然 の もの とし て 行 使 す る の で あ り , こ れま で の す べ て の 人 類 史 は こ の権 威 を め ぐ る闘 争 の 繰 り 返 し で あ っ た と さえ い え る。

わ れ わ れは この 問題 に ア プ ロ ー チ す る だ めに 。 ま ず , 『 あ ら ゆ る 支 配 は , そ のr 正 当 性』

へ の 信 念 を よ びお こし , 育 成 し よ う と, 求 め て や まな い 」 とい う ウ ェ ー バ ー の 『 支 配 の 社 会 13) 小 口 偉 一『 宗 教 社 会 学 』 ( 東 大 学 術 叢書 )166 頁 。

(4)   D.  Easton,   "The Perception of Authority and Political Change",    in Authority, ed.,by C,  J.   Friendrich,   1958,   P. 178. イ ー ス ト ン は , 権 威 と い う もの を 制 度成 員 に 付 着 す る 性 椙 的 な もの とし て で は な く, 二 つ か あ るい は そ れ以 上 の 多 数 , ま た は 災 団 川 の 一つ の 陥 力関 係 と し て受 け収 っ てい る 。 つ ま り , 権 威 と は , 「 わ れ わ れ が < 彫 響力 > と呼 ぷ こ と が で きる関 係 の 一 つの 型 式 」 を な し てい る とい うの で あ る 。

圓 C.W.    Hendel,   "An Exporation of the Nature of Authority", ditto,  ed.,  Authority,p.

 19.

倒 D.    Easton,   op.   cit. ,p. 178.彼 は ,他人 に 対 し 彫響 を 与 え る 権 力 手 段 と し て

■  繰 縦(manipu‑lation

),   '‑M力 (force), 説 得 (persuasion)   お よ び 榴威 (authority) の4 つの 種 類 を あ げ て い る。(Ibid.,  pp. 179‑80 、) し かし,  繰 縦 ,実 力 , 説 得 は 権 威 その もの で はな く , 飽 く迄 権 力 手 段 で あ り, 権 威 は , そ の 権 力 の 正 当 性 根拠 を 創 山 す る もの で あ る。 こ の 権 力 と 権 威 と の 相 違 を 図 解 し て 望小 す れ ば 以 下 の よ う に 構 成 で きる 。

/ 権力 に よ る 支配 ― 強 制 力 … 強 制 ・突 力 り 一 一一一

/         

権 力 手段 一 警 察 ・Hi 隊 ・ 刑 務 所 な ど 支 配 力 へ,

か滅 に よ る 支配 一 隻習 か ‥威 瞰 ・ 威a ・ 威re

権 威 手 段 ―宜 伝 ・ 教 育 ・ 正 当性 イ デ オ ロ ギ ー な ど

0

(13)

305 (100)

学 』 か ら桐 導 さ れな が ら , 以 下 に 敷后 し てい きた い 。 わ れ わ れ は 権威 の 発 生 契 磯 を, く 佃 人 に お け る人 格 の 権 威 > と< 集 団 に お け る 地 位の 権 威 > と に 二 分し た(4 相 で 捉 え, ウ ェ ー バ ー の 「 三 理 念 型 」 の う ち,  < カ リ ス マ的 支 配 > と < 合 法 的 支 配 > とを 各 々 に 対 応 さ せな が ら,

読 み取 って い きた い 。 こ こ で 予 め, 権 威 ヒ エ ラ ル ヒ ー の基 本 構 造 に つい て , 簡 略 的 に 整 理し て 図 式 化 す れば ,以 下 の 様に な る で あろ う。

< 権威ヒエラ ルヒーの 基本 構造>

│ 確立 され1こ指威│‑i 理 念 化(=

同窓を獲得 する影響力)    倫 理 化 正 当 化

神, 自然法,国 家,人民の 意志 など) 超 人 格 化

集 団 に お け る 地 位 の 権 威

固 定(fc

( 大 統 領, 社 長 , 委 員 長 , 安 定 化

個 人 に お け る人 格の 権 威

< 思 想 ・ 概 念>

「 何 々の た め に」

合  法  化 伝  統  化 幹 部な ど )

( カ'} ス マ ・ 予 言 者 , 独 却 者 な ど) 神 英

格 雄

化 化

〈 身 分 ・ 肩 書 >

「 何 々の 名 に おい て」

〈 個人 名 , 名fiij>

「 誰 々 の 名 に お い て 」

さ て,  権 威 の 発 生 契 圈 は.  極 め て 佃 人的 な 資Ti の 曖 劣 関 係か ら であ り, 優 れ た 知識 や 能力 , 行動 力 が 他 片を 蝿愕 さ せ, 恐 怖 さ せ る こ と に よ っ て , や が て 惇 歌 心. rf 仰の 対 糸 へ と 転 化 さ れて い く。 ウ ェ ー バ ーの 言 に よ れ ば, カリ ス マ的 楡 威 と は , 「 あ る 人 物 お よ び か れに よ っ て 啓 示 さ れ る か 制 定 さ れ た 秩 序 の もつ, 神 聖 さ とか 超 人 的 な力 と か あ るい は 模 範 的 資質 へ の 非

(7)  ● ● ● ● ●

日 常 的 な 帰 依 に もと づ く 」 佃 人 的 人 格 の 権 咸 の こ とで あ る 。 つ ま り, あ る ひ と りの 人 闘 が 英 雄 的 な 力 や 赳 能 力 を 発抑 し て 大 衆 の英 雄m 仰 を 煽 り, 呪 術 的 神枯 的 に 権 威 づ け , 自己 を 神 そ の もの に ま で 高 揚 さ せ てい く。?こと え ば , ド ミ テ4 ア ス ス帝 が 生 き てい る と きに 自 ら を り・│・,

と 呼 ん だ よ うに 。 そし て単 な る一 人 格 者 を 聖 化 浄化 作 用 す る こ とに よ って1 神 の 意志 , を もつ 地 上 に お け る 代 行者 とし て, あ るい は 神 の 化 身 とし て , 絶 対 的 な 支 配 者 の 権 威 を 確 立 し てい く の で あ る。 そ,し て 「 誰 々の 名に お い て 」 とい う 個 人 名 で 命令 や支 配 が 有 効 性を もつ 時 , そ こに 人 格 の 権 威 を 媒 介 にし て 権 威 関 係 が 成 立し て い る とい え る の で あ る。

と ころ で , こ のよ うな カ リ ス マ 的 支 配 背 と帰 依 酋 と の 関 係 は , 常 に 流 動 的 で 不 安 定 な もの で あ り,そ の 日 常化 ・ 恒 常 化 の た めに, カ リ ス マ は 伝 統 化 さ れ る か, まf:, 合 法 化 さ れ る べ き

11178en

11

一 一 一 一一 一 一一一 一 一一一一一 一一一・‑‑‑ 一一M.

ウ ェ ー バ ー 『 指 ブフと 支 配 』 浜 鳥 訳 ( 有 斐 閣 )5 頁 。 M. ウ ェ ー バ ー『 支 配 の 社 会学H 』世 良 訳 ( 創 文 社 版 )442 頁 。

権力 と は, 窮 極 に お い て ,「 人 間 が人 間 を 支 配 す る」 こ と を可 能 に す る目 的 を も っ てい るが , 赤 裸々 な 統 制 関 係 で は 安 定 し た 持 続 性 を も ちえ な い 。 そ こ に 被支 配 者 の 納 得 ・ 承 認 を う るよ う な「 支 配 の 正 当 性 根 拠 」 を 提 示し な け れ ば な ら ない 理 由 が あ る の で あ る。 そ れ は 現 実 に 存 在し て い る支 配 の 関 係 や 主 体 を , 何 か 別 の もの , 何 か 人 間 以 外 の もの に 移 譲 さ せ,「 超 越 的 な 権威 」 に 依 処 さ せな が ら 統 治 し て い く 方 法で あ る。 「 わ れ わ れ は 人 間 に 従 う よ り は ひし ろ 神 に従 う べ き だ」 (Bertrand Russell,     Authority and the Individual,     Nan'un‑do's ContemporaryLibrary,

   p. 87.) とい う論 理 が そ うで あ り,   c れ は , 被 支 配 者 が 自己 と同 等 ・ 同 格 の 人 間 に よ っ て 支配 さ れ て い る とい う嫌 悪 を 払 拭 す るtz めに 考 出 さ れ た もの で あ り, こ うし て,Hi威 は,

支 配 者 も被 支 配 者 も共 に 崇 拝 し 従 属 す べ き もの とし て 確立 さ れ るの で あ る。

し1

(14)

(101 )304

(9)を もってぃ る。 純粋に特 殊な <人 間の権威 >の神聖性に対 する信 仰は,持 続的な制度 や 支 配 者 の 地 位 の 制 定 化 に よ っ て固 定 さ れて い く 。 そし て, 支 配 者 の 地 位 が そ の 集 団 内 で 世 襲 的 ・ 伝 統 的 性 格 を 帯 び る に 従 っ て , カ リ スマ は 事 物 化 さ れ る 。 こ こ では もは や , あ る 支 配 者 の 後 継 に カ リ ス マ的 資質 が 存 す る か否 か を 問 わ れ ずに. 被 支 配 者 に よ っ て そ の ま ま 承 認 さ れ てし ま うの で あ るこ 更 に まtz. こ の 特 殊 な 地 位 は 永遠 化 の た め に 法 や 規 則 が 制 定 さ れ て 合 法 化 さ れ, 支 配 者 を 中 心 とし すこ< 権 威 位階 制 > に 組 織 化 さ れ て い く。 こ うし て 権 威 の重 層 構 造 化 が 進 み, 支 配 者 の 正 当 化 は 何 か 人 間 以 外 の もの , つ ま り地 位・ 椅( ポ スト ) に 求 め ら れ て い く の で あ る。 この 地 位 の 権 威 に よ り, 本 来 な ら 何等 の 権 威 も持 ち 得て い な い 人 で も, そ の 地 位に 就 圧 す る こ と に よ って , 地 位 に 付 随し た 権 限 を 恰 も 自己 の カ リ スマ 性 とし て 行 使 す る こ とが で きる 。 そ の た め に 今 後 は , そ の 地 位 自 身 の 権 威 付 け の た め , 一 定 の 厳 格な 儀式 , 宜 誓 , 就 任 式 な ど が 絶 え ず 反 覆 さ れ て 再 確 認 さ れ る よ うに な る。 そし て 地 位 その もの が ま すま す 神 聖 化 ・ 荘 厳 化 さ れ る こ と に よ り , そ の 地 位 に 就 く 者 は , 事 実 上 , そ の 社 会 組 織 の 頂 点 に 立 つ こ とに な る の で あ る 。 支 配 者 は こ の よ う な 権 威 ヒ エ ラ ルヒ ー の 確 立 に よ り, 自 己 と大 衆 と の 間 に 距 離 性 が あ る こ とを 認 識 さ せ , そ の 相 違 を 教 え込 み, ま た そ の 別 格 性 を 誇 示し よ う と す る。 自 己 を 自 ら 敬 称 を もっ て 呼 ぶ こ とに よ り, ま7こ社 会 的 式 典 や 叙 任式 の 執 行 者 と な る こ と に よ';.  更 に もろ もろ の 名 誉,  富 , 称 号 な ど の 授 りー者 とな る こ と に よ っ て で あ る。 自 己 が 支 配 者 で あ る こ と の 確 認 は , 天 皇 よ りの 認 証 式 , 対 主 よ り の 戴 冠 式 , 国 家的 行 ぷ とし て 神 に 誓 う大 統 なi就 任式.  委Ll 長 の 任 命式 な どに よ っ て な さ れ る 。 こ うし て 社 会 統 制 の 迎 命的 な

鉄 則 とし て あ る「 確 立 さ れ た 柚 利 」 へ の 権 威 づ け の 過 程 が 達 成 さ れる の で あ る。

さ らに こ の 権 利 は < 合 法 化 > さ れ る こ と に よ っ て , 揺 る ぎな い 梅 威 の 源 泉 をm 得 す る こ と が で きる。 こ の 合 法 的 支 配 にお い て は , 「 法 は そ れ が 適 用 さ れ る 人 々 に よ って , 正 当 とし て 承 認 さ れ る こ と を 通 じ て 正 当 な もの と な る」 とい う 信 念 が 生 きてお り,  < 合 法 な る が ゆ えに 正し い > と さ れ る 限 り, 支 配 者 は 法 を 遵 守 し , 法 を 実 現 す る こ と に よ って そ の 支 配 を 可 能 に

(11)      

し てい く。 そ こ で の 被 支 配 者 に 服 従 を 要求 し う る根 拠 は, ま さ に < 法 に よ る 支 配 な る が ゆ え に 正し い > とい う論 理 で あ る。 し かし な が ら,   c の 根 拠 は , ひ と た び「 で は 何 故 に 法 は 正し い の か 」 と問 い 返 さ れ る な ら ば, 忽 ちに し て , そ の 正 当 性 根 拠 を 失 っ てし ま う とい う脆 弱性 を もっ てい る。 特 に 現代 社 会 に お い て は , 資 本 主 義 社 会の 発 展 に よ り, 社 会 的 諸 価 値 の 配 分 と く に 経 済 的 価 値 の 不 平 等 な 配 分 を ま す ま す 露 骨 化 さ せ , そ の 結 果 , 社 会 秩序 の 均 衡 破綻 ,

帥  例 え ば , コ ン ス タ ン テ ィタ ス 大 帝 は , そ の 当 時 流 行し て い た キ リス ト 教 が 政 治上 の 目的 に 利 用 で き る安 定 勢 力 で あ る こ と を 見 て と り. 自 ら キリ ス ト 教 信 者 とな ら ない う ち か ら, こ れ を 利 用 し て い る 。 彼 が 実 際 に 洗 礼 を 受 け た の は , 死 に臨 ん で の こ とで あ っ た が , とに か く, c うし て 彼 の 後 継 者 た ち は い ず れ も キ リ ス ト 教 信 者 と な り, 彼 が も って い た 聖 な る 権威 を そ の ま ま 失 わ な い よ う にし た の で あ る。

聞 Glenn Negley, Political Authority and Moral Judgement, Duke Univ. Press,    1965,pp.

 13‑4.

j

(15)

303 (102)

社 会不 安 の 激化 , 社 会 成 口 の 異 質 性 の 顕tf.化な ど を 助 長し , 合 法 性に よ る と いう支兄の正i",(12) 性 根 拠 を 崩 壊 させ ず に お か な くな っ て きて い る の で あ る。 そ もそ も, 法 は 抽 象的に存 在 する の で は な く, 一 定 の 社 会 的 踊境 の巾 で, 一 定 の 歴 心的 担 い 予に よ っ て , 一 定 の 成 口L目 的 を も って 制 定 さ れ る もの で あ る以 上 , 支 配 手段 とし て の 法 の 木 質 を 隠 弊 させ, 社 会 一 般に 通川 す る 普遍 妥 当な もの とし て の 楠 威 づ け を 遂 行し な け れ ば な らな い の で あ る。こ の 点 , ウ ェ ー バ(13

− の < 支 配の 正当 性> は,   た だ 「 正 当 件 意 識 の 表 屑 的 部 分」 を 解 剖し た に す ぎな い と い え る) の で あ 。て, 更に,  そ の 介法 性 のin.・>:.岑 裏 付 け , 支 配 珂 刑 を 構 成 す る 規叩 と な ろ 「,H 当 化の 窮 團的 原 川 」‑‑一一川 ち 柚 威 そ の もの に ま で 立 ち 入 っ て 七 究し て い か ね ば な ら な い。 そ の 上 う な 團 威 の 源泉 とは, ;ii'iわば , 「 こ の 法 はF 何 々 の 名 に お い て.1 llミし い 」 と さ れ る もので.h I).

例え ば,   (l)陣,   (2)自然 法 と 個 人,   (3)国 家,   (4)国民 主 吻 な どの 概 念 が 挙 げ ら れ る。(14)

(1ゆ卜 − こ れは , 圓 王 や 君主 の絶 対的 支 配 行 とし て の 吻 或 が ゛flll恋 ゛ に よ っ て 正 当 化 され る と す る もの で あ る。 つ ま り こ の 世を 支 配 し てい る の は 神 の 意志 で あ り, も う一 人 の 体 現 者 が 国 王 で あ';, 彼は 神 の 選 び 賜 うた 者 で あ り, 従 っ て 彼の 統 洽 の 楠 威 は 神 々の もっ てい る よ り広 い 栴 威 の ー一部 を 銕 有し てい ろ とい うも え 方 に 立 って い ろ 。 自 ら ゛太陽^ \^の 代Fl!, で あ ろ と宜 言し たの は ア ウレ リ ア ヌ スで あ るが , そ れ か ら と い う もの は 皇帝 に 反 対 す れば 犯 罪 で あ るば か りか,  陶 こ背 く こ と にな っ てし ま った の で あ る。 [ 神 にI'□こ恥 こ等 し い 救lit主 ] と 仰 が れ た 神聖 ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス皇 帝 さ え, 『 神 の 国 』 を 著 わし , 如 何に 神 が 偉大 であ るか , そ の 絶 対 性 を強 凋し た の で あ る。 畢 克 , 神 の 無限 な る 威 信 を 高 め, 神の 吻威 づ け に 成 功 す れ ば す る ほ ど, そ の 神 の子 孫 で あ り, 神の 牧 師 で あ り, ま た, 神 の 代 理 者 で あ る君 主 が 現 実 的支 配 の 正 当 性 を 持 つ の は 当 然 で あ る とい う論 理 が そ こ か ら 引 き出 さ れ て く る か ら で あ る。 ここ で の 梢 或 の 特 質 は , 個 人 の 神格 化 に よ っ て で は な く, 当初 か ら神 とい う絶 対 的 他 者 に そ の 源(15

泉を 求 め てお り, 飽 く迄 も「 正 に 神 の化 身 とし て の 君 主 」 , あ るい は 「 神 意 の 人 格 化 」 とい) う点 に あ るの で あ る。

(2)自然 法 と 佃人 一 近 代 社 会に お い て, 人 川 は , 自 然 的 に すべ て 平 等 で あ り,  拙 力, 威 姉 柿 威 そし て 威m に お い て 同 一 で あ り, い かな る 人 間 もな ん らの 梢 威 , 支fid, 梢 力 を 他 人にj 。 ろい えな い と さ れ て, 絶対 的 に 白 山平 等 な ゛個 人 , とし て 登 場 し てy(16)こ。 「 自 然 と 川 性 に 」,t

u  巾 山 政夫 『 政 治 権 力 論。1 ( 三 和mm )198 −9 頁 。 旧  古 富 重夫 『 政 治的 統 一 の 理 論d  ( 有 斐 閣 )27( 貞 。

㈲  栗 原彬 「 存 在 証明 の 政 治 社 会 学 へ 」 『 思 紅口 1973. 5,    67.1頁 劃 匝

(15) M.   ウ ェ ー バ ー ■ 前 掲 河 丿oari 。

㈲  < 自 然 法 > の 廃 位 性 を主 張 す る ロ ッ クは , 「 自 然 法 で あ る理 性 は, 理 性 に の み 従 う 企人 川 に , す べ て の ひ と は 平 等 か つ 独 立 で あ る か ら , 雛 も 他人 の 生 命 , 硲>\i. 自 山 ま た は財 産 を損 傷し て は な ら ない と 訓 え てい る」 ( 『 市 民 政 府 論  s ・6 』 と い う。 彼 は 人 間 を理 性 的 主 体 とし て と ら え , 自 然 状 態 に お け る自 然 法 の 支 配 者 と 考 え て い た の で あ り, 従 っ て ま た彼 に と っ て の 最 大 の 権 威 者 と は〈 自 然 的 個人 > その もの で あ っ た。

ま た ,「 主 権 は 本 質 的 に 一 般 意 志 の な か に あ っ て, し か も一 般 意 志 は け っし て 代 表 さ れ え な い もの で あ る 」 ( 『 社 会 契 約 論』 第3 編 第 \5章 ) と 想 定 す るル ソ ー は, 結 局「 全 体 とし ての 人 民 」 に 権 威 の 源 泉 を 認 め, 理 性 的 , 絶 対 的 個 人 の < 多 数 意 志 に よ る支 配 即 自己 支配 > とし て , 神 話 的 架 空 の 人 民 の 合意 に そ の 根 拠 を 求 め た の で あ る。

(16)

(103) 302 づ く な ら ば , 人 民 の 相 互 的 同 意 と 協 定 の 上 に た っ た もの, あ るい は こ れ と 対 立 す る もの は な

● ●・       ・    ・     ●'  (17)

に もな い」 と さ れ, 「 自然 法 は 人 び との 心 の 表 面 に か きこ ま れた 神 の 法 で あ る」 と 表 明 さ れ た。 神 と 佃 人 の 理 性 は 同 一 視 さ れ, 自 然 に お け る 神 の 法 は 自 然 法 と さ れ て , そ れが , 自 然 状 態 にお け る 自 然 法 の 支 配者 とし て の 佃 人 に 体 現 さ れ て い ると さ れ た の で あ る。 こ の 自 然 的 理

性 的 個 人 こ そ, 人 民 ( 市民 ) で あ っ た。 そ し て こ の 人 民 の 代 表 者 は 「 た んな る道 具 で は な く,

頁 の 権 威 もし くは 命令 す る 権 利 を 賦'‑j・さ れ た支 配 者 」 で あ り, 彼 らは 人民 か ら 山 来 す るく 人 尺 の 権 威 > を , 人 沁 と一 体 に な って , 全 て 人 民 の?こめ に 行 使 す る もの と さ れ た の で あ る。

(3 国 家 ― 〈 国 家 の 命令 > が 合法 的 で あ る の は , そ れ が 善 で あ り, 正ぶ で あ り. * るい は 賢 明 で あ るか らで は な く , ま さに そ れ が , ゛国 家 が 制定 し7こ法 で あ る か ら, と され る。 こ れ は 至 高 の 存 在 で あ る 国 家 を 超 越し た 道 徳 律 は あ り え ず, 国 家 こそ 倫 理 の唯 一 の 源 泉 でi>').(18)

< 国 家 は 国 家 で あ るが ゆ え に 正し い > と さ れ る 論 理 で あ る。 そ し て 幽 家 意 志 や 国 家 理 性 が 強 ,悶 さ れ るに 従 って , 国 家 が , ゛争 う余 地 の な い 権威 , に な っ た場 合. m 家 を 前に し て , フ リ(19)

ード'J ヒ 二 世 さえ 自 ら を 「 国 家 第 一 の 僕 婢 」 と 呼 ば ざ る を 得 な く な っ たの で あ る。

(20)(4) 国 民 主 権一 国民 主 崩 を 標 傍 す るデ モ ク ラ シ ーは , 多 数 の民 意(The will of the people ) に こ そ 窮 極的 権威 の 源 泉 を求 め て お り, こ の 国 民 の 代 表 者 に よ る 統 治 は , ゛国 民 の た めに 。

゛国 民 の 合 意 ,I!:よ っ て支 配 さ れて い る と さ れ る。 普 通 ・ 平 等 ・ 白 山 ・ 秘密 の 選 挙 に よ っ て,

自己 の 代 表 を 選 出 す る こ とに よ り, 政 洽 へ の 参 加 が 実 現 さ れ てい る と さ れ る。 つ ま り, 自 ら 一 票 を 投 じ た わ れ われ の 代 表 者 で あ るが 故 に , 喩 え ば 首 相. 大 統 領.  議 長, 委 員艮 , 議 員 な ど の 権 威 は , そ の 支 配 者 とし て の 優 位 性 が 認 め ら れ てい る と され るの で あ る(21)

こ の よ うに 権 威 者は , 彼 の もつ 支 配 す る権 利 を ,誰 が 河 と 言お うと そ れ 自 身 で 絶 対 的 貞実 性 を もっ て い る とい う 権威 ヒ エ ラル ヒ ー の 信 念 体系 (Belief Systems ) を 樹 立 す る た め, 常 に 支 配 客 体 の 側 の 内 心 的 一 致 を 求 めて い るの で あ る。 そ し て , 一 切の 強 制 ・強 嬰・ 命 令が 破 極 的 な 服 従 と な り , 帰 服 ・ 承 服 ・ 悦 服に 進 行し , 更 に 一 段 と 尊 敬 ・ 崇 拝 ・ 信 仰 とい う心 理 悄 況 に な る よ う, 絶 え ざ る イ メ ー ジ形 成 に 努力 し て きて い る と い え るの で あ る。

n  松 下 圭 一『 市 民 政 治 理 論 の 形 成 』 ( 岩 波 書 店 )169 頁 。

㈲  ク ロ ード ・ ダ ヴ ィド『L ニト ラ ー と ナ チズ ム,B 長 谷川 訳 (lil水H )8:i頁。

㈲ n. マル ク ー ゼr 理性 と 革 命一 ヘ ー ゲ ル 社 会 理 綸 のm 隆 』 桝 田 ・ 中 鳥 ・ 向 米 共 訳 ( 岩 波 占店 )I9.1

−5 頁 。

U R.  M.    Maclver,   The Modern State,    1964,   pp. 200‑1.

21) そ の 他 に も, 多 く の 権威 現 象 が み ら れ る が , 例 え ば , 政 党 災 団 に お け る 党 の 精 帥 や ¨党 の 意 志 は ,「 政党 は常 に正 し い 」 とい う 論 理 に 立 脚 し , そ れ 自 身 が 至 高 善 で あ り, す べ て の 党 貝 に と っ て の 窮 極的 忠 誠 は , 家 族 , 氏 族 , 民 族.  階 級 を 越 え て,  < 政 党 > に 向 け ら れ る べ きで あ る と さ れ る。 < ス タ ー リ ン > と うい ひ と りの 支配fi・は , 自 己fii力 の 絶 対 化 と 佃 人 娯 坪 の 正 当 性 根 拠 を,  < 社 会 主義 イ デ オ ロ ギ ー> とい う党 の 思 想 に 求 め たの でi> り,   CC で も 思 想 の 物fll・

化 と い うfiii威 主 義 化 が み ら れ る。 ま た, ナ シ ョ ナ リ ズ ム, 自 由 と 平 等 , 社 会 福 祉.  基 本 的 人 権 な どの 概 念 もこ うし た 範 躊 で 把 え る こ と が で きる 。

7

(17)

301   (104)

3. 人 間に おけ る 権威 への 志向 性

‑ ・内的契磯とし ての存在証明への渇望‑

権 威 の 存 立 基 礎に 被 支 配 者 の 同 意 ・ 承 認 が 必 要 で あ る こ とは 既 に 述 べ た 通 り であ るが , こ こで は 更 に その 承 認 の 内 在 的 契 機, つ ま り < 何 故 権 威 を 受 け入 れ るの か > とい う, 人 間 存在 に と っ て の 権 威 の 意 味 に つい て 追 究 し てい きたい 。 社 会 的 事象 は 人 間 の 心 的 現 象 の 表出 し た もの とし て あ り, 本 論 で は < 楡 威 な る もの > を 自 己 自 身 の 彫 法 師 の よ うな もの とし て 捉 え,

そ の 心 的 志 尚 性 とし て あ る「 い や さ れな い 存 在証 明 へ の 渇 望 」 とい う 視座 か ら 注 目 し て い き たい 。

と こ ろ で, 人 間 は アプ リ オリ な 自 己 内 部 の 非 合 理 的 非 理 性 的 な , あ る い は 空 想的 な 内 容 や 欲 求 を , 外 在 的 対 象 と < 同 一 化> し よ う とす る 衝 動を もっ て お り , フ ロ イ トは , こ の 同 一 化 を「 あ る 自 我 の 他の 自 我 へ の同 化 で あ り, そ の 結 果, c の 殼 初 の 自 我は あ る 点 で 他の 自 我 の よ うに ふ ろ まい , そ れ を 模 倣し , あ る 程 度 そ れ を 自己 の な か に とり 入 れ る」 過 程 で あI),(22)

「 木 能 の, と り わけ 緊 密 な 対 象 との 結 合」 で あ ろ とい っ てい る。 そ れ は ま た, 「 佃 人的 願 囃(23 か ら 発 す る 基木 的 欲 求 を 内 部の 対 象 とし て 獲 得 し てい ぐ と りい れ 過 程 ,」 と もい うこ とが)

で き る。 こ の同 一 化 過 侃の 源 泉 と な っ て い る あ る 自 我 , 本 能 , あ るい は 基 本 的 欲 求 とは ㈲ で あ ろ う か。 人 間 は 幼 少 年 明 に 両 観 や 保 護 者か ら 切 り放 さ れ た こ と の< 分 離 の 携 悩 > − < 孤 独 へ の 恐 怖 > を 無 恋 識 下 に 秘 めて い る もの で あ る。 この 耐 え が?こい 孤 独感 の 淋 し さ, 孤 独 へ の

(21)不 安 とい う もの は , 普 通 の 人 闘 に と っ て そ う 永 く 耐 え 得 る もの では な い 。 ホ ッブ ズは , 服 従 の 根 本 的 動 圈 を 「 死 の恐 怖 心 」 に 求 め てい る が , さ ら に, 「 深 層 の , ほ と ん ど 意 識 さ れな い 恐 怖 」,   こ こに 心 の 中 心 と な る 価 値 や, 何 等 か の 秩 序 や集 団 へ の帰 属 を 情 緒 的 な 絆 に よ っ て ,(25) い やさ れよ う と す る 欲求 を 生 み出 す 源 泉 が あ る の で は ない だ ろ う か。 そし て この 無 意識 下 の 孤 独 へ の恐 怖 は, 社 会 に よ っ て 作 為 さ れ 創出 され た も の で あ る。 平 凡 で あ る こ とを 唯 一 の 資 格 と す る 人 間 は , 自己 を 自 ら の ほ 界に 措 定し た り, 自 らの 行 為 の 主 体とし て 位 置 づ け る とい う 経 験 を もつ こ とが で きず, 無 用 ・ 無 益 ・ 無 能 に うち ひし が れ て, ア ン ビ ヴ ァレ ン スな もの とし て の 自己 自 身 を 受 容 で きな い 人 間 に な っ てし ま う。 彼に と って は , す べ て が 平 準 化 ・ 画

U  フ ロ イ ト『 自 我 論』 井 村 訳 ( 日 本 教 文 社 版 )156 −8 頁 参 照 。

U A.     I ッ チ ャ ー リ ヒ 『 父 親 な き社 会‐ 社 会心 理 学 的 思 考 』 小 見 山 沢 ( 新 泉 社)U9 頁。 子 供 は 社 会の 場 に引 き入 れ ら れ て , 様 々 な 感 情 に ぷ つ か りな が ら, 禁 止 ・ 拒 否 ・ 体 罰 な ど に よ っ て服 従, 強 制 に 耐 えて い か ね ば な らな い 。 こ う し て 自 己 の 本 能的 行 動 は 社 会 的抑 圧 に よ っ て 無 意 識 の う ち に形 成 され る。 そし て 今 度 は , 逆 に,  こ の 潜 在 的 蓄 積 の 過 程で¨取 り入 れ られ た もの が 自己 の 行 動 の 価 値 評 価 と な り. 内 的 な 強 制力 とし て 作 用 す る よ う に な る。 そ の と き,   C の 影 響 力 は.  もは や 単 な る判 断 の 材 料 ・ 条 件 とし て で は な く, 基 準 その もの と な る の で あ る。

鴎 A.    &  M.    ミッ チ ャ ー リ ッ ヒ 『 喪 わ れ た 悲 哀 一 フ ァ シズ ムの 精 神構 造 』 林 ・ 馬 場 訳 ( 河 出 書 房 新 社 )331 頁 以 下 参 照 。

U Bertrand Russell, op.   cit.,  p. 97.

りd

(18)

(105) 300

− 化 さ れ , 自 己 の 価 値 基 準 も崩 壊 し , 自己 の 存 在 証 明 をな す 確 かな もの も 喪 失し てし ま っ て い る。 そ の 結 果.  こ うし た 人 々は , 優 勝 劣 敗 , 弱 肉 強 食 の 現 実 社 会 に あ って , 情 容 赦 な く斬 り 捨 て ら れ , 挫 折 や 失 敗 は さ ら に 蓄 積 さ れ て劣 位 感 を 助 長し , や が て 自 己 蔑 視・ 自己 卑 下 と い っ すこ心 理 情況 に ま で追 い 込 ま れ てい く。 こ の と き. 抑 圧 さ れ た劣 等 感 を 昇 華 さ せ る た め 代

償的 満 足 を 求 め て, 優 越 意識 の代 償 行 為 を な す の が , い わ ゆ る < 同 一 視 の 象 徴 >Symbolidentification

) に よ っ て で あ る。 そ の 同 一 視 の 対 象 が 何 で あ れ, あ る 一 定 の 心 理的 統 一 を 達 成 で き る もの で あ れば , そ れは 彼 に と っ て 極 め て 満 足 す べ き もの とな る。 こ こic < 権 威な る も の> を受 け 入 れて い く 源 泉 が あ る の で は な い か と思 わ れ る 。 そ し て, そ の 何 もの か へ の 同 一 化 が , 確 か に 人 間 の 存 在証 明 に と っ て 多 大 な 役 割 を 果 た し て きてい る の で あ る。

こ こ で, 冷 厳 な 人 間 洞 察 の示 唆 に富 んだE ・ ホ ッフr  ―の 言 葉 か ら引 用し たい 。 「 人 民 に プ ラ イ ド を 与 え れ ば , か れ らは , パ ン と水 だ け で 生 き, か れ らの 搾 取 者 を た た え, か れ ら の た めに 生 命さ え 投 げ 出 す だろ う。 自己 降 伏 は , 一 種 の 物 々 交 換 で あ る。 わ れ わ れは , 人 間 的 尊 厳 の 感 覚 , わ れ わ れの 判 断 , 道 徳 的 審 美 的 感 覚 な ど を, プ ライ ド と の引 きか え で あ け 渡 す 。

もし 自 由 で あ る こ と に プ ライ ドを 感 じ るな ら ば , わ れ わ れは 自 由 の た め に 喜 ん で 死 ぬ。 もし 指 導 者 との 同 一 化 か ら プ ライ ドを 引 き だ さ れ る な ら, わ れ わ れは , ナポ レ オ ン, ヒ ト ラ ー,

ス ター リン の 前に ひ れ ふ し , か れ らの た め に 喜 ん で 死 ぬ。 もし 苦 悩 の中 に 栄 光 が ひ そiヽな ら(2 ば , わ れ わ れは , 隠 れ た 秘宝 のな か に 殉 教 者 の 運 命 を さ がし 求 め る。 」≪)

こ の よ うに 人 間 は 如 何な る 社 会 悄 況 の 下 に あ っ て も, 何 等 か の 手段 を 用 い て , 自 己 の か 在 を 確 認し よ う とす る もの で あ る。 プ ライ ド と自 己 満 足 を 感 じ る た め に , 指 導 者,  塑 な る大&

空 想 さ れ た 自 己 に 自 らを 同 一 化し , 名 誉, 表彰 , 勲 章, 位 階 を 勝 ち 取 る こ と で , 自分 の 価 値 を 証 明 す る こ とに 悄 熱 を 傾 注し て きた 。 如 何に 恐 ろ し いmm 辛 苫 や 屈 辱 で あ っ て も, 自 己 存 在 の 価 値 に つ い て, 一 点 の 疑 念 もな い 場 合 や , 孤 立 感 を 意 識 し な い ほ ど に 他 者 と の 一 体感 を 強 く も って い る時 , わ れ わ れは 大 し た 苦 痛 もな く 疲 弊困 沼 に 耐 え る こ と が で きる。 人 間 は , 虚空 に 自 己 の存 在 の 意 味 を 問 うて し ま うこ と の 危 険 か ら 身 を 避 け る すこめ に, 夥 し い 椛 威 ヒ エ ラ ル ヒ ーを 築 き, 命 令 の 系 譜 を 作 り. 服 従 の 掟 と造 反 へ の 罰則 を 作 っ て きた の で あ る 。 「 よ く や っ た」 とい う神 の 声 を 聞 き たい が た めに , ま た 上 か ら 意 味 づ け が 下 さ れ る とい う,  た だ そ の 一 事 の た めに す ら , ひ とは わ が 命を 犠 牲 に す る もの で あ っ た。 有 限 な る 死 す べ き 存 在 と し て あ る が 故 に, 自己 の 依 り 処 とし て の 精 神的 支 柱 , 生 き甲 斐 , 人 生 目 的 , 絶 対 真 理 を , ま

(27)      (28)

だ「 窮 極 的 確 信」 を 希 求し て きf:の で あ る 。 そ し て , そ の大 半 に お い て, 人 々 は 自己 を 放 棄 す る こ とに よ り, は じ め て リ ア ルな 重 みの 下 か ら 這 い 出 せ る と 信じ た。 は か な い 自己 に か わ

U E. ホ ッフ ア ー 「悄 熱 的 な 梢 神状 態 」 永 井 訳 『 政 治的 人 間J  ( 平 凡 杜)36 頁 。 む A.     ミ ッ チ ャー リヒr 父 親 な き社 会 − 社 会 心理 学 的 思 考 』 前 掲 書 ・53 頁 。 28)H.    Arendt,    "What was Authority  ? , ditto,   ed.,   Authority,    p. 112.

j

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299 (106)

る恐 怖 や戦 慄 に 熱 狂し , 激烈 な ものに 陶 酔 す る こ とに よ り , 自 己 蔑 睨をプライ ド に 変 質し 。(291 自 借の 欠 如 を 信 仰に 転 じ,  罪n 感 情 を 独 稗 に 変 え てy こ。r 自 山 か ら の 逃 走,, そ れ は 水 も(

 :i(i ) 測 ら さ ぬ 鉄叫 目 ト の 服 従 で あ り , 天 打 開 竹呻 片へ の 帰 服 で あ';‥ ヒり 高 次 朗 既念 ‥一 陣・

駆 史・ 迦 命・ 人 類・ 世 界な ど へ の 一 体 化 で あ っ た。f: とえ そ れ らす べ て が 代川 品 であI), 虚 妄 であ'J , 信 仰で あ り, 幻 想 でし か な か った とし て も,  < 唯 一9 絶 対 ・ 辰 鳥> の もの と 信じ ろ こ とに よ り, や っ と 解 放 と 救 済 を 感 じ , そ こに ぴ在 の 意 味 を 見い 出 そ う とし て きた の で あ る。 お そ ら <彼 らの 多 <が , そ うし た < 梢威 な ろ もの > の 高 吟 さ と下 劣 さ, 噸 と献 川  譜 災 と川 辱 がレ す べ て 上 辺 だ け の は か な い もの で し が な い こ と を 知 って い たで あ ろ う。に も拘 ら ず, 人 々 は 存 在 の 確 認 を 求 め, 自 己 の生 命を 賭 し て殉 じ ら れ る 阿 もの か を 見 つ け , ほ ん の 細 や か な 咲 践 を さえ , 正 当 化 し て く れ る 人 川 を , 地 位 砿  よ 哨を 作 出 し て きた の で あ る。人間 とい う もの は, 良 く も悪 し く も「 誰 か の た め に」 存 在し , 「 何 かの た めに 」 働 く とい うこ と,

つ ま り 呵 もの か へ の奉 仕 こ そ が 人 を 支 え 勇 気 づ け, そ の 誰 か の 笑 顔 やμ び, あ るい は そ の 人,

と の闘 い す らが 生 き甲 斐 とな る もの で あ る。 まfz , ど んな 白 山 もそ れ かL';に ヴ受 し , μ びry う 他 者 が 存 在し な く て は 意 味 を もた な い の も事実 で あ る。

この よ うに 自己 の 存 在 証 明 と い う内 在 的 欲 求 に こ そ , 権 威 受 け 入 れ の 契m が あ っ たの で あ

(31)り , 従 っ て まf'., 凡 ゆ る社 会的 混 乱 や 不 安 は , そ の棋 抵 に , こ うし た 個 人の 権威 な る もの の 危 同 感 が 潜 ん で い る もの で あ る。 人 々 が 辰 丿 こや す く 国 家 的 な 政策 に 統 今 され る と き, 基 木 的 に は , 大 衆 の 存 在 証 明 感 の 崩 壊 と そ の 切実 な 探 求 と が 重 な っ てい る場 合 が 多い の で あ る。

こ の よ うな 地 平 か ら < ヒ ト ラ ー> を わ れ わ れの 射 鯉 内に 呼 び 込 ん で み る と.  確 かに , 彼 の

− ‑

(29)    C の よ うに し て 外 か らの 強 制 を 自 己 の 内 而iVjな 伽威 とし て受 容 さ せ た 場 合 , そ こ に「 権力 な き

削 成 に よ る 支 配 」 が 可 能 にな っ て く る。 その と きの 人 々 の 性 桁 は 一 社 会 的 性 桁 (SocialCharacter) 一 社 会 的 条 件に 適 応 す る う ちに 「 彼 が し な け れ ば な ら ない こ と をし1 こい と欲 す ろ 」

(Krich Fromm,    liscape from Freedom,     N. Y.   ]970,    PP. 310‑1, 目 高沢 (f│i│元 新 吐);il2'>

頁 ) よ うに な る 特性 を もっ て お り, どの よ うな 外 的 権 威 に も まし て , い っ そ う効 梁 的 な 支 配 力 を もっ てい る の で あ る。

剛 H.  J.   Laski.   Authority in the Modern State,    1918,   P. ]57参 照 。

ラス キは 「 宗 教 を重 ん じ る 人 は 幸 \f<\な人 で あ る 。 と い うの は そ れ は 陥 か に 削成 を 呻 戦す る か らで あ る」(Ibid.,   pp.I57‑R ) と自゛い ,宗 教 的 情 熱 を 皿 猷し て い ろ。 確か に・ぐ ・│・> とい う 観 念 は 現 代の 冲な き峙 代 に あ っ て も, な お か つ 廃 謡 と は な っ て お ら ず ,人 川 は 依然 とし て, 魂 の 救 済 か ら≪f.れ るC と が で きな い で い る。 こ の よ うに〈 陣> が な お も生 き純 け てい る,ぽ昧 は ,宗 教 が「 行 動の 基 準 を 生 み , 行 動 の 試験 の 結果 とし て生 じ る と こ ろ の 笞心 の み さ かい の つ か な い 観 念 に 対し て , 明 確 な 前 後 関 係 を 与 え て く れ る」(Ibid. ,p. 157.) とい う 役割 を果 たし てい る か ら で あ る と 思 わ れ る 。 それ 故 , 現 代 社 会 に お け る宗 教 の 危 機 と は,   H. ア ー レ ン ト が 桁 摘 す る よ うに「 制 度 的 宗 教 の 教 義 に お け る 信 仰 の 喪 失 で あ っ て , 必 ずし も ¨信 仰 そ の もの の 喪 失 を 意 味 し てい な い」(op.   cit. ,p. 112. ) の で あ る 。

邸 E.H. エ リ ク ソ ン `「 現 代 に お け る同 一 性 と 根c  ぎ感 」 鎗 訳 『 現 代 の エ ス プ リ ー ア イ デ ン テ ィ テ ィ ー』129 頁 参照 。

(20)

(107 )298 政 治 悄 念 の 中 に , 当 時 の 大 衆 自 ら が 渇 望 し て い7 こも の の 原 像 が 泗 々 と 反 映 し て い る こ と を 摘 出 す る こ と が で き る 。 自 ら の 存 在 証 明 の 手 段 を 喪 失 し た 人 々 に と っ て,  < ヒ ト ラ ー > に よ っ て 救 わ れ る と い う 幻 想 は , 彼 を し て 半 神7 こら し め , 彼 の 言 動 が か もし 出 す 奇 妙 な 霊 気 ば 崇 高 な る 虚 像 , を 生 み 出 し て い っ た 。 熾 烈 な 悄 諸 的 不 安 か ら 脱 出 す るt こめ に , 彼 は 無 で あ る か 。(32)

● ● ● ● ● ●       (33) さ もな く ば , 新 し い 確 信 を 与 え て く れ る 絶 対 の 正 義 者 で な け れ ば な ら な か っ た の で あ る 。 大 衆 が こ の よ う な 肢 暗 示 状 態 に あ る と き, < ヒ ト ラ ー > な る も の に よ っ て ひ え ら れ る 自 作 心 , 生 の 意 味 づ け , 個 人 的 な 誇 り , 確 か な 判 断. 自 己 の 役 割 と 地 位 は , ま す ま す 袖 威 行 へ のik{(‑

性 を 高 め , 指^、9者 へ の 追 従 , 集 団 へ の 帰 属 は ま す ま す 強 化 さ れ て い く 。 こ の よ う な 意 味 に お い て,  < ヒ ト ラ ー > が な し え た こ と は , 「 満 た さ れ な い ド イ ツ 民 族 に , ひ と つ の 使 命 感 と 迎 命 を も っ て い る と い う 感 悄 を 教 え , 与 え7 こ」 こ と , 「 彼 ら を 説 教 し た か ら で は な く , 彼 ら が 求 め る 以 上 の も の を'J・え , 限 界 を 赳 え て 逝 む こ と を 奨 励 し た 」 こ と , ま た 「 人 々 を 扁 し た の で は な く , そ れ は 単 に , 人 々 が 自 ら を 卵 す こ と に 力 を か し た に す ぎな い 」 と い う こ と で あ る 。

(34)

そ し て , 自 ら は 単 に 「 神 と 歴 史 」 に の み 責 任 を 負 う も の と 誇 示 さ れ , 「 諸 君 は 余 で あ り , 余 は 諸 君 で あ る 。 そ し て わ れ わ れ は ド イ ツ で あ る 」 と 叫 ば れ , 「 わ れ わ れ の 網 領 は 二 語 , 即 ち

「 ア ド ル フ ヒ ト ラ ー 」 で あ る 」 と 横 溢 に 演 説 さ れ る と き, あ ら ゆ る 人 間 関 係 と 集 団 的 凶 能 と は 直 線 的 に 結 び つ け ら れ る 。 こ の 時.  < ヒ ト ラ ー > の も つ 佃 人 的 人 格 は も は や ナ チ ス 党 と 一 体 と な り , 全 ド イ ツ 民 族 と 合 体 し , 超 越 的 な 象 徴 と し て 国 家 的 社 会 的 信 仰 の 対 象 へ と な っ て い く 。 ま た, 彼 自 身 大 衆 と 同 様 , そ れ に 脱 帽 し な け れ ば な ら な く な り, 経 験 の 共 同 性 は よ り 繁 雑 に , よ り 緊 密 に 行 わ れ て い <。 こ の < ヒ ト ラ ー > と の 同 一 化 に よ っ て,   も た ら さ れ る 感 悄 的 な 一 体 意 識 や 連 帯 感 は , 更 に 権 威 操 作 に よ っ て 培 饗 さ れ , 問 い か け を 許 さ ぬ 権 威 者 へ と 収 斂 さ れてい く の で あ る。 や が て, この プ ロ セ スが 成 就 す る と き, ヒ ト ラ ー と の 一 体意 識は(35) 盲 従 と は 感 じ ら れ ず.  強 制 は 内 的 命令 と同 一 で あ り , 集 団 や 組 識 との 距 離 感 は 一 体 感 とな り , まt:. ひ と り で あ る こ ど の 恐 怖 か ら 解 放 さ れ て, 自 己 の 存 在 を確 認 す る こ と が で き る よ う に な るの であ る。

最 後 に,   こ れ ま で の 論 議 を 内 意 し な が ら , 現 代 的 社 会 状 況 の 特 質 とし て あ る 権 威 ヒ エ ラル oa  ヘ ル マ ン ・ ラ ウ シ ュ ニ ン ク『 ニ ヒ リ ズ ム革 命』 片 岡 訳 ( 学 芸 書林 )78 −8 頁 参 照 。

u R. カ イ ヨ ウ『 本 能 − そ の 社 会 学 的 考 察,□'針W  ■巾 以 訳 ( 思 索 日:刊)P.2OO‑1 頁 参I1≪。

u S.  J. ウ ル フ 細r フy シ ズ ム の 本 質 」 斎 腺・ 訳 ( 光 文ID )56 頁 。 ヒ ト ラ ー白 身, [ 冲] と か

「 人 の 挺 \口 と か 「 運 命」 とい う 」葉 をし ばし ば 便 っ て お り,C うし7こもの が 彼 に と っ て の 崇 拝 の対 象 で あ っ た 。 特 に 彼 が 民 族 の 指 導 者 で あ';, 大 衆 か ら 畏 敬の 念 を 呼 び お こ す?こめに は , 彼 自身 が , あ る 強 い 信 仰 と 強固 な 窓 志 を も っ てい な け れ ば な ら な い の で あ り. フ ロ イ ト が い う よ う に「 指 導 者 と は , ま さ に彼 自 身 が 狂 信し てい る理 念 に よ っ て , そ の 指 導 肘 こる,S‑Ssを に な っ てい る 」 (f 自 我 論,卜01 頁 ) もの で あ る。

n 1 )。>) ー スV ンr 俳 衆 の 顔,   ( 下 ) 川 弘 ・ 久 能 訳 ( サ イ・む レ出 収 会で)656町 。 こ の よ う な 権威 の 内 面 化 が 成 就 し7こ場 合 , 「 血 制 さ れ た こ と は あ り ま せ ん 。 常 に 数 え 導い て くれ る の で す 」 と 答 え る よ う に な';, 判 断 は も は や 彼 自 身 の 閥 越 で は な く な り , 彼 を 保 駿 し て くれ る外 部 の 権 威 の 閥 題 に 転 化 さ れ て し ま う の で あ る。

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(21)

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ヒ ーの 分 散化 現 象 と の関 連 で 言 及 し て お きたい 。

権 威 ヒ エ ラ ル ヒ ー は , 「 頂 点 か ら 底 辺 に 至 る ま で , 各 地 位は そ れ ぞ れ 一 つ の 上 級 の 権威 の 下 に立 ち, 一 つ 下 級 の 権 威 の 上に 立 つ 」 とい う 権 威 の 重 層 的 な 上 下 関 係 に よ って 成 立し てい る。 現 代 の 官 僚 化 ・ 組 織 化 は , あ ら ゆ る 集 団 に お い て , 更 に この よ うな 傾向 を助 長し てお';.

余 りに も多 く の 役 付 き序 列 が よ り 一 層 細 分 化 さ れ て 作 り出 さ れ。て い る。 こ の 位 階 秩 序 の 内 部 に お け る 地 位 は , 各 々の 立 場 に お い て , 明 確な < 自己 権 威 > が 与 え られ て きてお り, よ り多

く の 人 々 に 配 分 化 さ れ て い る 。こ の 権 誠 の 分 散 化 とは ,謂 わば,  こ れま で の 支 配 者 が, 権威 を,

た だ ひ と り`の 指 導 者 か そ の 少 数 集 団 に の み 体 現 し 使 用し てい た のに 対し , そ の 保 有 者 を 被 支 配 者層 に も幾 分 か 分 配し て や り, 拡 散 す る こ と に よ っ て, 準 支 配 者 の心 理 構 造 を 醸成 し よ う と す る もの で あ る。 そ れ は つ ま り, 権 威 の 内 面 化 あ るい は 心 理 的 合 理 化 過 程 で あ る と もい え ろ。 権 威 ヒ エ ラ ルヒ ー で は , ど ん な に 低い 末 端 の 地 位 を 占 め てい る 個人 で あ っ て も, な お か つ 指 導 者 とし て の 地 位を 与 え ら れ ,形 式 的 に も椛 威 者 の 一 人 とし て 分 類 さ れ てい る。 そし て 更 に , 下 に は 下 がい る こ とを 教 示 さ れ る こ と に よ って , ど うに か 安 心m を保 つ こ と が で きる。

彼 は , 自 己 の 優 越 性 を 示し て く れ る権 威 の 一 破片 を 与 え ら れ る こ とに よ って , そ の大 小に 拘 ら ず, か な り の 自 惇心 を 持 って い る。 この 強 烈な 身 分 意 識 は , 上 か ら の 抑fiミと 上 へ の 県 屈 に よ る劣il;感を , 下 へ の 軽漢 と下 級 昔へ の シ ソ 寄 せに よ っ て , 外 癩 す る す る こ と が で きる。

彼は あ る 職 場 の あ る 職 務 上 の 幾 ら か の 楡 限 を 行 使 す る こ とに よ っ て,  < お 上 > とい う 権威 の もつ ぇ ら さ を 体 験し , や が て そ の 地 位 や 身 分 に 習 性的 に 自 己 湖 足 す る よ うに な る。 そ うな る と , 彼 に と っ て, そ の 権 威 を 充 分 に 行 使し て み7こい とい う欲 求 は あ る の だ が ,し かし そ れは , た だ そ う夢 見・ そ う思 うだ け で あ っ て , 実 際 に は そ の 地 位 へ の 執芯 だ け が 問 題 , とい うこ と

(.T))

に な る の で あ る。 この 「 拙 威 の 意m だ け で 十 分 」 とい う粘 神 構 造 は ,「 権 威 の 借 川 」 とい う 陥 穿的 代 替 作 用 へ と連 結 さ れ る。 こ れ は , 何 で もか ん で も身 分 を 表 わす シ ン ボ ルに 自a. を 絡 み つ か せ , 上 層 部に 同 一 視 す る こ と に よ っ て , 権 威 を 借 り て く る 方 法 で あ る。

本 来,  椛 威 とは , 客 観 的 合 理 性 を 内 容 とし , 何 び と も認 め ざ る を え ない 事 実 , 人 恪 や 仕 事 が , 他 者 との 関 係の 中 で, 間断 な い 自 己 研 細 を 通 過 し て, 試 さ れ , 仕 上 げ ら れ, 生 ま れて く る もの で あ るが , こ こ で は, 肩 書 や 看 板 , 自 称 や宜 言 な ど に 権 威 主 義 化 さ れ , 物 神化 さ れ た 権 威 信 仰(Autoritatsglaube ) に よ っ てし か , 自 己 の 存 在 を 証 明 す る こ と が で きな く な って い る の であ る。

さ て, 総 じ て , 不 鮮 明 な 概 念 とし て の「 権 威 ヒ エ ラ ル ヒ ー」 を,  専 ら その 原 理的 側 而 か ら,

椛 威 現 象 と そ れ ら を 生 み出し て く る精 神 構 造 と の 相 剋 性 に お い て, 根 源 的 に 接 触し よ う と意 図 し な が ら 窓 察 を 進 め て きた の だ が , 心 的 存 在 とし て の 人 間 を , ど れ だ け全 体 像 の う ちに つ か み と る こ と が で きた か 心 許 無 く , まだ ま だ 論 述 す べ き点 は 多 く残 さ れて い る。

( 社 会 学 研 究 科  博 士 課程 ) 味  丸 山 真5i 編「 人 間 と政 治 一I 絶 対 者 の探 究 と 政 治」 『 人 間 の 研 究 Ⅳ』 ( 有 斐 閣)149 頁。

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参照

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