10 別添4−2
令和2年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)
分担研究報告書
オンライン妊産婦健診に関わる分娩施設アンケート
分担研究者 中川 慧 (大阪大学・大学院医学系研究科・産科学婦人科学 助教)
安達 久美子 (東京都立大学大学院 人間健康科学研究科看護科学域 教授)
前田 津紀夫 (公益社団法人日本産婦人科医会 副会長)
黒川 寿美江 (学校法人聖路加国際病院 周産期ケア統括ナースマネジャー)
1目的
Covid-19流行下において、本邦におけるオンライン妊産婦健診の実施状況を調査し、現状でのメリットや課
題、行政に対するニーズを明らかにすること。
2方法
アンケートを分娩取扱施設2214施設に郵送
Web上、もしくは郵送にて回答いただき集計した。
2. アンケート結果
分娩施設の所在地 施設の内訳・分娩取扱数 研究要旨
本邦の分娩取扱施設2214施設に対してアンケートを送付した。
送付回収期間 2021年1月
1096 施設(49.5%)より回答を得た。オンラインによる妊産婦健診がコロナ禍において実施可能とされて いるが、実際に活用できている施設は1−2%に留まっていることが明らかになった。オンライン妊産婦 健診を実施している施設では、感染リスクの低減に加え、患者満足度の向上等をメリットに感じている。
実施していない機関は、費用面や個人情報、マンパワーの問題を課題と感じている。妊産婦のニーズが明 らかになればオンライン妊産婦健診を実施したいと考えている施設は多いことも明らかになった。
11 オンライン妊産婦健診の導入状況 オンライン健診を行なっている項目
実際にオンライン健診を行なっている機関の費用負担 オンライン健診のメリット・デメリット
実施機関が行政に求めるもの 非実施機関についての検討状況と導入しない理由
12 オンライン健診を検討する状況 オンライン健診を実施する際に行政に求めるもの
3 まとめ
オンライン健診については、2021年1月現在(covi-19第3波周辺の時期)で実施している施設は18/1096施 設(1.6%)にとどまっていた。実施している施設においては医療面接はほぼ全施設で行われており、検査結果の 説明なども 14/18 施設で行われていた。一方、血圧や尿検査、胎児心拍数といった測定を伴う項目はいずれ も実施率が低かった。実施している施設、実施を検討している施設の大部分はオンライン妊産婦健診のメリ
ットにcovid-19感染リスクの低減を挙げたが、次いでマンパワーの節約と患者満足度の向上が挙げられた。
一方、実施していない機関のうち、具体的に導入を検討している施設は29/1049(2.8%)で、実施したいが現実 的には困難と考える施設が269/1049施設(25.6%)、全く導入する予定がない施設が751/1049施設(71.6%)で あった。導入しない、できない理由については時間、マンパワーの問題が最も多く、次いで費用面の問題、妊 産婦からのニーズがないという結果になった。どのような状況になればオンライン健診を検討するかという 質問に対しては、「妊産婦からのニーズが高くなる」を挙げた施設が約3/4で最も多く、ついで、費用的な問 題の解決、マンパワーの問題の改善という結果になった。オンライン妊産婦健診を実施するとした場合に行 政に求める物としては、費用補助を約8割の施設が挙げ、ついで、受診券、補助券の認可、オンライン診療の 永続的な認可となった。
4 考察
オンライン妊産婦健診について、実施している施設が感じているメリットとして感染機会の低減に次いで患 者満足度の向上、マンパワーの節約が挙げられたのに対して、実施が困難と考えている施設の理由にニーズ がない、マンパワーが足りないと相反する結果となった。実施施設が少ないため、一概には言えないが、実施 していない施設においてハードルとなっているものは、導入のコスト以外に妊産婦のニーズがわからないこ とやどのように実施したらいいかわからないため導入できないという背景もあることが推測される。また、
実際に導入するとした場合に持続性や受診券・補助券の認可など行政の制度面に対するサポートの要望が多 いことも明らかになった。現在いわゆる第4波が起こっている状況で、感染リスクを感じる妊婦は多くなっ ており、実際変異型コロナウイルスは若年層に対する感染や重症化のリスクが増していると考えられている。
こうした状況下で、妊産婦のオンライン健診に対するニーズは上昇してくることも予想され、導入を検討す る医療機関がよりスムーズにオンライン健診を提供できるような制度面での支援、実施する際の手引きとな るような資料の作成が必要になると思われる。
以下参考資料:妊産婦健診におけるオンライン診療アンケート
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