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日本企業における企業経営機構改革の現状

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■ 研究論文

日本企業における企業経営機構改革の現状

一監査役設置会社 と委員会設置会社 に焦点 をあてて‑

ReformOfmanagementStructureinJapaneiescompanies

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

牧 野 雄 貴

MAKINO,Yuki

Jキーワー ド

コーポ レー ト・ガバ ナンス、企業経営機構、監査役設置会社、委員会設置会社、社外取締役

1 は じめに

日本企業 は、1990年代初頭 か ら、経済 の低 迷 と相次 ぐ企業不祥事の表面化により、 コーポ レー ト・ガバナ ンス改革が求め られて きた。そのため、

企業法制度の改正によって監査機能の強化が図 ら れ るとともに、企業が自主 的にコーポ レー ト・ガ バナ ンス構築 を行って きた。

2000年代 に入 ると、 これ までのコーポ レー ト・

ガバナ ンス改革が さらに活発 となった。旧商法の 大規模 な改正 が2003年 に行 われ、会社法 をは じ め と した企業法制度 が2005年 に施行 され たので ある。 ここでは、監査役の権限が強化 されたこと や、社外取締役の規定がな されたことなど、 これ までと違い、明確 にコーポ レー ト・ガバナ ンスの 強化を図る目的で法整備が行われた。 また、最 も 注 目すべ き取 り組み として、 これ までの監査 役 (会) を設置 した企業 とともに、新 たな企業経営 機構 として、委員会設置会社の導入 も可能 とした ことが挙げ られ る。 これによ り、企業 は経営の 自

由度 が増 し、今 まで以上 に さまざまな機関 を設計 で きることになったのであるO このよ うに、 コー ポ レー ト・ガバナ ンス改革 に遅れ をとっていた 日 本 で も、2000年以 降の企業 法制度 の改正 をは じ め として、改革 が進め られて きた といえよう。

そこで、本稿 では、企業経営機構 に焦点 をあて、

日本企業 におけるコーポ レー ト・ガバ ナ ンス構築 の姿 を明 らかに しようとす るものである。そのた めに、まず、第2節 では、企業経営機構 改革 の必要 性 とともに、コーポ レー ト・ガバナ ンスが必要 と なった背景や これ までの企業法制度改革の変遷 を たどる。 また、第3節では、監査役設置会社に焦点 をあて、監査役設置会社の構造 と、コーポ レー ト ガバ ナ ンス改革 として導入が進 め られている執行 役員制度 を取 り上 げ る。さらに、第4節では、委員 会設置会社に焦点 をあて、委員会設置会社の構造 と、各種委員会や執行役 におけるコーポ レー ト・

ガバ ナ ンスの役割 を論 じてい く。そ して、第5節で は、 日本企業 における社外取締役の選任状況や問 題点、企業による改善の取 り組み を明 らかにす る。

(2)

44 神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』 第12 20083月

図 表 1 コ ー ポ レーガバナンス の

体 系

情 報 開明性

非 独 立 日 独 立

(他所)小鳥大徳 [2004]4

開 示 口

」 」 i

卑 j A ] E 独 ( 会 立 計 監 監 査 査 人 )

t一一t一丁藍査

「 ‑ ̲ ̲ I ̲ ̲ ̲ ̲ ̲ ‑ ̲ ̲ ̲

対 話 (株 主 総 会 等 )

2

コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス と企 業経 営機構改革

2.1 コーポ レー ト・ガバナ ンスと企業経営機 構

今 日の コーポ レー ト・ガバナ ンス問題では、第 1に、企業不祥事への対処 をめ ぐって議論が行 わ れてお り、企業不祥事の再発 を防止す るには、経 営監視 ・統制の仕組みはどうあるべ きかが問われ ている。第2に、企業競争力の強化 をめ ぐる議論 が行われてお り、企業競争力 を高めるには、いか なる経営意思決定の仕組み と、いかなる経営監視 ・ 統制の仕組み とが望 ましいかが論 じられている2。

コーポ レー ト・ガバ ナ ンスは、図表1に示 した ように、企業経営機構、利害関係者、情報開示 ・ 透明性、の3部か らなるとされ る3。 まず、企業経 営機構 については、お もに、委員会設置会社 また は監査役設置会社のどち らを選択す るのか、取締 役に社外取締役が導入 されているか、経営者 と取 締役会の間で どのような説明責任 と指揮 ・監督 が 行われているか、などのシステムを構築すること である。 また、利害関係者 については、企業 と利 害関係者の権利や義務についての システムを構築 す ることで ある4。 そ して、情報 開示 ・透明性 に ついては、IR活動 などを通 して、企業 が利害関係

利害関係者 利害関係者

機関投資家

者 と対話 を行 えるようなシステムを構築す ること である5。 これ ら3つのなかで も、企業経営機構 は、

狭義の コーポ レー ト・ガバナ ンス とされ、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスを構築す るうえで、企業が最 初 に改革 を行 う部分である。

2.2 企業経営機構改革が求め られた背景 これ までの 日本企業 は、取締役 (会) と監査役 (会)、代表取締役によって企業経営機構 を形成 し ていた。取締役会 は、株主総会で選任 された取締 役 によって形成 され、業務執行の決定および監督 を行 う。 また、監査役会は、株主総会 で選任 され た監査役 によって形成 され、業務の監視監督 を行 う。そ して、代表取締役は、取締役会 で選定 され 業務の執行 を行 うのである。 しか し、 日本の企業 経営機構 において、取締役 (会)や監査役 (会)は、

求め られていた役割 を果た していなかった。その 原因には、取締役や監査役の人事権 が、実際には、

一部の経営陣によって掌握 されていたことを挙げ ることがで きる。 これにより、取締役は、経営陣 にとって都合の良い人物や、代表取締役に異 を唱 えることがで きないような人物 が選ばれていたた め、本来の役割 を果たせず、 さま ざまな問題 を抱 えることとなったのである。 このようなこともあ り、取締役 (会) が抱 える問題 は、図表2の よ う

(3)

図表2 取締役会改革が必要 となった背景 取締役会が抱えていた問題

1 経営方針決定の場に日常的な業務決定が持ち込まれ、真の政策決定ができにくいこと。

2 取締役の人数が多すぎて実質的な審議ができないこと。

3取締役会の開催回数が少なく報告の場になってしまっていること0

4 社内取締役に偏っているため、議論が社内の部門の案件に集中しがちになり、広い視野に立 った全社的 問題にふれ られないこと。

5 社長を頂点 とするピラミッド型の業務執行体制が温存 され、取締役会は、意思決定面でも監督面でも機 能 し得なくなっていたこと。

(山所)平田光弘 [2007]12頁.を基に筆者が嚢を作成。

に多岐にわたることになった。 また、監査役の選 任について も、同様であり、取締役 (会) を監視 する役割 を担っていた監査役 (会) も機 能 してい なかったのである。

このような状態か ら、日本企業では、経営の監督 機能が働かなくな り、企業不祥事が発生する原因 とな り、監視監督機能の強化に重点 をおいた企業 経営機構改革 が求め られ るようになったのである 70

2.3 商法改正 と会社法の施行

日本では、相次 ぐ企業不祥事に対処す るために、

何度 も旧商法の改正 を行い、お もに、監視監督機 能 を強化 しよ うと して きた。旧商法 は、1950年 の改正 において、取締役会制度が導入 され、業務 執行の決定 と監督 は取締役 (会)が行い、取締役 (会) によって選任 された代表取締役のみに代表 権が与 えられ ることになった。 また、 ここで、監 査役 (会) は会 計監査 のみ を行 うことになった 8。 しか し、1974年の旧商法改正 によって、取締 役 (会)だけでなく、監査役 (会)で も業務監査 を行 うことが義務づ け られ た。 さらに、1981年 の旧商法改正 によって、大会社では、監査役 を2 人以上 とし、常勤監査役 を設置することが義務づ け られた。 このような監査役 (会) に関す る旧商 法の改正 は、当時相次いでいた企業不祥事 を、監 査役機能の強化によって防 ごうとしたためである。

旧商法は、1990年代 に入 って も改正 が行われ、

コーポ レー ト・ガバ ナ ンス改革 の制度 的基盤作

りが着 々 と進 め られ た9。 また、2000年代 に入 る と、旧商法の改正 は、 さらに大規模 な ものになっ た。2003年の旧商法改正では、監査制度 を改正 し、

企業の健全性確保 を重要 な 目的 とした。 それ とと もに、企業経営機構構築の自由度 を拡大 して、効 率的経営 を促すための 目玉 として、委員会等設置 会社 を新設 した10。 これ は、 アメ リカ型 の企業経 営機構構造であ り、社外取締役 を中心 とした、監 査委員会 と指名委員会、報酬委員会の3つの委員 会 を取締役会内に設置す ることを義務づけ、 コー ポ レー ト・ガバ ナ ンスの強化に重 きをおいた改革 で あった。 そ して、会 社法 が2005年 に施行 され た。 ここでは、株式会社 は、株主総会 および取締役、

代表取締役の設置 を擁す るが、 それ以外 は、取締 役会、監査役、監査役会、3委員会 と執行役、会 計監査人および会計参与 とい う常設機 関の中か ら、

定款 の定 めに基づ き選択で きるもの とし11、企業 は経営の自由度 を高 めることになった。 また、そ れ まで用い られて きた委員会等設置会社 とい う名 称 は、委員会設置会社 に変更 され た12。 この よ う に、旧商法はたびたび改正 が行われて きたが、な かで も、2000年 以降の改正 は、企業 経営 におい て大 きな影響 を与 えたのである。

2.4 企業経営機構選択の現状

日本 では、2000年代 に行 われ た企 業法 制度 の 改革 によって、 さまざまな形態の企業経営機構体 制 をつ くることが可能 になった。 なかで も、大企 業の多 くで採用 されてい るのが、監査役設置会社

(4)

46 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第12 2008年3月

図表3 企業経営機構の状況

組織形態 企莱数 比率

監査役設置会社 5,461社 98.0%

委員会設置会社 110社 2.0%

(出所日 j本 監査 役 協, [2007]1貢.を基に筆者作成O

と委 員会 設置会 社 で ある。 そ こで、2007年10月 に 日本監査役協会 (以下 「監査役協会」 とい う) が発表 した 『「2007年 における監査役及び監査委 員会制度の運用実態調査」結果報告書 (以下 「監 査役協会報告書」 とい う)13』 を参考 に、 日本企 業 における選択の現状 を明 らかにす る。なお、東 京証券取引所において も、2006年6月か ら、全上 場企業 に対 して、「コーポ レー ト・ガバ ナ ンスに 関す る報告書」の作成 を義務づけている。 これに よって、東京証券取引所上場企業 は、必ず 自社の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスに関 して報告 をす るこ とにな り、利害 関係者 は、全上場企業 の コーポ レー ト・ガバナ ンス構造 を知 ることができるよ う になった14。

監査役協会では、監査役協会報告書 を作成 す る

にあた り、監査役設置会社5,641社 と委員会設置 会社110社の計5,751社 を対象 として、ア ンケー ト 調査 を行 った。 この調査対象か らも明 らかなよう

に、 日本企業では、監査役設置会社 を導入 してい る企業 が、全体の98%を占めてお り、委 員会設 置会社は、全体のわずか2%で あった。2003年の 旧商法改正 によって、委員会設置会社の導入が可 能 とされたものの、 日本企業のほ とん どが、企業 経営機構の抜本的な改革 は行わず、従来型の監査 役設置会社 を導入 していることがわか る。

このように、 日本企業の企業経営機構体制が明 らか となった。そこで次節以降では、監査役設置 会社 と委員会設置会社の構造や課題 を明 らかに し てい き、そこか ら波及す る問題点 を考察 してい く。

図表4 監査役設置会社の構造 株主総会

株式会社の組織や運営、管理 などの決議

取締役会

経営の意志決定と、執行役員または 代表取締役による業務執行の監督

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選 J

解 任

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・ 監査役会

! 取締役の

】 業務執行を監査

二 史

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T̲壬 A i.監 王 は

執行役員

(出所)平田光弘 [2003]174貢.

会計監査人

各 種

を監査 1

(5)

3

監査役 設置 会社 にお け るコーポ レー ト ・ガバナ ンス構築の現状 と課題 3.1 監査役会設置会社の企業経営機構構造

最初 に、監査役設置会社 における各機 関の役割 を取 り上 げ る。監 査役 設置会 社 にお け る取 締 役 (会) は、業務執行の意思決定機 関 を行 うととも に、業務執行 の監督 を行 う。 また、監査役 (会) は、業務執行の監督 を行 う。 そ して、代表取締役 は、業務執行 を行 う。 これ までの監査役設置会社 における企業経営機構 は、 この よ うな3つの機 関 によって構築 されていた。 しか し、相次 ぐ企業不 祥事の表面化 によ り、監査役設置会社では、法改 正 による監査機 能の強化 を図 り、 また、企業の自 主的な取締役会改革 によって、 コーポ レー ト・ガ バナ ンスの強化 を図ってい る。 そのため、今 日の 監査役設置会社 の代表 的な構 造 は、図表4の よ う なかたちへ と変化 してい ると考 えられ る。具体的 には、法改正 によって、監査役の増加や社外監査 役の設置が義務付 け られ、監査機能の強化 を図っ た。 また、業務の執行 と監督 を分離す るため、執 行役員制度 を導入 し、業務の執行 と監督の分離 を 図った。

3.2 監査役 (会)の機能強化 と課題

これ までの監査 役設置会社 で は、取締 役 (会) と監査役 (会) の2つ の機 関 に よ り、業務執行の 監視監督 が行 われ るこ ととなって いた。 しか し、

実際には、 どち らの機 関 も機能 していた とはい え ず、企業不祥事 が後 を絶 たなかったのである。 そ こで、相次 ぐ企業不祥事 に対処 す るために、監査 機能 を強化す る目的で、何度 も旧商法改正 が行わ れ、監査役 (会)の権限や機 能強化が図 られて き たの で あ る。 た と えば、1993年 には、監 査 役 の 人数 を増や した り、社外監査役 を導入 し、当該会 社 と関係 の ない者 を選 任 す る こ とを求 め た り し て、監査役 (会) の機 能強化 を図 った。 さらに、

2001年 の 旧商 法改正 で は、監 査 役 の半 数 以上 を 社外監査役 とす ることを求 め、 さらな る機能強化 を図 る こ ととな った。今 日で は、2005年 の会 社 法 によって、監査役 (会) は、3人以上 で構成 し、

その うち半数以上 は社外監査役 と しなければな ら ない。 くわ えて、大会社 では、独立 した職業 的専 門家の立場か ら、会社が策定 した計算書類 を監査 し、会社の会計処理の適正 さを担保す ることを役 割 と した、会計監査人の選任 も義務づ け られてい

る。

この よ うな改革 が進 め られて きたなか、図表5 を参考 に、今 日の監査役設置会社 における監査役 図表5 監査役の選任状況

監査役総数 社内監査役数 社外監査役数 0人 ‑ 18̲4% 0.1%

1人 ‑ 48.9% 0.3%

2人 0,1% 31.5% 57.3%

3人 48.8% 0.6% 56.8%

4人 40.8% 0.1% 4.8%

5人 9.1% ‑ 0.2%

6人 0.4% ‑ ‑

7人 0.2% ‑ ‑

8人 0.1% ‑ ‑

無回答 0.5% 0.5% 0.5%

平均人数 3.6人 1.1人 2.5人

(出所)銅丈監査役協会 [2007]76‑77

(6)

48 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第12 20083月

の選任状況 をみてみ ると、 多 くの企業 が、3人 ま たは4人 の監査役 を選任 してい る。 また、 その過 半 数 とな る2人 また は3人 を社外監 査役 と して選 任 してい る企業 が多いことがわか る。

監査役 (会)の機能 に関 しては、 さまざまな法 改正 が行われてい るが、今で も監査役の実効性 が 一向に上 が らない との指摘 もされている。 その た め、 山城 将美 [2003]は、監 査 役 の機 能 が実 効 性 あるもの になるための要件 と して、(∋監査役の 独立性 がいかに実効的に確保 されてい るか、(釘監 査役の情報収集力がいかに保証 されているか、③ 監査役 が監査役 としての専門的知識 を有 してい る か、 とい う3つ をあげて い る5。監 査 役設置会 社 では、それぞれが選任 した監査役 が これ らの条件 を有 してい るかを判断す ることが求 め られて くる といえよ う。

3.3 取締役会改革 と執行役 員制度の導入 従 来 の上 場会 社 で は、20人 前後 の取締 役 が一 般 的で あ り、大規 模 公 開会 社 において は、30人

を超 える取締役 を擁 す る会社 も稀 ではなか った】6。 そのため、 日本の取締役会 では、取締役の人数 が 多 くな りす ぎ、取締役会が肥大化す るとい う問題

を抱 えていた。 さらには、経営の監督 と業務執行 が分離 されていない とい う問題 も抱 えていた。 そ こで、肥大化 した取締役の数 を減 らし、取締役会 を活性化す るとともに、迅速 な意思決定 とその迅 速かつ効率 的な執行 を目的 と して導入 された もの が、執行役員制度である17。

執行役員制度 は、1997年 に、ソニ ー株式会社 (以 下 「ソニ ー」 とい う) によって初 めて導入 され た。

ソニ ーで は、 当時30名 を超 えて い た取 締 役 の数 を10名 に減 ら し、取 締役会 の権 限 を大 幅 に代 表 取締役 と執行役員 に委譲 したので ある川。 それ に よ り、取締役会 は、 ソニ ‑グル ープ としての経営 方針及および重要事項の決定、 な らびに業務執行 の監督の役割 を担 うもの と し、事業部門の責任者 を取締役か ら外すなどの取締役会改革 が行われた 19

()

ソニ ーによって導入 され た執行役員制度 は、年 を追 うごとに多 くの企業で導入が進 め られ、監査 役協会報告書 によれば、2001年 には19.2%で あっ た導 入率 が、2007年 に は47.9%へ と増 加 して お り、近年で、急速 に普及 して きた様子 が うかが え る20。

執行役員制度の導入 によ り、 日本の取締役会 に

図表6 執行役員制度の採用企業

執行役員制度 2001 2007

採用 している 19.2% 47.9%

採用 していない 79.8% 51.5%

(山所) 日本監査 役 協会 [2007]72貫.を基に筆者作成。

図表7 監査役設置会社 における執行役 員の人数

執行役員の人数 企莱数

5人以下 507 (27.3%) 6‑10人 570 (30.7%) ll‑15人 366 (19.7%) 16‑20人 182 (9.8%) 21人以上 215 (ll.6%)

(lll'J所) ヒ(本監査 役 協会 [2007]73鼠 を基に筆者作成。

(7)

図表8 執行役員 と取締役 との兼務音数

兼務音数 企莱数

0人 700 (37.7%) 1人 53 (2.9%) 2人 124 (6.7%) 3人 165 (8.9%) 4人 189 (10.2%) 5人 131 (7.1%) 6人 124 (6.7%) 7人 115 (6.2%) 8人 74 (4.0%) 9人 57 (3.1%) 10人 35 (1.9%) ll‑15人 40 (2.2%) 16‑20人 37 (0.2%) 平均人数 5.2人

(出所)El本̲i.琵奄役協会 [2007]74貢.を基に筆者作成。

おける問題の1つで あった取締役数 は、減少 を続 けてお り、監査役協会報告書 によると、取締役数 の平均は8.3人であった2‑。 また、取締役が10人以 下の企業 は、78.2%にのぼ り、21人以上の企業は、

1.1%と、大幅に減少 していることが明 らかとなっ た22。 この結果か らも、 日本企業の取締役会 の規 模 は縮小傾向にあ り、取締役会が大 きす ぎるとい

う問題は解消 されて きたといえよう。

欧米企業のように、 日本企業 において も、取締 役会 を小規模化 し、意思決定の迅速化や活発化に 取 り組んでいることが明 らか となった。 しか し、

執行役員制度 が導入 されて も、 もう1つの問題で ある執行 と監督の分離が図 られたとは考 えに くい。

その理由は、取締役 と執行役員 を兼務 している人 物 がいる企業 は、60.1%にのぼっているとい うこ とである。監査役設置会社では、取締役 と執行役 員の分離が進 まない限 り、取締役会 による監督機 能が働かず、企業不祥事が発生 して しまう可能性 が残 っているとい えよう。

4

委 員会設置 会社 にお けるコーポ レー ト ・ガバナ ンス構築の現状 と課題 4.1 委員会設置会社の企業経営機構構造

委員会設置会社 と監査役設置会社の具体的な違 いは、取締役会内に指名委員会 と監査委員会、報 酬委員会の設置が必要 とな り、委員会 を構成す る 取締役は、半数以上 を社外取締役 と しなければな らない ことである。 また、委員会設置会社 では、

監査役 (会) を設置す ることはで きないため、業 務執行の監視監督 は、取締役会内にある委員会の 1つで ある監査委員会 によって行われ る。 さらに、

業務執行機関 として、執行役 を設置す ることが義 務づけ られていることである。 この ような機関 を 具体的に示す と、図表9のよ うになる。

委員会設置会社では、取締役が業務執行 と監督 の両者の機能 を担 うことを排 して、執行役 とい う 新たな業務執行機 関 を創設 し、機動的円滑 な経営

を可能 とす るとと もに、取締役会 の監 督機 能 の 実効性 を確保す ることを 目的 と してい る23。吉森 賀 [2005] は 「この制度 を導入 した意義 と して

(8)

50 神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』第12 20083

図表9 委員会設置会社の構造 株主総会

株式会社の組織 や運営、管理 などの決議

選任解任ト

‑ ‑̲L ̲̲

取締役と執行役の 報酬 を決定

取 締 役会

締 役 候

補者を決定

‑ ‑ ¶ 1 t . ■ M ‑ 〜

執行役

取締役会で決定した業務 を執行

・ L / J 日 、 L , I ∴ ′ 上 土 ′ ̲ 工 , ‑

「 1‑ ‑・・・‑ ・ ‑・ ・

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選任解任

取締役と執行役の 職務執行を監査

会 計監査 人

種計算書類を監査

六二 :‑: I

+ ̲

(山所)平田光弘 [2003]175ri.

図表10 委員会設置会社 における取締役総数 (社)

取締役総数 企莱数

5人 1

6人 16

7人 14

8人 8

9人 8

10人 4

11人 16

平均人数 8.6人

(LLJJ所) 日本監査役協会 [2007]171

は、 これ まで監査役設置会社において、代表取締 役 に集中 していた業務執行 とその監督 とい う相容 れない責務が分離 された点にある

2 4

」 と述べてお り、 日本における委員会設置会社の導入の利点が、

ここにあるといえる。

委員会設置会社は、 もともと業務執行 と監督の 機 能 を分離 させ ることを目的 と してい ることや、

各種委員会において半数以上 を社外取締役 とす る ことを求 めていることか らもわかるよ うに、 コー ポ レー ト・ガバナ ンスの強化 を図った企業経営機 構であるといえよ う。 そのため、監査役協会報告 書によると、委員会設置会社では、取締役会の構 成 人数 が、平均 で8.6人 と少人数で あ り、 その う

ち4.7人 は社外取締役 となっている25。

(9)

このような制度や取 り組みか らも、委員会設置 会社 を採用 している企業は、監査役設置会社に比 べ、コーポ レー ト・ガバ ナ ンス構築に積極的な姿 勢 をみせていると考 えられ る。

4.2 委員会設置会社における各種委員会の役割 委員会設置会社 を導入す る企業では、指名委員 会 と報酬委員会、監査委員会の3つの委員会 を設 置 しなければな らない。それぞれの委員会におけ る役割は次の とお りである。 まず、指名委員会 は、

株主総会に提出する取締役の選任および解任に関 す る議案の内容 を決定す る。 また、監査委員会 は、

取締役 と執行役の職務執行の監査および監査報告 の作成 し、会計監査人の選任 および解任、会計監 査人 を再任 しないことに関す る議案の内容 を決定 する。 さらに、報酬委員会 は、取締役 と執行役の 報酬内容 を決定す る。

このように、役割 を分担 した委員会の設置を義 務づけることは、 これ までの代表取締役社長に集 中 していた権限 を分散 させ ることにつながるとい えよう。従来 は、代表取締役社長 に集中 していた 人事および報酬の決定権 を、それぞれ指名委員会 と報酬委員会 とに分離 され ることになったのであ る26。 また、監査機能 は、過半数 を社外取締役 に よって占め られ る監査委員会により強化 されたの である27。

4.3 委員会構成委員の状況

委員会設置会社 における各種委員会 は、3人以 上の取締役によ り構成 しなければな らないが、監 査役協会報告書 によると、 その多 くが、3人か ら 5人の取締役 によ り構成 されてい ることが明 らか にな った2Lq。 各委 員会 に お け る取締役 の平均 人 数 は、指名委員会 では、4.0人 となってい る。 ま た、監査委員会では、3.6人 となっている。そ して、

報酬委員会では、3.8人 となってい る。

各種委員会では、過半数 を社外取締役 としなけ ればな らない。そこで、各種委員会の構成状況 を みてい く。 まず、指名委員会 における社外取締役 の比率 は、67.4%である。 また、監査委員会 にお ける社外取締役の比率 は、80.3%である。 そ して、

報酬委員会 における社外取締役の比率 は、69.2%

である。 このように、監査委員会の比率が他の委 員会 に比べ高い理 由 として、監査委員については、

他の委員会 に比べ、会社か らの独立性が求め られ ているため と考 えられている。

4.4 執行役制度の現状

委 員会設置会 社 を導入す る企業 は、業務 の執 行 と監督の機能 を分離 させ るために、必ず1人 ま たは2人以上の執行役 を設置 しなければな らない。

監査役設置会社 において も、執行役員によって同 図表11 委員会設置会社 における各種委員会の取締役数 (社)

取締役数 指名委員会 監査委員会 報酬委員会

3人 36 40 41

4人 2 17 4

5人 22 10 16

6人 4 ‑ 1

7人

0

1

8人 1 ‑ 1

9人 1 ‑

0

10人 ‑ ‑ 1

選任平均人数 4.0人 3.6人 3.8人

( I l

̲lJ所) r=l本監査役 協会 [2007]175頁.

(10)

52 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第12 2008年3月

じよ うな取 り組みが行 われてい るが、法的に機 関 と して認めているものではない。 そのため、執行 役 と執行役員は異 なる。具体的な違い と して、執 行役 は、取締役会の招集請求権 など取締役に準 じ た権限 と義務 を有 してお り29、 また、3ヶ月に1回 以上 は、 自己の職務の執行状況 を取締役会 に報告

しなければな らない、 といった規定 がある。

会社 法 で は、執 行 役 を1人 または2人以上選任 す るこ とを定 めて い るが、監 査 役協会 報告書 に よれば、平均 して約11人 を選任 していた30。 また、

執 行 役 は、取 締 役 との兼 務 も認 め られ てい るた め、平均 して約3人 が執行役 と取締役 を兼任 して いた。 ここでは、数値 と して明 らか とはなってい ない ものの、取締役会会長 が代表執行役 を兼任 し てい ることが考 えられ る。 そのため、監査役設置 会社 における執行役員 と同様 に、委員会設置会社

で も、執行役 と取締役の兼任 に関す る問題 がある。

吉森賢 [2005] は

「 (

取締役会会長 が代表執行 役 を兼務す る場合 は一筆者) これが取締役会 による 代表執行役の監督 を困難 にす ることは自明で ある 3'」 と述べてい る。 また、 「会 社法 では、2人の社 外取締役 がいれば、法的要件 を満 たすため、代表 執行役 に権 限 が集 中 して しま う32」 とも危慣 して いる。

この よ うな指摘か らも明 らかなよ うに、監査役 設置会 社 と同様 に、委員会設置会社 において も、

代表執行役 による権 限の集中が懸念 され る。 その ため、社外取締役の選任 を増やす など、取締役 と 執行役の兼務 をなるべ く少数 に抑 え、監督機能 を 強化 させ ることが求め られ るだろ う。

図表12 委員会設置会社における執行役の人数 (社)

執行役の人数 企業数

5人以下 15

6‑10人 22

ll‑15人 16

16‑20人 5

21人以上 9

平均 ll.2人

(出所) 日本監査役協会 [2007]173頁.

図表13 執行役 と取締役 との兼務者数 (社)

兼務音数 企莱数

0人 1

1人 16

2人 12

3人 18

4人 10

5人 3

6人 5

7人 1

8人 1

(出所) 日本監査役 協会 [2007]173頁.

(11)

5

社外取締役選任の現状 と課題

5.1 コーポ レー ト・ガバナ ンスにお ける社外 取締役の役割

日本企業では、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンス改革 への取 り組みや委員会設置会社制度の導入により、

社外取締役の選任 が進 め られてい る33。社外取締 役の役割 は、「長年培 って きた異業種経営の経験 や他分野での知見に基づいて、代表執行役が行っ ている経営執行が、取締役会で承認 された経営基 本方針にそっているのかどうかを、独立 した監督 者 の立場 か ら議論 す ること

3 4

」 や、「代表取締 役 や代表執行役の違法行為ない し不相当な経営判断 にブレーキをかける、 あるいは正 しい方向に向け て横合 いか らハ ン ドル を抑 えること35」 とされて いる。つ まり、社外取締役は、社内 とは異なる視 点によって経営者 を監視や監督す ることが中心的 な役割 としているのである。

また、江頭憲治郎 [2004]は、委員会設置会社 における社外取締役の義務 として、①執行役が業 務執行 を適切 に行 っているか否かを監視すること、

⑦業務執行に不適切 な点があれば執行役 に対 し、

助言 をすること、③業務執行の重要 な点において 不適切 さが是正 されなければ、執行役 を交代 させ

ること、 を挙 げている36。 5.2 社外取締役選任の状況

委貞会設置会社では、委員が複数の委員会 を兼 務す ることが可能 なことか ら、最低2人の社外取 締役の選任が必要 となる。そこで、委員会設置会 社における社外取締役の選任 をみ ると、平均選任 人数は、4.7人であった37。 また、監査役設置会社

における社外取締役の選任状況 をみてみ ると、監 査役設置会社全休で は、1.3人 で あ り、社外取締 役 を選任 してい る監査役設置会社のみの平均 は、

2.4人であった3円。

委員会設置会社では、社外取締役の選任が義務 づけ られているものの、監査役設置会社 において は、義務づ け られていない。 しか し、監査役協会 報告書 によれば、監査役設置会社の うち、54.2%

で、社外取締役が選任 されてお り、監査役設置会 社において も、社外取締役の選任 が広 まってい る とい える39。監査役設置会社 において も、社外取 締役の選任 が進 んでいることは、 コーポ レー ト・

ガバナ ンス構築への取 り組み と して、取締役会 に 社外の 目を入れ るとい う観点で評価で きるだろう。

しか し、 多 くの企業 が社外取 締役 を1人 または2 人 しか選任 していないことか らみて も、社外取締 役の監督機能が働 いているかには疑問 を持た ざる を得 ないO

久保利英明 [2005] によれば、「社外取締役 は、

過半数でなければ有効 に機能 しない

4 0

」 と述べて い ることか らも、1人や2人だけの社外取締役 が、

実際にどれほど役割 を果 た しているかが問題であ る。社外取締役の機能 をより有効 に発揮 させ るた めには、 さらなる社外取締役の選任 が必要 となる といえよ う。

5.3 社外取締役選任 における課題

日本では、会社法による定義 をもとに、企業 が 社外取締役 を選任 している。 しか し、 この定義 に は、企業 と社外取締役 との独立性 に問題があると の指摘がな されてい る。たとえば、徳本穣 [2007] は 「会社法の定義 か らす ると、た とえば、関連会 図表14 社外取締役の平均人数

委員会設置会社 監査役設置会社 社外取締役を選任 していない企業を ‑ 1.3人 合わせた平均人数

社外取締役を選任 している企業のみ 4.7人 2.4人 (出所日 ]本 監査 役 協会 [2007]72,171貢.を基に筆者作成O

(12)

54 神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』 第12 20083月

社 の 出 身者 や取 引金 融機 関 の 出身者 等 も社外取 締役 にな るこ とが可 能 で ある4

と指摘 して お り、

ま た、森 本滋 [2003] も 「親 会 社 の執 行 役 も子 会 社 の社外取 締 役 の要件 を充足 し、代表 執行役、

社長 の配偶者 や同居 の親 子 も同様 で あ る4

2

」 と指 摘 してい ることか ら、 日本 の社外取締役 におけ る 独立性 を問題視 してい る。

また、社外取 締役 と社 内取締役 との間 において、

得 られ る情報 に差 が あることも指摘 され る。龍田 節 [2004]は 「取 締 役会 で も監 査 役会 で も、情 報量の点か らみて、外部者 よ りも内部者 のほ うが 適任 だ とい う意 見 が経済界 に多い43」 と述べ てお り、 また 「業務執 行 を外部者 に監視 して もらうの が本 当に有益 で あ ることを、経営者 自身 が自覚 し ない限 り、必要 な情報 を任意 に提供す ることな ど あ り得 ない44」 と述べ てい る。 この よ うな指摘 が あ るよ うに、社外取締役 の監視機 能 を弱 め るため に、意 図的に社外取締役 に提供す る情報量 を少 な くす る恐れ が あることを示 唆 してい る。

日本 におけ る社外取締役 は、企業 との独立性 の 問題 や、社 内取 締役 との情報の差 な どの問題 を抱 えてい るO しか し、 日本企業の なかで も、 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス改革 に積極 的に取 り組 んでい る ソニ ーで は、 図表15の よ うに、 自社 の取 締 役 会規 定 において、 よ り独立性 を高 め るために社外 取締役の選任規 定 を設 けてい る. ソニ ーにおける 取 り組みか らも明 らかなよ うに、社外取締役 に関

す る問題 は企業 の 自主 的 な取 り組み が必要不可欠 になって くるとい えよ う。 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス改革 を進 め るにあたって、法律 に倣 うだけで な く、企業 が先進 的に改革 に取 り組 んでい くこと が重要 で あるとい えよ う。

6

おわりに

本稿 では、今 日の 日本企業 にお け る企業経営機 構 の現状 に焦点 をあてて論 じて きた。今 日の 日本 企 業 で は、2003年 の 旧商 法 改 正 に よって、監 査 役設置会 社 と委 員会設置会社 の大 き く分 けて2つ の企業経営機構 体制 を選択す ることが可能 となっ た ものの、 ほ とん どの企業 で は、従 来型 の監査役 設置会社 を選択 してい ることが明 らか となった。

具体 的に、 それ ぞれの企業経営機構 体制 におけ るコーポ レー ト・ガバ ナ ンス構 築 に、 目を向 け る と、監 査 役 設 置 会 社 で は、2005年 に施 行 され た 会社法 に よって社外監査役の選任 の増加 をは じめ と して監査機 能 が強化 され た。 また、企業 が自主 的に執行役員制度 を設 け ることで、取締役会 によ る経営 の監督 と、執行 を分離す る企業 が増加 して い ることが明 らか となった。 さらに、監査役設置 会社 では、社外取締役の選任 が義務付 け られてい ないなか、 多 くの企業 で社外取締役 を選任 してい ることが明 らか となった。

委員会設置会 社で は、社外取締 役の選任義務付

図表15 ソニーによる独 自の社 外取締役選任規定 執行役 を兼務 しない取締役につ き定めた資格要件

1 ソニ‑グループの重要 な事業領域 においてソニーグループと競合関係 にある会社の取締役、執行役、支 配人その他の使用人でないこと、 または当該競合会社の3%以上の株式 を保有 していない こと

2 取締役報酬以外に、年間100万円以上の報酬 をソニーグループより受領 しないこと

3 ソニーグル ープとの取引額が、当該会社の年間連結売上の2%を超 える会社の取締役、執行役、支配人 その他の使用人でないこと

4 取締役候補者 に指名 され る前の過去5年間、 ソニーグループの会計監査人である監査法人の代表社員、

社員であったことがないこと

5 そのほか、取締役 としての職務 を遂行する上で、重大 な利益相反を生 じさせ、 または独立性 を害す るよ うな事項がないこと

(.'JjJJ所)須藤岳史 [2003]15貫.を基に筆者作成O

(13)

けや各種委員会 の設置義務付 け、執行役の設置 な ど、制度 その もの が コーポ レー ト ガバ ナ ンスの 強化 を目的 と していた。 また、会社法では、取締 役 の うち最低2人 以上 を社外取締役 とす ることが 義務付 け られて い るなか、取締役の半数以上 を社 外取締 役で構 成 してい ることが明 らか となった。

会 社法 では、最 低2人 の社外取締 役 で も取締 役会 の構成 が可能 で あることを考 えると、企業 が積極 的に社外取締役 を選任 し、外部者 による監視機 能 を高 めてい ることが うかが えよ う

この よ うに 日本企業 の コーポ レー ト・ガバ ナ ン ス改革 が進 んでい るなか、監査役設置会 社 におけ る執行役員 と取締役 との兼任の問題や、委員会 設 置会社 における執行役 と取締役 との兼任 の問題 と いった課題 も生 じてい る。 また、社外取締役 に関 しては、 その独立性 に関す る問題や、社 内取締役 が得 られ る情報 と社外取締役 が得 られ る情報の差 に関す る問題 な ども浮 かび上 がって きた。 その た め、今 後 も企業 が コーポ レー ト・ガバ ナ ンス を強 化 してい くためには、法律 に倣 うだけで な く、 ソ ニーの社外取締役規定 にみ られ るよ うな、企業 の 自主 的な改革 が必要 となるだ ろ う。

日本 企 業 で は、2000年代 初 頭 に く らべ、社 外 取締役の導入企業の増加 をは じめ と して、企業経 営機構改革 の取 り組みが進 め られて きているとい える。今後 も、企業 が企業経営機構改革 を中心 に しなが ら、コーポ レー ト ガバ ナ ンスの強化 を図 っ てい くと考 え られ るため、継続 して 日本企業 の動 向 を追 っていかなければな らない。

注1234567

平 田光 弘 平 田光 弘 小 島大徳 小島大徳 小島大徳 小 島大徳

[2000]81頁.

[2000]81頁.

[2007]103頁.

[2007]201頁.

[2007]201頁.

[2007]201頁.

日本 の 企 業 不 祥 事 に 関 して は、 平 田 光 弘 [2002] を参 照の こと。

伊奈健 二 [2004]13頁.

平 田光 弘 [2000]83頁.

森本滋 [2003a]4頁.

神作裕之 [2006]39頁.

2003年 の旧商法改正 において は、 「委 員会 等 設 置 会 社 」 と称 され て い た が、2005年 の会 社法 において 「委員会設置会 社」 と称 され て い る。 どち らの制度 もその 内容 に大 きな変 わ りはないため、本項 では、 どち らの制度 を さ して も

「委員会設置会 社」 と して論 じて い く。

13 日本監査役協会 [2007]

14 これ まで も、東 京 証券 取 引 所 で は、 コ ーポ レー ト ・ガバ ナ ンスに関す るア ンケ ー ト調査 な どを行 っていた ものの、強制の もので はな かったため、すべ て を把握 す るまでには至 ら なか った。 しか し、 この報告書 に よ り、すべ ての上場企業 の取 り組み が明 らか となった こ とで、 日本企業 の コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス 体制 が明確 に示 され た とい えよ う。 くわ しく は、東京証券取 引所 [2007] を参照 の こと。

山城将美 [2003]48頁.

森本滋 [2003a]4頁.

阿部道 明 [2002]2頁.

阿部道 明 [2002]6頁.

阿部道 明 [2002]6見

日本監査役協会 [2007]72貢.

日本監査役協会 [2007]71頁.

日本監査役協会 [2007]71頁.

森本滋 [2003a]5頁.

吉森賢132貢.

日本監査 役協会 [2007]171頁.

吉森貿132頁.

吉森賢132頁.

日本監査役協会 [2007]172頁.

滞 口実 [2002]43頁.

日本監査 役協会 [2007]173頁.

吉森 賢 [2005]134頁.

吉森貿 [2005]134頁.

会社法 におけ る社外取締役の定義 は、株式会 社の取締役 で あって、 当該株式会社又 はその

(14)

56 神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報J第12 2008年3月 子会社 の業務執行取締役 、若 しくは執行役又

は支配人 その他 の使用人 でな く、かつ、過去 に当該株式会 社又 はその子会社 の業務執 行取 締役若 しくは執行役 又は支配人 その他の使用 人 とな っ た こ とが な い もの と定義 して い る

(第2条15号)0

久 保利英 明 [2003]3頁.

久 保利秀明 [2005]17頁.

江 頭憲治郎 [2004]7頁.

日本監査役協会 [2007]171頁.

日本監査役協会 [2007]72頁.

日本監査役協会 [2007]72頁.

久保利 秀明 [2005]17頁.

徳本棟 [2007]33頁.

森本滋 [2003]23頁.

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