ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造
著者 久保 寛展
雑誌名 同志社法學
巻 61
号 2
ページ 415‑469
発行年 2009‑07‑31
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011779
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四一五同志社法学 六一巻二号
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造
久 保 寛 展
(八八五)
目 次Ⅰ はじめに
1ーキス資投団集るおけに法引取品商融金ム
緯け経の設創の社会式株資投るおに法資投Ⅱ 2識意題問の稿本
1
一九九八年第三次資本市場振興法に基づく旧投資会社法における投資株式会社
2会式株資投るよに法化代現資投年三〇〇二社
3正改るよに法更変資投年七〇〇二
式の形法の産財資投と念概財産資投Ⅲ 4響影の令指CE
1投資財産
2ンァフ資投たれさ理管りよに社会資投ド
造お構の社会式株資投るけに法資投Ⅳ 3社会式株資投
1投資株式会社の目的
2会社資本の構成
3企業株主と投資株主の区分
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四一六同志社法学 六一巻二号
Ⅰ はじめに
1
ーキス資投団集るおけに法引取品商融金ム 平成一八年改正前の旧証券取引法︵以下︑旧証取法とする︶においては︑旧証取法が適用される有価証券以外にも︑ 本来ならば旧証取法の適用があるにもかかわらず︑その適用を免れるような権利が存在したことは︑周知のとおりである (とは八年法第六六号以下で︑成金融商品取引法を金商法一平八︵かしながら︑平成一年︒六月に金融商品取引法し 1)
する︶が成立し︑集団投資スキーム持分の包括的定義が設けられたことによって (
の︑らめ埋は間隙制た規のこにですれ 2)
4投資株式会社の機関
5 部分会社財産︵部分ファンドTeilgesellschafts-ver mögen︶を有する投資株式会社
6 投資株式会社に対する事業経営の許可手続とその効果Ⅴ 投資株式会社における可変型会社資本
1投資法における可変資本の概念
2定款における可変資本の規定
3付の限権加増の本社資会るす対に役締取与
4新株発行に基づく資本増加
5の主株びよおし戻取の式式株資株投会社による 会監びよお算計の社Ⅵ式株資投査 権求請還償
1年度決算書
2状況報告書
3半期報告書
4
年度決算書︑状況報告書および半期報告書の確定︑監査および開示Ⅶ
てえ代にび結Ⅷ schaft︶殊の特性 n g-elle s iel-IkteziaSpnvestmenta︵社会式株資投定特
(八八六)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四一七同志社法学 六一巻二号 ものと理解されている (
こド等ーャジネマ・ンがァフ︵家門専をれ︶運で用れさ明説とるあみが組仕るす理管・る ( ︑し︒は仕はに的般一︑とみムーキス資投団集組行ル投ープを金資の者資が為︶ーサンポス︵者 3)
︑金商法では︑その持分につ 4)
いては︑投資者から金銭の出資・拠出を受け︑出資・拠出された金銭を用いて事業・投資を行い︑当該事業から生じる収益等を出資者に分配するスキームにかかる権利として定義されている︵金商法二条二項五号︶︒このことから︑これ
らの法律上の要件を充足する権利については︑適用除外︵金商法二条二項五号イ〜ニ︑金商法施行令一条の三の三︶に該当しない限り︑どのような法形式によるか︑またどのような事業を行うかにかかわらず︑集団投資スキーム持分とし
て金商法の適用対象とされている (
︒ 5)
金商法上︑この例示として列挙されているのが (
組七名匿の上法商はくしも︶項一条六六法民︵約契合組の上法民①︑ 6)
合契約︵商法五三五条︶に基づく権利︑②投資事業有限責任組合契約に基づく権利︑③有限責任事業組合契約に基づく権利︑および④社団法人の社員権その他の権利であり︵金商法二条二項五号︶︑これらの権利は集団投資スキーム持分
として有価証券とみなされ︑そのビークル︵器︶として組合や社団が用いられる︒実務的にも︑わが国法制上︑投資家の資金の受け皿となるファンド︵いわゆる投資ビークル︶には︑信託︑投資法人︑特別目的会社︑匿名組合︑任意組合︑
特別勘定等のように種々の法的形態が採られるといわれ (
現ァがのるいてれさ成組がドンフ︑でともの皿け受なうよのこ 7)
状である︒
前述のように︑金商法によれば︑集団投資スキームのビークルとして︑①ないし④のものをあげることができる︒こ
のうち︑①の民法上の組合契約は︑各当事者が出資をして共同の事業を営むことによって成立するものであり︑この場合︑組合員は組合債務に対して︵分割︶無限責任を負う︵民法六七五条参照︶︒組合の業務執行は︑組合の常務を除き︑
原則として組合員の過半数をもって決する︵民法六七〇条︶︒これに対して︑商法上の匿名組合契約は︑当事者の一方
(八八七)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四一八同志社法学 六一巻二号
が相手方の営業のために出資をし︑その営業から生ずる利益を分配することを約することによって成立するものであり︑
営業者のみが第三者に対して権利義務を負う︵商法五三六条四項参照︶︒匿名組合契約では︑出資者が背後に隠れ︑対外的には営業者の個人企業として現れるところに︑民法上の組合契約との重要な修正点を見出すことができる (
︒②の投 8)
資事業有限責任組合契約は︑事業者に対する投資事業を行うための組合契約であって︑無限責任組合員と有限責任組合員との別を約するものである︵投資有限組合一条︶︒各組合員が出資を行い︑株式会社の発行する株式の取得および保
有などの共同の投資事業︵投資有限組合三条︶が行われる︒③の有限責任事業組合契約は︑共同で営利を目的とする事業を営むための組合契約であって︑組合員の責任の限度を出資の価額とするものである︵有限責任事業組合一条︶︒当
該組合の業務執行の決定は︑原則として総組合員の同意によるが︵有限責任事業組合一二条一項︶︑組合員は組合の業務執行の一部のみを委任することができる︵有限責任事業組合一三条二項︶︒
2
本稿の問題意識 ファンドを組成する場合︑前述のような性質を有する金商法所定の組合型の各ビークルが︑実務上一般的に利用されてきたという事実があるが (クおの場合との比較にい会て︑主としてビー社式は株の事実の背後に︑︑もともと通常のこ 9)
ル段階と投資家段階における二重課税の回避という側面があることを指摘することができる︵税務上のパス・スルー性 (
ク合は︑現在︑株式会社は組型国の場合とは異なり︑ビーでが税わの場合︑たしかに︑課上の問題を前提にすると︑こ ︶︒ 10)
ルには適さないものと考えられうるのに対して︑他方︑このようなわが国の現状と異なり︑ヨーロッパに転じるならば︑後述するように︑ファンドのビークル自体に株式会社形態を利用している例が少なくないことを指摘することができる︒
このようなヨーロッパの事実に直面するならば︑このことは︑二重課税の問題上︑株式会社は投資のビークルとしてま
(八八八)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四一九同志社法学 六一巻二号 ったく適切ではないと断定する根拠にはなりえず︑とりわけ二重課税の側面だけで︑一概にわが国における株式会社形態の利用を否定することは︑今後︑株式会社としてのビークルの有用性もしくは実用性に関する検討の余地を閉ざすこ
とになるのではなかろうか︒たとえ二重課税の問題が存在しても︑課税上の運用を含めて︑今後の制度上の運用の工夫によっては︑株式会社形態におけるファンドのビークルの有用性を見出すことができるかもしれない︒その事前の考察
としても︑株式会社形態としてのビークルを検討することは有意義ではないかと思われる︒
このような問題意識のもとで︑本稿では︑ヨーロッパのなかでも︑とりわけドイツにおいて一九九八年の第三次資本 市場振興法 (
在法資投の年七〇〇二はで現更つか︑れさ入導きづ基に変 11)(
ell ie In ve st m en ta kt ng es sc ha ft
く上りげ︑少なとをがなうよのど上律法社も会式株資投のツイド取構度の︶﹂︵社会式制 常軟柔によ非てっ制になめ度に改られた﹁投資株 12)造において運用されているのかを明らかにしたい︒ドイツの投資株式会社は︑もともとリスク資本への間接投資の方法によって︑貯蓄の形成を一層企業に対する資本参加に誘導すると同時に︑マネージャーとしての専門家にさらなる活動
領域を開くために︑旧投資会社法︵
G es et z üb er K ap ita la nla ge ge se lls ch aft en ; K A G G
︶に設けられた制度であるが︑現在ではすでに﹁使い勝手のよいもの﹂として変容し︑実際にわずかながらその利用も見受けられるところである︒そうであれば︑ドイツの投資株式会社を取り上げる意義は少なくないものと思われ︑現在すでにその利用が見出されている
事実もまた︑ドイツの投資株式会社を検討する必要性を示すものといえよう︒
したがって︑以下では︑検討の順序として︑まず︑投資株式会社の創設の経緯を明らかにした上で︵Ⅱ︶︑現行投資
法の適用範囲を画する投資財産を扱い︵Ⅲ︶︑これに基づき投資株式会社が法律上どのような構造を有しているのか︑その具体的な内容に言及する︵Ⅳ︶︒次に︑投資株式会社に特有の可変資本の概念︵Ⅴ︶︑ならびに通常の株式会社とは
異なる計算および監査の説明に加えて︵Ⅵ︶︑特定投資株式会社の特殊性を明らかにする︵Ⅶ︶︒最後に︑全体のまとめ
(八八九)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四二〇同志社法学 六一巻二号
として投資株式会社の特徴に言及し︑結びに代えたい︵Ⅷ︶︒
︵
︵ 社頁中央経済︵・〇〇八︶︶︒二 受上の規制をいけいとうル取法な証旧︑にめたいプし当該に券証ーな・正ホ六三﹄法引取品商融金﹃編幸四村し川ルが存在ーのであるた︵ は︒を受けたししか他方で規制限の法取証旧︑りにドンァフたし①︑当なにい価有上法取証旧︑はていつの利れ権③しいずのにい該しなも 証取法施一行令条の三の旧四︑号五︑号項二条二法︶取三このと旧成組を利権該当︑らかるそす当該に券証価有がれぞれ証︵利権くづ基に 法権利旧証取二二条づ項三号くの基に五もるめ定で令政てとのも︑し号二約︑合組業事任責限有③︶︑項契第行二旧証取法施︵令条一の三の 商もしくは上法項の匿名組合︶七一条六六法民約契合組の上契法︵︵約業②るす類に約契合組任責限有事商資投︑てっあで︶条五三五法民 1︶︑の上律法︑はていおに法取証旧前①以正改年八一成平︑ちわなす︑投号利五︑号三項二条二法取証旧︵権資くづ基に約契合組任責限有業事︶
︵ 主正適の務業制規自運の所引︑備整のな取営げの︒るらげあがれ上確の則罰︑保引 義等を含む︑サ投資ービ括ス定ム包の︶ドンァフ︵ーキス資投の規制部の分度制示開︑はしと素要のつ三て他とのをあげこるができる︒そ か内素要のつ四は容そな的体六具の︒︶︶構らい成し〇団集るゆわ︑てとさつ一のそ︑りおてれ〇二の法法制概要﹂商事務一七七一号四頁︵ 化場の国際保への対応を図本市の資・融金びよお確こ能機場市のるると田引取品商融金﹁宏輝﨑尾=大岡を=彦直尾松︵けいてしと的目て 2向スとこう行を備整のてしと法ビよーサ資投るゆわい︑は法商金にっに用資投らか蓄貯︑上向の便利者利てと底徹のルール護保者用利︑︶
︵ 3花五一七七八号一頁法︵二〇〇六︶︒務事水ス康﹁集団投資キ︶ ームの規制﹂商
︵ p/pnaai/gikin/sofo.jrea.g.fsww://wtphtga_m/top.htmンでトッネータイーは照参を﹂ル︒︒︑るにおいて参照するることができル 4ー年の融金いし新の日七一月六〇れ一成平︑はていつに義定のこ流にムる︶ に関すキス資投団集.﹃五﹁け関おに﹂理整点論﹁会談懇るす﹄ 5︶ 花水・前掲注︵
︵ 3︶一六頁︒ 6︶ 花水・前掲注︵
︵ 3︶一七頁︒ 7す注掲前・会談懇る関︶ にれ流の融金いし新︵
︵ 4︶を参照︒
︵ 8西五︶︒九六九一・閣斐有︵頁七原︶ ︶﹄補増︵法為行商﹃一寛一 080616003/20080616003.html20ルすす照参ていおに組成るこファンドについてはるとタのピャキ・ーャチンベ内が国︑が務実︶︑るきで上︑ tphtssrep/po.ji.get.mww://w/ 9報会究研フ例事ドンァ経﹁の省業産済書ばえとた告︶ ﹂ン︑はで上トッネータイに︑は書告報の︵ばれよこ
(八九〇)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四二一同志社法学 六一巻二号 ベンチャー・キャピタルが︑投資事業有限責任組合︵LPS︶契約に関する法律に基づき︑LPSを設立する場合が最も多く︵約六二%︶︑次いで民法に基づく任意組合︑海外のLPS制度に基づくLPS等が多いとされる︒バイアウト・ファンドについては︑国内では︑基本的にLPS法に基づくLPS︑商法に基づく匿名組合︑民法に基づく任意組合から選択し︑ヘッジ・ファンドについては︑課税要件が緩和されたか︑または免税措置がある国や地域︵アメリカのデラウェア州やケイマン諸島等︶の設立地の法制度を考慮し︑会社︑信託︑組合などから適切なものを選択するとされる︒さらに︑西村総合法律事務所編﹃ファイナンス法大全︵上︶﹄五五六頁︵商事法務・二〇〇三︶によれば︑﹁非公開株式に投資をする集団投資スキームのビークル︵器︶としては︑本邦法上のものとして民法上の組合︵任意組合︶︑中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律上の投資事業有限責任組合︑商法上の匿名組合︑投資信託︑投資法人︑株式会社︑有限会社が考えられる﹂とする︒︵
10務注掲前・編所事︶ 律法合総村西︵
︵注 二の家資投人個しるなと税課重は合余のそ︶︑条三二法税人法︵が場︑にる掲前・編所は事律法合総村西︵務れなさ︑このうよ恩恵はないと 配き当の五〇%につさ二重課税は排除れるり︑よを参法︑にらさ︒照に投︶六〇〇二・務人資事の度制入算不金益当家配取受︑は合場の法 9五枝十五=夫雅取香=房五田宮︑下以頁七一嵐︶徳ン商︵〇八﹄クッブドハ編務実PLL版本日﹃頁
︵ 9︶五五八頁脚注一〇四︶︒
︵ 第法興振場市本資次三︱証向の革改場市券証ツイ﹂動券頁経︒照参を︶九九一︵九七年済三学会報三四号一 法市場本振興社︱投資会次法資︵三第﹁之裕作神︶︑七九九一頁〇改の九正六ド﹁則志與川平︶︑九九一を頁︵三融中心に﹂一金法研究一五号 一四号三七四務年念九九一︵頁三二﹄集文論記︶︑法周〇七立創学大川奈神八海編市事商﹂要概の案法興振場本外資次三第のツイド﹁報情﹃ 11第とにツイド﹁史隆内河︑てし献三文語邦の法興振場市本資け次お︶ る年会員委実行発集編集文論念記周資〇七立創﹂向動の制法場市本行 12法資法の改正の動き﹂商事務ツ一七九二号二〇頁を参照投イ︶ 概二〇〇七年投資変更法の要ドについては︑海外情報﹁︒
Ⅱ 投資法における投資株式会社の創設の経緯
ドイツにおける投資株式会社の制度は︑一九九八年三月二四日の第三次資本市場振興法︵ドイツの金融立地の継続的 発展に関する法律 (会とたことに始まる︒ももさとアメリカの﹁投資れ入会導よって︑投資株式社︶が旧投資会社法にに 13)
(八九一)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四二二同志社法学 六一巻二号
社︵
In ve st m en t C om pa ny
︶﹂に依拠して創設されたといわれる (時投同とるけづ気活を為行資のツイド︑は社会式株資投 14)
に︑とりわけ外国のファンド・スポンサーに対して︑より魅力的にすることが目的とされた (
資投︵ファンド︶を組成する以上︑資財家が投資会社の株主であり︑投産資よ式される投に︑株う会の形態において社 会資﹁株式称社﹂と呼︒投 15)
財産が会社財産であり︑かつ投資財産は株式会社により自己の名において自己の計算で管理される︒このことから︑投資株式会社自体は︑会社法に基づく組織形態による投資財産の会社類型であるとされる︒それゆえ︑投資株式会社は︑
実務において頻繁に利用される投資ファンドとしての﹁投資会社によって管理された契約類型のファンド﹂︵投資法二条一項および二項参照︶とは性質を異にする形態であるといわれる︒以下では︑このような投資株式会社の創設の経緯
を明らかにするために︑とりわけ①一九九八年の第三次資本市場振興法︑②二〇〇三年の投資現代化法︑および③二〇〇七年の投資変更法に依拠して︑その経緯を簡単に言及する︒
1
旧投資会社法における投資株式会く基づ三一九九八年第次に資本市場振興法社 投資株式会社は︑前述のように︑第三次資本市場振興法によってはじめて投資業務のための新たな権利主体として創設された︵旧投資会社法五一条ないし六七条 (のにルタピャキ・ーャチンベるす対業っ︶︒のツイド︑て企よに設創のこ 16)
供給源が開拓されるよう企図されたのである (
閉鎖てっよに質性な的閉来のそにくと︑りな従のはさ︑えゆれそ︒るれ別投区はとドンァフ資異とンァフ資投の型開ド フ投社会式株資にたし拠依い法社とァう投資︒ンドの形式は︑従来の公会 17)
鎖型の投資株式会社においては︑必ずしも投資家が保有する株式を買い戻す義務を負うわけではない︒投資株式会社が閉鎖的な形式であってはじめて︑ファンド経営者は︑容易に非流動的な市場における投資を実施できると同時に︑別段︑
予期されない投資家の買戻し請求に対処する必要がないことから︑比較的多大な尽力を要し︑高額な取引費用をもって
(八九二)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四二三同志社法学 六一巻二号 譲渡されうるにすぎない非流動的な証券にも︑投資財産を投下することができたのである︒これによって︑閉鎖型の投資株式会社は︑理論的にはドイツの中小企業への投資行為に適切なものと考えられ︑かつこの形式は立法者の意図にも 対応するものと考えられた (
うに式株資投︑はていつ式社株たっかなれさ録登会の取限いとるきで資投てっに自満未%〇二の本資己引ていおに場市 市所引取のてしと場い定公に時当︑もとっ︑てお︑たれさ織組の他か︒いないてれさ場上も 18)
制限が定められていた︵旧投資会社法五八条一項︶︒この制限によって︑投資株式会社にとっては投資の多様性が非常に制限されていたことを指摘することができる︒したがって︑ドイツにおいて資本を必要とする会社は︑多くの場合︑
中小の会社であるにもかかわらず︑人的会社もしくは有限会社に対する資本参加が制限されていたという状況は︑旧投資会社法に基づく投資株式会社の設立に係る構造上の欠陥ではないかとの指摘がなされていた (
︒ 19)
2
会式株資投るよに法化代現資投年三〇〇二社 これに対して︑この構造上の不備を背景に︑二〇〇三年九月一九日の投資現代化法︵In ve st m en tm od er nis ie ru ng sg es et z
(︑法れることにより︵旧投資九制六条ないし一一一条︒以下さ規式て制定を通じて︑投資株会社が新たに投資法においの ︶ 20)
二〇〇三年の投資現代化法に基づく投資法を︑旧投資法とする場合がある︶︑一般的に実用的な制度としての利用が期
待された︒なぜなら︑投資現代化法によって︑旧投資会社法ならびに旧外国投資法︵
A us lIn ve st m G
︶が旧投資法に統合されかつ現代化されると同時に (にしクセンブルクもくてはアイルランドルしつ際資株式会社にい︑ては︑現代化に投 21)
おけるファンド類型を参考に設計し直すことによって︑ドイツにふさわしい投資ビークルとしての投資株式会社が構想されたからである (
なをともと投資家が持分返︑還もしくは譲渡できもは法社三次資本市場振興に︒基づく投資株式会第 22)
いか︑あるいはその返還もしくは譲渡が制限される閉鎖型ファンドとしての﹁固定資本﹂を有する投資ビークルとして
(八九三)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四二四同志社法学 六一巻二号
構想されていた (
併類基づく投資ファンド型法には二種類の類型がに社に会かしながら︑とくル︒クセンブルクでは︑し 23)
存して認められていたことから (
択をす入導に法資投旧社こ会式株資投るす有をると本会選の別るな異はと社式よ株資投の来従︑てっ﹂資可﹁な能可変 家株に外以社会式す資投る︑有を本資定もが投還が渡譲はくしも返資の分持の己自︑固 24)
肢が提供されることになったのである︒また︑ルクセンブルクでは︑原則として会社法に基づく二類型の投資ファンド以外にも︑契約法に基づく投資ファンド類型 (
用のて︑投資法上同対一の規定が適しにらもンァフ資投のドれこ︑てめ含 25)
されていた︒このことから︑ドイツでも︑固定資本もしくは可変資本を有する投資株式会社︑ならびに投資会社により募集される従来の投資ファンドに対して︑同様に旧投資法の諸規定が適用されることになった︒さらに︑投資株式会社
の魅力をいっそう高める目的から︑投資株式会社の初期資本︵
A nf an gs ka pit al
︶を一〇〇万ユーロから三〇万ユーロに引き下げる改正が行われた︵旧投資法九七条一項二文一号︶︒
3
改るよに法更資変投年七〇〇二正 しかし︑ドイツのファンド業界にとって︑投資会社により管理運営される契約類型としての権利能力のないファンドと比較して︑投資株式会社は︑固有の法人格を有する自己管理型の形式であるにもかかわらず︑これまでその意義を見出すことはできなかった︒また︑投資株式会社の制度は︑前述のように一九九八年の第三次資本市場振興法によって導入されたが︑二〇〇七年に至っても︑この制度は必ずしも実用的なものとはいえず︑実務においても︑それほど意義を
有する制度ではないことが認識されていた (
ec ht s R de to
っ状と然依︑は況るのこ︒てあでらかし式投があで︶﹂︵法死﹁定資規諸の社会い株たてさ想構てしとルれ 型式も︑は社会︑株資投もらなぜとフとてクービ資投のし閉とドンァ︒鎖な 26)たことの証左であると指摘されている (
資変定を受け︑﹁可資の本﹂を有する投制︶現︒資投旧︵法化代法資投の後のそ 27)
(八九四)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四二五同志社法学 六一巻二号 株式会社を導入してからも︑たしかに新規の投資株式会社の設立が続いたが︑その設立数は︑先行するルクセンブルクよりも後退している状況であったといわれる (
社ン資財産︵ファドな︶は︑投資会投要今︒の数多もで日主︑はでツイド 28)
により管理運営される契約形式を通じて組織されているといわれる反面 (
復す新︑や合場る集場募を分持てえ超市を境投の社会式株資︑開どな合場るす拓を国国︑って︑際的な観点からみても に式形団形社なたけお成る投資財産の︑によ新 29)
活が要請されている︒それゆえ︑ある投資財産に対する持分を﹁株式﹂として表章すること自体︑将来的にみても注目される政策であることが指摘されている (
︒ 30)
二〇〇三年の投資現代化法︵旧投資法︶のように︑ルクセンブルクを参考にした現代的な投資法の改正作業自体は︑これまで投資業界からも非常に期待されていた︒二〇〇三年以降においても︑二〇〇五年一一月一一日の連邦政府にお ける政党間の連立協定では︑この金融セクター︵投資部門︶における官僚主義の打開を促進する現代化計画を︑着実に︵
E in s-z u- ein s
︶実施するための典型例として位置づけている (形びたけ受を待期るよに党政よお務実︑らか景背のこ︒ 31)
において︑補完的な意味における投資財産のバリエーションの確立︑および国際競争力の強化を目的に︑二〇〇七年一二月二八日に投資変更法︵
In ve st m en tä nd er un gs ge se tz
(ノ法イ品商びよお和緩制規︑は本︒たったいにるれさ行施が︶ 32)
ベーションの促進︑ならびに投資家保護やコーポレート・ガバナンスの改善を重要な目標として位置づけると同時に (
︑ 33)
さらにこの措置には︑後述するように︑企業株主と投資株主の区分など︑投資株式会社に関する諸規定の抜本的な改正にも及んでいる︒投資株式会社の制度は︑実際上あまり利用されなかったという事実があるが︑投資変更法に基づく新
たな規制は︑この事実を直視した投資ビークルとしての投資株式会社の柔軟化を目的としたものである︒柔軟化の一環によって︑たとえば﹁固定資本﹂を有する投資株式会社の制度自体は︑すでに失敗に帰したとの結論に達したことから (
︑ 34)
当該投資株式会社の形式はすでに投資法から削除された︵旧投資法一〇七条ないし一〇九条の削除︶︒これによって︑
(八九五)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四二六同志社法学 六一巻二号
投資株式会社は︑現在では︑閉鎖型ファンドの構造を有していない︒投資業界においてこのビークルがどの程度利用さ
れるかは︑今後の展開を待たなければならないであろう︒
4
EC指令の影響 さらに︑EC指令の観点から投資株式会社を捉える必要がある︒EC指令の観点では︑投資株式会社は︑投資財産の 組織法上の形態として理解されるが (と資組の定一のめたの投体同共の券証価有るゆ織にい指令指WAGOを令の関こ︑下以︵令指るすわた立成に日〇二し る︑年七一︑ずまつはていにに解理の間事わ九月二一年五八一た︑後の業作前︑こ 35)
する (
かOれていた理らである︵G解AW指令一条三項一文さ ( 形てしと産財資投るけおに式社︑でなぜな︒るきが会とこるぼのかさらO︶資︑は社会式株投G︑はで令指WAに 36)
たUの護保家資投ていおに内域E︑は的目の令指WAGO︶︒ 37)
めの統一的な最低限の基準を設け︑かつ投資ファンドの国境を超える販売を促進するために︑投資産業の競争条件を調整することにあって (
場るとたっあでとこるす設創を市れ本資州欧︑は標目終最のそ︑さ 38)(
︒この目的から︑たとえばOG 39)
AW指令に合致する外国の投資持分には︑いわゆる﹁ヨーロッパ・パス﹂が適用される結果として︑この持分をドイツにおいて販売する場合には︑連邦金融サービス監督機構に対する届出義務があるにすぎず︵投資法一三二条︶︑かつ例
外的な場合にのみ販売を禁止されるにすぎない︵投資法一三三条参照︶︒
もっとも︑OGAW指令には︑投資株式会社の確立された定義を含むものではなく︑定義上の基準については︑むし ろ一九七六年一二月一三日の資本保護指令 (
月七決度年の日五二令年指八七九一にびらな算 40)(
かる変資本を有する投資会社に対す指︑令の適用除外を認めていたこと可てととのこし︑両指令はもEC加盟国に対︑ らいて定め︒れていたこにお 41)
らも明らかである︒すなわち︑資本保護指令によれば︑可変資本を有する投資会社は︑株式を公募しなければならず︑
(八九六)
ドイツ投資法における「投資株式会社」の構造四二七同志社法学 六一巻二号 かつ定款において︑株式が最低資本金と最高資本金の制限内において常に会社から発行され︑買い戻されるか︑または譲渡されうることを定めなければならないと規定される︵資本指令一条二項︶︒これに対して︑年度決算指令においては︑
投資会社一般に関するものであるが︑投資会社を︑その唯一の目的がリスク分散の原則に従って有価証券︑不動産︑およびさらなる目的財産に資金を投資することにあり︑かつ当該会社の株主が会社の財産の管理運営から生じる収益に参
加することにある会社として定義している︵年度決算指令五条二項︶︒この両指令による規定が︑投資株式会社に関するEC指令上の法源であり︑二〇〇七年の投資変更法もまた︑投資株式会社を含めてOGAW指令の国内法化を実現す
る目的を有している︒
もっとも︑OGAW指令の国内法化一般については︑これまで一九九〇年二月二二日の第一次資本市場振興法︵金融
市場の枠条件の改善に関する法律︶︑一九九四年七月二六日の第二次資本市場振興法︵有価証券取引︑および取引所法および有価証券法上の諸規定の変更に関する法律︶︑一九九八年四月一日の第三次資本市場振興法︵ドイツの金融立地
の継続的発展に関する法律︶︑さらに二〇〇二年六月二一日の第四次資本市場振興法︵ドイツの金融立地のさらなる継続的発展に関する法律︶を通じて段階的に行われてきたところである︒投資株式会社に関係する部分は︑前述のように︑
第三次資本市場振興法を通じて︑旧投資会社法に投資株式会社に関する規整︵旧投資会社法五一条ないし六七条︶を挿
入することによって実現されており︑現在では︑この規整は投資法に引き継がれている︵投資法九六条ないし一一一a条︶︒
︵
︵ S. .952 13zu3arktförderungsgesetz vom24. . an1998, BGBl. I, 1998, z etesGzminr ww Fes dngkluicntanteor FenereitinzpFlas ritDndlachtseu Destzte︵︶︶ 14tslichem Kapital, in: Feschndrift Hadding, 2004, S. 741errä.stBaums/Kiem, Die Invemveentaktingesellschaft mit ︶
(八九七)