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演劇的手法を取り入れた授業の可能性を探る

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Academic year: 2021

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(1)

早稲田日本語教育実践研究 第 9 号

1.はじめに

 本論文の目的は「演劇的手法を取り入れた授業」を学生がどのように捉えているかを 明らかにすることである。演劇的手法を取り入れた授業とはイギリスのドラマ教育と近く 演劇の様々な手法を教育に取り入れた授業である。近年演劇的手法を小中高大で授業に取 り入れた報告(渡部淳・獲得教育研究会

2014)や教員養成(川島・芝木 2015),企業研修

(高尾・中原

2012)などでの報告がなされるようになってきた。日本語教育向けのテキス

ト(平田

2012)なども出版されている。またすでに出版されている活動集(石黒他 2011)

には演劇的手法を取り入れた活動やインプロの活動と明記したものもある。

 この授業の目的は

6

つある。1.協働で問題解決することでソーシャルスキルを磨く。

2.創造力を高め発想力をつける。3.思考,発想の多様性を知る。4.共に学ぶ楽しさを

知る。5.学生が主体的に学ぶ。6.様々なジャンルの日本語を非言語や待遇性などからも 分析し運用できるようにする。

 本授業で作るドラマは,クリエイティブ・ドラマ1)に近い。このような授業をするの は筆者にとって初めての試みであるため,実際に学生がこの授業をどのように捉えている かを振り返りレポートから分析した。

2.授業の概要 2-1.参加者

 本授業を履修している学習者は短期留学生,各学部生,院生である。レベルは中級から 超級であり,国籍も多様である。ボランティアも毎回

2

人か

3

人加わり,授業のサポート や日本語や日本文化の説明をする。ドラマ作成など基本的に学習者と同様の活動を行う。

2-2.授業の流れ

 90分

15

回の授業である。この授業は反転授業の形式をとり,学生が前もって課題(観 察,リサーチなど)をしてくる。教師と共に始めの

20

分程度は心と体の準備のためにイ

演劇的手法を取り入れた授業の可能性を探る

―留学生は演劇的手法を取り入れた授業を どのように捉えたか―

杉山 ますよ

キーワード:演劇的手法,協働,インプロ,内省,気づき

(2)

ループの発表を見て気づいたこと,考えたことなどを共有し,振り返りシートに記入す る。

 教師は協働学習が円滑に進むように観察し,調整役としてグループを見守る。

2-2-1.1 学期に行うトピック

 表

1

は取り組む難易度順になっている。内容は変更する場合が多々ある。トピックは

10

程度であるが主な

6

つを取り上げる。

2-3.インプロ・シアターゲーム

 インプロ(

impro

)とは即興(

improvisation

)のことで,芸術分野(演劇,音楽,美術)

で創作・表現手段の一つとして用いられている。近年は教育現場,教員養成,人材教育,

能力開発や介護の現場などでも使用される報告が見られる。シアターゲームはヴァイオ ラ・スポーリンによって考案されたもので,ゲーム形式の演劇エクササイズである。ヴァ イオラ・スポーリンはインプロをシアターゲームとしている(小林他

2010)。

 インプロ・シアターゲームは本授業で重要な部分をしめている。本授業でインプロを取 り入れる目的は①ウォーミングアップ(心,身体,声),アイスブレーク(人前で演じる ことの恐れ,間違うことのはずかしさなどを軽減し,緊張を和らげる),②想像力,発想 力の育成,③即興力の強化,④ラポールの形成(信頼関係の構築),⑤表現方法や理解は 多様であることに気づく,⑥ドラマ作りの技術を磨くことである。

 1コマ

3

つ程度のアクティビティを扱う。表

2

でインプロのアクティビティの例を示す。

表 1 トピック例

トピック 授業内容 事前課題

1.テレビドラマ ドラマ視聴,5つのシーンから表現,

ジェスチャーなど分析し,演じる。

男性言葉,女性言葉,ジェスチャー の観察とリサーチ,演じ方の練習

2.銀行強盗 登場キャラクターについてディス

カッション。役を決め,作成,演 じる。

様々なキャラクターによる表現方 法を考える。

3.進 路( 平 田2012:

pp.

194

-

261)

学生の就活につての考えを話す。

学生たちの進路に関する話

表現の仕方,ジェスチャーやキャ ラクターの把握

4.カルチャーギャッ プ

各々の課題をもとに,ストーリー を作成,演じる。

体験したカルチャーギャップ,文 化の相違点などをもとにストー リーを作成

5.ニュースショウ 課題をシェアし,どの環境問題を

とりあげるか決める。配役を決め て,リハーサルを行い発表

環境問題についてリサーチする。

ニュース番組の観察,ニュース番 組のシナリオの作成

6.写真・絵 各々の課題を共有し話を作成,演

じる。

1枚の写真・絵を選び,ストーリー を考える。

(3)

杉山ますよ/演劇的手法を取り入れた授業の可能性を探る

3.学生の振り返りレポート

 以下

2018

年の秋学期の

5

人の学生の振り返りレポートをそのまま記述した。これは授 業の最終課題としているものである。5人の学生は資料提供の許可を受けた学生で

600

字 程度の記述があった学生から選んだ。

3-1-1.チームワークの重要性に気づいた A

 この授業を受けて,日本語の話す力や書く力があがるだけではなく,チームワークの重 要性に徐々に気づいてきた。国では日本語で話す授業がなかったから話すことは非常に弱 かった。日本へ来たばかりで授業の始めのころは周りの学生がペラペラ日本語で喋るのを 見て,自信を持てず消極的な態度をとっていたが,他の学生とグループになって面白いド ラマを作るために,意見を交換したり,ストーリーも変える必要があることによって,口 を開いて何か言わなければならない。したがって,知らないうちに自分でも日本語がどん どん話せるようになった。それが最も達成感が感じられることだと思う。観衆に分かりや すくするために人間関係,セリフ,ストーリー構成を考えることから要約力や想像力を学 ぶことができてかなり役にたてると思う。他のグループの発表を見たら,拍手するほどの 素晴らしい発表があり,そのアイディアを勉強して,学べた。また他のグループの足りな いところ見て,今後そのようなことが起こらないように注意を払うべきだ。また,最初は 演じることはすごく照れ臭く恥ずかしかったが,今は感情をこめて表現できるようになっ た。グループでの活動はクラスメイトがよりよく知り合うきっかけで,グループの皆が思 いつきをぶつけあったり協力し合ったりして,いい発表が出来たら,グループの勝利を誇

表 2 使用したインプロの例

目的 取り組み方

ネームチェーン 名前を覚える,お互いを知る。声を出 し,身体を動かすことでウォーミング アップ

円になる。自分のポーズを決めて,ポー ズしながら名前を言う。全員でその名 前を呼び,同じポーズをする。これを 繰り返す。 

私は木です。 創造力,即興力を養う。多様性を知る。 基本は3人で行うが,何人でもするこ とができる。一人が「私は木です」と 言い,木のポーズをする。次にそれを 見た人が「私は木になっているリンゴ です」と言って木のそばでポーズをと る。それを見て次の人が想像力を働か せて加わっていく。

ステイタス 高いステイタスと低いステイタスにつ いて相手,状況によってどのようにス テイタスを使い分けるかを知る。日々 の人に対する振るまいを考える。

事前に高い,低いステイタスの態度,

話し方,表情についてトレーニングを する。それから2つのグループに分か れて高いステイタスと低いステイタス を演じる。

(4)

 授業を受け始めた時,人見知りで自分のアイディアを積極的に言いませんでした。自分 の日本語力にも自信がなく他のレベルが高い人にかなわないと思っていました。でも,自 分を変えようと思っていたので挑戦しました。その結果,私は変化したと思います。話す のが苦手だったのですが,最近はよく話すようになったし,クラスメイトに自分のアイ ディアを怖がらずにシェアするようになりました。また,他に変化したことは表現力で,

前はどうやって他の人に分かりやすく伝えるのか考えていませんでした。演劇では人に伝 えるために表現することが大事ですが,同様に友達と話す時も分かりやすく表現するよう になったと思います。またチームワークはとても大事だと思いました。時間が足りなく なった時も大体の流れがわかったら,アドリブで作品はできますが,協力し合わないとう まくできません。それには相手の話をよくフォローすることです。そして自分のアイディ アをシェアする時は,メンバーに分かってもらえるように伝えなければなりません。同じ 人がメンバーの構成が変わることで態度が違うことにきづきました。人にはそれぞれ相性 があるということを知りました。いつも相性のいい人と組むわけでもないので,努力して 協力するのがやはり大事です。

3-1-3.苦手のことにチャレンジした C

 集団創作の授業を受けたことがないので,授業を通じ自分が苦手なことにチャレンジ し,いろいろな新しいことを体験しました。授業を受け始めた時は演じることが苦手なの でずっと気まずい感じがしていた。でも毎週ドラマを作って,演じているうちにだんだん 緊張しなくなって自然に演じられるようなりました。そして毎週異なるテーマのセリフを 考えてドラマを作るのはとても面白いと思った。作品を作る時,最も重要なことはお互い の協力だと思います。授業中相談して,グループの作品を,振り返りして考えて,ワーク ショップの重要性を感じました。授業の前の宿題をすることは必要なことだと思います。

宿題を通じ,演じる人の表情や動作,気持ちなどをよく考えて,いろいろな勉強になりま した。ニュース番組を作った時は授業前に資料を探して,アナウンサーの話し方や表情 などを注意して,いろいろな勉強になりました。ドラマを作る時は活発な人やシャイな人 がお互いの考えをよく理解し,協力していいドラマを作るのはとても重要なことだと思い ます。

3-1-4.皆の存在があって成長できた D

 この授業を受ける前に,ドラマのセリフを作るとか,セリフを演じるとかあまりしたこ とがなかったので,毎回のパフォーマンスする前にとても緊張していた。でも,皆と一緒 にセリフを考えながら,演じたことで安心できるようになります。初めは皆の前で演じる のは恥ずかしいと感じましたが,今の自分は気軽にパフォーマンスできます。授業で色々 なセリフを作りました。その中で「勇気」をテーマしたものが印象的だった。一番印象に 残るセリフと言えば「勇気」をテーマとしてのセリフだ。「勇気」を演じる前に,同じグ ループの友だちといろいろ意見を交わした。例えば「大声で日本語を話す勇気」「外国人 に話しかける勇気」そして,スローモーションも入れたドラマを作りました。皆と意見を

(5)

杉山ますよ/演劇的手法を取り入れた授業の可能性を探る

交わしたことで自分の不足のことも気づいた。例えば動作や表情,セリフの言い方など,

どうすれば自然になるのか,自分のセリフを言う時はどうすれば上手く演じられるのかに ついても考えるようになった。私は恥ずかしがりやだが,クラスの友達と一緒に演じるこ とで,成長できました。この授業のおかげで,色々な友だちができて,自分の日本語能力 もアップしました。そして日本語を気軽に話せるようになりました。

3-1-5.自分を発見し,成長した E

 恥ずかしがりやで人と交流するのも苦手であり,人前で演技することも考えられない。

話す力を伸ばしたいと思っており,この授業を取った。今は非常に力がついたと思う。授 業でグループに分かれて模擬会話やゲーム,演劇などをし,その過程でグループの一人一 人の物の見方や考え方が違うことがあって,本当に面白いと思う。グループで各国出身の クラスメイトと話すのはこれこそ異文化コミュニケーションをしているのではないだろう か。ドラマの授業というのは演じるだけではなくて,演劇を構成するまで必要となる創造 力や発想力を用いていくのが目的であろう。さらにもう一つ必要不可欠な物がある。それ は「表現」である。身体活動や言語活動などを用いての表現はコミュニケーションと言い 換えることもできる。演劇というのはコミュニケーション能力のアップには共通項が多く 含まれていると思う。人と接することが得意でなく,人前で演じることがないが,自己が 作り上げる想像力,創造力に満ちた世界にいる役になり,上手く演じることができたこと で自分自身の可能性に気付き,自信を持つこと,まず何よりも自分を発見できた。ドラマ は身体や言語の表現を用いて,自分と相手との関係を考え,それをつないでいくもので,

グループで同時に話をすることを通して他者と関わることで自分を発見し,他者も発見す ることもできるのだろう。この授業のおかげで自分自身が成長したと思う。

4.分析

 学生がこの授業で気づき学んだこと,変化したことを書いた振り返りレポートから分析 を行った。その結果,不安・恥ずかしさ・緊張からの解放やコミュニケーション,チーム ワークの重要性や協働性,日本語の能力や知識を得たことが観察された。

4-1.不安・恥ずかしさ・緊張からの解放   

 語学力の不安,対人面からくる不安と緊張,演劇という新しい体験への不安という

3

点 についてとり挙げられていた。

 語学力についての不安を述べていたのは

A

B

で,彼らは授業を受け始めた時は日本 語力に自信がなく,まわりのクラスメイトが上手に日本語を話すのを見て不安やストレス を感じていた。しかし

A

は知らないうちに自分でもどんどん話せるようになった,

B

は 挑戦し,変化したと書いている。

 対人面では

B

は話すのが苦手だったが,話せるようになり,怖がらずに自分のアイディ

(6)

 初めての演劇の体験の不安について

C

は初め少し気まずいと感じたが,だんだん緊張 しなくなり自然に演じられるようになった,

D

は最初,皆の前でパフォーマンスするのは 恥ずかしいと感じていたが,気軽にパフォーマンスできるようになった,また皆と一緒に セリフを考えながら演じたことで安心だったと書いている。

 「怖がらずに」,「今の自分は気軽にパフォーマンスできます」,「上手く演じることがで き」,「可能性に気付き」,「自信を持つこと」というような表現から不安,緊張,自信のな さが解消されたことがうかがわれる。

4-2.コミュニケーション,他者を意識する

4-2-1.他者に関わることで気付き,学ぶ

A

D

は良い発表からも問題のある発表からも気づきがあり学べた。例えば自分の不 足の点やどうすれば上手く演じられるかを学べたと述べている。

B

C

は参加者の構成 員によって態度が異なることや性格もそれぞれで,参加者が協力してコミュニケーション をとる重要さに気づいた。

E

は一人一人の物事の見方や考え方の相違に気づき,出身が異 なるクラスメイトと話すのは異文化コミュニケーションしていることだと書いている。

 学生は学生同士が議論する過程を観察し,各々の学生が相手や状況によって関わり方 を調整していることに気づき,またそれぞれの物事の見方,考え方の相違点や多様性に気 づいたと思われる。本授業では学生に事前課題として観察とリサーチすることを課してい る。例えば電車の中での人々の様子の記述からも他者の見てきたものと自分の見てきたも のが異なったり,同じだったりすることで気づくことも多々あるのではないか。また学生 は他者とストーリーを共有し,一つのストーリーに作り上げる過程でも着眼点や話し合い の関わり方,他者が使う表現などから学ぶことがあると思われる。

4-2-2.分かりやすく伝える

 学生は他者を意識して伝えることの重要性に気づいた。

A

は観衆に分かりやすく伝わる ように人間関係やセリフの調整,ストーリー作成の過程で要約力,想像力を学ぶことがで きたと書いている。

B

は以前は自分さえわかればいいという考え方で,他の人に分かりや すく伝えることを考えていなかった。演技では何かを表現するのが大事であり,演技をし ていない時でも友だちと話す時は自分の考えを分かりやすく表現するようになったと書い ている。学生はグループの人,発表を見ている人に分かりやすく伝えることを意識してい る。そのためにはセリフの述べ方を分かりやすくする必要があり,またストーリーをメン バーに伝える際にも要約したり,言い換えたりする必要があると気づいた。さらに言葉だ けではなくジェスチャー,表情などについて工夫することも必要だと気づいた。

4-2-3.演劇はコミュニケーション力

 演劇というのはコミュニケーションに必要な要素が多く含まれている。私たちが日常 行っている他者とのやり取りを客観的に可視化できる場といえるのではないだろうか。演

(7)

杉山ますよ/演劇的手法を取り入れた授業の可能性を探る

劇は役者が観客に何らかのメッセージを伝えるものである。その伝える手段として様々な 試みがされている。役者はある状況や場面に合わせ何らかの意図を持ち,声や言葉,身体 などを使って観客に伝えようとする。それはコミュニケーションそのものなのである。

E

は身体や言語を用いての活動はコミュニケーションとも言い換えることができ,演劇 にはコミュニケーション力アップの共通項が多々含まれているという。

E

はクラスメイト とドラマを作る過程で演劇活動にはコミュニケーションに必要な要素が含まれていること に気づいたと思われる。

4-3.チームワークの重要性・協働性

 5人の記述に「皆と/クラスの友達と一緒に」「協力しあって」「チームワークの重要性」

「チームワークの大切さ」「他者と関わることで」というような表現が使われ,チームワー クの重要性が語られている。

A

はクラスメイトの信頼関係が構築されたことで自由に意見を言える環境ができ,協力 し発表ができることに感動し,今後はチームワークを大切にすることを心掛けるという。

B

は作品を作るために時間がかかる場合でもチームワークによって切り抜けられたこと で,チームワークの重要性を感じたという。

C

は作品を作るとき最も重要なのはお互いの 協力だと気付き,

D

は皆と一緒にドラマ作りをすることが安心の場になり,クラスの友達 と共に活動することで成長できるという。

 当初はクラス全体,グループで行うアクティビティをする際には戸惑い,恥ずかしそう にしていた学生も回数を重ねるごとによく笑うようになり,クラスメイトのパフォーマン スに絶賛の声をあげたり,拍手をするようになった。また表情も柔らかくなり,動きも自 由に大きくなってきた。これは毎回インプロなどで,安心して表現できる場,失敗できる 場ができたことによると思われる。さらにグループで毎回話し合うことで気兼ねなく議論 でき,良い結論に到達できたと思われる。学生はクラスメイトと共に活動することで安心 でき,成長できると感じた。そして協力が最も重要だと自覚したと考えられる。

4-4.日本語の能力・知識を得る

 日本語力についてはラポール(信頼関係)が形成されたことによってストレスなく話せ たこと,また常に課題について日本語で議論したことが日本語の話す能力の向上に繋がっ たと思われる。

A

は書いたり話したりする力がついた,話す力はストーリーを作り上げるためにグルー プの人達とディスカッションする過程で気づかないうちにどんどん話せるようになった,

C

はこの授業で様々なトピックを扱い,事前に宿題をしたことで学びがあった,

D

は日本 語力もアップし,気軽に話せるようになったと書いている。

E

は話す能力を伸ばしたいと 思い,この授業をとったが,非常に勉強になっていると書いている。

 前述したようにこの授業では毎回課題がある,課題を書き,それをディスカッション し,さらにそれを体を通して表現する過程を毎回行っている。したがって日本語で共通の

(8)

 本稿で学生の振り返りをみると,4つの点について述べられていた。

 1つ目は言語能力,対人面,未知の体験からの不安や緊張,恥ずかしさが,仲間と様々 な活動をしたことでなくなったこと,2つ目は他者の存在を意識し分かりやすくメッセー ジを伝えること,3つ目は多くの活動をグループでしたことによりチームワークの重要性 に気づいたこと,4つ目は日本語力の向上に気づいたことである。

 今回は

5

人の学生の振り返りのみを取り上げた。一人一人が深い内省を行っていた。今 後は学生のデータを増やし,さらに分析を深めたい。

  1)クリエイティブ・ドラマとは「即興で,観客に見せるせるためではなく,過程中心のドラ マアクティビティである。アクティビティの中で参加者は,リーダーに導かれながら,現 実の経験あるいは想像された経験をイメージしたり,演じたり,振り返ったりする」もの である。(

Rosenberg

,1987,

p

15)

参考文献

山石黒圭・阿部達雄・新城直樹・有田佳代子・植松容子・渋谷実希・志村ゆかり・筒井千絵

(2011)『会話の授業を楽しくするコミュニケーションのためのクラス活動40』スリーエー ネットワーク

川島裕子・芝木郁也(2015)『演劇的手法によるコミュニケーション教育の学びのテーマ―北道 教育大学における授業科目「コミュニケーション実践演習」をもとに―』北海道教育学紀要

第66巻,第1号,161

-

170

.

小林由利子・中島裕昭・高山昇・吉田真理子・山本直樹・高尾隆・仙石桂子(2010)『ドラマ教 育入門』図書文化 

高尾隆・中原淳(2012)『インプロする組織』三省堂

平田オリザ(2012)「シナリオ活用ガイド」野呂他(編)『ドラマチック日本語コミュニケーショ ン「演劇で学ぶ日本語」リソースブック』第7章,ココ出版,

pp.

190

-

261

渡部淳・獲得教育研究会(2014)『教育におけるドラマ技法の探求―「学びの体系化」にむけて』

明石書店

Rosenberg

H. S.

(1987)

Creative Drama and Imagination: Transforming Ideas into Action. New York:

Holt Rinehart and Winston.

(すぎやま ますよ,早稲田大学日本語教育研究センター)

参照

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