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地域を対象とした環境資源勘定体系の構築に関する 研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

地域を対象とした環境資源勘定体系の構築に関する 研究

谷川, 寛樹

https://doi.org/10.11501/3175087

出版情報:Kyushu University, 2000, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

地域を対象とした環境資源勘定体系の構築に関する研究

平成12年6月

谷川 寛樹

(4)

地域を対象とした環境資源勘定体系の構築に関する研究

一 目 次 -

第1章 序論.……..…・...1

1 .1 はじめに…ー…… 1.1.1 物質移動と環境問題………ー・……ー………ー……・・……… 1

1.1.2 マテリアル/エネルギーフローの現状...・ー・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・一一一一一・・・・・…... 2

1.1.3 マテリアル/エネルギーフロー分析の必要性 ...…一...一一・... 6

1.2 マテリアル/エネルギーフローに関する既往研究...8

1.2.1 国レベルでの分析 ...…一一一一一...一一...一一一...一一…一..一一一...一一・8 1.2.2 地域・街区レベルでの分析.…一一一...一一一...一一一一・・・・・・……・・・・・・・・・・・・…...10

1.2.3 家庭レベルでの分析 ....…・ー…...一一一...一一...一一…...11

1.3 本研究の目的および構成.……...14

参考文献...17

第2章 環境資源勘定体系の地域への適用手法…・... 21

2.1 はじめに:環境資源勘定とは...21

2.1.1 環境資源勘定の概念……-………-………21

2.1.2 環境資源勘定体系構築のための手法………・…・・・……….23

2.2 地域の環境管理において求められる環境資源勘定...24

2.2.1 経済勘定と環境勘定の統合における問題点.………・………24

2.2.2 環境負荷勘定・指標………・・・・……・………・……….26

2.2.3 環境恵沢勘定・指標…・・………・………ー26 2.2.4 経済計算との結合刀法………・…………・………・…・…・・………27

(5)

2.3 地域を対象とした環境負荷勘定の作成方法....・H・...……・・……・...……...・H・-…一………28

2.3.1 環境負荷(汚染排出量)の計算…・...28

2.3.2 地域内外の環境負荷収支勘定………-………・……… 28

2.3.3 推計手法別エネルギー収支 C02排出量………30

2.4 地減を対象とした環境恵沢勘定...32

2.4.1 環境の恵沢の定量的評価.………・……・…・…………ー…・………. 32

2.4.2 環境の恵沢の持続可能性・……….32

2.4.3 環境恵沢の種類、とその評価方法………-……….33

2.5 地域におけるマテリアルフ口一分析…・...36

2.5.1 マテリアルフロー推計手法...…・一一-一・・・・…・・・・・・・・・-一...一一・・・…・・・・・・・.. 36

2.5.2 マテリアルフロー分析を用いた指標-MIPS- .・一一一・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…一一一一... 37

2.6 まとめ...39

参考文献.…...41

第3章 自治体レベルでのマテリアルフロー分析....・H・....・H・-…・………H・H・...・H・-…43 3.1 はじめに:広域でのMFA...43

3.2 全都道府県におけるマテリアルストックの推計...45

3.2.1 ストック推計手法.………ー・………ー………ー…・・……….. 45

3.2.2 全l司郎道府県 ・政令指定都市におけるマテリアルストックの状況..・・・...…一一 48 3.3 都市レベルでのマテリアルフローの定量化…・……...54

3.3.1 トップダウン方式によるマテリアルフローの推計.・一一一...一一一一・・・・・・・・・ぃ・・・ー・.54 3.3.2 福岡市でのケーススタデイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一-一一一...…・・一一一一一-…54 3.4 マテリアルストックからみた都市の特性...60

3.4.1 都市規模による類型化……ー………ー…………・…・…60

3.4.2 マテリアルストック集積傾向と都市特性.…………ー………ー…..61

3.4.3 郡市笠備におけるMIPS適用のケーススタデイ・・…・・・一-…・・・・・……・・・・・・・・・…一一64 3.5 まとめ...68

参考文献...70

第4章 街区レベルにおけるマテリアルフ口一分析.………...・H・-………. 71

4.1 はじめに:都市建設における総物質投入量...71

4.2 宅地造成によるTMR推計手法.…...74

4.2.1 分析フレーム....…・・・・・・一一一...一一一一一-一一一...一一一一一...…・・・…...一一一一・..74

4.2.2 �設による資材菩積量(STOCK)の推計..一一一一...一一一一・・...76

(1)肘住施設…………一…・・・……-…・・………・……・…・…・………一・……・・・……・……一-…… 76

(2)道路 … ・ ……・・…ー……・・…・・……一一 ・ … ・ ・…・ ・・ ・・…・…・ … 一- … … ...……… …・・…. 77

(3)電力供給施設…………ー…………・…・・…・…ー…・………-…・・…・…ー…・………・…・・…77

(4)ガス供給施設…・・……-…・…・・……・・・……・・・…・…・…・……・・…・…・・……・・…・…・・…・・……77

(6)

(5)上水道…ー・……・・…・…ー………ー…………・・…………・…一…・…・・…………7

(6)下水道…・・……・・………・………・…・………・……78

(7 )雨水管.・………・………・………一……・…一・………78

4.2.3 単位資材生産量あたりのDMI, HMFの推計...・一一一一...一一一一...一一…..80

(1)粗鋼 …-…・・…・・……・・…・・……-…・・……ー…・…………・…・・……一……・・・…・・…・…・…・…・・ 80

(2)コンクリートー…一..一一・・・・・…一..一…一....…・・・・・・…・・・・・・…・…一..一一...…ー・・・・ー・・・・..82

(3)木材 …ー…・…ー…・…一…・…・・…・…・・…・…・・…・………・…・・…………・…・・…・・ ……・・8.f 4.2.4 域内における資材生産を伴わないHMFの推計………・……・…..……ー………..86

(1)セ地造成時の土工量…・・・・・・・・……・・・・・・・・・・・…-…・・・・・・・・・・…・・…・・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・……・・・・・・・・・・86

(2)宮地造成時の原生林伐採量.…・…………・…・・………-…・…・…・…・…・…・・……・・87

(3)管渠敷設に伴う土砂移動量 ..………・・………・……・・………一………一-…一……・…・・89

(4)住吉建築時における士砂移動量……・・・…・…・…・・…・………・・・……・・………・・…89

4.3 住宅団地におけるTMR推計結果…・...91

4.3.1 分析対象地医の概要.・ー…・…一一一一...…・・・・・・・・・・・・・・・・一一一一一-一一一・...91

4.3.2 推計に使用したGISデータベース.・一一一一-一一一一一…一一…...…....91

4.3.3 評価対象地|玄におけるTMR推計結果..…・・・・・・…・・・・・・・・…・…・一...…・・...95

4.4 住宅形態変更によるTMR推計…・...99

4.4.1 算定条件.・一一・・・・・・・・・・・・・…一一一一...一一…....一一一・・…一一...一一一...…・…99

4.4.2 集合住宅同地の場合, 平地に建設した場合のTMR推計結果…・………99

4.5 まとめ...100

参考文献.…・・…...10 4 第5章 家庭レベルでのマテリアルフ口一分析…... '07

5.1 はじめに...107

5.2 一般家庭における物質・エネルギー投入量.……...・H・....………109

5.2.1 モデル家庭の概要と推計方法.・一一一一...…・・・・一一...一一・・・・・・…...109

5.2.2 モデル家庭におけるマテリア ル フロー.・一一一...一一.....一…...一. 111 5.3 家庭のエネルギー消費に関するアンケート調査の概要………115

5.4 世帯属性による類型化とエネルギー消費への影響分析・…・……・・……・………117

5.5 熱環境に対する意識とエネルギー消費の関連...119

5.5.1 }r5住地区の熱環境に対する意識とエネルギー消費………・・・・……・………119

5.5.2 I止構の属性と環境への配慮意識によるlit帯の 分類..…・……・………一…..121

5.5.3 エネルギー消費形態、における類型別比較………124

(1)電気消費量.……-…………・………・…・・…………・……・…………・・…ー ・.12.J (2 ) ガス消費量 …・・・…・・・・・・・・・…・・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・…・・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・....12.f (3 ) 灯油消費量…..…-…・・……・・…-…………ー…………・……・・…・…・・……・・・…………・….12S (4)エネルギー消費総量(電気+ガス+灯油)…・・…・・……・…………・…・…・・・…・…・・….125 5.6 世帯の属性, 環境への配慮意識, 周辺環境を被説明変数とした多変量解析によるエネ ルギ一消費形態の解析...1 28

(7)

( 1 )属性とエネルギー消費………...・H・…・…..…・………・……・・…・………・……..128

( 2 )環境への配慮意識とエネルギー消費…・……一…・…一……ー……・……・・………..130

( 3 )周辺の熱環境に対する意識とエネルギー消費 .…・・…・……・ー………・・……ー・……・.131

5.7 まとめ...131

参考文献...133

第6章 結論... 137

謝 辞…一一……..…H・H・...…・…...・H・... 144

- 1\' -

(8)

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第1章 序論

はじめに

, 物質移動と環境問題

戦後における日本の経済成長を支えてきた大量生産・ 大量消費・大量廃棄(l11ass­

proclucUon, 111aSS-COnSU111pti0l1, 111aSs-disposal)にもとづく社会システムは、 電か で便利な社会生活を具現化する一方, 人間活動圏(Technosphcrc)において莫大な物 質移動を引き起こし、 白然環境圏(Ecosphere)への影響が表面化しつつある(関1- 1) . 人間活動による物質移動は句 自然資源の採取のように‘ l直接自然環境に影響を及 ぼすものだけでなく, 機械使用に伴う燃料消費のように. エネルギーの使片jにより間 接的にもn然環境にインパクトを与えている. 薪炭や建材, 紙の原料段取を行うため

インフラストラクチャー 建設・運用・解体・廃棄

(人間動物,植物,微生物等)

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図1 -1 物質循環と環境問題

出所: Sc!tmidl-F31cck/Woltlmcycr(199l) を参巧に加乍・変史

'宅f

c

d

(9)

の森林面積減少‘ 鉱物資源採取のための士壌掘削などは, 大規模な物質移動がは接rl 然環境圏に影響を及ぼした事例である. また, 大量の物質移動は大量のエネルギー消 費も引き起こし, それに伴う環境へのインパクトは‘ 人間のあらゆる活動領域におい

て様々な形態(固体、 液体, 気体. 熱)で発生し、 長期間・広範聞にわたって口然崩

境圏に影響を及ぼす.

玉|連環境会議(ストックホルム会議)から20年後の1992年‘ ブラジルのリオデ ジャネイロで行われた地球サミット|国連環境開発会議(lTNCED : lTnitecl �aUons C011fcrcllce 011 E11vironn1enL and Developn1cnt) では, 環境と開発の両企を実現 するための諸原則を含んだ「リオ宣言jが採択された. さらに, リオ賞言の只休f内な 行動計l町が示された アジェンダ21 �) では. 40章にわたって‘ 大気・海洋の保全.

天然資源のよi守男から同氏のライフスタイル変更の促進等、 多分野にわたる行動計凶iを 整尽している. その中で‘ 第二1章 消費形態の変更 では. 環境白何の少ない経済社 会の梢築のために, 従来の生産と消費のパターンを見直すことが必要であるとしてい る. エネルギー・資源利Jî]における効率の追及 、 省資源、 資源再利用の推進 等を あげ、 これまでの大量生産・ 大量消費・ 大量廃棄型の社会システムを変更しなければ ならないことを指摘している. また‘r第7章 持続可能な人間III}住の開発の促進 で は‘ t地不Ij) 1-]、 交通システム‘ 建設産業活動等について、 省エネ‘ 省資拐し リサイク ルのための行動計|同を示し, 持続可能な今後の都市整備のあり方を/Jミしている. この アジ、エンダ21に従って環境基本法が1992年に施行され、 同法に息づいて199 I {ドに環 境基本計耐が策定された. その中で、 物質的豊かさの追及に屯きをほぐこれまでの与 えノj, ノミ註lr:l定・大量消費・大量廃棄型の社会経済活動や/訂正様式はI:,'�Jい爪されるべ き と前文に明記され3), 人間活動圏での大量の物質移動がn然環境闘にらえるb話料 は, 巳|然環境の復元能力の範聞外であることが言及されている.

1 .1 .2 マテリアル/エネルギーフローの現状

1-1-1:界における物質移動量の現状を図1-2, � 1-3に示す. これは|司、工環境研究所が

�I連貿易統計をもとに推計したデータ4)をもとに作成したものである. この批l汁での

対象1),'1IIは, 自然環境からとりだされた資源および加工度の低い原材料で、 食料資源、

木材資源‘ 金属資源. 化七a燃料資源、である. なお、 て国間貿易データをもとにしてい るため対象地域内起源の物質移動量は含まれておらず、 かつ非令j同鉱物であるイ1-Jパや 砂利などは惟計の刻象外であるため.後述の日本における物民投入ほとは仰が見なる.

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(10)

5,000,000 〆戸、、

何同 4,000,000

I 目

|ロバイ オ マ ス 資源

i油豆 3,000,000 E

部 2,000,000 を眠主字

,000,000

1983 1988 1993

図1-2 物質移動量の推移(世界合計)

出所:森11祐一「マテリアルフローデータブ、ック 4jより作成

f

pCt J \ 3,OOO,OOO

ロ日本

日2,500,000 面東南アジアー日本除く

可.-'12,000,000 ロオセアニア

-ソ連/旧ソ連

E酬に500,000 園東ヨーロッパ

4

r〈5 woosoo

-西ヨー口ッパ 西アジアその他アメリ力

王手 500,000 -北アメリカ

日アフリカ

1983 1988 1993

(a)化石燃料資源

fCふ-ヘコ 900,000 600,000

→ 800,000

〆FC+'3J

:::; 500,000

700,000

6肌000 400,000

500,000

剛 300,000

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事ベz 400,000 300,000

長 富 王 岡

2叩 000 200,000

100,000 100,000

1983 1988 1993 1983 1988 1993

(b)卑金属資源 (c)バイオマス資源

図1-3 物質移動量の推移(地域別輸入量)

出所:森口砧 = マテリアルフローデータブック 41 より作成

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(11)

物質移動量の位界合計(図1-2)は‘ 約40億トン(1993年)で‘ 1983年からの10年 間で約1.5倍に増加しており、批界的に物質フローが拡大していると考えられる. この 中でも特に化石燃料資源の物質移動量の伸びが高く,1.6倍に増加している. また‘ 資 源別・地域別にみた物質移動量(輸入量)を図1-3に示す. ここで, バイオマス資源 とは‘ 肉. 魚‘ 穀物といった食料資源と木材資源の合計 で‘ 卑金属資源とは, 鉱イ1と 金属品の合計である. 特に中国やインドを含む東南アジア(日本を除く)では、 物質 移動量の仲びが高く‘ 卑金属移動量が3 .5倍, 化石燃料資源移動量が2.7倍となってい る. 日本に海外から投入される物質量は,各資源とも世界合計の14%から24%の範間 にあり、 Il本が輸入相手国に与えている環境インパクトの大きさを表しているのと同 時に、 f-1ノドが地球環境に与える環境インパクトの大きさをも表している.

わが悶の投入量と産出量の推移を表したものが関1-4である. 図[rにおいて‘ y制l のプラスλÎr訂に投入物質呈‘ マ イナス方向に庭山物質量を表している. 投入物質泣を みると1970年から1995 {f三まで に総投入物質量は1.4倍 に増加しており司 その中でも 輸入資源が1.7倍に増加している. さらに‘ 資源の海外依存度も31%(1970イわから

38% (1990作)に大きくなっており. 日本 における社会経済システムが海外で引き起 こす探境インパクトが地加していることが分かる. また‘ 苑/JJ物民hZをみると、 川倒 的に多いのは国内蓄積で‘ セに建設活動によるものである. f:F.1内諸積は199;)作におけ る総庇山註の約5害IJを市めるうえ に、 1970年と比較すると1.5倍によ付加している. ま た、 廃棄物の発坐量は約2倍によ告加しており. 同生利用量も{rjlびてはいるものの、 そ れを仁川るペースで廃棄物の発生量が土台加しているのが現状である.

ここで‘投入量に比べて斥出塁が大きく,バラン スしていないのは,水分の取り込み や‘ 過去のストック による廃棄物発生等が原!大|である.

このよう に投入物質量、 定11',物質量は両者とも年々増大傾向にあり. 大宮ノ!ミj京・ 大 国消費・ 大豆廃棄型の経済構造が維持されていることは明らかである. さらに虎菜物 総発生量のよ台加率に比べて再生利用率の伸びが低いことから. 同内のマテリアルバラ ンスは, 循環性がイ尽く投入から廃棄に向かう 一万通行の流れであることが分かる.

マテリアルフローの拡大. マテリアルストックの増大は. とも にエネルギー投入i止 の増大を伴うものである. 関1-5に, わが|羽のエネルギー投入rttの推移をノjえす. 199;) 年に投入されたエネルギー消費量は, 物量ベースでJ億トン([刈1-Ll参照. 1970年比 1.6イ斉), エネルギーベースで359 X 1013 kcal (1970年比1.,1併)であった. 前述の 通り、 物民投入量のうち[五|内蓄積が最も多かったが、 この苔積邑(ストック)を前川

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(12)

2,500 ・ー一一一一

2,000

圏内資源 2,000

投入物質量 (百万トン)

1975 1980 1985 1990 19951 Tlnr

エネルギー消費

産出物質量 (百万トン)

圏内蓄積

2,500←一一一一一一一

図1-4 わが国のマテリアルバランスの推移 出所:環境庁 環境白書 bJ 日本開発銀行 調査 6Jより作成

600,0 00

エネルギー役入量

エネルギー投入 (lOlOkcal)

1975 1980 1985 1990 1995

図1-5 わが国のエネルギー投入量の推移 出所:資源エネルギー庁 エネルギー統計 7 より作成

RU

(13)

1990年総産出量 22.1億卜ン

図1-6 わが国の物質産出量の内訳(1990年)

出所:環境庁「環境口書 b) H本開発銀行 調査 6 より作成

するためにはエネルギー消費が必要である. 民生部門や運輸部門におけるエネルギー 消費の仲び窄が約2倍(1970年比)と高いことは、 ストックの別加とエネルギー?ì'jt�

が?割安に関わっていることを示しており, ストック活用のβ策が今後のエネルギー消 費に1�6響すると考えられる.

わが作!の物質産出量の内訳を図1-6に示す. わが凶のマテリアルバランスにおける 物質庭山量のうち5割弱は建設資材であることが分かる. 建設資材のqlでも';34イ(砂 利. 砕石等)が、 全体の-13%を占め、 国内の他の産出量と比較しでも正倒的に抗日が 大きいことが分かる. これらの建設資材の大部分は, -R建造物として国内に諮杭(ス トック)され,建造物の維持補修や,建造物の耐久期間が過ぎることによる解体にイ、I�っ て建設廃材として国内の新たなマテリアルフローを引き起こすことになる.

1 .1 .3 マテリアル/エネルギーフ 口一分析の必要性

大宣之主pf.大量消費 ・大量廃棄明の社会経済活動により引き起こされる様々な環境 問題をその根本から見院すためには‘ 大量の物質やエネルギーのフローを;左足化する

円。

(14)

入 輸等 製 ly 入 L/ 預取 0 輸 」 \ 資保 7 B

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鉱む オ l 用 含 船食 不 市 与L 司 受

肉生産時の 「「刊 活 措 以 聞い 創出町 右土 ・ E a

飼料投入

命出 (平成9年)(単位:億t)

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然界か |総投入物質総量 /チl'

資源探取

1"2; -6

,L食消費1 3

188 エネルギー溜4L

\不 用

産業廃棄 物$(再生柵吟 ω �\ I排出

必廃棄物発生量 一般廃棄物暗ま利用量除く) 238

11 8

口l;i隠れたフロー

j主- 水分の取り込み(含水)等があるため、 益出側の総量は物質孝Ij用総量より大きくなる,

資料 ・各種統計より環境庁訊算

図1-7 わが国のマテリアルフロー(1995年) 山所:平成9年版環境(l書。 より抜粋

ことが不I�J欠である. このような資源移動量を定量化する手法として最近環境分野で 注円されているのが. 環境資源勘定(ERI\:Enviro111nental Rcsource ,ACCOl1l1lil1g)、

特にìvllζへCìv1atcrialFI0\V必lalysis/AccounUng :マテリアルフロー分析/肋定)であ る. これは、 経済活動と口然環境の相互関係を, 両省の問の資源移動民によって淀川 化し‘ 経済指標では表されない環境へのインパクトを評価しようとするものである.

,1Fl\では, まず, 自然界から経済活動への資源の実投入呈 D1'"l1 (Dircct �ilatcrial

Input: I汽伎資源投入量)を定量化する. 次いで‘ 仁の移動 )1さ|荷lIlJIとしてのが林伐

採」のように, 人間活動によって引き起こされながらも, 経済Hオとしては倣われない 隠れたフロー註l-IMF (I -Iidden Material Flow :隠れたフロ一、 エコロジカルリュッ クサック) を定量化する. さらにDìvlIと1 H'v1Fを合計したTl'vlR (Total 1\1a Lc rial Requircl11cnt :総物質必要置)を算定することで, 資源消費量及び資源採掘にイ、I�う1'1 然改変量を定量化することができる. 以上を考慮した日本のマテリアルフローを凶1-

7に示す.

1',,11三へは地域レベルにおいても有効である. ある都Ilf (地域)について�lF八が算定

-7-

(15)

江) J I:'i_' ! f:1Î1命

されれば, その都市の 活動を維持する ために 必要な資源のフローと ストックが, 都 の内部及び外部における直接的・間接的な物質 投入量として示され, 都市活動にとも なう環境インパク ト を評価する上で有用である. 他方, 資材製造 から廃棄段階までの ライフサイクルでの物質投入量(物質集約度) を定量化する分析としてM AIA (Material Intensity Analysis :物質集約度分析) が開発されており, こ れを応用 すれ ば,都市が提供するさまざまなサービスの水準と資源投入量の関係 をMIPS(Material I nput Per unit of Service :単位サービスあた りの物質集約度) として表示 すること が可能とな る1)バ)

最近, 都市を構成 するさまざまな土木・建築構造物についてのライフサイクルアセ スメントが活発に行われているが, こ れまでの多くの研究での採用指標はライフサイ クルエネルギー(LC-E )やライフサイクルCO2(LC-C02 )に限定されがちであった.

物質移動量とエネルギー消費量は密接に関係していること を考慮し, ライフサイクル での物質投入量を定量化することで,LC-EやLC-C02と物質移動を合わせたより包括 的な指標を構築 することができる.

, .2 マテリアル/エネルギーフローに関する既往研究

1 .2.1 国レベルでの分析

実際にMFAを実行するには複雑な物質循環の定量化が必要であり,現在, 国の経済 システム全体や特定 の産業部門を対象として物質収支を計量する研究が行われている.

わが国のマテリアルバランスは 平岡らり)(1979), 環境庁コ)(1992), 富永らJ()) (1994) , グリーン・ジャパン・センター11)(1995)により試算されてきた. その中で,

環境庁は , 平成 4年度からの環境白書に日本の物質収支を掲載している (図1-7に、

成 7年のマテリアルバランスを掲載 )

HMFを考慮に入 れた日本のマテリアルフローについて,森口ら12)U) 11) (1997)は , 国内でのTMR. DMI. HMFを推計し,拡張されたマテリアルバランス を作成した. そ れを受けて平成 9年版の環境白書より「隠れたフロー」としてHMFが掲載されるよう にな った. 1990年度のマテリアルフローにおいて輸入資源, 国内資源を合わせた投入 量合計 (DMI) は約22億、トン(再生資源を合わせると 24億トン) で, 砂利や砕石な どの建設原材料がその約半分を占め る. 約7億トンの 輸入資源に対して, 輸入相手国

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(16)

おい;'í. J ;-:,1;命

でのマテリアルフローは約24億トンと推計され,石炭や銅,鉄鉱石に関する割合が きい. 特に銅は金属量1 トンあたり300 トン程度のフローを伴うとされる. 農産物や 林産物に伴うリュックサックも約2億トンに達する. これに, 国内での建設工事や鉱 物採鉱による掘削量などを加えた総物質需要量は,約57億トンであり,人口一人あた りでは約46トンであることが明らかになった.

さらに,森口は A.Adriaanseらl三)(1997)との共同研究で, ドイツ, オランダ, 日 本,アメリカの4カ国の MFA を行い,TMR, DMI, HMF の推計・比較を行った. 年 間人口1人あたり総物質需要量(1990年)は, ドイツ84 トン, 日本46トン, オラン ダ85 トン,アメリカ83 トンであることがわかった. ここで, 日本のTMR値が小さい ことについて, 石炭への依存度の低さが大きく寄与していることを言及している. ま た, 4カ国とも隠れたフロー (HMF)がTMR の半分ないし4 分の 3 を占め, オラン ダを除く 3カ国は資源の実投入量が17 �22 トン/人・年とかなり近い値となること がわかった. このことは 各国とも国内で消費される資源量は大差ないことを示して いる.

日本開発銀行り) (1993)は, 日本のマテリアルフローにおいてその半分近くを占め る建設資材量に着目し, 建設系廃棄物の発生量の予測を行った. わが国の総資源投入 量( ここではDMI+再生利用量)は,1970年から1990年において,年間15億トンか ら23億トンへと増加し, ストックとして年間10 億トン前後が圏内に蓄積されている ことを示している. さらに, 再生利用分を除く廃棄物排出量は 2.7億トン (1990 年) に達しているが 建設資材のスクラッフ発生量は2020年に1990年の3倍と予測され,

国内蓄積分から生じる廃棄物の増大により 今後さらに環境負荷は高まるおそれがあ ると言及している.

電力中央研究所l引(1996)は,建設資材投入量を都市インフラストラクチャーごと に推計している. ここでは,電力供給設備,都市ガス供給設備, 上水道設備,道路,建 築物を対象に資源投入量( ここではストックとして構造物内に蓄積された量),エネル ギー消費量, CO2排出量を推計している. 関東地方を対象とした推計結果で は, 一人 あたりの建設素材資料量は 建築物が約51 トンと圧倒的に大きくその大部分はコンク リート使用によるものであった.

また, 日本における素材別のマテリアルフローとして,鉄,木材,セメント,銅, 亜 鉛, 鉛について定量化の研究を行った事例!Î) I�) I (けがある.

鉄のMFAについては近藤・森口ら!ïlが産業連関表を用いて鉄のマテリアルフロー

-9-

(17)

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を分析している. 国内の鉄需要において建設関係が最大であり,1990年において5000 万トン程度を占めていたと推計している. さらに,工場生産設備を加えると資本ストッ クとして7000万トン程度, 最終消費者を経るフロー は1000万トン台と推計している.

天野らIH)(1998)は, セメント・コンクリート産業についてのMFAを行った. その 結果, 生コンクリート1 トン あたり, TMR2.5 トン ( 1990 年)であることを示した.

また, 日本メタル経済研究所1り) では,銅,亜鉛,鉛について国内のマテリアルフロー を調査している. 国内への各非鉄金属の投入量(1997 年)は, 銅1,802千トン, 亜鉛 449千トン, 鉛384千トンであることが明らかになった.

以上のように国ごと, 素材ごとにマテリアルフローが推計されている. 今後, マテ リアルフロー分析を利用した地域環境管理施策を実行するために は, そのベースデー タとなりうる地域のマテリアルフロー・ストック及びエネルギーフローに関するデー タ の整備が必要とされている.

1.2.2 地域・街区レベルでの分析

玉|レベルに比べて小さな 県や市といった自治体レベル さらに小さい街区レベル を対象とする物質・エネルギーフロー分析は, 自治体や地域のCO2排出量の定量化が 求められる中, 現在までに以下のような研究が行われている.

地域を対象としたMFA の例として, 守田ら20J(1999)は, 東京都におけるマテリア ルバランスを物流の面から定量化している. 同研究では東京都 の物質投入量を約12ト ン/人(1994 年)と推計している. さらに, 同研究では, 東京都, 大阪府, 福岡県に ついてその物質収支の内部構造を経年 的に評価し, 地域的特性を検討している.

また, 吉田ら21)(1999)は 産業連鎖による物質 の新たな代謝フロー の形成( エコ・

リストラクチャリング)を目指して 和歌山県の物質フローを推計している. 和歌山 県の総物質投入量(1996年)は 4.286万トンと推計しており 一人あたりに直すと約 40 トン/人であることがわかる.

また, 藤田ら22)(1999) は, 街区レベルでの都市構造物整備に伴うエネルギー消費 について, LCAを用いてその評価を行っている. 街区レベルでの都市更新施策につい ていくつか の技術の組み合わせによるCO2低減シナリオを設定し, そのシミュレー

ションを行っている.

以上の既往研究において, 自治体レベルでのマテリアルフロー分析, 及び街区レベ ルでのエネルギー投入量の把握が行われているが, 1.1.3で述べたとおり, HMF (隠れ

-10一

(18)

;お1 1;'工 作i命

たフロー)の推計は自然環境へのインパクトを定量化するうえでも必要であり, 既往 の研究に加えてHMFも含めたマテリアルフロー分析を行う必要がある.

, .2.3 家庭レベルでの分析

都市を構成する最小単位である家庭における物質・ エネルギー投入は, その家族構 成やライフスタイルに影響されている. そのため, 家庭での物質・ エネルギー投入を 論じるためには, ライフスタイル等を考慮に入れたアンケート調査などの実態調査が 必要である.

近年の家庭部門の物質・ エネルギー消費に関する研究は多数ある. 表- 1に, 既往 研究についての主な論文をまとめた.

環境共生ライフスタイルや環境資源消費モデルの総論として, 盛岡(1991)2:�)は環 境共生のためのライフスタイル論を展開し, エコライフ・ 工コビジネスについて言及 した. この中で盛岡 は ライフスタイル変革の位置づけを行い, í節約型のライフスタ イルJ í技術に明るいか問われるライフスタイルJ í環境契約か社会契約型のライフ スタイル」の3つのライフスタイルを組み合わせることにより効果が上がることを論 じている. また 井村(1991)21)は 数値モデルを用いて生活の質の豊かさに結びつ く資源消費活動を廃棄物まで含めた循環として捉え, 経済成長に与える影響をモデル 化した.

実証的研究として, 青柳ら(1992)2的)は, 市民の実行可能性の視点から二酸化炭素 の削減対策を論じた. 環境知識 の普及を「情報の認知」→「評価」→「行動の採用Jの 段階に分け, 環境配慮行動の実行可能性とその効果を因子分析により定量化した. さ らに, 青柳ら(1993)2X)は, 家計調査年報と産業連関表を用いて全国ベースで世帯 収・世帯人数・世帯主年齢ごとにCO2排出構造がどのように異なるかを分析した. そ の後, 袖野ら(1996):l7lは 青柳ら2仙 の分析手法を利用し, 地域の物質循環システ

ム整備によるライフスタイル変更の可能性を定量化した.

1994年あたりからエネルギー消費行動に関する研究の着眼点は多様化し, 詳細な データを扱うようになってくる.生産側と消費側の両側の意識・行動調査を同時に行っ たのが, 井村ら(1994)2り)である. 生産者(企業)と消費者(市民)の意識 ・ 行動を アンケート調査により把握し 持続可能な消費パターンの実現可能性についての考察 した. また, 津地ら(1994):lO)は, 全国8都市の集合公営住宅(夏冬のべ約 4000戸) を対象として, 大規模な調査を実施した. 調査項目はエネルギー消費量・室内気候・ ラ

-11-

(19)

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表-1 家庭レベルでののエネルギー消費に関する主な既往研究

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3611依存に関する基機的研究。 113回地1事環境シン ; φ 1;からみたライフスタイルの関係を網造化モテ

ポジウム筒演集。口口327-332. 1995 ; リングにより分析

袖野玲子津村和志,内属正明 家庭における 物質循環システムの環境負荷評価とエココミュ 961371ニティー形成に関する研究 関西文化学術研究都

市住宅・団地を対*として角。環境システム研

」究Vol.?4.I?P伊豆-249. 1996 Noboru YOSHIOA and Tohru MORIOKA Carbon D,ox,de EmlsslOn Patterns ,n 381Linkage of Indust川5 w,th Involvemcnt of

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|分析,日本建築学会計画系治文集第475号,

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イフスタイル(生活行動・意識)である. この調査による論文は, 足立ら(1994)'H),

鈴木ら(1996)測に坊垣ら(1998)16)等があるが, いずれも多くの実態データに基づ いた信頼性の高い分析を行っている. 特に足立ら(1994):j])は分析の中で住宅のシェ ルター性能を表す指標として外気及び地面に接する外周面の数を「住戸位置」とし,

回帰分析の1要素として組み入れており, 電気・ガス・灯油消費量に対して有意な要 素となった.

吉田ら(1995):悩)(1996) :以)は, 産業連関表を利用し, 都市化のフロセスと消費か らみたライフスタイルの関係を構造化モデリングにより分析した. また, 産業連関分 析において消費部門を内生化したクローズドモデルを用いることにより消費行動のあ り方を分析した. (1996) :m)では, 全国消費実態調査報告と産業連関表とをリンクし 世帯動態とライフステージでの炭酸ガスの排出と将来予測を行った.その論文中で,吉 田は近年の世帯の小規模化・ 高齢化にも関わらず炭酸ガス排出の多い原因として,

帯規模・ 消費支出・ ライフステージの寄与度を定量化した.

大迫ら(1998)1;;)は 高齢者世帯の分析を加えている. その中で現在の高齢者はエ ネルギーにあまり依存しない生活を送っているが, 将来の高齢者である世代はエネル ギーに依存した生活を送っているために 今後の高齢者のライフスタイル・エネルギー 消費が大きく変化する可能性があることを指摘している.

平野ら(1998)11)は ヒートアイランド現象に伴う民生部門のエネルギー消費の変 化を予測している. 関東地区においてヒートアイランド現象がある場合とない場合と の民生エネルギー消費(暖房・冷房・給湯)を比較した結果, トータルの消費量はヒー トアイランド現象が起こった場合の方が低いことがわかった.

以上の通り, エネルギー消費 について分析・ 調査を行った事例は多数あり, 家計の 消費行動が世帯主の年齢や所得階層, 居住地域, ライフスタイルなどに影響されてい ることが様々な観点から研究されている. しかし, 気候・ 土地利用条件や住居構造包 を考慮した街区レベルでのエネルギー投入量を推計するためには, エネルギー消費と ライフスタイル, 周辺環境, 世帯属性等の関連性を定量化することが, 既往研究に加 え, さらに必要とされる.

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参照

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