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平岡, 隆

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

インプラント周囲炎モデルを用いた骨吸収進行にお ける周囲海綿骨の力学的評価と振動学的効果

平岡, 隆

https://doi.org/10.15017/1441157

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(臨床歯学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

区 分 甲 乙

論 文 題 目

インプラント周囲炎モデルを用いた骨吸収進行における

周囲海綿骨の力学的評価と振動学的評価

氏 名 平岡 隆

論 文 内 容 の 要 旨

近年,急増しているインプラント治療の経過不良症例の中で最も多いものがインプラント周囲炎 である.これまで,インプラント周囲炎に関する臨床研究や基礎研究が数多く報告されており,特 に有限要素解析を用いた報告は2 - 3報告されているが,いずれも緻密骨の高さを変えたもので、臨 床所見とは異なったモデルである.さらに,近年用いられる粗面インプラントのインプラント周囲 炎の進行は速く,骨吸収が進行すると再インプラント治療などが困難となるため,インプラントの 除去時期が重要となる.また,骨吸収状態の把握のためには,X線や CT 画像が有用であるが,被 爆の問題があり画像検査以外の診断法の開発も望まれている.

本研究では,皮質骨消失~海綿骨支持のインプラント周囲炎モデルを作成し,異なる骨質および インプラント長を用いたインプラント周囲炎による骨吸収時の①インプラント周囲骨内応力の力学 的解析と②固有値解析を行い,インプラント周囲炎における周囲海綿骨の力学的評価と,骨吸収の 進行における振動学的評価を行うことを目的とした.

研究 1 としてインプラント周囲炎モデルを用いたインプラント体周囲海綿骨の力学的評価を行っ た.インプラント体埋入モデルは,顎骨を厚さ 1.5 mm の皮質骨を有する直方体とし,インプラン ト体は φ 4.0 mm ,長さをそれぞれ7.0 mm(ショートインプラント:S-I), 10.0 mm(ミドル インプラント:M-I) 13.0 mm(ロングインプラント:L-I)のシリンダー型,上部構造はφ 7.0 mm,

高径 7.5 mmと設定した.モデルの材料特性として皮質骨はヤング率13,000 MPa、海綿骨は骨質

~Ⅳ(Ⅰ:9,500 MPa,Ⅱ:5,500 MPa,Ⅲ:1,300 MPa,Ⅳ:690 MPa)とし,インプラントお よび上部構造は106,000 MPaとした.それぞれのポアソン比は0.3とした.歯槽骨頂より0.5 mm ずつ骨吸収させ,1.5 mm 吸収すると海綿骨のみの支持となるように設定したインプラント周囲炎 モデルのインプラント上部構造に対して垂直0°,傾斜30°の2方向より咬合力を加えて有限要素 解析を行った.各モデルの骨吸収量において骨内圧縮応力を測定し,海綿骨の許容応力(I: 34.2 MPa, II: 23.8 MPa, III:9.1 MPa, IV: 6.0 MPa)を用いて解析した.

骨内圧縮応力は荷重条件にかかわらず,骨吸収の進行と共に,全ての骨質で S-I,M-I,L-I の順 に高値を示した.傾斜荷重時における許容応力を超える骨内応力が発生する時のインプラント長別 Clinical C/I ratio(以下CC/I ratio)では,実際のインプラント除去例における CC/I ratioよりも 低い値であった.

(3)

研究2として,インプラント周囲炎モデルを用いた振動学的評価を行った.研究1と同モデルを 用い,上部構造を測定用アバットメントφ 4.0 mmで長さ 7.5 mmの円柱型に変更した固有値解析 モデルを作成した.歯槽骨頂より 1.0 mmずつ骨吸収させて各固有振動数を測定し,骨質およびイ ンプラント長による影響を調べた.また,固有振動数からインプラント安定指数(Implant Stability Quotient: ISQ)を算出し,人工骨を用いた骨吸収モデルとの比較を行った.

骨質別に比較すると,骨吸収の進行に伴い固有振動数は減少傾向を示し,骨密度が低いほど低い 固有振動数を認めた.インプラント長別の比較において M-IL-Iでは骨吸収の進行に伴い,固有 振動数はほぼ同様の減少傾向を示し,S-Iではより低い値を示した. ISQ 値は支持歯槽骨の皮質骨 消失前の場合は海綿骨の骨密度が高いほど骨吸収による減少量が小さく,消失後では ISQ 値減少 量が大きくなる傾向がみられた.

骨吸収モデルにおける ISQ 値の変化は,骨吸収5.0 mm までは固有値解析モデルと同様のISQ 値減少の傾向を示した.

本研究より、安全率を考慮したCC/I ratioは,過剰な骨吸収を未然に防ぎ,除去後の治療の負担 を軽減することが可能となるため,インプラント除去を行う一指標となることが示唆された.固有 値解析モデルにおける骨吸収に伴う ISQ 値の減少は骨質とインプラント長により異なる減少傾向 を示した.また,すべての条件で皮質骨吸収時に大きな減少を認め,インプラント安定性には皮質 骨吸収を生じさせないことが重要であることが示唆された.

参照

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