免疫組織化学の基礎と応用
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(2) 免疫組織化学の基礎と応用 蓮井. 和久. 鹿児島大学. 大学院医歯学総合研究科・講師. この講義は、2007 年から大学院専門基礎過程の選択科目として開講しているものである。 教科書には、改訂四版 渡辺・中根の酵素抗体法(名倉宏、長村義之、堤寛 編集)学際 企画を用いています。それに、最近のポリマー法の開発等と私の研究への応用等を基礎に しています。. VIII. 光顕的酵素抗体法の PAP 法、ABC 法、ポリマー法 1. 光顕的酵素抗体法の PAP 法、 ABC 法、ポリマー法:現在、極 普通に用いられている基本とな る染色法である。これらは、酵 素抗体法の間接法の増感法とな ることから、高感度免疫染色と も呼ばれる一方で、極普通に用 いられていることから、通常感 度の免疫染色とも呼称されてい る。. 酵素抗体 複合体. 酵素抗体直接法. Peroxidase – Rabitt antiPeroxisae abitbody complex (PAP complex). 抗原. Fc. 酵素抗体 複合体. 酵素抗体間接法 Fc. Fab Fc 二次抗体(Anti-Rabbit). Fc. 一次抗体(Rabitt). Fab 抗体 抗原 PAP法. それぞれの方法は、既に、 (2) で説明している。右図にその産 物の違いを示した。現在、一般 に用いられているのは、改良型 ABC 法ないし sABC 法とポリマ ー法間接法である。 抗体 抗原. ABC(sABC)法. 一次抗体 抗原. ポリマー法間接法.
(3) 2. 光顕的酵素抗体法の PAP 法、ABC 法、ポリマー法の処理過程 右図に、酵素抗体法 脱パラフィン・ 間 接 法 の 染 色 工程 を 内因性ペルオキシダーゼ不活化 グラフィックに示す。 1 2 3 45 6 7 8 この染色過程は、脱パ 非特異 一次抗体 酵素標識二 酵素 核 反応抑 ラ、内因性ペルオキシ 反応 次抗体反応 反応 染 制処理 ダーゼ不活化、非特異 III IV Ii I 反応抑制、一次抗体反 応とその後の洗浄、酵 一次抗体な 水による洗浄 PBSによる いし二次抗体 素 標 識 二 次 抗 体反 応 〈反応停止) 洗浄 と同じ動物種. と洗浄、酵素反応によ の血清 る呈色、核染色からな る。一般に、二次抗体と同じ動物種の血清 PBS 溶液で非特異反応抑制が行われ、 酵素反応の停止は水による洗浄が行われる。 PAP 法、ABC 法、 ポリマー法の処理過 程を同様にグラフィ ックに示したのが、右 図である。PAP 法と. PAP法. 室温 15m~1hr 4℃ Overnight. 非特異 反応抑 制処理 ABC法 非特異. 一次抗体 反応 PBS. 室温 30m. 室温 30m. 二次抗体反応. PAP複合 体反応. PBS. 酵素 反応. 核 染. PBS. ABC複合 一次抗体 ビオチン化二 酵素 核 ABC 法では、非特異反 反応抑 反応 次抗体反応 体反応 反応 染 制処理 応の抑制には、二次抗 sABC/HRP-labeld St.法 体と同じ動物種の血 非特異 sABC複 一次抗体 ビオチン化二 酵素 核 反応抑 反応 次抗体反応 合体反応 反応 染 清 PBS 溶液で非特異 制処理 TB/TBS TB/TBS TB/TBS 反応抑制が行われる Polymer法 酵素と二次 非特異 が、3%BSA-PBS 溶液 抗体標識ポ 一次抗体 酵素 核 反応抑 リマー試薬 反応 反応 染 制処理 等も用いられ、反応の 反応 洗浄は PBS であった。 しかし、sABC 法やポリマー法では、非特異反応抑制には、カゼイン溶液等が用 いられており、反応洗浄液も、TB ないし TBS が用いられている。一般に、自動 染色装置等での実施では、TBST が用いられている。.
(4) 3. 光顕的酵素抗体法の PAP 法、ABC 法、ポリマー法の実施形態 右図に示す染色過程で、酵素処理による抗原 回復をする場合には、抗原回復の段階から、熱 処理等での抗原回復の場合は、非特異反応抑制 から、実際の染色処理と云うことになる。 内因性ペルオキシダーゼ不活化は、脱パラ直 後に 0.3% 過酸化水素水メタノール溶液に 2-0 分前後浸すか、非特異反応抑制処理の中で、 0.3%ないし 3%過酸化水素水 PBS 溶液で 10 分 間の処理となる。 自動染色装置での工程は、以降に述べるとし て、以下に、用手法とキャピラリーギャップ法 での染色方法を説明する。 用手法 1)湿箱を準備して、底に、 キムワイプ等の紙を引き、 水で充分な湿度が得られ るようにして、割り箸等 を置いて、スライドグラ スの置く場所を確保する。 湿箱は市販のものもある が、100 枚入りのプラスチ ック製標本箱も流用出来 る。 2)試薬、洗浄液、湿箱等 は、年間の室温以上の温 度(25℃ないし 30℃)に 保温して、染色を始める。 3)右図にあるように、抗. 凍結切片. パラフィン切片. 脱パラフィン. 抗原回復. 非特異反応抑制 一次抗体反応 二次抗体反応と検出系. 湿箱(Moist chamber). 長時間の反応でも、反応液が乾燥しないように、湿 箱〈中に、チッシュないしペーパータオルを敷き、水を 浸る程度に入れる。)の中で反応を行う。また、室温 は低い時には、このまま、ホットプレート〈37℃程度 まで)か培養庫に入れることも可能である。. Tween20等の界 面活性剤を含ま ない抗体希釈液 Tween20等の界 面活性剤を含む 抗体希釈液や洗 浄液の利用. 体希釈液や洗浄液に界面 活性剤は入っている場合 には、反応させている間は、パラフィルムを覆っておく。. パラフィルム の利用.
(5) 4)反応後の洗浄は、反応直後の洗浄は、洗浄 液ボトルから、Running water 法(標本の無い 部分に洗浄液をかけて、そこから流れる洗浄液 で洗う)で洗う。 スライドグラスを斜めにして、標本面を下に した状態で、表の上部に洗浄液をかけると、洗 浄液は背面〈標本面)を一様に流れることを利 用することもある。 その後は、染色瓶中の洗浄液に 5 分間浸し、 洗浄液を交換して、合計で、3 回洗う。 キャピラリーギャップ法 右図のように、切片貼付面を向き 合わせて、2 枚スライドを紙一枚程 度の感覚せホルダーにセットする と、その間に、毛細管現象で、反応 液や洗浄液を吸い上げることが出 来る。フイシャー社は 20 枚で 10 組 のスライドがセット出来るホルダ ーを供給している。. 湿箱(Moist chamber)(2). このホルダーを染色瓶にセット すると、右図の右の図のように、湿箱が出来る。専用のドライヤー方式で温度 管 理 の 出 来 る 染 色 セ ン タ ー も 、 フ ィ シ ャ ー 社 よ り 供 給 さ れ て い る (Fisher MicroProbe)。 用手法とキャピラリーギャップ法 での洗浄の違い 右に示す様に、染色瓶中のスライ ドグラスの表面では、洗浄液の対流 が生じ、スライドグラスを洗浄液に 一定時間浸すことで洗浄出来るが、 キャピラリーギャップ法の吸い上 げられた洗浄液では対流が生じる 5 min x 3 times 5 x 3 times に、繰り返しの洗浄液の交換を行う 必要がある。反応液や洗浄液は、吸収紙にスライド下端を当てることで、吸収 紙に吸収される。.
(6) 4. 抗原検出感度 抗原検出感度 の上昇は、緩衝洗 浄液(ABC 法まで の PBS と sABA 法 やポリマー法で の TB/TBS/TBST) の洗浄力の相違 がもたらす非特 異抗原との反応. 見せ掛けの 抗原検出感度. 非特異抗原. 抗原検出 感度. 特異抗原. 酵素抗体間接法 PAP法 ABC法. より高感度. 見せ掛けの 抗原検出感度. 非特異抗原. 抗原検出 感度. 特異抗原. sABC/HRP-labeled Strept.法 Polymer法. の低下の結果、見 せ掛けの抗原検 抗原検出感度の上昇は、 出感度の上昇が 緩衝洗浄液の洗浄力の相違がもたらす非特異抗原との反応の低下の結果、 見せ掛けの抗原検出感度の上昇あるいは低下が生じたものである。ただし、 生じたものであ 顕微鏡下に最終段階の酵素(DAB)反応を調節した場合である。 る。 ただし、顕微鏡下に最終段階の酵素(DAB)反応を反応時間等で調節した場合に は、signal noise ratio は高くなるが、抗原量は反映しているのかは解らなくなる。 可能な限り、所謂、DAB 反応は、5 分間とか 10 分間と決めて、対応する方が良 いようである。.
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