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日本史 A 日本史 B に語句の組合せ 正文組合せ 年代配列 正誤の組合せと続いた 年代配列については 6 択問題が定着した 日本史 B との共通問題は 昨年同様 大問 2 問分 小問で全体の3 分の1の 12 問 得点にして35 点分も占めている この点は 例年お願いしていることではあるが 日本史

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Academic year: 2021

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 ○ 全国歴史教育研究協議会

(代表者 池 口 康 夫  会員数 約16, 200名) TEL 03-3393-1331 今年度の大学入試センター試験(以下「センター試験」という。)について、高等学校において 授業を行う立場から、1の「はじめに」では「日本史A」と「日本史B」の今年度の平均点など全 体的な概観について、2の「各試験の問題の内容や程度について」では問題の内容・程度・設問 数・配点・形式などの科目別の意見や要望について、3の「まとめ」では全体的な要望について述 べてみたい。 1 は じ め に はじめに平均点などの全体的な概観であるが、今年度の「日本史B」は平均点64. 11点で、昨年 度の平均点61. 51点と比べて2. 6点上回り、「世界史B」とは+2. 65点、「地理B」とは-2. 29点の 差がついた。「日本史B」は平成21年度は平均点が60点を下回っていたが、これで昨年度から2年 続けて60点を上回ったことは望ましいことと言える。平均点が上がった要因としては、全体を通 して時代や時期を順に追った問題構成で取り組みやすかったこと、史料や図版などを読み込んで考 えさせる問題が例年より少なかったことなどがあげられる。 また、今年度の「日本史A」は、平均点52. 01点で、昨年度の平均点48. 42点を3. 59点上回り、 3年ぶりに50点台にのったことは評価できる。その要因としては、社会経済分野以外の分野のバ ランスが良く、受験者にとって取り組みやすかったことがあげられる。しかし、「日本史B」の平 均点よりまだ10点以上も下回っていることについては、重く受け止めていただきたい。 出題範囲について、「日本史B」で1990年代の事項が出題されたこと、「日本史A」で前近代か ら出題されたことは、受験者にとっては戸惑いが大きく、高等学校の授業進度や内容にも影響を与 えかねないので、検討をお願いしたい。 以下、それぞれの日本史の試験について検討した結果を申し述べたい。 2 各試験問題の内容・程度などについて 日本史A 本年度は大問6題、小問34題で問題数は昨年と同様であった。「歴史と生活」からの出題が今 年度も第1問として出題された。出題の時代に関しては、今年度も明治期からの出題が非常に多 かった。また、昨年と異なり前近代からも出題された。「日本史A」を中心に学習してきた生徒 にとっては戸惑ったかもしれない。また、戦後史に関しては、昨年より大幅に増加し、出題範囲 も占領期からプラザ合意までと広がった。分野別では、政治分野が多少増加、社会・経済分野は ほぼ同じ、軍事・外交分野が減少、文化史分野は増加と、社会経済分野重視の傾向は変わらない が、他の3分野はバランスがとれている。解答形式では、全34問中、正誤問題が一番多く、次

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日本史A、日本史B に語句の組合せ、正文組合せ、年代配列、正誤の組合せと続いた。年代配列については、6択問 題が定着した。「日本史B」との共通問題は、昨年同様、大問2問分、小問で全体の3分の1の 12問、得点にして35点分も占めている。この点は、例年お願いしていることではあるが、「日本 史A」と「日本史B」は、その設置の趣旨や基本的な性格が異なる科目であり、本来であるなら ば、それぞれ独自の問題を作成するのが望ましく、共通問題としての形式のあり方は、今後も検 討していただきたい。「資料活用の技術や表現」の観点から積極的な活用が期待されている資・ 史料問題に関して、今年度も資・史料(図版「反射炉」・「五稜郭」、図版「日本帝国憲法発布式 典の図」、史料『ベルツの日記』、図版「ビゴーの風刺画」、グラフ「日銀券発行高・物価水準の 推移」、地図「満州地域の鉄道路線図」、図版「ゴジラの映画のポスター」)など、多岐にわたる 資・史料が出題された。特に、写真・図版・グラフなどの資料に関しては歴史的思考力を測る出 題の工夫が見られた。ただ、史料に関しては、もう少し史料を読解する問題など思考力を測る問 題があってもよかったのではないか。また、「日本史A」の平均点に関しては、3年ぶりに50点 台にのったことは評価できる。その要因としては、社会経済分野以外の分野のバランスが良く、 受験者にとって取り組みやすかったことがあげられる。出題分野としては、政治分野を軸とし て、他の分野がバランス良く出題されることが理想である。 第1問は、「歴史と生活」からの出題で、近現代の庶民生活と戦争をテーマとした、母と子の 会話形式の問題。問1は、1955年頃の家庭における情報受容の正誤問題。3 「テレビがある家庭 は1割に満たない」の判断は、当時の高度経済成長期の社会を踏まえた歴史的思考力を測る問題 である。問2は「漆職人と戦争に関した」正誤の組合せであるが、漆職人という視点は興味をひ く内容であり、一問一答にならないような工夫が見られる問題である。ただし、選択肢dの「傾 斜生産方式」は、他の選択肢がすべて戦前の事項なので、戦前の事項に統一してもよかったので はないか。問3は近現代日本の都市社会に戦争が及ぼした影響についての正誤問題。戊辰戦争・ 日露戦争・太平洋戦争・朝鮮戦争の影響についての正確な知識が求められた問題である。 第2問は、幕末から明治初期にかけての政治と近代文化に関する問題。中問Aは幕末の動乱期 の政治、中問Bは戊辰戦争後から明治初期の政治や社会を主題とした問題であった。問1のリー ド文の空欄に該当する語句を答える語句の組合せの問題は、リード文に該当する人物に関するヒ ントがあるので容易に判断できる。問2は、前近代の「天保の改革」についての正誤問題であ る。昨年姿を消した前近代の問題が再び出題された。天保の改革は、「日本史A」では近世から 近代への導入の部分で学ぶことになる。問われている事項の中で、4 の「蕃書調所」は幕末の事 項であるが、半数以上の教科書では扱われていない事項である。やはり出題事項は少なくとも半 数以上の教科書に掲載されている事項を出題するのが望ましい。問3は、「反射炉」と「五稜郭」 の図版からの正文の組合せ問題。反射炉については、「日本史A」の教科書すべてに載っており、 図版も注意深く分析すると大砲なども描かれているので容易に判断できたのではないか。問4は 明治初期の近代化に関しての問題で、地租改正・殖産興業・新貨条例・地租改正についての知識 を測る問題。ただし、3 の「両・銭・厘」はもう少し工夫が欲しい。問5は東京を中心に広がっ た文明開化についての正誤の組合せ問題。Yの「人力車」などもすべての「日本史A」の教科書 に掲載されていて、時期を誤らなければ容易に判断できる。問6は自由民権運動についての年代 配列の問題。民撰議院設立の建白書の提出と讒謗律・新聞紙条例の制定は、時間的に幅が狭い時

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と共通問題。問1に関しては、Xの「幕末の幕府や諸藩の留学」について、「日本史A」でどの くらい扱っているかは疑問であり難問。Yの『自由之理』は判断できたとしても、功利主義につ いての判断は、「日本史A」では難しいであろう。第3問に関しては、ここ数年続いている人物 史をリード文にした問題である。内容的には「日本史A」を学習している受験者にとってはやや 難しい内容である。 第4問は、明治時代の政治・外交に関する問題。中問Aは大日本帝国憲法の発布と庶民の反応、 中問Bはビゴーの風刺画をもとにした1890年代後半の東アジアの情勢などの外交に関する問題。 問1は、知識を問う基本問題。問2は、憲法発布式典の図を参考にしながらの大日本帝国憲法に 関して正誤を問う基本知識を問う問題。第3問は、憲法発布の時期と欧化政策がとられた時期の 判断などの資・史料の読み取りが求められた問題。時間認識の判断・史料分析・図版の資料活用 が求められた歴史的思考力を問う問題である。問4はビゴーの風刺画(「漁夫の利」)を参考に、 1890年代の東アジアの状況について述べた文章を判断する正誤問題。a(ロシア)・b(日本)・ c(清)を図版から読み取った上で、文章の正誤を判断する、知識・理解並びに資料活用・思考 力を総合的に問う問題である。問5は、韓国併合への道のりに関する年代配列問題。第二次日韓 協約・第三次日韓協約・朝鮮総督府の設置の歴史的な流れを理解していれば容易に判断できる。 第5問は、近現代の日本の経済・社会に関する問題。本試験「日本史B」第6問と共通問題。 中問Aは日露戦争から昭和初期にかけての政治・文化・経済、中問Bは昭和初期から敗戦直後の 経済の動向、中問Cは高度経済成長期の経済・社会・外向についての問題。中問Aの問1・問2 などは細かい内容を含む問題で、「日本史A」の受験者層を考えると難しい。 第6問は、近現代の戦争とメディアに関する問題。中問Aは日露戦争前後の新聞・演劇・教育 について、中問Bは日中戦争から戦後にかけての新聞・ラジオ・映画・漫画についての問題。問 1の語句の組合せのアの語句「報道」は、文脈から判断できる問題であり、歴史の問題としては いかがなものか。問2は、日露戦争時の反戦論・非戦論などに関する基本的な正誤問題。問3 は、日露戦争前後の芸能・教育に関する正誤問題。問題文の日露戦争前後から1900年代初頭で あるがやや難である。問4は、X(長春)・Y(漢城(現:ソウル))を判断して、満州地域の鉄 道路線が記載されている東アジア地図上にその位置を選ぶ知識に加え、かつ、歴史上の空間認識 を問う問題。しかし、受験者にとってはX・Yの文章から歴史的な出来事も判断して、X・Yの 地名を導き出した上で、地図上の位置を答えなければならないことから、難しい問題である。問 5のウの重慶が南京陥落後に国民政府の拠点になっていたことやエの防空壕は判断できたとして も、エの選択肢となっている「バラック」の内容を知っている受験者がどれだけいたかは疑問で ある。問6は戦時下のメディアについての正誤問題。戦時下の社会状況を考えれば判断できる内 容である。問7は、戦前から戦後の大衆娯楽についての年代配列問題。「トーキー」・「連合国軍 の占領」・「鉄腕アトム」と時期的に大きく異なる時期のため判断しやすい。問8は、ゴジラ映画 のポスターを参考にした1950年代の核兵器をめぐる出来事についての正文の組合せ問題。ゴジ ラ映画のポスターの読み取りと第1回原水爆禁止世界大会の開催国という基本的な事項のため容 易に判断できる。

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日本史A、日本史B 日本史B 今年度の本試験も大問6題、小問36題で問題数は例年どおりである。時代別では、古墳時代 から選択肢中では1990年のイラクのクウェート侵攻までが出題され、小問全体の4割近く出題 される近現代重視の傾向はこれまでと同様である。時代別の前近代では、第2問で古墳・奈良・ 平安、第3問で平安末から寛永期までやや広めに中世全般を網羅し、第4問も江戸時代全般を扱 う。一方近現代では、第5問で明治前期・中期・後期と大正、第6問で明治後期・大正・昭和初 期・昭和戦前・戦後と、こちらも各時期が漏れなく出題されているのが大きな特徴である。昨年 度は第2問・第4問・第5問は時期が限定された問題であり、好対照をなしている。戦後史を含 む小問は昨年の2題から増え4題であった。出題分野を見ると、各時代、政治・社会経済・軍事 外交・文化史の各分野がこれもおおむねバランス良く出題されているのが大きな特徴である。な かでは政治分野と社会経済分野からの出題が共に15題(ただし混合問題が政治分野は9題、社 会経済分野が5題)と多く、特に社会経済分野の単独問題が多いことが今年度の特徴である。軍 事外交分野と文化史分野の出題はこれも共に9題(混合問題も共に5題)で、第2問の問5、第 4問の問6、第5問の問1など、軍事外交分野と文化史分野の混合問題の出題が今年度は目を引 く。しかし近現代に限ると文化史分野の出題がまだ少ない。人物は第5問で「金子堅太郎」を取 り上げた出題。第6問だった昨年に比べ、問題数が少ないこともあって無理な小問がなく、分野 もバランスがとれている。解答形式では、一昨年度10題から14題へと大幅に増加した正誤問題 が昨年度よりさらに1題減って11題、昨年度7題と増加した年代配列は例年並みの5題で、6 択の形式が定着した。正誤の組合せは4題、語句の組合せは7題、正文の組合せは5題。単純な 語句選択は姿を消したが、語句や人名と事項の組合せ4題の中に三つの組合せの選択肢から選択 するものが登場した。今年度の「日本史B」の平均点は64. 11点で、昨年度を2. 6点上回り、2 年続けて60点台であった。社会経済分野や軍事外交分野と文化史分野の混合問題などは、受験 者の苦手とするところであるが、全体を通して時代や時期を順に追った問題構成で取り組みやす かったこと、史料や図版などを読み込んで考えさせる問題が例年より少なかったことなどが平均 点を上げた理由として考えられる。問題の時期や分野のバランス、構成の工夫は評価できるが、 史料や図版を用いた問題については「歴史的思考力」を問う問題の工夫をさらにお願いしたい。 第1問は、高等学校学習指導要領の「歴史の考察」からの出題で、「明かりと燃料の歴史」を 題材とした主題学習的な通史問題。昨年度と同様の対話形式のリード文は「歴史への関心を高め る」工夫として望ましく、時代をまたぐ小問が問4と問6の2題あることも主題学習の趣旨にか なっている。ただ主題の設定は意欲的だが、直接「明かり」や「燃料」を扱った小問は、問4と 問6の2題程度で、基本は各時代の社会経済分野からの出題であり、全体的に難度が高い。問2 の年代配列のⅢは、「公営田」の用語だけでなく、「班田の維持が困難になった結果」など、9世 紀の特徴を明示してほしい。同様に問3も用語からだけの判断では単なる知識問題になってしま うので、2 に「清国へ」を加えるといった歴史の理解を助ける内容の追加が欲しい。問5は明治 後期の紡績業の労働のあり方を問う良問。問6の正誤問題は、4 で1990年のイラクのクウェー ト侵攻と1979年の第二次石油危機を組み合わせて誤文を構成しているが、受験者がどこまで学 習して臨んだかを考えると難問の部類。 第2問は、中問Aが古墳時代の、中問Bが奈良時代の、中問Cが平安時代の政治と宗教を題材

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べ、今年度は原始・古代のほぼ連続した三つの時代からの出題となっており、受験者にとっては 時代の流れにそって読み解きやすい構成になっている。中問Bは「古代の建物の復元模型の写 真」や「墾田永年私財法」といった史・資料を使った問題。「古代の建物の復元模型の写真」と その説明の組合せを問う問3は、甲・乙・丙の三つの模型写真について答えさせる。昨年度はな かった形式ではあるが、「平城宮内の建物」「寺院」「民衆の住居」のいずれであるかは、特に「日 本史」を学習していなくても容易に判断がつき、資料を使った問題としては適当でない。建物の 写真からその特徴を読み取るような問題であることが望ましい。逆に「墾田永年私財法」に関す る問4の1 は、史料の内容の理解を問う工夫が見られる。史料の省略部分の「限満つる後は~地 を開きし後荒みぬ。」を明示して、内容の理解を問う選択肢をもう一つ設けてもよかった。問2 は古墳時代の各時期の特徴を正確に読み取ることで、歴史の理解力を問うセンター試験らしい良 問。問5は下線部との関連から、唯一海外交流と無関係な内容の僧の動向が正文であることに疑 問を感じる。問6は社会経済分野の年代配列で難問。例えばⅡに「多くの荘園を所有し国司など としばしば対立するようになった有力寺院」などと、時代を把握しやすい具体的なヒントが欲し い。 第3問は、中問Aが地方を、中問Bが『洛中洛外図屏風』を題材に京都を舞台とした、平安末 期から江戸初期までを含む中世全般にわたる総合問題。残念ながら『洛中洛外図屏風』は問題と 効果的に関連付けられているとは言い難い。絵の一部を拡大するなどして絵画資料の読み取り問 題を設けることが望ましい。問3は室町・戦国時代の貿易・外交をテーマに、地図を用いた空間 把握の問題。「寧波」の位置など、日ごろの授業での教科書や資料集の図版の活用が問われる。 ただし同様の地図を用いた空間把握の問題は、1995年の追・再試験や2006年の本試験で出題さ れており、過去問を復習してきた受験者には容易であったと考えられる。問6は文化史分野の年 代配列問題。Ⅰが「平安末期」Ⅱが「寛永期」Ⅲが「桃山期」と配列は容易だが、ここは絵画資 料を使って読み取らせたい問題である。 第4問は、近世の外交・政治・社会に関する設問。江戸初期から幕末期まで、幅広い時期から 出題されており、時期を限定した範囲からの出題であった昨年度とは対照的である。中問Aの リード文、『通航一覧』と「通信」の国・「通商」の国という主題は、特定の教科書にのみ詳しく 書かれている内容であり、リード文として疑問を感じる。問3は2行にわたる選択肢の正誤問 題。歴史の理解力を問う問題として評価できるが、かなり正確な知識をも必要とする難問。中問 Bは史料1でケンペルの『日本誌』、史料2で申維翰の『海游録』という二つの史料を題材とし ている。しかし史料1では下線部が「参勤交代」の説明であることを読み取らせながら、関連す る問4は「参勤交代」の内容理解の問題になりきっていない。また史料2では下線部が日本は世 襲社会で人材の抜擢が困難であるとの内容なのに、関連する問5は下級武士や庶民からの人材登 用策の問題であり内容が矛盾する。総じて史料1・2を読み込んだ受験者ほど解答に戸惑う問題 になっており改善を要する。問6は海外交流による文化の発展を、時期・人物・内容などから総 合的に問う正文の組合せ問題。意欲的な問題だが、通信使の文人との交流など、具体的に触れて いない教科書もあり難問。

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日本史A、日本史B 第5問は金子堅太郎に関する問題。人物に依拠しながらも多様な分野からの出題の工夫が見ら れ、また近年第6問であった人物に関する問題が第5問になったことで、小問数も8題から4題 に減少し、内容に無理がなくなったことは評価できる。ただし金子堅太郎は「日本史B」の教科 書では明治憲法起草で登場する人物であり、やはり憲法との関連の問題が欲しい。問1Xの幕末 の幕府・諸藩の留学生派遣については、教科書によって写真が掲載されているものから何の記述 も見られないものまで、扱いの大きく異なる内容であり配慮をお願いしたい。問2の「コンツェ ルン」についても「四大財閥を中心に」など時期のヒントになるキーワードが欲しい。 第6問は近現代の政治・社会に関する問題。中問Aは明治後期から大正・昭和初期、中問Bは 昭和戦前・戦後期、中問Cは戦後と、通史的に時代が網羅されており、分野の多様性とあわせ て、かなりバランスのとれた出題となった。第5問、第6問については、今後とも近現代分野と いう一つのまとまりのなかで作問をお願いしたい。問3のⅢの「決済不能になったとみなされる 震災手形」という説明は、より正確を期そうとしてむしろ文意が不明瞭になっている。もちろん それと偽った手形は存在しただろうが、この内容ではかえって受験者は迷う。問5はグラフを読 み取る問題。金融緊急措置令は年月を明示し、逆にドッジ=ラインは年月を示さず、知識と読み 取りの両方を問うている。ただ選択肢の「なかなか」「さらに」「ほぼ」などの副詞の使い方が分 かりにくい。問7の正誤問題は、関連する下線部の「公害」にこだわり、4 に「厳しい公害規制 条例を制定した」などと加えるとより時代背景が浮かび上がるのではないだろうか。 なお、今年度も第5問・第6問の大問2題は、「日本史A」との共通問題であった。 3 ま  と  め 例年お願いしていることではあるが、今年度も「日本史A」「日本史B」の共通問題が大問にし て2題出題された。共通問題は、「日本史A」の受験者にとっては細かい内容も含まれており、難 度がやや高い。「日本史A」を受験する層を勘案して、「細かな事象や高度な事項・事柄」からの出 題は避けるべきであり、設置の趣旨等を御配慮の上、それぞれ独自問題の作成を今後も検討してい ただきたい。リード文の一部変更や、問題の改作などは実現可能なのではないだろうか。 ところで、史料や図版、写真、統計資料など用いた問題は、単なる事項・事柄の知識量を問うの ではなく、歴史的思考力を問うという意味で、高等学校で授業を行う立場からも歓迎すべき問題で ある。しかし、単なる読み取りで答えられる問題や史・資料と関係の薄い問題もまだ多いので、更 に出題の工夫をお願いしたい。また、各時代の出題時期や出題分野のバランスについては、例年よ り工夫・改善が見られる科目もあったが、まだ特定の時期や分野に集中する傾向がある。政治史を 軸とした、社会経済・軍事外交・文化等バランスの取れた出題を心掛けていただくとともに、分野 横断型の問題も導入してみてもよいのではないか。 最後に、こうした提言に真し ん し摯に対応していただいていることを踏まえて、さらに、様々な意見交 換を行える場が少しでも多く設定されることを希望しておく。

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