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Effective Lateral Resistance of Combined Timber Joints ( 複 合 型 木 材 接 合 部 の 有 効 せ ん断 耐 力 )

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Academic year: 2021

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博 士 ( 農 学 )   オ ク ム ゴ ー ド ン ワ ニ ヤ マ 学 位 論 文 題 名

Effective Lateral Resistance of Combined Timber Joints

( 複 合 型 木 材 接 合 部 の 有 効 せ ん断 耐 力 )

学 位論文内容の要旨

  木質構造物では釘,ボルト等の機械的接合具が様々な箇所で使われている。ときにはー つの接合部で異なる種類の接合具が併用される複合型木材接合もみられる。釘接合やボル ト接合のような個々の接合部については多くの研究が行われているが,複合型の接合部に ついてはほとんど研究されていない。複合型接合はしばしば実際の木質構造で使われてい るが,現行の規準では正確に評価できなぃ場合も多い。そこで,本論文では,複合型接合 部の2つの例として,釘・ボルト併用接合と木材―合板―木材釘接合をとりあげ,その荷 重 ― 変 位 関 係 を 解 析 し , 設 計 用 許 容 耐 カ の 評 価 法 に つ い て 提 案 を 行 っ た 。 1.釘・ボルト併用接合

  釘・ボルト併用接合は木質構造物の安全性を向上させるためによく用いられる接合法で ある。試験体はトドマツ材(Abies sachalinensis)を用いた主材を2枚の3mm厚鋼板(側材)

で はさむ 形式で作 製した 。接合部 の種類 は,CN50釘の み,径10mmのSS400ボルトのみ,

お よび両 者を合わせた接合具で接合する3種類とした。ボルト接合部において鋼板と主材 の 先孔径 は12mmとし た。試験 体数は各種類18体ずっとした。試験は油圧試験機で行い,

主材と鋼板間の相対変位を測定した。

  釘・ボルト併用接合部のせん断試験を行った結果,荷重一変位曲線の形状が階段型にな ることが観察された。これは負荷の際,釘とボルトの荷重負担の開始時期がずれることが 原因で,ボルトと先孔間に隙間があることに起因する。従来の接合部の評価方法では,試 験より得られた荷重変形曲線を完全弾塑性モデルに置換して諸特性値を算出する。しかし,

荷重変形曲線が階段状となった釘・ボルト併用接合部では,降伏荷重を従来の評価方法で は適切に評価できないことが明らかとなった。そこで,新たに許容変位の考えを取り入れ た許容耐力評価方法を試みた。

  はじめにボルト接合部の主材と側材の先孔内で生じる初期すべりの合計を,それぞれの ボルトの初期位置の分布確率を正規分布と仮定したモンテカルロ・シミュレーションによ って求めた。1000個の正規乱数を発生させて,鋼板と木材の先孔内におけるボル卜初期位 置の分布(ボルトが鋼板や木材に接するまでの距離)の分布を得た。その分布の上限5%値 をノンパラメトリックに求め,初期すべり量を決定した。シミュレーションの結果,ボル トの初期すべりを先孔クリアランス(先孔径ーボルト径)の75%とみてよいことがわかっ た。そこで,ボル卜接合部の荷重変形曲線を解析から得られた初期すべりだけ平行移動し,

釘接合部の荷重変形曲線と足し合わせることで,初期すべりの大きさが異なる併用接合部 の荷重変形曲線をモデル化することができた。

  次に許容変位の決定だが,許容変位は接合部の種類や接合箇所によって取り得る値が異 なる。ここでは,木造住宅に一般的に使われている筋かい端部の釘・ボルト併用接合部を 想 定して ,その構 造体の 損傷限界 である 変位(2mm)を採用 した。モデル化された併用接 合部と実際の併用接合部の荷重変形曲線から以下の結果が得られた。(1)最大耐カは先孔の

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大 き さ と 被 接 合 部 材 の 靱 性 に 左 右 さ れ る 。(2)初 期 剛 性 と 有 効 許 容 耐 カ は 先 孔 の 大 き さ と ボ ル ト の 初 期 位 置 に 左 右 さ れ る 。(3)釘 ・ ボ ル 卜 併 用 接 合 は 個 々 の 接 合 具 を 単 独 に 用 い た 場 合 に 比 べ て 破 壊 ま で の 吸 収 エ ネ ル ギ ー が 大 き く 耐 震 性 に 寄 与 で き る 。 2. 木 材 一 合 板 ― 木 材 釘 接 合

  木 材 一 合 板 一 木 材 釘 接 合 は 枠 組 み 壁 工 法 に よ る 木 造 住 宅 な ど で 見 ら れ る 接 合 部 で , 例 え ば , 床 根 太 の 上 に 下 地 合 板 をCN50で 釘 打 ち し , 合 板 の ヒ に 立 て 起 こ し た 耐 力 壁 の 下 枠 の 上 か ら 合 板 を 貫 通 さ せ て 根 太 にCN90で 釘 打 ち す る 場 合 で あ る 。 こ の 場 合 , 下 枠 と 根 太 と の せ ん 断 カ の 伝 達 は , 以 下 の2つ の メ カ ニ ズ ム に よ る 。(1)下 枠 に 作 用 し た 水 平 カ の 一 部 がCN90 を 介 し て 根 太 に 直 接 伝 わ る ,(2)下 枠 か ら 合 板 に 伝 わ り , さ ら にCN50を 介 し て 根 太 に 伝 わ る 。 こ の よ う な メ カ ニ ズ ム を 想 定 し た 設 計 法 は ま だ 整 備 さ れ て い な ぃ 。 そ こ で , 部 材 の 間 に 合 板 を 挟 み 込 ん だ 接 合 部 の 挙 動 を 把 握 す る た め に , 木 材 一 合 板 一 木 材 釘 接 合 部 試 験 体 を 作 製 し て せ ん 断 試 験 を 行 っ た 。

  主 材 ( 根 太 を 想 定 ) と 合 板 間 の 釘 本 数 が 木 材 一 合 板 ― 木 材 釘 接 合 部 の せ ん 断 性 能 に 与 え る 影 響 を 調 べ る た め , 主 材 と 合 板 は04本 のCN50釘 で 釘 打 ち し ,CN901本 を 用 い て 側 材 ( 下 枠 を 想 定 ) か ら 合 板 を 通 し て 主 材 ヘ 釘 打 ち し た 。 ま た 主 材 と 合 板 聞 に す べ り が 生 じ な い よ う に ポ リ ウ レ タ ン 樹 脂 接 着 剤 で 接 着 し て 側 材 と 主 材 をCN90釘 で 釘 打 ち し た 接 合 部 , 主 材 ― 合 板 釘 接 合 部(CN50使 用 ) , 主 材 一 側 材 釘 接 合 部(CN90使 用 ) に つ い て も 試 験 を 行 っ た 。 主 材 と 側 材 に はS‑P‑F204材 を 用 い , 合 板 に は15mm厚 カ ラ マ ツ(Lar ix kaempferi) 合 板 を 用 い た 。 試 験 体 数 は 各 条 件6体 ず っ と し た 。

  接 合 部 の せ ん 断 試 験 は 油 圧 試 験 機 で 行 い , 主 材 と 側 材 間 の 相 対 変 位 と 主 材 と 合 板 間 の 相 対 変 位 を 測 定 し た 。 合 板 と 側 材 間 の 相 対 変 位 は , 主 材 一 側 材 間 と 主 材 一 合 板 間 の 相 対 変 位 の 差 か ら 算 出 し た 。

  実 験 の 結 果 , 主 材 ― 合 板 間 の 変 位 量 はCN50釘 が 増 加 す る と 減 少 し た 。 合 板 一 側 材 間 の 変 位 量 は 最 大 荷 重 ま で は 釘 本 数 の 影 響 は み ら れ な か っ た が , 最 大 荷 重 以 降 は 釘 本 数 の 影 響 が み ら れ た 。 主 材 ― 合 板 問 の 変 位 は 合 板 ― 側 材 問 の そ れ よ り も 小 さ い の で , 荷 重 と 接 合 部 全 体 の 荷 重 一 変 位 曲 線 はCN50釘 の 本 数 に よ っ て 少 し 変 化 す る 結 果 と な っ た 。CN50釘 が 釘 打 ち さ れ た 接 合 部 の 初 期 剛 性 は 主 材 ― 側 材 釘 接 合 部 よ り も 低 い 値 を 示 し た が ,CN50釘 の 本 数 を 増 や す こ と で 改 善 で き る こ と が 分 か っ た 。

  一 方 , 最 大 荷 重 に つ い て は , 主 材 ― 合 板 間 のCN50釘 が1本 以 上 あ れ ば 差 が み ら れ ず , 主 材 ― 側 材 釘 接 合 部 よ り も 高 い 値 を 示 し た 。CN50釘 が 釘 打 ち さ れ て い な い 接 合 部 の 最 大 荷 重 は , か な り 低 か っ た 。 ま た , 主 材 と 合 板 を 接 着 し た 接 合 部 の 最 大 耐 カ はCN50釘 打 ち 接 合 部 よ り も 高 い 値 を 示 し た 。 合 板 を 主 材 と 側 材 の 間 に 挟 み 込 ん だ 接 合 部 が 主 材 と 側 材 を 直 接 CN90釘 で 釘 打 ち し た 接 合 部 よ り も 高 い 値 を 示 し た 理 由 と し て , 合 板 の ク ロ ス バ ン ド が 降 伏 後 の 釘 の め り こ み 抵 抗 に 寄 与 し た と 推 測 さ れ る 。

  終 局 変 位 はCN50釘 の 本 数 が 増 え る に 従 っ て 増 加 し た 。 こ れ は 破 壊 に 達 す る ま で の エ ネ ル ギ ー 吸 収 量 が 増 加 し た こ と を 意 味 す る 。

  主 材 と 合 板 が 適 切 に 接 合 さ れ , 合 板 の 密 度 が 主 材 ・ 側 材 の 密 度 よ り も 大 き い 場 合 , . 木 材 ー 合 板 一 木 材 釘 接 合 部 を 木 材 ― 木 材 釘 接 合 部 と み な す こ と で , 許 容 せ ん 断 耐 カ を 推 定 で き る こ と が わ か っ た 。 こ れ は こ の 形 式 の 接 合 部 を 現 行 の 規 準 に 従 っ て 評 価 で き る こ と を 意 味 し て い る 。

  以 上 , 複 合 型 接 合 に つ い て 実 験 的 検 討 を 行 っ た 結 果 , 適 当 な 接 合 具 の 組 み 合 わ せ に よ っ て 接 合 部 の エ ネ ル ギ ー 吸 収 量 を 増 加 さ せ , 耐 震 性 を 高 め ら れ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 ま た , 併 用 接 合 部 の 性 能 は 現 行 の 指 針 等 で 示 さ れ て い る 評 価 方 法 で は 評 価 で き な ぃ こ と が わ か っ た 。 こ の た め , 許 容 変 位 の 考 え 方 を 取 り 入 れ た 評 価 方 法 を 新 た に 提 案 し た 。 し か し , 複 合 型 接 合 は 使 用 条 件 に 応 じ て 許 容 変 位 な ど が 異 な る 。 こ の た め , 設 計 法 を 一 般 化 す る の で は な く , 条 件 に 応 じ て 個 男I亅 に 設 計 す る の が 適 当 で あ る 。

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学位論文審査の要旨 主査 副査

副査 副査

准教授 教授 教授 助教

小泉 平井 小池 澤田

学 位 論 文 題 名

章夫 卓郎 孝良     圭

Effective Lateral ReslStanCeofCOmbinedTimberJOintS      ( 複 合 型 木 材 接 合 部 の 有 効 せ ん 断 耐 力 )

  本論文fま図29,表9,引用文献142編を含む総頁数134頁の英文論文であり,他に参考 論文2編 が添えられている。

  木質構造物では釘,ボルト等の機械的接合具が様々な箇所で使われている。これら個々 の接合部については多くの研究が行われているが,異種接合具を組合せて用いる複合型の 接合部についてはあまり研究されていない。また,複合型接合は現行の設計規準では正確 に評価できない場合も多い。そこで,本論文では,複合型接合部の代表例として,釘・ボ ルト併用接合と木材―合板一木材釘接合をとりあげ,その一面せん断における荷重―変位 関 係 を 解 析 し , 設 計 用 許 容 耐 カ の 評 価 法 に つ い て 提 案 を 行 っ た 。

|,釘・ボルト併用接合

  釘・ボルト併用接合は木質構造 物の安全性を向上させるためによく用いられる接合法で ある 。本 研 究で は, 木材(主材 )と3mm厚鋼板(側材)をCN50釘と径10mmのボルトを併 用して接合した試験体について, せん断試験を行った。その結果,荷重一変位曲線の形状 が階段型になることが観察された 。これは負荷の際,釘とボルトの荷重負担の開始時期が ずれることが原因で,ボルトと先 孔間に隙間があることに起因する。この初期すべり量を ボルトの初期位置の分布確率を正 規分布と仮定したモンテカルロ・シミュレーションによ って求めた。その結果,ボルトの 初期すべりを先孔クリアランス(先孔径―ボルト径)の 75%とみてよいことがわかった。 そこで,ボルト接合部の荷重変形曲線を,解析から得ら れた初期すべりだけ平行移動し, 釘接合部の荷重変形曲線と足し合わせることで,釘・ボ ル卜併用接合部の荷重変形曲線を モデル化することができた。このような挙動の降伏荷重 は,従来のように接合部の荷重〜 変位挙動をbiーlinear置換して求める評価方法では,適

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切に評価できなかった。そこで,新たに許容変位の考えを取り入れた許容耐力評価方法を 提案した。ここで,許容変位については,在来構法住宅で一般的に使われている筋かい端 部の釘・ボルト併用接合部を想定して,その構造体の損傷限界変位を採用した。モデル化 された併用接合部と実験から得られた併用接合部の荷重変形曲線を考察して,以下の結論 が得られた。(1)最大耐カは先孔の大きさと被接合部材の靱性に左右される。(2)初期剛 性と 有効許容耐カは先孔の大きさとボルトの初期位置に左右される。(3)釘・ボルト併用 接 合 は 破 壊 ま で の 吸 収 エ ネ ル ギ ー が 大 き く , 耐 震 性 に 寄 与 で き る 。

2.木材一合板―木材釘接合

木材―合板―木材釘接合は枠組み壁工法による木造住宅などで見られる接合部で,例えば,

床根太と耐力壁の間に下地合板をはさむ接合がある。この場合,耐力壁下枠と床根太のせ ん断カの伝達は,以下の2つのメカニズムによる。(1)下枠に作用した水平カの一部がCN90 を介して 根太に直接伝わる,(2)下枠から合板に伝わり,さらにCN50を介して根太に伝わ る。このようなメカニズムを想定した設計法はまだ整備されていない。そこで,部材の間 に合板を挟み込んだ接合部の挙動を把握するために,CN50で合板を釘打ちした主材に側材 をCN90釘で接合した試験体を作製して,せん断試験を行った。実験の結果,最大荷重につ いては, 主材一合板間のCN50釘が1本以上あれぱ差がみられず,主材に側材を直接釘打ち したものより高い値を示した。合板を主材と側材の間に挟み込んだ接合部が主材と側材を 直接CN90釘で釘打ちした接合部よりも高い値を示した理由として,合板のクロスバンドが 降伏後の釘のめりこみ抵抗に寄与したと推測される。初期剛性と終局変位はCN50釘の本数 が増えるに従って増加した。これは破壊に達するまでのエネルギー吸収量が増加したこと を意味する。以上,主材と合板が適切に接合され,合板の密度が主材・側材の密度よりも 大きい場合,木材ー合板―木材釘接合部を木材ー木材釘接合部とみなすことで,許容せん 断耐カを安全側で推定できることがわかった。これはこの形式の接合部を現行の規準に従 って評価できることを意味している。

  本研究の結果,複合型接合では,適当な接合具の組み合わせによって接合部のエネルギ ー吸収量を増加させ,構造の耐震性を高められることが明らかとなった。また,釘・ボル ト併用接合部の性能は現行の指針等で示されている評価方法では評価できなぃことがわか った。このため,許容変位の考え方を取り入れた評価方法を提案したが,複合型接合は使 用条件に応じて許容変位などが異なる。このため,設計法を一般化するのではなく,条件 に応じて個別に設計するのが適当であることを明らかにした。ニれらの研究成果は今後の 木質構造設計に大きく寄与するものである。よって、審査員ー同は、オクム.ゴードン・

ワ ニ ヤ マ が 博 士 ( 農 学 ) の 学 位 を 受け る の に十 分 な 資 格を 有 す るも の と 認め た 。

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参照

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