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複合ホヤPolyandrocarpa misakiensisの前断片の癒合による重複個虫

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Academic year: 2021

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(1)横浜国立大学教育学部. (1986). ll-17. :. 理科教育実習施設研究報告(3). 複合ホヤPolyandrocarpa. misakiensisの前断. 片の癒合による重複個虫* 種田. Polyandrocarpa. misakiensis. Yasubo. summary have. :. the. fused. Fragments. together. at. longitudinal. tive. revealed. difference. at. part. by. represented that 4. the. were. given. types. of. If. the. On. area・. to. a. two. zooid・. Application. monsters. positional. were. may. 4. of. of. the. the. each. morphology. Latitudinal. types・. Thus,. were. produced,. the basis. into. misakiensis,. fragments. anterior. monsters. divided. coordinate・. Polyandrocarpa. ascidian・. fusion were. the. **. double-zooid. monsters. longitudinal. within. compound. surfaces,. values. positional. was. monsters. cut. the. organs,. regenerated. organ. their. TANEDA. regeneration・. morphallactic. the posterior. regenerating of. for. capacity. of the. of zooid. of Two. Ascidian,. in the Compound. Halves. Anterior. the Fusion. From. Derived. Monsters. Double_Zooid. 保穂**. position. of. ■coordinate. the. from. be resulted. the. and each the. to. quantita・. values・. 1901)。一つはトカゲの尾. 動物の再生には2つの様式があると言われている(MoRGAN,. や両生類の肢の再生に代表される真の再生で,付加再生という。このような再生では,切 断面で再生芽が作られ,次に再生芽の細胞が分裂し,再分化して失われた部分が復元され る。一方,ヒドラや初期腫などでは残された部分だけで個体が再編成される.したがって 細胞分裂は関与しない。このような再生を形態調節というo 近年,動物の発生や再生によってパターンがどのようにして作られてくるかという問題 1969,. がとりあげられ,位置情報理論(WOLPERT,. 1971)が多くの動物に適用されてきたo. この理論に基づき,ニワトリの肢芽の形態形成はJfr基軸に関して発達域(SUMMERBELL ら, 1973)が,前一後軸に関して極性化活性域(TICKLEら,. -1975. ;. SuMMERBELL,. が存在していることが示唆されている。また付加再生による形態形成については極座標モ *横浜国立大学教育学部理科教育実習施設研究業績7号 **横浜国立大学教育学部附属理科教育実習施設(Manazuru Education,. Faculty. of. Education,. Yokobama. National. Marine. Laboratory. University). for. Science. 1979).

(2) 種. 12. 1976;. デル(FRENCⅢら,. 保. 田. 穂. 1981)が広くあてはまることが示唆されている。. BRYANTら,. 一方,形態調節によるパターンの形成についてはまだ十分満足の行く理論は提出されて いない。. 複合ホヤPolyandrocarpa. misakiensisは形態調節により再生し,その際,再生され る器官の大きさは位置情報に基づいて決定されると考えられる(TANEDA, 1985)。本種の 前断片を切断面で癒合させると,後部器官が癒合面に形成され, 官を持った重複個虫が得られる(TANEDA,. 1つの表皮内に2組の器. 1985)。本研究ではこうして得られた重複個虫. における後部の形態,特に消化管の形態について検討した。 TIIOMPSON. (1917)は動物の形態の研究から格子変形法という方法を考案し,近縁の生. 物どうしの体形が,比較的簡単な変形によって関係づけられることを示した。その後,こ (1976)により腫の形態に応用され,形態形成の原因. の方法はJACOBSON&GoRDON.. の解析に効力を発揮した。このように形態を座標の変形としてとらえることは,形態を比 較する上で非常に有効な手段であると考えられる。そこで,重複個虫の形態を正常個虫の 座標の変形としてとらえ,種々のタイプの重複個虫の形態を比較した。. 材料と方法 材料にはPolyandrocarpa 詳細については. misakiensis. WATANABE&ToKIOKA. (図1. )の芽生個虫を用いた。本種の形態の. (1972)を参照されたい.材料はスライドグラ スに付着させ,筑波大学 下田臨海実験センター付 近の湾内に浮かせた生筆 内で飼育し,実験に用い る際には同センター内の 室内の流水海水中で飼育 した。. 体長約7-8. mmの比較 的大きな個虫を選び,莱 体顕微鏡下でカミソリの 刃で作った微小メスで入 水孔と出水孔の中央で横 に切断し,後半部を除去 する。こうして得られた 前半部をスライドグラス からはがし, 図1.. Poryandrocarpa. A.背面. B.腹面. en,内柱. es,食道. 1Tlm.. misakiensisの芽生個虫. as,出水孔 ht,心臓in,腸. bs,入水孔 st,胃. cg,脳神経節 スケールは1. 2個を切断. 面同志で向かい合わせス ライドグラスにのせ,周 囲の余分な海水をろ紙で.

(3) 13. 複合ホヤの重複個虫 吸い取る。次に入水孔が出る位の目の荒いナイロンメッシュをかけ,軽くしばる。それか ら海水を浸ませた脱脂綿を入れた容器内に約1時間放置し,傷口が癒着したところで静か. に海水中に戻し,数日後に湾内の生筆に戻して飼育した。約2週間後,傷口同志うまく癒 合すれば,. 1つの表皮の中に2組の器官を持った重複個虫が得られる。得られた重複個虫. は10%海水ホルマリンで固定し,エチルアルコールで脱水,キシレンで透明化し,光学顕 微鏡で観察した。. 結. 果 2個の断片の傷口が 完全に癒合し,重複個 虫が得られる率は非常 に低く,癒着が不十分 で断片がそれぞれ独立 に再生したり,一方, あるいは両方の片が死 ぬことが殆んどであっ た。数百例の実験から 19例の重複個虫を得る ことができた。重複個 虫は基本的には癒合面 の両側に後方が再生さ れた形をとるが,再生 された後部構造はいく つかのパターンに分け ることができた。 背面では癒合面上に 出水孔が作られたが, 中央に1個か,両側に 1個ずつの2個かどち らかであった(図2)0. 図2.重複個虫背面の2型 B.出水孔2個の型 A.出水孔1個の型 入水孔 cg,脳神経節. as,出水孔. bs,. この出水孔のタイプ は消化管のタイプとも 関連性がある。消化管. につながる囲鯉腔壁の膜は(これが後端を示す)癒合面の両側に作られていた。消化管. ループは正常個虫では内柱と鋭角をなしているのに対し,重複個虫ではかなりの角度をな していた。消化管の形態は,以下の4型に区別することができた。 1型:中央に完全に癒合して1個のように見える胃と,胃の左右から出ている湾曲した.

(4) 種. 14. 保. 田. 穂. 図a.重複個虫腹面の4型 A.. 1型. B.. 2型. C.. 3型. D.. 4型. 詳しくは本文参照. 腸をもつ(図3A) との型では出水孔は1個の場合が多く,. 2個の場合は2例であった。. 2個の湾曲した腸をもつ(図3B). 2型:部分的に癒合した胃と,. 3型:独立した2個の胃と湾曲した2個の腸をもっ(図3C) 4型:独立した2個の胃と伸長した2個の腸をもつ(図3D) 2型以下では通常出水孔は2個. 表1各型の重複個虫の出現数. であるが,. 消化管の形態 1型 出水孔1個 出水孔2個. 2型. 3型 1. 1. 2. 5. 4. 考. 1例ずつ1個のものが認められた。. 4型. 0. 3型と4型でそれぞれ. 各型の出現状況は表1に示されて いる。. 察. 以上の実験結果から重複個虫に見られる後部構造にはいくつかの共通性が認められるo 後端は癒合面の両側に作られること,出水孔は背部癒合面上に作られること,消化管が伸 長しループを形成しなかった場合でも必ず食道と虻門ははぼ同じ場所にあることなどであ る.このことは後部再生に関して癒合面が重要な意味をもっていることを示唆する。内臓. 逆位個虫と正常個虫の断片の癒合の実験(種田,未発表)から後部の再生には前後軸と左 右軸とが関係していることが明らかになった。 polyandrocarpa. misakiensisの芽体発生に関する研究から・芽体の形態形成に位置情.

(5) 15. 複合ホヤの重複個虫 KAWAMURA,. 報が関係していることが示唆されている(. 1984. ;. KAWAMURA. &. WATANABE,. 1983)。形態形成の原因として位置情報が存在すると思われるので,ここでは重複個虫の 形態から逆に位置価の座標を求めてみた。 前述した様に,後部の 再生に関して前後軸と. a. 左右軸が関係しているこ とから,極座標モデル. C. (`FRENCEら,. 1976)に. ならって個虫を図4のよ うな座標で表わした。こ g h. Eコ■】. 987. うして各部器官の位置を. -.■.6543. 一og.. 1. l. h. /,-I/.... u. □. .''A.1. l. 座標で表わすことができ る。そこで,重複個虫に 適用すると,図5が得ら れる。この図から,各々 の型の形態はともに非常 によく似たパターンを示 し,程度の差として捉え ることができる。特に, 3型と4型は消化管の形. 8. 7. 6. 5. 3. 4. 態は著しく異なっている. C. が,位置価の座標パター ンは極めて類似している。. 図4.個虫の位置価の座標 B.腹面 C.前端から見た図 右軸は0-11で表わしてある. A.背面. 前後軸はa-m,左. 背面の位置価の座標パター ンについても同様の方法 で作図してみると,腹面. の座標パターンと類似し,. 1型では出水孔が1個である場合が多いのに対し,. 2型以下で. は殆んどの場合出水孔が2個であることもよく理解できる。 ところで,このホヤは囲鯉腔壁出芽による無性生殖を行うが,その際,消化管などは囲 鯉腔上皮によって作られてくる(KAWAMURA. &. NAKAUCHt,. 1984)oまた,再生の際にも. この細胞群が形態形成に中心的役割を演じている(種田と伊藤,準備中)。したがって, 位置価の座標は囲鯉腔壁につけられるべきである。また,種田(未発表)によると,形態 形成に関係する位置情報は囲鯉腔壁自身にあるらしい。 ともかく,重複個虫のパターンを理解するには位置情報理論は極めて有効である。位置 情報理論によると,形態調節による再生では切断後,切断端に一方の末端が形成され位置. 価の再編成がおこるとされる。今回の研究から,位置価の再編成は,残された前端と新し く作られた後端の間を均等に分割するように行われるのではなく,後端の強さによって再 編成される範囲は異なると考えられる。後端がより発達したもの(図で癒合面がふくれて.

(6) 3 4. 堤 図3参照. 図5.垂腹個虫腹面の位置価の座標 A.. B.. 1型. C.. 2型. D.. 3型. 4型. いるもの)ほど3乳4型になり,背面には出水孔が2個できる。一方,新しく形成され た後端が発達しないと,. 1型になり,背面には出水孔が1個形成される。このことは,こ. のホヤの形態調節が完全な位置価の再編成,即ち組織の再編成を意味するのではなく,癒 合面付近で局部的な再編成がおこることを示唆するoその意味で付加再生的要素を含んで いると考えられる。. 謝. 辞. 本研究を行うにあたり,材料の維持・管理などで多大なお世話をいただいた筑波大学渡 辺浩教授はじめ筑波大学下田臨海実験センターの所員の方々に厚く感謝の意を表します。. 参 BRYANT・. S・ V・, V・ FRENCH. 212 FRENCH,. V". JACOBSON・. P・ J・ BRYANT. AI G・ &. system. S・ V・ BRYANT,. &. RGoRDON・. analyzed. Distal. regenerationand. Science. symmetry.. 1976. Pattern. in epimorphic. regulation. fields.. Science. 1976. experimentally,. Changes. in. the. mathematically. shape. of. developing. the. by computer. and. vertebrate. simulation・. nervous. J. Exp.. Zool.. 191_246.. :. KAWAMURA, buds. 1981. 献. 969_981.. :. 197. P・ J・ BRYANT,. 文. 993_1002.. :. 193. a. 考. K・・ 1984 :. A. gap. The. mechanism. of positional. values. of anteroposterior triggers. posterior. in ascidian cell determination palleal Dev. Roux's Arch. Biol. 193. formation.. :. 24_35. KAWAMURA,. K・ 良 M・. NAKAtJCHI,. 1984. Changes. of the atrial. epithelium. during. the. development. of.

(7) 複合ホヤの重複個虫 anteroposterior misakiensis. KAWAMURA,. K. &. nation. of. Biol.. 192. MoRGAN,. T.. :. H.,. C・・ D・. WATANABE,. regulation. W・,. Sagami. Seto. Mar.. WoLPERT, 224.. 0n. 1917. parental. palleal. Lab.. Biol.. with. 19. :. Polyandrocarpa. ascidian,. 15135. intormation. positional. budding. in. in the Roux's. ascidians.. determi-. Arch.. Dev.. :. 1973. York. information. Positional. in. chick. limb. mor-. or. 233. form.. and. compound. Cambridge. Univ.. Press.. 1975. J・ Embryol・ Two. remarks. in the. Polyandrocarpa. ascidian,. 331-334.. L・ WoLPERT,. 1972. organs. regenerated :. new on. Positional exp.. Morph.. signalling 50. :. and one possibly life history, especially. species. their. and. specification. of digits. 217-233. new. race. of. the mode. social. styelids. of budding.. Publ.. 327_345.. Positional 25. New. L.WoLPERT,. morphogenesis・ Bay,. L・, 1971. of. role. polystyelid :. 492-495.. growth &. T・ ToKIOKA,. L・, 1969. J. Theor.. :. Zool.. SuMMERBELL,. H・ &. 5. Macmillan,. &. Size J. Eq.. from. WoLPERT,. LEWIS 244. limb. in chick. the. D. during. polarity. Nalure. misakiensis.. TICKLE,. The. 1983. Regeneration.. J. H.. Y・・ 1985. D・. of. Ser.. Univ.. 28_36.. 1901. D.,. buds. palleal. Sci. Kochi. H. WATANABE,. phogenesis.. THOMPSON,. Fac.. anteroposterior. SuMMERBELL,. TANEDA,. in. organization Men.. 17. information. and. the. spatial. pattern. of. cellular. differentiation.. 1_47.. Positional. information. and pattern. formation・. Curr・. Top.. Dev.. Biol.. 6. :. 183-.

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