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<論文>通信ネットワークを利用した学術研究 : 学術研究会事例に基づく電子掲示板利用形態の分析 利用統計を見る

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術研究会事例に基づく電子掲示板利用形態の分析

著者

旭 貴朗

著者別名

Asahi Takao

雑誌名

経営論集

31

ページ

23-41

発行年

1988-03-25

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005742/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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通 信 ネ `

リ ト ワ ー ク を 利 用 し た 学 術 研 究

学術研究会事例に基づく電子掲示板利用形態の分析-旭

目^ 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 次 ト は じ め に 上 事例におけ る通信技術利用方式 電子掲示板の利用度 電子掲示板におけ る文書の内容 学術研究過程におけ る電子掲示板の利用実態 結 論 お わ り に 23 1. は じ め に ノ し 本稿で は通信ネ ット ワ- ク犬を利 用して学術研究を行ってい る研 究会を事例 とし て紹介し ,そ の研究 会がど のように通信ネット ワークを利用し てい るか の形態分析 を行 う。 ここでは通信ネ ット ワークが提供し てい るサ ービスの う ち,特に電 子掲示板 (後 出) の利用形 態に注 目する。分析は電子掲示 板に残 された記録を もとにし て行 う。 遠隔地 に所在す る者が互いに通信を 行 うには大別して①直接相手先に電話 をかけ てコンピ ュータを 接続す る方 法と②既存のVAN (付加価値 通信 網)1) を利用し て間接的に通信をお こな う方法 の2 種類かおるが, ここでは後 者の 既 存VAN を利用した 通信につい て考察する。 また専用 回線ではなく公衆電 話回線を利用した通信 につい て議論を行 う。 つぎに考察対象事例 の研究会べ以下 ではS 研究会と略す る)につい て簡単 に紹介する。S 研究会は東京近 郊とい った比較的 に近い場所にい る研究者 の 集ま りではな く,国 内の複数 の都道 府県 にまたがる研究者から成 る20名程度 め研究会であ る。筆者 も所属し てい る。 また各 々の研究 者は比較的共 通性の あ る研究 分野に所 属す る者 であ る。研 究 会は昭和60年 よ丿り月1 回 の ミーテ ィ

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ンダを開始し ていたが,常 に時間不足 のため充 分な情報交換が できない不満 を抱えてい た。そこで昭和61 年12月 よ りネ ット ワーク(N 社PC-VAN ) の 利用を開始し,す でに1 年 間を経過し てい る。 本稿で はこの研究会の学術研究方式を事 例とし て紹介す る。 つぎに最初 の1 年 間 の通信記録をもとに,学術研究におけ る通信 ネ ット フーグの利用形態 の分析を行 う。最後に今後 の研究課題 につい て考察 す る。 2. 事例における通信技術利用方 法 まず 最初にS 研究会が利用してい る通信技術利用方式 につい て簡単に紹介 す る。S 研究会はN 社 のPC-VAN を利用し てい る。S 研究会 はこのネット ワ ークに限らず多 くの大規模通信ネ ット ワークに共通す る機能を利用し てい る。 [ 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク] 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク の 本 体 は 文 書 フ ァ イ ル を 単 位 と す る 巨 大 な デ ー タ ベ ー ス と 考 え る こ と が で き る 。 た と え ば ワ ー プ ロ で 書 か れ た 文 書 を 一 つ の フ ァ イ ル と 考 え よ う 。 こ れ が 大 量 に 保 管 さ れ て い る 。 そ の と き 関 連 の あ る 文 書 は 共 通 の 見 出 し を つ け て 管 理 さ れ る 。 さ ら に 小 さ な 分 類 か ら 大 き な 分 類 へ と 階 層 的 に 管 理 さ れ て い る 。 最 も 上 位 に あ る 見 出 し 力り イ ソ ・ メ ニ ュ ー で あ る 。 従 っ て こ こ か ら 階 層 構 造 を 下 位 に 向 か っ て 辿 っ て 行 く こ と に よ っ て 希 望 の 種 類 の,1 で1・ ㎜ 文 書 に 到 達 す る 。 多 く の ネ ッ ト ワ ー ク は こ の よ う な 階 層 的 な デ ー タ ベ ー ス と 見 な せ る2)。 -Jお知 らせー …… メ イン ●メ ニュ ー−1− ……ヒ12.CUG-S 研究晏一 電 \ | 丿 子 メール 于掲示 板 図1 文書ファイルの管理階層 すなわちネットワーク を 利用するとは, この デ ータベ ースに対して国内 の各地から 遠隔操作によって 情報を検索・書き込 みを 行うことに 他ならな い3)。遠隔操作は電話回線を利用して行ってい る。

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通信ネットrjークを利用した学術研究25 [CUG ]/PC-VAN に は 何 万 人 とい う利 用 者 が存 在 す る4)が , 特 に あ る一 定 の ダ ン パ ・だ け が 他 の利 用 者 には知 られ た くない 情 報交 換 を 行 い た い と き, ネ ッ ト ワ ーク会 社 に 申 請 す る こ とに よっ てCUG (CLOSEDUSERSGROUP ) を 形 成す るこ と が で き る。CUG は 限 られ た利 用 者 だ け し か 利 用 す るこ と が で きない (デ ータ ベ ース の中 の) 特 殊 領域 のこ と であ る。 普 通 は特 別 料金 を 支 払 うこと に な る。 学術 研 究 では 特 許 権や 著 作 権な ど の問 題 か お り, 特 に一般 ネ ット ワ ー ク利 用 者 に 無闇 に 侵入 さ れ た くな い と き はCUG を 形 成 す るこ と を推 薦す る。CUG の代 表 者 が管 理 者 とな りど の メ ンバ ーが 侵 入 す るこ と が で きるかを 調 整 す る こ と が で き る。 また,CUG にはCUG 識 別 番 号 と パ ス ワ ード が与 え られ て お り, これを 知 らな い者 は 侵入 す る こ と が で きな くな っ て い る。 こ の研 究 会 で はCUG のな かで2 つ の機能 を 利 用 し て い る。 ひ とつ は電 子 メ ール機 能 であ り, も うひ とつ は電 子 掲示 板 (BBS:BulletinBoardSys-tern )機 能 で あ る。 以下 そ れぞ れ を 説 明す る。 [電子メール] 電子メ ールは特定個人 に宛てた文書をその人 だけにし か読め ない よ うにし たものであ る。電子 メ ールを送るときは宛名とし て相手 のID 番 号を利用す る。そのID 番号を持つ ものだけ がそ の文 書を読む ことがで きる。S 研究会におけ る電子 メールは, ①別 の研究会や学会発表 など への個人的 な誘い②共同研究 の誘いや返事③趣味や大学教育に関す る話 題 とい った,個 人的ではあ るが効率性を必要としない内容が多い5)。 これは日常的 に顔を合 わせることが不可能な場合に,人間 と人 間が意志疎通を 行 う必要な情報交換 である。 ここで注意すべ きは,文 書はあくまでもネット ワークとい う巨大 なデ ータ ベ ースに書 き込 まれるにすぎないことであ る。 これが メールと呼 ばれる理由 は,その文書 が宛名 の人 たしか読めないことにあ る。し たが って 本質的には 「置 き手紙」であ って,宛名 の人 がネット ワークに接続しそ の文 書を読 もうと し ない限 り伝達 されないことであ る。このことか ら分か る ように大至急伝達 す る必要のあ る メッセ ージは電子 メールには不向 きであ る。そ のためFAX などの別 の手段 が必要となる。 このことは重要であろ う。つ ま り「すべて の

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情 報伝 達 がネ ット ワ ークを利 用 す る こ と に よっ て十 分 に 機 能 す る とい うわ け で はな い」 こ とを 意味し て い る。 本 稿 で は電 子 メ ール に つい ては 分 析 を 行 わ な い。 十 っ [電子掲示板] ‥ 電子掲示板 はCUG メンバ ーの誰 もが読むことのできる文 書群のこ とであ る。S 研究会 は2 種類の掲示板を 持うてい る。一つ は研究のための ものに も うひとつ はメンバー共通 の事 務連絡 コーナーである。 犬 ・。 電 子掲示板1. 研究コ ーナ ー2. 事務 連絡 コーナ ー1 ‥ 研究 コーナ ーは,自分 の専門領域に 関する論文や単な るアイデ アまで も含 めた研究発表0 場 となってい る。一方事 務連絡コーナ ーは次回開催 の研究会 案内や共 通に関心 のある内容の書物 の紹 介など,研究 コ ーナーにはふさわし くない が,共 通の関心事を 掲載す る場 であ る。 ニ たとえば研究コ ーナーを選択し ,そ の後 タイトル一覧 を表示 させるとつ ぎ の ような画面 が表示 される。 2 3 4 5 6 8 9 86/12/5 フ ァイ ゲソづ ウムと会見m/vi/Yi 学会 報告WCY 記念フ ォーラム1^Q/i2/n 学会報 告WCY 記念フ ォニ ラム286/12/17NET >ネ ット ワークへの招待 そ の一86/12/17 南方熊 楠め風景:その186/12/27iDSS > そ め187/2/14A.Whinston の講演報告 図3 電子掲示板におけるタイトルの例 っ 容易に理解できるだろ うが,電 子掲示板 とは文 書群が直列に並ぶ単な る掲 示 物 の集合体にすぎない。それぞれ の文 書にはタイユトルが付 されているが, これ はそれぞれ の文 書を掲示し た本人 が付け たもり であ る。 タイトルを参照 し読 みたい ものがあれば,そ の文 書番 号を選択す ることによって内容が表示 され る。 以下 では, とくに電子掲示 板について分析する。 ・, ‘・。・ト

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通信ネットワークを利用した学術研究273. 電 子 掲 示 板 の利 用度 ここ で はS 研 究会 におけ る最 初 の1 年 間 の電 子 掲 示 板 の利 用 度 を数 値 的 に 把 握す る。 表1 は電 子 掲示 板 に寄 せ ら れ た タ ッ 屯 二ジ( 以 下 では単 に文 書 ど 呼 ぶ) に 関 す る全記 録 で あ る。 た だし 著 作 権 や プ ラ イバ シ ーの関 係上 ,文 書 の タイ ト ル と内 容お よび文 書 が投 稿 さ れ た 日付 や 正 確 な 時 間 は掲げ てい な い。 左 か ら 順 に デ ータ項 目 の説 明を 行 う。 左 端 のNO. は 文 書 番 号 であ る。 絶 対 番 号で あ るの で, 古い ものか ら順 に 番 号 が つけ られ て い る。 次 は メ ンバ ー のID 番 号 で あ る。 メ ン バ ーは電 話 回 線 を利 用し て ネ ッ ト ワ ー クに接 続 す る と きID 番 号 とパ ス ワ ードを 入力 す る必 要 が あ る。 こ れ は本 人 の身 元 を 確認 す るた め に 必 要な も のであ る。 た だし こ こ で は , 各 人 を 区 別 で き れ ば よい の で架 空 の も のを掲 載 し て い る。month はそ の文 書 が投 稿 さ れ た月 を 表 し て い る。 つ ぎ のtime はそ の文 書 が投 稿 さ れ た 時 間 を 表 わ し て い る。 区 分 は , 朝(5 −11 時) ,昼( 正 午−16 時), 夕(17 −20 時) , 夜(21 − 翌 日2 時) とし た。 最 後 のline はそ の文 書 の行 数 を表 示 し て い る。 一 行 は 日本 語 で40 文 字 で あ るが ,改 行 だけ の空 白 行 も1 行 とし て数 えて い る。 し た がっ て 一行 お きに 実 質20 行 の文 書 を書 い た場 合 も40 行 とし て 数 え て い る。 長 文 に 渡 る文 書(100 行 以 上) は 段 落 毎 に空白 行を 挿 入 し て い る程 度 であ る こ とを 確 認し てい る。一 方 短文 の場 合 に は,空 白 行が 多 い文 書 もあ り不 正 確 であ る可 能 性 が 高い 。し か し な が ら, ここ で は正 確 な 行数 に こ だ わ ら ず 大 まか な 傾向 を 分析 す れ ば良 い と考え る。 表2 か ら表5 まで は こ の表1 の数 値 を 分 か りや す く集 計し た もので あ る。 以 下 で は こ れ ら の表 に もとづ き分 析 を 行 う。 [ 文書数] 一 表1 に よれ ば文 書 数 は, 事 務 連 絡 コ ーナT に58 件 , 研 究 コ ―ナ ーに36 件 で あ る。件 数 だけ を 比 較 す る と事 務 連 絡 コ ーナ ーに多 く の文 書 が 寄 せ られ てい るが ,表4 に よ るノと, 事 務 連絡 コ ーナ ーの文 書 の行 数 は40 行(1 行 は40 字) 以 内 のも の が多 数 であ る。 一 方 研 究 コ ーナ ーの文 書 は100 行 を 越 え るも のが 多 い(15 件) 。 もちろ ん 研 究 に 関 す る文 書 が 長 くな る の は うな づけ る こ とへで あ る。一 方 事 務連 絡 コ ーナ ーでは 研 究 とい二う改 まJつた 気 持 ち で はな く, 事 務 連 絡 だけ で な くお し ゃ べ りあ るい は独 り言 に類 す る文 書 もあ る( 次 節 参照) 。 そ れゆ え 心 理 的 に投 稿 し や す く文 書 数 琳 多 い の であ ろ う。

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表i 学術研究会事例における投稿文に関する原データ 研 究 コ ー ナ ー 事 務 連 絡 コ ー ナ ー No.ID.monthtimeline No.ID.monthtimeline 02AN86/12 前 (54 )03WR12 前 (192 )04WR12 前 (238 )05WR12 前 (21 )06WR12 前 (197 )08KH12 後 (130 )09UP87/2 前 (61 )10AN2 夜 (63 )11WR3 夕 (194 )12KH3 夜 (80 )13AN3 夜(75 )14AN3 後 (80 )15AN3 夕 (88 )16AN3 夕 (169 )17AN3 夕 (44 )18AN3 後 (187 )19AN4 後 (162 )20AN4 夕 (151 )21WR4 夜(229 )22AN7 後 (27 )23AN7 後 (54 )24pp7 夕 (58 )25AN7 夕 (91 )26UP7 夕 (112 )27AN7 夜 (9 )28AN10 夜 (65 )29WR11 夜 (107 )30WR11 後 (157 )31WR11 後(91 )32WR11 後 (59 )33WR11 後 (49 )34WR11 後 (115 )35WR11 後 (59 )36WRn 後 (117 )37WR12 夜 (86 )38WR12 夜 (95 )j 02KH86/12 夕 (10 )03AN12 夕 (9 )04WR12 夕 (74 )05WR12 前 (85 )08HP12 夜 (195 )09AN12 夜 (14 )10AN12 前 (48 )11WR12 夜 (5 )12AN12 夜 (32 )13KH87/1 後 (118 )14AN1 夕 (45 )15KHI 夜 (24 )17AN3 後 (26 )18WR3 夜 (14 )19AN3 前 (39 )20AN3 前 (63 )21AN4 夜 (4 )22KH4 後 (17 )23WR5 前 (101 )24AN5 夜 (26 )25KH5 夕 (21 )26WR5 夕 (77 )27WR5 夕 (99 )28WR5 後 (7 )29WR5 後 (3 )30pp6 夕 (25 )31WR6 前 (44 )32pp6 前 (12 )33pp7 夕 (66 )34KH7 後 (17 )35KH7 後 (5 )36AN7 夕 (27 )37HP7' 前 (7 )38UP7 前 (30 )39AN7 夜(24 )40UP7 後 (8 )41HP8 夕 (17}

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通 信ネット ワーク を利用し た学術研究 234567890123456789012444444445555555555666 WR UP UP KH XYpp KH KHpp AN XY WR WR KH AN WR WRpp AN WR KH 表2 個 人 別 投 稿 数 8999900 11 10 000 111 11 11 11 11 11 11 12 222 111 夕 後 後 後 前 後 夕 夕 前 夜 前 夕 夕 後 夜 夜 夜 後 夜 夜 後 ( ( ( ぐ ぐ ぐ ぐ ( ( ( 29 23)7 )16 )16 ) 匈 蜀 38 )17 )19 )54 ) jjj ︷ χ ︸4ra ぐ ぐ ぐ (16 ) (27 ) (12 ) (49 ) (17 ) (9 ) (26 ) (16 ) 会 員 名 ANHPKHppUPWP 計 研 究 コ ー ナ ー 事 務 連 絡 コ ー ナ ー 15021216 153126418 36 58 表3 月別 投 稿 数 月 86/1287/12345678910n12 計 研 究 コ ― ナ ー 事 務 連 絡 コ ー ナ ー 6028300600182 9304273824664 36 58 表4 メッセージ・サイズの分布 行 数( か ら ) ( ま で ) 120406080100120140160180200 1939597999119139159179199 − 計 研 究 コ ー ナ ー 事 務 連 絡 コ ー ナ ー 12747412242 3014542200010 36 58

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表5 アクセス時間の分布 時 間 帯 朝5-11 昼12-16 夕17-20 夜21-2 計 研 究 コ ー ナ ー 事 務 連 絡 コ ー ナ ー 61389 12151615 36 58 文 書は作成者本人 の意志に よ り削除す ることができる。研究 コ ーナーで は2 件 事務連絡 コーナ ーで昧4 件 であ る(表1) 。これは通信機器 の操 作の経験 不足や 送信時 のエラ ーに よるものであることが推測され る。絶対番 号の若い ものにおいて,文 書削除 が見受け られ るからであ る。 [利用者数と投稿数] 表2 に よれば,必ずし もS 研究会 の全 メンバーが文書 で投 稿し ているわけ ではな く,全体 の1/4 の5 名 だけ が記録を残してい るにすぎない ことがわ か る。そ のうち2 名だけ が際 だって投 稿数が多 いことが分か る。彼 らは通信機 器 の操 作法に習熟し てお丿 , 自宅 にパ ソコンを持っ てい る。 このこ とと文書 数 の多 さ誤 関係し てい るか ど うか は不 明である。一投稿をし ていないメ ンバ ー がどれ くらい電子掲示板を読 んでい るかについ ては統計 をとっていない。本 稿 では情報発信6) の記録 のみにもとづい て形態分析をお こたってい る。 [ 月 別 投 稿 数 ] =− 表3 に よ り ,1,2 月 の 正 月 休 み と8,9 月 の 夏 休 み の 時 期 に は 極 端 に 少 な い こ と が 分 か る 。 こ れ は 研 究 者 が こ の 時 期 に 集 中 し て 研 究 す る こ と と 関 係 す る と 思 わ れ る 。 ま た 自 宅 に 通 信 機 器 を 持 だ な い メ ン バ ー ( 彼 ら は 職 場 の 通 ・ ・ 。・・J● ¶・・・ ・・ ・・ ・ ・= ・・・・" ・ ・・ 信 機 器 を 利 用 し て い る ) も い る か ら で あ る 。 平 均 す る と 毎 日 メ ッ セ ー ジ を 投 稿 す る ほ ど で は な い こ と が わ か る 。 す な わ ち た と え 毎 日 ネ ッ ト ワ ー ク を 利 用 ■ ■I-- ・・-・ ・・I-・・r ・ ・II ・ ・ し て も こ のCUG に 新 し い 文 書 が 投 稿 さ れ て い る わ け で は な い こ と を 意 味 す る 。 こ の よ う な 時 , 大 規 模 ネ ッ ト ワ ー ク に は 研 究 会 の た め のCUG だ け で な ・ ・■ ■■■ ㎜rJ く 商 用 デ ー タ の 提 供 や 解 放 的 な グ ル ー プ も 存 在 す る の で 自 分 の 気 に 入 っ た 種 類 の グ ル7 プ の メ ッ セ ― ジ を 読 む 場 合 も 考 え ら れ る 。 ‥し か し な が らS 研 究 会 に 新 し い 文 書 が 投 稿 さ れ て い な い と き 彼 ら が な に を や っ て い る の か は 本 明 で あ る 。

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通信ネットワークを利用した学術研究31[ 投稿文書のサイズ] 表4 に よれ ば , 研 究 に 関 す る文 書 は40 行 以 上, 事 務 連 絡 に 関 す る文 書 は40 行 以内 であ るこ と が多 い 。 ネ ット ワ ー ク会 社 と の契 約 に もとづ き, 半 年 前 か ら一 つ の文 書 は200 行 以 内 に収 まる よ うに義 務 づけ られ て い る ので ,長 文 に 渡 るも のは2 つ の文 書 に 分 割し な け れ ば な らな い。 文 書 番 号3 と4 は一 つ の 内 容 であ り文 書 番 号30 と31 も一 つ の内 容 で あ る。 これ以 外 に は2 つ 以上 に ま た が る文 書 は存 在し な い 。 前 者 は 作 者 が 自 分 の意 志 に も とづ き2 つ に分 割 し た も のであろ うと 思わ れ る。 また 後 者 は制 約 に もとづ く分 割 であ る こ と は明 記 されて い る。 こ の よ うに200 行 を 超 過 す る文 書 を 投 稿 す るこ とは ま れ で あ る と言え よ う。 [利用時間帯] 表5 によると,利用時 間帯は午前中 がやや少な目であ ることを除けば, ど の時間帯が利用 頻度 が高い かははっ き りと断定できない。逆にいえば自分に とって都合 の良い時 間にネ ット ワー クを利用し てい ると言え よう。 いわゆる 「通信技術を利用す ると時間を越え ることがで きる」とい う標語があ てはまっ ていると言え よう。 [利用者の所在地] 空間についてはど うだろ うか。月別 投稿数 (表3 ) におい て述べた よ うに, 職場に通信機器がある者に とっては自宅 からネット ワークを利用す ることが できない。これは自明のことであ る。 自分 の生活環境におけ る情報鉄器の整 備 度合に依存し てい るこ とは明らかであ る。 このことは時 間に関し ても同様 である。した がってこ のよ うな意味 の空 間的な把握ではなく,地方 の研究者 で もこのネット ワークを利 用 できるとい うことを考え よ う。ID 番号のAN 氏は東京都 に職場 かおる。一方ID 番号のWR 氏 は福島市 の研究者であ る。 こ の2 人 が多 くの文 書を投稿し ている。またID 番号のpp 氏 は投稿数 は少ない ものの, 日立市 の研究者である。また文書番号28,29 は 出張先のド イツか ら直接送 られてきた ものである。この ように遠 隔地か らネ ットV ーダを利用 するこ とが できる。 この意味で空間を越 えることがで きる と言 えよう。

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4. 電子掲示板における文書の内容 ここでは事例 の中 で特に電 子掲示板 に掲 載された文書 の内容 分析を行 う。 そ のために筆 者の主 観にもとづ き内容を 分類し,それを もとに分析を進める し たがって分類 の仕方や,あ る文書がど の分類に所属す るかはあい まいであ るこ とを,あ らかじ め断わっ ておかなければ ならない だろ う。 [研究コーナーのメッセージ] 研究 コーナ ーは自分 の専門領域に関す る論文や 単な るアイデアまでも含め た研究発表 の場であ る。事 例におい ては大別し て2 つ の文書に分類できるよ うであ る。 ひとつ は自分の見解を述べた ものであ って純 粋に個人的な意見・ 表6 文書内容のテーマ別分類 テ ー マ1 テ ー マ4 2AN 研究会報告8KH 見解9UP 研究会報告nWR 研究会報告32WR 見解 22AN 見解23AN 新テーマ提案24pp 質問25AN 新テーマ提案補足26UP 反論127AN ぉ礼28AN 見解29WR 反論2 テ ー マ2 3WR 学会報告14WR 学会報告25WR 体験談21WR 試論34WR 学会報告35WR 研究会報告 テ ー マ5 6WR 試論30WR 研究会報告131WR 研究会報告233WR 大会報告36WR 研究会報告38WR 試論 テ ー マ3 10AN 書評12KH 見解13AN 試論開始表明14AN 試論115AN 試論216AN 試論317AN 試論418AN 試論519AN 試論620AN 試論7 37WRS 研究会報告

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通信ネットワークを利用した学術研究33 私 論 ・試 論 で あ る。 も うひ とつ は 自 分 の所 属 す る学 会 や 研 究 会 に 参加 し た と き の報 告 であ り, 他人 の見 解 を述 べ た も ので あ る。 私論 ・試 論 ・個 人 見 解 ・反 論18 件 研 究 会 ・学 会 参加 報 告 ・ 書 評13 件 そ の他5 件 し かし な が ら外 見 的 に はそ うで あ っ て 乱 厳 格 に2 つ を 区 別 す るこ とは 困 難 で あ る。 な ぜ な ら 他人 の見 解 で あ っ て 乱 そ れ に 本 人 が 同 意 を示 し て い る 場 合 には 本 人 の支 持す る意見 であ る と と に は 変 わ りが な い か ら であ る。 また 同 意 で きな い 他人 の見 解を 掲 載 す る とき に は必 ず 本 人 の反 論 が 付 記 され て い るか ら であ る。し た が って , 他人 や 本人 の見 解 は 割 合 の問 題 で あ る と考え ら れ る。 表6 は研 究 コ ーナ ーの文 書 を テ ーマ 別 に分 類 し た も の であ る。 項 目 は左 端 か ら順 に文 書 番 号,ID 番 号, 内 容 分 類 とな っ て い る。 全部 で5 つ のテ ーマ に 分 か れた 。 テ ーマ2,5 お よび テ ーマ3 はそ れ ぞ れID 番 号WR とAN の人物 が 集 中 的 に投 稿 し てい る。 テ ーマ1 と4 は 複数 の ダン パ ―が投 稿し て い る。 テ ーマ1 ,2,5 は 研究 会 ・ 学 会 参 加 報 告 と試 論 ・見 解が 混 在し てい る。 し かし , そ れ ら の文 書 が互 い に ゆ るい 関 連 を 持 っ て い る にす ぎ ず,文 書 問 の 関 連 性 は 強 い とは言 え ない 。 他方 テ ーマ3,4 は文 書 間 の関 連 性 は 強い・ご た だ し文 書 間 の関 連 性 が 強い とはJ 方 の文 書 が 他 方 の文 書 を 直接 引 用 し た り, 反 論を 加 え た り,賛 同 を示 し た りし て知 識 の補 強 ・ 発 展 性 が見 られ るこ とを さ す 。 テ ーマ3 にお け る試 論 は シ!1 ーズ物 であ り同 一 人 物AN が一 貫 し て 主 張 を続 け てい る ので文 書 間 の関 連 性 が 高 い の は当 然 であ ろ う。 テ ーマ4 で は テ ーマ3 の立 場 に も とづ き新 し い テ ーマ に 挑 戦 し よ う と呼 び かけ た ところ か ら 始 ま る。 そ れ に対 し て質 問 や反 論 が 投 稿 され てしヽる。 こ こ に おい て初 め て 複 数 のメ ン バ ーが 興味 を 持 ち 電 子 掲示 板 に お い て議 論 らし き もの が開始 さ れ た こと が 確 認 さ れ る。 [事務連絡コーナーのメッセージ]j 事務連絡 コーナーは次回開催 ミーテ ィン グ案内や パソコン操 作法など,研 究 コ ーナ ーにはふさわし くないがメンバ ーに とって共通 の関心事を掲載する 場 であ る。

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情報要求 ・情報提 供17 件 勧誘・同意n 件 日記・独 り言・雑感13 件 研究会運営13 件 新規参加挨拶4 件 こ のコ ―ナ ーの文書 は多 種多 様である。情報要求 丿青報提供 とは情報 関連 業 界 の動向や パソコン操作 法,研究会のメンバ ーに関連 のお りそ うな学会動 向などであ る。 勧誘・同意 とはメンバ ーが所 属す る学会 での新規設立研究会 への参加募集や 他 のネット ワ ークへの参加募集に関す る文 書であ る。 また自 分 が日常的に使用し てい るソフトウェ アや ワ ゞ プ ロの使用感(雑感),お よび 海外研究や国際会議 に出席し た際の旅行記録( 日記) も存在す る。 もちろ ん 研究会の運営に関す る文 書 も存在す る。今後 の運営方 法や 次回 の ミ ヴティッ グに欠席す る旨 の連絡な どに利用されてい る。 最後 にネ ット ワーク特有 の文 書 があ る。それ はこのネ ット ワークに新規に文書を書き込む ときの挨拶と自 己 紹 介である。 また住所 変更や婚姻に関する文書 も存在す る。 [補足] 以上 のように文 書を分類した。し かしながらひとつ の文書 が複数 の項目に またが る内容を 持つ ものもあ り, 分類 は簡単ではない。 また タ イトルと内 容 の一致しない文書 も存 在す る。したがって文書内容とい う主 観的側面 に限定 すれば数量的な把握 はそ もそ も無意味であ ることが理解 される。 ここでは分 類項 目の抽出に重点をおい て分析し た。こ の文 書内容分析 は現実に存在する 文書 の数量的 な把握を 目的 とす るもので はなく, ノソバ ー間コ ミュニケーシ ョン内容の定性的 な把 握を 目的とす るものである。し た がって「 どのよ うな 種類の文 書が投稿 され てい るか」を中心に文書を分類し た。こ の分類 ぱお も に次節におい て利用す る。 5. 学術研究過程おにけ る電子掲示板の利用実態 本節では,一 般的 な学術 グループ研究におけ るコ ミュニケーションの側面 から前項 の学術研 究会 事例 の考察を行 う。 まず ネット ワ ークの利用 に限 らず, 学術研究過程をつ ぎの ような局面に分けて考える。 ・事務連絡

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通信ネットワークを利用した学術研究35 ・情 報 収 集 ・論文 発 表 と 学術 報 告 ・意 見 交 換 ・近 況 報 告 ・個 人 面 談 に よる 情報 交 換 以 下 で は , 前節 ま で の分 析 を も と に, そ れ ぞ れ の局 面 に応 じ た 電 子 掲示 板 利 用 の技 術 的 可 能性 と事 例 にお け る実 態 を比 較し な が ら 分析 を 行 う。 [事務連絡] 事務連絡 は緊急性 のあ るものとそ うでない ものに分けられ る。緊急 の連絡 は電話やFAX を利用す ることにな るのであろ うが, この研究会 ではまだそ のような事態は発生し ていない。緊 急でない 連絡 とは, 次回 の ミーテ ィン グ の日時 の案内やメンバ ーが個人的 に所 属してい る学会 の全国大 会や 研究会 の 案内であ る( 研究会運営13 件)。 [情報収集] 学術 グループ研究にネ ット ワークを利用するとき,すでに存在する統計 清 報や文献 情報を検索す るこ ともひとつ の方 法であ る。大 規模VAN には多 様 な文献情報検索 システ ムが付随し てお り,CUG の利用 とは無関係に 検索 サ ービ スを利用す ること もできる。しかしそれだけでは受 身 の情報収集で はな い だろ うか。 もっと積極的 にネット ワークを活用すべき時代 が来てい るので はないだろ うか。自ら が情報を生 産することが研究者の使命であ るならば, 情報取得のみならすl青報発信 も合 わせた双方向 のコミュニケーションを通じ て真理探求活動を行い かい。そ のためにネ ット ワークを利用 することは可 能 である。 すなわち単なる文献 情報で はな く, メンバーの見解や 自分の意見 に 対 する反論 といった研究 内容に直接 関連す る情報を収集す るこ と も重要 であ ろ う。S 研究会ではメンバ ―の研究領域 かお る程度重 なってい るので研究 コーナ ーの文書35 件はそ のまま情報収集 の対 象であろ うと考えられ る。 特に自分が 出席しなかった学 会の参加報告は興味 のあ るところ ではないだろ うか。 また 「何何に関す る情報が欲しい」 とい う情報要求に答えて情報を提供され た 場 合 もそれに相当す るだろ う。 ところ がS 研究会では研究 に関す る情報要求 は

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皆 無であっ た( ただし,2 年 目に入って2 件 発生しブこ)。 逆に 他 のメンバ ― にとっ て役立つ であろ う( と投稿者が個人的 に思 う卜 附報 が提供されてい る( 情報要求・情報提供17件の うち11 件が研究 に関す るものであ る)。それ以外 はむしろ パソ コン操 作法令ネ ット ワーク利用法 といった 情報である。情報 要 求は定例 ミーテ ィン グのときに直接依頼し たので ぱない かと思われる。つ ま り記録に残らない部分かあ ると考えられ る。 [ 論 文 発 表 と 学 術 報 告] 論 文 交 換 と は 既 に 雑 誌 な ど に 発 表 さ れ た あ る い は 近 々 発 表 さ れ る で あ ろ う 論 文 を 交 換 す る こ と で あ る 。 パ ソ コ ン 通 信 で は ワ ー プ ロ を 利 用 し て 作 成 し た 文 書 を 送 る こ と が 出 来 る が , 論 文 な ど の 比 較 的 に 長 い 文 章 や 図 表 の 組 み 合 わ さ っ た 文 章 は 現 在 の 段 階 で は 困 難 で あ る7) 。 事 例 に お い て は200 行 を 越 え る 文 書 は2 件 の み で あ っ た べ 第3 節) 。 そ れ は, ワ ー プ ロ の 互 換 性 が 取 れ な い も の が あ る 。 ② 長 文 を 送 る の に は 比 較 的 に 時 間 が か か り , モ の 結 果 電 話 回 線 の 雑 音 に よ る 誤 字 や 脱 字 の 発 生 確 率 が 高 く な る 。 ③ 図 表 を 送 る こ と は 可 能 で あ っ て も 操 作 手 順 が 複 雑 で あ る 。 と い っ た 理 由 か ら で あ ろ う 。 研 究 報 告 に 関 し て も 論 文 交 換 と 同 様 に 長 文 に 渡 る た め , 報 告 全 文 を パ ソ コ ン 通 信 を 利 用 し て 送 る こ と は 可 能 で あ る が 困 難 で あ る 。 従 っ てFAX や 郵 送 な ど に 頼 る こ と に な る 。 ・I 。 ・S 研 究 会 で は 試 論 ・ 私 論 ・ 個 人 見 解 は22 件 で あ っ た が , そ れ ら は 完 全 な る 論 文 で は な い 。 む し ろ 論 文 完 成 の 以 前 の 段 階 で 意 見 の 発 表 を 行 な い コ タ ソ ト を 求 め る も の で あ る 。 意 見 ・ 反 論 の 双 方 向 通 信 の 利 点 を 生 か し て , 参 加 者 が 研 究 上 の 刺 激 を 求 め る 。 こ こ に 研 究 会 の 存 立 基 盤 か お る の で は な い だ ろ う か , し た が っ て , ネ ッ ト ワ- ク 利 用 の 意 義 を 真 に 把 握 す る た め に は , こ の よ う な 研 究 上 の 刺 激 , す な わ ち 意 欲 の 発 生 お よ び 創 造 過 程 と い っ た 心 理 学 的 な 分 析 が 付 加 さ れ る 必 要 が あ ろ う 。 と こ ろ でS 研 究 会 で は 発 表 さ れ た 見 解 に 対 し て 反 論 が あ っ た の は , わ ず か に2 件 だ け で あ り , し か も 質 間 ・ 反 論 の 連 鎖 は5 テ ー マ の う ち わ ず か に1 テ ― マ だ け で あ る 。 こ の こ と は 重 要 で あ ろ う 。 イ固人 的 な 意 見 を 述 べ る の に は 正 確 な 専 問 用 語 や 定 義 が 必 要 で あ る が 自 分 の 専 門 領 域 で あ る こ と に は 変 わ り な く , 思 考 に 即 し て 文 書 を 正 確 に 作 成 す る こ と が で き る 。 そ の こ と か ら 意 見 を 述 べ る に は 文 書 が 適 し て い る と 考 え ら れ る 。 一 方 , 学 術 的 な 反 論 を 行 な う に

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通信ネットワークを利用した学術研究37 は , 相手 の立 場 今立 ㈲ す る背 景 理 論 を 詳し く知 った 上 で な さ れ なけ れば な ら な い。 そ こ に大 きな 心 理 的 な 抵 抗 か お る の で は ない だろ うか。 ま た 他人 の誤 りは, そ れ を正 そ うとす る よ り も無 視 す る ほ うが 楽 であ る。 そ の他 に も理 由 が 考え ら れ るが, 本 稿 で は 理 由 の調 査 は行 っ てい な い。 では, ど の よ うにし て こ の 矛盾 を 彼 ら は解 決 し てい る の であ ろ うか。 そ れ は毎 月1 回 お こな う定 例 ミ ーテ ィン グ の時 に「直 接 話 す 」 とい う ので はな い か と 考え ら れ る。 メン バ ーが 個 人 的 に話 を す る こ と の方 が, 電 子掲 示 板 に反 論 を 書 くこ と よ り楽 で あ ろ うこ と は容 易 に 想像 で き る。 し かし な が ら, こ の 点 に関 し て は 今 後 の課題 であ る。 [意見交換] 一 般的な研究会では定期的 に会員 が集 合し ミーティン グを開くことになろ うが,そ のとき特定個人 の研究発表や報 告がなされ る。 あらかじめ報告概要 をパソコン通信を利用し て会員 全体に知 らせ ることに よって他会員 のも の準 備が可能であ る。さて実際 に ミーテ ィン グのときには報 告が行われ,質疑応 答が行われ る。 ミーティン グ当 日に聞け なかった質問 もあ とでパソコン通信 を利用して行 うことは可能 であ る。 しかし ながらS 研究会において は定例 会の事前 に予稿 が出されたのは, わ ずか1 件 にす ぎない。そ の他, 定例会 の後 に発表記録が一件であ る。事前に 電子掲示 板に投稿することが少 ない のに は現実的な理由 があろ う。 発表資 料 には図や表 お よび数式 が多 く用い られることが多 い。単純 に言葉だけの発表 資 料では役に立 だない のであ る。 また発表 当日まで想を練 ること も多い のは, 筆 者だけではない に違い ない。 [近況報告] 研究会 の開始前や終了後 に会員同士 が個人 的に話(個人的 な話題,近況報 告)を行 うことも考えられ る。パ ソコン通信はこのような場合 に重要な役割 を演ずると考えられ る。 通常の研究会形式 では定期的に集合し意見交 換を行 うとき,季節 の挨拶や 最近 の研究テ ーマ,学会動向 など の話題 から話を始め, 本当に議論し たいことに対し て多 くの時間をかけ ることが出来 ない ときもあ る。 本質的 な議論以外 のこ とはパ ソコン通信を利用し て日常的 に行っておく ことができる(S 研究 会では研究会運営を 除く事務連絡 コ ーナーの全文 書45

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件)。S 研究会が通信 ネット ワークを利用する以 前に ミ ーテ ィン グの 時間不 足 を感じ ていた のは,こ のような種類のコミュニケーシ ョン時 間が不足して いた と感じ ていた のではないだろ うか。近況報告や学会動向 など 日常的に発 生す る話題 で長文にならないものはパソコン通信を 利用して行 うことが有効 であ るかも知れない。 [個人面談による情報交換] 前述し た ように, ネット ワークを利用し た学術研究会 の利点 は毎月1 回定 期的に顔を合わせ るときに真価を発揮す るのではない だろ うか。通常,研究 者 が顔を合 わせた とき,近況報告や大学 の様子,専門分 野の最近 の話題など から話 が進 み, 本当にそ の人と議論し たいこ とは時間 の都合で出来ない場合 が多い。研究会にし て も報告者 の一方的な講演を 聞くだけ でお わり,深い議 論 が亡きない。 まし てや地方都市に住 んでい る研究者 と はなかなか顔を合わ せ ることがで きない。こ のような ときに, ネット ワ ークを利用 す るこ とが有 効であ ると予 想され る。顔を合わせたときにすぐ に本題 に入 り議論 を開始す るこ とができる。文 字では表現できなかったことや ,理論 の中心概 念や強調 のお きかたな どは,直接話し た方 が良く分か るものであ る。 ここにおいては じめ て人間中心 のコミュニケーションが実は研究会 のあ りかたとし て中核と なる ものであ るこ とが理解できるのであ る。 すなわちネ ット ワーク上の討論 だけ で事足 りるのではなく,必ず人間が面と向 かって話をす る会 合が必要で あ ると考えられ るのである。 ただし これに関し て は調 査を行 っていない ので 確かなことは言え ない。 6. 結 論 本稿ではS 研究会が利用してい る電子掲示 板 の記録 にもとづい て分析を行 った。分 析は「 どの ように電子掲示板を利用し てい るか」 とい う形 態分析の 立場 で行った。各節 におい て文 書件数 の提示 と若干 の考察を加えた。以下で は各節で の結論を 述べる。 第3 節 では数値 的な把握に重点を おい て電子掲示 板 の利用度を 測定し た。 技術的 にはいわ ゆる時間 と空間を越 え,(通信機器 かおるなら)いつ で も自分 の好 きなと きに, どこからで も文 書を送信す るこ とがで きる。そ れが実際に 行われてい ることが確認された。投稿数 に関し ては一 部 のメン バ ーが極端に

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通信ネットワークを利用した学術研究39 多 い こ とが 特 徴 で あ ろ う。 文 書 のサ イ ズは200 行 を 越 え る も の は少 な い。 第4 節 で は 電 子 掲 示 板 に残 さ れた文 書 の内 容 を 分 類 し た。 文 書 内 容 を 分類 す るこ とは主 観 に関 わ る も のであ るか ら, 必 然 的 に 分 類 が あ い まい に な るこ とは避 け ら れ な い 。 ここ で は 「 ど の よ うな 種 類 の文 書 が 投 稿 さ れ て い るか 」 とい うこ と を大 まか に 把 握 す る立 場 で 分類し た。 そ の結果 , 研 究 コ ーナ ーに お い ては試 論 ・ 見 解 のほ か 学会 ・研 究会 参 加 報 告 も見 ら れ る こ と が判 明し た 。 一 方 事 務 連絡 コ ーナ ーで は多 様 な 種類 の投 稿文 書 が み ら れ た 。 ま た研 究 コ ー ナ ーに お い て は5 テ ーマ の うち1 つ のテ ーマ にお い て提 案 ・質 間 ・反 論 の連 鎖 が見 られ た 。 電 子 掲示 板 の利 用 に は テ ーマ選 定 が重 要 で あ る こ とが示 唆 さ れ る。 他 の テ ーマ で は 個人 的 な主 張 あ るい は散 発 的 で 関 連 性 の薄 い 文 書 が多 く投稿 され てい る こ と が確 認 さ れ た。 第5 節 で は前 節 の分 類 を もと にし て電 子 掲示 板 の利 用 可 能 性 の検 討 と事 例 におけ る利 用 実 態 を 比 較 検 討し た。 こ こ で は 「学 術 研 究 会 に所 属 す る一 人 の メン バ ―が 研 究 を 進 め てゆ く過 程 にお い て ど の よ う に電 子 掲示 板 を 利 用 す る こ と が出 来 るだ ろ うか 」 とい う立 場 で 考 察を 行 っ た 。 そ の結 果 , 研 究 コ ーナ ーにお い て 個人 見 解 や 学 会 報告 お よび 情 報提 供 な ど の文 書 が 情 報 収 集 め面 か ら有 効 であ ろ うこ と が 予 想 され る。 ま た 意見交 換 に 関 し て は, 個 人 的 な見 解 に対 す る批 判 は電 子 掲示 板 に記 録 とし て残 さ れ に くい こ とが 予 想 さ れ る。 し た がっ て定 例 ミ ーテ ィン グにお い て直 接 対 話 す るこ と で 意 見 交 換 が な され る の ではな い だ ろ うか 。 あ く ま で も人 間中 心 のコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が基 本 で あ り,電 子 掲 示 板 は こ れ を 補完 す る役 割を 負 っ て い ると予 想 さ れ る。 7. お わ り に 本稿では記録を もとに通信ネ ット フーグを利用した学 術研究会 の電子掲示 板利用の形態 分析 をおこなった。結論は前節で述べた。それ ぞれ の文書には 投稿され た日付や時 間が残され てい るがノ これ はあ くまでも情報発信の記録 にすぎない。つ ま りそ れらの文書を読 んでどのように利用し たか,あるい は どのように役立 つたかといった価値判 断をす るための素 材にはな り得ないこ とに注意すべ きであろ う。 本稿 の分析は結局,通信ネ ット ワ ークを 利用した 情報発信の形 態を分析し たことになる。 研究会 メ ーバ ーが興味関心を持つ テーマは多岐に わた り,時 の流れとと も に分化発展し てゆく ものであ る。研究 の進展にともたっ て知識 は増 殖し,分

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岐し複雑な様相を示すであろ う。調 査以 前の段階 では,そ のような知識の自 己 増殖あ るいは自己組織化が電子掲示板 の上 で展開 されてい ると予 想された。 し かし ながら第5 節 の結果 からみれば知 識の発展形態が明確 に記 録に残され てい るとは言い がたい。掲示 物として の文 書の数 が増加してい ることは確か であ り,そ れら文書群 がゆるい 関連を もってい るように筆者 は感じ たのであ るが,見解→(反論 ・賛同) →再反 論などとい う発展は少ない よ うである。 むしろ人間 の対話 といった記録に残 されない部分が重 要であ るよ うに感じ る。 これ はS 研究会が月1 回 の ミーテ ィン グを開催し てい るとい う特殊事情によ るのか も知れない。あ るいは メンバ ーが通信機器利用 の可能性を見 誤ってい るのか も知れない。 また観察期間 か短 かったのかもしれない。し かし なが ら 第5 節で若干述べた ように学術研究過程 におい て通信技術が利用 できる側面 は多い。そ の点から考え ると他の利用形態 も考え られ る8)。 いずれにして も 通信技術利用論 の展開や新しい利用 法 め開発など残され た課題 は多い のでは ない だろう か。 犬 注 ニ1 ) 郵 政 省 監 修 『 ニ ュ ー メデ ィ ア 白 書 』 日 本 経 済 新 聞 社 ( 昭 和59 年7 月 )p.169 に よ れ ば,VAN ( 付 加 価 値 通 信 網:ValueAddedNetwork ) と は , 公 衆 電 気 通 信 事 業 者 か ら賃 借 し た 通 信 回 線 に 自 営 の コ ン ピ ュ ー タを 介 在 さ せ て , メ ール ホ ッ ク ス サ ー ビ ス や プ ロト コ ル 変 換 , フ ォ ー マ ッ ト 変 換 等 の 付 加 価 値 通 信 サ ービ スを 提 供 す る ネ ット ワ ー クを い う。 通 常 は , 複 数 の 同業 あ る い は 異 業 種 企 業 を 結 び 付 け デ ー タ 通 信 を 仲 介 す る も の で あ る 。N 社 はC &C-VAN とい う商 用 ネ ッ ト ワ ー クを す で に 構 築 し て い る 。 事 例 のPC-VAN は そ の ネ ット ワ ー ク の一 部 を 利 用 し て パ ソ コ ン 通 信 を 行 な う も の で あ るoS 研 究 会 はPC-VAN の中 で メ ー ル ホ ッ ク ス( 本 文 お よびPC-VAN で は 電 子 メ ー ル と 呼 ん で い る)サ ー ビ ス と電 子 掲 示 板 サ ービ スを 利 用 し て い る 。 詳 細 は 第2 節 参 照 。I ・・2 )S 研 究 が 利 用 し て い る ネ ッ ト フ ー グ以 外 に は , ア ス キ ー ネ ッ ト(ACS,PCS ), 日経MIX, マ ス タ ーネ ッ ト な ど が あ る が , い ず れ も 電 子 掲示 板 機 能 を 有 し て い る 。3 ) 実 際り 操 作 手 順 は 各 ネ ッ ト ワ ー ク会 社 の 操 作 手 順 書 ( 通 信 マ ニ ュ ア ル ) を 参 照 さ れ た い 。 東 洋 大 学 経 営 学 部 学 術 通 信 実 験 室 丁 昭 和63 年 度 パ ソ コ ン 通 信 の 手 引 」 に は 手 順 の概 要 が 書 か れ て い る 。4 )PC-VAN で は 昭 和61 年8 月 末 の段 階 で2 万5 千 人 の 会 員 が 存 在 し たレ 西 原 義 之 , 中 野 和 彦 「 大 規 模 パ ソ コ ン 通 信 :PC-VAN 」 オ フ ィス ・ オ ー ト メ ー シ ョ ン ,Vol.7,No.4 ( 昭 和61 年 )p.80 . ま た 昭 和62 年10 月 末 に は3 万 人 を 越 え て い る 。 西 原 義 之 「PC-VAN の 現 状 と 将 来JCOMPUTERREPORT (:1988年1 月

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通信 ネットV ークを 利用した 学術研究41 号)。 ま た 電 話 接 続 先 ( ア クセ ス ポ イ ント ) は 全 国90 都 市 に 存 在 し て い る ( 昭 和62 年10 月 末 )。5 ) 電 子 メ ー ル に 関 す る 記 録 は と っ て い な い ので 正 確 で は な い が , 著 者 の 経 験 に 基 づ く 感 想 であ る 。 し か し な が ら後 述 す る よ うに 本 質 的 に は 電 子^ − ル は 「 置 き 手 紙 」 で あ る こ と か ら も 推 測 で き よ う。6 ) コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に は 情 報 発 信 と 情 報 受 信 の2 つ が あ ろ う が , 本 稿 で は 情 報 発 信 の 記 録 の みを 用 い て 分 析を 行 な っ て い る 。 こ の こ と は 最 終 節 で も 述 べ て い る 。7 )PC-VAN で はXMODEM プ ロト コ ルと 呼 ば れ る 通 信 方 式 で プ ロ グラ ム や 図 表 デ ー タを 送 受 信 す る こ と が で き る 。 こ れ は 伝 送 時 の 誤 りを な く す よ うに 工 夫 さ れた 方 式 で あ る 。 モ の た め 簡 単 な 通 常 の 入 力 方 式 よ り も 操 作 が 複 雑 で あ る 。8 ) た と え ば , た だ ひ と つ の テ ー マ に 限 っ て 討 論 会 を 行 な い , し か も年 間 に わ ず か な ミ イ ー テ ィ ン グを 開 催 す る とい っ た ネ ット ワ ー ク利 用 も 考 え ら れ る 。

参照

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