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在宅医療安全におけるヒヤリハット情報収集・提供システムの構築 -情報システム開発・リスク分析・安全対策の普及-

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Academic year: 2021

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(1)2014 年 度. 勇美記念財団在宅医療助成(前期) 完了報告書. 在宅医療安全におけるヒヤリハット情報収集・提供システムの構築 ―情報システム開発・リスク分析・安全対策の普及-. 研究代表者:原口 道子 公益財団法人東京都医学総合研究所. 難病ケア看護プロジェクト. 共同研究者: 小倉 朗子、中山 優季、松田 千春、板垣 ゆみ (公益財団法人東京都医学総合研究所. 難病ケア看護プロジェクト). 提 出 年 月 日 : 平 成 27(2015)年 8 月 30 日. 1.

(2) Ⅰ. 諸言 近 年 の 在 宅 医 療 の 推 進 に 伴 い 、在 宅 に お け る 医 療 依 存 度 の 高 ま り と と も に 安 全 性 確 保. が課題となっている。 本 邦 の 医 療 機 関 に お け る 医 療 安 全 体 制 と し て は 、2001 年 厚 生 労 働 省 が 医 療 安 全 対 策 ネ ッ ト ワ ー ク 整 備 事 業 を 開 始 し 、特 定 機 能 病 院 等 に 医 療 事 故 の 報 告 を 義 務 付 け 、ヒ ヤ リ ハ ッ ト 事 例 の 収 集・分 析 お よ び 改 善 策 の 提 示 を 行 っ た 。2004 年 に は 、日 本 医 療 機 能 評 価 機 構 に よ る 医 療 事 故 情 報 収 集 等 事 業 と し て 事 業 が 継 続 さ れ 、 最 新 の 報 告 ( 平 成 13 年 ) で は 2708 件 /年 の ヒ ヤ リ ハ ッ ト 報 告 が 収 集 さ れ て 、医 療 安 全 の 現 状 分 析・普 及 啓 発 が 図 ら れている. 1). 。. ま た 、医 療 機 関 に お い て は 、厚 生 労 働 省 医 政 局 通 知「 医 療 機 器 に 係 る 安 全 管 理 の た め の 体 制 確 保 に 係 る 運 用 上 の 留 意 点 に つ い て ( 医 政 指 発 第 0330001 号 ,平 成 19 年 3 月 )」 が 発 出 さ れ 、病 院 等 に お け る 医 療 機 器 安 全 管 理 責 任 者 の 配 置 が 義 務 付 け ら れ 、特 に 、使 用 に 際 し て 技 術 の 習 熟 が 必 要 と 考 え ら れ る 医 療 機 器( 7 種 )に つ い て の 研 修 の 実 施・ 保 守 点 検 の 計 画 策 定 及 び 実 施・情 報 収 集 そ の 他 の 改 善 方 策 の 実 施 を 業 務 と し て 位 置 付 け る ことにより、安全管理体制が構築されている。 一方、近年の在宅医療の推進により医療依存度の高い在宅療養者は増加しているも のの在宅における医療安全体制は十分確立されておらず、個々の事業所・ケアチーム で安全を担保している現状がある。医療機関と在宅領域における医療安全体制および 対策は、患者・家族を取り巻く人的・物理的環境、ケア提供者および関係職種間の関 係等が大きく異なる。ゆえに、在宅領域においては独自の対応策を必要とし. 2)3). 、在宅. 領域特有の要因を加味した在宅医療安全体制の確立が喫緊の課題である。 本研究では、安全管理が最重要かつ生命への影響度が高い医療機器の一つであり、 前述の「医療機関における医療安全管理責任者」の管理すべき医療機器の一つにも位 置づけられる「人工呼吸器管理」に着目し、在宅医療の安全性を確保するためのシス テムを構築する。 在 宅 人 工 呼 吸 器 使 用 者 の 現 状 は 、 2007 年 の 全 国 調 査. 4). によると、在宅人工呼吸療養. 者 数 は 16,200 例 と 推 計 さ れ て い る 。 在 宅 人 工 呼 吸 療 法 の 普 及 に 伴 い 、 安 全 性 を 確 保 す る た め の 在 宅 医 療 環 境 整 備 が 重 要 な 課 題 と な っ て お り 、療 養 者 お よ び 家 族 介 護 者 の 安 定 的な療養生活維持・継続を支える体制づくりが期待されている. 5). 。. そ こ で 、 本 研 究 は 「 在 宅 医 療 安 全 /ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 収 集 ・ 提 供 シ ス テ ム 」 の ホ ー ム ペ ー ジ を 創 設 し 、 イ ン タ ー ネ ッ ト を 介 し た 1 ) ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 収 集 シ ス テ ム 、 2)ヒ ヤリハット情報提供システムを構築することにより、在宅医療のヒヤリハットの実態 を明らかにするとともに、安全対策の普及啓発に寄与することを目的とする。. 2.

(3) Ⅱ. 研究目的 「 在 宅 医 療 安 全 /ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 収 集 ・ 提 供 シ ス テ ム 」 と し て 、 W E B を 活 用 し た. 1 ) ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 の 収 集 (報 告 )シ ス テ ム 、 2)ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 の 提 供 (検 索 ・ 閲 覧 )シ ス テ ム を 構 築 す る こ と に よ り 、 在 宅 医 療 の ヒ ヤ リ ハ ッ ト の 実 態 を 明 ら か に す る 。 これにより、在宅医療安全の普及啓発に寄与することを目的とする。 尚、本研究では、まず在宅医療安全のうち在宅人工呼吸器管理に焦点化してシステ ムを構築する。. Ⅲ. 研究方法 本研究は、下記により構成している。 ■ 「 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 の 収 集 (報 告 )シ ス テ ム の 開 発 ・ 調 査 」 に よ り 在 宅 に お け る ヒ ヤリハットの実態を明らかにする。 ■在宅ヒヤリハット情報についてリスク分析に基づき、要因・対応策を整理する。 ■ 整 理 し た ヒ ヤ リ ハ ッ ト 事 例 を WEB 上 に 公 開 可 能 な 情 報 と し て 再 整 理 し た 上 で 、キー ワード検 索 で関 連 するヒヤリハット事 例 が閲 覧 できるWEBシステム「 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 の 提 供. (検 索 ・ 閲 覧 )シ ス テ ム 」 を 構 築 す る 。. 1.在 宅 ヒヤリハット情 報 の収 集 (報 告 )システムの開 発 ・調 査 本研究では、1)ヒヤリハットに関する情報収集を行うためのシステム開発を行 い 、 2 ) WEB 上 に お い て 開 発 す る シ ス テ ム の ユ ー ザ ー を 対 象 と し た ヒ ヤ リ ハ ッ ト デ ー タ 収集を行う。 1) 在 宅 ヒヤリハット情 報 の収 集 (報 告 )システムの開 発 在宅人工呼吸管理等の経験が豊富な看護師 4 名および研究者により、本システムの しくみ・内容、在宅におけるヒヤリハット報告書のあり方について繰り返し 討議し、 討議内容を踏まえた「ヒヤリハット情報の収集(報告)システム」を開発し た。 2)在 宅 ヒヤリハット情 報 収 集 (報 告 )システムを活 用 した在 宅 ヒヤリハット調 査 (在 宅 人 工 呼 吸 器関連) 調査方法は、1)により開発したシステムによるWEB調査で、実際に収集された 在宅ヒヤリハットの実態を明らかにする。 対 象 は 、 ホ ー ム ペ ー ジ に 掲 載 す る 「 研 究 協 力 依 頼 」「 説 明 書 」「 利 用 規 約 」 の 説 明 の 下 、 自由意志に基づき協力の得られたインターネットユーザー(利用者 )である。本システム の 利 用 者 は 、 事 前 に シ ス テ ム 管 理 者 (研 究 者 )に 登 録 申 請 し 、 ア ク セ ス 許 可 を 取 得 し た 者 と す る 。 (医 療 職 に 限 定 す る ) 調 査 内 容 は 、「 WEB 画 面 : 情 報 収 集 シ ス テ ム 質 問 フ ォ ー ム 」 に 従 い 、 ① 回 答 者 の 職 種 、 ② 所 属 機 関 、③ ヒ ヤ リ ハ ッ ト の 概 要・発 見 状 況・対 応・考 え ら れ る 原 因 等 を 選 択 ま た は 入 力 し 3.

(4) てもらう。 提供された情報は、記述統計および自由記載欄の質的帰納的分析によってヒヤリハット の実態把握をするとともに、リスク分析により要因・対応策等を整理する。 在宅人工呼吸 管理および訪問看護師等の先駆的実践者に対するヒヤリングにより分析の妥当性を確認す る。匿名性等を厳密に確認した上で、提供システムの基礎資料とする。. 2.ヒヤリハット情 報 (在 宅 人 工 呼 吸 関 連 ):リスク分 析 ・事 例 整 理 「1.ヒヤリハット情報収集(報告)システム」の開発に並行して、 本システムへ の積極的な活用を促進するために、すでに収集・蓄積している在宅人工呼吸関連ヒヤ リ ハ ッ ト 事 例 を 「 3 . ヒ ヤ リ ハ ッ ト 提 供 (検 索 ・ 閲 覧 )シ ス テ ム の 開 発 お よ び 在 宅 医 療 安全の普及啓発」に向けて、事例整理を行った。在宅人工呼吸関連ヒヤリハット事例 収集は、下記の方法により実施した。 調 査 方 法 は 、1 )全 国 の 訪 問 看 護 事 業 所 の 看 護 師 994 名 を 対 象 と し た 自 記 式 質 問 紙 調 査 (郵 送 法 )、2 )訪 問 看 護 師( 訪 問 看 護 研 修 受 講 生 )を 対 象 と し た 自 記 式 質 問 紙 調 査 で あ る 。調 査 内 容 は 、 い ず れ も 事 業 所 概 要 ・ 訪 問 看 護 提 供 状 況 ・ 在 宅 人 工 呼 吸 に 関 す る ヒ ヤ リ ハ ッ ト 経 験 と 事 象 の 概 要 で あ る 。分 析 は 、記 述 統 計 に よ る 比 較 検 討 と リ ス ク 分 析 (発 見 ・ 要 因 ・ 対 応 状 況 等 )に 基 づ く 事 象 の 類 型 化 を 行 っ た 。 調 査 票 配 布 時 に 研 究 趣 旨 ・ 個 人 情 報 の 保 護・ 結 果 の 公 表 等 に つ い て 文 書 で 説 明 し 、調 査票の返送をもって同意を確認した。. 3.ヒヤリハット提 供 (検 察 ・閲 覧 )システムの開 発 および在 宅 医 療 安 全 の普 及 啓 発 「2.ヒヤリハット情報:リスク分析・事例整理」により整理した事例の 情報公開方 法として、難病ケア看護データベース※のホームページより、ヒヤリハット事例を検索 し、閲覧できるWEBシステムを構築する。ヒヤリハット事例の検索方法については、W EB上でユーザーがキーワード選択して絞り込みを行い、該当する事例 「ヒヤリハット事 例」が閲覧できるシステムを構築することにより、実践において事前の予防策立案や、事 後の対応に有益な情報を提供する。 ※ 本 シ ス テ ム の ホ ー ム ペ ー ジ は 、 申 請 者 の 所 属 機 関 ;公 益 財 団 法 人 東 京 都 医 学 総 合 研 究 所 難 病 ケ ア 看 護 研 究 室 「 難 病 ケ ア 看 護 デ ー タ ベ ー ス : http://nambyocare.jp/ 」 の コ ン テ ン ツとする予定である。. 更に、在宅医療安全の普及啓発を効果的に行うために、訪問看護師を対象とした本シス テムの利用評価を実施した。調査方法は、システム試用後の利便性や実用化可能性等に関 する質問紙調査および面接調査である。. 4.

(5) <倫 理 的 配 慮 > 在 宅 医 療 安 全 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 収 集 /情 報 提 供 シ ス テ ム に お け る デ ー タ 収 集 お よ び 公 開 にあたっては、下記の点に留意する。 公益財団法人東京都医学総合研究所倫理審査委員会の承認を得て実施している。 ○ ホームページ上 に明 記 する研 究 の趣 旨 説 明 を確 認 してもらう。自 由 意 思 に基 づく、回 答 をもって 調 査 協 力 の同 意 を確 認 する。ホームページユーザーが、本 調 査 に参 加 協 力 をしなくても、ヒヤリ ハット事 例 提 供 システムの利 用 には何 ら影 響 はないこと、アンケート調 査 の不 参 加 および回 答 の 途 中 中 止 をしても不 利 益 をこうむることがないことも併 せて事 前 に説 明 する。 ○ホームページ上 での情 報 の取 り扱 いについては、個 人 情 報 保 護 の遵 守 とともに「利 用 規 約 」とし て示 し、セキュリティ管 理 ・運 営 を行 う。 ○Web 調 査 により提 供 してもらうヒヤリハット事 例 は、リスク分 析 により要 因 ・対 応 策 等 を整 理 し、更 に個 人 が特 定 されないよう文 章 の調 整 を行 ったうえでデータベース化 し、本 ホームページの「ヒヤ リハット情 報 提 供 システム」によって検 索 ・閲 覧 できるようにする。 また、学 会 や論 文 等 により研 究 成 果 を公 表 するが、対 象 者 の方 の個 人 が特 定 できる情 報 は一 切 公 表 しない ことを説 明 する。 ○Web調 査 では、すでに個 人 が特 定 できない範 囲 の情 報 に限 定 して回 答 を依 頼 する 。収 集 した 情 報 は、厳 密 な情 報 管 理 を行 う。公 益 財 団 法 人 東 京 都 医 学 総 合 研 究 所 難 病 ケア看 護 データ ベースの管 理 者 として、保 有 する情 報 の漏 えい、滅 失 又 はき損 の防 止 その他 の保 有 情 報 の適 切 な管 理 のために、Webサイト管 理 会 社 との厳 格 なセキュリティ-体 制 を確 保 する。. 5.

(6) Ⅳ. 結果. 1.在 宅 ヒヤリハット情 報 の収 集 (報 告 )システムの開 発 ・調 査 1)在 宅 ヒヤリハット情 報 の収 集 (報 告 )システムの開 発 在宅人工呼吸管理等の経験が豊富な看護師 4 名および研究者により、本システムの しくみ・内容在宅におけるヒヤリハット報告書のあり方について討議を 実施した結 果 、【 情 報 収 集 (報 告 )シ ス テ ム 】 に 関 し て 、 以 下 の 意 見 が あ っ た 。. 【 情 報 収 集 (報 告 )シ ス テ ム の 位 置 づ け 】 ・在宅医療安全の意識を高めるために、訪問看護事業所にメリットがあるシステム とすることが必要である。 ・情報を入力して、サイトに情報を提供するだけではなく、入力者にも活用できる 形 (報 告 書 な ど )で 出 力 で き る と よ い 。 ・入力→出力内容がヒヤリハット報告書として、各事業所等で蓄積・集計・分析で きるような統一様式としておくと活用用途が広がる。事業所等の安全管理体制の 一つとして活用することも可能なものとするとよい。 ・ 効 率 的 に 操 作 (入 力 ・ 記 述 )が で き る よ う な 簡 便 性 が 必 要 で あ る 。 ・ヒヤリハット事例を入力していくにしたがって、リスク分析の視点が整理された り、気づきが促されるような質問フォームとすると、安全意識の向上・人材育成 など、副次的な効果も期待できるのではないか。 ・特に、リスク要因を多面的に分析する視点をもてるようになることで、再発予防 策等も広く検討する視点につながるため、要因分析は、細項目まで選択する様式 とすることが効果的である。. 一 方 、【 収 集 (報 告 )す る 情 報 の あ り 方 】 に 関 す る 討 議 が 、 以 下 の 通 り に あ っ た 。. 【 収 集 (報 告 )す る 情 報 の あ り 方 】 ・システムで入力してもらう情報は、個人情報は含まないこと、固有名詞は含ま れていない情報であっても、日時が特定されたり関係者が推測できるような情 報は収集しないこととする。 ・簡易に操作可能とするため、想定される回答は選択式とする。 ・ 入 力 内 容 を 報 告 様 式 に 出 力 で き る よ う に シ ス テ ム 化 す る 際 、 Word 様 式 と し て 、 後から自由に追記できるような様式とする。 ・様々な医療職が活用でき、共有できるように用語を使用する。. 上記の意見を反映したシステムを開発した。 6.

(7) <情 報 収 集 (報 告 )システム画 面 1>. 質 問 フォームのトップ画 面. <情 報 収 集 (報 告 )システム画 面 2>. ユーザーについての入 力 画 面. 7.

(8) <情 報 収 集 (報 告 )システム画 面 3>. ヒヤリハットの状 況 に関 する入 力 画 面 (抜 粋 ). <情 報 収 集 (報 告 )システム画 面 4>. ヒヤリハットの発 生 要 因 に関 する入 力 画 面 (抜 粋 ). 8.

(9) <出 力 :ヒヤリハット報 告 書 >情 報 を入 力 して確 定 すると下 記 の様 式 で出 力 される。 情 報 収 集 (報 告 )シ ス テ ム に よ り 入 力 し た 情 報 が 自 動 的 に 下 記 の 様 式 に 反 映 さ れ て 、 出力・保存できるシステムである。. ヒヤリハット報 告 書 報告日時. 平成. 年. 月. 報告者 ヒヤリハットの種 別 (ケアの種 類 ). (職. 男 ・ 女. 発 見 者 発生日時. 平成. 年. 月. 発生場所. 発 生 時 の 状 況. ケアの状 況. 発 生 時 の状 況. 利 用 者 の変 化 や. 対 応. 医 療 機 器 への対 応 (療 養 者 要 因 ). 出 来 事 が発 生 した要 因 (背 景 ). (人 的 要 因 ) (機 器 要 因 ) (環 境 要 因 ) (管 理 システム要 因 ). 今 後 の対 策 (主 治 医 ). 報告. 時 ). 在 宅 人 工 呼 吸 に関 するヒヤリハット報 告. 利 用 者. 発 見. 日. (管 理 者 ) (関 係 機 関 ) (その他 ). 備考 9. 日. M. T. S. H. 年 (. 月. 日生 歳).

(10) 2) 在 宅 ヒヤリハット情 報 収 集 (報 告 )システムを活 用 した在 宅 ヒヤリハット調 査 (在 宅 人 工 呼 吸 器関連) 在 宅 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 収 集 ( 報 告 ) シ ス テ ム の 完 成 (平 成 27 年 3 月 )以 降 、 現 在 (8 月 )ま で の 期 間 に お け る 、 本 シ ス テ ム に よ る ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 の 送 信 ( テ ス ト を 含 む ) は 70 件 で あ っ た 。 そ の う ち 、 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 報 告 内 容 の 記 載 が あ っ た も の は 10 件 、 更 に「事象の概要・要因・対応など」の詳細な情報提供に至るものは、以下の 4 件であ った。 表 1.システムユーザーより提 供 があった在 宅 人 工 呼 吸 に関 連 するヒヤリハット事 象 の内 容 ・原 因 ・対 策 No. タイトル 概要 移動中の呼吸器回路は 移動中に呼吸器回路がはずれた。 ずれ 回路をすべて確認して、緩みのあったところを再接続した。療 養者は、一時酸素飽和度が低下したため、蘇生バッグで呼吸 1 補助し、酸素飽和度は回復した。. 回路接続部のはずれ. 夜間就眠中。となりで眠っていた家族がはっと気が付いてめを 覚ますと、人工呼吸器のアラーム音がなっており、患児の顔色 が悪くなっていた。気管切開と回路の接続部がはずれたことに よってアラームが鳴っていたことがわかり、急いで回路を気管切 開部に接続させた。. 2. 外出中・移動時のマスク 外出先で、ベッドから車いす移動の際に人工呼吸器 のずれ (NPPV)のマスクがずれて、しばらくそのままになっており、酸素 飽和度が低下した。療養者をベッドに戻し、マスク装着を再装 着して様子をみた。呼吸器回路の点検を行った。 3. 原因. 対策. 呼吸器回路の接続にゆるみがあ り、組み立て・接続が確実に行えて いなかった。移動前・中に、呼吸器 回路の緩みを確認・観察していな かった。移動時の確認項目をチェッ クリスト化していなかった。. 外出時の確認事項の徹底をする。外出時 の支援者を増員する。今回のことを反映し て、外出時のチェックリストの作成および徹 底を注意喚起する。. 気管切開部と回路接続部の固定 が不十分であった。 接続部が外れた際、隣の部屋にい た家族にアラーム音がすぐに聞こえ なかった。日々介護をしている家族 は疲労し眠っておりアラームにすぐに 気づけなかった。. <機器や器具、環境整備に関すること> ・気管切開部と回路接続部のはずれ防止 用具を利用する ・人工呼吸器のアラームがなった際に、別シ ステムで介護者にアラーム音発生を知らせる システムを装備する <介護者に関すること> ・介護者による、気管切開部と回路の接続 状況の確認の励行 ・介護者の疲労への対応. 療養者が異常・苦痛を伝えることが 外出・移動時の呼吸器回路の取扱いに関 できなかった。マスクがはずれないよ するマニュアル整備とシミュレーションを行う。 うするための回路の確認・注意不 足、安全に移動するための介助技 術が未熟であった。外出先という不 慣れなベッド配置(環境)であっ た。 外出先での留意点等のマニュアル が不備であった。. 注 )NPPV (Non invasive Positive Pressure Ventil ation);非 侵 襲 的 陽 圧 換 気. 10.

(11) 2.ヒヤリハット情 報 (在 宅 人 工 呼 吸 関 連 ):リスク分 析 ・事 例 整 理 1)全 国 訪 問 看 護 事 業 所 に対 する質 問 紙 調 査 に基 づくヒヤリハット事 例 情 報 提 供 (検 索 ・ 閲 覧 )シ ス テ ム で 公 開 す る 事 例 を 整 理 す る た め に 、 全 国 の 訪 問 看 護 事 業 所 の 看 護 師 994 名 を 対 象 と し た 自 記 式 質 問 紙 調 査 (郵 送 法 )に よ る ヒ ヤ リ ハ ッ ト 事 例収集調査を実施した。 (1). 対 象 者 の概 要. 回 答 者 は 204 名 (回 収 率 20.5% )、 所 属 事 業 所 の 訪 問 看 護 師 常 勤 換 算 数 は 平 均 4.8 名 (SD2.3)で あ っ た 。 事 業 所 が 提 供 す る サ ー ビ ス (複 数 回 答 )は 高 齢 者 タ ー ミ ナ ル ケ ア が 171 件 (83.3% )で 最 も 多 く 、 認 知 症 ケ ア 166 件 (81.4% )、 難 病 ケ ア 163 件 (79.9% )、 小 児 ケ ア 63 件 (30.8% )で あ っ た 。 過 去 2 年 間 に 在 宅 人 工 呼 吸 療 養 者 の 訪 問 看 護 経 験 が あ る 者 は 122 名 (59.8% )、 こ の う ち 57 名 (46.7% )が 在 宅 人 工 呼 吸 器 に 関 連 し た ヒ ヤ リ ハ ッ ト に 遭 遇 し (当 事 者 に 限 ら ず )、 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 事 象 42 件 の 情 報 提 供 を 受 け て 、 分 析 デ ータとした。 (2). 訪 問 看 護 師 が遭 遇 した(当 事 者 に限 らず)在 宅 人 工 呼 吸 に関 連 するヒヤリハット事 象 の概 要. 提供されたヒヤリハット事象における患者の概 要については、疾患名は「筋委縮性側索硬化症」 が 25 件 で 最 も 多 く 、 次 い で 「 低 酸 素 脳 症 ( 3 件 )」「 脳 血 管 疾 患 ( 2 件 )」 等 で あ っ た 。 提 供 事 象 の 患 者 年 代 は 、「 60 歳 代 ( 10 件 )」 が 最 も 多 く 、 「 70 歳 代 ( 9 件 )」「 50 歳 代 ( 6 件 )」 等 で あ り 、 「 20 歳 代 以 下 」 の 事 象 が 7 件 、「 80 歳 代 以 上 」 の 事象は 4 件などであった。 提 供 さ れ た 事 象 42 件 の 「 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 発 生 状 況 」 は 、「 医 療 処 置 管 理 」 が 26 件 で 最 も 多 く 、 次 い で 「 呼 吸 管 理 (9 件 )」「 移 動 支 援 (5 件 )」「 身 体 の 清 潔 (2 件 )」 な ど で 発 生 し て い た 。 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 事 象 に 気 づ い た 人 は 、「 訪 問 看 護 師 」 が 30 件 と 最 も 多 く 、 次 い で 「 家 族 (9 件 )」 「 介 護 職 (1 件 )」 等 で あ っ た 。 ヒ ヤ リ ハ ッ ト に 気 づ い た き っ か け は 、「 ア ラ ー ム 音 や サ イ ン の 点 滅 」 が 19 件 で 最 も 多 く 、 次 い で 「 医 療 機 器 等 の 様 子 (8 件 )」「 療 養 者 の 様 子 (7 件 )」「 療 養 者 の 訴 え (4 件 )」 等 で あ っ た 。 また、今回提供されたヒヤリハット事象の発生 11. 表.ヒヤリハット事象の不具合の状況 (重複回答) 気管カニューレ 抜去 カフのエアー漏れ カフの破損 痰による狭窄や閉塞 その他 呼吸器回路 接続のはずれゆるみ 亀裂・破損 ねじれやはさまれ 組立・接続の間違え 水滴の貯留による不具合 その他 人工呼吸器 不正確な作動 意図せず設定値の変更 通常と異なる音の発生 設定の誤り その他 電源 内部バッテリー蓄電量の使い切り 電源スイッチのオフ 内部バッテリーの作動不能 その他 加温加湿器 亀裂・破損 電源のスイッチオフ 意図せず設定値の変更 給水忘れ(空焚き) その他. 10 4 2 0 4 5 20 10 10 0 0 6 0 7 2 1 3 1 0 5 2 1 0 0 4 0 0 0 3 1.

(12) 要 因 と し て 、「 人 工 呼 吸 器 の 不 備 ・ 不 具 合 が あ っ た 事 象 に つ い て 、 具 体 的 な 不 具 合 を 質 問 し た と こ ろ 、 表 1 の 通 り 、「 呼 吸 器 回 路 」 に 関 す る 不 具 合 が 20 件 と 最 も 多 く 、 次 い で 「 気 管 カ ニ ュ ー レ (10 件 )」「 人 工 呼 吸 器 本 体 (7 件 )」「 電 源 (5 件 )」 等 の 不 具 合 が 報 告 された。 (3)訪 問 看 護 師 が遭 遇 した在 宅 人 工 呼 吸 関 連 のヒヤリハット事 象 の内 容 ・要 因 ・対 策 の分 析 訪問看護師から提供された在宅人工呼吸器に関連するヒヤリハット事象のうち、具 体 的 な 情 報 が 記 述 さ れ て い た 16 事 象 に つ い て 、 リ ス ク 分 析 を 行 い 、 原 因 ・ 対 策 を 検 討 し た ( 表 2 )。 分析に際しては、在宅看護経験の豊富な協力者・ 医療機器業者との検討を繰りし行っ た。. 表 2.訪 問 看 護 師 が遭 遇 した在 宅 人 工 呼 吸 に関 連 するヒヤリハット事 象 の内 容 ・原 因 ・対 策 原因 タイトル 概要 浣腸をするための体交時 先天性疾患(10代)TPPV 家族介護者が不在時、訪問 回路内の水滴がセンサーに入ったた にアラームが鳴り始めた 看護師2名で浣腸をするために体交したところ、人工呼吸器の め、アラームが鳴った アラームが鳴り始めた。自発呼吸がないため蘇生バッグを使用 1 しながら、主治医と家族介護者に連絡。家族介護者が帰宅 後呼吸回路を交換し、正常作動に戻った。. 対策. No. ①ケアを始める前は呼吸回路内の水滴や 接続を確認し除去しておく。②訪問看護師 は平常時より回路点検・交換ができるように しておく。. 外来受診時に人工呼吸 神経難病(60代)TPPV24時間 中耳炎で耳鼻科外来 ①人工呼吸器を移動させる際の注 ①人工呼吸器を移動させる場合は周囲の 器を移動しようとしてぶつ 受診時に、検査のため人工呼吸器を移動させようとして机に 意不足 環境を確認し注意深く行う。 けて作動停止 ぶつけ、人工呼吸器が作動しなくなった。同行していた訪問看 ②緊急時の対処方法の不徹底 ②トラブルが発生した時に備え、蘇生バッグ 2 護師が蘇生バッグで補助換気をしなければならず、人工呼吸 を家族介護者がすぐに使用できるようにして 器を管理する病院との連絡や代替器の手配に手間取った。 おく。③連絡等の対処法を共有しておく。. 呼吸回路の接続のゆる 神経難病(50代)TPPV24時間 人工呼吸器のアラーム ウォータートラップの水を除去した際 ①ウォータートラップの取扱いの周知徹底② み 音が鳴ったので、確認したところウォータートラップの接続が緩ん の接続の確認不足 訪問看護師訪問時には呼吸回路の確認 3 でいた。 を行う。 気管カニューレ交換時に 神経難病(70代)TPPV24時間 家族介護者が気管カ 気管カニューレの交換時の付属品 ①家族介護者が普段慣れている行為でも 高圧アラームが鳴った ニューレを交換をした際に、人工呼吸器の高圧アラームが鳴っ (スタイレット)を抜き忘れた 注意して見守る。②緊急時以外は主治医 た。 の往診時等に気管カニューレ交換ができる 4 ように医療体制を整えることが望ましい。 訪問入浴で体を移動中 癌ターミナル(60代)訪問入浴で人工呼吸器を装着したま 訪問入浴業者と訪問看護師は初 に気管カニューレが抜け ま療養者を浴槽に移動する際に、訪問入浴介助者と訪問看 対面で、協働作業の息があわな そうになった 護師のタイミングが合わず、呼吸回路が引っ張られ気管カ かった。室内が狭く浴槽や給排水 ニューレが抜けそうになった。 の管、電気こコード等が床をはって 5 いて、動きやすい環境でなかった。. ①身体の移動時は声かけを行いながら注 意深く行う。②自発呼吸がある場合は、一 時的に呼吸回路をはずして移動させる。ま たは蘇生バッグによる補助呼吸に替えて移 動させる方法も検討する。③周囲を動きや すい環境に整えてから行う。. 吸引時に吸引器の吸引 神経難病(?)TPPV24時間 家族介護者が吸引しようと 家族介護者が吸引圧を上げてその 圧が設定ょり高くなってい した時に吸引圧が上がらないため、吸引圧を設定より上げて ままにしてあった。 吸引し、吸引後もそのままにしていた。訪問看護師が吸引しよ 6 た うとして吸引圧が高いことに気付いた。. ①家族介護者が吸引器の吸引圧を上げた 状況を確認する。②吸引器の不具合であ ればメンテナンスを依頼、家族介護者の手 技も再指導する。. 注 )TPPV (Tracheostomy Positive Pressure Ventilation) :気 管 切 開 下 陽 圧 換 気 .. (次 頁 につづく). 12.

(13) 原因 タイトル 概要 気管カニューレの接続部 神経難病(50代)TPPV24時間 気管カニューレから呼吸 ①気管カニューレとの接続がゆる から呼吸回路がはずれた 器回路がはずれ、アラームが鳴ったが、たまたま家族介護者が かった。②家族介護者が離れてい のに気づくのが遅れた 家の外にいて気づくのが遅れ、一時的にSpo2低下した。連絡 てアラーム音に気づくのが遅れた。 を受けた訪問看護師が訪問した時はバイタルサインは安定し 7 ていた。念のため受診したが病状に変化は認められなかった。. No. 排泄ケアで体交時に高 圧アラームが鳴った 8. 神経難病(50代)TPPV24時間 排便処置時の体交時、 排泄ケア前の呼吸回路の水滴等 人工呼吸器の「HIGH PRESSURE」アラーム鳴った。直ちに の確認不足。 気管内吸引したが再び鳴動、呼吸器回路確認したところ、回 路内に多量の水が貯留していた。 水抜き行い、気管カニュー レに水滴が逆流しないよう回路の高さを調整した。. 対策 ①気管カニューレと呼吸回路の接続がはず れないような固定方法の工夫する。②人工 呼吸器のアラーム音が聞こえるような居室の 配慮。. ①ケア前には呼吸回路等の水滴の有無な どを確認してから行う。 ②日常的に水滴がたまらないよう観察し、 外気温が低下して結露ができやすい状況 等の環境にも注意する。. エアマット交換時に呼吸 遺伝性疾患(40代)褥瘡が悪化したため、業者2名、訪 不十分な人手のまま、人工呼吸器 ①安全に実施できるか十分に想定して行 回路がはずれた 問看護師、家族介護者2名でエアマットに入れ替える援助を を接続した療養者を移動させた う。②大きな移動時は蘇生バッグで補助換 した。 療養者の体をシーツでくるんで3名で持ち上げ、その間 気ができる人を確保する。 に業者2名でエアマットを入れ替えようとしたところ、ベッドに療 9 養者を戻した時に気管カニューレから呼吸回路がはずれた。. 回路交換後数時間して 神経難病(70代)TPPV24時間 昼頃、往診で回路交換 回路交換時後の確認が不十分 低圧アラームが鳴った を実施した。 17:00頃低圧アラームが鳴り、呼吸回路を確 だった。 認したところ、接続部が緩んでいた。 10. ①呼吸回路交換後は各接続部を確認す る。②日常ケアの中で定期的に呼吸回路 を確認するよう家族介護者に指導する。 (体交等で緩みができた可能性もあるの で). 訪問看護師が訪問する 神経難病(20代)TPPV24時間 午前10時頃、訪問看 痰の貯留による人工呼吸器の高 家族介護者の疲労による注意不足を防ぐ と高圧アラームが鳴ってい 護師が訪問したところ、人工呼吸器の高圧アラームが鳴ってい 圧アラーム音に家族介護者が眠っ ための支援の見直しを行い、家族介護者が た た。家族介護者(父親)は眠っていてアラーム音に気づいて ていて気付けなかった。家族介護 休養をとれる支援体制を検討する。 11 いなかった。痰を吸引しアラーム音は消失。療養者の病状に変 者の疲労の蓄積。 化はなかった。 気管カニューレが抜けか けていた 12. 神経難病(60代)TPPV24時間 訪問看護師が訪問する 食事のため座位になった時に、気 体位を変える前後では気管カニューレの位 と療養者の様子がいつもと違い、ぐったりしていた。気管カニュー 管カニューレの固定が不十分だった 置に注意し、呼吸回路の重みなどで引っ張 レのカフが見えていて、動かすと咳こみがあった。 ため、気管カニューレが抜けかけた。 られないよう確認、ひもやベルト等で固定す る。. リクライニング車いすへの 訪問看護師、訪問介護職、家族介護者の3名で、ベッドから 呼吸回路や気管カニューレの固定 移動時に気管カニューレ リクライニング車イスへ療養者を移動時に、呼吸回路がひっぱら の確認が不十分なままの移動し が抜けた れ気管カニューレごと抜けてしまった。普段は人工呼吸器を一 た。 13 時的に外して移動していたが、その時はつけたまま移動させて いた。. ①人工呼吸器を外せる場合は、気管カ ニューレから呼吸回路を外して移動させた方 がよい。②平常時と違う方法をとる場合は 特に安全に配慮する。. 家族介護者が不在時、 脳血管疾患(80代)TPPV 前日、往診医より肺炎の診断 発熱し痰量増加が予測される状態 肺炎で痰量が増え、 で抗生剤が処方され、痰量も多く、朝から38.5℃の発熱が が家族介護者に十分伝わってい SPO2低下 あった。家族介護者から状況報告の電話があり、訪問看護師 ず、吸引できる介護者が不在の時 が早めに訪問する旨を伝えた。家族介護者は訪問介護職が 間ができてしまった。 到着したので買い物に出てしまった。訪問看護師が到着する 14 前に吸引が必要な状況になったが吸引できず、SPO2が低下 してしまった。訪問看護師が到着し排痰ケアを行ってSPO2は 改善した。. 病状が変化している時は、家族介護者は 不在にならないよう配慮する。事情がある場 合も訪問介護職だけにならない対応を支 援者間で決めておく。. 呼吸回路の接続のゆる 神経難病(60代)TPPV24時間 夜間、人工呼吸器のア アラーム音が鳴っていたが、家族介 みから、チアノーゼ出現 ラームが鳴り、療養者にチアノーゼが出現した。家族介護者が 護者が呼吸回路の接続のゆるみに 原因が分からず、訪問看護師に連絡。吸引や接続部の確認 気づけなかった。家族介護者が日 を指示したが解決せず、主治医に連絡後、救急搬送となる。 常的な人工呼吸器の点検(チェッ 15 ク表を用いて行う)をやめてしまって いた。. 日常的に家族介護者が人工呼吸器の周 辺や呼吸回路が点検や確認ができている か、訪問看護師と一緒に行うなどのチェック が必要。. 外出支援時に人工呼吸 神経難病(50代)TPPV24時間 外出支援時に、人工呼 人工呼吸器を移動させたとき、不 器のセンサーチューブがは 吸器のセンサーチューブ1カ所が外れてアラームが鳴ったが、ア 注意で呼吸回路のセンサーチュー ずれた ラームの原因がすぐには分からず、蘇生バッグにて補助呼吸を ブがはずれてしまった。アラーム点灯 行なった。 呼吸器会社に連絡し、1カ所ずつ点検を行い、 時の点検等の指導が不十分だっ 16 チューブ1カ所が抜けていることに気づき、修復できた。 た。. 人工呼吸器を移動させる前後は各接続部 を丁寧に確認し、配置させる。人工呼吸器 のアラーム点灯時の対処方法(点検方法 等)を日常的に行えるように家族介護者 や支援者間で作っておく。. 13.

(14) 上記の事例は、後述の「3.ヒヤリハット情報提供(検索・閲覧)システム」にお いて、キーワード検索により閲覧できるシステムに登録し、 公開した。 2)訪 問 看 護 師 からの情 報 提 供 に基 づくヒヤリハット事 例 訪 問 看 護 師 を 対 象 と し た 研 修 の 受 講 生 165 名 に 対 し て 、 在 宅 人 工 呼 吸 管 理 の ヒ ヤ リ ハ ッ ト に 関 す る 質 問 紙 調 査 を 実 施 し 、 147 名 よ り 回 答 を 得 た 。 こ れ ま で に 人 工 呼 吸 器 関 連 の ヒ ヤ リ ハ ッ ト に 遭 遇 し た 経 験 の あ る 者 は 147 名 中 19 名 ( 無 回 答 45 名 ) で あ り 、 こ の う ち 14 名 か ら 事 例 の 概 要 に 関 す る 情 報 提 供 を 得 た 。 提 供 さ れ た 事 例 の 対 象 疾 患 は 、 筋 委 縮 性 側 索 硬 化 症 が 13 名 、 そ の 他 に 脳 血 管 疾 患 等 で あ った。 このうち、原因や対策の分析が可能な情報量のあった 3 例について、表3にまとめ た。 表 3.訪 問 看 護 師 (研 修 受 講 生 )からの情 報 提 供 に基 づくヒヤリハット 事 象 No. タイトル カフ圧の低下に よる唾液の気 管への流れ込 み. 概要 カフ圧チェック時に、気管カニューレのカフ圧が急激に低下 し、呼吸苦が出た。養者の訴えている内容が分からなかっ た(呼吸苦が増悪)ので、家族を呼び、呼吸介助を行っ た。原因は不明だが、カフ圧が低下したのはわかっていたの で、カフ圧を入れ直し吸引をした。. 原因. 対策. カフ圧計の不具合(圧を抜くレバーが 押されたままになっていた)。看護師は 気づかずに接続してしまっていたので圧 が抜けた。カフ圧を測定する前に、サイド チューブから吸引しなかったので、圧が抜 けた時に唾液が気管に流れ込んだ。. カフ圧測定時に自分で圧を抜いてしまう危 険性があることを認識し、圧を維持できる測 定方法を習得しておく。測定前に吸引(気 管・サイドチューブ)をして誤嚥を防ぐ手順 1 を統一して守る。思った以上に唾液が呑み 込めずに貯留していた事に気づいていなかっ たため、平常時からの痰・唾液の観察を行 う。 同一体位など 24時間TPPVの神経難病の療養者(60代女性)、「呼 仰臥位の姿勢でいることが多い為、痰 現在、体位交換もあまり行えず、呼吸訓練 に対する排痰 吸が苦しい」とホームヘルパーに訴えあり。意思伝達装置で が貯留した可能性あり。また、同一体位 も定期的に行っていない為、呼吸のしにくさ ケア・呼吸管 「背中を押して」と本人より指示があった。ヘルパーがそのよ により、背部に体重免荷がかかり、呼吸 の症状が出現したのではないかと考えられ た。呼吸筋マッサージ、可動域運動、体位 2 理の不足によ うに対処したところ、呼吸苦が軽減した。一過性で終わり、 筋疲労をきたしたのかもしれない る呼吸苦 その後、症状は消失した。 ドレナージ等も含めた呼吸管理を進める 介護職者が本人の訴え・指示通りに背部を押したことで、 呼吸が軽減した。 気管カニューレ レスパイト先の病院で帰宅前に気管カニューレを交換し帰 レスパイト先の医師の不注意ではある サイズの誤り 宅したが、そのカニューレのサイズがワンサイズ小さいのでエ が、交換すべきご本人のサイズのカ アー漏れが発生した。帰宅途中の車の中では奇跡的に ニューレがすぐに手元にある状況を作って SpO2が低下することなく、家まで帰ってこられた。帰宅後、 おくことも事故防止には必要であった ベッドに移った後から、SpO2が90%→80%へダウンし、チ アノーゼが出現。カフエアの入れ替えをしても、エアー漏れが 3 解消されず、蘇生バッグで喚起しながら呼吸器の設定も確 認。病院に問い合わせ、正しいサイズの気管カニューレが入 れ替えられ、チアノーゼや体調も改善された。. 入院の際には、明確にご本人に必要な物 品のサイズや残数など、わかるように伝える 事が必要である。その利用者に関わる全て の人で、同じ情報を共有する必要がある. 注 )TPPV (Tracheostomy Positive Pressure Ventilation) :気 管 切 開 下 陽 圧 換 気 .. 14.

(15) 3.ヒヤリハット情 報 提 供 システムの開 発 および在 宅 医 療 安 全 の普 及 啓 発 「2.ヒヤリハット情報:リスク分析・事例整理」により整理した事例の情報公開 方法として、難病ケア看護データベース ※のホームページより、ヒヤリハット事例を閲 覧できるWEBシステムを構築する。ヒヤリハット事例の検索方法については、W E B上でユーザーがキーワード選択して絞り込みを行い、該当する 事例を検索・閲覧で きるシステムを構築することにより、実践において事前の予防策立案や、事後の対応 に有益な情報を提供する。 さらに、在宅医療安全の普及啓発を効果的に行うために、訪問看護師を対象とした 本システムの利用評価を得た。 ※ 本 シ ス テ ム の ホ ー ム ペ ー ジ は 、 申 請 者 の 所 属 機 関 ;公 益 財 団 法 人 東 京 都 医 学 総 合 研 究 所 難 病 ケ ア 看 護 研 究 室 「 難 病 ケ ア 看 護 デ ー タ ベ ー ス : http://nambyocare.jp/ 」 の コ ン テンツとして公開した。尚、公開に際して、トップページに 「本システムは公益財団 法 人 在 宅 医 療 助 成 勇 美 記 念 財 団 の 助 成 に よ り 開 発 し た 。」 と 記 載 し て い る 。 1)ヒヤリハット情 報 提 供 (検 索 ・閲 覧 )システムの概 要 <ヒヤリハット情報提供(検索・閲覧)システム>の概要は以下の通りである。. <ヒヤリハット情 報 提 供 (検 察 ・閲 覧 )システム画 面 1> トップ画 面 :利 用 者 への説 明 (抜 粋 ). 15.

(16) <ヒヤリハット情 報 提 供 (検 察 ・閲 覧 )システム画 面 2> 登 録 方 法 の案 内 画 面 (利 用 規 約 ・登 録 申 請 書 ). <ヒヤリハット情 報 提 供 (検 察 ・閲 覧 )システム画 面 3> ヒヤリハット事 例 検 索 画 面 (キーワードの選 択 ). 16.

(17) <ヒヤリハット情 報 提 供 (検 察 ・閲 覧 )システム画 面 3> ヒヤリハット事 例 の閲 覧 画 面. 17.

(18) 1) ヒヤリハット情 報 提 供 (検 索 ・閲 覧 )システムに公 開 する事 例 の内 容 ヒヤリハット情報提供(検索・閲覧)システムに公開している事例の タイトルを下 表に示す。これらの事例については、すでにデータから、事象の原因および対策を検 討した上で公開している。 表 4.情 報 提 供 システムの公 開 済 み事 例. (タイトルのみ). 1. 高圧アラームが鳴りやまない. 2. 車椅子から移動時に呼吸回路が挟まれ破損. 3. 加温加湿器の注水ポートの蓋のはずれ. 4. 「苦しい」の訴えで呼気弁が動いてないことを発見. 5. 移動中の人工呼吸器(鼻マスク式)の作動停止. 6. 「空気の入りが悪い」という訴えで回路の接続のゆるみを発見. 7. 回路の水抜き後に「空気の量が少ない」の訴え. 8. 車内コンセントに接続し人工呼吸器が作動停止. 9. 幼児が気管カニューレを引き抜いた. 10. いつもと違う顔色不良、SPO2低下がある. 11. 呼吸器からの送気量が少ないとの訴え(鼻マスク式). 12. バッテリーチェック時にAC電源を抜いたら作動停止. 13. 吸引を繰り返し、アラーム音が連続しチアノーゼになった. 14. 外出中、携帯用吸引器の瓶が破損. 15. リクライニング車いすを操作時に呼吸器を破損. 16. 回路の水抜き中に呼気弁を破損. 17. 回路交換に使用したアルコール綿が混入していた. 18. フレックスチューブの劣化による破損. 19. 清拭中、回路の接続部がはずれた. 20. 回路の水抜き中に、気管内に水滴が逆流. 21. バクテリアフィルターがはずれかかっていた. 22. 人工呼吸器の設定がSIMVから従圧式になっていた. 23. 加温加湿器の水が空になっていた. 24. 入浴サービス後の呼吸苦の訴え. 25. 普段と違う表情をしている. 26. 気管カニューレが浮いた(浅くなった). 27. 呼気弁が下向きに接続されていた. 28. 高圧アラームが鳴りやまない. 29. 気管カニューレ挿入部から空気が漏れる. 30. 褥創ケア中の気管カニューレ抜去. 31. 入浴中の気管カニューレの抜去. 32. 人工鼻に変更後で痰がかたくなった. 33. 人工呼吸器が自発呼吸を感知しない. 34. 鼻マスク着脱練習中に呼吸苦が出現. 35. 加温加湿器の水が空になっていた. 18.

(19) 36 浣腸をするための体交時にアラームが鳴り始めた 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51. 外来受診時に人工呼吸器を移動しようとしてぶつけて作動停止 呼吸回路のウォタートラップ接続のゆるみ 気管カニューレ交換時に高圧アラームが鳴った 吸引時に吸引器の吸引圧が設定より高くなっていた 訪問入浴で体を移動中に気管カニューレが抜けそうになった 気管カニューレの接続部から呼吸回路がはずれたのに気づくの が遅れた 排泄ケアで体交時に高圧アラームが鳴った エアマット交換時に呼吸回路がはずれた 回路交換後、数時間して低圧アラームが鳴った 訪問看護師が訪問すると高圧アラームが鳴っていた 気管カニューレが抜けかけていた リクライニング車いすへの移動時に気管カニューレが抜けた 家族介護者が不在時の、肺炎・喀痰増加によるSPO2低下 呼吸回路の接続のゆるみから、チアノーゼ出現 外出支援時に人工呼吸器のセンサーチューブがはずれた. 2) ヒヤリハット情 報 システム(検 索 ・閲 覧 )の利 用 効 果 に関 する評 価 在宅医療安全の普及啓発を効果的に行うために、訪問看護師を対象とした本システムの 利用評価を行った。ヒヤリハット情報収集(報告)システムの完成後に、実際に訪問看護 師に本システムを試用してもらい、多面的な評価を得るための面接調査を実施 した。 調査方法は、東京都内の訪問看護事業所に所属する訪問看護師 6 名、訪問看護事業所管 理者 1 名、医療安全に関する看護研究者 1 名を対象としたシステム試用後の質問紙調査で ある。 ① 「ヒヤリハット情報検索システム」について ■ WEB シ ス テ ム の 利 便 性 ・ 有 用 性 に 関 す る 意 見 〈肯定的意見〉 事例収集システムがあることで自分達のステーションの事例だけでなく、他の施設の事例を知り、活用する事で事故を未然 に防止する事につながり、有効なシステムだと考える。 所内でヒヤリハットが起きた時に、対策等の参考に役立つと思う。 「人工呼吸器」、「場面」も詳しく分類されており、選択しやすい。 たくさんの事例があり参考になる。 また「対策」もあるので、時々このシステムに目を通すことは安全対策上、とても有用である。 色々な事例を知ることで、自分達へのワーニングになると思う。 一つの事業所内での事例は限られたものになるので沢山の事例をみることができるのはとても良いと思う。 何かあった時だけでなく、事前に読んでおくことで意識が高まる。 (想像できないよううなことも起こるので) 検索はしやすく、また状況も日々の訪問で行われていることが多かったのでイメージしやすかった。 また人工呼吸器の事例などは自分の想定外の出来事があり、実際の対処法がわかって生かせる。 キーワードで選択ができるので、自分が体験したヒヤリハット等と比べたり、対策が考えられると思う。 事業所内外の対策がわかるのは良い。 人工呼吸器+気管カニューレといった枠組みで出てくる事例と、ケア場面ごと事例がでると、ケアをする際にどのようなことが おきるか、どのような対策が必要か瞬時に収集して、活用できるので、そのような表示の仕方があっても良いと思う。. 19.

(20) 〈課題〉 利便性についてはクリックする場所を少し迷った。 またステーションの個々人が時々検索するのは限界があるので、ステーションの安全対策担当者が定期的にチェックしてス テーションスタッフに報告するなどの内部システムが必要だと思う。 パソコンを開き、自ら見に行かないといけないので、なかなか見る機会も少ないのではないかと思う。. ■ヒヤリハット情報検索システム」の内容に関する意見 状況・原因・対策と簡潔でわかりやすいのですが、もう少し詳しく背景や状況がわかるとよいと思う。 (ミ-ティングなどで事例を共有して話し合う等して利用する時は詳細がわかった方が意見も出しやすいと思うので) 内容が疾患別や場面別に分類されていくと、必要な情報が確認しやすくなると思う。 プリントアウトしてスタッフ内で共有するのは良いと思う。 (例えばカンファレンス時など) 見出しが検索しやすくて良かった。 その例の限界や対処法、状況など、疑問に思ったことがフィードバックできていればより深まるように思う。(しかし、事例を載 せている人がわからないこともあり困難か) 医療事故情報検索システム同様、項目が分かれてチェックして情報を得られる点は便利だと思う。 数が増えたら、小児のケースなど事例と対応がでると、小児を担当するステーションなど少ないので貴重な情報になると思 う。. ② 「ヒヤリハット情報収集システム」について ■ WEB シ ス テ ム の 利 便 性 ・ 有 用 性 に 関 す る 意 見 病院で働いているとヒヤリハットを提出する機会も多く、事例の検討の場も多くあるが、在宅の場では個人が積極的に報告 書をださないと共有する時間の確保が難しい。 このようなウェブシステムを利用してどんどん出力をし、皆で共有する場を設けることはとても必要なことだと思う。 ヒヤリハットは起こるものと認識した上で、同じミスを起こさないためにヒヤリハットを振り返る大切さを自覚するために有用だ と思う。 記入してすぐに送信できるので便利である。 しかし、現訪問看護ステーションにはパソコンが1台しかなく、また時間の余裕 も少ないので、送ろうという心掛けを持っていないと流されてしまうかもしれない。 管理者側の指導が大切だと思う。 ヒヤリハットに対する考察、対策が深められるともっと有用性が増すと思う。 Q11-9(誰にどのような報告をしたか)のところは欄が一つ一つ大きい方がよいのではないかと思う。具体的な報告や指示 で受けたことも記入できた方がよい。 場面によりわかれており使いやすそう。 訪問看護ステーションは大きい(スタッフが多い、関連のステーションが複数等)事業所もあるが、小さい事業所が各々でヒヤリ ハットを共有していくことが難しい。 そのような環境の中で他の事業所のヒヤリハットを知り、共有していく事は、自分の業務の中で注意する事や事業所内ス タッフで注意すること等を表出でき、とても良い。 ヒヤリハット報告書は、記載する人にとって要点や表現が分からないなど、報告書作成に時間を要することがある。 こちらのシステムでは、「出来事」の入力が項目別に分かれておりチェックボックス式になっていること、設問ごとに文章を入 力することで、自動的に報告書が作成されるため、記載に慣れない人が入力しやすいというメリットがあると感じた。 情報が場面や要因などで項目ごとに整理されているので、利用者を支援する多職種間が事故情報を共有する際にも、要因 を共有できると思う。. ■「ヒヤリハット情報システム」の内容に関する意見 〈肯定的意見〉 事業所外で、ヒヤリハットを管理、集計してもらえるところがあるのは小さい事業所としてはありがたいと思う。 事業所の中でも、このシステムを利用していけるとよいと思う。 項目の選択式なので記入しやすい。 その他もあるので(書きたい字数・自由に書けるので)充分説明できる。 選択肢が多くて入力しやすい。. 20.

(21) 〈課題〉 使い勝手は問題ないが、事例を検討、共有する時に当事者の背景がもっと詳しくわかる方が分析しやすいと思う (例えば経験年数だったり、通常訪問中なのか緊急訪問中だったのか等) このシステムは医療関係者のみが対象だが、質問では介護職の方も含まれていると思う。 QⅡ-2(出来事の場面の選択)は、もう少し具体的な方がチェックしやすい。 例えば、呼吸管理-吸引時、排痰補助装置使用時、などぱっと見て何のことがらか、起きていた時かがわかるかと思う。 同じような事例が多くなってきたら、全例と違う場所だけを入力(例えば対処法だけ入力)というのもいいかと思う。 質問Ⅱ-2「呼吸管理」と「医療処置管理①人工呼吸器」との区別がつきにくいと思った。(例えば、気管カニューレ交換、 呼吸器回路の交換はどちらに入るのか) 質問Ⅱ-8要因に関する質問について、PMSHELLの要因分類を基に作成されていると思いますが、ケア提供者の知識 や技術の問題は当事者の要因として抽出されるかもしれませんが、施設で研修等の教育機会がない、マニュアルがな い、マニュアルに最新情報がない、ソフト面に関する要因がどこに入るのかと思った。 ⑤「システム」に関することは、イメージしにくいので例えば(他職種との連携、支援体制)などが加わると分かりやすいと 思った。. ③ その他に気づいた意見や在宅医療安全に関する考え 訪問看護は看護師一人で行うため、ヒヤリハットに気づけることが大切だと思う。 記入・送信した内容がよくわからないor説明が足りない等の場合は質問ができるシステムなのか。 利用者の状態として、24時間人工呼吸器装着か短時間でも離脱できるのか、コミュニケーションが可能なのか(訴えられ るか、機器導入で可能性があるのか)などの項目必要ではないだろうか(でもあまり項目を増やすと書きにくくなるが…。) とても役立つ情報システムをつくっていただいて、ありがとうございます。 人工呼吸器に関する事例に関しては命に直結するので怖いと感じた。 実際に自分だったら…と考えるので、イメージトレーニングしておける。 今回は人工呼吸器使用中の状況においてのヒヤリハットでしたが、在宅では様々な状況の利用者がいるので、人工呼 吸器使用中ではない場合のヒヤリハットのフォーマットもあってもよいのではないかと思った。 (ただ、そういったものの管理はまた別の組織になるのかもしれないが…) よく考えられた入力しやすいシステムだと思った。ヒューマンエラーに対する対応策は、当事者が記載した1例1例の要因 と対策を分類・整理して、在宅での事故の傾向にあった対策が見出されるとよいと思った。. Ⅴ.考察 在宅における医療安全の管理体制は、医療機関における体制に比して十分であると はいいがたい状況である。本研究事業は、在宅における医療安全の体制整備に資する ため、まず「在宅人工呼吸管理」に焦点化してヒヤリハット事例を収集し、普及啓発 するシステムを構築した。以下、在宅人工呼吸管理のヒヤリハットの内容に関する視 点、在宅における医療安全体制について考察する。. 1.在 宅 人 工 呼 吸 管 理 に お け る 安 全 管 理 本システムの運用にあたり、訪問看護師を対象として事前に「在宅人工呼吸管理」に 関するヒヤリハット事例の収集のために調査を実施した。結果、在宅人工呼吸管理に おいて、人工呼吸器本体および周辺機器の不具合をはじめ、ケア中の管理不足や注意 不足により発生している事象が報告された。 一般社団法人日本呼吸療法医学会では、人工呼吸器の作動停止事例を収集するとと もに症例報告を公開して注意喚起を行っている. 6). 。これによると分析対象となった報. 告 事 例 37 件 中 2 件 は 在 宅 で 発 生 し た 事 例 で あ り ほ と ん ど ICU お よ び 病 棟 で 発 生 し た 事 例 で あ っ た 。 ま た 、 分 析 対 象 事 例 37 件 中 死 亡 お よ び 後 遺 症 の 発 生 は い ず れ も 0 件 、 一 21.

(22) 時的な低酸素血症を呈したものが 7 件との報告であった。本研究において収集した事 例においては、ヒヤリハット事例を収集していることから、アクシデント事例の報告 はないものの重篤な事故につながることを未然に防ぐ対応策への示唆を含む事例が報 告された。 例えば、人工呼吸器の日頃からの機器点検・管理、適切な使用の徹底を基本としな がら、人工呼吸器を装着している療養者の日頃のケア場面における留意点、家族や多 職種がかかわる療養者における情報共有や連携方 法など多岐にわたっていた。 本研究で提示したヒヤリハット事例は、主に訪問看護師が把握した事例を中心とし ている。これは、ヒヤリハット当事者が訪問看護師というわけではなく、異常につい て訪問看護師に連絡があり看護師が対処をしたり、報告を受けた事例を含んでいる。 日本呼吸療法医学会は、人工呼吸器安全使用のための指針. 7). を示している。特に、. 在宅では、個々の療養者の生活様式や生活環境の中で医療機器管理を行う状況とな る。事前予防策や事後対応を行う医療従事者は限定され、物理的・時間的距離が生じ る状況となる。前述の指針に従う適切な人工呼吸器管理に加えて、在宅で人工呼吸器 を装着しながら「生活」をする療養者の安全を守る視点を十分認識 する必要性が示唆 された。. 2.本 シ ス テ ム の 評 価 お よ び 今 後 の 在 宅 医 療 安 全 の 課 題 在宅における医療安全体制は、医療機関に比して整備さえているとはいいがたい 現 状 で あ る 。 本 研 究 で は 、 ま ず 在 宅 人 工 呼 吸 管 理 に 関 連 す る ヒ ヤ リ ハ ッ ト を WEB 上 で 共 有し事前対応策の立案に貢献できるシステムの提案とともに、訪問看護師および医療 安全の研究者に対する「ヒヤリハット情報システム(検索・閲覧)の利用効果に関す る 評 価 」 の 調 査 を 実 施 し た 。 そ の 結 果 、 シ ス テ ム の 利 便 性 ・ 有 用 性 に つ い て 、「 自 分 た ちの事業所の事例だけでなく他の施設の事例を知り、活用することで未然に防止する こ と に つ な が り 有 効 な シ ス テ ム だ と 思 う 」「 キ ー ワ ー ド で 検 索 で き る の で 自 分 が 体 験 し た ヒ ヤ リ ハ ッ ト 等 と 比 べ た り 対 策 が 考 え ら れ る 」「 人 工 呼 吸 器 に 関 す る 事 例 は 命 に 直 結 するので怖いと感じた。実際に自分だったら…と考えるのでイメージトレー ニングし ておける」等の意見があった。 一 方 で 、「 ス テ ー シ ョ ン の 個 々 人 が 時 々 検 索 す る の は 限 界 が あ る の で 、 ス テ ー シ ョ ン の安全対策担当者が定期的にチェックしてステーションスタッフに報告するなどの内 部システムが必要」など、本システムはあくまでも一つのツールにすぎず、それを個 人や事業所でどのように活用していくかといった問題も言及された。 更 に 、「 使 い 勝 手 は 問 題 な い が 、 事 例 を 検 討 ・ 共 有 す る と き に 当 事 者 の 背 景 が も っ と 詳 し く わ か る 方 が 分 析 し や す い 」「 当 事 者 が 記 載 し た 1 例 1 例 の 要 因 と 対 策 を 分 類 ・ 整 理して在宅での事故の傾向にあった対策が見いだされるとよい」など、今後の情報の 内容や示し方に関する提案の意見があった。 22.

(23) 以上の通り、在宅医療安全を確保するための一つのツールとして本システムの評価 は得られたものの、実際の活用方法や在宅における安全管理体制にどのように取り入 れて個々の事業所における安全管理に反映していくかという課題が明らかになった。 今後は、上記の意見を踏まえて事例の蓄積とともにより有用なシステムとなるよう 精錬し、普及啓発を継続していくこととする。. Ⅵ.まとめ 本 研 究 は 、「 在 宅 医 療 安 全 /ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 収 集 ・ 提 供 シ ス テ ム 」 と し て 「 在 宅 人 工 呼 吸 管 理 」 に 関 し て 、 W E B を 活 用 し た 1 ) ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 の 収 集 (報 告 )シ ス テ ム 、 2)ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 の 提 供 (検 索 ・ 閲 覧 )シ ス テ ム を 構 築 し 、 在 宅 医 療 の ヒ ヤ リ ハ ットの実態を明らかにした。 「 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 の 収 集 (報 告 )シ ス テ ム の 開 発 ・ 調 査 」 に よ り 、 情 報 収 集 シ ス テ ム の位置づけ・収集する情報の在り方について、在宅人工呼吸管理経験が豊富な看護師 及 び 研 究 者 の 意 見 に 基 づ き 、 WEB シ ス テ ム を 開 発 し た 。 ヒ ヤ リ ハ ッ ト 情 報 の 提 供 シ ス テ ム で 公 開 し た 事 例 は 、 ① WEB シ ス テ ム ユ ー ザ ー か ら 提 供 さ れ た 4 事 例 、 ② 全 国 訪 問 看 護 事 業 所 に 対 す る 質 問 紙 調 査 に 基 づ く 16 事 例 、 ③ 訪 問 看 護 研 修 受 講 生 か ら 提 供 さ れ た 3 事 例 を 含 め 、 計 51 事 例 で あ る 。 各在宅ヒヤリハット情報についてリスク分析に基づき、要因・対応策を整理 し、キー ワード検索で関連するヒヤリハット事例が閲覧できるWEBシステム「ヒヤ リハット 情 報 の 提 供 (検 索 ・ 閲 覧 )シ ス テ ム 」 と し た 。 公 開 事 例 か ら は 、 重 篤 な 事 故 に つ な が る ことを未然に防ぐ対応策への示唆を含む事例が報告され、人工呼吸器の日頃からの機 器点検・管理、適切な使用の徹底を基本としながら、人工呼吸器を装着している療養 者の日頃のケア場面における留意点、家族や多職種がかかわる療養者における情報共 有や連携方法など多岐にわたる対応策が示された。 本システムに関する訪問看護師等による試用評価により、在宅医療安全を確保する ための一つのツールとして本システムの評価は得られたものの、実際の活用方法や 在 宅における安全管理体制にどのように取り入れて個々の事業所における安全管理に反 映していくかという課題が明らかになった。今後は、上記の意見を踏まえて事例の蓄 積とともにより有用なシステムとなるよう精錬し、普及啓発を継続していく。. 本 研 究 は 、「 公 益 財 団 法 人 在 宅 医 療 助 成 勇 美 記 念 財 団 」 の 助 成 に よ り 実 施 し た 。. <参 考 文 献 > 1) 公 益 財 団 法 人 日 本 医 療 機 能 評 価 機 構 : 医 療 事 故 情 報 収 集 等 事 業 第 3 6 回 報 告 書 ,2014.3. 2)川 村 佐 和 子 (研 究 代 表 者 ),小 倉 朗 子 ,中 山 優 季 ,原 口 道 子 他 :医 療 処 置 を 必 要 と す る 在 宅 療 養 者 の リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト に 関 す る 質 的 検 討 ,厚 生 労 働 省 科 学 研 究 費 補 助 金 地 域 医 療 基 盤 開 発 推 進 研 究 事 業「 医 療 依 存. 23.

(24) 度の高い在宅療養者に対する医療的ケアの実態調査および安全性確保に向けた支援関係職種間の効果的 な 連 絡 の 推 進 に 関 す る 検 討 」 平 成 20 年 度 報 告 書 3)原 口 道 子 ,小 倉 朗 子 , 中 山 優 季 他 : 在 宅 経 管 栄 養 を 要 す る 療 養 者 に 対 す る 看 護 職 ・ 介 護 職 の サ ー ビ ス 提 供 に お け る リ ス ク 分 析 に 基 づ い た 看 護 職 に よ る リ ス ク 予 防 策 の 検 討 ,日 本 難 病 看 護 学 会 誌 14(1),54,2009. 4) 石 原 英 樹 ほ か : 在 宅 呼 吸 ケ ア の 現 状 と 課 題 ,平 成 19 年 度 全 国 ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 ,厚 生 労 働 省 特 定 疾 患呼吸不全調査研究班. 平 成 19 年 度 研 究 報 告 書 ,60-63,2008.. 5)中 山 優 季 : 在 宅 人 工 呼 吸 療 法 の 実 際 ,人 工 呼 吸 管 理 実 践 ガ イ ド ; 道 又 元 裕 , 小 谷 透 ,神 津 玲 編 集 ,p 292 302,照 林 社 ,2009. 6) 一 般 社 団 法 人 日 本 呼 吸 療 法 医 学 会 人 工 呼 吸 管 理 安 全 対 策 委 員 会 : 人 工 呼 吸 器 の 突 然 の 動 作 停 止 事 例 2013 年 ,人 工 呼 吸 ,31,204-208.2014. 7)一般社団法人日本呼吸療法医学会人工呼吸管理安全対策委員会:人工呼吸器安全使用のための指針 第 2 版 ,人 工 呼 吸 ,28,210-225,2011.. 24.

(25)

参照

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