2017
年
11
月
16
日(木)
TKPスター貸会議室さいたま新都心主催:農林水産省関東農政局 、一般社団法人 全国肉用牛振興基金協会
化
強
盤
基
産
生
ム
ウ
ジ
ポ
ン
シ
進
推
牛
用
肉
13:30~17:30
肉用牛生産基盤強化推進シンポジウム議事次第 日時:平成29年11月16日(木)13:30~17:30 場所:埼玉県さいたま市大宮区吉敷町4-262-16 マルキュービル 6F TKP スター貸会議室 さいたま新都心 1 開会(13:30) 2 基調講演(13:40~14:40) 「肉用牛繁殖経営における飼養管理作業の外部化 ~CBSの可能性と限界を中心に~」 講師:国立大学法人 大分大学 経済学部 地域システム学科 教授 大呂 興平 氏 3 事例紹介 (1)「県北中山間地域における肉用牛生産基盤強化に向けた取り組み」 (14:40~15:20) 講師:株式会社 大子町アグリネットワーク 代表取締役 益子 光洋 氏 ~休憩(10分)~ (2)「酪農経営における後継牛の計画的な確保のための繁殖計画作成支援 ~シミュレーションを活用したプランニング~」 (15:30~16:10) 講師:神奈川県畜産技術センター 主査 齋藤 直美 氏 4 関連情報の紹介 (1)「肉用牛生産基盤強化に向けて」(16:10~16:30) 講師:農林水産省 畜産部 畜産振興課 課長補佐 大竹 匡巳 氏 (2)「肉用牛農家の経営評価システム(CattleINFO)試行プログラムへの 参加について」(16:30~16:45) 講師:農業・食品産業技術総合研究機構 食農ビジネス推進センター プロジェクトプランナー 山根 逸郎 氏 5 総合討論(16:45~17:30) 6 閉会(17:30)
資料1
基
調
講
演
肉用牛繁殖経営における飼養管理作業の外部化
~CBSの可能性と限界を中心に~
講師
国立大学法人
大分大学
経済学部
地域システム学科
教授
大呂
興平
氏
肉用牛繁殖経営における
飼養管理作業の外部化
ー CBSの可能性と限界を中心に
大呂興平(大分大学 経済学部)
本日の報告の内容
□
報告の背景として・・・
0. 自己紹介
1. 最近の子牛生産縮小をめぐって
□
本題:肉用牛繁殖経営の作業外部化
ー壱岐
CBSを事例に考える
1.肉用牛繁殖経営の作業外部化を考える視点
2.長崎県・壱岐島における飼養管理の外部化
3.キャトルセンターの取り組み
4.CBSの取り組み
5.まとめ
10.はじめに:「本報告の背景」の背景としての自己紹介
〔出身〕鳥取県
〔専門〕経済地理学
/ 農業経済学
〔研究テーマ〕
国土周辺部の産業としての肉用牛繁殖経営の可能性
豪州
wagyu産業の展開
日本の牛肉輸出
世界の牛肉貿易の変動
日本の食料調達体制の変化と地域
豪州の生産者主導型の農業研究開発の実態・・・
2 31.最近の子牛生産縮小をめぐって
和牛の供給不足
子牛価格高騰の背後にある子牛生産の縮小
肉用牛の子取り用めす牛(母牛)頭数:
統計を取り始めた1971年以降,
初めて60万頭を割る
子牛価格は
80万円前後を推移し,狂乱的水準.
キャトルサイクルの変調
子牛価格が上昇しているに
もかかわらず,母牛頭数が
十分に回復しない
2016年に底を打った母牛頭
数は当面回復傾向で推移す
るだろうが,子牛価格の下落
が予想される中,増加の量・
期間を注視する必要.
500 550 600 650 700 750 800 850 200 300 400 500 600 700 800 900 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 (千頭) (千円) 年 母牛頭数 (右軸) 子牛価格 (左軸) 価格上昇期 価格上昇期 価格上昇期 価格上昇期国内の子牛生産拡大は誘発されているはず.
子牛は例外的に生産者価格が大幅上昇している.
土地利用の粗放化も,有利な条件を与えている.
肉用牛繁殖経営は,牧草自給が重要な,最も土地使用的な部門
.
1980年代 1990年代 2000年代 2010~2015年 米類 100 92 69 63 麦類 100 87 68 30 生乳 100 90 87 97 サトウキビ 100 97 100 104 子牛 100 118 133 153 生産者価格の推移(1980年代=100) (農業物価統計)Q:にもかかわらず,生産が縮小しているのはなぜか?
A:肉用牛繁殖経営が,
地域の人々に意味を失いつつあるから.
経営的・技術的特徴・・・肉用牛繁殖経営を通じて,
どのような経営が実現できるのか?
地域の人々のありよう・・・地域にどのような人々がいて,
どういう生き方を志向しているのか?
両者が
ミスマッチ
になっている.
経営を地域に「
根付かせ直す
」努力が必要.
8肉用牛繁殖部門の立地動態
近年の子牛生産縮小は,急増していた
沖縄・
北海道が減少
に転じたことが大きな要因.
母牛頭数 (2015年) 1990~2010 2010~2015 北海道 65,800 123.9 ▲ 17.2 30.2 東北 98,890 ▲ 35.7 ▲ 16.1 7.6 中国 25,050 ▲ 51.0 ▲ 7.3 9.4 九州 276,730 6.2 ▲ 16.8 12.6 沖縄 42,200 149.5 ▲ 16.3 17.0 全国 579,500 ▲ 0.4 ▲ 15.3 12.3 頭数増減率(%) 1戸あたり 母牛頭数沖縄:亜熱帯下の高い牧草生産力
北海道:豊富な土地供給
地域別の肉用牛繁殖部門の動向 都道府県別母牛頭数とその変化 (畜産統計) (畜産統計)飼料基盤に優位性
があり,
規模拡大も進展していた.
なぜ沖縄や北海道でも縮小したのか?
規模別頭数の変化
50頭未満層でも100頭以上層でも,頭数が減少している.
全国の母牛頭数規模別総飼養頭数 1~9頭 10~19頭 20~49頭 50~99頭 100頭以上 2010年 368,100 235,300 344,500 186,100 245,900 2015年 289,600 208,100 317,900 206,800 230,800 増減 -21% -12% -8% 11% -6% (畜産統計)低資本経営
投資を控える
(=最低限の牛舎や機械)確実な個体管理
が容易.
土地の増大とともに
放牧により
労働生産性が向上
する.
20頭程度に頭数の上限.
農家が,副次的部門(
=副収入源
)に据えるのに好適だった.
・
1980年代後半以降の収入減に直面していた
サトウキビ農家が,副
収入源として一斉に導入
,土地の供給増とともに
20頭近くまで増頭
.
(
飼料基盤に恵まれている沖縄では投資を控えても飼える頭数は他地域より大きい)→本業たる
サトウキビ農家の世代構成を反映
して展開.
・
2000年代後半以降,当時参入したのサトウキビ農家の引退が本
格化し,それとともに低資本経営の消滅も加速.
技術的・経営的特徴高資本経営
・
1980年~1990年代より,
補助事業
を契機に成立.
高所得を得られる可能性
のある数少ない部門として
魅力的だった
.
個人の個体管理技術
が厳しく問われ,負債が固定化する経営も.
補助事業(=施設拡充)と個体管理技術獲得の
タイムラグ
・
2010年代
負債
の深刻化,個体管理
技術の継承が困難
→
離脱
.
大型牛舎や機械に数千万円の投資.
多数の牛を瞬時・正確に観察する
必要.
属人的能力
に依存し,
経営間
の成果の差が大
→飼料基盤の優位性はかすむ.
家族経営で
120頭程度に上限
技術的・経営的特徴経営の動態のまとめ
<1985年→2001年> ・収入減に直面したサトウキビ農家による低資本経営の導入・拡大 ・そこから一部に中資本経営の成立,高資本経営の成立と拡大 ~19頭 103戸 755頭 20頭~59頭 14戸 381頭 60頭~ 7戸 1039頭 53戸 506頭 733頭25戸 570頭5戸 45戸 433頭 46戸 273頭 撤退 12戸 302 頭 1戸 22頭 撤退 6戸 49頭 参入 2戸 55頭 参入 1戸 95頭 参入 10戸 342頭 3戸 385頭 3戸 685頭 撤退 1戸 90頭 2001年 124戸 2175頭 (17.5) 2015年 83戸 1809頭 (21.7) 1戸 34頭 2戸 24頭 1985年 98戸 548頭 (5.6) ~19頭 92戸 275頭 (2.9) 20頭~ 6戸 273頭 (45.5) <2001年→2015年> ・サトウキビ農家の大量引退に 伴う低資本経営の大量消滅 ・高資本経営の減少 ↑ 負債固定化による離脱 ↑ 継承がうまくいかず離脱 ・安定した高資本経営の残存 中資本経営の増加 低資本経営への若干の参入A島の肉用牛繁殖の戸数・頭数の見通し
<2005→2015年のコーホート変化率の実績を適用した 2025年の戸数変化予測> ・70歳以上→80歳以上 すべて引退 ・60~69歳→70歳以上 29%減 ・50~59歳→60~69歳 39%減 ・40~49歳→50~59歳 10%減 ・30~39歳→40~49歳 :親世代<2015年 60~69歳層>の26%が新たに継承 ・20~29歳→30~39歳 :親世代<50~59歳層>の6%が新たに継承 0 10 20 30 40 20~29才 30~39才 40~49才 50~59才 60~69才 70才~ ( 戸) 0 10 20 30 40 20~29才 30~39才 40~49才 50~59才 60~69才 70才~ ( 戸) 0 10 20 30 40 20~29才 30~39才 40~49才 50~59才 60~69才 70才~ ( 戸) 2005年 116戸 1979頭 2015年 82戸 1714頭 (予測) 2025年 47戸 2015年時点の60~69歳層,50~59頭層の1戸あたり頭数が 10年後もそのままと仮定して, 50歳未満層(23戸)の1戸あたり飼養頭数が 55.4頭にならなければ,2015年の頭数を維持 できない. それは現実的か? 高資本経営への拙速な誘導はかえって危険. 23戸 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 20~29才 30~39才 40~49才 50~59才 60~69才 70才~ ( 頭) 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 20~29才 30~39才 40~49才 50~59才 60~69才 70才~ ( 頭)JA宮崎中央(2014年)の頭数・戸数
※の例
0 50 100 150 200 250 300 20~29才 30~39才 40~49才 50~59才 60~69才 70才~ ( 戸) 0 50 100 150 200 250 300 20~29才 30~39才 40~49才 50~59才 60~69才 70才~ ( 戸) A島のコーホート変化率をJA宮崎中央農協管内の農家にもあてはめた場合 10年間に30~59才層の平均が53.9頭にならなければ頭数を維持できない. ※甲斐諭(2015)和牛産業の命運を握る繁殖牛増頭対策の課題:JA宮崎中央における農協直営事業と新規就農者への牛舎貸付事業に学ぶ. 畜産の情報2015年11月号 2014年 657戸 2024年 306戸 (予測) 2014年 9975頭 2024年 戸数 頭数 2014年の 頭数維持に 必要な1戸 あたり53.9 頭に拡大し た場合の頭 数なぜ和牛供給は減少しているのか?
農家の副収入源として面的に広がっていた低資本経営の雪崩的消滅.
点的に成立しつつある高資本経営の技術的不安定性.
現在の和牛生産縮小は,
肉用牛繁殖経営の
技術的・経営的特徴
歴史的な
地域農業の世代構成
構造的要因
和牛供給の見通しと輸入
少なくとも今後
10年間に子牛供給が本格的に回復する
のは
それほど容易でない
と見るべきではないか.
・生産基地たる沖縄や北海道,南九州が大幅拡大に転じるのは容易ではない.
・拙速に拡大を促すと,むしろ個体管理技術の伴わない高資本経営を生み出す.
和牛供給のさらなる減少
→和牛,交雑種を含む価格高騰
→(関税削減も相まって)海外Wagyu輸入の誘発
という
スパイラルの発動
は十分に想定すべき.
※注視すべき,海外産“wagyu”の生産拡大
近年,豪州・米国を中心にwagyu
※の急速な生産拡大
※“wagyu”の多くは在来牛と和牛の交雑種で,肉質は日本の和牛に劣る. 日本の店頭では「和牛」ないし「wagyu」の表示は認められておらず,wagyuは日本以 外の世界市場向けに主に生産されてきた.現価格では
wagyuは小売向けに本格輸入される状況にはない.
しかし,関税水準や為替レート,
国内の和牛価格
次第では,
将来的に輸入が増大してもおかしくない.
品種,市場 店頭価格 出所 和牛(日本国内平均) 1315円 ALIC調べ,2015年 交雑種(日本国内平均) 922円 〃 豪州産wagyu,シンガポール 1200~2000円(15~25S$) 中央畜産会調べ,2015年 米国wagyu,米国(サンフランシスコ) 1140円(10$) 筆者調べ,2016年 小売価格の比較(サーロイン,100gあたり)これからに向けて
和牛の場合,いかに国内供給力を保てるかが,
将来的な輸入動向をも左右する.
国内供給力の維持には,現場に肉用牛繁殖経営を
根付かせ直す
,現場の努力の積み重ねが問われる.
例)・高資本経営:個体管理技術の標準化
(
↑地域内での技術蓄積,新薬や機械といった国レベルの研究開発)
・労働生産性の高い副収入源としての低資本経営を,
地域の非農家にも広げていく.
CBSをはじめとする肉用牛繁殖経営の作業外部化も,
そうした努力である必要.
本題:肉用牛繁殖経営の作業外部化 ー壱岐
CBSを事例に考える
1. 肉用牛繁殖経営の作業外部化を考える視点
2. 壱岐における飼養管理の外部化
3. キャトルセンターの取り組み
4. CBSの取り組み
5. まとめ
20 211.肉用牛繁殖経営の作業外部化を考える視点
肉用牛繁殖経営における作業の外部化
地域内
で組織された農業サービス事業体が,
飼料生産
や
飼養管理
の作業を
受託
することで,(農家から見れば飼料生産や飼養管理を
外部化
することにより)
生産拡大
や
労働生産性向上
を支援する動き.
飼料生産・・・コントラクター,
TMR・・・.
個体管理・・・
キャトルセンター
,
CBS
■キャトルセンター:通常,
子牛
の育成を引き受ける施設.
=
子牛受託
施設
(キャトルステーション,子牛共同育成施設,子牛育成施設などとも呼称)■
CBS(Cattle Breeding Station):通常,
母牛
の管理を引き受ける施設.
=
繁殖牛受託
施設
※単に「地域の肉用牛繁殖経営を支援する施設」といった意味で,総称的(曖昧)に用いられる場 合も多く,用語の使い方には混乱が見られる. ※実際には,CBSでの母牛受託の期間や内容は多様である. 22サービス事業体を作れば良いというわけではない...
・利用者が費用を上回るメリットを認識しない限り,利用は進まない.
・外部化が進んでも,節約された労働力や資本が本来特化すべき
農業部門に投じられなければ,生産拡大には結びつかない.
→事業の内容とともに,そうした事業が,
地域内のいかなる生産者に,どのように
受容
されているのか
が問われなければならない(=根付き方を問うということ).
2324
2.長崎県・壱岐島における飼養管理の外部化
壱岐島の社会経済と肉用牛繁殖経営
肉用牛繁殖経営は,
優位性が発現
している
数少ない農業部門
25 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (千万円) 肉用牛 米 葉たばこ いちご アスパラ メロン (年) 壱岐市における主要農産物の生産額推移脆弱な生産構造
・頭数は減少傾向
・高齢化による戸数減に,
残存経営の規模拡大
(=
1戸あたり頭数増)
が追いつかない.
先駆的な取り組みとしての,
キャトルステーションおよ
び
CBS
(=子牛および繁殖牛の
個体管理作業の外部化)
26 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 頭数 戸数 1戸あたり頭数 (年) (頭・戸) (頭) 壱岐市における母牛飼養頭数・頭数・1戸あたり頭数の推移個体管理作業外部化の進展
27 受入開始年 子牛育成部門 (子牛) 繁殖支援部門 (繁殖牛) 哺育部門 (哺育牛) 第1キャトルセンター 2001年 300頭 第2キャトルセンター 2005年 210頭 80頭 第3キャトルセンター+CBS 2009年 300頭 144頭 100頭 第3キャトルセンター+CBS (対外的には「CBS」,通称は「第3キャトル」)の配置図キャトルセンターの成功を受けて2009年,CBSに乗り出した.
子牛受託と母牛受託が一体となった全国初の施設として注目
28
3.キャトルセンターの取り組み
壱岐におけるキャトルセンターの利用拡大
29
壱岐のJAキャトルセンターの仕組み
• 4~5ヶ月齢(
離乳後
)の
子牛
を農家から預かり,その子牛を
10ヶ
月齢前後まで育成,セリ市まで出荷する.
• 毎月5日にJA職員が巡回して農家から子牛を引き取り,搬入.
• その後,給餌,去勢,削蹄,市場への運搬まで,
全管理を受託
.
• 委託料:1頭につき1日あたり790円(うち,20円は事故補償に積
み立て).(
2015.8月時点)
• 委託料は,セリでの子牛販売額から
天引き
して精算.
30キャトルセンター利用拡大の要因とその効果
31■委託した子牛の
高い市場評価
(群飼いによる斉一な子牛育成,専従職員の熱心な個体観察によるきめ細か
な給餌や疾病の早期発見)
→
委託料負担を補って余りある高値販売
が可能になっていた.
510円(当時の委託料)のうち,360円は飼料費(=委託しなくても発生する費用). 残り150円×5ヶ月=22,500円■委託で節約された労働力や牛舎スペースを
増頭
に充てられた.
牛舎スペースの面では,母牛20頭規模で3,4頭の増頭が可能. →小規模経営のみならず大規模経営も急速に利用拡大.■地域の農家への飼養技術の展示・実証という意味でも効果.
キャトルセンターと一般農家との子牛価格差キャトルセンターの利用農家
→規模が大きくなるとともに,利用農家の割合が高まる.
キャトルセンターへの子牛委託を前提として,育成に必要な牛舎や
労働力を確保せず新規参入や規模拡大を図る農家も多い.
32 母牛頭数規模別のキャトルセンター利用農家数キャトルセンターの成果と限界
• キャトルセンターは生産者の規模拡大を促す装置と
して受け入れられている.
• ただし,多くの農家が預ける背景にある,子牛の高
値販売の源泉は,個々の作業員の技術に依存.
作業員の経験や資質により成果に大きな差
がある.
ex)キャトルセンター間での子牛価格の差
第
1:52.3万円, 第2:47.7万円, 第3:50.3万円(2013.3月市場)
→農家の懐疑,不信.
• 高値販売という前提が崩れれば,利用が急減しか
ねない.
3334
4.
CBSの取り組み
壱岐の
CBSの仕組み
• 2009年設立.農家の
母牛
を預かる.
• 基本的に,空胎時に預かり,人工授精,妊娠確認後に生産者
に返すことを想定.原則的に母牛の
分娩は引き受けない
.
• 委託料は1日700円(2015年7月現在).
• 治療費や人工授精等の経費は生産者が別途負担.
• 料金は毎月精算され,JA口座から引き落とされる.
<想定されていた利用形態>
1) 母子委託
(分娩後の母牛を子牛とともに預かる)
子牛はキャトルセンターで育成(人工哺育),母牛は人工授精し,妊娠鑑定まで受託.2) 繁殖育成
(未経産牛を預かる)
市場から購入したり自家保留しためす子牛を育成,人工授精し,妊娠鑑定まで受託3) 繁殖障害からのリハビリ
障害の原因を特定後,子宮洗浄や栄養改善,運動不足解消などを行ったうえ,人工授精,妊娠鑑定まで受託4) 一時預かり
農家が病気やけがなどで一時的に飼養管理をできなくなった時に,母牛を預かる. 35実際の
CBS利用実績(2015年時点と
2017年現在
)
36• 母子委託や繁殖育成は,
利用が
ほとんどない
.
• リハビリは年間10~20
頭程度
• 一時預かりが急増
.
利用の大半を占める.
• 稼働率は高くない.
2016年より急増,月12頭前後受入れ 2016年はさらに増加. 2017年現在はほぼ満杯状態.母子委託や繁殖育成の利用がない理由
■委託料に対するメリットが小さい.
・委託料 (母子委託の例) 委託料:母牛5ヶ月,子牛10ヶ月→34.2万円 + 母牛の人工授精,治療等. 妊娠確認~分娩は,自分で飼養する必要. 合計,50万円近い物財費がかかる. ・メリット 確実な受胎による分娩間隔の短縮. 概ね1年1産ができている多くの農家にとっては,メリット小さい. →1日700円もかけなくても,自分で丁寧に観察すれば受胎させられるという認識.■メリットが見えにくく,負担感が大きい.
・分娩間隔の短縮による
経営的効果が認識しにくい
.
cf.子牛の高値販売
・生産財である
母牛への出費は避けたい
という意識.
cf.商品としての子牛
・委託料が毎月差し引かれることの
費用負担感
.
cf.子牛販売からの天引き
37一時預かりが増えている理由
• 入院,多忙,旅行といった際の利用が大半
→
経営の継続,継承
に寄与.
• 大型牛舎建設にあたり完成までの間,預けるケース.
→施設拡充と個体管理技術獲得の
タイムラグを短縮
できる.
• 農協指導に従い
分娩成績の悪い農家が預ける
ケース.
→信頼が生じて増加.
38CBSの成果と限界
• 家族労働力の喪失,継承,技術習得などの変化を
緩和する,「
つなぎ
」として威力を発揮.受け皿として
根付いている.
• 不受胎の牛を
リハビリ
する意味でも大きな役割.
• 生産者が全面的に預けて規模拡大や労働生産性
向上を促すような装置としては,機能していない.
3940
5.まとめ
まとめ
キャトルセンター CBS 受託の対象 子牛 母牛 メリット 子牛販売価格の上昇 労働力,牛舎スペースの節約 確実な受胎 労働力,牛舎スペースの節約 主な利用農家 規模拡大を志向する農家を含め, 島内の多くの農家 高齢層を中心とした,入院,多忙 時の一時預かり.不妊牛リハビリ 大規模牛舎完成前に牛を預かり技 術蓄積を進める 成果・意義 ・全体としての労働生産性の向上 ・全体としての子牛品質の底上げ ・家族労働力の喪失や経営継承時 の「つなぎ」のインフラとして定着 ・規模拡大をスムーズに実現 課題,限界 育成技術が個人の経験や資質に 強く依存しており,不安定. 全面的な規模拡大や生産性向上 には十分に結びついていない. 41 ※子牛受託と繁殖受託が一体になっているメリットは,「一時預かり」をしやすいという以 外にはない.資料2
事
例
紹
介
県北中山間地域における肉用牛生産基盤強化
に向けた取り組み(別冊)
講師
株式会社
大子町アグリネットワーク
代表取締役
益子
光洋
氏
黒毛和種繁殖牛
省力飼養技術
大子町和牛繁殖活性化クラスター協議会 編 (旧 大子町和牛繁殖経営活性化協議会)(大子方式)
常陸牛の里
Vol. 2(-2017)
1.大子町
そこは常陸牛の里
大子町は茨城県最北西端で町の中心は海抜103m に位置し、西は栃木県、北は福島県に接しています。 面積の約8割は、八溝山系と阿武隈山系からなる 中山間地で、年平均気温は12.5℃、年間平均降水量は 1,400~1,500 mmと低温多雨の山岳気候の地域で す。 大子町は繁殖和牛頭数が県全体の約3割を占める生産地帯で、奇数月16日に 開催される大子家畜市場からは子牛が常陸牛素牛として旅立っていきます。2-1.大子町が抱える問題
・大子町は急速に高齢化・少子化・過疎化が進む⇒和牛繁殖経営にも影響
表1 子牛取引成績(頭数) 1~11月大子市場 去勢 牝 合計 H 23 408 366 774 H 24 386 339 725 H 25 355 311 666 H 26 348 273 621 H 27 288 282 570 H 28 280 226 506 図1 大子町の年齢別人口の推移(2010-2040, 「日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3 月推計)」:国立社会保障・人口問題研究所)大子町の耕作放棄地の面積
耕作放棄地は、私たちの住環境にも影響します。 イノシシが農作物に被害を与えるだけでなく、 人里へ降りてくる要因の一つになります。 ※出典:農林業センサス(2015) 788 829 0 200 400 600 800 1000H22
H27
耕 作 放 棄 地 面 積 (h a) 896 829 0 200 400 600 800 1000 経営耕地面積 耕作放棄地面積 (ha)2-2.大子町が抱える問題
3.組織と協力体制
H24 大子町和牛繁殖経営活性化協議会(周年放牧技術の確立) H28 大子町和牛繁殖活性化クラスター協議会を設立 ・畜産関係団体を加え技術支援体制強化 ・コントラクター設立→地域内耕畜連携の拡充 ・畜産クラスター協議会→国,県,町の支援4. 「大子方式」のその後
4-1.地域モデルの推進 水田地帯 ロールベール 放牧地 牛舎 集積基地 (大子町アグリネットワーク)コントラクター New 可搬給飼柵 「らくらくきゅうじくん」 チェーンブロック三脚 ロールベール活用型ミニサイロ 開発・販売してから5年程度経過したが壊れたも のは1台もない。使えば使うほど手放せなくな る。 イノシシなどによる食害対策にも有 用。 イネWCS吊り具の問い合わせ多数。 省力飼養を支える技術放牧地での母牛の管理を行いやすいように、電気牧柵の間にスタンチョ ンを入れて、捕獲する時間と手間を削減できるようにしました。 スタンチョン ゲート 水槽 給飼柵 電気牧柵 電牧器 4-2.電気牧柵の張り方を工夫 概略図 実際の設置風景
4-3.ロールベール状飼料の利用状況
大子町畜産農業協同組合を介した大子町内の飼料イネWCS流通量 (大子町畜産農業協同組合調べ)*1 A(福島県) B(茨城県) C(茨城県) D(大子町) E(茨城県) 合計 栽培面積*2 茨城県産 大子町産 kg kg kg kg kg kg ha % % H23年度 18,000 18,000 1.0 0 0 H24年度 67,500 42,000 30,600 140,100 7.8 52 0 H25年度 63,750 61,600 45,900 171,250 9.5 63 0 H26年度 66,600 56,400 43,200 15,000 181,200 10.1 63 8 H27年度 84,000 56,800 45,000 44,700 25,020 255,520 14.2 67 17 H28年度 82,500 56,000 45,000 34,500 34,800 252,800 14.0 67 14 *1 個人的に売買契約をしている量は含まれないため、実際にはこの流通量以上に飼料イネWCSは使用されている *2 飼料イネWCSの収量を1,800kg/10aとした場合の概算 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 H28年度 A(福島県) B(茨城県) C(茨城県) D(大子町) E(茨城県)飼料イネWCSと飼料用米の栽培面積は順調に増加しています。 飼料イネWCSの生産はコントラクターが全体の70%程度を担うようになりまし た。 大子町のW C S 用飼料イネおよび飼料米の栽培面積 (常陸大宮地域農業改良普及センター調べ) うち コントラク ター面積 全体に対す る割合 ha ha % ha H21 1.8 ー*1 H22 1.4 ー*1 H23 5.9 ー*1 H24 8.5 ー*1 H25 10.4 4.8 46.2 6.4 H26 14.4 10.0 69.4 9.0 H27 20.8 15.0 72.1 19.8 H28 24.6 18.0 73.2 20.6 *1 データなし 飼料用米 面積 飼料イネ WCS面積
4-4.飼料イネ・飼料用米の生産状況
5.「新規繁殖和牛経営入門講座」
1.県北山間地域に生産者,繁殖雌牛が集中(県全体の7割) 2.茨城県のブランド牛「常陸牛」の素牛生産を担う 3.高い技術を持つ生産者が多数存在するも、高齢化等により、 戸数・頭数が減少し、生産基盤弱体化担い手の育成が必要
主催:茨城県、(公社)茨城県畜産協会、茨城県肉用牛生産者協会
共催:県北6市町、大子町畜産農業協同組合、JA常陸
背景
講義の内容 講義の様子(肉用牛研究所にて) 左 :講義(繁殖和牛の飼養管理) 左下:種雄牛からの精液採取を見学 右下:放牧用に電気牧柵の張り方に ついて実習
農家実習の様子
交流懇親会の様子
受入農家、修了生、関係機関の皆さんと交 流し、仲間づくりをします。市場見学の様子
大子家畜市場で1月の初セリを見学し、 どのような子牛が良いか説明を受けま す。 左上:繁殖牛への給飼作業 右上:トウモロコシを細断してス トック 左 :飼料イネ専用収穫機で直接イ ネを刈り取り、WCSを調製修了生の進路
H28年度受講生のうち、就農相談中5名、来年度も再受講希望3名 25,26年度講座修了生 講座を受講しました 意気投合しました 結婚しました 新規就農しました そして・・ 子供が生まれました 平成23年度に大子町で講座がスタート。6年間で延べ80名が参加しました。6.茨城県の誇る種雄牛
種雄牛「北国関7(きたくにぜき7)」号
平成20年度選抜期待の新種雄牛「茂光洋(しげみつひろ)」号
平成28年度選抜・安定した肥育成績を記録し
「日本名牛百選」にも掲載され
る。
・県内子牛市場の4割近くを
同産子が占める。
・H28年8月に現場後代検定終
了。
・検定結果は,BMS9.3,
5等級率94%(上物率100%)
と突出した成績。
→今後の活躍が期待されている
・益子農場で生まれた牛!!
7.新たな取り組み
7-1.籾米サイレージ
食品輸入で使われて廃棄処分になる60L
プラスチック樽に、乳酸菌添加と水分調
整を行った籾米を詰め込みました。
破砕機で砕かれた籾米を乳酸菌添加と水
分調整を行いながら、200Lドラム缶に
詰め込みました。
平成26年
平成27年 作業性が悪かった水分調整をコンクリー トミキサーを使うことによって解消しま した。作業の動線もスムーズに行くよう に工夫しました。 籾米サイレージを入れる容器について、 200Lドラム缶、60Lプラスチック樽、 40L漬け物樽と、どの程度の大きさが扱 いやすいサイズかを検討しました。密封性を高めるために、調製した飼料用米をフレコンバックに入れて
ラッピングマシンで丸めたりしました。
平成28年3年目になると、詰め込み作業もかなりこなれてきました。
7-2.畜産クラスター計画 大子町和牛繁殖活性化クラスター協議会の取組内容: 国の「国産粗飼料増産対策事業」のうち「地域づくり放牧推進事業」を活用(H27~H29) ⇒放牧牛が88頭増加,のべ186頭を12.4haに放牧8.更なる躍進に向けて
常陸牛の里として現状を打破するために、キャトルブリーディングテーション (CBS)を設立することにしました。 手始めに60頭規模の牛舎を建設し、平成29年度中にCBSとして立ち上げ、数年 かけて「一年一産」を安定的に行えるように取り組みます。 子牛生産を効率良く行って、大子町における黒毛和牛飼養頭数を増頭できるように みんなで力を合わせます。 CBS建設予定地 (上から俯瞰) CBS建設予定地 (斜め下から) CBS建設予定地周辺の設備 (駐車場、トイレ、研修棟)CBSのメリット
①分娩間隔を短くできる
→母牛1頭あたりの産子数が増える(利益率アップ) →母牛の飼料費を節約できる(コスト削減)②畜産農家の牛舎では45日しか飼養しない
→牛舎が空くので牛舎を新築または増築せずに増頭できる (経費をかけずに簡単に規模拡大)③母牛を預けるのは分娩後2週間から妊娠鑑定までの75~105日間
→子牛の育成に専念できる(仕事の軽労化、分業化)※子牛の生産効率が上がるため、地域全体の増頭に貢献
また、別の視点からでは、
④新規就農予定の担い手が技術を習得するのに活用できる
※過疎化や高齢化対策・産地の維持・技術の継承に貢献
従来法との比較
出産
30
60
90
120
お産
30日前
従
来
キ
ャ
ト
ル
方
式
繁殖農家(牛舎)
キャトルセンター
子
牛
親
牛
繁殖農家(牛舎)
お産
30日前
出産
離乳
種付
妊娠鑑定
繁殖農家
(牛舎)
ふれあい牧場
種付
離乳
親:発情が弱い 子:子牛の管理 がしずらい (下痢等)従来法との比較
出産
30
60
90
120
お産
30日前
従
来
キ
ャ
ト
ル
方
式
繁殖農家(牛舎)
キャトルセンター
子
牛
親
牛
繁殖農家(牛舎)
お産30日前
出産
離乳
種付
妊娠鑑定
繁殖農家
(牛舎)
ふれあい牧場
種付
離乳
親:発情が弱い 子:子牛の管理 がしずらい (下痢等)従来法と比較して、キャトル方式の方が
①手間はかかるが管理に目が届く
②親の管理時間が空く
③繁殖率が上がる
増頭ができる
9.おわりに
今回の施設は、高齢化対策など維持を前
提とした守りの策では無い事です。増頭目
的の攻めの策です。守りに入れば後は減
少です。しかし攻めて行けば増頭に繋がる
可能性も出てくると思うのです。
コンプレックスを違いに変える
農家みんなで危機感を感じ立ち向かって行くこと
が最終目的
全ての作業を畜産農家が行う
のでなく、みんなに仕事を分け
てあげることが大事
作業が一つでも出来なくなったら終わりじゃなく、
出来ないことは任せれば良い!
作業の分担(分業化)
畜産農家
CBS
耕種農家、町民
牛を無くさない 牛を増やす 受胎率を上げる 農家の牛舎を空ける 餌を作ってもらう 堆肥を運んでもらう ヘルパーで休みを作ってもらう 荒地を活用して放牧をしてもらう CBSと同じことをやってもらう (牛舎が余っているから2,3頭なら) 牛飼いから始まる 産業の創出何もせずにこのままでいれば
5年後、10年後には
耕作放棄地だらけの魅力のない町
になります。
今あきらめかけている市町村が多い中、みんなで頑張る
姿を見せることこそが、大子町の魅力に繋がると思う。
ひと、ウシ、田んぼで町の魅力発信!
みんなで頑張ります!
でも、牛がいるこの時に動き出せば
出来ること
が沢山ある
と思うんです。
資料3
事
例
紹
介
酪農経営における後継牛の計画的な
確保のための繁殖計画作成支援
~シミュレーションを活用したプランニング~
講師
神奈川県畜産技術センター
主査
齋藤
直美
氏
酪農経営における後継牛の計画的な
確保のための繁殖計画作成支援
~シミュレーションを活用したプランニング~
神奈川県畜産技術センター
企画指導部 普及指導課 齋藤直美
平成29年11月16日
関東地域肉用牛生産基盤強化推進シンポジウム
和牛子牛生産基盤の定着に向けた取り組み
和牛受精卵 を移植酪農経営
メリット:子牛の販売収入増 県が受精卵移植費用 の一部を補助 【かながわ産牛肉 地産地消推進事業】肉牛肥育経営
メリット:肥育素牛の 導入コスト削減 和牛子牛 県外からの導入 に比べて若齢の 和牛子牛を流通 肥育素牛と して導入 和牛受精卵の調達:県肉用牛協会、県酪連等 和牛受精卵の移植:共済・開業獣医師等 和牛子牛の登記・流通:県肉用牛協会、 県家畜商協等 県内生まれ・ 県内育ちの牛 【生粋かながわ牛】 関係機関との連携 2酪農経営と肉牛肥育経営の連携
和牛子牛生産基盤の定着に向けた取り組み
【普及指導課題】 受精卵移植による和牛 子牛の流通支援 (H20~22) 【普及指導課題】 かながわ産牛肉地産地消 推進事業にかかる支援 (H23~25) 【普及指導課題】 酪農家と肉牛肥育農家の 連携による県内産牛肉生 産の推進 (H26~28) 20年度 【神奈川県】 かながわ産牛肉地産地消推進事業 販売促進協議会(H26~) 【神奈川県】 かながわ産牛肉地産地消推進事業 受精卵移植協議会(H20~26) 【JA全農かながわ】 受精卵購入代金の一部助成 (H26~) 【JA全農かながわ】 和牛繁殖雌牛の採卵事業 (H27~) 22年度 24年度 26年度 28年度 3本日の話題
後継牛確保のためのプランニング
和牛子牛生産基盤の定着に向けた
取り組み
4後継牛確保のためのプランニング
~
経済性を考慮したシミュレーション~
0 200 400 600 800 1000 H 2 3 H 2 4 H 2 5 H 2 6 H 2 7 H 2 8 .4 H 2 8 .5 H 2 8 .6 H 2 8 .7 H 2 8 .8 H 2 8 .9 H 2 8 .1 0 H 2 8 .1 1後継牛生産に係る情勢
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
都府県
北海道
乳用牛への黒毛和種の交配割合
初妊牛価格(ホクレン)
千円 H8 H13 H18 H23 H286
神奈川県の酪農
酪農家戸数 213戸(全国20位)
飼養頭数 6,420頭(全国28位)
1戸あたり頭数 30.1頭(全国47位)
自給飼料作付面積 218.8a/戸
(平成28年2月1日現在)
酪農家戸数の推移
413戸(H18)→213戸(H28)
横浜ランドマークタワーと牛 7神奈川県の酪農
都市化の進展により、牛舎は住宅と混在
8
搾乳牛舎の空き
理由:ホルスタインは雄ばかり生まれて
雌子牛が得られなかった
理由:F1が高値だから和牛ばかり授精したら、
ホルスタインの雌子牛が十分に得られなかった
ホルスタイン雌子牛(後継牛)の不足が
搾乳牛舎の空きの原因
県内酪農家 成牛頭数が牛床数の70%
(神奈川県畜産課のアンケート調査:平成26年8月)9
後継牛不足の影響
高価格な
交雑種、和牛
子牛生産優先
廃業に
つながる
収益性低下
計画的淘汰できず
乳量減少
乳質悪化
負のスパイラル
後継牛
不足
搾乳牛舎の
空き
外部導入牛
価格の高騰
10
普及の目標
適正な繁殖計画に基づく、後継牛確保
を普及する
経済性を考慮した
「シミュレーション」
を活用
11
シミュレーション
・後継牛確保のための経費を比較
・当所が作成
①基本データ
②基本設定
③ほ育・育成経費
④肉用子牛の売上げ
⑤繁殖に関る経費
⑥後継牛確保の経済性比較
12
①基本データ
①経産牛飼養頭数(頭)40
ホルス♂単価(円)80,000
②更新率(%)25%
F1♂単価(円)220,000
③初産分娩月齢(ヶ月)25
F1♀単価(円)200,000
④分娩間隔(ヶ月)14
和牛♂単価(円)550,000
和牛♀単価(円)500,000
⑫育成牛事故率(%)10%
⑮月額子牛育成費(円)15,000
通常精液(ホルス)AI 肉用子牛哺育費用(円)35,000
精液代(円)3,000
後継牛導入単価(円)700,000
授精料(円)5,000
選別精液AI 通常精液(ホルス)経産牛受胎率50%
精液代(円)6,000
通常精液(ホルス)未経産牛産受胎率50%
授精料(円)5,000
選別精液(ホルス)経産牛受胎率40%
和牛AI 選別精液(ホルス)未経産牛受胎率40%
精液代(円)3,000
通常精液(和牛)経産牛受胎率50%
授精料(円)5,000
通常精液(和牛)未経産牛受胎率50%
和牛ET 受精卵(和牛)経産牛受胎率40%
受精卵代(円)18,000
受精卵(和牛)未経産牛受胎率40%
移植料(円)10,000
13
②基本設定
表1:基本設定 ①経産牛飼養頭数(頭) 40 40 40 ②更新率(%) 25% 25% 25% ③初産分娩月齢(ヶ月) 25 25 25 ④分娩間隔(ヶ月) 14 14 14 ⑤経産牛分娩率(%) 365/④×(100-②) 64.1 64.1 64.1 ⑥経産牛分娩頭数(頭/年) ①×⑤ 25.6 25.6 25.6 ⑦後継牛必要頭数(頭/年) ①×② 10.0 10.0 10.0 ⑧自家産後継牛必要頭数(頭/年) ①×②-⑨ 10.0 8.0 10.0 ⑨初妊牛導入頭数(頭/年) 0.0 2.0 0.0 ⑩初妊牛導入単価(円) 700,000 700,000 700,000 ⑪F1・和牛交配率(%) - - 50% 現 状 ケース① ケース②14
後継牛必要頭数:経産牛頭数、更新率から算出
表2:育成牛保有頭数と哺育・育成費用、初妊牛導入経費 ⑫育成牛事故率(%)