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情報通信技術の活用による テレワーク環境の向上 シーン1: 仕事開始~会社のネットワークに VPN を用いて安全に接続 自宅でテレワークを開始するために、テレワーカーは VPN クライアントソフトウ エアなどを使って会社のネットワークにアクセスします。テレワーカーが行うことは 接続先を指定して自分の ID・パスワードを入力することだけです。これにより企業 の本社などに置かれた VPN 装置との間で認証が行われ暗号化された安心・安全な通 信が確立します。自宅に小型の VPN ルータなどを設置している場合はその小型ルー タと本社の VPN 装置の間で同様に通信が確立されます。 会社側のネットワークには ☆ ファイアーウォールが設置されており、外部からの不正な 進入はできません。VPN 装置で認証された人のみがアクセス可能です。 シーン2: メールのチェックや資料作りなどの作業~会社の机と同等の仕事環境 VPN 通信で安全に会社のネットワークにアクセスしていますので必要なデータ・ 資料などは閲覧が可能です。通常どおり仕事を進めて行きます。 個人情報を含んだデータや機密性の高い情報などは、安易にテレワーカーの端末にダ ☆ ウンロードや保存をさせない対策が必要です。 シーン3: 電話の応対~テレワークでもいつもの電話番号使用 外出中の同僚からの電話が入りました。打ち合わせしたいそうですが本日は在宅勤 務であることを伝えて明日オフィスに出社した際に行うことにしました。 外出中の人はテレワーカーが今日どこにいるかは意識せずにオフィスに電話をかけま ☆ す。テレワーカーは自宅にいますがネットワークを経由して会社のいつもの番号での 通話が可能になります。 シーン4: 問題発生!~誰かに確認をしたい! 資料作成中に要確認事項が発生しました。いくつか資料を調べましたが細かなとこ ろを確認したいため詳しい人に聞く必要があります。チャットツールで確認すると応 答可能な人がいました。すぐにチャットで質問をすると説明できそうとのこと。詳細 説明を含めて電話で相談したいと申し出ると快諾してくれました。 プレゼンス機能を使って迅速に協力してくれる人を見つけました。オフィスにいてふ ☆ と困ったときに周りを見渡して対応してくれそうな相手を探すのと同じ感覚です。 コミュニケーションの統合ツールなどを活用すると、チャット中に、ツール上の電話 ☆7
情報通信技術の活用による テレワーク環境の向上 シーン5: 電話での相談~でもニュアンスが伝わらないかも。。 早速電話して質問をします。確認作業を進めていきますが電話だけでは質問の意図 が伝わらない場合もあります。そこで現在作成中の資料を見せて質問の意図を明確に するためにファイルを共有します。別の場所にいてもお互いに同じファイルを端末で 見ながら話をすることで問題点もクリアになり、スムーズに回答を得ることができま した。 電話でのコミュニケーションから会話の流れを止めずに Web 会議に移行しました。こ ☆ れはオフィスで相談をしている際に「うーん、ちょっと説明が難しいな。ちょっと待っ て、書類もってくるから。」というコミュニケーションが行われるのと同じ感覚です。 シーン6: そろそろ業務終了~雑談も重要なコミュニケーション その後は仕事も順調に進み、そろそろ本日の仕事を切り上げることにしました。報 告書を作成してメールで上司に送ります。すると上司から電話があり、電話を取ると 端末の画面上で上司とのテレビ会議が始まりました。報告書に関する確認をした後は ちょっと雑談をして電話を切ります。単なる確認事項でもテレビ会議システムを利用 することで相手の様子が把握でき、気持ちが楽になった状態で業務を終了しました。 テレビ会議を使用することにより、遠隔地間でも顔の表情など、ニュアンスも含めた ☆ コミュニケーションが可能となります。相手に対するちょっとした気遣いやさりげな い話かけと同じ感覚での会話です。(5) テレワーク導入企業の変化
すでにお気づきの方も多いかもしれませんが、いままで説明したテレワークに活用す べき ICT はテレワークに限った話ではありません。重要なのは、テレワークが導入され テレワーカーの業務スタイルを理解した従業員が増えたあとの会社全体の業務の変化で す。遠隔地であっても十分なコミュニケーションがとれるのであれば、会って行うのと同 様の仕事ができるということに気づくと、その企業内では場所にとらわれずに自由な人 材交流がうまれ、知識やノウハウを企業全体で共有できるようになります。またプロジェ クトチームなども場所に制限を受けることなく編成できるようになります。最近フリーア ドレスのオフィスが増えてきたのは、テレワークをはじめとして柔軟な発想とフォーメー ションで行う仕事をサポートする場所と考えると、自然な変化なのかも知れません。7
情報通信技術の活用による テレワーク環境の向上(6) SaaS や ASP の活用
ここまでテレワークを安全かつより効果的に導入するために ICT がどのように活用で きるかを説明してきました。しかしながらこのような設備には初期投資やその後の保守 などコストが掛かることも事実です。結果としてテレワークが一部の大企業だけのもの だと誤解されているのかもしれません。 このような問題に対するひとつの方策として、テレワークで必要な ICT の機能をサー ビスとして利用できる SaaS や ASP などの活用があります。SaaS や ASP の利用により、 重要データの保管やアクセス管理なども含めたセキュリティの確保、および Web 会議な どのコミュケーション機能を新たな設備を追加することなく使用することも可能になり ます。自分で機器を購入する『オーダメイドのシステム』とは実現の形は異なるかもし れませんが、テレワーク導入のハードルを下げる意味も含めて検討対象としてみてくだ さい。 SaaS:(Software as a Service の略)ソフトウェアをパッケージの商品としてではなく、その 機能をネットワークサービスとして提供し、月額などで課金するビジネスモデル。 ASP:(Application Service Provider の略)業務アプリケーションやソフトウェアなどを商品の 組み合わせで販売するのではなく、その機能をサービスとして提供するビジネスモデル。※ SaaS と ASP は同義語で使われることも多いが ASP はユーザ要求に合わせてサービス(機能)の内容を専 用で構築しているケースが多い