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Economic Indicators   定例経済指標レポート

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Academic year: 2021

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3 月短観は+2 ポイントと着実な改善

~目立つのは仕入コストの上昇~

当 社 の シ ン ク タ ン ク 、 株 式 会 社 第 一 生 命 経 済 研 究 所 の 熊 野 首 席 エ コ ノ ミ ス ト に よ る 「 3 月 短 観 は + 2 ポ イ ン ト と 着 実 な 改 善 ~ 目 立 つ の は 仕 入 コ ス ト の 上 昇 ~ 」を お 届 け い た し ま す 。( 別 添 参 照 ) 本 日 日 本 銀 行 が 発 表 し た 短 観 に よ る と 、 大 企 業 ・ 製 造 業 の 業 況 判 断 D I が 前 回 比 + 2 ポ イ ン ト の 改 善 と な り ま し た 。本 年 金 通 信 は 、短 観 の 内 容 解 説 や 、今 後 の 金 融 環 境 及 び 金 融 政 策 の 見 通 し に つ い て 記 し た レ ポ ー ト に な っ て お り ま す の で 、 是 非 ご 一 読 下 さ い 。 以 上 № 2 0 1 7 - 2 2 0 1 7 年 4 月 3 日 団 体 年 金 事 業 部

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Economic Trends

経済関連レポート

3月短観は+2ポイントと着実な改善

発表日:2017年4月3日(月)

~ 目 立 つ の は 仕 入 コ ス ト の 上 昇 ~

第一生命経済研究所 経済調査部 担当 熊野英生(℡:03-5221-5223) 業況改善業況改善の方向感 大企業製造業の業況判断 DI は、前回比+2 ポイント の改善となった(前回 10→ 今回 12)。はん用機械(前 回比+12 ポイント)、自動 車(同+8 ポイント)、電気 機械(同+6 ポイント)など、 加工組立の主要どころは軒 並み改善した。寄与度ベー スではやはり電気機械のイ ンパクトは大きい。その一 方、石油石炭製品、紙パ、 食品など仕入れ価格も同時 に高くなって、限界的な利 益率の改善が思ったほど進まないと感じた業種も見受けられる。DI は景気の横の広がりを示す指標なの で、今回の結果は仕入コストをなかなか販売価格に転嫁しにくいと感じている企業があることが、景気 回復の裾野の広がりを制約していることが分かる。 中堅・中小企業製造業については、大企業以上に良くなっている。中小企業製造業は前回比+4 ポイ ント、中堅企業製造業は前回比+5 ポイントも改善している。景気回復は横の広がりが今ひとつだとし ても、縦(規模別)の広がりは順調である。海外経済の拡大が、大企業製造業から中堅・中小企業製造 業へと広がっている。 非製造業は、大企業と中小企業がともに前回比+2 ポイントの改善である。個人向けは、対個人サー ビス(前回比+7 ポイント)、小売(同+2 ポイント)と良くなった。これは円安でインバウンド需要が それなりに貢献し、さらにその需要がモノからコトへとシフトしていることも反映しているのだろう。 反面、通信では極端な割引セールスが行いにくくなったことで業況が足踏みした。リースでは一時に比 べて長期金利が戻っていることや、競合激化が響いたとみられる。まだ、内需はそれほど強くなってい ないことを表しているのだろう。短観から読み取れる金融政策への評価は、デフレ脱却には少し時間を 要するということだろう。 短観の業況判断 DI は、大企業製造業で前回比+2 ポイントの改善。思ったよりも改善ペースは小さ かった。変化として目立つのは仕入コストの上昇であり、いくつかの業種では採算改善を足踏みさせ ると警戒しているようだ。設備投資はそれほど強くないが、設備判断、雇用判断では中小企業の不足 感が急加速している。 ○日銀短観(2017年3月調査) 製造業 非製造業 製造業 非製造業 2014年 3月調査 17 24 4 8 6月調査 12 19 1 2 9月調査 13 13 -1 0 12月調査 12 16 1 -1 2015年 3月調査 12 19 1 3 6月調査 15 23 0 4 9月調査 12 25 0 3 12月調査 12 25 0 5 2016年 3月調査 6 22 -4 4 6月調査 6 19 -5 0 9月調査 6 18 -3 1 12月調査 10 18 1 2 3月調査 12 20 5 4 先行き 11 16 0 -1 (出所)日本銀行「全国短期経済観測調査」、以下同じ 業況判断DI 大企業 中小企業

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慎重に見える収益計画 現在の景気回復の原動力は海外からの追い風である。大企業製造業の 2017 年度の輸出計画は前年比+ 0.6%とプラス計画である。前年の 3 月調査では 2016 年度計画が▲1.5%だったのに比べると良くなって いる。また、想定為替レートは、相変わらず慎重だ。2016 年度 107.30 円/ドルから 2017 年度 108.43 円 /ドルと小幅しか円安を見込んでいない。2016 年度下期の平均レートが 112 円/ドルなので、2017 年度は 円安が少し後退することを覚悟しているということであろうか。 大企業製造業の 2017 年度経常利益計画は前年比▲0.3%とほぼ横ばいである。例年 3 月調査では初め て翌年度の計画が示される。2014 年度から 4 年連続でほぼ横ばいを続けている。このことは、たとえ海 外から追い風が吹こうとも、企業の慎重さはそう簡単には変化しないことを感じさせる。これは、春闘 交渉にも同様に感じられる特徴である。円安頼みの企業収益回復を期待せず、きちんと利鞘がとれてか ら収益改善を確かめるという姿勢に見える。 仕入コストの上昇 今回、変化として目立っているのは、仕入コストの上昇である。大企業製造業の仕入価格 DI は前回比 +13 ポイントの上昇、中小企業でも同じく+12 ポイント上昇した。販売価格は、大企業・中小企業とも に前回比+4 ポイントであり、仕入コストの上昇に対して、製品値上げが追いついていないことが暗示 される。これが業況改善の広がりを制 約したと筆者は見ている。 一方、今後は、企業の仕入コスト転 嫁がうまく出来ないとは言い切れない 面もある。なぜならば、製商品サービ ス需給は中小製造業では前回比+5 ポ イントの改善となり、在庫水準も順調 に減っているからだ。販売価格 DI も 大企業、中小企業ともに前回比+4 ポ イントの上昇は着実とみることもでき 75 85 95 105 115 125 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (円/ドル) 想定為替レートと実際のレート 想定為替レート 実際のレート ※ドル円レート 4/3 午前9時111.26 円/ドル 2016 年度:107.30 円/ドル 上半期 :106.54 円/ドル 下半期 :108.01 円/ドル 2017 年度 :108.43 円/ドル 上半期:108.45円/ドル 下半期:108.42円/ドル ▲ 0.3 12.3 5.9 ▲ 0.3 ▲ 5.8 0.6 ▲ 0.5 5.1 ▲ 0.6 ▲ 3.1 ▲ 2.3 1.8 -10 -5 0 5 10 15 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 12 13 14 15 16 17 (%) 大企業・製造業の輸出・国内売上計画の推移 輸出 国内売上高 0.5 5.4 0.5 ▲ 2.8 ▲ 5.0 1.4 2.3 24.6 3.7 11.5 ▲ 3.7 ▲ 0.1 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 12 13 14 15 16 17 (%) 大企業・ 非製造業の売上 ・経常利益計画 の推移 売上高 経常利益 12.4 48.7 11.5 ▲ 5.3 ▲ 11.4 ▲ 0.3 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 12 13 14 15 16 17 (%) 大企業・製造業の 経常利益計画 の推移 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (ポイント) 大企業 ・製造業の価格 判断DIの推移 仕入価格・ 素材 仕入価格・ 加工 販売価格・ 素材 販売価格・ 加工 ↑(改善) ↓(悪化)

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る。筆者は、現実はどうかという点よりも、多くの企業がまだ価格転嫁を怖がっていて、それがまさし くマインドを弱めていると考える。物価はマインドで決まるという点で黒田総裁は正しいのだが、イン フレ予想を日銀がコントロールできると過大評価しているところは間違いだ。 先に見た企業の事業計画では、売上高経常利益率が示されている。大企業製造業は、2016 年度 6.55% (前回比+0.53%ポイント)、2017 年度 6.44%の計画である。過去のピークが 2006 年度 6.76%だから、 もう少しで過去最高の利益率を更新する一歩手前まで来ている。ハードデータはこれほどしっかりして いるのに、企業マインドはまだまだ慎重さが根強い。これこそがデフレ心理の核心だろう。 不足の実感は中小企業で急進 大企業製造業の設備投資計画は、2016 年度前年比+6.2%(前回比▲4.5%ポイント)、2017 年度は前 年比+5.3%である。2017 年度は、初回調査としては平均よりも少しだけ強い。大企業非製造業は、 2016 年度前年比▲1.1%とマイナスに沈んだ。2017 年度も前年比▲2.0%と弱めが続く。 中小企業は、非製造業が 2016 年度前年比+6.3%と、2015 年度実績の前年比+5.2%に続いて、2年 連続のプラスだ。もっとも、2017 年度はさすがに前年比▲27.5%と大きなマイナス計画で始まっている。 総じて見ると、設備投資はここに来て強いという材料はなく、順調に積み増していると評価できる。 反対に、設備投資はハードデータよりも、ソフトデータの方が強い。すなわち、生産・営業用設備判 断 DI は、中小企業全産業で前回▲1 の「不足」超から今回▲3 へと、変化幅で▲2 ポイントほど不足の 方向になっている。同様に、雇用人員判断 DI も、中小企業全産業で前回比▲4 ポイントの「不足」超幅 の拡大が起こった。2月の完全失業率が 2.8%と、一段下がったことと連動しているようにも思える。 人手不足感は従来から言われてきているが、これがさらに進むと、賃上げが圧力という前向きな評価 よりも、中小企業の成長制約としてマイナス効果を及ぼすのではないかと心配させる。 金融政策への評価 黒田総裁は、今回の短観をどのように見つめているであろうか。筆者の推測では、業況 DI が+2 ポイ ントに止まったことよりも、人手不足や設備不足の方に熱い視線を送っているのではないか。総裁の任 期は約1年となり、2018 年 4 月までにどこまで物価2%の将来像を企業などに信じてもらえるかが勝負 1.6 ▲ 1.4 5.6 8.4 6.2 5.3 2.6 4.4 6.0 1.0 ▲ 1.1 ▲ 2.0 -10 -5 0 5 10 15 20 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6月調査 9月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 12 13 14 15 16 17 (%) 大企業・ 設備投資計画 の推移 製造業 非製造業 ▲ 4.5 13.9 9.6 11.5 ▲ 9.4 ▲ 10.6 26.7 24.5 ▲ 5.0 5.2 6.3 ▲ 27.5 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 6 月調査 9 月調査 12 月調査 実績見込み 実績 3 月調査 12 13 14 15 16 17 (%) 中小企業・ 設備投資計画 の推移 製造業 非製造業 ▲ 15 ▲ 28 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (ポイント) 雇用判断DIの推移 大企業 中小企業 ↑(人員余剰) ↓(人員不足) 0 ▲ 3 -5 0 5 10 15 20 25 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (ポイント) 生産・営業用設備 判断DIの推移 大企業 中小企業 ↑(設備余剰) ↓(設備不足)

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になっている。すでに9月のイールドカーブ・コントロールで打てる弾は出し尽くした。これで物価上 昇の気運が高まらなければ、残りの任期は「死に体」となる。ラッキーなことに、トランプ大統領が当 選すると同時に、株・為替は相場が駆け上がった。このまま円安効果が消費者物価の上昇ペースをどこ まで後押しできるのか。短観でコストプッシュ圧力が次々に川下へと転嫁されて、企業収益が国内支出 増へとつながれば、2%とはいかないまでも1%近くの消費者物価上昇率までは行く可能性がある。こ れが黒田総裁の「最後の賭け」である。筆者は、マインド面に弱さがあるところは気になる。それでも、 人員、設備の不足感が増してきたことは評価したい。 黒田総裁の「最後の賭け」は 100 点ではないが、50~60 点に着地できれば良さそうだ。そう感じさせ るのが今回の短観だ。

参照

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