はじめに
串本町をはじめとする紀南地域においては、これまで、海溝型地震によ
る津波の被害を繰り返し受けてきた。最も近年では、1946 年の昭和南海地
震によって、串本町は6mを超える津波が到達したことが記録に残ってい
る。
記憶に新しい 2011 年 3 月 11 日、東日本大震災における大津波の襲来に
より、沿岸部の市街地・集落に甚大な被害が発生し、多くの人命や財産を
失うとともに、災害時の活動拠点となる防災拠点施設も甚大な被害を受け、
発災後の応急復旧活動にも大きな影響を及ぼす等、様々な新たな教訓と課
題を残した。
和歌山県では、平成 25 年に新たな津波浸水想定(東海・東南海・南海3
連動地震、南海トラフ巨大地震)を公表し、津波から住民の命を救い、死者
をゼロとするため、「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」として、
平成 26 年に津波避難困難地域の抽出とその解消のための対策を策定した。
串本町においては、市街地・集落の多くが沿岸部の津波浸水想定区域内
に立地しており、さらには、今後の人口減少及び高齢化やそれに伴う空き
家及び老朽家屋等の増加が見込まれることから、これまでの津波対策を継
続的に取り組むとともに、より迅速かつ安全に津波から逃げ切るための避
難環境・体制の整備や、コンパクトなまちづくりに併せた防災拠点施設の
機能強化及び安全な土地利用の推進等、津波防災地域づくりを総合的に進
める必要がある。
これまで取り組んできた、東海・東南海・南海3連動地震対策について
は、今後10年で行う防災施策の推進内容の具体化を図り、南海トラフ巨
大地震については、津波避難困難地域の解消のための具体的な対策等の検
討と取組展開、そして、今後の地震津波対策の住民への周知を行うことと
なる。
今回策定する津波防災地域づくりを総合的に推進するための計画【推進
計画】は、集約拠点ネットワーク型のまちづくりの方針
※
を踏まえつつ、町
全体として取り組む津波防災地域づくりの総合ビジョンを示すものであり、
国・県・関係機関、町庁内各部局、地域が連携しながら将来にわたり取り
組むべき、ハード・ソフト施策を組み合わせた津波防災に資する施策体系
と推進手順を具体的に示すことを目的に策定するものである。
※平成27 年 3 月現在検討中の和歌山県の「都市計画区域マスタープラン(東牟婁圏域)」に位置付けられた都市づくりの基本理念の
一つであり、医療・福祉施設、商業施設など生活に必要な施設をまとまった範囲に誘導し集約させるとともに、一定のエリアにお
(2)
串本町におけるこれまでの津波対策の取組
串本町では、東海・東南海・南海地震による津波から地域住民の命を守
るため、逃げる対策(ソフト対策)と避難を助ける対策(ハード対策)の
双方を効果的に実施し、自助・共助と公助が連携した津波対策に取り組ん
できた。
表 これまでの取組実績【平成 26 年度まで】
項目
内容
(1)津波関係施設の
整備・確保
■津波避難タワーの整備(津波避難困難地域に
4 基整備(串本地区・西向地
区・田並地区・田原地区)
)
■津波避難ビルの指定(紀乃国屋ビル、成和ビル、NTT 旧串本ビル、雇用促
進住宅串本宿舎、串本地区農林水産物集出荷貯蔵施設津波避難タワー和歌
山東漁業協同組合)
■津波避難路整備(合併以降
98 路線(H17~H25 年度)を整備)
(2)一時避難場所・
指定避難場所の
指定
■津波避難場所
215 箇所
■避難タワー・避難ビル等
13 箇所
■震災時指定避難所
48 箇所
(3)防災拠点施設の
整備、高台移転
■上野山防災広場の整備(備蓄倉庫、耐震性貯水槽、ヘリポート離発着場等)
■サンゴ台ヘリポートの整備
■くしもと町立病院の高台移転(平成
23 年 11 月)
■串本町消防防災センターの整備(平成
24 年 12 月)
(4)防災知識の
普及・啓発
■防災出前講座の実施(各地区・各種団体等を対象)
※平成
25 年度では、津波ハザードマップ作成及び地域防災計画見直しの
ため各地区でワークショップを
36 回(41 地区)開催。参加者は 499 人
■広報での啓発(毎号、防災特集を掲載)
津波避難施設・津波避難路の整備
緊急避難先となる津波避難タワーの整備 町・地域による津波避難路の整備
防災拠点の高台移転・機能強化
津波避難機能を備えた漁協施設の整備
高台への串本町立病院の整備 高台への消防防災センターの整備 耐震性貯水槽の整備(上野山防災広場)
継続的な啓発活動及び津波避難訓練の実施
日々の避難訓練の実施
避難3原則の周知徹底 出前講座の実施
3.推進計画の区域(法第十条第二項)
串本町津波防災地域づくり推進計画の対象区域は、串本町全域(135.80
平方キロメートル:旧串本町 89.77 平方キロメートル・旧古座町 46.03 平
方キロメートル)とする。
4.津波防災地域づくりの総合的な推進に関する基本的な方針(法第十条第三
項第一号)
(1)人口の状況
串本町の人口は 1 万 7 千 806 人・8,971 世帯(平成 26 年9月末現在、住
民基本台帳登録人口による)である。年齢別構成では、65 歳以上が 40.8%
(7 千 267 人)を占め、年齢区分では 65 歳以上 69 歳以下の人口が最多とな
っており、高齢化が進んでいる。
また、地区別の人口・世帯数では、潮岬地区が 2,968 人(1,384 世帯)と
最も多く、次いで矢ノ熊地区が 979 人(505 世帯)、出雲地区が 791 人(372
世帯)
、和深地区が 725 人(386 世帯)、掘笠島地区が 684 人(334 世帯)、
田原地区が 603 人(329 世帯)等となっている。
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1,000
0-4
5-9
10-14
15-19
20-24
25-29
30-34
35-39
40-44
45-49
50-54
55-59
60-64
65-69
70-74
75-79
80-84
85-89
90-94
95-99
100-男
女
図 年齢別人口構成(人口ピラミッド図)
出典:住民基本台帳登録人口(平成 26 年9月末現在)
将来推計人口(平成 25 年 3 月人口問題研究所推計)では、平成 37 年の
人口が 13,777 人、65 歳以上の高齢者が 49.7%(6,847 人)となっており、
更なる高齢化が見込まれている。ただし、東日本大震災以降、中部地域に
おける高台宅地のニーズの高まりなど新たな地区別の人口動向が今後想定
される。
図 将来推計人口(グラフ)
出典:国立社会保障・人口問題研究所の推計結果(平成 25 年 3 月推計)
図 参考:地区別の将来推計人口(グラフ)
串本中学校区
西向中学校区
古座中学校区
大島中学校区
潮岬中学校区
串本西中学校区
参考:地区別の将来推計人口
6.6% 6.1% 5.7% 5.6%
48.0%
42.2%
39.0% 37.6%
45.4% 51.8% 55.4%
56.9%
2,632
2,378
2,169
1,940
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
H22 H27 H32 H37
65~
15~64
0~14
人口
12.1% 12.8% 12.6% 12.3%
57.0% 51.6% 49.0% 47.9%
30.9% 35.6%
38.4%
39.8%
2,985 2,901
2,595
2,278
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
H22 H27 H32 H37
65~
15~64
0~14
人口
10.3% 8.6% 8.4% 8.0%
51.1%
49.4%
46.7% 45.1%
38.7% 41.9%
45.0%
46.9%
1,373
1,238
1,125
1,006
0
500
1,000
1,500
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
H22 H27 H32 H37
65~
15~64
0~14
人口
10.9% 9.5% 9.3% 9.0%
56.2%
52.2%
49.5% 48.2%
32.9% 38.3%
41.2%
42.8%
6,924
6,244
5,613
4,991
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
H22 H27 H32 H37
65~
15~64
0~14
人口
8.9% 6.9% 6.8% 6.6%
54.7%
49.7% 46.7% 45.3%
36.5% 43.5%
46.5%
48.1%
2,446
2,195
1,977
1,758
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
H22 H27 H32 H37
65~
15~64
0~14
人口
7.1% 7.4% 7.3% 6.9%
51.7% 45.7% 42.6% 41.1%
41.2%
46.8%
50.0%
52.0%
2,664
2,475
2,236
2,011
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
H22 H27 H32 H37
65~
15~64
0~14
人口
9.7% 8.9% 8.7% 8.4%
54.0%
49.3%
46.4% 45.1%
36.3% 41.8% 44.9% 46.5%
19,024
17,431
15,715
13,984
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
18,000
20,000
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
H22 H27 H32 H37
65~
15~64
0~14
人口
【串本町全体】
1,804
1,471
1,241 1,029
858 749 673
9,559
7,921
6,775
5,901
5,248 4,589
3,909
6,885 7,337 7,230
6,847
6,250
5,649
5,119
3,009 3,425 3,209
2,453
1,958
1,694 1,664
3,876 3,912 4,021
4,394 4,292
3,955
3,455
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
H22 H27 H32 H37 H42 H47 H52
0~14
15~64
65~
前期高齢者
後期高齢者
【串本西中学校区】
【串本中学校区】
【潮岬中学校区】
【西向中学校区】
【大島中学校区】
【古座中学校区】
観光客数は、近年、日帰客 74 万~94 万人、宿泊客 27~35 万人を推移し
ており、特に、ゴールデンウィークや夏休みとなる 5 月・8 月には、町外か
ら多くの観光客が訪れる。
図 観光客数推移(グラフ)
出典:和歌山県観光客動態調査報告書
(2)交通の状況
串本町内の交通網は、大阪・名古屋方面からのアクセスが可能なJR紀
勢本線、国道 42 号が沿岸部に整備されており、潮岬から紀伊大島へは、く
しもと大橋が整備されている。
また、近畿自動車道紀勢線(以下、紀勢線)の延伸整備が事業化されて
おり、串本町への広域アクセスの利便性向上が見込まれている。
図 紀勢線の事業計画
参考:広報くしもと 2014.6 掲載資料に一部加筆
6 9 , 5 5 1
7 2 , 0 1 67 4 , 3 9 9
7 1 , 4 7 0
8 5 , 3 2 7
7 4 , 6 7 9
7 5 , 5 6 7
1 3 0 , 7 6 2
6 7 , 3 1 4
6 9 , 6 1 5
7 9 , 7 1 9
7 0 , 3 9 4
1 8 , 8 6 8
1 5 , 8 5 9
2 7 , 0 4 3
2 1 , 6 2 3
2 8 , 6 3 9
1 9 , 6 5 2
1 7 , 9 7 0
3 8 , 1 3 8
1 8 , 9 6 7
2 0 , 8 8 1
1 8 , 2 3 4
2 4 , 9 1 8
0
2 0 , 0 0 0
4 0 , 0 0 0
6 0 , 0 0 0
8 0 , 0 0 0
1 0 0 , 0 0 0
1 2 0 , 0 0 0
1 4 0 , 0 0 0
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
日 帰 客
宿 泊 客
平成26年度 新 規 事 業 化 区 間
8 8 3 , 8 0 8
8 9 7 , 0 7 4
7 4 0 , 6 1 8 8 2 1 , 5 9 1
9 4 0 , 8 1 3
3 1 2 , 9 2 9
3 5 0 , 5 5 3 3 0 6 , 7 8 0
3 0 1 , 0 4 1
2 7 0 , 7 9 2
0
1 0 0 , 0 0 0
2 0 0 , 0 0 0
3 0 0 , 0 0 0
4 0 0 , 0 0 0
5 0 0 , 0 0 0
6 0 0 , 0 0 0
7 0 0 , 0 0 0
8 0 0 , 0 0 0
9 0 0 , 0 0 0
1 , 0 0 0 , 0 0 0
平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平 成25年
日 帰 客
宿 泊 客
(5)津波浸水想定の状況
和歌山県が設定した串本町における津波浸水想定については、東海・東
南海・南海3連動地震と南海トラフ巨大地震の2種類がある。
東海・東南海・南海3連動地震の津波浸水想定は、約100年周期で発
生する頻度が高い地震による津波を対象としており、住民の命と財産を守
るハード・ソフトの防災・減災対策を実施する上での「想定津波」の中心
として設定されたものである。
南海トラフ巨大地震の津波浸水想定は、発生頻度は極めて低いが、仮に
発生すれば、被害が甚大なものとして、
「何としても逃げ切る」ためのソフ
ト対策を中心とした防災・減災対策を検討するために設定されたものであ
る。
それぞれの津波浸水想定で対象とする主なハード・ソフト対策を下表に
示すが、双方に関係する対策でも、津波浸水想定によって対策の対応範囲
や内容も異なってくる。
表 2つの津波浸水想定と主なハード・ソフト対策
東海・東南海・南海3連動地震 南海トラフ巨大地震
100年前後で発生する地震のため、ソフト・
ハード対策両面で、住民の命と財産を守る。
千年~万年で1回程度発生するかどうかの地
震のため、避難対策で住民の命を守る。
ハード対策
◆避難路整備 ◆防災情報システム整備
◆耐震化の促進 ◆高速道路の整備 等
◆堤防・護岸の整備
◆高台への移転 等
ソフト対策
◆揺れたら逃げる意識の徹底 ◆津波防災教育の推進
◆自主防災組織の設立・育成 ◆津波避難訓練の実施
◆災害時要援護者支援 等
参考「「南海トラフの巨大地震」及び「東海・東南海・南海3連動地震」による津波浸水想定に
ついて(平成 25 年 3 月 28 日発表資料)」を基に作成
串本町における各々の概要は以下のとおりである(出典:
「南海トラフの
巨大地震」及び「東海・東南海・南海3連動地震」による津波浸水想定に
ついて(平成 25 年 3 月 28 日発表資料)」、「和歌山県の津波避難困難地域と
津波対策(平成 26 年 10 月 28 日発表資料)」
)。
[東海・東南海・南海3連動地震]
最大津波高:10m 津波到達時間:5 分(第1波最大波)
津波浸水面積:750ha
津波避難困難地域面積:26.4ha 津波避難困難地域人口:1,340 人
図 東海・東南海・南海 3 連動地震における津波浸水想定区域の分布状況
凡例
【最大浸水深(m)】
0.01以上~0.3未満
0.3以上~0.5未満
0.5以上~1.0未満
1.0以上~2.0未満
2.0以上~3.0未満
3.0以上~5.0未満
5.0以上~10.0未満
10.0以上~20.0未満
20.0以上
○:津波避難困難地域が存在するエリア
【津波浸水想定の計算条件の設定(主なもの)】
項目 3連動地震
(H25和歌山県)
潮位条件 朔望平均満潮位(※)T.P.+1.00m
コンクリート構造
物
(護岸・防波堤
等)
◆地震動により「破壊する」ものとする。(ただし、技術的
評価結果があれば沈下量を算定)
◆津波が越流し始めた時点で「破壊」とする。
盛土構造物(堤
防) ◆地形データとして取り扱う。(破壊しない)
盛土・鉄道 ◆地形データとして取り扱う(破壊しない)
建築物 ◆建物の代わりに津波が遡上する摩擦(粗度)を設定。
地盤変動量 ◆地盤の隆起は考慮しない。
※朔望平均満潮位とは、朔(新月)および望(満月)の日から5日以内の現れる、
各月の最高満潮面の平均値
田並) 有田 高富
串本
伊串
津荷
二色
江田
田原
[南海トラフ巨大地震]
最大津波高:17m 津波到達時間:3 分(津波高 1m・3m・5m・10m)
津波浸水面積:1,170ha
津波避難困難地域面積:185ha 津波避難困難地域人口:5,915 人
図 南海トラフ巨大地震における津波浸水想定区域の分布状況
項目 南海トラフ巨大地震
(H25和歌山県)
潮位条件 朔望平均満潮位(※)T.P.+1.00m
コンクリート構造物
(護岸・防波堤等) ◆地震動により「破壊する」ものとする。
盛土構造物(堤防)
◆地震動により、地震前の25%の高さとする。(75%沈下)
◆その後、津波が越流し始めた時点で「破壊」するものと
する。
盛土・鉄道 ◆地形データとして取り扱う(破壊しない)
建築物 ◆建物の代わりに津波が遡上する摩擦(粗度)を設定。
地盤変動量 ◆地盤の隆起は考慮しない。
有田
高富
二色
江田
伊串 津荷
田原
和深
安指
田子
出雲
樫野
須江
姫
西向・古座
高池
串本
田並
大島
凡例
【最大浸水深(m)】
0.01以上~0.3未満
0.3以上~0.5未満
0.5以上~1.0未満
1.0以上~2.0未満
2.0以上~3.0未満
3.0以上~5.0未満
5.0以上~10.0未満
10.0以上~20.0未満
20.0以上
○:津波避難困難地域が存在するエリア
【津波浸水想定の計算条件の設定(主なもの)】
※朔望平均満潮位とは、朔(新月)および望(満月)の日から5日以内の現れる、
各月の最高満潮面の平均値
【津波避難困難地域の抽出方法】
平成25年3月公表の東海・東南海・南海3連動地震及び南海トラフ
巨大地震の津波浸水想定に基づき想定。
避難対象地域は、津波の想定浸水深が30cm以上の住居地域。
津波到達時間は、津波の想定浸水深が1cmとなる時間。
避難開始時間は地震発生より5分後とする。
避難方法は徒歩とする。
道路に沿って移動し、移動速度は毎分30mとする。
避難場所は、市町が指定する避難先(浸水地域外の避難施設若しく
は広場、または津波浸水地域内の津波避難タワー若しくは津波避
難ビル等)。
1.浸水域外の避難通過点、避難場所を設定。
2.3m以上の道は30m/分で避難範囲を設定。
3.避難通過点、避難場所から21m/分の同心円を描き、津波到達
時間との接点までが避難可能な範囲と設定。
⇒津波が居住地まで来る間に避難通過点、避難場所に達していない
場合に津波避難困難地域と判断。
(参考)津波避難困難地域の設定方法
① 3m以上の道路は30m/分で避難範囲を設定
② ①の道路がない地域は同心円(下図)により、
21m/分で避難範囲を設定
浸水域外避難通過点、避難場所
山側
海側
同心円
21m/分
地震発生9分後
地震発生8分後
地震発生7分後
津波到達地点:地震発生6分後
×の家には、地震発生後7分で津波が
到達するが、避難に10分を要するため、
避難困難地域となる
津波
(6分)
(7分)
(8分)
(9分)
(10分)
(11分)
(12分)
(移動開始時間(5分)+移動時間)
:避難可能範囲
:避難困難範囲
○
×
(6)地域ごとの危険度・安全度
下図のとおり、計画区域を4つの地域に分け、3連動地震及び南海トラ
フ巨大地震における地域ごとの危険度・安全度を示す。
なお、県の被害想定結果から抜粋している数値は、複数予測したケース
のうち、最大の被害となる冬の夕方 18 時・風速 8m における数値で、人的
被害については、そのうち最も避難が遅いケースの場合※を示している。
※10 分後避難:35%、20 分後避難:40%、浸水後避難もしくは避難せず:25%
串本中学校区
西向中学校区
古座中学校区
大島中学校区
潮岬中学校区
串本西中学校区
図 計画区域と地域区分
表 地域ごとの危険度・安全度の項目
項目
出典
① 津波による全壊棟数※1
「東海・東南海・南海3連動地震」及び「南海トラフの
巨大地震」による被害想定について
(平成 26 年 10 月 28 日和歌山県公表)
② 津波による死者数※2
同上
③ 道路の津波浸水延長
※平成 25 年和歌山県津波浸水想定結果を用いて町独自に
国道等の津波浸水延長を計測
④ 津波避難困難地域人口
和歌山県の津波避難困難地域と津波対策
(平成 26 年 10 月 28 日和歌山県公表)
⑤ 津波避難困難地域面積
同上
西部地域
(串本西中学校区)
西部地域
(串本西中学校区)
中部地域
(串本中学校区)
中部地域
(串本中学校区)
東部地域
(西向中学校区、
古座中学校区)
東部地域
(西向中学校区、
古座中学校区)
南部地域
(潮岬中学校区、大島中学校区)
南部地域
(潮岬中学校区、大島中学校区)
串本町津波防災地域づくり推進計画の区域と地域区分
(7)地域ごとの分析結果
〈西部地域(串本西中学校区)
〉
3連動地震においては、沿岸部の津波到達時間が4~5分と早く、江
田、田並、有田地区では、津波に巻き込まれた場合、ほとんどの人が亡
くなるとされる浸水深 1.0m 以上の範囲が広く、特に有田地区については、
木造家屋のほとんどが全壊するとされる浸水深 3.0m 以上の範囲が広く分
布する。また、沿岸部の国道 42 号の約2割が浸水し、断続的に浸水区間
が発生するおそれがある。
※南海トラフ巨大地震においては、沿岸部の津波到達時間が3~5分
と早く、沿岸河口部及び河川周辺においては、津波の遡上により内陸
部まで浸水区域が広がっており、津波避難困難地域が広範囲に存在す
る。
5分
4分
5分
西部地域 串本西中学校区(江田・田並・有田)
串本町〔田並地区〕
津波避難困難地域概況
BCDE
津波到達時間: 8~10分
避難行動時間: 3~5分
避難困難人口: 78人
・田並川河口部に位置している。
串本町〔江田地区〕
津波避難困難地域概況
A
津波到達時間: 8~9分
避難行動時間: 3~4分
避難困難人口: 4人
江田川河口左岸部に位置している。
A
B
C
D
E
串本町〔有田地区〕
津波避難困難地域概況
FG
津波到達時間: 8~9分
避難行動時間: 3~4分
避難困難人口: 47人
・有田川河口左岸部、有田漁港の背
後地に位置している。
F
G
図 東海・東南海・南海3連動地震における津波浸水想定区域・津波避難困難地域の分布状況
【西部地域 串本西中学校区(江田・田並・有田)
】
〈東部地域(古座中学校区、西向中学校区)〉
3連動地震においては、沿岸部の津波到達時間が3~9分と早く、姫、
伊串、西向、津荷、田原地区では、津波に巻き込まれた場合、ほとんど
の人が亡くなるとされる浸水深 1.0m 以上の範囲が広く、特に田原地区に
ついては、木造家屋のほとんどが全壊するとされる浸水深 3.0m 以上の範
囲が広く分布する。古座地区は、浸水深は低いものの、津波の遡上により
内陸部まで浸水区域が分布する。また、沿岸部の国道 42 号の約7割が浸
水し、連続して浸水区間が発生するおそれがある。
※南海トラフ巨大地震においては、沿岸部の津波到達時間が3~8分
と早く、沿岸部の国道 42 号では、浸水区間が長く続き、沿岸河口部
及び河川周辺においては、津波の遡上により内陸部まで浸水区域が広
がっており、津波避難困難地域が広範囲に存在する。
東部地域 古座中学校区(田原)
串本町〔田原地区〕
津波避難困難地域概況
ABCDEF
津波到達時間: 7~12分
避難行動時間: 2~7分
避難困難人口: 176人
・田原川河口部及び下田原漁港の背
後地に位置している。
E
3分
A
B
C
D
F
図 東海・東南海・南海3連動地震における津波浸水想定区域・津波避難困難地域の分布状況
【東部地域 古座中学校区(田原)
】
〈中部地域(串本中学校区)〉
3連動地震においては、沿岸部の津波到達時間が4~7分と早く、串
本漁港後背地の旧市街地では、木造家屋のほとんどが全壊するとされる浸
水深 3.0m 以上の範囲が広く分布し、最も多くの津波避難困難者の発生が
想定される。さらに、最寄りの高台や避難ビル等への津波避難においても、
ブロック塀や建物の倒壊により、避難が困難となる等の課題がある。また、
沿岸部の国道 42 号の約7割が浸水し、旧市街地を通るほとんどの区間が
浸水区間となるおそれがある。
※南海トラフ巨大地震においては、沿岸部の津波到達時間が4~7分
と早く、旧市街地の浸水範囲が広く、南部地域が浸水により分断され
るおそれがある。
中部地域 串本中学校区(高富・二色・串本)
串本町〔串本地区〕
津波避難困難地域概況
CDE
津波到達時間: 7~13分
避難行動時間: 2~8分
避難困難人口: 843人
・海水浴場や橋杭漁港がある海岸部、
串本町の海沿いの中心市街地に位
置している。
E
7分
6分
6分
6分
6分
6分
7分
7分
4分
4分
串本町〔高富地区〕
津波避難困難地域概況
A
津波到達時間: 8~9分
避難行動時間: 3~4分
避難困難人口: 14人
・高富川の河口右岸部に位置してい
る。
A
B
C
D
串本町〔二色地区〕
津波避難困難地域概況
B
津波到達時間: 9~10分
避難行動時間: 4~5分
避難困難人口: 8人
・二色川の河口右岸部に位置してい
る。
図 東海・東南海・南海3連動地震における津波浸水想定区域・津波避難困難地域の分布状況
【中部地域 串本中学校区(高富・二色・串本)
】
表 津波防災地域づくりの推進事業・施策一覧(全119事業・施策)
事業区分
区分
事業に係る事項
(イ)海岸保全施設、港湾施設、漁
港施設及び河川管理施設並びに
保安施設整備に関する事項
(イ-1~イ-8) イ-1
施策名称:海岸堤防の老朽化対策
施策内容:海岸堤防の施設点検を実施し、長寿命化計画の策定と対策が
必要な箇所においては老朽化対策と併せ耐震化を実施する。
実施主体:県
実施区域:全域
実施予定時期:中期
期待される効果:土木施設の防災機能強化 等
イ-2
施策名称:海岸堤防の津波対策
施策内容:津波避難困難地域の解消のため、津波の第1波を防ぎ避難時
間を確保するための海岸堤防の嵩上げや耐震化を実施する。
実施主体:県
実施区域:中部地域
実施予定時期:短期
期待される効果:土木施設の防災機能強化、津波避難困難地域の低減・
解消(人命の保護)等
イ-3
施策名称:離岸堤の整備
施策内容:田並地区において離岸堤整備事業を実施する
実施主体:県
実施区域:西部地域
実施予定時期:完了
期待される効果:土木施設の防災機能強化 等
イ-4
施策名称:陸こうの閉鎖
施策内容:利用するとき以外は、陸こうの常時閉鎖を実施するよう住民
啓発する。
実施主体:町(建設課)
実施区域:全域
実施予定時期:短期
期待される効果:土木施設の防災機能強化 等
イ-5
施策名称:陸こうの廃止等
施策内容:操作者の安全と津波被害軽減のため、出来る限り陸こうを廃
止する。また、やむを得ず廃止出来ない陸こうについては、
安全に閉鎖できるよう管理指針を策定する。
実施主体:県
実施区域:全域
実施予定時期:短期
期待される効果:災害対応に係る実施体制の強化 等
イ-6
施策名称:船舶係留施設の整備
施策内容:耐震性を考慮した船舶係留施設を整備する。
実施主体:県
実施区域:中部地域
実施予定時期:長期
期待される効果:土木施設の防災機能強化、災害時の拠点間ネットワー
クの機能確保 等
イ-7
施策名称:漁港施設の強化
施策内容:津波避難困難地域の解消のため、津波の第1波を防ぎ避難時
間を確保するための防波堤の嵩上げや耐震化を実施する。
実施(連携)主体:県・町(産業課)
事業区分
区分
事業に係る事項
実施予定時期:中期
期待される効果:土木施設の防災機能強化、津波避難困難地域の低減・
解消(人命の保護)等
イ-8
施策名称:水路・河口部対策
施策内容:水路や河口付近の津波対策について問題点の検討を行う。
実施主体:町(建設課)
実施区域:全域
実施予定時期:短期
期待される効果:土木施設の防災機能強化 等
(ハ) 一団地の津波防災拠点市街
地 形 成 施 設 の 整 備 に 関 す る 事
業、土地区画整理法第 2 条第 1
項 に 規 定 す る 土 地 区 画 整 理 事
業、都市再開発法第2 条第 1 号
に規定する市街地再開発事業そ
の他の市街地の整備改善のため
の事業に関する事項
(ハ-1~ハ-2)
ハ-1
施策名称:高台への津波防災拠点の整備
施策内容:高台の宅地造成と基盤整備のための土地区画整理事業を実施
する。
実施主体:町
実施区域:全域
実施予定時期:中期
期待される効果:公共施設・公益的施設・住宅の浸水被害の低減・回避
と防災機能の確保 等
ハ-2
施策名称:旧市街地地区におけるまちづくり事業等
施策内容:避難路となる主要生活道路の整備や安全な避難路沿道空間確
保のための密集市街地の改善整備に関する事業を実施する
実施主体:町
実施区域:中部地域
実施予定時期:中期
期待される効果:安全かつ円滑な避難環境の確保、日常生活における利
便性の向上 等
(ニ) 避難路、避難施設、公園、緑
地、地域防災拠点施設その他の
津波の発生時における円滑な避
難の確保のための施設の整備及
び管理に関する事項
(ニ-1~ニ-54)
ニ-1
施策名称:住宅耐震診断補助、住宅耐震補強設計補助、住宅耐震改修補
助
施策内容:地震被害軽減及び避難路確保のための必要性を啓発しなが
ら、現在の「住宅耐震化促進事業」の活用を促進する。
実施主体:町(総務課)
実施区域:全域
実施予定時期:継続
期待される効果:安全かつ円滑な避難環境の確保 等
ニ-2
施策名称:ブロック塀撤去補助
施策内容:避難路確保のための必要性を啓発しながら、「地震・津波避
難路確保のための補助金」の「ブロック塀撤去補助」の活用
を促進する。また、適宜、制度の活用状況等を検証し、制度
の見直し(補助額、補助対象など)を検討する。
実施主体:町(総務課)
実施区域:全域
実施予定時期:継続
期待される効果:津波避難困難地域の低減・解消(人命の保護)、安全
かつ円滑な避難環境の確保 等
ニ-3
施策名称:生垣植栽補助
施策内容:避難路確保のための必要性を啓発しながら、「地震・津波避
難路確保のための補助金」の「生垣づくり事業」の活用を促
進する。
実施主体:町(総務課)
実施区域:全域