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答申第585号

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Academic year: 2021

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(1)

別紙 諮問第722号 答 申 1 審査会の結論 「平成 23 年○月○日○○区○○営業所で起きた物損事故に関する全ての内容の文書」 の開示請求に対し、「終業点呼記録簿」ほか7件を対象公文書として特定し、一部開示と した決定は、妥当である。 2 審査請求の内容 (1) 審査請求の趣旨 本件審査請求の趣旨は、東京都情報公開条例(平成 11 年東京都条例第5号。以下 「条例」という。)に基づき、審査請求人が行った「平成 23 年○月○日○○区○○営 業所で起きた物損事故に関する全ての内容の文書及び映像」の開示請求に対し、東京 都交通局長が平成 23 年 11 月9日付けで行った一部開示決定について、その取消しを 求めるというものである。 (2) 審査請求の理由 審査請求書及び意見書における審査請求人の主張を要約すると、以下のとおりであ る。 ア 審査請求書における主張 内容に不備があり、文書の数が少なすぎる。○○自動車営業所及び交通局自動車 営業課との交渉内容の記録が含まれていないため、これの開示を求める。 イ 意見書における主張 業務引継書、交渉記録票などを、後から存在を認めて出してきたので、対象公文 書がまだあると思う。 また、非開示部分に交通局に都合のいいことを書いてある疑念があり、事実と違 うことが書かれていても訂正を求めるチャンスが奪われるおそれがあるため、非開 示部分の開示を求める。

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3 審査請求に対する実施機関の説明要旨 理由説明書及び口頭による説明における実施機関の主張を要約すると、以下のとおり である。 (1)文書特定について 「終業点呼記録簿」、「乗務記録」、「仕業実績管理情報」、「事故報告書(甲)」及び「事 故報告書(乙)」は、東京都交通局指定の書式により作成した、事故の当事者であっ た乗務員に関する情報について記載してある公文書であるため、対象公文書として特 定した。 その後、本件審査請求書を収受した際に、請求の趣旨を再度確認したところ、「交 渉記録票」、「事故現場調査書」及び「業務引継簿」が、審査請求人が本来求めていた 公文書であることが判明したことから、これらを対象公文書として特定した。 本件開示請求に係る対象公文書は、以上がそのすべてである。 (2)一部開示決定における非開示理由について 「終業点呼記録簿」、「乗務記録」、「仕業実績管理情報」、「事故報告書(甲)」、「事故 報告書(乙)」、「交渉記録票」、「事故現場調査書」及び「業務引継簿」に記載された 乗務員の氏名、名番、職員番号、年齢、経験年数、仕業番号、出庫時間、入庫時間、 車両番号、出勤時間、仕業点呼時間、終業点呼時間、保険番号、保険期間、事故関係 者の氏名、性別、年齢、住所、勤務先、発言及び契約保険会社担当者の氏名等は、個 人を識別できる情報及び他の情報と照合することにより個人を識別できる情報又は 公にすることにより個人の権利利益を害するおそれがある情報であり、条例7条2号 に該当するため非開示とした。 また、「事故報告書(甲)」、「交渉記録票」及び「事故現場調査書」に記載された事 故の責任区分、契約保険会社担当者の発言及び自動車部の所見等は、現在交渉中の内 容であり、公にすることにより、当該交渉事務に支障を及ぼすおそれがあり、条例7 条6号に該当するため非開示とした。 4 審査会の判断

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(1) 審議の経過 審査会は、本件審査請求について、以下のように審議した。 年 月 日 審 議 過 程 平成24年 1月30日 諮問 平成24年 4月17日 実施機関から理由説明書収受 平成24年 4月18日 実施機関から説明聴取(第128回第二部会) 平成24年 5月18日 審査請求人から意見書収受 平成24年 5月30日 審議(第129回第二部会) 平成24年 6月27日 審議(第130回第二部会) 平成24年 7月31日 審議(第131回第二部会) 平成24年 9月19日 審議(第132回第二部会) (2)審査会の判断 審査会は、審査請求の対象となった公文書並びに実施機関及び審査請求人の主張を 具体的に検討した結果、以下のように判断する。 ア 本件対象公文書について 本件開示請求は、平成 23 年○月○日に発生した東京都交通局○○自動車営業所 における都営バスの物損事故(以下「本件事故」という。)に関するすべての内容 の文書及び映像の開示を求めるものである。 実施機関は、本件開示請求を受け、「終業点呼記録簿」、「乗務記録」、「仕業実績 管理情報」、「事故報告書(甲)」及び「事故報告書(乙)」を対象公文書とする一部 開示決定(以下「当初決定」という。)を行い、その後、本件審査請求を受けて、 さらに「交渉記録票」、「事故現場調査書」及び「業務引継簿」を対象公文書とする 一部開示決定(以下「追加決定」という。)を行った。

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また、請求内容のうち、本件事故に関する映像については、不存在による非開示 決定を行った。 イ 審査会の審議事項について 審査請求人は、追加決定の通知を受けた後も当初決定に係る審査請求を取り下げ ておらず、意見書において、実施機関による対象公文書の特定及び一部開示決定の いずれについても不服がある旨述べていると認められるので、審査会は、当初決定 及び追加決定による対象公文書の特定並びに一部開示決定の妥当性について審議 することとする。 なお、非開示決定に対しては不服申立てを行っていないと認められるので、審査 会では審議の対象としないこととする。 ウ 文書特定の妥当性について 当初決定及び追加決定における文書特定について、実施機関は、以下のとおり説 明する。 (ア)当初決定について 東京都交通局では、旅客自動車運送事業運輸規則(昭和 31 年運輸省令第 44 号) に基づいて東京都交通局事業用自動車運行管理規程(昭和 36 年東京都交通局規 程第 22 号)を定め、これに基づいて都営バスの運行管理業務を行っており、運 行管理に必要な文書についても、同規程の定めに基づいて作成している。また、 都営バスの運行管理に用いるシステムにより、運行管理に必要な帳票等の文書を 作成している。 実施機関は、これらにより作成された文書を検索し、事故について記載する文 書である「終業点呼記録簿」、「乗務記録」、「仕業実績管理情報」、「事故報告書(甲)」 及び「事故報告書(乙)」を対象公文書として特定した。 (イ)追加決定について 実施機関は、本件審査請求書の記載により、本件事故に係る交渉内容を記載し た文書が請求の対象に含まれることを確認した。 実施機関では、都営バスの事故が発生した場合には、事故関係者及び契約保険

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会社との交渉内容を「交渉記録票」に継続的に記録することとしており、交渉中 の事故案件について、その他の文書を作成又は取得することは行っていない。そ のため、本件事故に係る「交渉記録票」を新たに対象公文書として特定した。 そして、本件事故に関する記載内容を含む文書を改めて探索した結果、「職員用 事故対応マニュアル(物損)」に基づいて作成した「事故現場調査書」及び○○営 業所において独自に作成した「業務引継簿」についても、本件事故に係る記載が あり、かつ組織共用文書であると認められたので、新たに対象公文書として特定 した。 審査会が本件開示請求に関する実施機関の関係規程等を確認したところ、上記の 他に本件開示請求にかなう公文書が作成又は取得されていることをうかがわせる 特段の事情は認められないことから、当初決定及び追加決定における対象公文書の 特定は妥当である。 エ 一部開示決定の妥当性について (ア)本件非開示部分について 本件対象公文書の一部開示決定において、実施機関が非開示とした部分及びそ の根拠は以下のとおりである。 a 実施機関の特定の職員(以下「本件職員」という。)に関する情報(次の(a) から(f)に掲げる部分。以下併せて「本件非開示情報1」という。) (a)「終業点呼記録簿」のうち、「仕業番号」、「車両番号」、「名番」、「乗務員氏 名」、「退勤時刻」、「点呼時刻」、「終業時乗務検査レシート貼付欄」のうち「TIME」、 「ID」及び「乗務員名」 (b)「乗務記録」のうち、「名番」、「乗務員氏名」、「仕業番号」、「出勤時刻」、「車 号」、「乗車時刻」及び「降車時刻」 (c)「仕業実績管理情報」のうち、「名番」、「乗務員氏名」、「仕業番号」、「車両 番号」、「乗車時刻」及び「降車時刻」 (d)「事故報告書(甲)」のうち、「車両番号」、「登録番号」、「名番」、「職員番号」、 「乗務員氏名」、「年齢」、「経験年数」、「仕業前点呼時刻」、「出庫時刻」、「保

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険番号」及び「保険期間」 (e)「事故現場調査書」のうち、「仕業番号」、「名番」、「乗務員氏名」、「年齢」、 「経験年数」、「局番号」、「登録番号」、「保険番号」、「保険期間」、「点呼時刻」、 「出庫時刻」及び「前回休みからの日数」 (f)「業務引継簿」のうち、「仕業番号」、「車両番号」、「名番」及び「乗務員氏 名」 本件非開示情報1は、条例7条2号に該当するため非開示とした。 b 本件事故の関係者及び契約保険会社担当者に関する情報(次の(a)から(d) に掲げる部分。以下併せて「本件非開示情報2」という。) (a)「事故報告書(乙)」のうち、「第1関係者(歩行者)の氏名」、「性別」、「年 齢」、「住所」、「電話番号」、「勤務先」及び「職業」 (b)「交渉記録票」のうち、「報告№」、「関係者の氏名」、「関係者の発言及び行 動」及び「契約保険会社担当者の氏名」 (c)「事故現場調査書」のうち、「関係者氏名」、「電話番号」、「住所」、「性別」、 「会社名」及び「会社住所」 (d)「業務引継簿」のうち、「関係者の氏名」、「職業」、「電話番号」及び「住所」 本件非開示情報2は、条例7条2号に該当するため非開示とした。 c 本件事故に係る交渉に関する情報(次の(a)から(c)に掲げる部分。以 下併せて「本件非開示情報3」という。) (a)「事故報告書(甲)」のうち、「責任別」及び「責任区分」 (b)「交渉記録票」のうち、実施機関職員の発言及び見解並びに保険会社担当 者の発言及び行動 (c)「事故現場調査書」のうち、「責任別」 本件非開示情報3は、条例7条6号に該当するため非開示とした。 (イ)条例の定めについて 条例7条2号本文は、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関す る情報を除く。)で特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合す

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ることにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又 は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権 利利益を害するおそれがあるもの」を非開示情報として規定している。 また、同号ただし書は、「イ 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又 は公にすることが予定されている情報」、「ロ 人の生命、健康、生活又は財産を 保護するため、公にすることが必要であると認められる情報」、「ハ 当該個人が 公務員等…である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であると きは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」 のいずれかに該当する情報については、同号本文に該当するものであっても、開 示しなければならない旨規定している。 条例7条6号は、「都の機関又は国、独立行政法人等、他の地方公共団体若しく は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることに より、…当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及 ぼすおそれがあるもの」を非開示情報として規定している。 (ウ)本件非開示情報1について 本件非開示情報1のうち、「名番」、「乗務員氏名」、「ID」、「職員番号」、「年齢」 及び「経験年数」は、個人に関する情報で特定の個人を識別することができるも のと認められることから、条例7条2号本文に該当する。 また、本件非開示情報1のうちのその余の情報は、これらを開示すると、事故 に関与したという他人に知られたくない情報が一部の者には知り得るものとな り、その結果、本件職員個人の権利利益が害されるおそれがあるものと認められ ることから、条例7条2号本文に該当する。 次に、同号ただし書該当性について検討する。審査会が確認したところ、本件 非開示情報1は、法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にするこ とが予定されている情報とは認められないことから、同号ただし書イに該当しな い。また、本件事故は、本件職員の職務遂行中に発生したものではあるが、本件 事故そのものが職務遂行の内容であるとはいえないことから、本件非開示情報1 は同号ただし書ハには該当せず、また、その内容及び性質から同号ただし書ロに も該当しない。

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したがって、本件非開示情報1は、条例7条2号本文に該当し、同号ただし書 イからハのいずれにも該当しないので、非開示が妥当である。 (エ)本件非開示情報2について 本件非開示情報2のうち、「第1関係者(歩行者)の氏名」、「関係者の氏名」、 「性別」、「年齢」、「住所」、「電話番号」、「勤務先」、「職業」、「契約保険会社担当 者の氏名」、「会社名」及び「会社住所」は、個人に関する情報で特定の個人を識 別することができるものと認められ、また、本件非開示情報2のうちのその余の 情報は、特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個 人の権利利益を害するおそれがあるものと認められるため、いずれも条例7条2 号本文に該当し、また、その内容及び性質から同号ただし書イからハのいずれに も該当しない。 したがって、非開示が妥当である。 (オ)本件非開示情報3について 審査会が本件非開示情報3を見分したところ、その内容は、本件事故に関する 実施機関の判断並びに実施機関の職員又は契約保険会社担当者が関係者と接触 した際の記録及び実施機関の職員と契約保険会社担当者との相談内容等の本件 事故に関する交渉の過程を示す情報であることが認められた。 これらを公にすることにより、交渉事務についての実施機関の対応方針等が明 らかになって当事者としての地位を不当に害するおそれがあるとともに、契約保 険会社との信頼関係を損ない、率直な意見交換が困難になることにより、交渉事 務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。 したがって、本件非開示情報3は条例7条6号に該当し、非開示が妥当である。 なお、審査請求書及び意見書における審査請求人のその他の主張については、い ずれも当審査会の判断を左右するものではない。 よって、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

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(答申に関与した委員の氏名)

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