平成29年度定期監査[工事]報告書
(平成29年度執行分)
武蔵野陸上競技場スタンド下等改修工事
武 蔵 野 市 監 査 委 員
写 3 0 武 監 第 1 号 平 成 30年 4 月 9 日 武 蔵 野 市 長 松 下 玲 子 殿 武蔵野市議会議長 本 間 まさよ 殿 武蔵野市教育委員会教育長 竹 内 道 則 殿 武蔵野市監査委員 髙 橋 良 一 武蔵野市監査委員 土 屋 美恵子 平成29年度定期監査[工事](平成29年度執行分)結果報告の提出 について 地方自治法第199条第1項及び第4項の規定により、下記について監査を実施したので、 同条第9項の規定に基づき、その結果報告を提出します。 指摘事項については、措置を講じたうえ、再発防止のための職員の研修や定期的な打合せ での事務統一等を行うようお願いします。 この監査の結果に基づき、又はこの監査の結果を参考として措置を講じたものについては、 同条第12項の規定により、通知願います。 記 工事の名称 武蔵野陸上競技場スタンド下等改修工事
目 次
第1 監査の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 第2 監査の対象 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 第3 監査の期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 第4 監査の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 第5 監査の結果 [1] 工事概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 [2] 指摘事項等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 *年の表記について 「平成」は平成 31 年4月 30 日までとなりますが、新しい元号がまだ決定していないため、 本報告書においては、同年5月1日以降についても「平成」により表記し、あわせて西暦も併 記します。1 第1 監査の種類 地方自治法第199条第1項及び第4項の規定による監査 第2 監査の対象 武蔵野陸上競技場スタンド下等改修工事 第3 監査の期間 平成29年12月4日から平成30年3月27日まで 第4 監査の概要 この監査は、工事の設計、施工等が法令等に準拠し、適正かつ効率的に執行されている かどうかを主眼として、公益社団法人日本技術士会と工事技術調査の業務委託契約を締結 し、その協力を得て実施した。 第5 監査の結果 監査の結果は、次のとおりである。 改善又は検討を要する事項及び実地調査の際に示した軽微な事項については、今後の工 事に役立てるよう要望する。 なお、文中「指摘事項」とは、不当又は不正な事務処理があった場合に、その事実を指 摘して是正を求めるものであり、「監査意見」とは、不当又は不正な事務処理には該当し ないが改善の可能性があると認められる事実があった場合に、市の組織及び運営の合理化 に資するための意見を表明するものである(監査委員の職務執行に関する要綱第16条)。
2 [1]工事概要 1 工事名称・工事場所・工期・施工理由・工事内容 (1) 工事名称:武蔵野陸上競技場スタンド下改修工事 (2) 工事場所:武蔵野市吉祥寺北町5丁目11番20号 (3) 工 期:平成29年10月20日から平成30年3月16日 (4) 施工理由 「武蔵野市スポーツ振興計画一部改定」に基づき、施設の利便性の向上とともに 「観るスポーツ・体験するスポーツ」を積極的に推進するための改修工事を実施する。 (5) 工事内容 陸上競技場スタンド下等の諸室整備、トイレの洋便器化、車いす席の整備等 2 設計・工事監理(電気設備工事・機械設備工事を含む。) (1) 請負業者:株式会社東畑建築事務所 東京事務所 (2) 業務委託契約金額及び期間 ア 設 計 12,258,000円(消費税込み) 平成29年6月14日から平成29年7月31日まで イ 工事監理 11,340,000円(消費税込み) 平成29年10月3日から平成30年3月22日まで 3 工事請負 (1) 請負業者:大成建設株式会社 東京支店 (2) 契約金額: 149,580,000 円(消費税込み) 4 実地調査日 平成30年1月29日
3 [2]指摘事項等 1 事業概要 市教育委員会は、平成21年4月に「武蔵野市スポーツ振興計画」を策定した。その後、 国は平成23年スポーツ基本法を制定し、平成24年スポーツ計画を策定した。 平成32年(2020年)には東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が、またそ の前年には、ラグビーワールドカップ2019が日本で開催されることになった。スポーツ を取り巻く環境が大きく変化していると同時にスポーツに対する意識も大きく変わろう としている。 これらの状況の変化や国際大会に伴うスポーツの機運の高まりをスポーツ振興に生か すため、市教育委員会では平成28年4月に、「スポーツ振興計画」を一部改定した。 本改修工事はこの改定計画の一つの取組であり、陸上競技場及び付随する施設の整備 改善を行うことにより、市民の「観るスポーツ・体験するスポーツ」を力強く推進しよ うとするものである。 事業の概要は、陸上競技場スタンドの下にある諸室の整備、新たな機能を持つ部屋の 設置、和式トイレの洋式化等改修工事である。 新たな機能を持った部屋として、J3スタジアム検査要綱(2016年)にある、ドーピ ングコントロール室、審判更衣室、マッチコーディネーションミーティング室、記者席、 VIP席等の整備を行う。 2 設計 設計コンセプトは、現在の陸上競技場スタンド下の諸施設を、市民による「観るスポ ーツ・体験するスポーツ」を積極的に推進するために改善することである。具体的には J3スタジアム検査要綱(2016年)や、ラグビーワールドカップ2019公認キャンプ地ガ イドラインを参考にした設計内容となっている。 多くの参加者が集まる大会や規模の大きな大会、プロのチームが行う試合の実施、更 には国際競技大会のためのキャンプ誘致などにつながるような施設を目標にした改修設 計になっている。 今回の改修設計は、全て部屋の模様替えや内装仕上げに関するもので、構造安全上に 関するものではない。また、本施設は平成元年11月竣工の建物であり、新耐震設計法施 行以後の建物であるので耐震性には問題ない。 3 積算 工事の予定価格を算定する時の積算価格は、主に東京都財務局が作成する積算標準単価表 に掲載されている単価を採用している。この他、刊行物を用いているが、いずれにもない場 合は3者見積もりをとり、その中の最低価格に市で定めた査定率を掛けて決定している。
4 4 入札・契約 (1)設計及び工事監理 設計及び工事監理は、株式会社東畑建築事務所と特命随意契約を行った。 設計業者選定に関しては、本競技場建設時の設計業者であり、また、平成28年度に 「武蔵野陸上競技場スタンド下等改修に伴う事前調査業務」を委託されており、妥当 な選定である。 工事監理業務についても、同理由により、特命随意契約で同事務所に委託された。 設計業務委託料と工事監理業務委託料ともに東京都財務局が作成する改修工事に関 する設計等委託料積算標準に従って予定価格を算出しており問題はない。なお、契約 金額において、設備工事費を含んだ全工事費に対する、設計委託料と工事監理委託料 の比率を算定するとそれぞれ4.4%と4.1%となる。設計・監理委託料の全体で8.5% となり、改修工事に対する比率として妥当であると判断する。 (2)工事 建築工事の業者選定に関しては、平成29年9月21日に工事希望制指名競争入札によ り、入札が行われたが不調になった。そのため、設計内容、金額を見直し、指名競争 入札により、10月19日に再度入札が行われた。設計内容の見直しで、3階部分の工事 及びスコアボード新設工事を工事範囲から除いた。 再入札は、8者による指名競争入札で、6者が辞退、1者が不参加となり、大成建 設株式会社東京支店が、149,580,000円で落札した。予定価格149,925,600円(事前公 表)に対する落札率は99.8%であった。 なお、最初の工事希望制指名競争入札での入札に参加する者に必要な資格の主なも のは以下のとおりであった。 ア 東京都内に本店、支店又は営業所等を有し、その本店、支店又は営業所等が建 築工事業において特定建設業許可を受けていること イ 武蔵野市の建設工事等競争入札参加資格を有し、「建築工事」の業種で共同格 付「A」に等級格付けされており、かつ経審の総合評定値P(建築一式)が 1200点以上であること ウ 上記イにかかわらず、武蔵野市に本店、支店又は営業所等を有し3年以上営業 を継続する業者は、「建築工事」の業種で共同格付「B」以上に等級格付けされ ており、かつ経審の総合評定値P(建築一式)が900点以上であること また、再入札で辞退が多かった原因としては、工事が年度末にかかり、工事監理技 術者を用意できなかったことなどが考えられる。 5 施工・監理 本改修工事は、陸上競技場及び体育館を平常通りに使用しながらのいわゆる居ながら 施工であった。そのため、一般利用者に対する安全管理に力を入れた工事であった。通 路は、通勤・通学時にも利用されており、より安全を期す上で誘導員を増やして対応し
5 ていた。 専門職技能員の安全教育については、各業者の送り出し教育と元請け会社の受入教育 を徹底していた。 近隣の苦情は、土間斫り工事の時に1件あったのみで、順調に進んでいた。解体工事 で出てくる産業廃棄物の処理は、電子マニフェストによって管理されており、簡潔かつ 完全な管理であった。 現場の定例会議は、毎週木曜日の午後に持たれており、打ち合せ議事録も工事監理記 録書に詳細に記録され、完全なものであった。 6 総合評価 本改修工事は、工事入札段階で最初の入札が不調になり、その関係で着工が遅れ、工 期的に厳しい状況になったが、技術調査日(平成30年1月末)時点で、若干の遅れがあ るものの予定工期内に完了できる進捗率(43%)であった。 全体として、是正を要する重大な問題は見当たらず、良好な管理運営により工事が進 められている。 本工事についての指摘事項等は、下記のとおりである。なお、工事期間中に改善が必 要なものについては、実地調査時又は調査後に所管課へ指導を行った。 記 [管財課 指摘事項] 1 武蔵野陸上競技場スタンド下等改修工事の指名競争入札において、前払金の率を明示し ていなかった。 公共工事の前払金取扱要綱に基づき、適正に処理されたい。 [管財課・施設課・生涯学習スポーツ課 指摘事項] 1 武蔵野陸上競技場スタンド下等改修に伴う設計業務委託において、契約締結伺書に添付 されている指定理由書の指定理由に軽微な記載の誤りがあった。 適正に処理されたい。 [施設課 監査意見] 1 改修工事では設計図と現場施工とが一致しない場合が多々ある。現場で行った改善点等 をもれなく反映した竣工図を、最終図面として保管されたい。
6 [その他監査意見] 1 一般に改修工事の工事費は、建設単価として見た場合、新築工事に劣らない金額になる。 改修工事の見積りは、建物の種類、改修工事の内容によって異なり、標準となるデータが 少ない。今回の改修工事で得られた知識や知見は大変貴重であり、今後、事業計画を立て る上で目安となるデータとして活用することを要望する。 2 公共工事の発注について、工事が一時期に集中しない発注の平準化や適切な工事期間の 設定等、入札における競争性を弱めないための工夫を、更に研究されることを要望する。