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初妊婦におけるセルフケア行動の向上を目指した健康学習指導の実施と評価

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Academic year: 2021

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原  著

日本助産学会誌 J. Jpn. Acad. Midwif., Vol. 20, No. 2, 31-39, 2006

初妊婦におけるセルフケア行動の向上を目指した

健康学習指導の実施と評価

Implementation and evaluation of

health training guidance for the purpose of

improving self-care behavior among primiparae

眞 鍋 えみ子(Emiko MANABE)

松 田 かおり(Kaori MATSUDA)

* 抄  録 目 的  初妊婦のセルフケア行動の向上をはかるためにセルフモニタリングを用いた健康学習指導を行い評価 する。 研究方法  介入は,日々のセルフケア行動に対するセルフモニタリングを行い,助産師による面接を受ける面接 群(17名)とセルフモニタリングのみを行う記録群(20名)の2群を設定し,妊娠15週から34週までの20 週間介入を行った。対照群として介入を行わない妊婦(18名)を設定した。評価指標は,不安,セルフ ケア行動意図とセルフケア行動実践状況とし,妊娠15週,26週,36週に測定した。 結果・考察  記録群では25%の者がプログラムから脱落した。繰り返しのある2要因の分散分析を行ったところ, 不安において群の主効果(p<.01),セルフケア行動意図では食生活と日常生活動作において群と時間 の有意な交互作用(p<.05),セルフケア行動の実践では異常の予防・早期発見において群の主効果(p <.05)がみられた。セルフモニタリングは不安の軽減をはかりセルフケア行動の意図を高める効果をも たらし,さらに助産師による面接の併用によりセルフケア行動の実践を高めることが示唆された。 キーワード:妊産婦,セルフモニタリング,セルフケア行動,健康学習,介入研究 Abstract Purpose

The purpose of this study was to implement and evaluate health training guidance using the self-monitoring method in order to improve self-care behavior among Primiparae.

Method

Intervention consisted of establishing two groups consisting of an interview group who self-monitored daily self-care behavior and were interviewed by midwife nurses (17 subjects) and a recording group who only performed

京都府立医科大学医学部看護学科(School of Nursing, Kyoto Prefectural University of Medicine)

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indices consisted of apprehension, intention to implement care behavior, and practical application status of self-care behavior, and these indices were measured in weeks 15, 26 and 36 of pregnancy.

Results and Discussion

In the recording group, 25% of the subjects withdrew from the program by the second evaluation. When ana-lyzed using a repetitive two-factor analysis of variance, apprehension was observed for the main effect of the group (p<.01), a significant interaction (p<.05) was observed between the group and time in diet and daily activities with respect to the intention to implement self-care behavior, and with respect to practical application of self-care behav-ior, the main effect of the group was observed for prevention and early detection of abnormalities (p<.05). Self-mon-itoring serves to alleviate apprehension and bring about the effect of enhancing the intention to implement self-care behavior, and the combined use of interviews by midwife nurses was suggested to enhance the practical application of self-care behavior.

Key words : pregnant women, self-monitoring, self-care behavior, health training, intervention study

Ⅰ.問題と目的

 女性にとって妊娠・出産期は,生理的な過程である 一方,母親としてのアイデンティティの再形成を余儀 なくされる。この変化に適応するには,自己管理能力 の向上と適切なセルフケア行動の遂行が必要である。 さらに多くの女性は,妊娠をきっかけに医療機関と初 めて継続的にかかわる。この機会に健康管理について 見直すことやセルフケア行動の獲得や向上をはかるこ とは,誕生する子どもの健康管理や次の妊娠時の健康 管理をはじめとした生涯の健康に影響を及ぼすきわめ て大切なことである。したがって,助産師をはじめと する医療従事者による妊婦の心理社会的な背景や性格, 行動パターンを考慮した保健指導は重要である。特に 初産婦においては,妊娠中をどのように過ごせばよい のか,これでよいのかなどの判断基準が確立されてい ないので対象にあわせたきめ細かな保健指導の提供が 望ましい。しかし,助産師もその必要性については充 分に認識しているものの,人員や時間の問題から充分 な指導ができていないのが現状である。  我々は,妊娠期のセルフケア行動を「妊婦が妊娠期 の心身の変化に適応し,分娩や育児期の準備のために 実施することが望ましい日常生活上および健康管理上 の行動」と定義し,セルフケア行動の向上を目指した 保健指導や介入方法を検討している。これまでの研究 では,まず「妊婦のセルフケア行動意図尺度」と「妊婦 セルフケア行動動機づけ測定尺度」を作成し,妊娠期 のセルフケア行動の包括的な測定,計量化を可能に した(眞鍋他, 2001a)。次に,個々の妊婦の学習ニー ズ,知識,意欲やセルフケアの実践には個人差が大き いこと,長年にわたって培われてきた生活習慣やライ フスタイルを一朝一夕に変えることは難しいことを明 らかにし(眞鍋他, 2000),妊娠中のセルフケア行動の 実践に影響する要因として,動機づけの存在,プラン ニングなどの方略(意図)や自己管理スキル,妊娠の 受容や胎児に対する肯定的な感情,内的な胎児健康統 制感を確認した(眞鍋他, 2001b;眞鍋他, 2001c;眞鍋 他, 2002a;眞鍋他, 2002b)。さらに,チェックシート (デイリーマタニティチェック)を用いたセルフモニタ リングにより,妊婦自身が日々の行動や態度,感情を 具体的かつ客観的に内省できることを確認した(眞鍋, 2005)。そしてこれらの研究の課題は,妊娠期のセルフ ケア行動をアウトカムとしたセルフモニタリングの有 効性の検討とセルフケア行動の向上を目指した健康教 育プログラムの開発およびその臨床的な適用であった。  そこで,本研究の目的は,初妊婦のセルフケア行動 の向上をはかるために妊娠初期からセルフモニタリン グを中心とする健康学習指導を行い,その効果につい て検討する。具体的には,まず,定期的にデイリーマ タニティチェックを用いたセルフモニタリングを実施 し,心理状態とセルフケア行動の変化から効果を評価 する。さらに,セルフモニタリングを継続するには, 対象者の動機づけを高めることが重要であるため(眞 鍋, 2005),助産師による面接を併用しその効果が期 待できるか検討する。このように本研究では,介入群 と対照群を設けた介入研究のデザインをとる。わが国 において妊産婦を対象とした栄養指導や運動教室など の保健指導の効果を検討した研究の多くはその有効性 を示唆している。しかし,対照群との比較がなかった り,評価指標の信頼性や妥当性が充分に確保されてい ないため,実践的な介入の根拠や方法の検討につなが る研究はみあたらない。したがって,介入とその評価

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初産婦におけるセルフケア行動の向上を目指した健康学習指導の実施と評価 の因果関係を明らかにし,健康学習指導の有効性を示 すことは,妊産婦のセルフケア行動の向上をねらいと した効果的な健康教育プログラム開発の一助となるこ とが期待される。そして,今後の妊産婦保健指導の充 実および妊娠期の支援システムの構築に寄与すると考 えられる。

Ⅱ.仮   説

1 .セルフモニタリングを行った妊婦は行わなかった 者より,妊娠中の心理状態が安定している。 2 .セルフモニタリングを行った妊婦は行わなかった 者よりも妊娠中のセルフケア行動に対する意図や実 践の水準が高い。 3 .セルフモニタリングを行い助産師による面接を受 けた妊婦は面接を受けなかった妊婦よりも妊娠中の セルフケア行動に対する意図や実践の水準が高い。

Ⅲ.研 究 方 法

1.研究デザイン  本研究は,健康学習指導を実施し評価するために, ①セルフモニタリングを行い,助産師による面接を受 ける群(面接群),②セルフモニタリングのみを行う 群(記録群),③介入を受けない群(対照群)の3群を設 け比較する介入研究である。 2.研究の対象と期間  近畿圏内の都市に位置する2つの産婦人科医院*1を 受診中の妊婦の中から妊娠13∼15週の初妊婦(平成13 年7∼11月分娩予定者)を対象とした。対象者の選定 基準は,妊娠歴,妊娠経過において重大な異常が認め られないこと,精神疾患を合併していない初妊婦とし た。まず,研究への参加の要請およびセルフケア行動 の動機づけの程度を把握するためにセルフケア行動動 機づけ評定尺度(眞鍋他, 2001a)の下位尺度「内発的動 機づけ」12項目による予備調査を実施した。その際の 倫理的配慮は,文書により研究目的を説明し質問紙の 返送によりその意思の確認とした。  次に,予備調査に参加した88名に研究趣旨と具体 的な内容,匿名性の保持,研究への協力は自由意思に よること,中断できること,予測される危険性につい て文書と口頭で説明し,協力を依頼した。そして研究 への参加に同意を得た83名を介入研究の対象とした。  対照群は分娩予定日が7∼9月の初妊婦34名を選定 した。面接群と記録群は,分娩予定日10∼11月の初 妊婦(49名)からの調査用紙の返送順に割り付け,面 接群20名,記録群29名であった。  研究期間は平成13年1月から10月であった。 3.健康学習指導の内容  健康学習指導内容は,妊婦のセルフケア行動の構造 (眞鍋他, 2001a)を参考に検討した。その目的は,異 常の早期発見と予防,日常生活動作,食生活,運動と 体重コントロール,母親役割獲得準備,気持ちのもち 方に関して日々の生活で改善が必要な行動や習慣があ るか,このまま維持・継続していくのが望ましい行動 はどれかなど妊婦自身が気づき自己強化できることと した。したがって,デイリーマタニティチェック(眞 鍋, 2005;付録1)の記入によるセルフモニタリングと 助産師による面接とした(表1)。  セルフモニタリングは,妊娠15週,22週,32週前後 に1週間,デイリーマタニティチェックの記入を求め セルフケア行動に対する自己評価を実施した。実施前 に「デイリーマタニティチェックの記入方法(マニュ アル);付録2」を配布し,マニュアルを参考に1日を 振り返って一息ついた時間にチェックすること,ただ し体重は忘れないうちに記入すること,連続して7日 間のチェックを行うように説明した。  助産師による面接は,両施設共に外来の診察室で実 施した。すべて1対1の個人面接であり,全被験者に 対して1名の助産師が面接を行った。時期はセルフモ ニタリング後の医療機関への受診時(妊娠17週,24週, 34週前後)に3回実施した。内容は記入されたセルフ モニタリング用紙に対して,助産師が,①妊婦の疑問 に対して回答する,②セルフケア行動の必要性を指導 する,③妊婦自身に望ましくない行動に気づかせ,改 善方法について考えさせる,④セルフケア行動の効果 を自覚させる,などの観点からフィードバックを行い, 妊婦自身も自己強化を行えるように促した。改善が必 要な行動を確認した場合,助産師と一緒に行動目標と 具体的な行動を設定し,自宅で実践することをホーム ワークとした。目標の達成度については,次回の面接 *1施設の概要:A医院は①分娩件数50件/月,②出産前 教室3回/妊娠中,③常勤医師3名,④助産師8名,⑤ 個別保健指導は,20∼30週前後に母乳保育に関する個 別保健指導を15分程度行う。その他は医師の要請によ り妊婦健診後指導を行う。B医院は①30件/月,②3回 /妊娠中,③2名,④6名,⑤医師の要請により随時行う。

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はどうでしょう」,「どう思いますか」や「今の生活に 無理なく取り入れたり,やっていけることは何でしょ う」,「他にもこんな方法があります」とアドバイスす る。関心度や知識が低い場合には,「∼について友人 から聞いたことがありますか」や「一般的に妊娠中は ∼が起こりやすいですが,どんな風にすれば予防でき るか考えてみましょう」と,妊娠や出産に関する知識 の程度を確認しながら,具体的な答えを求める質問や 実践可能な課題を提示した。面接時間は15分程度で あった。 4.健康学習指導の実施期間  実施期間は,妊娠15週から34週までの20週間に面 接群と記録群にはそれぞれ3回の介入を行った(表1)。 介入時期については,妊娠15∼17週は,つわり症状 も徐々に治まり流産の危険も少なくなり,妊娠による 生理的変化を自覚しこれらの変化に適応してほしい こと,母親役割獲得の初期段階であること,情緒的に は気分が変動しやすいこと,早期の情報収集により問 題の顕在化が期待されるなどの理由から第1回目の介 入時期とした。第2回目は妊娠22∼24週とした。この 時期は胎動を自覚し比較的安定した時期であるものの, 早産予防からも自己管理は重要であること,分娩や育 児の準備を徐々に始めてほしい時期である。第3回目 の妊娠32∼34週は,分娩に対する不安も徐々に表面 化し,その対処のためにも,分娩への期待や目標を明 確にし心身の準備を行うことが重要である。このよう な理由から介入時期を設定した。 5.評価指標

①不安:Hospital Anxiety and Depression Scale (HAD; Ziond, Snaith, 北村, 1994) の不安7項目用いて測定し た。HADは不安と抑うつ各7項目より構成され,身体 症状の影響を受けずに精神症状が測定できる。回答は 4段階評定で,各項目は0点から3点で採点され,下位 尺度点は項目得点の合計(0∼21点)で算出される。得 点が高いほど不健康な状態を示す。 ②セルフケア行動意図:妊娠中のセルフケア行動の意 図を測定するために,妊婦セルフケア行動意図尺度 (眞鍋他, 2001a)を用いた。本尺度は,「異常の予防・ 早期発見」(以下,「異常の予防」と略す),「母親役割準 備・分娩準備」(以下,「母親役割準備」と略す),「食生 活」,「日常生活動作への配慮」(以下,「日常生活動作」 と略す)の4下尺度,各8項目から構成され,信頼性(内 部一貫性.81∼.88)および妥当性(内容的妥当性,因 子的妥当性,臨床的妥当性)が確認されている。質問 に対する回答は,質問項目に示された行動に関してど れくらい実践しようと思うかを5段階(「非常に思う(5 点)」から「全く思わない(1点)」)で評定を求めた。そ して下位尺度毎に素点の合計を算出し尺度得点とした (8∼40点)。各得点が高いほど下位尺度に示されてい る行動に対する準備態勢が高いことを表す。 ③セルフケア行動実践状況:妊婦セルフケア行動意図 尺度(眞鍋他, 2001a)を用い,教示文を「妊娠中にどの 程度実施しましたか」として,妊娠中のセルフケア行 動の実践状況を測定した。尺度得点はセルフケア行動 意図と同様に算出し,高得点ほど下位尺度に示されて いるセルフケア行動を実践していることを示す。 6.データ収集と分析  データ収集は,妊娠15週のセルフモニタリング実 施前をベースラインデータ,2回目は妊娠26週,3回目 は妊娠36週に実施した(表1)。なお,セルフケア行動 12 13 予備調査 14 15 第1回セルフモニタリング ベースライン測定 16 17 第1回面接 18 19 20 21 22 第2回セルフモニタリング 23 24 第2回面接 25 26 第2回測定 27 28 29 30 31 32 第3回セルフモニタリング 33 34 第3回面接 35 36 第3回測定 37 38 39 40 は,本プログラムによる面接指導群の指導期間(20週間)を示す

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初産婦におけるセルフケア行動の向上を目指した健康学習指導の実施と評価 意図はベースラインと妊娠26週,セルフケア行動実 践状況は妊娠26週と36週に測定した。意図と実践状 況の測定時期と回数は,妊娠中のセルフケア行動の意 図の形成が実際のセルフケア行動の遂行につながる (眞鍋他, 2000)ことや妊娠15週は妊娠に伴う生理的変 化に徐々に適応していく時期である一方で,つわり症 状など個人差が大きいこと,さらに被験者の負担を考 慮して設定した。  データ分析は,面接群,記録群,対照群の3群間で 繰り返しのある2要因の分散分析を行った。被験者間 要因は群であり,被験者内要因は時間であった。下位 検定における多重比較はBouferroni法を用いた。3群 間の差の検定には一元配置分散分析を用いた。統計 には解析用ソフトSPSS12.0J for Windows を使用した。 解析には回答に不備のないデータのみを分析の対象と し,面接群17名,記録群20名,対照群18名であった。

Ⅳ.結   果

1.対象の背景  対象者はすべて初妊婦で,平均年齢(平均 SD), 範囲は面接群28.1 3.1歳(22∼33歳),記録群27.5 4.5 歳(20∼37歳),対照群29.7 4.0歳(24∼38歳)であり, 3群間に有意差はみとめられなかった(F(2,52)=1.58, p=.22)。有職者は面接群9名(52.9%),記録群11名 (55.0%),対照群9名(50.0%)であった。また,セル フケア行動への内発的な動機づけは面接群50.12 6.70, 記録群50.35 6.10,対照群47.94 4.84であり有意差は みられなかったため(F(2,52)=.92, p=.41),3群は同 質の集団とみなした。さらに調査協力施設間で内発的 動機づけを比較したところ,有意差は認められなかっ た(t(53)=.13, p=.90)。 2.介入前の各群の特徴について  測定された各指標についてベースラインにおける各 群の等質性を確認するため,ベースラインデータに よる一元配置分散分析を行った。その結果,不安(面 接群:3.12 2.60点,記録群:5.25 2.29点,対照群: 4.28 3.27点)で有意な傾向(F(2,52)=2.79, p<.10), セルフケア行動意図「異常の予防」(面接群:38.88点, 記録群:36.90点,対照群:38.11点)で有意差(F(2,52) =3.76, p <.05),セルフケア行動遂行状況「母親役 割準備」と「日常生活動作」で有意な傾向(それぞれF (2,52)=2.63;2.77, p<.10)が認められた。その他の 指標では3群間に有意差はみられなかった。  ベースラインで有意差または有意傾向のみられた指 標については,変化率((ポストテスト得点­ベースラ イン得点) ベースライン得点)を算出した。なお,不 安の得点範囲は0∼18点で変化率の算出が不可能なた め,(ポストテスト得点­ベースライン得点)により変 化量を算出した。 3.ドロップアウト数  プログラムの介入期間にドロップアウトした妊婦は, 面接群1名,記録群7名であった。両群とも1名は,中 期妊娠中絶となりプログラムへの参加が不可能となっ た。介入時期別にドロップアウトの人数を表2に示し た。面接群では中期中絶の他にドロップアウトはいな かった。記録群では,1回目のセルフモニタリング後 に3名,2回目には4名と約25%が途中でドロップアウ トしたが,3回目の途中でドロップアウトした者はい なかった。 4.健康学習指導の評価 (1)セルフモニタリングが不安に及ぼす影響  不安は,ベースラインで各群に有意傾向がみられた め,変化量を算出して2要因の分散分析を行ったとこ ろ(図1),群の主効果が認められた(F(2,52)=3.15, p <.05)。多重比較の結果,記録群と対照群の間に有意 差が確認された(p<.05)。不安レベルは記録群では 対照群に比べ妊娠の経過とともに低下した。一方,対 照群では若干上昇を示し面接群では若干の低下を示し た。 (2)セルフケア行動意図に及ぼす影響  群と時間がセルフケア行動意図に及ぼす影響につい て表3に示した。「異常の予防」は,ベースラインで各 群に有意傾向がみられたため,変化率を算出して1要 因の分散分析を行ったところ,有意差が確認された(F (2,52)=4.13, p<.05)。多重比較の結果,対照群の変 化率は記録群に比べて大きかった(p<.05)。妊娠26 週において対照群では意図の水準がベースラインに比 表2 各群のドロップアウト数 面接群[N=20] 記録群[N=29] 1 回 目 0 3(10.3%) 2 回 目 1(5.0%) 4(13.8%) 3 回 目 0 0 計 1(5.0%) 7(24.1%) ( )は,各群の参加者に対する割合を%表示した。

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べて下がっているのに対し,記録では若干上昇してい た。  その他の下位尺度では,2要因の分散分析(3群 時 間;ベースライン,26週)を行ったところ,「食生活」 については,交互作用が有意であった(F(2,52)=3.28, p<.05)。そこで各要因の単純主効果を分析したとこ ろ,面接群と対照群で有意差が認められた。次に多重 比較の結果,面接群と対照群ともにベースラインに 比べて26週では得点が有意に低下していた(面接群: (F(1,52)=6.39, p <.05; 対 照 群(F(1,52)=14.42, p <.01)。記録群は変化がみられなかった。次に「日常 生活動作」得点では有意な交互作用がみられたため(F (2,52)=5.93, p<.01),各要因の単純主効果を検定し たところ,記録群において有意な差,面接群,対照群 の方が有意に高得点を示し(F(1,52)=7.87, p<.01), 面接群ではベースラインに比べ26週の得点の方が高 い傾向(F(1,52)=3.26, p<.10),対照群では低い傾 向が認められた(F(1,52)=3.26, p<.10)。さらに26 週においては面接群は対照群に比べ得点の高い傾向が みられた(F(1,52)=2.63, p<.10)。面接群と記録群 では妊娠初期から中期にかけて日常生活動作の得点が 増加すること,さらに面接群においてはその程度が対 照群よりも高いことが示された。「母親役割準備」では 主効果,交互作用ともに認められなかった。 (3)セルフケア行動実践状況に及ぼす影響  健康学習指導の効果を検討するために,セルフケア 行動の実践状況を従属変数として,3群と時間(妊娠26 週,36週)の分散分析を行った(表4)。その結果,「異 常の予防」では,群の主効果が認められ(F(2,52)=4.95, p<.01),多重比較を行ったところ面接群が対照群に 比べ有意に高得点であった(p<.01)。「食生活」につ いては,時間の主効果が認められ(F(1,52)=10.28, p <.01),各群ともに妊娠36週の方が食生活に関する行 動の実践は有意に増加した。「母親役割準備」と「日常 生活動作」ではベースラインで条件間の有意傾向がみ られため,変化率を算出して一元配置分散分析を行っ たところ,有意差は認められなかった。

Ⅴ.考   察

1.セルフモニタリングが心理状態に及ぼす効果  本研究では健康学習指導による介入の効果を検討し た。まず,対照群では,妊娠末期に不安が若干増強し 15週 26週 36週 記録群N=20 対象群N=18 (ベースライン) 不 安 得 点 の 変 化 量 1.0 0.0 −1.0 −2.0 −3.0 −4.0 群主効果 F=3.15,p>.05 図1 不安得点の変化量の平均 表3 セルフケア行動意図の平均得点と分散分析結果 面接群[N=17] 記録群[N=20] 対照群[N=18] 主効果(F値) 交互作用 下位検定 15週 26週 15週 26週 15週 26週 群 時間 異常の予防a) (2.12)38.88 (2.37)38.41 (2.63)36.90 (2.37)37.45 (1.78)38.11 (2.29)37.06 4.13* ─ ─ 記録<対照 母親役割準備 (5.52)33.41 (4.85)33.18 (4.90)31.40 (4.82)31.65 (2.90)32.94 (4.40)31.50 .79n.s. .98n.s. 1.12n.s. 食生活 (3.85)35.88 (4.05)33.94 (4.15)33.80 (3.95)33.55 (4.34)35.17 (4.24)32.33 .59n.s. 15.32** 3.28* 対照群:15週>26週**面接群:15週>26週* 日常生活動作 (2.63)35.82 (2.95)36.94 (4.02)33.85 (4.22)35.45 (3.57)35.17 (3.76)34.06 1.58n.s. 2.41n.s. 5.93** 記録群:15週<26週** ( )内は標準偏差 **p<.01, *p<.05, n.s. non-significant a) 15週を基準に変化率を算出し,3群間の一元配置分散分析を行った。

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初産婦におけるセルフケア行動の向上を目指した健康学習指導の実施と評価 ているのに対し,面接群と記録群では妊娠の進行にと もない軽減することが示された。これは両群に共通し ているセルフモニタリングによる効果と考えられ,仮 説1は支持された。セルフモニタリングは,習慣的あ るいは自動化した行動や態度,感情,思考過程等の変 容に効果的である(坂野, 1995)。デイリーマタニティ チェックでは,「気持ち」という項目で,日々の感情や ストレスについて振り返ることにより,不安や不快を 自覚する場面とその程度や対処行動について妊婦自身 が気づき,漠然とした不安感の軽減ができ心理的な安 定がはかれるのであろう。 2.セルフモニタリングがセルフケア行動意図及び実 践に及ぼす効果  対照群ではセルフケア行動の意図は妊娠の経過にと もなって低下することが示された。これは,妊娠の経 過とともに行動が習慣化され随意的な行動として認識 されなくなったり,経験や知識の蓄積により今以上の 必要性が認識されなくなることによるものと考えられ た。しかし,記録群では,すべてのセルフケア行動意 図は維持,向上した。そして,面接群では「日常生活 動作への配慮」に関するセルフケア行動意図は向上す るものの,その他のセルフケア行動に関する準備態勢 は若干の低下を示したが,その水準は対照群より高い ことが明らかにされた。これも両群に共通しているセ ルフモニタリングによる効果と考えられ,仮説2の一 部が検証された。セルフモニタリングにより日々の行 動を観察したり記録することによって,妊婦自身によ る客観的な気づきが生じ,妊娠が進行しても随意的な 行動として認識されていたのであろう。  一方,セルフモニタリングはセルフケア行動の実践 を向上させる効果はみられなかった。しかし,随意的 行動では行動意図が態度や主観的規範と相関すること や(Conner & McMillan, 1999;Deborah, 1985;Godin & Kok, 1996;Nguyen, Otis, & Potvin, 1996;Miller, Wikoff, & Hiatt, 1992),妊婦においてセルフケア行動 の実行には同領域のセルフケア行動意図形成の必要性 が示されている(眞鍋他, 2000)。したがって,セルフ モニタリングによってセルフケア行動への準備性が高 められることは意義深いと考えられる。 3.面接とセルフモニタリングがセルフケア行動意図 及び実践に及ぼす効果  面接群と記録群においてセルフケア行動意図には差 はみられなかった。一方,セルフケア行動の実践状況 では面接群は対照群に比べて「異常の早期発見」に関 する行動水準が高かった。これは面接指導とセルフモ ニタリングの相乗効果と推測され,一部のセルフケア 行動において仮説3が確認された。面接群への介入で は,セルフモニタリングによる自己評価に加え,面接 による情報の分析から改善を要する行動や問題行動を とりあげ,妊婦自身の個人的な背景や環境の特徴,生 理・身体的面を考慮した具体的な行動計画や目標立 案の支援を行った。糖尿病患者指導に生化学検査結果, 体重や日々の歩数の変化を図示し定期受診時に看護師 が面接を行った結果,疾患に対する理解を深め自己管 理能力を向上させ治療の継続が図れた(村山他, 2001) ことや,自己管理スキルは妊娠中のセルフケア行動の 実践に影響することが明らかにされている(眞鍋他, 2002b)。したがって,セルフモニタリングと面接の併 用により被験者の自己管理能力の向上が図られセルフ ケア行動の実践につながったと思われる。しかし,今 回の調査では助産師による面接のみ受け,セルフモニ タリングを実施しない群を設定していないため再検討 表4 セルフケア行動実践状況の平均得点と分散分析結果 面接群[N=17] 記録群[N=20] 対照群[N=18] 主効果(F値) 交互作用 下位検定 26週 36週 26週 36週 26週 36週 群 時間 異常の予防 (3.66)37.18 (1.68)38.06 (2.57)35.90 (2.29)36.10 (2.35)35.28 (2.01)35.44 4.95** 1.63n.s. .49n.s. 面接>対照** 母親役割準備a) (5.22)25.59 (5.38)28.24 (5.50)21.35 (5.37)23.65 (6.11)23.61 (5.42)25.83 .03n.s. ─ ─ 食生活 (4.70)29.59 (4.29)30.65 (4.47)26.70 (3.94)28.45 (5.21)27.28 (4.31)28.89 1.87n.s. 10.28** .21n.s. 26週<36週** 日常生活動作a) (4.87)33.41 (4.38)34.94 (4.37)31.45 (4.37)32.45 (6.60)29.17 (4.50)31.72 1.11n.s. ─ ─ ( )内は標準偏差 **p<.01, *p<.05, n.s. non-significant a) 26週を基準に変化率を算出し,3群間の一元配置分散分析を行った。

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はいなかったのに対して,セルフモニタリングのみ の記録群では,2回目の時点で25%の者がドロップア ウトし3回のセルフモニタリングは実施されなかった。 面接では同一の助産師により具体的な行動目標の設定 や承認や賞賛のフィードバックが継続的に行われたこ とによりセルフモニタリングの継続が図れたと考えら れる。研究への協力や中断は被験者の意思が尊重され るため一概には言えないが,セルフモニタリングの継 続には妊婦個人の環境要因や性格特性に加えて,助産 師による関わり方も大きく影響すると推察される。特 に,行動変容や習得が必要な初妊婦には,セルフモニ タリングと面接の併用が有効と考えられる。そして, セルフモニタリングは,時間や経済的な負担以上の効 果が期待されるため,電話や電子メールの活用など フォロー方法の検討も今後,必要である。 4.健康学習指導の限界と今後の課題  本研究における健康学習指導の限界は,1週間の継続 したチェックシートへの記録ができない妊婦や負担感 を感じる妊婦はプログラムによる指導の対象外となる。 また,妊婦健診時に面接指導を行う場合,同じ助産師 による継続した関わりは難しい。さらに,医療機関単 位でプログラムを展開する際には,里帰り分娩や高次 医療機関への転院後のフォローが不可能である。今後, 1週間の継続したモニタリングの必要性の検討,セル フモニタリングや面接の時期と回数の検討,複数の助 産師によるプログラム展開の検討などが課題である。 謝 辞  本研究にご協力頂きました妊婦の皆様,施設の皆様 に心より感謝いたします。本研究をご指導いただきま した広島国際大学長の上里一郎先生,安田女子大学の 瀬戸正弘助教授に深謝いたします。 文 献

Conner, M. & McMillan, B. (1999). Interaction effects in the theory of planned behaviour: Studying cannabis use, British Journal of Social Psychology, 38, 195-222. Deborah, E. (1985). Intention, Perceived Control, and

Weight Loss: An Application of the Theory of Planned Behavior, Journal of Personality and Social Psychology,

ior: A Review of Its Applications to Health-related Be-haviors, American Journal of Health Promotion, 11(2), 87-98. 眞鍋えみ子,瀬戸正弘,上里一郎(2000).妊婦のセルフ ケア行動の形成に関する一考察─セルフケア行動の動 機・意図・実践の関連性の検討─,京都府立医短紀要, 10, 67-74. 眞鍋えみ子,瀬戸正弘,上里一郎(2001a).妊婦のセルフ ケア行動意図尺度とセルフケア行動動機づけ評定尺度 の作成,健康心理学研究, 14(1), 12-22. 眞鍋えみ子,瀬戸正弘,北川恵美他(2001b).初妊婦のセ ルフケア行動を規定する心理・社会的要因の研究(第 1報)─セルフケア行動意図に関連する要因の検討─, 京都府立医短紀要, 11(2), 179-188. 眞鍋えみ子,瀬戸正弘,北川恵美他(2001c).初妊婦のセ ルフケア行動の動機づけに関与する心理的要因─情緒 的サポート・妊娠受容感・精神的健康との関連─,母 性衛生, 42(4), 629-636. 眞鍋えみ子,林恵美,瀬戸正弘他(2002a).初妊婦のセル フケア行動を規定する心理・社会的要因の研究(第2 報)─セルフケア行動の遂行に関連する要因の検討─, 東亜臨床心理学研究, 1(1), 55-64. 眞鍋えみ子,林恵美,瀬戸正弘他(2002b).妊娠期のセル フケア行動モデルの検討,日本健康心理学会第15回 大会論文集,296-297. 眞鍋えみ子(2005).妊婦におけるセルフモニタリング用 チェックシートの作成,日本助産学会誌, 19, 6-18. Miller, P., Wikoff, R., & Hiatt, A. (1992). Fishbein's Model

of Reasoned Action and Compliance Behavior of Hyper-tensive Patients, Nursing Resarch, 41(2), 104-109. 村山直美,前田ゆかり,田辺恵美子他(2001).ヘルスケ

アファイルを用いた糖尿病患者指導システムの効果, 看護学雑誌, 65(8), 780-783.

Nguyen, M.N., Otis, J., & Potvin, L. (1996). Determinants of Intention To Adopt a Low-fat Diet in Men 30 to 60 Years Old : Implications for Heart Health Promotion, Ameri-can Journal of Health Promotion, 10(3), 201-207. 坂野雄二(1995).認知行動療法,19-22,東京:日本評論社. Ziond, A.S., & Snaith, R.P. (1983)/ 北 村 俊 則 訳(1994).

Hospital anxiety depression scale(HAD尺度),季刊精 神科診断学, 4(3), 371-372.

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初産婦におけるセルフケア行動の向上を目指した健康学習指導の実施と評価 付録1 デイリーマタニティチェック [         ]様 セルフモニタリング用紙 デイリー・マタニティチェック  ☆1日を振り返ってみましょう★ No.   − 月日 曜日 週数 睡眠状態 体重 胎動 お腹・出血 食事 運動 生活 気持ち 母親イメージ と話す赤ちゃん 一日の出来事・その他 11/25 火 23­0 ○ 59.5 ◎ △ ○ ○ △ ○ ◎ お腹のはりを感じたのでゆっくりしてた。夕方に家事をした  /  ­  /  ­  /  ­  /  ­  /  ­  /  ­  /  ­  /  ­ 付録2 デイリーマタニティチェックの記入の仕方 睡眠状態:昨夜の睡眠の状態をどのように感じたか記入してください。 ◎:ぐっすり眠れていた ○:ややぐっすり眠れていた △:普通に眠れていた :やや悪かった 体重:1日1回できるだけ同じ時間に測定してください。 胎動:赤ちゃんの動きをどの程度感じるか記入してください(妊娠20週から)。 *この用紙を記入する1時間くらい前から今までの間を振り返ってください。 ◎:頻回に感じる(10分間に3回以上の動きを感じる) ○:時々感じる(10分間に1回程度) △:たまに感じる(30分間に1回程度) ×:あまり感じない(30分間,感じないことがある) お腹・出血:お腹のはり,重い感じ,痛みの有無を記入してください。 ◎:頻回に感じる   ○:時々感じる   △:たまに感じる   ×:全く感じない *出血があった場合は,時間や量・色を記入してください。 食事:1日の食事をふり返って,記入してください。 ⓐ朝・昼・夕食の3食食べた。 ⓑ塩分のとりすぎに気をつけた。 ⓒたんぱく質類(肉・魚・卵・豆類など),炭水化物類(ごはん・パン・めん類など),野菜類をまんべんなく食べた。栄養 のバランスが良い。 ⓓ就寝前3時間以内には食べなかった。 ◎:上記a∼dの4項目とも満たされる ○:2∼3項目は満たされる △:1項目は満たされる ×:すべて満たされない *つわりの時は,「つわり」と記入してください。 運動:30分程度のウォーキング(買い物などの外出や掃除も含めて),エアロビクスやヨガ,スイミングなどの運動をしたかど うか記入してください。 ○:した   △:したが,30分以内であった   ×:しなかった 生活:お腹に負担のかかるような動作(重い物を持つ,高いところの物をとる,頻繁な階段の昇降,長時間の同一姿勢)や時間 のゆとりがあったか振り返ってください。 ○:お腹に負担のかかる動作はなかった。   △:少し,お腹に負担のかかる動作をした。 ×:お腹に負担のかかる動作をした。 気持ち:今日1日の快適度,ストレスの程度を記入してください。 ◎:とても快適   ○:やや快適   △:やや不快    ×:とても不快 母親イメージ:母親像や子どもが生まれた後の生活を想像する時間(例えば,名前を考えたり,遊んだり,あやしたり,世話 をしているご自分の姿を想像する)があったかどうか記入してください。 ◎:充分あった   ○:あった    △:少しあった   ×:なかった 赤ちゃんと話す(コミュニケーション):赤ちゃん(胎児)にタッチング,声かけや話しかけ,歌や音楽をきかせる,胎児の動き に応じた働きかけなどの時間があったかどうか記入してください。 ◎:充分あった   ○:あった    △:少しあった   ×:なかった 1日の出来事・その他:一日の出来事や気になることがあれば記入してください。 例えば,病院の受診日,仕事や家事が多忙であった,旅行など

参照

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