2014年度稲城トレーニングセンター選考会実施報告書
2014年5月16日
稲城トレーニングセンター
1 2014年度稲城トレーニングセンター選考会実施報告 1.実施日時 新5年生(U-11):2014 年 4月 10日(木)、 新6年生(U-12):4月 14日(月) 2.実施時間 18:00~21:00 3.実施会場 ふれんど平尾 4.参加基準 予め各チームから推薦された選手に参加資格が与えられた。チーム推薦基準は以下の通り。 (1) リフティングの数値目標:両足交互150回・逆足80回・40m移動・ヘディング20回程度 (※左右のプレーバランス(=逆足の質)を重視して、昨年度より『逆足』の数値目標を設定) (2) 自主性・自立心を備えていること また、チーム推薦枠については、各チームの在籍選手数をベースとした定率制による推薦枠数 を採用した。 (1) 新6年生;各チームの現トレセンメンバー+各チーム在籍選手数に対する定率制 (2) 新5年生;各チーム在籍選手数に対する定率制 (※具体的な推薦枠については、2013年12月25日通達の選考会指針を参照のこと) 上記基準による今年度の参加者数は、以下の通り。 (1) 新6年生65名(内GK 登録8名) (2) 新5年生61名(内GK 登録7名) 5. 定 員 今年度においては、新6年生20名、新5年生25名を基本ラインとしながら、最終的な合格者数は 以下の通りとした。 (1) 新6年生;20名(内GK:4名) (2) 新5年生;22名(内GK:4名) (※合格者名簿については、個人情報に配慮し、別途公開する) 6.選考方法について サッカーそのものの実戦力を適正に評価できるようにするため、ゲーム形式を多く取り入れ選手 の能力を出来るだけ多面的に捕らえた複合評価とした。 (1) 定量的評価:クローズドスキル(=数値化できる種目)で構成する。 具体的メニューは別途解説。 ・・・・・・・・・(後述8-(1)参照) (2) 定性的評価:オープンスキル(=プレーそのもの)で構成する。 ゲーム並びにSSGでの観察が主体となる。 ・・・・・・(後述8-(2)・(3)参照)
2 7.選考スタッフ 選手の選考は、以下のトレセンスタッフで行った。※( )内は、所属チーム名 【FP】喜田(FC平尾)、内山(ARTEはなぶさSS)、草野(プログレッソTCF)、松本(南山EFC)、 小作(青葉FC)、佐藤(若葉台FC) 【GK】高延(梨花FC) 8.セレクショントレーニングメニュー (1)リフティング ・・・・・・・・・・・・・・・・・【別添資料参照】 ①インステップ左右交互に (3分以内) ②インステップ効き足の逆足のみ (3分以内) ③ヘディングのみ連続で(2分以内) ④タッチライン間(約40m)を落とさずに移動(5分以内) (2)SSG(スモールサイドゲーム) 1チームはFP4~5人で構成。全12チームが6分のゲームを以下のコートで各1試合対戦。 ①縦30m×横25mコートにミニゴールを置いてのシュートゲーム (3)ゲーム オールコートで1チームはFP9~10人+GKで編成。全6チームが10分のゲームを各2試合対戦。 評価上の視点はSSG並びにゲーム共に以下の通り。 【FP】
①事前の観察(Look Before ,Look Around)
②ポゼッションを意識したプレーの深み(=敢えて急がない) ③ピッチの幅を生かしたプレー(ターンのスキル) ④左右のプレーバランス(『逆足』でのキックのスキル) ⑤ファーストタッチ(ランウィズザボール、“遠い足”でのコントロール) ⑥コミュニケーション(大きな声が出る=怒鳴る、コーチングの内容)、闘争心 ⑦シュートの意識とオンザボールのテクニック ⑧1対1の強さ(フィジカルコンタクト=倒れない体幹の強さ) ⑨オフ・ザ・ボール時の動き(フリーランニングのタイミング、方向およびスピード) ⑩洞察力・読みと判断力(状況とプレーの選択)、
⑪有効な視野の確保(Good Body Shape,) 【GK】
9.総評(成果と課題)のGK編を参照。
(4) 筆記テスト
3 9.総評(成果と課題) 今回の成果と課題をまとめてみた。 毎年言い続けているが、先ずは、各チーム代表が本レポートを真摯に受け止めて欲しいと思う。 また学年担当コーチにおいては、別添資料と併せて本レポートをトレーニングのヒントの一つにして 欲しい。そして、セレクションに臨むための最低条件として、本レポートにある課題を一つ一つクリア しながらの育成に、計画的かつ精力的に取り組んで欲しい。とりわけ、サッカーの導入期である低 学年(キッズ年代)担当コーチの重要性は極めて高いことから、コーチ初心者 (所謂お父さんコー チ)などに対するチーム内の適切な指導やサポートを改めてお願いしたい。 そのためには、各チーム所属のトレセンコーチとの情報共有を図り、『育成の方向性』について共通 理解を深めて欲しい。 (1)リフティング 参考資料(別添3:合格者平均時系列比較)から、新6年生のインステップ左右交互が250回を超え たり、ヘディングが25回を超えたりと、更なるボトムアップが実感できる結果となった。各チームの低 学年からの継続的な取組みが、実証された事に改めて感謝したい。 昨年度より実施した、インステップの『逆足』は、新6年生の合格者平均が76.8回から121.4回に、 新5年生が53.6回から86.9回に増加した。ここでも、継続の重要性が認識出来ると思う。今後、左右 のプレーバランスの視点から、ピッチでのパフォーマンスの向上に期待したい。 今後も各チームにて、キッズ年代から『左右両足』でのリフティングを推奨し、担当コーチ自らもデモ ンストレーションを交えながら選手達と一緒に継続的・積極的に取り組んで欲しい。 また、参加選手全体のレベル感も、昨年と同様に、推薦基準に相応しいものになった。新6年生に おいては、 インステップ交互の参加選手平均値が、189.7回(推薦基準150回)、逆足の参加者平 均が、94.9回(推薦基準80回)となった。一方で、ヘディングは、15.9回(推薦基準20回)、タッチライ ン間移動成功率は78.9%であったが、良識的な候補者が選出されたと判断したい。 6年目になるヘディングについては、前進感が認められるものであった。新6年生の合格者平均値が 25.3回(昨年度は12.9回)と倍増した。新5年生は合格者平均値が16.9回、参加選手平均値は10.0回 であった。ただ、参加者全体の最低値は、新6年生・新5年生とも3回で、昨年同様であった。 上記結果を踏まえると、適切かつ継続的なトレーニングを経た上で、ロングボールへのヘディング にトライさせるべきで、市内大会を含めて試合中に数多く見られる、『GKからのサイドボレー(ハンド キック)をヘッドで競り合えない』、『コーナーキックの際に、誰も触れずにボールが抜ける』現象を見 るに付け、指導者として指導プロセスに再考の余地があろう。 サッカーにおいてヘディングが重要なテクニックの一つであり、ただ単に「当てる」だけでなく、『空間 認知能力』を養う意味においても、キッズ年代から風船や軽いゴムボール的なツールを用いて、普 段のトレーニングに恒常的に取り入れることを推奨したい。 従来通り、新6年生・新5年生別の『チーム別種目別平均値』並びに『総合平均値』をグラフ化した。 チームごとにかなりのバラつきがある事を充分に認識して欲しい。また、リフティングへの日常的な 取り組みが行われていないと思われる結果となったチーム(カテゴリ)があったのは、極めて残念で ある。指導者のフィロソフィーに疑問を感じざるを得ない。
4 (2)ゲーム ①観る事 毎年の事だが、『(事前に)観る事』の習慣化を各チームの指導者には強化して欲しいと思う。 ゲーム中、如何にしてボール以外のモノ(相手の選手、味方の選手、スペース、など)を観て、プレ ーの予約を出来るかで、判断のスピードを上げる事が可能になるし、当然、ファーストタッチのアン グルも意図のあるものになる。ボールを受けてから、味方の選手やパスコースを探せる程の時間的 余裕は与えないのが、現代サッカーのディフェンスのトレンドであるから、事前に観ておかないと 成立しないオーガナイズを設定したトレーニングを指導者は工夫して実践して欲しい。 ②ポゼッション そもそもポゼッションの意識が低く、『ボールを奪われない』、ボールを大事に繋ぐあるいは受けるた めの工夫が出来ない選手が多い。せっかく相手から奪ったボールをノージャッジで前に蹴り返した り、相手が奪いに来ているのを感じる事無く相手側にファーストタッチをして、簡単にボールを献上 してしまうなど、何とも残念なプレーが今年も見受けられた。意識においてもポゼッションを強化する 必要があるのではないかと思う。指導者の日々の取り組みに期待したい。 『深み』に関しては、5・6年生とも、バックパスを選択している選手が増えて来ているが、バックパス をもう一度受けて攻撃を作り直すようなプレーは今年もあまり見られなかった。『幅』に関しては、事 前に観る・観ておく事が出来ていないために、どうしてもボールサイドに集まってしまい、特に逆サイ ドの選手が広いスペースに開いてボールを受けようとするシーンは少なかった。個々で『縦』に仕掛 ける意識やドリブルの技術に優れている選手は、今年も見られたが、相手の体勢を崩す・タイミング を外すと言った『駆け引き』ではなく、スピード任せの強引な突破で、ワンドリブルでボールを失う(奪 われる)場面が数多く見られた。ボールを奪われないための『スクリーン』と、攻撃の方向を変える 『ターン』の技術を日常のトレーニングに積極的に取り入れて欲しいと思う。 ③ボールを奪う ボゼッションと同様に相手のボールを奪う事も重要であるが、間合いの詰め方が甘い、奪い方が 『一か八か』のために、ちょっとしたフェイントで簡単に逆を取られてしまう選手が多い。相手の仕掛 けに対応しながら、ピボットの動きで反転しながら体を入れて奪う技術の習得を目指して欲しい。 ④左右のプレーバランス(逆足でのキックのスキル) 稲城の弱みであると思う。指導者の意識の低さが原因ではないと思われる。ボールコントロールや ドリブルでは、両足を使ってプレーできている選手は見られたが、逆足でのパス・シュートのスキル は低い。シュート前のプレーで逆足側にかわすために、シュートが打てない、得意な足に持ち替え てようとして、得点のチャンスを失っているシーンが散見された。また、ボールの置き所で言えば、ド リブルもパスもシュートも選択できる状況でプレー出来ている選手があまりにも少なく感じた。逆足 のリフティングなど、普段の練習から強く意識させて、トレーニングに取り組んで欲しい。当然、稲城 トレセンとしても『セレクションの選考基準』として重視して行くと共に、トレーニング時のアップに組 み込んで行く方向である。ファーストタッチにおける、“遠い足”でのコントロールもその一つである。
5 ************************************************************************************** 【GK編】 ゴールキーパーにおける評価手順及び評価内容は以下の通り。 1.リフティング FPと共に同じ項目を行った。 2.クローズドスキル FPが4GGを行っている時間帯にクローズドスキルを評価した。 ①声:30m離れた所から、チーム名、氏名、自分のアピール(一言)を大きな声で発することが できるかを評価した。 ②キャッチング:ボールキャッチの基本技術を評価した。 ③セービング:自分の体を、怖がることなく地面に接することができるかを評価した。 ④プレースキック:ボールのスィートスポットに足を当てているかを評価した。 ⑤パントキック:狙った場所へ蹴り込むことができるかを評価した。 ⑥スローイング:正確に無駄のない投げ方ができているかを評価した。 ⑦反応:至近距離から蹴ったボールへの反応ができているかを評価した。 3.オープンスキル FPと共にゲームを行った。 ①ポジショニング:ボールとゴールの中央を結んだ線上にポジションがとれているかを評価した。 ②シュートストップ:しっかりキャッチできているか、キャッチできないボールは確実にクリアランス できているかを評価した。 ③ディストリビューション:攻撃に結びつく配給ができているかを評価した。 ④積極性:効果的なポジション取りから、積極的にペナルティエリアの外でもプレー出来ている かを評価した。 ⑤声:FPと声によるコミュニケーションがとれているかを評価した。 (総評) 1.新5年生 合格者3名、補欠合格1名を選出した。 今年の新5年生はレベルが低い印象を受けた。リフティングにおいては、誰ひとり基準に達して いなかったのはとても残念である。移動リフティングができない選手は、トレーニングには参加でき ないルールなので、各自自習して臨んでほしい。 キャッチング、スローイング、キッキング、身のこなしなどのクローズドスキルは、基礎からしっかり と身につけてもらいたい。ポジショニング、声による選手のコントロール、攻撃への参加においても、 ほとんどの選手ができていないので、トレーニングの課題は山積であると認識した。 先ずは足元のトレーニングからじっくり取り組み、クローズドスキルを多摩招待(2月頃)までには しっかりマスターさせたい。
6 2.新6年生 現トレセン選手から3名が合格、新規受験者から1名が補欠合格となった。 現トレセン選手においては、1年間のトレーニングにより、クローズドスキルは明らかに向上してい ると評価できる。毎年ことであるが、足元の基本となるリフティングが出来るよう、日々のトレーニン グで身につけるよう要求していて、移動リフティングは確実にできるようになっていた。 今回の選考会において選出した現選手3名は、ゲームにおけるポジショニング、声によるコントロー ル、攻撃参加は、まだまだ足りない部分が多く、安定感があるとはいえないことが残念である。 良い判断をするためにどうすればよいか、考えさせながらスキルの向上を図りたい。 補欠合格者の1名は、クローズトスキルの向上は勿論、現選手に1日でも早く追いつけるよう、 自チームでもできるトレーニングを教え、自習による技術向上を狙いたい。 補足 今後はGKのすそ野を広げるべく、稲城市の各チームから希望者(4年生以上)を募り、ナイタート レーニングの時などに、GKトレーニング会のようなものを開き、GKの楽しさや基本技術を伝えて いくことを提案したい。 稲城トレセンGKコーチ 高延勇一 ************************************************************************************** 10.最後に 今回で8回目のセレクションになりますが、稲城のジュニアプレーヤーの強み(ストロングポイント)と 弱み(ウィークポイント)を抽出したり、数値で捉えられるものをグラフ化=“見える化”する事で、 各チーム指導者の日常のトレーニングの一助となればと考えています。 近隣地域とのサッカー力の差もまだまだ縮まっていないのが現状ですが、トレセンスタッフも新加入 のメンバーが4名増えましたので、新たな気持ちで全員で日々研鑽を積みつつ、全チームの代表者 コーチと一丸となって、稲城のボトムアップを諦める事無くチャレンジして行きたいと思っています。 最後に、今年度は降雪や雨天の影響で順延が続いたセレクションでしたが、会場に足を運び、当日、 緊張している選手達に激励の言葉を掛けて頂いた少年部の吉村部長には心より感謝申し上げます。 本当にありがとうございました。 「全ては選手たちのベストパフォーマンスのために!」 平成26年度も稲城トレセンへのご理解とご協力・ご声援をよろしくお願い致します。 以 上 稲城トレーニンセンター 技術委員長 佐藤 格史
(別添 1)
参加者全体分析結果
2014年5月16日 (1)リフティング 10回未満 10回以上 50回以上 100回以上 最高値 最低値 0 2 9 43 400 21 2 12 16 20 428 6 10回未満 10回以上 50回以上 100回以上 最高値 最低値 0 9 21 17 387 11 5 21 10 6 286 2 5回未満 5回以上 20回以上 30回以上 最高値 最低値 1 27 6 4 114 3 13 24 2 3 50 3 (1)-①インステップ(交互) (1)-②インステップ(逆足) (1)-③ヘディング 19 12 ③ヘディング(連続回数/2min.) 新6年生 新5年生 10回以上 3 ①インステップ交互(連続回数/3min.) 新6年生 30回以上 新5年生 4 ②インステップ逆足(連続回数/3min.) 30回以上 新6年生 10 新5年生 12 0 2 3 9 43新6年生
10回未満 10回以上 30回以上 50回以上 100回以上 2 12 4 16 20新5年生
10回未満 10回以上 30回以上 50回以上 100回以上 1 27 19 6 4新6年生
5回未満 5回以上 10回以上 20回以上 30回以上 13 24 12 2 3新5年生
5回未満 5回以上 10回以上 20回以上 30回以上 5 21 12 10 6新5年生
10回未満 10回以上 30回以上 50回以上 100回以上 0 9 10 21 17新6年生
10回未満 10回以上 30回以上 50回以上 100回以上 平成26年度選考会分析(20140516).xls(別添 2)
カテゴリー別平均比較
2014年5月16日 (1)リフティング (1)-①インステップ(交互) (1)-②インステップ(逆足) (1)-③ヘディング (1)-④タッチライン間移動 ①インステップ交互 (連続回数/3min.) 新6年 (U-12) 新5年 (U-11) 全体ave. 189.7 100.1 合格者ave. 25.3 16.9 合格者ave. 266.3 166.3 ③ヘディング連続 (連続回数/2min.) 新6年 (U-12) 新5年 (U-11) 全体ave. 15.9 10.0 全体ave. 78.9% 48.1% 合格者ave. 100.0% 83.3% 合格者ave. 121.4 86.9 新6年 (U-12) 新5年 (U-11) ④タッチライン間移動 (40m) ②インステップ逆足 (連続回数/3min.) 新6年 (U-12) 新5年 (U-11) 全体ave. 94.9 47.9 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 140.0 160.0 180.0 200.0 220.0 240.0 260.0 280.0 新6年 新5年 全体ave. 合格者ave. 40.0% 45.0% 50.0% 55.0% 60.0% 65.0% 70.0% 75.0% 80.0% 85.0% 90.0% 95.0% 100.0% 新6年 新5年 全体ave. 合格者ave. 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 24.0 26.0 28.0 新6年 新5年 全体ave. 合格者ave. 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 110.0 120.0 130.0 新6年 新5年 全体ave. 合格者ave. 平成26年度選考会分析(20140516).xls(別添 3)