解剖生理学
呼吸と血液のはたらき
(呼吸器)
P.109-141 • 呼吸器の構成 ・気道 :呼吸器で空気を取り入れて運ぶ通路。 :気道は鼻腔を通って咽頭に達し、 咽頭で口から食道に抜ける 食物と交差する。 :咽頭からは前方の喉頭に抜け、 器官・気管支を通って肺に達する。 :鼻腔から咽頭までの気道は上気道。 :上気道は、感昌などの呼吸器系の 感染症が頻発の部位である。 :気管から下は、下気道といわれる。 • 上気道 ・鼻 :鼻は、顔の中央にあって、 気道の入り口となる器官で、嗅覚も受け持つ。 :外鼻は、顔の中央に飛び出した鼻の高まりで、 鼻腔の前壁を成し、 鼻根・鼻背・鼻翼・鼻尖の各部からなる。 :鼻骨と鼻軟骨が骨組みをつくる。 : 1対の外鼻腔が、鼻腔の入り口となる。 ・鼻(鼻腔) :鼻腔は鼻中隔によって左右に分けられ、 側壁からは、上、中、下の3つの鼻甲介が突出、 鼻腔を上、中、下の鼻道に分けている 鼻甲介と鼻中隔との間は総鼻道という。 :鼻腔の後ろは、1対の後鼻孔となって咽頭に続く。呼吸器の構造
P.110 鼻根 鼻背 鼻翼 鼻尖 外鼻孔呼吸器の構造
• 上気道 ・鼻(鼻腔) :内眼角からおこる鼻涙管は、 下鼻甲介の陰に開き、 余分な涙を鼻に導く為、泣くと鼻水が出る。 :副鼻腔には、いくつかの開口部がある。 :外鼻孔に近い部分は鼻前庭、 重層扁平上皮で覆われ、鼻毛がある。 :鼻腔を覆う鼻粘膜の大部分は呼吸部といい、 多列線毛上皮で覆われていて血管に富み、 多くの鼻腺がある。 :鼻中隔の前端部で外鼻孔近くの粘膜は キーゼルバッハ部位といい、毛細血管が多く集まり、 直下に軟骨があって、鼻出血が起こり易い。 :鼻腔の後上の小部分は、嗅部の粘膜になり、 嗅覚を受け持つ。 P.110呼吸器の構造
• 上気道 ・鼻(副鼻腔) :頭蓋を構成する上顎骨・前頭骨・ 蝶形骨・篩骨の内部には空洞があり、 鼻腔として交通しているので、 それぞれ、上顎洞・前頭洞・ 蝶形骨洞・篩骨洞とよばれ、 総称として副鼻腔と言われる。 :副鼻腔の開口する場所は、 前頭洞と上顎洞は中鼻道に開口と 決まっている。 :副鼻腔の内面をおおう粘膜は、 鼻腔の呼吸部と同様である。 :副鼻腔は、頭蓋骨の重さを軽減すると、 発声時の共鳴腔として機能している。 :鼻腔の炎症が波及すると、副鼻腔炎となる。 :治療は、副鼻腔の鼻腔開口部から洗浄器が 挿入され、副鼻腔が洗浄される。 P.111呼吸器の構造
• 上気道 ・咽頭 :咽頭は前方の鼻腔・口腔からつながり、 前下方の喉頭と下方の食道につながる。 :長さは約12cmで、 上から・咽頭鼻部 ・咽頭口部 ・咽頭喉頭部の3部に分かれる。 :頭蓋底のすぐ下から始まり、 頚椎のすぐ前を下行しながら 漏斗状に細くなり食道に続く。 :咽頭は、食道の通路(口腔→食道)と 呼吸気の通路(鼻腔→喉頭)の交差点で、 呼吸器系と消化器系の両方に属する。 P.111呼吸器の構造
• 上気道 ・咽頭鼻部 :後鼻孔により鼻腔と繋がり、 耳管の開口部である 耳管咽頭口 が両外側壁にあり、 耳管のもう一方の端は中耳につながり、 鼓膜の内外の気圧差を解消する。 :感冒などで鼻から咽頭に生じた炎症が 耳管を通って中耳に及び、 中耳炎を惹起する事もある。 :後壁上部の粘膜にはリンパ小節が多数集まり、 咽頭扁桃になっている。 :小児では咽頭扁桃が肥大しやすく、 耳管の開口部を圧迫して聴力障害を惹起したり、 気道が狭くなり、鼻からの呼吸を困難にする。 ・咽頭口部 :口蓋から舌骨の高さまでの部分であり、口峡により口腔と交通する。 ・咽頭喉頭部 :舌骨よりも下方で、喉頭の後ろにあり、前方は喉頭と交通し下は食道に続く。 P.112 • ワルダイエル咽頭輪 :舌根の左右にある舌扁桃 :口蓋舌弓と口蓋咽頭弓の 間で左右にある口蓋扁桃 :耳管開口部の周囲で左右の耳管扁桃 :咽頭円蓋にある咽頭扁桃 :これらの扁桃が 後鼻孔・口峡を取り囲む様に 配置されている。 :これをワルダイエル咽頭輪という。呼吸器の構造
• 上気道 ・喉頭 :喉頭は 咽頭の前にある軟骨で囲まれた空間で、 咽頭から気管に向かう空気の取り入れ口。 :喉頭は複数の軟骨を含んでいる。 :のどぼとけ して突き出す甲状軟骨、 その下の輪状軟骨、 喉頭の入り口に被さる喉頭蓋(喉頭蓋軟骨)や 輪状軟骨の上に鎮座する1対の披裂軟骨である。 :喉頭蓋は 喉頭への入り口の前上部に 舌状に飛び出ている。 :これらの軟骨をつなぐ喉頭筋がいくつかある。 :喉頭筋は骨格筋であるが、 迷走神経によって支配されている。 • 上気道 ・喉頭 : 最も大きぃ甲状軟骨は 甲状舌骨靱帯と甲状舌骨筋で 舌骨から釣り下げられている。 : 甲状軟骨の裏側に、 喉頭蓋軟骨や披裂軟骨があり、 下方の輪状軟骨を介して 気管へ続く。 :喉頭蓋軟骨はしゃもじ形をした軟骨で、 披裂軟骨は左右一対で声門を構成する。 :披裂軟骨は 発声時に 高さ・質を変化させる機能がある。 :喉頭の筋には、喉頭と周囲の骨をつなぎ, 喉頭全体を上下させる働きの 胸骨甲状筋, 甲状舌骨筋(外喉頭筋 ) と 発声時に働く際に多数の内喉頭筋がある。
呼吸器の構造
• 上気道 ・喉頭 :通常時、 気管の入り口は 空気の通り道として 確保されている。 :嚥下時、 甲状軟骨と舌骨を間の 甲状舌骨筋が収縮することで、 喉頭が上前方に挙上される。 :この動きは、 のど仏に手を触れながら 嚥下をすると確認できる。 :喉頭が挙上される と しゃもじの柄の部分を支点となり、喉頭蓋軟骨が後方に倒れ込み 気管の蓋として機能する。 :同時に内喉頭筋の1つである横披裂筋の収縮により 左右の披裂軟骨が近づき声門が閉鎖する。 :嚥下時には呼吸運動が少しの問停止する嚥下性無呼吸を起こし、 食物や水分が気管内に侵入する誤嚥を防ぐ。呼吸器の構造
• 上気道 ・喉頭(声門) :喉頭の内腔には、前庭ヒダと声帯ヒダという 上下2対のヒダが壁の両側からはり出している。 :声帯ヒダの内部には声帯靭帯と声帯筋がある。 :声帯靭帯と声帯筋は前後方向に走り、 甲状軟骨と披裂軟骨の間にある。 :声帯ヒダとその内部の声帯靭帯および 声帯筋を含めて声帯とよぶ。 :後方の披裂軟骨を動かすことにより、 声帯ヒダの間のである声門の幅がかわる。 :閉じている声門において、 声門に急激な呼気を通すと、 声帯ヒダが振動して声が生じる。 P.112呼吸器の構造
• 上気道 ・喉頭(声門) :声の高さは、声帯の長さや声帯筋の緊張を 変更する事により変化する。 :ヒトのさまざまな種類の声は、 この声帯でつくられた空気の振動が、 口腔や鼻腔などの付属共鳴腔で 修飾されて生じたもの。 :喉頭の粘膜の大部分は 多列線毛上皮で覆われるが、 前庭ヒダと声帯ヒダの一部は 重層扁平上皮で覆われている。 :声帯の状態は、喉頭鏡を口から挿入して 観察することができる。 P.112呼吸器の構造
• 上気道 ・発声と構音 :声を出して話すという事は、 喉頭での発声 と口腔・咽頭での構音 の 2つの過程により行われる。 :発声は、下気道から送り出された 呼気のエネルギーを使って 喉頭の声帯を振動させ、 さまざまな高さと強さの音波をつくり出す事。 :口頭でつくられた音波は呼気とともに、 咽頭を通して口腔に運ばれ、音波を共鳴させて 言語音にしたる事を構音という。 P.113呼吸器の構造
• 上気道 ・発声と構音(発声) :声帯を振動させて音波をつくるには、 最初に声門を一時的に閉じておき、 閉じた声門に呼気を加え 声門より肺よりの気圧を高める。 :その圧により声門が圧迫に耐えられず、 少し開き瞬間的に少量の呼気が流出し、 声門下の圧が下がると再び声門は閉じる。 :声門の開閉と呼気の断続的な流出により、 声帯の振動がおこる。 :声の強さは 呼気の圧によって調節される。 :声の高さは 声帯の振動数であり、 声帯の緊張・厚さ・長さによって決まる。 :声帯筋が収縮すると声は高くする。 P.113呼吸器の構造
• 上気道 ・発声と構音(発声) :成人男性の声は、女性よりも低い。 :成人男性の声は、思春期の二次性徴時に 甲状軟骨が前方に突出した結果、声帯靭帯が長くなり、声が低くなった。 :二次性徴後の声の変化を「声がわり」という。 :女性においても思春期の二次性徴はあるが、 喉頭の成長は男性に比べて微量であり、声の高さの変化は大差ない。 ・発声と構音(構音) :喉頭から出てきた呼気は、咽頭を通して口腔と鼻腔に運ばれ、外に出される。 :咽頭でつくられた音波を言語音に仕上げるには、 呼気を口腔においてて共鳴させる必要がある。 :下・下顎・口唇・軟口蓋などを動かして 口腔と咽頭の形を変化させる事で、様々母音と子音が構音される。 :口唇を閉じて鼻腔だけに呼気を通しても、ハミングにしかならない。 P.113• 下気道と肺 ・気管・気管支 :喉頭から肺に向かう空気の通る道全てを気道。 :喉頭から左右に枝分かれするまでを気管。 :気管分岐部から肺の中で、 複数回の枝分かれする部分を気管支。 :気管は喉頭の下方に続き、 頸部から胸腔内の 上縦隔(両側の肺に挟まれた部位)を下行し、 胸骨角、第2肋骨および第5胸椎の高さで 左右の気管支に分かれる。 :気管の後ろには食道があり、 喉頭の直下腹側は甲状腺に囲まれる。 :気管は長さ約10cm、太さ約2.0~2.5cmの管で、 16~20個の馬蹄形の軟骨が骨組みとなり 壁の前方と側方を囲み、 後壁は平滑筋を含む膜性壁で構成される 。 • 下気道と肺 ・気管・気管支 :気管支は 右が左よりも 太く、短く、傾斜も急で垂直に近い。 :気管に吸い込まれた異物は、 右気管支に流入することが多い。 :気管支は肺に入ると、 葉気管支(右3本、左2本)を経て 区域気管支(右10本、左8本)に分枝する。 :区域気管支後も分枝を繰り返す度に細くなり、 管壁の軟骨も次第に小さくなり、 最終的には内径2mm以下となり、 管腔を覆う軟骨も無くなり細気管支となる。 :細気管支は 肺小葉とよばれる結合組織で 区切られた小区間に入り込む。 :細気管支の壁は、平滑筋や弾性線維が発達し、 その後も枝分かれは行われ最終的に ブドウの房の様な肺胞となって終わる。
呼吸器の構造
• 下気道と肺 ・気管・気管支 :気管・気管支の内面には、 線毛のある粘膜(線毛上皮)で覆われ、 粘液を分泌する腺も備わっている。 :細気管支から肺胞にかけては、 壁の構造が次第に変化し、 ・終末気管支・呼吸細気管支・肺胞管・肺胞嚢 と区別され、最終的に肺胞となる。 :気管支の平滑筋は 気管支の太さを調節する。 :気管支の平滑筋が極度に収縮した事で細くなり、 呼吸が困難になった状態が気管支喘息。 P.115呼吸器の構造
• 下気道と肺 ・肺 (lung) :胸腔の中央部の縦隔を除いた大部分を占め、胸膜という漿膜に包まれている。 :半円錐形で上の細くなった部分を肺尖、鎖骨の上に2cmほど突出し、 下方の広くなった部分を肺底、横隔膜に接する。 :肺の内側面は縦隔に面しているので縦隔面、 内側面の後端部は椎骨に接するので椎骨面、 外側面は肋骨に接するので肋骨面、 底部で、横隔膜に接する部位を横隔面という。 P.116呼吸器の構造
• 下気道と肺 ・肺 (lung) :肺表面は、左右の肺に見られる斜切痕と右肺のみに見られる横切痕があり、 切痕により、右肺は上葉・中葉・下葉、左肺は上葉・下葉に分かれる。 :右肺は左肺よりも大きい。(重量比は、右肺:左肺=8:7~10:9) :両肺の内側面中央部には、気管支・肺動静脈 神経が出入りする 肺門があり、リンパ節も多数ある。 :肺の重量は、成人男性で約1.0㎏で、肝臓や脳に次ぐ大きさの臓器である。呼吸器の構造
• 下気道と肺 ・肺 (lung) :肺葉は 右肺で10区域(S1~S10) 、 左肺では8~9の区域(S1~S10)と 複数の肺区域に分かれ、 それぞれの区域気管支(B1~B10)に 対応している。 :肺は空気を含む肺胞を無数に持ち、 柔軟で弾力に富む。 :成人の肺では、 小葉間の結合組織に炭素粒が沈着して、 まだらな暗赤色を呈する。 P.116呼吸器の構造
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右肺区域 • 右:上葉 / 3区域 ・肺尖 ・後上葉 ・前上葉 • 右:中葉 / 2区域 ・外側中葉 ・内側中葉 • 右:下葉 / 5区域 ・上下葉 ・内側肺底 ・前肺底 ・外側肺底 ・後肺底 :左肺区域 • 左:上葉 / 4区域 ・肺尖後 ・前上葉 ・上舌 ・下舌 • 左:下葉 / 4区域 ・上下葉 ・前肺底 ・外側肺底 ・後肺底呼吸器の構造
• 下気道と肺 ・肺胞嚢 :肺胞嚢の壁は 半球状に膨らんだ 多数の肺胞から構成される。 :肺胞は毛細血管に囲まれており、 毛細血管内の血液と肺胞気の距離は わずか0.5μmである。 :肺胞の数は肺全体で数億個になり、表面積は 70~100㎡になる。 :肺胞は 非常に広い面積を使って肺胞気と血液が接するので、 効率的なガス交換が可能となる。 :空気が入った肺胞の壁は薄いので、 表面張力によって縮もうとする。 :シャボン玉を膨らませた途中で、 口からストローを離すと、 縮んでしまうのと同じである。 :表面張力の力を弱めるため、肺胞壁の表面張力を抑える界面活性物質である サーファクタントを分泌するII型肺胞上皮細胞 が存在する。 • 下気道と肺 ・肺胞 :直径200μmほどの空気を含む小さな袋で、 互いに極薄の壁で隔てられ、 壁と壁の間に毛細血管が広がる。 :肺胞の内面は 扁平な肺胞上皮細胞で覆われ、 肺胞上皮と毛細血管の壁を通して、 血液と空気の間のガス交換を行う。 :肺は小児期に成長して肺胞の数を増やし、成人では左右の肺を合わせると 2~7億個もの肺胞があり、肺の表面積は90~100m2といわれる。 :肺胞の毛細血管の総延長は、500~1,000kmに達すると言われる。 (東京-京都:500㎞/ 東京‐下関:1000㎞) :肺胞の毛細血管は、肺動脈から静脈血を受け取り、 肺胞でガス交換を終えた動脈血は肺静脈を通して心臓に戻る。 :肺動脈・肺静脈は ガス交換を行う機能血管であるのに対し、 気管支動脈・気管支静脈は組織を養う栄養血管である。 :気管支動脈は気管支・気管支枝に沿って分布し、 小葉基部まで達して肺各部の組織に向かい、一部は胸膜にも達する。
呼吸器の構造
• 肺の血管 :ガス交換のための血管を 機能血管。 :肺を養っている血管を 栄養血管。 ・機能血管 :機能血管は右心室から出る肺動脈であり、 肺動脈は縦隔で左右に枝分かれして、 右肺動脈と左肺動脈に分かれる。 :左右肺動脈は気道と同様に分岐して いき、 最後は肺胞で毛細血管になる。 :肺胞でガス交換を終えた血管は、 分岐時と同様に合流を繰り返し、 左右それぞれ2本の肺静脈となり、 左心房に流れ込む。 ・栄養動脈 :肺自体の栄養動脈は、気管支動脈である。 P.118呼吸器の構造
• 気管と肺の神経支配 :気管支と肺の感覚は、主に迷走神経が司る。 :気管枝と肺には、自律神経系の交感神経と副交感神経が分布している。 ・副交感神経 :気管や気管支の平滑筋を収縮して、気管支の内腔を狭めたり、 粘液分泌を促す作用をもつ。 ・交感神経 :気管支を弛緩させ、粘液分泌を抑制する。胸郭の構造
:肺自体に伸縮させるための筋は無いので、 肺の拡張や収縮は、肺を取り囲んでいる胸郭と横隔膜の運動による。 ・胸郭 :胸郭は胸部の外形部で、 後方には支柱となる 12個の胸椎、 この胸椎を起点として、 12対の肋骨が前方へ向かう。 :肋骨は 肋軟骨を介して胸骨とつながり、 円錐状の筒を形成する。 :上壁は胸膜という膜に覆われ、 下部は横隔膜により腹部と隔てられ、 胸腔とよばれる閉鎖空間をつく る。 ・呼吸筋 :吸息筋と呼息筋を合わせて呼吸筋という。 :主に肋間筋の収縮と弛緩により、胸郭の容積を変えて行う呼吸を 胸式呼吸。 :主に横隔膜を上下させて行う呼吸を 腹式呼吸。胸郭の構造
• 胸膜・縦隔 ・胸膜 :肺は、気管支や肺動静脈が出入りする 肺門以外は 肺胸膜に覆われ、 表面が平滑である。 :肺胸膜は、肺葉のすきまに進入する。 :肺胸膜は 胸膜腔の狭い間を挟んで 壁側胸膜と向かい合い、 胸郭や横隔膜の裏打ちとなる。 :肺胸膜と壁側胸膜は、 肺門部で反転しつながっている。 :正常では、胸膜腔に約5mLの漿液が入っている。 :肺胸膜と壁側胸膜の間は陰圧になっており、 僅かな隙間に漿液の層をはさんで密着する。 :胸膜の滑らかさと漿液の層によって、 肺は周囲の構造に対して滑りやすくなり、 呼吸運動により、自由に大きさを変えられる。 P.118 • 胸膜・縦隔 ・胸膜 :肺表面と胸壁の内面を覆う漿膜は、 肺門で折り返され、 二重の漿膜で覆われている。 :肺表面 (肺葉)に直接・接する面を 「臓側胸膜 (肺胸膜)」という。 :肺門で折り返された漿膜を壁側漿膜で、3種類存在する。 :肋骨に接する「肋骨胸膜」、 横隔膜に接する「横隔胸膜」、 縦隔に接する「縦隔胸膜」。 :肺と臓側胸膜の間を「肺間膜」という。 :臓側胸膜と壁側胸膜の間を「胸膜腔」という。 :胸膜腔内の漿液を「胸膜液」という。胸郭の構造
胸郭の構造
• 胸膜・縦隔 ・胸膜 (胸水と気胸) :肺や胸膜に炎症が起こると、 胸膜腔に浸出液が貯留した物を胸水という。 :胸膜に炎症が起こると、 肺胸膜と壁側胸膜が癒着して、 滑りが悪くなる事がある。 :肺胞の壁には弾性線維があり、 空気と間質液の界面に表面張力があり、 肺の組織は絶えず縮まろうとする。 :胸膜腔の内容が物が液体の為、 胸膜腔は壁側胸膜と常に密着しているが、 肺が傷つき、胸膜腔に空気が入ると 肺が縮んだ状態を気胸という。 P.119• 胸膜・縦隔 ・縦隔 :胸腔の中央部で、左右の肺に挟まれた部位。 :後方は胸椎、前方は胸骨、 側方は左右の側壁胸膜に囲まれた所。 :上方は、明瞭な境界なく頸部につながり、 下方では横隔膜を隔てて腹部に接する。 :縦隔内に、肺以外の胸部内臓と血管・神経が 含まれ、最大の臓器は心臓である。 :縦隔内の臓器の多くは漿膜に覆われていないが、 心臓だけは心膜に包まれている 。 :縦隔は 上縦隔と下縦隔に分けられ、 境界は胸骨角と第4胸椎体(T4)下縁を結ぶ高さ。 :下縦隔は心臓を中心にして、 前・中・後縦隔に区分される。 • 胸膜・縦隔 ・縦隔 (上縦隔) :縦隔の上部であり、 胸腺、食道、気管、血管、神経を含む。 (前縦隔) :胸骨と心臓の間の狭い部分で、 下縦隔の前部をなす。 :内胸動脈の枝や胸腺の下部などが含まれる。 (中縦隔) :下縦隔のうち心臓を含む部分で、 心臓と心膜および心臓に出入りする血管を含む。 (後縦隔) :心臓と脊柱にはさまれた下縦隔の後部である。 :食道、気管支、血管、胸管、神経を含む。 • 胸膜・縦隔 ・縦隔 (左面間) :上縦隔 / 上行大動脈・大動脈弓、 左肺動脈、左肺静脈 :下縦隔 (前縦隔) / 心臓 :下縦隔 (後縦隔) / 下行大動脈、食道、胸管、 迷走神経、交感神経幹、 奇静脈、半奇静脈