平成25年5月24日
厚生労働省保険局
レセプト・健診等のデータ活用について
1.レセプトの電子化について
レセプトデータについて
○ 保険診療を行った医療機関は、診療報酬点数表に基づいて計算した診療報酬(医療費)を
毎月の月末に患者一人一人について集計した上で、患者一人につき、外来と入院を別々にし
た明細書を作成し、審査支払機関を経由して保険者へ診療報酬を請求する。この請求書類を
レセプト(診療報酬請求書・診療報酬明細書)という。
被保険者(患者)
保険医療機関等
(病院、診療所、調剤薬局 等)
医療保険者
審査支払機関
(社会保険診療報酬支払基金
国民健康保険団体連合会)
①保険料(掛金)の支 払い ②診療サービス(療 養の給付) ③一部負担金の支払い ④診療報酬の請求 (レセプト) ⑦診療報酬の 支払い ⑤審査済の請求書送付 (レセプト) ⑥請求金額の支 払い保険医
※ 診療報酬明細書であるため、検査結果や重症 度といった、患者の状態に関する診療情報は基本 的に含まれていない。国
(レセプト情報・特定健診等
情報データベース)
(レセプト)保険診療の概念図
○診療開始日、診療実日数
○医療機関コード
○初診・再診、時間外等
○医学管理(医師の指導料等)
○疾病名
○投薬
○注射
○処置
○手術
○検査
○画像診断
○請求点数(1点につき10円)
など
レセプト(診療報酬明細書)の
主な記載項目
2医療機関情報
レコード
保険者レコード
傷病名レコード
診療行為
レコード
医薬品レコード
注)上記は、紙レセプトと各 レコードの関係をイメージす るために図示したものであり、 細部は正確ではない。レセプト共通
レコード
患者名「サンプル7
9」の紙レセプト
350% 100% 総 計 総 計
普及率(件数ベース)
0%
100%
4 0 0 床以上 4 0 0 床未満 病 院 計 診 療 所 医 科 計 歯 科 調 剤オンライン 68.8%
99.9%
95.6%
55.7%
99.9%
オンライン
電子媒体
紙
病院
医
科
歯科
調剤
1,050万件
2,924万件
社会保険診療報酬支払基金調べ
電子媒体
22.7%
普及率
400床未満 400床未満 病院計 1,095万件 診療所 医科計オンライン 69.6%
3,775万件 4,870万件99.9%
99.9%
94.4%
紙レセプト
7.7%
電子レセプト請求普及状況(件数ベース) 【平成25年4月請求分】
総
計
電子レセプト 92.3%
400床以上オンライン 69.6%
40.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 普 及 率
医療機関のレセプト電子化の推移(レセプト件数ベース)
医科(病院) 医科(診療所) 歯科 調剤 請求月 99.9% 76.0% 40.7% 99.9% 4.6% 0.0% 94.4% 85.8% 98.6% 86.7% 62.9% 25.0% 99.9% 97.9% 調剤 医科(病院) 歯科 医科(診療所) 55.7% 99.9% 99.4% 91.0% 31.5% 原則電子化時期 医科病院:22.1請求分~ 調 剤:22.1請求分~ 医科診療所:22.8請求分~ 歯科診療所:23.5請求分~ 99.9% 99.9% 93.0% 46.4% 5保有主体
データベース
使用目的
国
(厚生労働大臣)
NDB
○ 保有情報
レセプト情報・特定健診等情報
医療費適正化計画の作成、実施、
評価に資する調査・分析
保険者中央団体・
保険者
KDB(国保データベース)システム
国民健康保険の保険者等から委託を受けて、都道
府県国民健康保険団体連合会及び国民健康保険中
央会において、データを共同処理するもの。
○ 稼働予定
平成25年10月
○ 保有情報
医療 レセプト情報(後期高齢者医療広域連合も含
む)・特定健診等情報・介護レセプト情報
① 加入者についての健康状況
の把握・比較分析
② 加入者についての疾病別等
の医療費の分析
健保連システム
健康保険組合に対して、健康保険組合連合会が、
全組合のデータを集計・分析し、提供するもの。
○ 稼働予定
平成26年4月
○ 保有情報
レセプト情報・特定健診等情報
独自のシステムや民間事業者への委託により医療費
分析等を行っている保険者もある。
レセプト・特定健診等情報の保有状況について
2.レセプト情報・特定健診等情報データベー
スの活用状況について
レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)
の概要
全国医療費適正化計画及び都道府県医療費適正化計画の作成、実施及び評価に資するため
[高齢者の医療の確保に関する法律 第16条]
利用目的
厚生労働大臣
(注)外部事業者に維持管理を委託保有主体
・レセプトデータ
約59億件[平成21年4月~平成25年2月診療分]
※平成25年5月時点・特定健診・保健指導データ
約9,000万件[平成20年度~平成23年度実施分]
(注1)レセプトデータについては、電子化されたデータのみを収載 (注2)特定健診等データについては、全データを収載 (注3)個人を特定できる情報については、固有の暗号に置換することで、個人の診療履歴の追跡可能性等を維持しつつ、匿名化収載データ
レセプト情報・特定健診等情報データベースの利用概念図
本来目的利用
目的外利用(第三者提供)
医療費適正化計画の作成等
のための調査及び分析等
医療サービスの質の向上等
を目指した正確な根拠に基づく
施策の推進
○医療サービスの質の向上等を目
指した正確な根拠に基づく施策
の推進に有益な分析・研究
○学術研究の発展に資する目的で
行う分析・研究
(例)
○ 地域における医療機関への
受療動向等の把握
等
厚生労働省 都道府県 国の行政機関・地方公共団体 研究開発独法、大学、保険者中央団体、公益法人、国から研究費用を補助されている 者(民間企業も含む) 等有識者会議における審査
国による分析等
※データ利用の目的や必要性等について審査 ※データ利用の目的として「公益性の確保」が必要データ提供の可否の決定
データ提供の 可否について 助言結果の公表
国が公表する結果
のほか、都道府県が、
国に対し、医療費適
正化計画の評価等に
必要な情報の提供を
要請
都道府県による分
析等
9レセプト・特定健診等情報の利活用(本来目的利用)の状況
○ 都道府県に対し、医療費適正化計画の策定に利用できるよう、特定健診の検査値を集計した情報(※2)、
特定健診・保健指導の実施状況に関する情報(※3)の提供。
※2 BMI、腹囲、空腹時血糖、HbA1c、収縮期血圧、拡張期血圧、中性脂肪、HAL、LDLの都道府県別データを提供 ※3 特定健診実施率、特定保健指導実施率、メタボリックシンドローム該当者及び予備群者の割合、糖尿病に係る薬剤を服用している者の数な どを都道府県別、市町村別、年齢階級別、性別で提供○ 特定健診の結果から、検査値(※1)を都道府県別、年齢階級及び性別に集計したデータの公表
→ 公表された特定健診の結果を研究者等において、様々な目的に活用することが可能
※1 現在、BMI、腹囲、空腹時血糖、HbA1c、収縮期血圧、拡張期血圧、中性脂肪、HAL、LDLを公表○ 調剤レセプトの分析を通じた、都道府県別、年齢別の薬剤の使用状況や調剤医療費の動向の分析と公表
○ レセプト・特定健診等情報を活用し、医療費適正化計画の中心的な政策の1つである特定健診・
保健指導の医療費適正化効果の検証についても着手したところ。
<これまでの検証結果>
① メタボリックシンドローム該当者と非該当者の年間総医療費の差は、約9万円
② 特定保健指導を終了した者の約1/3が、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群でなくなる
11 合計 年齢階級 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% H20 H21 H20 H21 H20 H21 H20 H21 H20 H21 H20 H21 H20 H21 H20 H21 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 合計 基準該当 予備群該当 非該当 判定不能 未記入 平成20年度 ○メタボリックシンドロームの 該当者数 67,647名 予備群数 11,4091名 平成21年度 ○メタボリックシンドロームの 該当者数 49,720名 予備群数 73,072名
約18万人
約12万人
▲6万人 (▲32%)○ 平成20年度の特定健診結果に基づき特定保健指導を終了した者で、21年度の特定健診結果がある者が約23万人。そのう
ち20年度においてメタボリックシンドロームの該当者及び予備群は約18万人いたが、特定保健指導を終了した後の21年度
の特定健診結果では、該当者及び予備群数は約12万人で、約3割減少。
○ 平成21年度の特定健診結果でメタボリックシンドロームの該当者及び予備群となった者の平成22年度のレセプトにおける
年間平均総医療点数を基に比較すると、メタボリックシンドロームの該当者は非該当の者よりも、平均して年間9万円程度医
療費が高い傾向にある。
特定健診・保健指導に関するこれまでの検証結果
・2011年度 データ提供6件(申出数43件)
・2012年度 データ提供7件(申出数17件)
提供依頼申出者 所属機関 研究の名称 今中 雄一 京都大学 地域別医療需要・患者移動分析に基づく、 医療提供体制の評価と計画に関する研究 髙田 充隆 近畿大学 レセプト情報を用いた薬剤使用実態に関する研究 柴田 亜希子 国立がん研究センター レセプト情報等を利用したがん患者数計測に関する研究 久保田 潔 東京大学 乾癬の疫学研究 髙橋 亜由美 岐阜県 県庁 健康福祉部 乳がん検診の実態把握のための調査研究 武藤 慎吾 厚生労働省 医政局指導課 医療計画の見直しにあたっての 適正な受療医療圏などの検討について 提供依頼申出者 所属機関 研究の名称 飯原 なおみ 徳島文理大学 運転などに注意を要する医薬品の使用に関する研究 伊藤 弘人 国立精神・ 神経医療研究センター 向精神薬の処方パタンの探索的分析 俵木 登美子 厚生労働省 医薬食品局 安全対策課 メトホルミン及びブホルミンの処方実態の分析 木村 通男 浜松医科大学 紹介前後の同一検査実施状態調査 吉村 公雄 慶應義塾大学 精神疾患と生活習慣病の合併に関する研究 椿 広計 統計数理研究所 併用禁止医薬品、重複投与等の処方実態研究 東 尚弘 東京大学 我が国のがん医療におけるがん診療連携拠点病院の役割 および連携の実態に関する研究レセプト・特定健診等情報の利活用(目的外利用(第三者提供))の実施状況
(平成25年4月10日時点)
3.保険者によるレセプト情報等の活用について
① 現状の把握 ・ 医療費分析の実施 被保険者の受診状況、医療機関や医薬品に関する情報 を収集・分析を⾏う 保険者による分析を⽀援するシステムが稼働予定 (平成24年度予算等で補助) ・国保データベースシステム:平成25年10⽉から ・健保連システム:平成26年4⽉頃から ② 被保険者に対する情報提供・指導 ・ 医療費通知の送付 医療費の実情、健康に対する認識を深めることを⽬的 とし、被保険者・被扶養者に対し医療費を通知 ・ 重複・頻回受診者に対する指導 同疾病で複数医療機関に受診している者等へ指導 ・ 後発医薬品の使⽤促進 差額通知の送付等を⾏い、後発医薬品の使⽤を促進 ③ 有病者の重症化の予防 ・ 保健指導の実施 投薬状況等から⼀定の判断を⾏った上で、医療機関と⼗分に 連携し、⽣活習慣病等の改善に向けた指導を⾏う ・ 医療機関への受診勧奨 健診データとレセプトデータを突合し、健診データで異常値 を出しているにもかかわらず、通院していない者等に対し、受診 勧奨を⾏う ④ 給付の適正化 ・ レセプト点検の実施 請求誤りの多い事項等重要事項を定めた上でレセプト点検を⾏ う ・ 傷病⼿当の適正⽀給 レセプト等関係資料の確認、調査等により、傷病⼿当の適正⽀ 給に努める ・ 柔道整復師に係る療養費の適正化 被施術者への医療費通知や負傷部位の原因調査により療養費の 給付適正化を図る